JP5861461B2 - ダイヤモンドバイトおよびその製造方法 - Google Patents
ダイヤモンドバイトおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5861461B2 JP5861461B2 JP2012006827A JP2012006827A JP5861461B2 JP 5861461 B2 JP5861461 B2 JP 5861461B2 JP 2012006827 A JP2012006827 A JP 2012006827A JP 2012006827 A JP2012006827 A JP 2012006827A JP 5861461 B2 JP5861461 B2 JP 5861461B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diamond
- fine
- metal layer
- present
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
このような光学素子の例として、ワイヤーグリット型偏光子が挙げられる(例えば特許文献1)。ワイヤーグリット型偏光子は、金属等で構成された導電体線が、所定の幅および所定のピッチで平行に配列された凹凸構造(以下、グリット構造と称して説明する場合がある。)を有するものである。また、ワイヤーグリット型偏光子は、対象光を偏光成分ごとに分離する素子であり、上記導電体線に対して平行な偏光成分を反射し、上記導電体線に垂直な偏光成分を透過することで単一偏光を作り出す機能を有するものである。
したがって、ワイヤーグリット型偏光子に高精度なグリット構造を形成するためには、上述したダイヤモンドバイトの描画部に上述した複数の微細凹部を高精度に形成する必要がある。
そこで、本発明者らは、従来のFBIを用いたダイヤモンドバイトの製造方法とは異なる製造方法を用いることを検討し、さらに鋭意研究を行うことで、ダイヤモンドバイトにおける描画部の複数の微細凹部を高精細に形成することが可能であり、かつ上記描画部における複数の微細凹部の内面にダメージ層の形成を抑制することが可能となるダイヤモンドバイトの製造方法を見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
また、本発明のダイヤモンドバイトの製造方法においては、電子線ビームを用いることにより、高精細なパターンを有するレジスト層をダイヤモンド基体および金属層を有する積層体上に形成することが可能である。また、パターン状に形成されたレジスト層を用いることにより、金属層をパターン状に除去し、ダイヤモンド基体に酸素プラズマエッチング処理を行うことで、ダイヤモンドバイトにおける上記描画部の上記複数の微細凹部の内面のダイヤモンドの結晶性を保持した状態で高精細な微細凹部を形成することが可能となるといった作用効果を奏する。
本発明のダイヤモンドバイトについて説明する。
本発明のダイヤモンドバイトは、ダイヤモンド基体表面の凸部にストライプ状に形成された複数の微細凹部からなる描画部を有するものであって、上記描画部の上記複数の微細凹部の内面が結晶性を有するダイヤモンドから構成されることを特徴とするものである。
図1(a)〜(c)に示すように、本発明のダイヤモンドバイト10は、ダイヤモンド基体1表面の凸部1’にストライプ状に形成された複数の微細凹部21からなる描画部2を有するものである。また、本発明のダイヤモンドバイト10は、描画部2の複数の微細凹部21の内面が結晶性を有するダイヤモンドから構成されることを特徴とする。また、図1(a)においては、凸部1’が隣接する2つの平面、すなわち1α面および1β面からなる角部であり、角部に描画部2が形成されている例について示している。
上述した方法は、FBIに用いられるガリウムイオンに比べて原子量の小さな酸素イオンを用いてダイヤモンド基体に加工が施されるため、上記微細凹部の内面においてもダイヤモンドの結晶性が崩されにくく、ダメージ層の形成を抑制することが可能となる。
本発明における描画部は、ダイヤモンド基体表面の凸部にストライプ状に形成された複数の微細凹部からなるものであり、上記描画部の上記複数の微細凹部の内面が結晶性を有するダイヤモンドから構成されている部分である。
本発明における微細凹部は、ダイヤモンド基体表面の凸部にストライプ状に複数形成されるものであり、描画部を構成するものである。
また、上記微細凹部は、その内面が上述した結晶性を有するダイヤモンドから構成されるものである。
ここで、ワイヤーグリット型偏光子においてはグリット構造の凸部または凹部の断面形状が矩形状である場合に高い偏光特性を示す傾向にある。よって所望のグリット構造を有するワイヤーグリット型偏光子を得るためには、グリット構造を転写するために用いられる金型の微細凹凸溝の凸部または凹部の断面形状、および上記金型の微細凹凸溝を形成するために用いられるダイヤモンドバイトにおける上記微細凹部の垂直断面形状も矩形状であることが好ましい。
