JP5861435B2 - 熱間仕上圧延方法及び熱延金属板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱延鋼板などの熱延金属板を熱間仕上圧延する際における冷却制御に特徴を有する熱間仕上圧延の技術に関する。
一般に、熱延鋼板の仕上圧延設備では、品質を満足させる範囲の高能率稼動を目標として操業を行っている。このため、品質を満足させることが出来る範囲内で仕上圧延速度を設備の限界に設定して操業を行うことができれば、能率向上という面で大きなメリットに繋がる。
ここで、品質を満足させるための仕上圧延時の制御の1つである熱間仕上出側温度制御では、スラブを加熱炉で昇温し粗圧延機で圧延して粗バーとした後の粗バーにおける1m毎(切板毎)の板部分を制御対象とし、その各制御対象毎(粗バー1m毎つまり切板毎)にそれぞれ吐出パターン(目標冷却量)を計算する。そして、切板毎に計算した吐出パターンで冷却装置の各冷却水の吐出、停止を制御することで、仕上圧延後の板の温度が仕上出側目標温度となるように温度制御している。ここで、上記冷却量は、通常、仕上圧延速度、入側実績温度、入側換算の仕上出側目標温度(仕上出側目標温度を入側での温度に換算した入側での基準温度)から計算している。
例えば、特許文献1に記載の技術では、予め設定される仕上圧延速度は、過去の実績から仕上出側目標温度を満足できると推定される範囲内で、圧延機等の圧延設備の性能から機械的に設定されていた。すなわち、従来の熱間仕上出側温度制御では、品質が満足する仕上圧延速度で操業されることを前提として冷却制御がおこなわれている。また、特許文献2には、仕上出側目標温度より実績温度が下回る際に、仕上圧延速度を増加させる方法が記載されている。
特開2007−210009号公報 特開2009−95852号公報
しかし、過去の実績から仕上出側目標温度を満足すると推定される仕上最大速度を機械的に設定しているので、仕上最大速度が低めに設定されるおそれがあり、対象圧延材によっては最大能率で圧延することができないおそれがあった。
本発明は、上記のような点を考慮したものであり、必要以上に仕上圧延速度を落とすこと無く、仕上圧延後の板の温度をより精度良く仕上出側目標温度に制御可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、熱延金属板の長手方向に沿って予め設定した仕上圧延速度パターンで仕上圧延を行いながら、冷却装置によって上記板を冷却して、仕上圧延機出側での板温度を仕上出側目標温度に制御する熱間仕上圧延方法において、
上記板を長手方向に沿って仮想分割した切板毎に、仕上圧延機入側の板温度から、仕上圧延機出側での板温度を上記仕上出側目標温度とするための目標冷却量を求め、
その目標冷却量が上記冷却装置で出力可能な最大冷却量を越えるか判定し、当該目標冷却量が上記最大冷却量を越えると判定した切板部分の仕上圧延速度を、上記仕上圧延速度パターンで設定された設定仕上圧延速度未満の仕上圧延速度に設定変更し、
上記目標冷却量が上記最大冷却量を越えるか否かの判定は、対象とする熱延金属板の仕上圧延の実行前に実施することを特徴とする。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記仕上圧延速度パターンの最大仕上圧延速度は、仕上圧延機で圧延可能な最大の仕上圧延速度若しくは、その最大の仕上圧延速度から予め設定した余裕速度分だけ低い仕上圧延速度に設定されていることを特徴とする
次に、請求項に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記目標冷却量が上記最大冷却量を越えると判定すると、その最大冷却量を越えると判定した切板部分に対し上記最大冷却量で冷却したときに仕上圧延機出側での板温度を仕上出側目標温度とすることが可能な仕上圧延速度の上限である上限仕上圧延速度を算出し、
