以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。
図1および図2を参照して、パチンコ機1の概略構成を説明する。パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が配設されている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される画像表示装置28が配設されている。画像表示装置28は、動画、メッセージ等の様々な映像を表示可能な表示面を有する。特に、画像表示装置28は、大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)のデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
画像表示装置28の前側には、一対の扉部材(後述の左扉部材110Lおよび右扉部材110R)を有する扉役物100が設けられている。扉役物100は、正面視で、画像表示装置28の表示面のほぼ全体を露出する開位置(図1および図2参照)と、画像表示装置28の表示面のほぼ全体を被覆する閉位置(図8参照)とに変位可能である。扉役物100は、画像表示装置28およびスピーカ48等と連動して、報知演出等の様々な演出を実行する。
画像表示装置28の直下には、セグメント表示部10が設けられている。セグメント表示部10は、大型の7セグメントを2つ横並びに備えており、2桁の数字、文字、記号等を表示することができる。セグメント表示部10には、例えば大当たりに対する期待度や、後述する非閉鎖経過時間などが表示される。
セグメント表示部10の下方には、第一特別図柄始動入賞口14が設けられている。画像表示装置28の右方には普通図柄始動ゲート12が設けられており、普通図柄始動ゲート12の下方には第二特別図柄始動電動役物15が配設されている。第二特別図柄始動電動役物15の左斜め下方には、Vアタッカー17と通常アタッカー16とが並べて設けられている。
第二特別図柄始動電動役物15は開閉部材を備える。第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材は、下端を中心として前後方向に揺動可能である。開閉部材が前方に揺動して開放状態となると、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が容易になる。通常アタッカー16およびVアタッカー17も、前後方向に揺動可能な開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放した状態でのみ、通常アタッカー16およびVアタッカー17に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。
図示しないが、Vアタッカー17に入賞した遊技球の流路には、特定領域および非特定領域が形成されている。パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球がVアタッカー17内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。本実施形態では、Vアタッカー17は1回の大当たり遊技中に1回開放される。
遊技領域4の右斜め下部には図柄表示部8が設けられている。図柄表示部8は、普通図柄表示部、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄記憶数表示LED、第一特別図柄記憶数表示LED、および第二特別図柄記憶数表示LEDを備える。普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われて、判定結果が普通図柄表示部に表示される。第一特別図柄始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果に応じて複数の特別図柄のうちの1つが第一特別図柄表示部に表示される。第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、その判定結果は第二特別図柄表示部に表示される。
普通図柄記憶数表示LEDは、普通図柄作動保留球数を4つまで表示する。普通図柄作動保留球数とは、普通図柄始動ゲート12を通過し、且つ普通図柄表示部に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第一特別図柄作動保留球数とは、第一特別図柄始動入賞口14に入賞し、且つ第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第二特別図柄作動保留球数とは、第二特別図柄始動電動役物15に入賞し、且つ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。図3に示すように、制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47等を備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演出処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。