なお、微細凹部の垂直断面形状は、図1(a)に示すB−B線断面における微細凹部の断面形状を指し、図1(b)に示すような微細凹部の断面形状を指す。
例えば、図2(a)〜(c)に示すように、微細凹部21が平面1βを有する凸部1’に形成されている場合は、図2(b)に示すように、微細凹部底面tが平面1βに対して平行となるような平行断面形状であってもよく、図2(c)に示すように微細凹部底面tが平面1βと交わるような平行断面形状であってもよい。
なお、微細凹部のストライプの垂直方向の断面形状とは、図2(a)に示すC−C線断面における微細凹部の断面形状を指し、図2(b)、(c)に示すような微細凹部の断面形状を指す。
なお、図2(a)は、本発明のダイヤモンドバイトの他の例を示す概略図であり、図2(b)、(c)は、それぞれ図2(a)のC−C線断面の一例を示す図である。また図2(a)〜(c)において説明していない符号については図1(a)等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、微細凹部の深さとは、ダイヤモンド基体表面に形成された微細凹部の最大深さを指し、図1(b)においてTで示される距離を指す。また、上述した微細凹部の深さは、ダイヤモンド基体表面に形成された複数の微細凹部の深さの平均値である。
本発明の描画部は、ダイヤモンド基体表面の凸部に形成され、複数の上述した微細凹部がストライプ状に形成されてなる部分である。
ここで、描画部のストライプのピッチとは、1つの微細凸部の中心から隣接する凹部の中心までの距離を指すものであり、図1(b)においてPで示される距離を指す。
なお、描画部のストライプの幅とは、本発明における描画部の平面視上のストライプの幅をいい、例えば図1(c)においてL1で示される距離を指す。
なお、描画部のストライプの長さとは、本発明の描画部の平面視上のストライプの長さをいい、例えば図1(c)においてL2で示される距離を指す。
上記凸部としては、平面を有するものであってもよく、図示はしないが曲面構造を有するものであってもよいが、平面を有するものであることが好ましい。上記凸部が平面を有することにより、金属基体表面を切削する際の加工性を施しやすいものとすることが可能となるからである。
なお、角部の角度とは、図1(a)においてθで示される角度である。また、図3に示すように複数の凸部1’が複数の角部である場合は、少なくとも1つの角部の角度θ1または角度θ2が上述した数値範囲となることが好ましい。
また、ダイヤモンドバイトの製造後にも、上記描画部の上記複数の微細凹部の内面以外の表面に金属層を有することで、複数の微細凹部からなる描画部を保護して、良好な状態で保持することが可能となる。
本発明におけるダイヤモンド基体は、その表面に上述した凸部を有し、上記凸部には上述した描画部が形成されているものである。
なお、台座については後述するため、ここでの記載は省略する。
また、本発明におけるダイヤモンドバイトは、図5(a)、(b)に示すように、ダイヤモンド基体の一部にアライメントマーク4を有していてもよい。上述したように、本発明のダイヤモンドバイトは通常、台座に固定されて用いられるものであることから、上記アライメントマークを有することにより、本発明のダイヤモンドバイトを正確かつ容易に台座に固定することが可能となるからである。
なお、図5(a)、(b)については、後述するので、ここでの説明は省略する。
本発明のダイヤモンドバイトは、上述した構成を有するものであれば特に限定されない。
本発明のダイヤモンドバイトは、主にワイヤーグリット型偏光子を製造するために用いられる微細凹凸溝を有する金型を作製する際に用いられるものである。具体的には、図6に示すように、金型を作製する際に用いられる金属基体100の表面をダイヤモンドバイト10の描画部2を用いて切削加工し、微細凹凸溝101を形成するために用いられる。
なお、図6は、本発明のダイヤモンドバイトの用途を説明するための図である。
本発明のダイヤモンドバイトの製造方法については、特に限定されるものではなく、例えば後述する「B.ダイヤモンドバイトの製造方法」の項で説明する製造方法を用いることができる。
次に本発明のダイヤモンドバイトの製造方法について説明する。
本発明のダイヤモンドバイトの製造方法は、上述した「A.ダイヤモンドバイト」の項で記載したダイヤモンドバイトを製造する製造方法である。
本発明におけるレジスト層形成工程は、上記ダイヤモンド基体および上記ダイヤモンド基体上に形成された金属層を有する積層体を準備し、上記積層体の上記金属層上にレジストを塗布してレジスト層を形成する工程である。
本発明における描画工程は、上記レジスト層を電子線ビームを用いて描画した後、現像処理を施して上記レジスト層をパターニングする工程である。
本発明における金属層除去工程は、上記レジスト層がパターニングされて露出した上記金属層にエッチング処理を施すことにより上記金属層をパターン状に除去する工程である。