上記予め設定されている仕上圧延速度パターンの最大仕上圧延速度を上記上限仕上圧延速度以下に変更して、対象とする板の仕上圧延速度パターンの再設定を行うことを特徴とする。
次に、請求項に記載した発明は、請求項に記載した発明に対し、上記仕上圧延速度パターンの再設定を行った場合には、上記目標冷却量を再計算することを特徴とする。
次に、請求項に記載した発明は、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の熱間仕上圧延方法によって熱間仕上圧延を行うことを特徴とする熱延金属板の製造方法である。
本発明によれば、必要以上に仕上圧延速度を落とすこと無く、仕上圧延後の板の温度をより精度良く仕上出側目標温度に制御することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る仕上圧延機とその制御部の概要図である。 本発明に基づく実施形態に係る冷却制御コントローラの構成を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る目標冷却量演算部の処理を説明する図である。 本願発明を適用する前の状態を説明する図であり、(a)は切板単位の温度や目標冷却温度を説明する図であり、(b)は設定変更する前の仕上圧延速度パターンを説明する図である。 本発明に基づく実施形態を適用した場合の状態を説明する図であり、(a)は設定変更後の仕上圧延速度パターンを示す図であり、(b)は板単位の温度や目標冷却温度を説明する図である。 設定変更後の他の仕上圧延速度パターンを示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
「構成」
(設備構成)
本実施形態の仕上圧延機1は、図1に示すように、7つのスタンドF1〜F7から構成されていると共に、各スタンドF1〜F7間にそれぞれ冷却装置2が配置されている。冷却装置2は、例えば冷却水スプレー装置から構成されて、熱延金属板6の表面に向けて冷却水を吹き付け可能となっている。なお、冷却水を吹き付けない箇所では空冷が行われることとなる。本実施形態では上記冷却装置2の配置例として、図1に示すように、上記7つのスタンドF1〜F7のうち、F5、F6、F7スタンド前に1つ(図1の2e、2f、2g)、F1、F4スタンド前に2つ(図1の2a、2d)、F2、F3スタンド前に3つ(図1の2b、2c)、合計13つの冷却装置を設置する場合を例示している。なお図1では、板6の上方に存在する冷却装置だけを図示しているが、実際には板6の下側にも同様に冷却装置が配置されて、板6の上下両方から当該板6の冷却を実施可能な構成となっている。
また、上記仕上圧延機1の入側に入側温度計3が設置されていると共に、上記仕上圧延機1の出側に出側温度計4が設置されていて、この温度計3,4を用いて入側と出側の実績温度を測定している。
なお、仕上圧延機1の上流側には、加熱後のスラブを圧延する粗圧延機が配置されていると共に、その粗圧延機の出側と仕上圧延機1の入側との間には、板6の温度降下等を補償するための、バーヒータBH及びエッジヒータEHが配置されていて、粗圧延から仕上圧延開始までの間の板の温度補償を行っている。図1中、符号R5は、粗圧延機の最終スタンドを例示している。また、粗圧延機の出側には、第2の温度計5が配置されて、粗圧延されて仕上圧延機1に搬送される板6の温度を測定可能となっている。
また、仕上圧延機1の下流側には、板6の方向を変更するピンチロール(不図示)と巻取り機(不図示)が配置されており、仕上圧延された板6を順次巻取り機で巻き取る構成となっている。
(圧延制御)
仕上圧延制御コントローラ11が、仕上圧延機入側の板厚、圧延機出側での目標板厚、仕上圧延速度に応じた各目標圧下量に各スタンドF1〜F7での圧下量を制御する。
仕上圧延の際に、板6を搬送するための基準とする仕上圧延速度パターンは、一本の板毎に、圧延設備の諸元に基づき高能率で圧延可能な速度パターンに予め設定されている。