CPU51は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動スイッチ72、および第二始動スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動スイッチ72は、第一特別図柄始動入賞口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動スイッチ73は、第二特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタンスイッチ11、スピーカ48、および駆動モータ300に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンド、および操作ボタンスイッチ11の検出結果に従って、演出等の総合的な制御を行う。操作ボタンスイッチ11は、操作ボタン9(図1参照)の操作を検出し、検出結果をサブ制御基板58に出力する。駆動モータ300は、扉役物100を動作させるためのステッピングモータであり、後述の左扉駆動モータ300Lおよび右扉駆動モータ300Rからなる。
ランプドライバ基板46は、セグメント表示部10の表示、各種照明の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って画像表示装置28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、電動役物開閉ソレノイド69、通常アタッカー開閉ソレノイド70、およびVアタッカー開閉ソレノイド71が接続されている。電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。通常アタッカー開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に通常アタッカー16の開閉部材を開閉する。Vアタッカー開閉ソレノイド71は、大当たり遊技中にVアタッカー17の開閉部材を開閉する。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ74、通常アタッカースイッチ75、特定領域スイッチ76、および非特定領域スイッチ77が接続されている。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。通常アタッカースイッチ75は、通常アタッカー16に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ76は、Vアタッカー17内の特定領域を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、Vアタッカー17内の非特定領域を通過した遊技球を検出する。さらに、中継基板47には図柄表示部8が接続されている。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、発射ハンドル7の操作に応じて、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4〜図7を参照して、扉役物100について説明する。なお、図4の紙面手前側、図5、図6の紙面左斜め手前側、および図7の下側を、扉役物100の前側とする。図4の紙面奥側、図5、図6の紙面右斜め奥側、および図7の上側を、扉役物100の後側とする。
図4および図5を参照して、扉役物100の概略構造について説明する。扉役物100は、ケース体30の前面側に設けられている。ケース体30は枠状の樹脂ケースであり、その正面側に遊技盤2(図1等参照)が設けられ、その背面側に画像表示装置28(図1および図2参照)が設けられる。ケース体30には、画像表示装置28の表示面を、パチンコ機1の正面側に露出させる開口部29が形成されている。扉役物100は遊技盤2の後側に設けられているため、扉役物100が開位置に変位した状態では、扉役物100のほぼ全体が正面視で遊技盤2の背面側に被覆される(図1および図2参照)。
扉役物100は、左右一対の扉状に形成された装飾体である左扉部材110Lおよび右扉部材110Rを有する。左扉部材110Lおよび右扉部材110Rは、左右対称をなす縦長矩形状に形成された、若干の厚みを有する板状部材である。各扉部材110L、110Rの正面部111L、111Rには、内蔵LEDによって発光する装飾物が配設されている。
左扉部材110Lおよび右扉部材110Rは、扉役物100が開位置に変位した状態で、それぞれケース体30における開口部29の左側および左側に配置されている。ただし、各扉部材110L、110Rのそれぞれ対向する端面部112L、112Rは、正面視で開口部29の内側に位置している。各端面部112L、112Rは、扉役物100が開位置に変位した状態で、端面部112L、112R間の間隔が正面側に向けて広くなるように傾斜している。したがって、扉役物100が開位置に変位した状態では、各端面部112L、112Rが開口部29の前面側を向くため、遊技者が正面側から各端面部112L、112Rを目視可能である。なお、各端面部112L、112Rにも、内蔵LEDによって発光する装飾物が配設されている。さらに、各端面部112L、112Rには、相互に吸着するための磁性体(図示外)がそれぞれ設けられている。
さらに、ケース体30には、左扉駆動モータ300L、右扉駆動モータ300R、ガイドレール400などが設けられている。左扉駆動モータ300Lは、開口部29の左上側に設けられ、左扉部材110Lを左右方向に移動させる動力を供給する。右扉駆動モータ300Rは、開口部29の右上側に設けられ、右扉部材110Rを左右方向に移動させる動力を供給する。ガイドレール400は、開口部29の下側に設けられ、各扉部材110L、110Rの左右方向の移動を案内する。