本発明における微細凹部形成工程は、上記金属層が除去されて露出した上記ダイヤモンド基体に酸素プラズマエッチング処理を施すことにより、上記ダイヤモンド基体の表面に上記ストライプ状の上記複数の微細凹部を形成する工程である。
本発明のダイヤモンドバイトの製造方法は、上述したレジスト層形成工程、描画工程、金属除去工程、および微細凹部形成工程を有する製造方法であれば特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜選択して用いることができる。
このような工程としては、例えばダイヤモンドバイトの形状を整形するために行われる研磨工程、ダイヤモンドバイトを洗浄して乾燥させる洗浄・乾燥工程、ダイヤモンド基体表面に残存するレジスト層を剥離する剥離工程等を挙げることができる。
本発明の製造方法により製造されるダイヤモンドバイトは、上述した「A.ダイヤモンドバイト」の項で記載したので、ここでの説明は省略する。
1’ … 凸部
10 … ダイヤモンドバイト
10’ … 積層体
11 … 金属層
12 … レジスト層
13 … 電子線ビーム
14 … 酸素プラズマ
2 … 描画部
21 … 微細凹部
Claims (3)
- ダイヤモンド基体表面の凸部にストライプ状に形成された複数の微細凹部からなる描画部を有するダイヤモンドバイトであって、
前記描画部の前記複数の微細凹部の内面が結晶性を有するダイヤモンドから構成され、
前記ダイヤモンドバイトは、前記描画部の前記複数の微細凹部の内面以外の表面に形成された金属層を有することを特徴とするダイヤモンドバイト。 - 前記凸部が、隣接する2つの平面からなる角部であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドバイト。
- ダイヤモンド基体表面の凸部にストライプ状に形成された複数の微細凹部からなる描画部を有し、前記描画部の前記複数の微細凹部の内面が結晶性を有するダイヤモンドから構成され、前記描画部の前記複数の微細凹部の内面以外の表面に形成された金属層を有するダイヤモンドバイトの製造方法であって、
前記ダイヤモンド基体および前記ダイヤモンド基体上に形成された前記金属層を有する積層体を準備し、前記積層体の前記金属層上にレジストを塗布してレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
前記レジスト層を電子線ビームを用いて描画した後、現像処理を施して前記レジスト層をパターニングする描画工程と、
前記レジスト層がパターニングされて露出した前記金属層にエッチング処理を施すことにより前記金属層をパターン状に除去する金属層除去工程と、
前記金属層が除去されて露出した前記ダイヤモンド基体に酸素プラズマエッチング処理を施すことにより、前記ダイヤモンド基体の表面に前記ストライプ状の前記複数の微細凹部を形成する微細凹部形成工程とを有することを特徴とするダイヤモンドバイトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012006827A JP5861461B2 (ja) | 2012-01-17 | 2012-01-17 | ダイヤモンドバイトおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012006827A JP5861461B2 (ja) | 2012-01-17 | 2012-01-17 | ダイヤモンドバイトおよびその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015219919A Division JP6128189B2 (ja) | 2015-11-09 | 2015-11-09 | ダイヤモンドバイトおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013146795A JP2013146795A (ja) | 2013-08-01 |
JP5861461B2 true JP5861461B2 (ja) | 2016-02-16 |
Family
ID=49044857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012006827A Active JP5861461B2 (ja) | 2012-01-17 | 2012-01-17 | ダイヤモンドバイトおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5861461B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116652533B (zh) * | 2023-07-28 | 2023-11-21 | 深圳市锴诚精密模具有限公司 | 具有齿状纹面的精密零件加工方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2542608B2 (ja) * | 1987-03-09 | 1996-10-09 | 住友電気工業株式会社 | ダイヤモンド半導体のエツチング方法 |
