JP5859909B2 - ケーブル一体型プラグおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スパークプラグとプラグケーブルとが一体で形成されたケーブル一体型プラグ、および、その製造方法に関するものである。
内燃機関の点火のために用いる点火装置は、点火のための火花を発生させるスパークプラグを備える。このようなスパークプラグでは、一般に、中心電極と接地電極との間に火花が形成される空間であるギャップが形成されている。スパークプラグのギャップに火花を形成する方法としては、中心電極に高電圧を印加する方法の他、交流電力(高周波)を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭51−77719号公報
火花形成のために交流電力を用いる場合には、直流電圧の印加のみを行なう場合に比べて、信号線とスパークプラグの電気的な接続状態を充分に維持することが、より強く望まれる。交流電力を用いる場合に、信号線とスパークプラグの接触が不十分になると、例えば、電波の漏れが他の機器でノイズとして影響を与えたり、反射が起こることで十分な交流電力を点火のために供給できなくなりエンジン失火の原因となる可能性があるためである。また、信号線とスパークプラグの接触が不十分な場所があると、その部分が抵抗となって発熱したり、接触が途切れて隙間が生じると、放電が起こって電力ロスが大きくなる可能性があるためである。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、点火のために交流電力を用いる点火装置において、スパークプラグと信号線の電気的な接続状態を充分に維持して、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
[形態1]
筒状の主体金具と、前記主体金具の内周に配置された筒状のプラグ内絶縁体と、前記プラグ内絶縁体の後端に設けられたプラグ側端子と、を有するスパークプラグと、
該スパークプラグにおける火花の形成および/または維持のために前記スパークプラグに交流電力を供給するためのプラグケーブルと、
を備えるケーブル一体型プラグにおいて、
前記プラグケーブルは、
該プラグケーブルの中心線に沿って延出して設けられた内部導体と、
前記プラグケーブルの外表面に形成される外部導体と、
前記プラグケーブルの内部において前記内部導体の先端に設けられ、前記プラグ側端子と接続するプラグケーブル端子と、
前記外部導体と前記内部導体との間に設けられ、前記外部導体と前記内部導体の間を絶縁するプラグケーブル内絶縁体と、
を備え、
前記外部導体は、外周部に、工具を係合させるための工具係合部を備え、
前記スパークプラグは、前記主体金具の外表面において、前記外部導体と固着され、
前記プラグケーブル内絶縁体は、樹脂によって形成される樹脂部と、ゴムによって形成されるゴム層とを含んでおり、
前記ゴム層は、前記内部導体および前記スパークプラグの外表面と、前記外部導体の内表面とを覆うように形成されていることを特徴とする
ケーブル一体型プラグ。
このような形態のケーブル一体型プラグによれば、外部導体が主体金具に固着されているため、スパークプラグに交流電力を供給する際に、ケーブル一体型プラグに対して何らかの外力が加わる場合であっても、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。また、プラグケーブルに工具係合部を設けているため、スパークプラグにプラグケーブルを取り付けても、スパークプラグを支障無く内燃機関に取り付けることが可能になる。さらに、ケーブル一体型プラグにおいてフラッシュオーバーを抑制する効果を高めることができる。特に、ケーブル一体型プラグの温度が昇降する場合であっても、プラグケーブル内絶縁体と、外部導体およびスパークプラグとの間の密着状態を維持する効果を高め、フラッシュオーバーを抑制できる。一般に、ゴム層は樹脂部よりも弾性率が小さく変形しやすいため、外部導体と樹脂部の間にゴム層を配置することで、プラグケーブル内絶縁体と外部導体との間の隙間の発生を抑制可能となる。
[適用例1]
筒状の主体金具と、前記主体金具の内周に配置された筒状のプラグ内絶縁体と、前記プラグ内絶縁体の後端に設けられたプラグ側端子と、を有するスパークプラグと、
該スパークプラグにおける火花の形成および/または維持のために前記スパークプラグに交流電力を供給するためのプラグケーブルと、
を備えるケーブル一体型プラグにおいて、
前記プラグケーブルは、
該プラグケーブルの中心線に沿って延出して設けられた内部導体と、
前記プラグケーブルの外表面に形成される外部導体と、
前記プラグケーブルの内部において前記内部導体の先端に設けられ、前記プラグ側端子と接続するプラグケーブル端子と、
前記外部導体と前記内部導体との間に設けられ、前記外部導体と前記内部導体の間を絶縁するプラグケーブル内絶縁体と、
を備え、
前記外部導体は、外周部に、工具を係合させるための工具係合部を備え、
前記スパークプラグは、前記主体金具の外表面において、前記外部導体と固着されていることを特徴とする
ケーブル一体型プラグ。
適用例1に記載のケーブル一体型プラグによれば、外部導体が主体金具に固着されているため、スパークプラグに交流電力を供給する際に、ケーブル一体型プラグに対して何らかの外力が加わる場合であっても、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。また、プラグケーブルに工具係合部を設けているため、スパークプラグにプラグケーブルを取り付けても、スパークプラグを支障無く内燃機関に取り付けることが可能になる。
[適用例2]
適用例1記載のケーブル一体型プラグであって、前記主体金具は、径方向外側に張り出して設けられると共に、前記ケーブル一体型プラグを内燃機関に取り付けたときには前記内燃機関の表面に接する台座部を備え、前記スパークプラグは、前記台座部において、前記外部導体と固着されていることを特徴とするケーブル一体型プラグ。
適用例2に記載のケーブル一体型プラグによれば、主体金具に外部導体を固着する際に、固着部位の長さをより長く確保することができる。そのため、主体金具と外部導体との間の固着強度を高め、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。
[適用例3]
適用例1記載のケーブル一体型プラグであって、前記主体金具は、該主体金具の後端部に、前記プラグ内絶縁体に対して前記主体金具を加締める加締部を備え、前記スパークプラグは、前記加締部において前記外部導体と固着されていることを特徴とするケーブル一体型プラグ。
適用例3に記載のケーブル一体型プラグによれば、主体金具において、アンテナとなり得るような枝分かれ構造が外部導体の固着部から形成されることを抑制できる。これにより、スパークプラグにおいて、アンテナ形成に起因するエネルギロスを抑制することができる。
[適用例4]
適用例1ないし3いずれか記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、
前記内部導体の先端に設けられた前記プラグケーブル端子と、前記スパークプラグの前記プラグ側端子とを接続する第1の工程と、
前記内部導体と、該内部導体に接続された前記スパークプラグとを、前記外部導体となる筒状部材内に配置する第2の工程と、
前記外部導体と前記主体金具とを固着させる第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記内部導体および前記スパークプラグと、前記外部導体との間の空間に、前記プラグケーブル内絶縁体を形成する第4の工程と、
を備えるケーブル一体型プラグの製造方法。
適用例4に記載のケーブル一体型プラグの製造方法によれば、適用例1ないし3いずれか記載のケーブル一体型プラグを容易に製造することができ、適用例1ないし3いずれか記載のケーブル一体型プラグと同様の効果を奏することができる。
[適用例5]
適用例4記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、前記第4の工程は、ゴムによって構成される前記プラグケーブル内絶縁体を形成する工程であるケーブル一体型プラグの製造方法。
適用例5に記載のケーブル一体型プラグの製造方法によれば、ケーブル一体型プラグにおいてフラッシュオーバーを抑制する効果を高めることができる。
[適用例6]
適用例4記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、前記第4の工程は、樹脂によって構成される前記プラグケーブル内絶縁体を形成する工程であるケーブル一体型プラグの製造方法。
適用例6に記載のケーブル一体型プラグの製造方法によれば、ケーブル一体型プラグにおいてフラッシュオーバーを抑制する効果を高めることができる。
[適用例7]
請求項4記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、前記プラグケーブル内絶縁体は、ゴムによって形成されるゴム層と、樹脂によって形成される樹脂部とを備え、前記第4の工程は、前記内部導体および前記スパークプラグの外表面と、前記外部導体の内表面とを覆うように、前記ゴム層を形成する工程と、前記外部導体内において、前記ゴム層に囲まれて形成された空間に、前記樹脂部を形成する工程と、を備えるケーブル一体型プラグの製造方法。
適用例7に記載のケーブル一体型プラグの製造方法によれば、ケーブル一体型プラグにおいてフラッシュオーバーを抑制する効果を高めることができる。特に、ケーブル一体型プラグの温度が昇降する場合であっても、プラグケーブル内絶縁体と外部導体の密着状態を維持する効果を高め、フラッシュオーバーを抑制できる。一般に、ゴム層は樹脂部よりも弾性率が小さく変形しやすいため、外部導体と樹脂部の間にゴム層を配置することで、プラグケーブル内絶縁体と外部導体との間の隙間の発生を抑制可能となる。
[適用例8]
適用例4ないし7いずれか記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、前記第3の工程は、溶接によって前記外部導体と前記主体金具とを固着させる工程であるケーブル一体型プラグの製造方法。
適用例8に記載のケーブル一体型プラグの製造方法によれば、外部導体と主体金具の間の固着強度を高めることができる。
[適用例9]
適用例4ないし7いずれか記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、前記第3の工程は、前記外部導体内に前記主体金具を圧入することによって、前記外部導体と前記主体金具とを固着させる工程であるケーブル一体型プラグの製造方法。
適用例9に記載のケーブル一体型プラグの製造方法によれば、外部導体と主体金具の間の固着強度を高めることができる。
[適用例10]
適用例4ないし7いずれか記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、前記第3の工程は、前記主体金具に対して前記外部導体を加締めることによって、前記外部導体と前記主体金具とを固着させる工程であるケーブル一体型プラグの製造方法。
適用例10に記載のケーブル一体型プラグの製造方法によれば、外部導体と主体金具の間の固着強度を高めることができる。
[適用例11]
適用例8記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、前記第3の工程は、前記外部導体の先端と前記主体金具とを、溶接により固着させる工程であるケーブル一体型プラグの製造方法。
適用例11に記載のケーブル一体型プラグの製造方法によれば、外部導体において、溶接箇所の近傍の変形を抑制することができ、ケーブル一体型プラグを内燃機関に取り付ける動作において、外部導体の変形に起因する不都合が発生することを抑制できる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、スパークプラグを備える点火装置や、その製造方法、あるいは、スパークプラグの取り付け方法などの形態で実現することが可能である。
点火装置の概略構成を表わすブロック図である。 スパークプラグの構成を示す部分断面図である。 ケーブル一体型プラグの構成を示す説明図である。 ケーブル一体型プラグの外観を表わす説明図である。 ケーブル一体型プラグの製造方法を示す工程図である。 エンジンヘッドに取り付けたケーブル一体型プラグを表わす説明図である。 外部導体と主体金具の接続部の様子を拡大して示す説明図である。 ケーブル一体型プラグの構成を示す説明図である。 ケーブル一体型プラグの構成を示す説明図である。 外部導体の外観を表わす斜視図である。 外部導体内にスパークプラグを配置した様子を模式的に表わす断面図である。 外部導体を圧縮変形部に対して加締める工程を模式的に表わす断面図である。
A.第1の実施形態:
図1は、本発明の第1の実施形態としての点火装置40の概略構成を表わすブロック図である。点火装置40は、スパークプラグ100と、放電用電源41と、交流電源42と、混合部43と、を備えている。
スパークプラグ100は、中心電極20と接地電極30とを備え、これらの電極間に火花放電を生じさせると共に交流プラズマを発生させることによって、スパークプラグ100が取り付けられた図示しない内燃機関の燃料に点火する装置である。スパークプラグ100の詳しい構成については後に説明する。
放電用電源41は、スパークプラグ100の電極間において火花放電を起こさせるために、スパークプラグ100に対して高電圧(本実施形態では、数万ボルトの高電圧パルス)を供給する直流電源である。本実施形態では、放電用電源41は、点火コイルを備えている。
交流電源42は、火花放電を発生させたスパークプラグ100の電極間に交流プラズマを発生させるために、スパークプラグ100に対して交流電力を供給する。本実施形態では、交流電源42によって生成される交流電力の周波数は、交流プラズマを発生させるために、50kHz〜100MHzとすることが好ましく、500kHz〜20MHzとすることがさらに好ましい。
混合部43は、放電用電源41に接続する第1の伝送路46と、交流電源42に接続する第2の伝送路47と、第1の伝送路46および第2の伝送路47を結合すると共に、スパークプラグ100に接続する第3の伝送路48と、を備える。第1の伝送路46にはコイル(インダクタ)44が設けられ、交流電源42から出力される電流の放電用電源41側への流入が抑制されている。また、第2の伝送路47にはコンデンサ45が設けられ、放電用電源41から出力される電流の交流電源42側への流入が抑制されている。本実施形態では、交流電源42からスパークプラグ100までの交流電力の伝送路である第2の伝送路47および第3の伝送路48は、同軸ケーブルとして構成されており、交流電力の反射防止が図られている。第3の伝送路48の先端には、第3の伝送路48をスパークプラグ100に接続するための構造であるプラグケーブル60が設けられている。本実施形態では、スパークプラグ100とプラグケーブル60とは、両者が一体となったケーブル一体型プラグ70として製造される。ケーブル一体型プラグ70の詳しい構成およびその製造方法については後述する。なお、放電用電源41が点火コイルを備える場合には、点火コイルの有する二次コイルを上記コイル44の代わりとして用い、コイル44を省略することが可能である。
スパークプラグ100の中心電極20は、混合部43を介して放電用電源41および交流電源42に電気的に接続され、スパークプラグ100の接地電極30は、電気的に接地されている。そして、点火装置40では、スパークプラグ100の電極間における火花放電に伴って交流プラズマが発生するように、放電用電源41および交流電源42が制御される。
なお、図1では、点火装置40は1つのスパークプラグ100を有しているが、スパークプラグ100を取り付ける内燃機関が複数の気筒を有する場合には、各気筒に対応してスパークプラグ100が1つずつ設けられる。本実施形態では、放電用電源41は各気筒毎に設けている。また、交流電源42は、複数の気筒に共通して設けており、交流電源42からの電力は、図示しないディストリビュータを介して各スパークプラグ100へと供給される。
図2は、スパークプラグ100の構成を示す部分断面図である。本実施形態では、既述したように、スパークプラグ100はプラグケーブル60と一体化してケーブル一体型プラグ70を構成するが、スパークプラグ100としては、プラグケーブル60と一体化することなく使用可能な汎用的なスパークプラグが用いられている。
図2において、一点破線で示す軸線Axの右側は、外観正面図を示し、軸線Axの左側は、スパークプラグ100の中心軸を通る断面でスパークプラグ100を切断した断面図を示している。以下の説明では、軸線Axに平行な方向において、図2の下方側を先端側と呼び、図2の上方側を後端側と呼ぶ。なお、図2では、スパークプラグ100が、内燃機関のエンジンヘッド200に形成されたプラグホール202の底面に設けられた取付ネジ孔201に取り付けられる様子を示している。図2では、スパークプラグ100と一体で製造されるプラグケーブル60の記載は省略した。
スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具32と、主体金具50とを備える。絶縁碍子10の一端から突出する棒状の中心電極20は、絶縁碍子10の内部を通じて、絶縁碍子10の他端に設けられた端子金具32に電気的に接続されている。中心電極20の外周は、絶縁碍子10によって保持され、絶縁碍子10の外周は、端子金具32から離れた位置で主体金具50によって保持されている。主体金具50に電気的に接続された接地電極30は、火花を発生させる隙間である火花ギャップを中心電極20の先端との間に形成する。端子金具32に2万〜3万ボルトの高電圧が印加されると、中心電極20と接地電極30との間に形成された火花ギャップに火花が発生する。なお、端子金具32の後端部であって、絶縁碍子10から露出する部分を、以下、プラグ側端子33と呼ぶ。
絶縁碍子10は、アルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成された絶縁体である。絶縁碍子10は、中心電極20および端子金具32を収容する軸孔12が中心に形成された筒状の部材である。絶縁碍子10の軸方向中央には、外径を大きくした中央胴部19が形成されている。中央胴部19よりも端子金具32側には、端子金具32と主体金具50との間を絶縁する後端側胴部18が形成されている。中央胴部19よりも中心電極20側には、後端側胴部18よりも外径が小さい先端側胴部17が形成され、先端側胴部17の更に先には、先端側胴部17よりも小さい外径であって先端側へ向かうほど外径が小さくなる脚長部13が形成されている。なお、絶縁碍子10は、特許請求の範囲の「プラグ内絶縁体」に相当する。
主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13に亘る部位を包囲して保持する円筒状の金具である。本実施形態では、主体金具50は、低炭素鋼により形成され、全体にニッケルめっきや亜鉛めっき等のめっき処理が施されている。主体金具50は、プラグ側工具係合部51と、取付ネジ部52と、台座部54とを備える。主体金具50のプラグ側工具係合部51は、本実施形態とは異なりスパークプラグ100をプラグケーブル60と一体化することなく用いる場合に、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付ける工具(図示せず)が嵌合する部位である。本実施形態では、プラグ側工具係合部51は、横断面が六角形状に形成されている。主体金具50の取付ネジ部52は、エンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合するネジ山を有する。主体金具50の台座部54は、取付ネジ部52の後端側において、取付ネジ部52よりも径方向の外周側に張り出して、鍔状に形成されている。また、主体金具50には、台座部54の先端側端部に接するように、中実の略円環状部材であるガスケット5が嵌挿される。スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けたときには、台座部54は、ガスケット5を介してエンジンヘッド200の表面に接する。このとき、ガスケット5によって、スパークプラグ100の台座部54とエンジンヘッド200との間のシール性が確保される。なお、主体金具50の先端面57は、中央部に開口を有する円形状に形成されており、その中央部では、絶縁碍子10の脚長部13から中心電極20が突出する。
主体金具50のプラグ側工具係合部51より後端側には薄肉の加締部53が設けられている。また、台座部54とプラグ側工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の圧縮変形部58が設けられている。プラグ側工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されており、さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。スパークプラグ100の製造時には、加締部53を内側に折り曲げるようにして先端側に押圧することにより圧縮変形部58を圧縮変形させる加締加工を行なう。加締加工を行なうことで、リング部材6,7およびタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。この押圧により、タルク9が軸線方向に圧縮されて主体金具50内の気密性が高められる。
また、主体金具50の内周においては、取付ネジ部52の位置に形成された金具内段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の脚長部13の基端に位置する碍子段部15が押圧されている。この板パッキン8は、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性を保持する部材であり、燃焼ガスの流出が防止される。
中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に、電極母材21よりも熱伝導性に優れる芯材25を埋設した棒状の部材である。本実施形態では、電極母材21は、ニッケルを主成分とするニッケル合金から成り、芯材25は、銅または銅を主成分とする合金から成る。中心電極20は、電極母材21の先端が絶縁碍子10の軸孔12から突出した状態で絶縁碍子10の軸孔12に挿入され、シール体4を介して端子金具32に電気的に接続されている。
接地電極30は、耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、ニッケル合金が用いられる。この接地電極30の基端は、主体金具50の先端面57に溶接されている。接地電極30の先端側は、軸線Axと交差する方向に屈曲されており、接地電極30の先端部が、中心電極20の先端面と軸線Ax上で対向している。
図3は、ケーブル一体型プラグ70の構成を表わす説明図である。図3では、プラグケーブル60については断面を表わし、スパークプラグ100については外観を表わしている。また、図4は、ケーブル一体型プラグ70の外観を表わす説明図である。図4(A)は側面図であり、図4(B)は上面図である。
図3に示すように、プラグケーブル60は、内部導体61と、外部導体63と、ケーブル端子65と、ケーブル内絶縁体62と、を備えている。プラグケーブル60は、放電用電源41および交流電源42とスパークプラグ100とを接続すると共に、エンジンヘッド200のプラグホール202内でスパークプラグ100を保持している。
内部導体61は、プラグケーブル60の中心線に沿って延出して設けられると共に、第3の伝送路48の先端側の一部を構成する。外部導体63は、プラグケーブル60の外表面に設けられている。内部導体61および外部導体63は、導電性材料によって形成されており、例えば、アルミニウム合金、銅合金、鉄合金、およびニッケル合金から選択される材料によって形成することができる。
図3および図4に示すように、外部導体63は、ほぼ均一な厚みに形成された円筒部67と、円筒部67の後端側で径方向外側に張り出して鍔状に形成されたケーブル側工具係合部66と、最も後端側に配置されたゴム嵌合部69と、を備えている。ケーブル側工具係合部66は、ケーブル一体型プラグ70内に組み込まれたスパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付ける際に、工具が嵌合する部位である。本実施形態では、ケーブル側工具係合部66は、横断面が六角形状に形成されている。このような外部導体63は、例えば、円筒部67とケーブル側工具係合部66とゴム嵌合部69とを別々に作製した後に、これらを溶接等により接続して製造することができるが、全体を一体で形成しても良い。また、図3および図4に示すように、外部導体63の先端部には、先端に向かって縮径する縮径部68が設けられている。縮径部68は、例えば、円筒部67の先端部をプレス加工することによって形成すればよい。縮径部68の先端は、主体金具50のプラグ側工具係合部51に、溶接によって固着されている。
なお、プラグケーブル60は、より細くする(小型化する)ことが望ましいため、外部導体63の厚み(肉厚)は、できるだけ薄くすることが望ましい。ただし、外部導体63は、上記したようにスパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付ける際に工具を係合させる部材であるため、充分な剛性を有する必要がある。そのため、外部導体63の円筒部67の厚みは、例えば、0.3mm〜1.0mmとすればよい。
ケーブル端子65は、内部導体61の先端に設けられており、プラグケーブル60とスパークプラグ100とを接続する際に、スパークプラグ100の端子金具32の後端部(プラグ側端子33)を嵌め込むためのメス端子である。
ケーブル内絶縁体62は、外部導体63内の空間を埋めるように、軸線方向に延出して設けられている。すなわち、ケーブル内絶縁体62は、外部導体63内で、内部導体61、ケーブル端子65とプラグ側端子33の結合部、および、スパークプラグ100の絶縁碍子10におけるプラグ側端子33との境界を含む外表面、を覆っている。ケーブル内絶縁体62は、例えば、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ樹脂等から選択される絶縁性の樹脂材料によって形成することができる。あるいは、ケーブル内絶縁体62は、シリコン系ゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、フッ素系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム(EPDM)、ニトリルゴム等から選択される絶縁性のゴム材料によって形成することができる。また、ケーブル内絶縁体62は、セラミックによって形成することもできる。ケーブル一体型プラグ70の使用環境下で充分に安定な絶縁性材料であればよい。本実施形態では、ケーブル内絶縁体62を樹脂材料によって形成している。
図5は、ケーブル一体型プラグ70の製造方法を示す工程図である。ケーブル一体型プラグ70を製造する際には、まず、ケーブル端子65を先端に備える内部導体61と、スパークプラグ100と、外部導体63とを用意する(ステップS100)。そして、内部導体61が備えるケーブル端子65と、スパークプラグ100のプラグ側端子33とを接続する(ステップS110)。
その後、内部導体61と接続したスパークプラグ100を、外部導体63内に配置する(ステップS120)。このステップS120では、外部導体63の縮径部68の先端が、主体金具50の台座部54に接するように、外部導体63内にスパークプラグ100を嵌め込む。そして、外部導体63の先端とガスケット受け部54との間を、溶接により固着する(ステップS130)。ステップS130で行なう溶接は、例えばレーザ溶接とすることができ、レーザ溶接に用いるレーザ光としては、YAGレーザあるいは炭酸ガスレーザを用いることができる。また、レーザ溶接の他、アーク溶接や電子ビーム溶接など、他の溶接方法を採用しても良い。
その後、外部導体63内にケーブル内絶縁体62を形成して(ステップS140)、ケーブル一体型プラグ70を完成する。ケーブル内絶縁体62の形成は、溶融させた樹脂材料を、外部導体63内の空間に充填することによって行なう。
図6は、ケーブル一体型プラグ70を、エンジンヘッド200に取り付けた様子を表わす説明図である。図6に示すように、ケーブル側工具係合部66の横断面の径は、プラグホール202の横断面の径よりも充分に大きく形成されている。また、円筒部67の横断面の径は、プラグホール202の横断面の径よりも一回り小さく形成されている。また、円筒部67の長さは、ケーブル一体型プラグ70をエンジンヘッド200に取り付けたときに、ケーブル側工具係合部66よりも先端側の構造がプラグホール202内に丁度収まる長さとなっている。ケーブル一体型プラグ70をエンジンヘッド200に取り付ける際には、ケーブル側工具係合部66に工具を係合させて、スパークプラグ100の取付ネジ部52を取付ネジ孔201にねじ込む。その後、外部導体63のゴム嵌合部69に、ゴム部材72を介して、放電用電源41を構成する点火コイル74を嵌め込む。点火コイル74は、例えば、エンジンヘッド200にネジ止めすればよい。この点火コイル74は、混合部43および第3の伝送路48の一部を備えている(図1参照)。点火コイル74に対しては、交流電源42からの交流電流をスパークプラグ100に対して供給する配線であって、バッテリからの直流電力を点火コイル74に供給する配線を接続するための図示しないコネクタがさらに接続される。
以上のように構成されたケーブル一体型プラグ70によれば、外部導体63が主体金具50に固着されているため、ケーブル一体型プラグ70に対して何らかの外力が加わる場合であっても、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。点火を行なうのに必要な交流電力を確実に供給できることに伴い、接続不良に起因する不具合、例えば、電波の漏れが他の機器でノイズとして影響を与えたり、反射が起こることで十分な交流電力を点火のために供給できなくなりエンジン失火を引き起こすといった不具合を抑制できる。また、接続不良に起因する発熱や、接続が途切れて放電が起こることに起因する電力ロスを抑えることができる。
また、このとき、プラグケーブル60を同軸ケーブルとしており、交流電流流れの往路と復路から成るループの面積を小さくしているため、プラグケーブル60におけるインダクタンスを削減し、その結果インピーダンスを抑えることができる。さらに、本実施形態では、スパークプラグ100を嵌め込むためのプラグケーブル60の表皮部分を、主体金具50と直接接してアースするための外部導体63としている。このように、スパークプラグと接続して直流電圧を印加するプラグケーブル、スパークプラグに交流電力を供給するための同軸ケーブル、および同軸ケーブルにおけるスパークプラグとの接触部、を一体化しているため、全体構造を簡素化することができる。
ここで、本実施形態のケーブル一体型プラグ70では、主体金具50の台座部54において、外部導体63との固着を行なっている。台座部54は、主体金具50の中で、横断面の外周の長さが最も長い部位である。そのため、主体金具50に外部導体63を固着する際に、台座部54を用いることで、固着部位の長さを最も長く確保することができる。その結果、主体金具50と外部導体63との間の固着強度を高め、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なう効果を、より高めることができる。
また、本実施形態では、溶融させた樹脂を外部導体63内に充填することによってケーブル内絶縁体62を形成し、ケーブル内絶縁体62とスパークプラグ100との間を密着させているため、ケーブル一体型プラグ70におけるフラッシュオーバーを抑制できる。フラッシュオーバーとは、スパークプラグ100のプラグ側端子33と外部導体63の間で、絶縁碍子10の表面を介して生じる短絡現象である。上記のようにケーブル内絶縁体62と絶縁碍子10とを密着させることで、フラッシュオーバーを効果的に抑制可能となる。
なお、ケーブル内絶縁体62は、既述したように、樹脂材料に代えてゴム材料を用いて形成しても良い。この場合には、溶融させたゴム材料を、外部導体63内の空間に充填すればよい。ここで、ゴムや樹脂は、外部導体63を構成する金属に比べて熱膨張率が大きく、冷やすと縮み易い性質を有している。そのため、ケーブル一体型プラグ70が降温すると、ケーブル内絶縁体62が外部導体63よりも大きく縮み、スパークプラグ100と外部導体63との間に隙間が生じ、フラッシュオーバーが起こる可能性がある。しかしながら、ゴムは樹脂よりも弾性率が小さく、応力に応じて変形し易い(引っ張られたときに伸び易い)性質を有している。そのため、ケーブル内絶縁体62をゴムで形成して、ケーブル内絶縁体62をスパークプラグ100と密着させることで、ケーブル内絶縁体62が縮もうとする場合であっても、スパークプラグ100とケーブル内絶縁体62との間に隙間が生じることを抑制できる。これにより、フラッシュオーバーを抑えることができる。
また、ケーブル内絶縁体62は、フラッシュオーバーを許容できる程度に抑制可能であるならば、外部導体63とは別体で用意しても良い。すなわち、ケーブル内絶縁体62となる所定形状の部材を樹脂やゴムによって予め作製し、外部導体63内に嵌め込むことにより、ケーブル内絶縁体62を形成しても良い。
図7は、外部導体63と主体金具50の接続部の様子を拡大して示す説明図である。本実施形態では、外部導体63の先端で、外部導体63を主体金具50に固着させているが、以下に、図7に基づいて、このような固着位置の効果について説明する。
図7(A)は、本実施形態のように、外部導体63の先端を主体金具50に固着する場合を示す。例えばレーザ溶接により固着する場合には、図7(A)で矢印αで示した箇所にレーザ光を照射する。これに対して図7(B)は、外部導体63の先端よりも後端側で、主体金具50への固着を行なう場合を示す。図7(B)においても、レーザ溶接により固着する場合のレーザ光の照射位置を矢印αで示す。図7(B)に示すように、外部導体63の先端よりも後端側で固着する場合には、溶接により生じる熱応力の不均一等により、外部導体63の先端部が径方向外側に広がって反る場合がある。このように外部導体63の先端部が反ると、ケーブル一体型プラグ70をプラグホール202内に挿入する際に、外部導体63の先端がプラグホール202の内壁面と干渉し得る。これにより、ケーブル一体型プラグ70の取り付け動作に不都合が生じる可能性がある。本実施形態のように外部導体63の先端を主体金具50に固着させる場合には、このような不都合の発生を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、プラグケーブル60を用いることにより、直流電圧のみを印加して通常用いられる汎用的なスパークプラグを利用して、交流電力の供給をさらに行なう点火装置を得ることが可能になる。すなわち、プラグケーブル60にケーブル側工具係合部66を設けているため、プラグケーブル60を用いることによりプラグ側工具係合部51を利用した取付ができなくなっても、支障無くケーブル一体型プラグ70の取付を行なうことができる。
B.第2の実施形態:
図8は、第2の実施形態のケーブル一体型プラグ170の構成を示す説明図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第2の実施形態のケーブル一体型プラグ170では、主体金具50における外部導体63の固着場所、および、ケーブル内絶縁体の構成が、第1の実施形態と異なっている。ただし、主体金具50における外部導体63の固着場所と、ケーブル内絶縁体の構成の一方のみを、第1の実施形態に対して変更することも可能である。
第2の実施形態のケーブル一体型プラグ170は、ケーブル内絶縁体162を有するプラグケーブル160を備えている。ケーブル内絶縁体162は、第1の実施形態のケーブル内絶縁体62と同様の樹脂によって形成される樹脂部76と、ゴムによって形成されるゴム層77とを備える。このようなケーブル内絶縁体162を設けるには、図5のステップS140において、まず、外部導体63内の空間に溶融させたゴム材料を流し入れる。これにより、外部導体63内で、内部導体61、ケーブル端子65とプラグ側端子33の結合部、および、絶縁碍子10の外表面と、外部導体63の内表面とを覆うように、ゴム層77を形成する。その後、外部導体63内であってゴム層77に覆われた空間内に溶融させた樹脂材料を充填して、樹脂部76を形成する。
また、第2の実施形態のケーブル一体型プラグ170では、外部導体63は、その先端において、主体金具50の加締部53に固着している。そして、外部導体63の円筒部67の長さは、外部導体63の先端を加締部53に固着して、ケーブル一体型プラグ170をエンジンヘッド200に取り付けたときに、ケーブル側工具係合部66よりも先端側の構造がプラグホール202内に丁度収まる長さとなっている。外部導体63と加締部53との固着は、第1の実施形態と同様に、例えばレーザ溶接により行なえばよい。
このような第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第2の実施形態によれば、ゴム層77および樹脂部76を備えるケーブル内絶縁体162を設けるため、フラッシュオーバーを抑制する効果をより高めることができる。既述したように、ゴムや樹脂から成る部材は、金属製の外部導体63よりも降温時に縮みやすい。しかしながら、弾性率が小さく変形しやすいゴム部材を、外部導体63と樹脂部材の間で双方に密着させて配置することで、スパークプラグ100とケーブル内絶縁体162との間に隙間が生じることを抑制できる。これにより、フラッシュオーバーを抑える効果を高めることができる。さらに、第2の実施形態によれば、一般にゴムよりも樹脂の方がコストが低いため、ケーブル内絶縁体全体をゴムにより構成する場合に比べて、ケーブル一体型プラグの製造コストを抑制することができる。