具体的には、本実施形態での仕上圧延速度パターンは、図4(b)のように設定されている。すなわち、仕上圧延後の板6の先端部が巻取り機に巻き付き安定した張力が巻取り機と仕上圧延機1との間で発生するまでは、第1の加速度で仕上圧延速度を徐々に高くし、巻取り機に巻取り始めたら、上記第1の加速度よりも大きな第2の加速度で仕上圧延速度を高くしていき、圧延機の諸元から決まる設備上限の最大仕上圧延速度(仕上最大速度とも呼ぶ)まで加速する。その後、板6の尾端側の圧延に移行するまではその最大仕上圧延速度で圧延するが、板6の尾端側になると、第1の減速度で徐々に仕上圧延速度を落としていく。なお、上記図4にしめす仕上圧延速度パターンは、一例である。ただし、このような考えの元に、各設備毎に、上記仕上圧延速度パターンが種々予め設定される。
なお、仕上圧延制御においても、板6を長手方向に沿って所定単位毎に仮想的に分けた切板単位に圧下制御を実施する。
(熱間仕上出側温度制御の制御部)
次に、仕上圧延中の温度制御(冷却制御)について説明する。この温度制御は、仕上圧延機出側での板温度が仕上出側目標温度となるように、仕上圧延中に上記冷却装置2を使用して冷却を行う温度制御である。この温度制御は、板6を長手方向に沿って所定単位毎に仮想的に分けた切板単位に実施する。この熱間仕上出側温度制御は、冷却制御コントローラ10で実施される。
この冷却制御コントローラ10は、図1に示すように、機能的には、冷却量設定調整部10Aと冷却制御部本体10Bとを備える。
冷却量設定調整部10Aは、図2に示すように、温度トラッキング部10Aaとスプレー冷却制御部10Abとを備える。
温度トラッキング部10Aaは、切板毎に仕上圧延機1内の切板位置をトラッキングする。例えば仕上圧延速度によって各切板位置を推定する。温度トラッキング部10Aaは、トラッキング情報をスプレー冷却制御部10Abに出力する。
スプレー冷却制御部10Abは、冷却制御部本体10Bが出力した切板毎の目標冷却量Cに基づき、各切板毎に、目標冷却量Cとするための冷却装置の冷却水の吐出パターンを決定する。そして、温度トラッキング部10Aaからの各切板のトラッキング情報を参照しつつ、各冷却装置2の吐出を制御して、各切板への冷却量が上記目標冷却量C*となるように調整する。
上記冷却制御部本体10Bは、対象とする板6に対する各切板毎の目標冷却量Cの演算を行う制御部である。この冷却制御部本体10Bは、図2に示すように、目標冷却量演算部10Ba及び目標冷却量再設定部10Bbを備える。
目標冷却量演算部10Baは、対象とする板6に対し、必要に応じて仕上圧延速度パターンを設定変更すると共に、各切板毎の目標冷却量Cの演算を行う。
目標冷却量再設定部10Bbは、設定されている仕上圧延速度を変更した切板に対する目標冷却量Cの再設定処理を行う。
次に、上記目標冷却量演算部10Baの処理を、図3のフロー図を参照して説明する。なお、対象とする板6の先端の切板をn=1とし、尾端側に向かうにつれて切板nの値を大きく設定していく。切板数は板毎に予め決められている。本実施形態の目標冷却量演算部10Baの処理は、第2の温度計5の位置(粗圧延機出側位置)を対象とする板6が通過する際に実行される。
目標冷却量演算部10Baは、まずステップS10にて、切板番号nを初期化してステップS20に移行する。
ステップS20では、対象とする板6に対して予め設定されている仕上圧延速度パターンに基づき、対象とする切板の仕上圧延速度を取得する。そして、ステップS20にて、切板単位に、入力した仕上圧延速度と予め設定されている温度モデルとを用いて、冷却装置による冷却が無いとした場合における温度降下量の計算を行う。そして、その計算した温度降下量に基づき、予め設定された仕上出側目標温度を入側目標温度に換算する。例えば、仕上出側目標温度に対し上記計算した温度降下量を加算した値を入側目標温度とする。
仕上圧延時の温度降下量は、材料温度や板厚によって決定される空冷、水冷、ロール接触、ロール摩擦、塑性発熱の影響を考慮した、仕上圧延中での温度影響についての公知の熱伝達の温度モデルを使用して計算出来るので、そのような公知の温度モデルを使用して上記温度降下量を計算する。