JP4487035B2 (ja) * | 2004-09-10 | 2010-06-23 | 凸版印刷株式会社 | ダイヤモンド膜のパターン形成方法 |
JP4350120B2 (ja) * | 2006-12-11 | 2009-10-21 | 株式会社神戸製鋼所 | ダイヤモンドのエッチング方法 |
JP2010188704A (ja) * | 2009-02-20 | 2010-09-02 | Nippon Zeon Co Ltd | 金型の製造方法、成形体及び光学部材 |
-
2012
- 2012-01-17 JP JP2012006827A patent/JP5861461B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013146795A (ja) | 2013-08-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11404278B2 (en) | Optical component having variable depth gratings and method of formation | |
KR100989312B1 (ko) | 미세 패턴의 제조 방법 및 광학 소자 | |
JP5587672B2 (ja) | マスクブランク用基板の製造方法、インプリントモールド用マスクブランクの製造方法、及びインプリントモールドの製造方法 | |
JP5356516B2 (ja) | 凹凸パターン形成方法 | |
TWI750446B (zh) | 覆板及其使用方法 | |
JP4564929B2 (ja) | 3次元フォトニック結晶の形成方法 | |
JP2006330178A (ja) | 光学装置及び光学装置の製造方法 | |
KR102408866B1 (ko) | 기판을 패턴화하기 위한 구조체들을 형성하기 위한 방법, 기판을 패턴화하는 방법, 및 마스크를 형성하는 방법 | |
US10274822B2 (en) | Template and method of manufacturing semiconductor device | |
US10553448B2 (en) | Techniques for processing a polycrystalline layer using an angled ion beam | |
US9308676B2 (en) | Method for producing molds | |
JP5861461B2 (ja) | ダイヤモンドバイトおよびその製造方法 | |
KR102491093B1 (ko) | 패턴 형성 방법 | |
JP6128189B2 (ja) | ダイヤモンドバイトおよびその製造方法 | |
JP2011133912A (ja) | 光学装置の製造方法 | |
US20090168170A1 (en) | Wire grid polarizer and method for fabricating the same | |
JP2011088340A (ja) | テンプレート及びパターン形成方法 | |
JP4936530B2 (ja) | 3次元フォトニック結晶の製造方法 | |
KR102630085B1 (ko) | 초미세 패턴 및 그 제조 방법 | |
CN103022281A (zh) | 一种纳米级图形化衬底的制造方法 | |
JP2020047634A (ja) | パターン形成方法、マスタテンプレートおよびテンプレートの製造方法 | |
US10879082B2 (en) | Wavelike hard nanomask on a topographic feature and methods of making and using | |
JP2006313300A (ja) | プリズムの製造方法 | |
US20050199582A1 (en) | Method for forming fine grating | |
US10381231B2 (en) | Ion beam etching |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150908 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150910 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151102 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151207 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Ref document number: 5861461 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |