JP5829573B2 - 点火装置 - Google Patents

点火装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5829573B2
JP5829573B2 JP2012105077A JP2012105077A JP5829573B2 JP 5829573 B2 JP5829573 B2 JP 5829573B2 JP 2012105077 A JP2012105077 A JP 2012105077A JP 2012105077 A JP2012105077 A JP 2012105077A JP 5829573 B2 JP5829573 B2 JP 5829573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer conductor
ignition device
plug
constricted portion
spark plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012105077A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013232382A (ja
Inventor
山田 達範
達範 山田
博俊 吉▲崎▼
博俊 吉▲崎▼
智行 五十嵐
智行 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2012105077A priority Critical patent/JP5829573B2/ja
Publication of JP2013232382A publication Critical patent/JP2013232382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5829573B2 publication Critical patent/JP5829573B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Spark Plugs (AREA)

Description

本発明は、スパークプラグの点火装置に関するものである。
内燃機関の点火のために用いる点火装置は、点火のための火花を発生させるスパークプラグを備える。このようなスパークプラグでは、一般に、中心電極と接地電極との間に火花が形成される空間であるギャップが形成されている。スパークプラグのギャップに火花を形成する方法としては、中心電極に高電圧を印加する方法の他、交流電力(高周波)を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭51−77719号公報
火花形成のために交流電力を用いる場合には、直流電圧の印加のみを行なう場合に比べて、信号線とスパークプラグの電気的な接続状態を充分に維持することが、より強く望まれる。交流電力を用いる場合に、信号線とスパークプラグの接触が不十分になると、例えば、電波の漏れが他の機器でノイズとして影響を与えたり、反射が起こることで十分な交流電力を点火のために供給できなくなりエンジン失火の原因となる可能性があるためである。また、信号線とスパークプラグの接触が不十分な場所があると、その部分が抵抗となって発熱したり、接触が途切れて隙間が生じると、放電が起こって電力ロスが大きくなる可能性があるためである。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、点火のために交流電力を用いる点火装置において、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
[形態]
筒状の主体金具と、前記主体金具の内周に配置された筒状のプラグ内絶縁体と、前記プラグ内絶縁体の後端に設けられたプラグ側端子と、を備え、内燃機関に取り付けて用いるスパークプラグと、
前記スパークプラグにおける火花の形成および/または維持のために前記スパークプラグに交流電力を供給する交流電源と、
前記スパークプラグと接続するプラグケーブルを先端に備えて前記スパークプラグと前記交流電源とを接続する伝送路と、
を備える点火装置において、
前記プラグケーブルは、
該プラグケーブルの中心線に沿って延出して設けられる内部導体と、
前記プラグケーブルの外表面に形成される外部導体と、
前記プラグケーブルの内部において前記内部導体の先端に設けられたプラグケーブル端子であって、前記プラグ側端子と接続するプラグケーブル端子と、
前記外部導体と前記内部導体との間において、前記外部導体の先端部を除く部位に設けられ、前記外部導体と前記内部導体の間を絶縁するプラグケーブル内絶縁体と、
を備え、
前記外部導体の前記先端部は、径方向内側に張り出して設けられたくびれ部を、周方向の少なくとも一部に有しており、該くびれ部から前記主体金具に対して生じる径方向内側向きの押圧力によって、該くびれ部の径方向内側に張り出した端部において前記スパークプラグの前記主体金具と接触し、
前記外部導体の先端は、前記スパークプラグが取り付けられる前記内燃機関における取り付け面に接触し、
前記点火装置は、さらに、前記外部導体を前記内燃機関の前記取り付け面へと押圧する押圧部を備える
点火装置。
このような形態であれば、外部導体は、くびれ部を備えることによって軸線方向の弾性を有すると共に、くびれ部から主体金具に対して押圧力が生じる。そのため、点火装置に対していずれの方向の振動が加わっても、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。
[適用例1]
筒状の主体金具と、前記主体金具の内周に配置された筒状のプラグ内絶縁体と、前記プラグ内絶縁体の後端に設けられたプラグ側端子と、を備え、内燃機関に取り付けて用いるスパークプラグと、
前記スパークプラグにおける火花の形成および/または維持のために前記スパークプラグに交流電力を供給する交流電源と、
前記スパークプラグと接続するプラグケーブルを先端に備えて前記スパークプラグと前記交流電源とを接続する伝送路と、
を備える点火装置において、
前記プラグケーブルは、
該プラグケーブルの中心線に沿って延出して設けられる内部導体と、
前記プラグケーブルの外表面に形成される外部導体と、
前記プラグケーブルの内部において前記内部導体の先端に設けられたプラグケーブル端子であって、前記プラグ側端子と接続するプラグケーブル端子と、
前記外部導体と前記内部導体との間において、前記外部導体の先端部を除く部位に設けられ、前記外部導体と前記内部導体の間を絶縁するプラグケーブル内絶縁体と、
を備え、
前記外部導体の前記先端部は、径方向内側に張り出して設けられたくびれ部を、周方向の少なくとも一部に有しており、該くびれ部の径方向内側に張り出した端部において前記スパークプラグの前記主体金具と接触し、
前記外部導体の先端は、前記スパークプラグが取り付けられる前記内燃機関における取り付け面に接触し、
前記点火装置は、さらに、前記外部導体を前記内燃機関の前記取り付け面へと押圧する押圧部を備える
点火装置。
適用例1に記載の点火装置によれば、外部導体は、くびれ部を備えることによって軸線方向の弾性を有すると共に、くびれ部から主体金具に対して押圧力が生じる。そのため、点火装置に対していずれの方向の振動が加わっても、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。
[適用例2]
適用例1記載の点火装置であって、前記くびれ部は、前記外部導体の先端から離間して設けられており、前記外部導体において、前記押圧部が配置される側の端部である後端から前記くびれ部の後端側の境界までの部分のバネ定数をk1、前記外部導体が前記点火装置に組み込まれて前記くびれ部が前記主体金具に接触する前の前記くびれ部の部分のバネ定数をk2、前記取り付け面に接触する先端から前記くびれ部の先端側の境界までの部分のバネ定数をk3とすると、k2<k1、かつ、k2<k3が成立することを特徴とする点火装置。
適用例2に記載の点火装置によれば、外部導体を構成する各部のバネ定数の間で、k2<k1、かつ、k2<k3を成立させることにより、外部導体に対して押圧部から押圧力が加えられたときに、くびれ部が優先的に圧縮される。そのため、くびれ部の径方向内側に張り出した端部が充分に径方向内側に変位して、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。
[適用例3]
適用例2記載の点火装置であって、k2≦0.8×k1、かつ、k2≦0.8×k3が成立することを特徴とする点火装置。
適用例3に記載の点火装置によれば、外部導体を構成する各部のバネ定数の間で、k2≦0.8×k1、かつ、k2≦0.8×k3を成立させることにより、外部導体に対して押圧部から押圧力が加えられたときに、くびれ部の径方向内側に張り出した端部の径方向内側への変位量を確保することができる。そのため、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。
[適用例4]
適用例1記載の点火装置であって、前記くびれ部は、前記外部導体の先端に設けられており、前記外部導体において、前記押圧部が配置される側の端部である後端から前記くびれ部の後端側の境界までの部分のバネ定数をk1、前記外部導体が前記点火装置に組み込まれて前記くびれ部が前記主体金具に接触する前の前記くびれ部の部分のバネ定数をk2とすると、k2<k1が成立することを特徴とする点火装置。
適用例4に記載の点火装置によれば、外部導体を構成する各部のバネ定数の間で、k2<k1を成立させることにより、外部導体に対して押圧部から押圧力が加えられたときに、くびれ部が優先的に圧縮される。そのため、くびれ部の径方向内側に張り出した端部が充分に径方向内側に変位して、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。
[適用例5]
適用例4記載の点火装置であって、k2≦0.8×k1が成立することを特徴とする点火装置。
適用例5に記載の点火装置によれば、外部導体を構成する各部のバネ定数の間で、k2≦0.8×k1を成立させることにより、外部導体に対して押圧部から押圧力が加えられたときに、くびれ部の径方向内側に張り出した端部の径方向内側への変位量を確保することができる。そのため、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なうことができる。
[適用例6]
適用例1ないし5いずれか記載の点火装置であって、前記押圧部は、前記スパークプラグに対して火花の形成および/または維持のために電力を供給する電源を備えることを特徴とする点火装置。
適用例6に記載の点火装置によれば、点火装置の構成を簡素化することができる。
[適用例7]
適用例6記載の点火装置であって、前記点火装置は、前記スパークプラグに対して火花の形成および/または維持のために電力を供給する電源として、前記交流電源に加えて、さらに、直流電圧の印加を行なう放電用電源を備え、前記押圧部は、前記交流電源を備えることなく前記放電用電源を備えることを特徴とする点火装置。
適用例7に記載の点火装置によれば、点火装置の構成を簡素化すると共に、コスト削減がより容易になる。
[適用例8]
適用例3または5記載の点火装置であって、前記外部導体の厚みは、前記くびれ部において他の部位よりも薄く形成されていることを特徴とする点火装置。
適用例8に記載の点火装置によれば、くびれ部の厚みを調節することにより、外部導体を構成する各部のバネ定数を、所望の数値範囲に調節することが容易になる。
[適用例9]
適用例3または5記載の点火装置であって、前記外部導体は、少なくとも前記くびれ部において、軸線方向に沿って延出する複数の穴状のスリットが形成されてことを特徴とする点火装置。
適用例9に記載の点火装置によれば、外部導体に設けるスリットの数や形状を調節することにより、外部導体を構成する各部のバネ定数を、所望の数値範囲に調節することが容易になる。
[適用例10]
適用例1ないし9いずれか記載の点火装置であって、前記外部導体は、前記押圧部と接する後端から前記くびれ部の後端までの部分において、軸線方向に弾性を有するバネ部が形成されている点火装置。
適用例10に記載の点火装置によれば、外部導体を押圧するように押圧部を配置する動作を容易化することができると共に、外部導体の軸線方向の長さを設定する際の自由度を向上させることができる。また、点火装置内において、くびれ部から主体金具へと、周方向内側向きの適切な押圧力を加えることが容易になる。
[適用例11]
適用例10記載の点火装置であって、前記外部導体において、前記外部導体が前記点火装置に組み込まれて前記くびれ部が前記主体金具に接触する前の前記くびれ部の部分のバネ定数をk2に対して、前記外部導体が前記点火装置に組み込まれて前記くびれ部が前記主体金具に接触した後の前記くびれ部の部分のバネ定数をk4として、前記バネ部の部分のバネ定数をk5とすると、k2<k5、かつ、k4>k5が成立することを特徴とする点火装置。
適用例11に記載の点火装置によれば、くびれ部が主体金具に接触するまでは、外部導体においてバネ部に優先してくびれ部が圧縮されるため、押圧力が加えられることに伴って、くびれ部を充分に径方向内側へと張り出させることができる。
[適用例12]
適用例10または11記載の点火装置であって、前記交流電源は、前記バネ部よりも先端側で、前記外部導体と接続している点火装置。
適用例12に記載の点火装置によれば、交流電流流れの往路と復路の長さを近づけて、低インピーダンス伝送を可能にし、電力効率を向上させることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、スパークプラグを備える点火装置の製造方法や、スパークプラグと電源とを接続するためのケーブルなどの形態で実現することが可能である。