図4〜図7を参照して、扉役物100の動作機構について説明する。まず、左扉部材110Lの動作機構を説明する。左扉部材110Lの左側部分は、ヒンジ231Lを介して第一連結板210Lに連結されている。第一連結板210Lの左端部は、ヒンジ232Lを介して第二連結板220Lの右端部に連結されている。第二連結板220Lの左端部は、ケース体30の左端部に設けられたヒンジ233L(図9参照)によって軸支されている。つまり、左扉部材110Lは、2つの連結板210L、220Lの折り畳み構造によって、ヒンジ233Lに対して近接する方向および離間する方向に移動可能である。
ケース体30には、開位置に変位した左扉部材110Lの上方に位置する、前後方向に立設された板部240Lが設けられている。板部240Lには、左右方向に延びる円弧状の溝部であるガイド溝245Lが形成されている。ガイド溝245Lは、前方に向けて緩やかに膨らむ形状を有する。
第一連結板210Lには、上方に向けて突出する軸であるガイド部215Lが設けられている。ガイド部215Lは、ガイド溝245Lに下側から挿入され、且つ、その上端が保持体250Lに保持されている。よって、ガイド部215Lは、ガイド溝245Lに沿って円弧状の軌跡で左右方向に移動可能である。なお、図示しないが、保持体250Lには前後方向に延びる溝部が形成されており、この溝部内にガイド部215Lの上端が前後方向に摺動可能に保持されている。
保持体250Lは、板部240Lの上側に設けられた架設軸255Lに沿って摺動可能な可動部材である。架設軸255Lは左右方向に延びる直線状をなすため、保持体250Lも左右方向へ直線的に移動可能である。図示しないが、保持体250Lは、後方に突出する軸部を有する。
架設軸255Lの上方には、左扉駆動モータ300Lが設けられている。左扉駆動モータ300Lの回転軸には、ギア280Lが設けられている。ギア280Lの左側には、ギア280Lと噛み合うギア270Lが設けられている。図示しないが、ギア270Lは、後方に突出する軸部を有する。
ギア270Lの後方には、前後方向に延びる軸261Lを中心に揺動可能な板状アーム260Lが設けられている。板状アーム260Lには、その前後方向に貫通し、且つ、その長手方向に沿って延びる貫通溝265Lが形成されている。先述した保持体250Lの軸部およびギア270Lの軸部は、いずれも貫通溝265Lに挿入されるとともに、貫通溝265Lに沿って摺動可能である。
一方、左扉部材110Lの右下部分には、ガイドレール400に沿って移動可能なスライド部290Lが設けられている。ガイドレール400は、開口部29の下端縁に沿って左右方向に延び、且つ、前方に突出した突条部である。スライド部290Lは、ガイドレール400上の左端部402と中央部401との間を移動可能である。図示しないが、スライド部290Lは、ガイドレール400が嵌め込まれる凹部を有すると共に、左扉部材110Lを下方から支持して左右方向に案内する滑車を有する。
なお、ガイドレール400は、その左右方向の中央部401で最も突出幅が大きく、且つ、その左右方向の両端部(左端部402および右端部403)で最も突出幅が小さい。つまり、ガイドレール400は、平面視で、且つ、両端部(左端部402および右端部403)から中央部401に向けて前方に膨らむ円弧状をなす。
スライド部290Lは、前方に突出する検出板295Lを有する。ガイドレール400の中央部401および左端部402には、それぞれ検出板295Lを検出するための光センサ410L、420Lが設けられている。左扉部材110Lが閉位置に変位している状態では、光センサ410Lが検出板295Lを検出し、左扉部材110Lが開位置に変位している状態では、光センサ420Lが検出板295Lを検出する。つまり、パチンコ機1では、光センサ410L、420Lの検出信号に応じて、左扉部材110Lの位置制御が実行される。
次に、右扉部材110Rの動作機構を説明する。右扉部材110Rの動作機構は、左扉部材110Lの動作機構と左右対称であるため、簡略的に説明する。すなわち、右扉部材110Rは、ヒンジ231Rを介して第一連結板210Rに連結され、さらにヒンジ232Rを介して第二連結板220Rに連結されている。右扉部材110Rは、2つの連結板210R、220Rの折り畳み構造によって、第二連結板220Rを軸支するヒンジ233R(図9参照)に対して近接する方向および離間する方向に移動可能である。
第一連結板210Rに設けられたガイド部215Rは、第一連結板210Rに設けられたガイド溝245Rに下側から挿入され、且つ、その上端が保持体250Rに保持されている。よって、ガイド部215Rは、板部240Rに設けられたガイド溝245Rに沿って、円弧状の軌跡で左右方向に移動可能である。なお、図示しないが、保持体250Rには前後方向に延びる溝部が形成されており、この溝部内にガイド部215Rの上端が前後方向に摺動可能に保持されている。保持体250Rは、板部240Lの上側に設けられた架設軸255Rに沿って摺動可能な可動部材である。架設軸255Rは左右方向に延びる直線状をなすため、保持体250Rも左右方向へ直線的に移動可能である。