次に、ステップS30にて、その切板nの目標冷却量Cを算出する。ステップS30では、粗圧延機出側の第2の温度計5による計測値から、仕上圧延機入側での温度(例えば入側温度計3位置での温度)を推定し、推定した温度とステップS20にて求めた入側目標温度との偏差から目標冷却量Cを算出する。求めた目標冷却量Cはテーブルに記憶しておく。
上記推定した温度は、第2の温度計5から入側温度計3までの温度降下分を考慮して推定する。なお、途中でバーヒータBH、エッジヒータEHで適宜加熱して温度補償を行うので、高精度で入側温度計3での実績温度を推定することが可能である。
また例えば、上記推定した入側実績温度から入側目標温度を減算した値を、目標冷却量Cとする。
ここで、対処する板6の仕上圧延速度パターンの仕上最大速度は、上述のように、仕上圧延機1の設備限界速度、若しくはそれよりも余裕速度だけ低い速度に設定しておく。
次に、ステップS40では、全ての冷却装置の冷却能力を加算した最大冷却量CMAX(冷却装置全吐出パターンのときの最大の冷却量)を求める。
次に、ステップS50では、上記目標冷却量Cが最大冷却量CMAXよりも大きいか否かを判定する。この判定条件を満足(目標冷却量C−最大冷却量CMAX>0)する場合には、ステップS60に移行する。一方、上記判定条件を満足しない場合にはステップS80に移行する。
ステップS60では、目標冷却量Cを最大冷却量CMAXとした場合にその切板を仕上出側目標温度に冷却可能な最大の仕上圧延速度を演算する。その演算した最大の仕上圧延速度を、その後に切板の仕上圧延速度の上限値として、仕上圧延速度パターンの設定部12に出力する。
ここで、仕上圧延速度パターンの設定部12では、それ以降の切板の仕上圧延速度の上限値を、上記ステップS60で演算した最大の仕上圧延速度として、仕上圧延速度パターンを設定変更する。
次に、ステップS70では、現在の切板(仕上圧延速度を変更した切板)を記憶すると共に、その切板の目標冷却量Cを上記最大冷却量CMAXに変更する。
ステップS80では、対象とする板6の尾端の切板まで目標冷却量Cを設定したか判定し、最後の切板まで目標冷却量Cを設定したと判定した場合には、処理を終了する。そうでない場合には、ステップS90にて、次の切板に変更してステップS20に移行し、上記処理を繰り返す。
また上記目標冷却量再設定部10Bbは、入側温度計3の位置を対象とする切板が通過すると作動する。そして、上記目標冷却量再設定部10Bbは、上記目標冷却量演算部10BaのステップS70で記憶した切板部分に対し、入側温度計3で実測した実測温度と再設定後の仕上圧延速度とに基づき、目標冷却温度を再計算してテーブルに設定する。
ここで、上記目標冷却量再設定部10Bbによる再設定を実行しなくても良い。
「動作その他」
図4(a)は、粗圧延後の1本の板6の仕上圧延機入側での温度を切板毎に示した図である。図4の横軸は、左側が板6の先端で右側に向かうほど尾端側の切板位置を示している。
一本の板6を長手方向の切板単位で見た場合、図4(a)に示すように、尾端に向かうほど仕上圧延機入側における板6の実績温度は低くなっている。これは、加熱炉を出てから仕上圧延までの待機の時間が尾端に行くほど長くなるためである。
一方、仕上圧延速度パターンは、圧延の能率を考えて、図4(b)に示すように、先端から徐々に高くなって、途中で最大速度となり、また尾端に近づくほど仕上圧延速度が下がるような速度パターンとなっている。なお、図4(b)に示す切板の仕上圧延速度は、仕上圧延機1の第7スタンド出側での速度で示している。ここで、切板の温度の降下量が同じ場合であっても、仕上圧延速度が高いほど冷却時間が短くなって、必要とする冷却量(目標冷却量C)は大きくなる。
そして、この仕上圧延速度も考慮した、仕上圧延機入側の実績温度に基づく各切板毎の目標冷却量C(仕上圧延速度パターンの設定変更前)を、上記図4(a)に併記する。
また、冷却装置で出力可能な最大冷却量CMAXも併せて上記図4(a)に図示する。
ここで、対象とする板6に対して、仕上圧延設備を最大能率で稼働した場合の最大の板6の搬送速度を上限として、図4(b)に示すように、仕上圧延速度パターンを設定しておく。
そして、その設定されている仕上圧延速度パターンで仕上圧延する場合に、全ての切板について、目標冷却量Cが上記最大冷却量CMAX以内の場合には、仕上圧延設備を最大能率で稼働しつつ、仕上圧延機出側の温度実績を、仕上出側目標温度からの実績温度のバラツキを小さく抑えることが可能となる。なお、実績温度のバラツキが小さいほど安定した品質の熱延金属板6を製造することが出来る。
一方、図4(b)に示すような場合、切板数Xのところで、目標冷却量Cが最大冷却量CMAXを越えている。この状態で仕上圧延速度パターンを設定変更することなく仕上圧延中に冷却制御を実行した場合(図4(b)の仕上圧延速度パターンで圧延した場合)、切板数Xの部分で冷却不足が発生して、その分だけ実績温度のバラツキが大きくなる。
これに対し、本実施形態では、目標冷却量演算部10Baが粗圧延出側での実績温度に基づき、仕上圧延前に全切板について目標冷却量Cが最大冷却量CMAX以下となるように、仕上圧延速度パターンの再設定処理を行う。その再設定処理は、本実施形態では、仕上圧延前に、板6先端の切板から順番に、目標冷却量Cが最大冷却量CMAXを越えるか判定する。そして、目標冷却量Cが最大冷却量CMAXを越えた切板を検出すると、その切板に対し、最大冷却量CMAXを目標冷却量Cにした場合に仕上圧延機出側温度が上記仕上出側目標温度になる仕上圧延速度を求め、その求めた速度を、それ移行の切板に対する仕上圧延速度の最大として仕上圧延速度パターンを再設定する。なお、それ以降の切板においても、目標冷却量Cが最大冷却量CMAXを越えた切板を検出するたびに、上記仕上圧延速度パターンの再設定を行う。
図5(a)が、上記図4(b)に対して仕上圧延速度を再設定した後の仕上圧延速度パターンを示す図である。
図5(a)に示すように仕上圧延速度パターンを再設定することで、図5(b)に示すように、一本の板6における、全ての切板の目標冷却量Cが最大冷却量CMAX以下となる。この結果、仕上圧延設備から制限される最大能率で出来るだけ仕上圧延を実施しつつ、仕上圧延機出側の温度実績について、仕上出側目標温度からの実績温度のバラツキを小さく抑えることが可能となる。すなわち、仕上圧延機入側時に仕上出側目標温度を満足する仕上最大速度を求め、その速度を仕上圧延速度に反映させて冷却装置吐出パターン(冷却量)を決定するようにしたので、その対象圧延材に対して最大能率圧延ができるようになった。
ここで、粗圧延出側での実績温度で、仕上圧延機入側での実績温度を推定して仕上圧延速度パターンの再設定を行っているが、バーヒータBHなどで温度補償を行うことで、精度良く仕上圧延機入側での実績温度を推定することが可能である。
更に、本実施形態では、入側温度計3で測定した仕上圧延機入側での板6の実績温度に基づき、少なくとも上記仕上圧延速度を変更した切板に対して、目標冷却量Cの再計算を実施する。これによって、より仕上圧延出側温度制御の精度が向上する。
ここで、上記実施形態では、目標冷却量Cが最大冷却量CMAXを越える切板を検出すると、その切板を最大冷却量CMAXで冷却した場合に、仕上圧延機出側温度が上記仕上出側目標温度になる仕上圧延速度を算出し、その算出した仕上圧延速度を上限の仕上温度とする。そして、その切板以降の切板に対する仕上圧延速度の最大値を上限の仕上温度となるように、仕上圧延速度パターンを再設定する場合を例示した。
しかしながら、再設定の処理はこれに限定しない。例えば、全切板の仕上圧延速度の最大値を上記上限の仕上温度に制限して、仕上圧延速度パターンを再設定しても良い。この場合、複数の切板で目標冷却量Cが最大冷却量CMAXを越える場合には、その各切板での上記上限の仕上温度中の一番小さい値を上限値として採用する。