点火装置の概略構成を表わすブロック図である。 スパークプラグの構成を示す部分断面図である。 スパークプラグとプラグケーブルの結合部の様子を表わす説明図である。 外部導体の外観を模式的に表わす斜視図である。 くびれ部近傍の様子を模式的に表わす説明図である。 外部導体の各部のバネ定数を示す説明図である。 外部導体の各部の寸法を示す説明図である。 外部導体の一部の形状のみを有する部材を示す説明図である。 バネ定数の比とくびれ部における内側への張り出し量との関係を示すグラフである。 バネ定数の比とくびれ部における内側への張り出し量との関係を示すグラフである。 スパークプラグとプラグケーブルの結合部の様子を表わす説明図である。 外部導体の各部のバネ定数を示す説明図である。 外部導体の各部の寸法を示す説明図である。 バネ定数の比とくびれ部における内側への張り出し量との関係を示すグラフである。 スパークプラグとプラグケーブルの結合部の様子を表わす説明図である。 スパークプラグとプラグケーブルの結合部の様子を表わす説明図である。 外部導体の外観を模式的に表わす斜視図である。
A.点火装置の全体構成:
図1は、本発明の第1の実施形態としての点火装置40の概略構成を表わすブロック図である。点火装置40は、スパークプラグ100と、放電用電源41と、交流電源42と、混合部43と、を備えている。
スパークプラグ100は、中心電極20と接地電極30とを備え、これらの電極間に火花放電を生じさせると共に交流プラズマを発生させることによって、スパークプラグ100が取り付けられた図示しない内燃機関の燃料に点火する装置である。スパークプラグ100の詳しい構成については後に説明する。
放電用電源41は、スパークプラグ100の電極間において火花放電を起こさせるために、スパークプラグ100に対して高電圧(本実施形態では、数万ボルトの高電圧パルス)を供給する直流電源である。本実施形態では、放電用電源41として、点火コイルを用いている。
交流電源42は、火花放電を発生させたスパークプラグ100の電極間に交流プラズマを発生させるために、スパークプラグ100に対して交流電力を供給する。本実施形態では、交流電源42によって生成される交流電力の周波数は、交流プラズマを発生させるために、50kHz〜100MHzとすることが好ましく、500kHz〜20MHzとすることがさらに好ましい。
混合部43は、放電用電源41に接続する第1の伝送路46と、交流電源42に接続する第2の伝送路47と、第1の伝送路46および第2の伝送路47を結合すると共に、スパークプラグ100に接続する第3の伝送路48と、を備える。第1の伝送路46にはコイル(インダクタ)44が設けられ、交流電源42から出力される電流の放電用電源41側への流入が抑制されている。また、第2の伝送路47にはコンデンサ45が設けられ、放電用電源41から出力される電流の交流電源42側への流入が抑制されている。本実施形態では、交流電源42からスパークプラグ100までの交流電力の伝送路である第2の伝送路47および第3の伝送路48は、同軸ケーブルとして構成されており、交流電力の反射防止が図られている。なお、第2の伝送路47および第3の伝送路48は、特許請求の範囲の「伝送路」に相当する。第3の伝送路48の先端には、第3の伝送路48をスパークプラグ100に接続するための構造であるプラグケーブル60が設けられている。プラグケーブル60の詳しい構成については後述する。なお、放電用電源41として点火コイルを用いる場合には、点火コイルの有する二次コイルを上記コイル44の代わりとして用い、コイル44を省略することが可能である。
スパークプラグ100の中心電極20は、混合部43を介して放電用電源41および交流電源42に電気的に接続され、スパークプラグ100の接地電極30は、電気的に接地されている。そして、点火装置40では、スパークプラグ100の電極間における火花放電に伴って交流プラズマが発生するように、放電用電源41および交流電源42が制御される。
なお、図1では、点火装置40は1つのスパークプラグ100を有しているが、スパークプラグ100を取り付ける内燃機関が複数の気筒を有する場合には、各気筒に対応してスパークプラグ100が1つずつ設けられる。本実施形態では、放電用電源41は各気筒毎に設けている。また、交流電源42は、複数の気筒に共通して設けており、交流電源42からの電力は、図示しないディストリビュータを介して各スパークプラグ100へと供給される。
図2は、スパークプラグ100の構成を示す部分断面図である。スパークプラグ100は、図2に示すように、軸線Axに沿って伸長する細長形状を有している。図2において、一点破線で示す軸線Axの右側は、外観正面図を示し、軸線Axの左側は、スパークプラグ100の中心軸を通る断面でスパークプラグ100を切断した断面図を示している。以下の説明では、軸線Axに平行な方向において、図2の下方側を先端側と呼び、図2の上方側を後端側と呼ぶ。
スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具32と、主体金具50とを備える。絶縁碍子10の一端から突出する棒状の中心電極20は、絶縁碍子10の内部を通じて、絶縁碍子10の他端に設けられた端子金具32に電気的に接続されている。中心電極20の外周は、絶縁碍子10によって保持され、絶縁碍子10の外周は、端子金具32から離れた位置で主体金具50によって保持されている。主体金具50に電気的に接続された接地電極30は、火花を発生させる隙間である火花ギャップを中心電極20の先端との間に形成する。スパークプラグ100は、内燃機関のエンジンヘッド200に形成されたプラグホール202の底面である取り付け面203に設けられた取付ネジ孔201に、主体金具50を介して取り付けられる。端子金具32に2万〜3万ボルトの高電圧が印加されると、中心電極20と接地電極30との間に形成された火花ギャップに火花が発生する。なお、端子金具32の後端部であって、絶縁碍子10から露出する部分を、以下、プラグ側端子33と呼ぶ。
絶縁碍子10は、アルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成された絶縁体である。絶縁碍子10は、中心電極20および端子金具32を収容する軸孔12が中心に形成された筒状の部材である。絶縁碍子10の軸方向中央には外径を大きくした中央胴部19が形成されている。中央胴部19よりも端子金具32側には、端子金具32と主体金具50との間を絶縁する後端側胴部18が形成されている。中央胴部19よりも中心電極20側には、後端側胴部18よりも外径が小さい先端側胴部17が形成され、先端側胴部17の更に先には、先端側胴部17よりも小さい外径であって先端側へ向かうほど外径が小さくなる脚長部13が形成されている。なお、絶縁碍子10は、特許請求の範囲の「プラグ内絶縁体」に相当する。