架設軸255Rの上方には、右扉駆動モータ300Rが設けられている。右扉駆動モータ300Rの回転軸には、ギア280Rが設けられている。ギア280Rの右側には、ギア280Rと噛み合うギア270Rが設けられている。ギア270Rの後方には、前後方向に延びる軸261Rを中心に揺動可能な板状アーム260Rが設けられている。保持体250Rの軸部およびギア270Rの軸部は、いずれも板状アーム260Rに形成された貫通溝265Rに挿入されるとともに、貫通溝265Rに沿って摺動可能である。
一方、右扉部材110Rの左下部分には、ガイドレール400に沿って移動可能なスライド部290Rが設けられている。スライド部290Rは、ガイドレール400上の右端部403と中央部401との間を移動可能である。図示しないが、スライド部290Rは、ガイドレール400が嵌め込まれる凹部を有すると共に、右扉部材110Rを下方から支持して左右方向に案内する滑車を有する。
スライド部290Rは、前方に突出する検出板295Rを有する。ガイドレール400の中央部401および右端部403には、それぞれ検出板295Rを検出するための光センサ410R、420Rが設けられている。右扉部材110Rが閉位置に変位している状態では、光センサ410Rが検出板295Rを検出し、右扉部材110Rが開位置に変位している状態では、光センサ420Rが検出板295Rを検出する。つまり、パチンコ機1では、光センサ410R、420Rの検出信号に応じて、右扉部材110Rの位置制御が実行される。
上記構造による扉役物100の動作態様を説明する。まず、扉役物100を開位置(図4〜図7参照)から閉位置(図8〜図10参照)に変位させる場合の動作態様を説明する。
図4〜図7に示すように、左扉部材110Lが開位置に変位している状態では、保持体250Lが架設軸255Lの左端部に位置し、保持体250Lに保持されたガイド部215Lがガイド溝245Lの左端部に位置する。これに伴って、2つの連結板210L、220Lが折り畳まれた状態となり、且つ、スライド部290Lがガイドレール400の左端部402に位置する。ひいては、左扉部材110Lのほぼ全体が開口部29の左側に移動している。
この状態で、左扉駆動モータ300Lがギア280Lを時計回りに回転させると、ギア270Lが反時計回りに回転する。このとき、ギア270Lの軸部が貫通溝265Lに沿って移動するのに伴って、板状アーム260Lが付勢されて反時計回りに揺動する。これにより、貫通溝265Lに軸部が挿入された保持体250Lが、架設軸255Lに沿って右方向に移動する。さらに、保持体250Lに上端が保持されたガイド部215Lも、保持体250L内で前後方向にスライドしながら、ガイド溝245Lに沿った円弧状の軌跡で右方向に移動する。
このガイド部215Lの移動に伴って、ガイド部215Lが設けられた第一連結板210Lも右方向に付勢される。これにより、2つの連結板210L、220Lが開くように移動するとともに、左扉部材110Lが正面視で開口部29の内側に向けて右方向に移動する。このとき、スライド部290Lがガイドレール400に沿った円弧状の軌跡で、左扉部材110Lを左端部402から中央部401まで案内する。
同様に、右扉部材110Rが開位置に変位している状態では、保持体250Rが架設軸255Rの右端部に位置し、保持体250Rに保持されたガイド部215Rがガイド溝245Rの右端部に位置する。これに伴って、2つの連結板210R、220Rが折り畳まれた状態となり、且つ、スライド部290Rがガイドレール400の右端部403に位置する。ひいては、右扉部材110Rのほぼ全体が開口部29の右側に移動している。
この状態で、右扉駆動モータ300Rがギア280Rを反時計回りに回転させると、ギア270Rが時計回りに回転する。このとき、ギア270Rの軸部が貫通溝265Rに沿って移動するのに伴って、板状アーム260Rが付勢されて時計回りに揺動する。これにより、貫通溝265Rに軸部が挿入された保持体250Rが、架設軸255Rに沿って左方向に移動する。さらに、保持体250Rに上端が保持されたガイド部215Rも、保持体250R内で前後方向にスライドしながら、ガイド溝245Rに沿った円弧状の軌跡で左方向に移動する。
このガイド部215Rの移動に伴って、ガイド部215Rが設けられた第一連結板210Rも左方向に付勢される。これにより、2つの連結板210R、220Rが開くように移動するとともに、右扉部材110Rが正面視で開口部29の内側に向けて左方向に移動する。このとき、スライド部290Rがガイドレール400に沿った円弧状の軌跡で、右扉部材110Rを右端部403から中央部401まで案内する。
上記のように各扉部材110L、110Rを同期して移動させることで、扉役物100が開位置から閉位置に変位する。具体的には、開位置から閉位置への移動に伴って各扉部材110L、110Rの各々がケース体30の前面側に向けて移動するように、平面視で開口部29の中央部に近づくほどケース体30の前面側に膨らむ円弧状の軌跡で、各扉部材110L、110Rが移動する。特に、各扉部材110L、110Rは板状であるため、上記の移動時には各扉部材110L、110Rの各々が円弧状の軌跡に対して接線を描くように移動する。
図8〜図10に示すように、左扉部材110Lが閉位置に変位している状態では、保持体250Lが架設軸255Lの右端部に位置し、保持体250Lに保持されたガイド部215Lがガイド溝245Lの右端部に位置する。これに伴って、2つの連結板210L、220Lが開かれた状態となり、且つ、スライド部290Lがガイドレール400の中央部401に位置する。ひいては、左扉部材110Lの全体が開口部29の中央側に移動している。
同様に、右扉部材110Rが閉位置に変位している状態では、保持体250Rが架設軸255Rの左端部に位置し、保持体250Rに保持されたガイド部215Rがガイド溝245Rの左端部に位置する。これに伴って、2つの連結板210R、220Rが開かれた状態となり、且つ、スライド部290Rがガイドレール400の中央部401に位置する。ひいては、右扉部材110Rの全体が開口部29の中央側に移動している。
その結果、開口部29の正面視中心では、各扉部材110L、110Rの端面部112L、112Rが互いに面接触して、正面部111L、111Rが開口部29のほぼ全体を被覆した状態となる。つまり、扉役物100が閉位置に変位している状態では、遊技者は正面部111L、111R(および、その装飾物)を目視することができる。一方、画像表示装置28の表示面は、正面視で中央部を含むほぼ全体が被覆されているため、目視困難となる。また、端面部112L、112Rが互いに面接触した結果、遊技者は端面部112L、112R(および、その装飾物)を目視することができない。
なお、扉役物100が閉位置に移動すると、各端面部112L、112Rが各々の磁性体(図示外)によって相互に吸着する。そのため、各扉部材110L、110Rの一体に閉じた状態が安定的に保持される。
次に、扉役物100を閉位置(図8〜図10参照)から開位置(図4〜図7参照)に変位させる場合の動作態様を説明する。
左扉部材110Lが閉位置に変位している状態で、左扉駆動モータ300Lがギア280Lを反時計回りに回転させると、ギア270Lが時計回りに回転する。このとき、ギア270Lの軸部が貫通溝265Lに沿って移動するのに伴って、板状アーム260Lが付勢されて時計回りに揺動する。これにより、貫通溝265Lに軸部が挿入された保持体250Lが、架設軸255Lに沿って左方向に移動する。さらに、保持体250Lに上端が保持されたガイド部215Lも、保持体250L内で前後方向にスライドしながら、ガイド溝245Lに沿った円弧状の軌跡で左方向に移動する。
このガイド部215Lの移動に伴って、ガイド部215Lが設けられた第一連結板210Lも左方向に付勢される。これにより、2つの連結板210L、220Lが折り畳まれるように移動するとともに、左扉部材110Lが正面視で開口部29の外側に向けて左方向に移動する。このとき、スライド部290Lがガイドレール400に沿った円弧状の軌跡で、左扉部材110Lを中央部401から左端部402まで案内する。
同様に、右扉部材110Rが閉位置に変位している状態で、右扉駆動モータ300Rがギア280Rを時計回りに回転させると、ギア270Rが反時計回りに回転する。このとき、ギア270Rの軸部が貫通溝265Rに沿って移動するのに伴って、板状アーム260Rが付勢されて反時計回りに揺動する。これにより、貫通溝265Rに軸部が挿入された保持体250Rが、架設軸255Rに沿って右方向に移動する。さらに、保持体250Rに上端が保持されたガイド部215Rも、保持体250R内で前後方向にスライドしながら、ガイド溝245Rに沿った円弧状の軌跡で右方向に移動する。
このガイド部215Rの移動に伴って、ガイド部215Rが設けられた第一連結板210Rも右方向に付勢される。これにより、2つの連結板210R、220Rが折り畳まれるように移動するとともに、右扉部材110Rが正面視で開口部29の外側に向けて右方向に移動する。このとき、スライド部290Rがガイドレール400に沿った円弧状の軌跡で、右扉部材110Rを中央部401から右端部403まで案内する。
上記のように各扉部材110L、110Rを同期して移動させることで、扉役物100が閉位置から開位置に変位する。具体的には、閉位置から開位置への移動に伴って各扉部材110L、110Rの各々がケース体30の背面側に向けて移動するように、平面視で開口部29の中央部に近づくほどケース体30の前面側に膨らむ円弧状の軌跡で、各扉部材110L、110Rが移動する。特に、各扉部材110L、110Rは板状であるため、上記の移動時には各扉部材110L、110Rの各々が円弧状の軌跡に対して接線を描くように移動する。
その結果、扉役物100が開位置に変位している状態では、各扉部材110L、110Rのほぼ全体が、正面視で開口部29の外側に移動する。そのため、画像表示装置28の表示面は、正面視で端面部112L、112Rで被覆された部分を除くほぼ全体が露出されるため、目視容易となる。一方、正面部111L、111R(および、その装飾物)は、遊技盤2の背後に隠れるため、目視困難となる。また、端面部112L、112Rが開口部29の前面側を向くため、遊技者は端面部112L、112Rを目視することができる。
以上のように、本実施形態の扉役物100は、画像表示装置28の表示面が前面側に露出されるケース体30に設けられる。ケース体30の前面側に対向配置された一対の扉部材110L、110Rは、表示面を露出する開位置と、表示面を被覆する閉位置との間で移動可能である。一対の扉部材110L、110Rは、平面視で開口部29の中央部に近づくほどケース体30の前面側に膨らむ円弧状の軌跡で移動される。このように一対の扉部材110L、110Rを円弧状の軌跡で開閉可能にしたことで、一対の扉部材を直線状に開閉する場合とは違って、端面部112L、112Rが正面側を向くようになる。さらに、一対の扉部材110L、110Rは開閉動作に合わせて前後方向にも移動するため、遊技者は扉役物100の奥行きや一対の扉部材110L、110の厚みを把握しやすくなり、ひいては立体感と迫力のある演出を行うことができる。
また、一対の扉部材110L、110Rが開位置に移動すると、画像表示装置28の表示面と併せて、各扉部材110L、110Rの端面部112L、112Rが目視可能となる。一方、一対の扉部材110L、110Rが閉位置に移動すると、表示面のみならず、端面部112L、112Rも目視困難となる。つまり、一対の扉部材110L、110Rの変位によって、遊技者の視覚に与える印象を大幅に変化させることができる。
さらに、一対の扉部材110L、110Rが開位置に移動すると、画像表示装置28の表示面と併せて、各々の端面部112L、112Rに設けられた装飾物(装飾体や発光体など)が目視可能となるため、役物演出の立体感や迫力を高めることができる。一方、一対の扉部材110L、110Rが閉位置に移動すると、各々の端面部112L、112R同士が磁性体によって相互に吸着するため、表示面を確実に隠蔽することができる。
また、円弧状の軌跡と対応する形状を有するガイド溝245L、245Rに沿ってガイド部215L、215Rを移動させる簡易な構成によって、一対の扉部材110L、110Rを開閉動作に合わせて前後方向にも移動させることができる。しかも、駆動源(駆動モータ300)の回転を制御するだけで、画像表示装置28の表示面を被覆可能な一対の扉部材110L、110Rを用いて、立体感と迫力のある演出を行うことができる。
次に、図11および図12を参照して、パチンコ機1で実行される処理のうち、サブ制御基板58で行われるサブ制御基板処理を説明する。サブ制御基板処理は、パチンコ機1の電源がONされたことを契機として、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581が実行する。以下の説明では、ステップを「S」と表記する。
まず、扉役物100を閉位置に変位させる扉役物閉鎖が実行される(S1)。これにより、電源ONされた直後のパチンコ機1は、画像表示装置28の表示面のほぼ全体が被覆された状態となる(図8〜図10参照)。次いで、閉鎖経過時間のカウント及び表示が開始される(S3)。閉鎖経過時間は、所定のタイミングから起算した非遊技状態の継続時間であり、初期値は「0」に設定されている。本実施形態の「所定のタイミング」は、パチンコ機1が電源ONされたとき、または、パチンコ機1で遊技が開始されたときである。
なお、パチンコ機1は、遊技が行われていないとみなされる状態(非遊技状態)と、遊技が行われていないとみなされる状態(遊技中状態)のいずれかに制御される。本実施形態では、画像表示装置28でデモ図柄の変動表示または後述の大当たり遊技演出が実行されている状態を、「遊技中状態」とする。例えば、図柄変動や大当たり遊技の実行中は、パチンコ機1は「遊技中状態」である。一方、画像表示装置28でデモ図柄の変動表示および大当たり遊技演出がいずれも実行されていない状態を、「非遊技状態」とする。例えば、図柄変動や大当たり遊技が終了したのちに、遊技球の打ち出しが停止された場合や、遊技球が打ち出されても入賞しない場合には、パチンコ機1は「非遊技状態」となる。
S3でカウント開始された閉鎖経過時間は、セグメント表示部10に表示される。本実施形態では、S3でカウント開始されている現在の閉鎖経過時間が、セグメント表示部10に2ケタで1秒ずつ加算表示されるため、初期値「00」秒から最大値「99」秒まで表示可能である。よって、遊技者はセグメント表示部10を参照して、現在の閉鎖経過時間を把握することができる。
さらに、特別待機演出が開始される(S5)。特別待機演出は、非遊技状態で実行される演出動作(所謂、客待ち演出)のうちで、扉役物100が閉鎖されているときに実行される客待ち演出である。一例として、画像表示装置28の表示面のうち、扉役物100で被覆されていない部分に、客待ち用の演出画像が表示される。さらに、パチンコ機1の電飾や音声などが、遊技中状態とは異なる動作態様に制御される。
次いで、変動パターン指定コマンドを主基板41から受信したか否かが判定される(S7)。主基板41では、第一特別図柄始動入賞口14への入賞に応じて第一大当たり判定が行われ、第二特別図柄始動電動役物15へ入賞に応じて第二大当たり判定が行われる。さらに主基板41では、各大当たり判定の結果を報知する際に使用される変動パターンが決定される。主基板41で決定された変動パターンをサブ制御基板58に指示するコマンドが、変動パターン指定コマンドである。
変動パターン指定コマンドを受信した場合(S7:YES)、第一特別図柄始動入賞口14または第二特別図柄始動電動役物15に入賞していることを意味するため、パチンコ機1で遊技が開始されたと推定できる。この場合、閉鎖経過時間のカウントと、セグメント表示部10における閉鎖経過時間の表示とが終了される(S9)。このとき、閉鎖経過時間が初期値「0」にリセットされる。さらに、扉役物100を開位置に変位させる扉役物開放が実行される(S11)。これにより、遊技が開始された直後のパチンコ機1は、画像表示装置28の表示面のほぼ全体が露出された状態となる(図1〜図7参照)。その後、処理は、後述のS25に進む。
一方、変動パターン指定コマンドを受信しなかった場合(S7:NO)、第一特別図柄始動入賞口14および第二特別図柄始動電動役物15に入賞していないことを意味するため、パチンコ機1で遊技が開始されていないと推定できる。この場合、S3でカウント開始された現在の閉鎖経過時間が、予め定められた第一規定時間を経過したか否かが判定される(S13)。
本実施形態の「第一規定時間」は、セグメント表示部10で表示可能な最大値である99秒である。よって、セグメント表示部10に「99」が表示されると、その直後に閉鎖経過時間が第一規定時間を経過したと判定される(S13:YES)。この場合、S9、S11と同様に、閉鎖経過時間のカウントおよび表示が終了され(S15)、扉役物100を開位置に変位させる扉役物開放が実行される(S17)。
次いで、開放待機時間のカウントが開始される(S19)。開放待機時間は、S17で扉役物開放が実行された時点から起算した非遊技状態の継続時間であり、初期値は「0」に設定されている。さらに、通常待機演出が開始される(S21)。通常待機演出は、非遊技状態で実行される演出動作(所謂、客待ち演出)のうちで、扉役物100が開放されているときに実行される客待ち演出である。一例として、画像表示装置28の表示面に、公知のデモ画面が表示される。さらに、パチンコ機1の電飾や音声などが、遊技中状態および特別待機演出とは異なる動作態様に制御される。
S21の実行後、S7と同様に、変動パターン指定コマンドを主基板41から受信したか否かが判定される(S23)。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S23:YES)、S19で開放待機時間のカウントが開始されていれば、そのカウントが終了される(S25)。これにより、開放待機時間が初期値「0」にリセットされる。そして、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンに応じて、デモ図柄の変動表示およびそれに伴う各種演出(電飾、音声など)が制御される(S27)。
変動パターン指定コマンドを受信しなかった場合(S23:NO)、図柄停止コマンドを主基板41から受信したか否かが判定される(S29)。図柄停止コマンドは、サブ制御基板58で実行されている大当たり判定結果の報知演出の終了を指示するためのコマンドである。図柄停止コマンドを受信した場合(S29:YES)、画像表示装置28でデモ図柄が変動停止して確定表示されて、大当たり判定結果の報知演出が終了される(S31)。
図柄停止コマンドを受信しなかった場合(S29:NO)、大当たり遊技開始コマンドを主基板41から受信したか否かが判定される(S33)。大当たり遊技開始コマンドは、サブ制御基板58に大当たり遊技に伴う演出動作(大当たり遊技演出)の開始を指示するためのコマンドである。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S33:YES)、大当たり遊技演出として、大当たり遊技時に固有の画像表示、電飾制御、音声制御などが開始される(S35)。
大当たり遊技開始コマンドを受信しなかった場合(S33:NO)、客待ちコマンドを主基板41から受信したか否かが判定される(S37)。客待ちコマンドは、主基板41での特別図柄の変動制御または大当たり遊技制御が終了した場合に、サブ制御基板58に客待ち演出を開始させるコマンドである。客待ちコマンドを受信した場合(S37:YES)、処理はS19に戻る。これにより、開放待機時間が再び初期値「0」からカウントされるとともに、通常待機演出が最初から実行される(S19、S21)。
一方、客待ちコマンドを受信しなかった場合(S37:NO)、S19でカウント開始された現在の開放待機時間が、予め定められた第二規定時間(一例として、120秒)を経過したか否かが判定される(S39)。開放待機時間が第二規定時間以下である場合(S39:NO)、処理はS23に戻る。一方、開放待機時間が第二規定時間を経過した場合(S39:YES)、処理はS1に戻る。
例えば、セグメント表示部10に「99」が表示されたのち(S13:YES)、または、最新の客待ちコマンドの受信後(S37:YES)、120秒以内に遊技球が入賞すれば(すなわち、図柄変動が開始されれば)、扉役物100が開位置に維持された状態で遊技が進行する(S39:NO、S23:YES〜S35)。一方、120秒以内に遊技球が入賞しなければ(すなわち、図柄変動が開始されなければ)、扉役物100が閉位置に変位して、特別待機演出が最初から実行される(S39:YES、S1〜S5)。
以上のように、本実施形態のサブ制御基板処理(図11および図12)では、所定のタイミング(パチンコ機1の電源ONまたは遊技開始)から起算した非遊技状態の継続時間(閉鎖経過時間)が、予め定められた第一規定時間を経過すると、予め定められた第一演出(扉役物開放)が実行される一方、第一演出(扉役物開放)が実行されるタイミングを示す情報(閉鎖経過時間)が表示される。したがって、客待ち状態で表示される情報に基づいて、例えばホール内で台選びを行う遊技者は第一演出(扉役物開放)が実行されるタイミングを把握することができる。ひいては、第一演出(扉役物開放)に対する期待感を高めて、遊技者の関心を強く惹いて稼働率を高めることができる。
また、非遊技状態が第二演出(扉役物閉鎖)の実行時から第一規定時間継続すると、第一演出(扉役物開放)が実行される。したがって、客待ち状態で表示される情報(閉鎖経過時間)に基づいて、遊技者は第二演出(扉役物閉鎖)から第一演出(扉役物開放)に変化するタイミングを把握することができる。
また、非遊技状態が第二演出(扉役物閉鎖)の実行時から第一規定時間継続していない場合でも、遊技が開始されると第一演出(扉役物開放)が実行される。したがって、遊技を開始した遊技者には、非遊技状態の継続時間に関係なく第一演出(扉役物開放)を鑑賞できる特典を付与することができる。
また、従来の客待ち用演出と同様の待機演出(通常待機演出)を、客待ち状態における適切なタイミング(扉役物開放の実行後)で実行することができる。具体的には、扉役物開放によって画像表示装置28の表示面が露出した状態のもと、いわゆるデモ画面を遊技者が目視可能に表示することができる。
また、可動部材(扉役物100)によって、第一演出時(扉役物開放)に表示面が露出される一方、第二演出時(扉役物閉鎖)に表示面が被覆される。したがって、遊技者が注目しやすい表示面の露出および被覆という役物動作によって、遊技者の視覚に強い印象を与えることができる。
また、電源投入時には、可動部材(扉役物100)によって表示面が被覆される。そのため、例えばホールの開店時などには、表示面が被覆されたインパクトの強い外観で、他の遊技機と差別化を図ることができ、ひいては遊技者の関心を強く惹いて稼働率を上げることができる。
さらに、電源投入時から第一規定時間が経過したときに、一対の扉部材110L、110Rが閉位置から開位置に移動する。つまり、電源投入後の客待ち状態を利用して、一対の扉部材110L、110Rが突然開いて表示面が現れる演出が行われる。これにより、遊技者の興味を引き付けることができ、ひいては遊技機の稼働率を上げることができる。
また、非遊技状態が第一演出(扉役物開放)の実行時から第二規定時間継続すると、第二演出(扉役物閉鎖)が実行される。したがって、客待ち状態において表示面の露出状態が所定時間続くと、可動部材(扉役物100)によって表示面が自動的に被覆されるため、遊技者の視覚に強い印象を与えることができる。
ところで、本実施形態では、始動入賞口(第一特別図柄始動入賞口14、第二特別図柄始動電動役物15)への前回の遊技球の入賞から所定時間内に最新の遊技球の入賞が検出されなかった場合に、客待ちコマンドの受信によって非遊技状態であると判定される(S37参照)。これに代えて、発射ハンドル7による前回の遊技球の打ち出しから所定時間内に最新の遊技球の打ち出しが検出されなかった場合に、主基板41から送信されるコマンド等に基づいて非遊技状態であると判定してもよい。いずれも場合も、パチンコ機1の遊技状態を正確に特定することができる。
また、始動入賞口(第一特別図柄始動入賞口14、第二特別図柄始動電動役物15)に遊技球が入賞した場合に、変動パターン指定コマンドの受信によって遊技中状態であると判定される(S23参照)。これに代えて、操作ボタンスイッチ11の検出結果が、操作ボタン9が操作されたことを示す場合に、遊技中状態であると判定してもよい。この場合も、パチンコ機1の遊技状態を正確に特定することができる。さらに、非遊技状態が第二演出(扉役物閉鎖)の実行時から第一規定時間継続していない場合でも、操作ボタン9が操作されると第一演出(扉役物開放)が実行されるようにできる。
また、第一演出(扉役物開放)が実行されるタイミングを示す情報(閉鎖経過時間)が、表示器(セグメント表示部10)に表示されているが、これに代えて表示領域(例えば、画像表示装置28の表示面など)に表示されてもよい。いずれの場合も、第一演出(扉役物開放)が実行されるタイミングを示す情報(閉鎖経過時間)を、遊技者に把握させることができる。
なお、本実施形態において、パチンコ機1が本発明の「遊技機」に相当する。第一特別図柄始動入賞口14および第二特別図柄始動電動役物15が、本発明の「始動入賞口」に相当する。主基板41が、本発明の「当たり判定手段」に相当する。ステップS7、S23、S37を実行するCPU581が、本発明の「状態判定手段」に相当する。ステップS3を実行するCPU581が、本発明の「第一計時手段」に相当する。ステップS13を実行するCPU581が、本発明の「第一経時判定手段」に相当する。ステップS11、S17を実行するCPU581が、本発明の「第一演出実行手段」に相当する。セグメント表示部10が、本発明の「情報表示手段」に相当する。
ステップS1を実行するCPU581が、本発明の「第二演出実行手段」に相当する。ステップS21を実行するCPU581が、本発明の「待機演出実行手段」に相当する。扉役物100が、本発明の「可動役物」に相当する。ステップS19を実行するCPU581が、本発明の「第二計時手段」に相当する。ステップS39を実行するCPU581が、本発明の「第二経時判定手段」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、扉役物100が閉位置に変位すると、正面視で画像表示装置28の表示面のほぼ全体が被覆されるが、表示面の全体が完全に被覆されてもよい。また、扉役物100が開位置に変位すると、正面視で画像表示装置28の表示面のほぼ全体が露出されるが、表示面の全体が完全に露出されてもよい。つまり、閉位置のほうが開位置よりも、扉役物100によって被覆される表示面の割合が大きければよい。
また、第一演出は扉役物開放に限定されず、第二演出は扉役物閉鎖に限定されない。第一演出および第二演出は、異なる演出動作であればよく、例えば可動役物の高速駆動および低速駆動や、各々異なる発光体の点滅パターンなどでもよい。また、可動役物は、扉役物100に限定されず、例えば往復移動または回転移動を実行可能な可動体であってもよい。
また、第一演出が実行されるタイミングを示す情報は、閉鎖経過時間に限定されず、例えば第一演出が実行されるまでの残り時間や、これらの閉鎖経過時間や残り時間を示唆する画像(キャラクタ演出、パーセント表示、バロメータ表示など)であってもよい。