また、第2の実施形態によれば、外部導体63の先端が、主体金具50の加締部53、すなわち、主体金具50の後端に固着されている。そのため、主体金具50において、アンテナとなり得るような枝分かれ構造が、外部導体63の固着部から形成されることを抑制可能となる。これにより、アンテナ形成に起因するエネルギロスを抑制することができる。
C.第3の実施形態:
図9は、第3の実施形態のケーブル一体型プラグ270の構成を示す説明図である。第3の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第3の実施形態のケーブル一体型プラグ270では、主体金具50における外部導体の固着場所と、固着方法とが、第1の実施形態と異なっている。なお、例えばケーブル内絶縁体62を、第2の実施形態のケーブル内絶縁体162に置き換える等の変形も可能である。
第3の実施形態のケーブル一体型プラグ270が備える外部導体263は、その先端近傍が、主体金具50の圧縮変形部58に固着している。そして、外部導体263の円筒部67の長さは、外部導体263の先端近傍を圧縮変形部58に固着して、ケーブル一体型プラグ170をエンジンヘッド200に取り付けたときに、ケーブル側工具係合部66よりも先端側の構造がプラグホール202内に丁度収まる長さとなっている。本実施形態では、外部導体263と圧縮変形部58との固着は、加締めにより行なっている。
図10は、スパークプラグ100を取り付ける前の外部導体263の外観を表わす斜視図である。図10に示すように、外部導体263は、その先端部に、縮径部68に代えて2つの切れ込み片78が形成されている。切れ込み片78を設ける際には、まず、外部導体263において、先端の所定の位置から軸線Ax方向に沿って後端側に延出する切れ込み78aを設ける。図10では、切れ込み78aは1カ所のみ表われているが、実際には、外部導体263の対向する位置に、2カ所の切れ込み78aが設けられる。その後、各々の切れ込み78aに連続して周方向に延出する切れ込み78bを設ける。そして、切れ込み78bを設けた後に、得られた切れ込み形状の周方向の長さがさらに短くなるように、各々の切れ込み形状を、軸線Ax方向の切断部78cでさらに切断して、2つの切れ込み片78を形成する。
図11は、外部導体263を圧縮変形部58に対して加締める際に、上記した形状の外部導体263内にスパークプラグ100を配置したときの、図10に示すA−A断面の様子を模式的に表わす断面図である。A−A断面とは、外部導体263に切れ込み片78が形成されている部位の断面であって、外部導体263内に配置されたスパークプラグ100の圧縮変形部58に対応する部位の断面である。図11では、外部導体263に設けられた2つの切れ込み片78を、便宜上、線分状に表わしている。また、図11では、スパークプラグ100の内部構成については記載を省略している。
図12は、外部導体263を圧縮変形部58に対して加締める様子を、図11と同様の断面において模式的に表わす説明図である。図12(A)は、切れ込み片78を、スパークプラグ100の圧縮変形部58を含む領域に巻き付けた様子を表わす。図12(B)は、切れ込み片78を巻き付けた圧縮変形部58に対して、外周側から金型を押し当てて加締めを行なった様子を表わす。切れ込み片78を形成する際には、既述した切断部78cでの切断が行なわれるが、これにより、2つの切れ込み片78の周方向の長さの合計が、圧縮変形部58の外周の長さに対応する長さとなっている。また、圧縮変形部58の横断面は円形であるが、本実施形態では、圧縮変形部58に対して加締めを行なう際には、横断面が六角形である金型を用いている。図12(B)は、加締めによって圧縮変形部58の横断面が六角形に変形した様子を表わしている。
このように、切れ込み片78を圧縮変形部58に加締めた後は、外部導体263の円筒部67における切れ込み78bに対応する空隙を塞げばよい。切れ込み78bに対応する空隙を塞ぐ動作は、上記空隙を塞ぐことができれば良く、溶接など種々の手法を採用可能である。例えば、レーザ溶接等の融接を行なっても良く、あるいは、円筒部67とは別体の金属材料を用いるロウ付けを行なっても良い。
このような第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第3の実施形態によれば、横断面が円形である部位(圧縮変形部58)において加締めによる固着を行なう際に、横断面が多角形状の金型を用い、圧縮変形部58ごと、金型の多角形状に変形させている。そのため、加締めの対象となる部位の横断面が円形であっても、加締めによる固着の強度を高めることができる。ただし、固着の強度が充分に得られるならば、横断面が円形である部位に対して、横断面が円形の金型を用いて加締めを行なっても良い。また、第3の実施形態によれば、外部導体263の先端部に、帯状の切れ込みを設けて切れ込み形状を形成し、さらにその周方向の長さを短くして切れ込み片78を形成している。このように、加締めの対象となる圧縮変形部58の外周の長さに対応した切れ込み片78において加締めを行なうことで、加締めに伴う外部導体263の変形量を抑え、外部導体263の加締め変形を容易化することができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
第1および第2の実施形態では、溶接によって外部導体と主体金具の固着を行ない、第3の実施形態では加締めにより固着を行なっているが、異なる構成としても良い。例えば、圧入やロウ付けにより、外部導体を主体金具に固着しても良い。なお、固着とは、固着し合う部材同士が溶融して接合する方法や(レーザ溶接など)、固着し合う部材間に接着性物質を配置する方法や(ロウ付けなど)、あるいは、固着し合う部材に力を加えて少なくとも外部導体を塑性変形させる方法(加締めや圧入など)を含む。そして、外部導体の弾性変形を利用した単なる嵌め込みは含まない趣旨である。このような固着を行なうことで、軸線方向や周方向など、あらゆる方向に加えられる外力に対して固定状態を維持する強度を高めることができる。
D2.変形例2:
内部導体61の先端に設けたケーブル端子65と、スパークプラグ100に設けた端子金具32の接続の形態を異ならせても良い。例えば、ケーブル端子65側をオス端子とし、スパークプラグ100の端子金具32にメス端子を形成しても良い。内部導体61と端子金具32とを、支障無く接続できれば良い。