主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13に亘る部位を包囲して保持する円筒状の金具である。本実施形態では、主体金具50は、低炭素鋼により形成され、全体にニッケルめっきや亜鉛めっき等のめっき処理が施されている。主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52と、ガスケット受け部54とを備える。主体金具50の工具係合部51は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付ける工具(図示せず)が嵌合する部位であり、本実施形態では、横断面が六角形状に形成されている。主体金具50の取付ネジ部52は、エンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合するネジ山を有する。主体金具50のガスケット受け部54は、取付ネジ部52の後端側において、取付ネジ部52よりも径方向の外周側に張り出して、鍔状に形成されている。また、主体金具50には、ガスケット受け部54の先端側端部に接するように、中実の略円環状部材であるガスケット5が嵌挿される。このガスケット5によって、スパークプラグ100のガスケット受け部54とエンジンヘッド200との間のシール性が確保される。なお、主体金具50の先端面57は、中央部に開口を有する円形状に形成されており、その中央部では、絶縁碍子10の脚長部13から中心電極20が突出する。
主体金具50の工具係合部51より後端側には薄肉の加締部53が設けられている。また、ガスケット受け部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の圧縮変形部58が設けられている。工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されており、さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。スパークプラグ100の製造時には、加締部53を内側に折り曲げるようにして先端側に押圧することにより圧縮変形部58を圧縮変形させる加締加工を行なう。加締加工を行なうことで、リング部材6,7およびタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。この押圧により、タルク9が軸線方向に圧縮されて主体金具50内の気密性が高められる。
また、主体金具50の内周においては、取付ネジ部52の位置に形成された金具内段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の脚長部13の基端に位置する碍子段部15が押圧されている。この板パッキン8は、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性を保持する部材であり、燃焼ガスの流出が防止される。
中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に、電極母材21よりも熱伝導性に優れる芯材25を埋設した棒状の部材である。本実施形態では、電極母材21は、ニッケルを主成分とするニッケル合金から成り、芯材25は、銅または銅を主成分とする合金から成る。中心電極20は、電極母材21の先端が絶縁碍子10の軸孔12から突出した状態で絶縁碍子10の軸孔12に挿入され、シール体4を介して端子金具32に電気的に接続されている。
接地電極30は、耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、ニッケル合金が用いられる。この接地電極30の基端は、主体金具50の先端面57に溶接されている。接地電極30の先端側は、軸線Axと交差する方向に屈曲されており、接地電極30の先端部が、中心電極20の先端面と軸線Ax上で対向している。
B.スパークプラグとプラグケーブルの結合部の構成:
図3は、スパークプラグ100とプラグケーブル60の結合部の様子を表わす説明図である。図3では、プラグケーブル60については断面を表わし、スパークプラグ100については外観を表わしている。図3に示すように、プラグケーブル60は、内部導体61と、外部導体63と、ケーブル端子65と、ケーブル内絶縁体62と、を備えている。プラグケーブル60は、放電用電源41および交流電源42とスパークプラグ100とを接続すると共に、エンジンヘッド200のプラグホール202内でスパークプラグ100を保持している。
内部導体61は、プラグケーブル60の中心線に沿って延出して設けられると共に、第3の伝送路48の先端と接続する。外部導体63は、プラグケーブル60の外表面に設けられている。内部導体61および外部導体63は、導電性材料によって形成されており、例えば、アルミニウム合金、銅合金、鉄合金、およびニッケル合金から選択される材料によって形成することができる。なお、プラグケーブル60は、より細くする(小型化する)ことが望ましいため、外部導体63の厚み(肉厚)は、できるだけ薄くすることが望ましい。そのため、外部導体63の厚みは、例えば、0.05mm〜1.0mmとすることができる。
ケーブル端子65は、内部導体61の先端に設けられており、プラグケーブル60とスパークプラグ100とを接続する際に、スパークプラグ100の端子金具32の後端部(プラグ側端子33)を嵌め込むためのメス端子である。
ケーブル内絶縁体62は、外部導体63内で、内部導体61との間を埋めるように、軸線方向に延出して設けられている。すなわち、ケーブル内絶縁体62は、外部導体63内で、内部導体61、ケーブル端子65とプラグ側端子33の結合部、および、スパークプラグ100の絶縁碍子10におけるプラグ側端子33との境界を含む外表面、を覆っている。このケーブル内絶縁体62の先端は、外部導体63の先端よりも軸線方向の後端側に位置し、外部導体63の先端から離間している。
図4は、外部導体63の外観を模式的に表わす斜視図である。図4に示すように、外部導体63は、周方向全体に亘って径方向内側に張り出して設けられたくびれ部66を有している。このくびれ部66は、図3に示すように、断面がくの字形状であって、外部導体63において、ケーブル内絶縁体62が内表面に存在しない先端近傍領域に設けられている。そして、外部導体63は、このくびれ部66において径方向内側に最も張り出した部位(以下、張り出し端部69とも呼ぶ)において、主体金具50の工具係合部51と接触している。
外部導体63は、このようなくびれ部66を設けることにより、軸線方向に弾性を有することとなる。また、組み付け前のプラグケーブル60では、くびれ部66の内径は、工具係合部51の外径よりも若干大きく形成されている。ここで、工具係合部51の外径とは、工具係合部51の六角形の横断面における対角を結んだ線分の長さであり、工具係合部51の横断面の外接円の径を意味する。くびれ部66が工具係合部51と接触する動作については、後に説明する。
プラグケーブル60を作製するには、まず、外部導体63を形成するための円筒形状の金属製部材を用意する。そして、用意した金属製部材の先端近傍の工具係合部51に対応する位置にプレス加工を施して、くびれ部66を形成し、外部導体63と成す。また、外部導体63内の所定の位置に、別途作製したケーブル内絶縁体62を嵌め込む。このケーブル内絶縁体62は、内部に収納すべき内部導体61、ケーブル端子65、およびスパークプラグ100に対応する形状となるように、予め、例えば射出成形によって形成すればよい。その後、外部導体63の先端側(図3の下端側)からケーブル内絶縁体62内へと、先端にケーブル端子65を取り付けた内部導体61を挿入し、内部導体61およびケーブル端子65の組付けを行なって、プラグケーブル60を完成する。
スパークプラグ100とプラグケーブル60とを接続する際には、まず、内燃機関のエンジンヘッド200のプラグホール202内の取付ネジ孔201へと、スパークプラグ100を取り付ける(図2参照)。その後、プラグケーブル60をプラグホール202内に挿入し、ケーブル内絶縁体62内へと、スパークプラグ100の後端部を嵌め込む。その際、外部導体63の先端がプラグホール202の取り付け面203に接するまで、プラグケーブル60をプラグホール202内へと軸線方向に差し込む。このようなプラグケーブル60の嵌め込み動作と同時に、プラグケーブル60内では、プラグ側端子33とケーブル端子65との接続が行なわれる。ここで、外部導体63におけるくびれ部66の位置は、プラグケーブル60をスパークプラグ100に嵌め込んだときに、軸線に垂直な方向から見ると、工具係合部51に重なるように定められている。外部導体63のくびれ部66の内径は、既述したように、工具係合部51の外径よりも若干大きく形成されているため、上記した嵌め込みの動作を支障無く行なうことができる。なお、プラグケーブル60は、より細くする(小型化する)ことが望ましいため、上記した嵌め込み動作への影響を抑えつつ、外部導体63をできるだけ細くするために、くびれ部66の内径と工具係合部51の外径との差は、例えば、0.5〜0.7mmとすればよい。
プラグケーブル60をプラグホール202内に嵌め込んだ後には、プラグホール202を塞ぐように、放電用電源41を備える押圧部49をエンジンヘッド200上に取り付ける(図3参照)。押圧部49は、ボルト70を用いてエンジンヘッド200上に固定される。ここで、外部導体63の軸線方向の長さは、プラグホール202の深さよりも若干長く形成されている。また、押圧部49におけるエンジンヘッド200との接触面は、平坦面となっている。そのため、押圧部49をエンジンヘッド200上に取り付けることにより、押圧部49からプラグケーブル60の外部導体63へと、軸線方向の押圧力が加えられる。なお、押圧部49を取り付けたときには、外部導体63に対して充分な押圧力を加えることができ、かつ、押圧に伴うくびれ部66の軸線方向の移動距離が過大にならないことが望ましい。そのため、外部導体63の軸線方向の長さとプラグホール202の深さの差は、例えば、0.5〜3mmとすればよい。
図5は、押圧部49の取付を行なう前後のくびれ部66近傍の様子を模式的に表わす説明図である。図5(A)は、押圧部49の取り付け前の様子を表わし、図5(B)は、押圧部49の取り付け後の様子を表わす。図5に示すように、外部導体63に対して軸線方向の押圧力(図5中では矢印αで表わす)が加えられることによって、くびれ部66が軸線方向に縮み、くびれ部66における張り出し端部69が径方向内側へと変位する。これにより、張り出し端部69が工具係合部51と接触する。このように、くびれ部66が軸線方向に圧縮されて張り出し端部69が工具係合部51に押し付けられることで、くびれ部66から工具係合部51に対して径方向内側向きの押圧力(図5中では矢印βで表わす)が生じる。ここで、外部導体63に対して軸線方向の押圧力を加えたときにくびれ部66の張り出し端部69が充分に変位するのは、外部導体63において、くびれ部66のバネ定数が、他の部位のバネ定数よりも小さく、変形しやすいためである。外部導体63における各部のバネ定数については、後に詳しく説明する。
なお、押圧部49には、既述した放電用電源41に加えて、図1に示した混合部43が設けられており、交流電源42からの交流電力が、ディストリビュータを介して供給される。エンジンヘッド200上に押圧部49を固定する際には、押圧部49とプラグケーブル60との間で配線が電気的に接続される。具体的には、押圧部49において、エンジンヘッド200との接触面を含む部分には、内部導体61と第3の伝送路48とを接続するための接続部72と、外部導体63と第3の伝送路48とを接続するための接続部73と、が設けられている(図3参照)。そのため、エンジンヘッド200上に押圧部49を固定することにより、スパークプラグ100に対して、内部導体61およびケーブル端子65を介して、直流電圧の印加および交流電力の供給が可能になる。なお、プラグケーブル60の嵌め込み時に、既述したようにくびれ部66と主体金具50とが接触するため、主体金具50は、外部導体63を介してアースされる。
スパークプラグ100に対して、放電用電源41からの直流電圧を印加することにより、電極間の火花ギャップで火花放電を発生させることができる。さらに、交流電源42からの交流電力をスパークプラグ100に供給することにより、火花ギャップにおいてプラズマを発生させ、直流電圧の印加によって生じた火花に対して、交流電力を用いて更なるエネルギ供給することができる。このように、直流電源を用いて発生させた火花に対して、交流電力を用いて更なるエネルギを供給することで、直流電源のみを用いて点火を行なう場合に比べて、スパークプラグ100における着火性を向上させ、点火の動作を安定化することができる。
以上のように構成された本実施形態の点火装置40によれば、外部導体63は、くびれ部66を備えることによって軸線方向の弾性を有すると共に、くびれ部66から工具係合部51に対して押圧力が生じる。このように、くびれ部66から工具係合部51へと押圧力が加わることにより、点火装置40に対していずれの方向の振動が加わっても、主体金具50と外部導体63とが接続される状態を維持できる。特に、軸線方向の振動は、くびれ部66によって吸収することができるため、軸線方向の振動に対して、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なう効果を、特に顕著に得ることができる。
点火を行なうのに必要な交流電力を確実に供給できることに伴い、接続不良に起因する不具合、例えば、電波の漏れが他の機器でノイズとして影響を与えたり、反射が起こることで十分な交流電力を点火のために供給できなくなりエンジン失火を引き起こすといった不具合を抑制できる。また、接続不良に起因する発熱や、接続が途切れて放電が起こることに起因する電力ロスを抑えることができる。
また、このとき、プラグケーブル60を同軸ケーブルとしており、交流電流流れの往路と復路から成るループの面積を小さくしているため、プラグケーブル60におけるインダクタンスを削減し、その結果インピーダンスを抑えることができる。さらに、本実施形態では、スパークプラグ100を嵌め込むためのプラグケーブル60の表皮部分を、主体金具50と直接接してアースするための外部導体63としている。このように、スパークプラグと接続して直流電圧を印加するプラグケーブル、スパークプラグに交流電力を供給するための同軸ケーブル、および同軸ケーブルにおけるスパークプラグとの接触部、を一体化しているため、全体構造を簡素化することができる。また、本実施形態によれば、プラグケーブル60を用いることにより、直流電圧のみを印加して通常用いられるスパークプラグを利用して、交流電力の供給をさらに行なう点火装置を得ることが可能になる。
C.バネ定数の検討:
図6は、外部導体63の各部のバネ定数を示す説明図である。外部導体63において、くびれ部66よりも軸線方向の後端側の部分を、後端側ストレート部67と呼び、くびれ部66よりも軸線方向の先端側の部分を、先端側ストレート部68と呼ぶ。また、後端側ストレート部67のバネ定数をk1、くびれ部66のバネ定数をk2、先端側ストレート部68のバネ定数をk3と呼ぶ。以下に、外部導体63に対して軸線方向の押圧力を加える際に、張り出し端部69を所望量変位させるための、各部のバネ定数の関係を検討した結果を説明する。
図7は、張り出し端部69の径方向の変位量(内側への張り出し量)と、外部導体63の各部のバネ定数と、の関係を調べるために用いた外部導体63の、各部の寸法を示す説明図である。図7(A)に示すように、外部導体63の寸法として、くびれ部66の軸線方向の長さ(くびれ部長さ)をA、張り出し端部69における内径(圧縮前くびれ部内径)をB、先端側および後端側ストレート部の内径(外部導体内径)をCとした。そして、各値を、図7(B)にサンプル形状1として示す値とした外部導体であって、くびれ部66のバネ定数が異なる複数の外部導体を作製し、各々の外部導体について、各部のバネ定数k1〜k3を測定した。さらに、上記各々の外部導体に対して、外部導体を押圧部49と共にエンジンに取り付けた際に外部導体63に対して加わる押圧力と同等の押圧力を加え、張り出し端部69の内側への張り出し量とバネ定数との関係を調べた。具体的には、外部導体63の軸線方向の上下端をいずれも自由端として、上下端共に軸線方向に0.5mmずつ変位するように、押圧力を加えた。
ここで、バネ定数とは、外部導体63を構成する各々の部分に対して軸線方向の押圧力を加えたときに、加えた荷重の大きさと軸線方向の変位量とから求められる値である。具体的には、バネ定数k1〜k3は、外部導体63を、後端側ストレート部67と、くびれ部66と、先端側ストレート部68の各々の部分となるように切断して、各々の部分に対して軸線方向の荷重を加え、軸線方向の変位量を測定することにより算出した。
また、既述したように、サンプル形状1の外部導体として、くびれ部66のバネ定数が異なる複数の外部導体を作製しているが、くびれ部66のバネ定数は、外部導体においてくびれ部の部分の肉厚を変更することにより異ならせた。具体的には、外部導体を形成するための円筒状部材において、くびれ部66を形成する位置を、外周側から切削により薄型化し、その後、くびれ部形成のためのプレス加工を行なった。
なお、図7(B)に示したサンプル形状1では、HEX(六角対辺)14mmのスパークプラグを用いる場合を想定して、圧縮前くびれ部内径Bおよび外部導体内径Cを設定している。具体的には、圧縮前くびれ部内径Bは、工具係合部51の外径よりも、0.7mm大きく設定した。すなわち、HEX14mmのスパークプラグでは、工具係合部51の外径の最小値は15.8mmであるため、圧縮前くびれ部内径Bは16.5mmに設定した。従って、外部導体63の圧縮時には、張り出し端部69の内側への張り出し量は、圧縮前くびれ部内径Bと上記工具係合部51の外径の最小値の差の半分の値である0.35mm以上であることが必要である。
図8は、外部導体63の一部の形状のみを有する部材を示す説明図である。ここでは、外部導体63だけでなく、外部導体63の一部の形状のみを有するサンプル形状についても、同様に、張り出し端部69の内側への張り出し量とバネ定数との関係を調べた。図8(A)は、後端側ストレート部67およびくびれ部66のみを備えるサンプル形状(以下、サンプル形状1aと呼ぶ)を表わし、図8(B)は、くびれ部66および先端側ストレート部68のみを備えるサンプル形状(以下、サンプル形状1bと呼ぶ)を表わす。サンプル形状1aおよびサンプル形状1bの部材において、くびれ部長さA、圧縮前くびれ部内径B、および外部導体内径Cは、図7(B)に示したサンプル形状1と同じである。サンプル形状1a、サンプル形状1bの各々についても、サンプル形状1の外部導体と同様に、くびれ部66のバネ定数が異なる複数の部材を作製した。上記のように、くびれ部66のバネ定数を異ならせたサンプル形状1の外部導体と、サンプル形状1a、1bの部材とを作製し、各々について、既述した押圧力を加え、張り出し端部69の内側への張り出し量とバネ定数との関係を調べた。すなわち、外部導体において、軸線方向に荷重を加えたときのバネ定数と、軸線方向に荷重を加えたときの径方向内側への変位量との関係を調べた。
図9は、サンプル形状1の外部導体と、サンプル形状1a、1bの部材のそれぞれについて、張り出し端部69の内側への張り出し量とバネ定数との関係を調べた結果を示すグラフである。図9で、横軸は、サンプル形状1の外部導体およびサンプル形状1aの部材では「k2/k1」の値であり、サンプル形状1bの部材では「k2/k3」の値である。図9中に四角で囲んで示すように、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を0.8以下にすることで、張り出し端部69の内側への張り出し量を0.35mm以上とすることができた。また、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を小さくするほど、張り出し端部69の内側への張り出し量は大きくなるが、上記値が0.8を堺にして、上記値を小さくするほど上記張り出し量が大きくなる程度が著しく低下した。なお、サンプル形状1の外部導体について「k2/k3」を横軸とした場合にも、「k2/k1」を横軸とした図9の結果とほぼ同様の結果が得られた。
くびれ部バネ定数の値(k2)が、ストレート部バネ定数の値(k1,k3)よりも小さいことにより、外部導体に対して軸線方向の押圧力を加えたときに、くびれ部が優先的に変形して、張り出し端部69が径方向内側へと変位する。このとき、さらに、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を0.8以下にすることで、張り出し端部69を径方向内側へと充分に変位させて、張り出し端部69と主体金具50との接触を確保可能になることが確認された。なお、サンプル形状1aの部材およびサンプル形状1bの部材で同様の結果が得られたことから、外部導体63におけるストレート部の長さやくびれ部66の相対的な位置にかかわらず、バネ定数において上記した数値範囲が成立することが望ましいと考えられる。
図9に結果を示したサンプル形状1の外部導体は、HEX(六角対辺)14mmのスパークプラグを用いる場合を想定しているが、HEX(六角対辺)16mmのスパークプラグを用いる場合を想定した外部導体についても、同様の検討を行なった。HEX(六角対辺)16mmのスパークプラグを用いる場合を想定した外部導体の寸法(くびれ部長さA、圧縮前くびれ部内径B、外部導体内径C)については、図7(B)にサンプル形状2として示している。このようなサンプル形状2の外部導体についても、くびれ部66の肉厚を変更することにより、くびれ部66のバネ定数した複数の外部導体を作製し、所定の押圧力を加えたときの張り出し端部69の内側への張り出し量を測定した。また、別途、後端側ストレート部67、くびれ部66、および先端側ストレート部68と同じ形状の部材を作製して、各々のバネ定数を求めた。そして、張り出し端部69の内側への張り出し量とバネ定数との関係を調べた。