または、再設定の処理として、目標冷却量Cが最大冷却量CMAXを越える切板部分の仕上圧延速度だけを再設定するようにしても良い。この場合の再設定後の仕上圧延速度パターンを図6に示す。
また、上記実施形態では、一旦、仕上圧延速度パターンの再設定をした後に、その板6の仕上圧延を実施しているが、仕上圧延速度の再設定処理が終了した切板について仕上圧延しつつ、他の切板についての仕上圧延速度の再設定処理を実施しても良い。また、目標冷却量演算部10Baが行う、仕上圧延速度の再設定処理を、入側温度の実測値自体に基づき実施しても良い。
また、上記実施形態では、目標冷却量演算部10BaのステップS60にて、目標冷却量Cを最大冷却量CMAXとした場合にその切板を仕上出側目標温度に冷却可能な最大の仕上圧延速度を演算し、その演算した最大の仕上圧延速度を、その後に切板の仕上圧延速度の上限値として、目標冷却量Cが最大冷却量CMAXを越える切板部分の仕上圧延速度を抑制しているが、これに限定しない。例えば、予め設定した速度低下分だけ、設定されている仕上圧延速度を低下するようにしても良い。
また、上記目標冷却量再設定部10Bbの処理を省略しても構わない。
また、上記実施形態では、熱延鋼板6を対象とする場合で説明しているが、熱延鋼板6以外の熱延金属板6を仕上圧延対象としても、本願発明は適用可能である。
1 仕上圧延機
2 冷却装置
3 入側温度計
4 出側温度計
5 第2の温度計
6 熱延金属板
10 冷却制御コントローラ
10A 冷却量設定調整部
10Aa 温度トラッキング部
10Ab スプレー冷却制御部
10B 冷却制御部本体
10Ba 目標冷却量演算部
10Bb 目標冷却量再設定部
11 仕上圧延制御コントローラ
12 仕上圧延速度パターンの設定部

Claims (5)

  1. 熱延金属板の長手方向に沿って予め設定した仕上圧延速度パターンで仕上圧延を行いながら、冷却装置によって上記板を冷却して、仕上圧延機出側での板温度を仕上出側目標温度に制御する熱間仕上圧延方法において、
    上記板を長手方向に沿って仮想分割した切板毎に、仕上圧延機入側の板温度から、仕上圧延機出側での板温度を上記仕上出側目標温度とするための目標冷却量を求め、
    その目標冷却量が上記冷却装置で出力可能な最大冷却量を越えるか判定し、当該目標冷却量が上記最大冷却量を越えると判定した切板部分の仕上圧延速度を、上記仕上圧延速度パターンで設定された設定仕上圧延速度未満の仕上圧延速度に設定変更し、
    上記目標冷却量が上記最大冷却量を越えるか否かの判定は、対象とする熱延金属板の仕上圧延の実行前に実施することを特徴とする熱間仕上圧延方法。
  2. 上記仕上圧延速度パターンの最大仕上圧延速度は、仕上圧延機で圧延可能な最大の仕上圧延速度若しくは、その最大の仕上圧延速度から予め設定した余裕速度分だけ低い仕上圧延速度に設定されていることを特徴とする請求項1に記載した熱間仕上圧延方法。
  3. 上記目標冷却量が上記最大冷却量を越えると判定すると、その最大冷却量を越えると判定した切板部分に対し上記最大冷却量で冷却したときに仕上圧延機出側での板温度を仕上出側目標温度とすることが可能な仕上圧延速度の上限である上限仕上圧延速度を算出し、
    上記予め設定されている仕上圧延速度パターンの最大仕上圧延速度を上記上限仕上圧延速度以下に変更して、対象とする板の仕上圧延速度パターンの再設定を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した熱間仕上圧延方法。
  4. 上記仕上圧延速度パターンの再設定を行った場合には、上記目標冷却量を再計算することを特徴とする請求項に記載した熱間仕上圧延方法。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の熱間仕上圧延方法によって熱間仕上圧延を行うことを特徴とする熱延金属板の製造方法。
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