JP5861870B2 - 終末期腎不全の検出方法 - Google Patents
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(1) 被験体の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量を測定するステップを含む、終末期腎不全の診断方法。
(2) 被験体の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量を測定するステップ、及び被験体の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量を、対照の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量と比較するステップを含み、被験体の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量が、対照の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量と比較して10%以下に低下するときに、被験体が終末期腎不全であるか、または終末期腎不全への移行段階にあると判定する、(1)に記載の方法。
(3) 尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量の測定を、尿から得られたエキソゾーム画分で行う、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 被験体がヒトである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(6) アクアポリン1に特異的に結合し得る抗体およびアクアポリン2に特異的に結合し得る抗体を含有する、終末期腎不全の診断薬。
(7) アクアポリン1に特異的に結合し得る抗体およびアクアポリン2に特異的に結合し得る抗体を含有する、終末期腎不全の診断用キット。
上記の抗原を、動物に対して、抗原の投与により抗体産生が可能な部位に、それ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与する。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。用いられる動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどの哺乳動物が挙げられる。抗血清中の抗体価の測定は常法により行うことができる。
ポリクローナル抗体は、例えば、抗原とキャリアとの複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物から活性型ハプトグロビンに対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。ポリクローナル抗体の作製に使用する抗原はモノクローナル抗体の作製におけるのと同様である。抗原とキャリアとの複合体を形成する際に、キャリアの種類および抗原とキャリアとの混合比は、キャリアに架橋させた抗原に対して抗体が効率よくできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよい。キャリアとしては、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン等が用いられる。また、抗原とキャリアのカップリングには、種々の縮合剤を用いることができ、具体的にはグルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
1,実験方法
(1)尿サンプルの調製
倫理委員会の承認のもと、同意が得られた患者より提供を受けた随時尿を用いて実験を行った。提供された尿を、まず1,000 gで15分間遠心し、続いてその上清を17,000 gで30分間遠心し、さらにその上清を200,000 gで60分間遠心し、その沈殿をエキソゾーム画分として分離した。エキソゾーム画分のタンパク質は、4×サンプルバッファー(0.5 M Tris-HCl、8% SDS、50% グリセロール、0.01% ブロモフェノールブルー、0.2 M DTT)と混合し、37℃で30分間インキュベートし可溶化してサンプルとした。また、富士ドライケムスライド(CRE-PIII、富士写真フイルム株式会社、Tokyo)を用いて全尿中のクレアチニン濃度を測定した。一方、採取した血液は、ヘパリンと混濁した後、12,000rpmで10分間遠心することで血漿を分離した。富士ドライケムスライド(CRE-PIII、富士写真フイルム株式会社、Tokyo)を用いて血漿中のクレアチニン濃度を測定した。
尿のエキソゾームサンプルは定法に従い、SDS-PAGEを行い、ゲル内のタンパク質はセミドライタイプ(KS-8460、マリソル、Tokyo)のブロッティング装置を用いてポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写した。転写後、TBS中にてローテーターで振盪しながら洗浄(15分、2回)し、5%スキムミルク、Tween-20を含むTBS(5% SM TTBS)でブロッキング(オーバーナイト、4℃)した。ブロッキング後、1次抗体(1.6% SM TTBSで1:1000に希釈したウサギ抗アクアポリン−1抗体または1.6% SM TTBSで1:500に希釈したヤギ抗アクアポリン−2抗体、以上Santa Cruz Baiotechnology, Inc、USA)を60分間反応させた(室温)。反応後、TTBSで1次抗体を洗浄(5分間、2回)し、1.6% SM TTBSで1:3000に希釈した2次抗体(抗ウサギIgG抗体または抗ヤギIgG抗体)を反応させた後、TTBSで洗浄(5分間、4回)し、最後にTBS(10分間、1回)で洗浄した。バンドの可視化はSuperSignal(登録商標) West Femto Maximam Sensitivity Subatrate(PIERCE社、IL)を用いて発光させ、ポラロイドカメラ(ECLTM-mini Camera、Amersham International plc.、Tokyo)で撮影した。
尿中エキソゾームタンパク質については、一定量のクレアチニンを含有するサンプルに含まれるタンパク質量を定量化し、対照群の値の平均値を100%として表した。各データは、平均値±標準誤差(SEM)で示した。有意差検定には、Dunnett法を用いた。
図3に終末期腎不全患者6例の尿中アクアポリン1またはアクアポリン2タンパク質排泄量をそれぞれまとめた結果を示す。図3から明らかなように、終末期腎不全患者において、尿中アクアポリン1およびアクアポリン2タンパク質はほとんど検出されないことが分かった。なお本実施例では、アクアポリン2タンパク質排泄量の1例に、他の測定結果と大きく外れた結果が得られている。これを外れ値とみなせば、アクアポリン2タンパク質の排泄量は、ほぼゼロであり、アクアポリン1タンパク質の排泄量と同程度とすることができる。一方、図には示していないが、慢性腎不全患者43例において同様の検討を行ったところ、健常者と比較して、尿中アクアポリン1およびアクアポリン2タンパク質排泄量はそれぞれ、550 ± 382、132 ± 50%であり、発現量に有意差は見られなかった。
Claims (7)
- 被験体の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量を測定するステップを含む、終末期腎不全の検出方法。
- 被験体の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量を測定するステップ、及び被験体の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量を、対照の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量と比較するステップを含み、被験体の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量が、対照の尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量と比較して10%以下に低下するときに、被験体が終末期腎不全であるか、または終末期腎不全への移行段階にあると示される、請求項1に記載の方法。
- 尿中のアクアポリン1およびアクアポリン2の量の測定を、尿から得られたエキソゾーム画分で行う、請求項1または2に記載の方法。
- 被験体がヒトである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- アクアポリン1およびアクアポリン2の測定がアクアポリン1に特異的に結合する抗体又はその断片およびアクアポリン2に特異的に結合する抗体又はその断片をそれぞれ用いた免疫学的測定法により行われる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- アクアポリン1に特異的に結合し得る抗体又はその断片およびアクアポリン2に特異的に結合し得る抗体又はその断片を含有する、終末期腎不全の検出薬。
- アクアポリン1に特異的に結合し得る抗体又はその断片およびアクアポリン2に特異的に結合し得る抗体又はその断片を含有する、終末期腎不全の検出用キット。
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