図10は、サンプル形状1の外部導体と、サンプル形状2の外部導体のそれぞれについて、張り出し端部69の内側への張り出し量とバネ定数との関係を調べた結果を併せて示すグラフである。図10に示すように、サンプル形状2の外部導体においても、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を0.8以下にすることで、張り出し端部69の内側への張り出し量を0.35mm以上とすることができた。また、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値が0.8となるときを堺にして、上記値を小さくするほど張り出し端部69の内側への張り出し量が大きくなる程度が著しく低下した。なお、図10では、横軸を「k2/k1」としたが、「k2/k3」を横軸とした場合にも、ほぼ同様の結果が得られた。
また、既述したサンプル形状1およびサンプル形状2では、外部導体の厚み(ストレート部の肉厚)を0.3mmとしたが、0.05〜1mmとした場合であっても同様に、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を0.8以下にすることで、同様の結果が得られた。また、既述したサンプル形状1およびサンプル形状2では、外部導体における押圧時の軸線方向の変位量を、自由端である上下端のそれぞれで0.5mmとしたが、0.5〜3mmとした場合であっても同様に、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を0.8以下にすることで、同様の結果が得られた。
D.第2の実施形態:
図11は、第2の実施形態の点火装置におけるスパークプラグ100とプラグケーブル60の結合部の様子を表わす説明図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第2の実施形態のプラグケーブル60は、外部導体163の形状が、第1の実施形態の外部導体63の形状と異なっている。
外部導体163は、その先端部が周方向全体に亘ってテーパ状に縮径された(絞られた)くびれ部166を備えている。第2の実施形態の点火装置40では、くびれ部166の先端であって、径方向内側に最も張り出した部位(張り出し端部169)は、主体金具50のガスケット受け部54と接すると共に、プラグホール202の底面である取り付け面203と接する。ここで、点火装置40として組み付ける前の外部導体163における張り出し端部169の内径は、ガスケット受け部54および工具係合部51の外径よりも若干大きく形成されている。そして、点火装置40の組み付け時に、取り付け面203と接する外部導体163に対して、押圧部49から軸線方向の押圧力が加えられることで、くびれ部166が軸線方向に縮み、張り出し端部169が径方向内側へと変位する。これにより、張り出し端部169が、ガスケット受け部54と接触し、くびれ部166からガスケット受け部54に対して径方向内側向きの押圧力が生じる。このような構成とすることで、第1の実施形態と同様に、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なう効果が得られる。なお、第2の実施形態のように、外部導体の先端にくびれ部166を形成する方が、第1の実施形態のように外部導体の中ほどにくびれ部を形成する場合よりも、加工の工程が容易になって有利である。
図12は、外部導体163の各部のバネ定数を示す説明図である。外部導体163において、くびれ部166よりも軸線方向の後端側の部分を、後端側ストレート部67と呼ぶ。また、後端側ストレート部67のバネ定数をk1、くびれ部166のバネ定数をk2と呼ぶ。以下に、第2の実施形態のプラグケーブル60において、外部導体163に対して軸線方向の押圧力を加える際に、張り出し端部169を所望量変位させるための、各部のバネ定数の関係を検討した結果を説明する。
図13は、張り出し端部の径方向の変位量(内側への張り出し量)と、外部導体の各部のバネ定数と、の関係を調べるために用いた外部導体163の、各部の寸法を示す説明図である。図13(A)に示すように、第1の実施形態と同様に、くびれ部長さをA、圧縮前くびれ部内径をB、外部導体内径をCとした。そして、各値を、図13(B)にサンプル形状3〜5として示す値とした外部導体を作製した。各々のサンプル形状3〜5については、さらに、くびれ部166のバネ定数が異なる複数の外部導体を作製し、各々の外部導体について、各部のバネ定数k1〜k3を測定した。さらに、上記各々の外部導体に対して、外部導体を押圧部49と共にエンジンに取り付けた際に外部導体63に対して加わる押圧力と同等の押圧力を加え、張り出し端部169の内側への張り出し量とバネ定数との関係を調べた。具体的には、外部導体163の軸線方向の先端側を、プラグホール202底面である取り付け面203に相当する面に接触する接触端とし、軸線方向の後端側を自由端として、自由端が軸線方向に0.5mm変位するように、押圧力を加えた。このとき、取り付け面203に相当する面には、実際のプラグホール202と同様の環境となるように、油を表面に塗布して充分に接触抵抗を低減した。
なお、図13(B)において、サンプル形状3は、スパークプラグ100のガスケット受け部54の外径が15.6mmである場合に対応して設定した値である。また、サンプル形状4は、スパークプラグ100のガスケット受け部54の外径が16.7mmである場合に対応して設定した値である。また、サンプル形状5は、スパークプラグ100のガスケット受け部54の外径が19.0mmである場合に対応して設定した値である。すなわち、点火装置に組み込むべきスパークプラグにおけるガスケット受け部54の外径よりも、くびれ部166における張り出し端部169の内径が0.3mm大きくなるように、組み付け前の外部導体163を形成した。
図14は、サンプル形状3〜5の各々の外部導体について、張り出し端部169の内側への張り出し量とバネ定数との関係を調べた結果を、サンプル形状1および2についての結果と併せて示すグラフである。図14に示すように、第2の実施形態の外部導体を採用する場合であっても、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を0.8以下にすることで、張り出し端部69の内側への張り出し量を0.35mm以上とすることができた。また、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値が0.8となるときを堺にして、上記値を小さくするほど張り出し端部69の内側への張り出し量が大きくなる程度が著しく低下した。
また、既述したサンプル形状3〜5では、外部導体の厚み(ストレート部の肉厚)を0.3mmとしたが、0.05〜1mmとした場合であっても同様に、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を0.8以下にすることで、同様の結果が得られた。また、既述したサンプル形状3〜5では、外部導体における押圧時の軸線方向の変位量を、自由端側で0.5mmとしたが、0.25〜1.5mmとした場合であっても同様に、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値を0.8以下にすることで、同様の結果が得られた。