D3.変形例3:
第1ないし第3の実施形態では、スパークプラグ100に対して、放電用電源41から直流電圧を印加すると共に、交流電源42から交流電力を供給したが、異なる構成としても良い。交流電源42から供給される交流電力のみを用いて、点火の動作を行なうこととしても良い。少なくとも交流電源42からスパークプラグ100に対して電力供給する点火装置に本願構成を適用することで、点火を行なうのに必要な交流電力の確保に係る既述した効果が得られる。
4…シール体
5…ガスケット
6,7…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…脚長部
15…碍子段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…中央胴部
20…中心電極
21…電極母材
25…芯材
30…接地電極
32…端子金具
33…プラグ側端子
40…点火装置
41…放電用電源
42…交流電源
43…混合部
44…コイル
45…コンデンサ
46…第1の伝送路
47…第2の伝送路
48…第3の伝送路
50…主体金具
51…プラグ側工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
54…台座部
56…金具内段部
57…先端面
58…圧縮変形部
60,160…プラグケーブル
61…内部導体
62,162…ケーブル内絶縁体
63,263…外部導体
65…ケーブル端子
66…ケーブル側工具係合部
67…円筒部
68…縮径部
69…ゴム嵌合部
70,170,270…ケーブル一体型プラグ
72…ゴム部材
74…点火コイル
76…樹脂部
77…ゴム層
78…切れ込み片
100…スパークプラグ
200…エンジンヘッド
201…取付ネジ孔
202…プラグホール

Claims (8)

  1. 筒状の主体金具と、前記主体金具の内周に配置された筒状のプラグ内絶縁体と、前記プラグ内絶縁体の後端に設けられたプラグ側端子と、を有するスパークプラグと、
    該スパークプラグにおける火花の形成および/または維持のために前記スパークプラグに交流電力を供給するためのプラグケーブルと、
    を備えるケーブル一体型プラグにおいて、
    前記プラグケーブルは、
    該プラグケーブルの中心線に沿って延出して設けられた内部導体と、
    前記プラグケーブルの外表面に形成される外部導体と、
    前記プラグケーブルの内部において前記内部導体の先端に設けられ、前記プラグ側端子と接続するプラグケーブル端子と、
    前記外部導体と前記内部導体との間に設けられ、前記外部導体と前記内部導体の間を絶縁するプラグケーブル内絶縁体と、
    を備え、
    前記外部導体は、外周部に、工具を係合させるための工具係合部を備え、
    前記スパークプラグは、前記主体金具の外表面において、前記外部導体と固着され
    前記プラグケーブル内絶縁体は、樹脂によって形成される樹脂部と、ゴムによって形成されるゴム層とを含んでおり、
    前記ゴム層は、前記内部導体および前記スパークプラグの外表面と、前記外部導体の内表面とを覆うように形成されていることを特徴とする
    ケーブル一体型プラグ。
  2. 請求項1記載のケーブル一体型プラグであって、
    前記主体金具は、径方向外側に張り出して設けられると共に、前記ケーブル一体型プラグを内燃機関に取り付けたときには前記内燃機関の表面に接する台座部を備え、
    前記スパークプラグは、前記台座部において、前記外部導体と固着されていることを特徴とする
    ケーブル一体型プラグ。
  3. 請求項1記載のケーブル一体型プラグであって、
    前記主体金具は、該主体金具の後端部に、前記プラグ内絶縁体に対して前記主体金具を加締める加締部を備え、
    前記スパークプラグは、前記加締部において前記外部導体と固着されていることを特徴とする
    ケーブル一体型プラグ。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、
    前記内部導体の先端に設けられた前記プラグケーブル端子と、前記スパークプラグの前記プラグ側端子とを接続する第1の工程と、
    前記内部導体と、該内部導体に接続された前記スパークプラグとを、前記外部導体となる筒状部材内に配置する第2の工程と、
    前記外部導体と前記主体金具とを固着させる第3の工程と、
    前記第3の工程の後に、前記内部導体および前記スパークプラグと、前記外部導体との間の空間に、前記プラグケーブル内絶縁体を形成する第4の工程と、
    を備え
    前記第4の工程は、
    前記内部導体および前記スパークプラグの外表面と、前記外部導体の内表面とを覆うように、前記ゴム層を形成する工程と、
    前記外部導体内において、前記ゴム層に囲まれて形成された空間に、前記樹脂部を形成する工程と、
    を備えるケーブル一体型プラグの製造方法。
  5. 請求項4記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、
    前記第3の工程は、溶接によって前記外部導体と前記主体金具とを固着させる工程である
    ケーブル一体型プラグの製造方法。
  6. 請求項4記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、
    前記第3の工程は、前記外部導体内に前記主体金具を圧入することによって、前記外部導体と前記主体金具とを固着させる工程である
    ケーブル一体型プラグの製造方法。
  7. 請求項4記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、
    前記第3の工程は、前記主体金具に対して前記外部導体を加締めることによって、前記外部導体と前記主体金具とを固着させる工程である
    ケーブル一体型プラグの製造方法。
  8. 請求項記載のケーブル一体型プラグの製造方法であって、
    前記第3の工程は、前記外部導体の先端と前記主体金具とを、溶接により固着させる工程である
    ケーブル一体型プラグの製造方法。
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