E.第3の実施形態:
図15は、第3の実施形態の点火装置におけるスパークプラグ100とプラグケーブル60の結合部の様子を表わす説明図である。第3の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第3の実施形態のプラグケーブル60は、外部導体63に代えて外部導体263を備える点が、第1の実施形態と異なっている。
外部導体263は、その先端部が周方向全体に亘って径方向内側に折り曲げられたくびれ部266を備えている。外部導体に設けるくびれ部は、外部導体内の空間に露出する主体金具50の表面に接触すれば良く、第3の実施形態の点火装置40では、くびれ部266における径方向内側に最も張り出した部位(張り出し端部269)は、主体金具50の圧縮変形部58と接する。また、外部導体263の先端は、プラグホール202の底面である取り付け面203と接する。ここで、点火装置40として組み付ける前の外部導体263における張り出し端部269の内径は、圧縮変形部58の外径よりも若干大きく形成されている。そして、点火装置40の組み付け時に、取り付け面203と接する外部導体263に対して、押圧部49から軸線方向の押圧力が加えられることで、くびれ部266が軸線方向に縮み、張り出し端部269が径方向内側へと変位する。これにより、張り出し端部269が、圧縮変形部58と接触し、張り出し端部269から圧縮変形部58に対して径方向内側向きの押圧力が生じる。このような構成とすることで、第1の実施形態と同様に、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なう効果が得られる。
なお、図15では、外部導体263の各部のバネ定数も併せて示している。外部導体263において、くびれ部266よりも軸線方向の後端側の部分を、後端側ストレート部67と呼び、くびれ部66よりも軸線方向の先端側の部分を、先端側ストレート部68と呼ぶ。このとき、後端側ストレート部67のバネ定数をk1、くびれ部266のバネ定数をk2、先端側ストレート部68のバネ定数をk3と呼ぶ。
このような第3の実施形態の外部導体を採用する場合であっても、第1の実施形態と同様に、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」(「k2/k1」あるいは「k2/k3」)の値を0.8以下にすることで、張り出し端部269の内側への張り出し量を0.35mm以上とすることができる。また、第1の実施形態と同様に、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」の値が0.8となるときを堺にして、上記値を小さくするほど張り出し端部269の内側への張り出し量が大きくなる程度が著しく低下する。
F.第4の実施形態:
図16は、第4の実施形態の点火装置におけるスパークプラグ100とプラグケーブル60の結合部の様子を表わす説明図である。第4の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第4の実施形態のプラグケーブル60は、外部導体63に代えて外部導体363を備える点が、第1の実施形態と異なっている。
外部導体363には、第1の実施形態と同様に、主体金具50の工具係合部51と接するくびれ部66が形成されている。さらに、外部導体363には、くびれ部66よりも後端側であって、押圧部49との接続部近傍に、軸線方向に弾性を有するバネ部364が形成されている。ここで、外部導体363が点火装置に組み込まれてくびれ部66が工具係合部51に接触する前のくびれ部66のバネ定数をk2、外部導体363が点火装置に組み込まれてくびれ部66が工具係合部51に接触した後のくびれ部66のバネ定数をk4と呼ぶ。また、バネ部364のバネ定数をk5と呼ぶ。このとき、本実施形態では、「k2<k5」、かつ、「k4>k5」が成立するように、バネ部364が形成されている。なお、外部導体363のくびれ部66が工具係合部51に接触した後のくびれ部66のバネ定数k4は、以下のように求められる。すなわち、くびれ部66と同じ形状の部材を作製して、点火装置内に外部導体363を組み込んだときと同じ状態を再現し、軸線方向の押圧力をかけることによって張り出し端部69を工具係合部51と同じ形状の部材に当接させる。その後、上記部材に対してさらに軸線方向の荷重を加え、張り出し端部69が上記部材に当接した後の軸線方向の変位量を測定することにより算出する。
外部導体363を備えるプラグケーブル60を点火装置に組み付ける際には、張り出し端部69が工具係合部51に接するまでは「k2<k5」が成り立つため、バネ部364に優先してくびれ部66が軸線方向に圧縮され、張り出し端部69が工具係合部51に接する。張り出し端部69が工具係合部51に接触すると、くびれ部66の剛性が高まり、バネ定数が大きくなる。その後、さらに外部導体363に軸線方向の押圧力が加えられると、「k4>k5」となることで、くびれ部66に優先してバネ部364が軸線方向に圧縮されるようになる。
以上のような構成とすれば、バネ部364を設けることにより、張り出し端部69が工具係合部51に接触した後に、外部導体63に加えられる軸線方向の押圧力を、バネ部364で吸収することが可能になる。そのため、押圧部49がシリンダヘッドに当接するように押圧部49を配置する動作を容易化することができる。さらに、外部導体363の軸線方向の長さを設定する際の自由度を向上させることができる。また、張り出し端部69が工具係合部51に接触した後に、くびれ部66に過度の押圧力が加わることが抑制できる。そのため、過度の押圧力に起因するくびれ部66の望ましくない変形を抑え、張り出し端部69と工具係合部51との良好な接触状態の維持を容易化することができる。
このとき、各部のバネ定数の間では、「k2<k5」、かつ、「k4>k5」が成立しており、張り出し端部69が工具係合部51に接触するまでは、くびれ部66が優先的に圧縮されるため、軸線方向の押圧力を加えることに伴って、張り出し端部69を充分に内側に張り出させることができる。従って、第1の実施形態と同様に、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なう効果が得られる。なお、他のバネ定数の関係は、既述した実施の形態と同様に、「くびれ部バネ定数/ストレート部バネ定数」(「k2/k1」あるいは「k2/k3」)の値を0.8以下にすることで、張り出し端部69の内側への張り出し量を所望量とすることができる。また、本実施形態によれば、外部導体63に軸線方向の弾性を有するバネ部364が設けられているため、特に軸線方向の振動に対して、点火を行なうのに必要な交流電力の供給を確実に行なう効果を高めることができる。
第4の実施形態において、外部導体363は、第1ないし第3の実施形態と同様に、押圧部49内の配線を介して交流電源42と接続しても良いが、図16に示すように、バネ部364よりも先端側に、交流電源42と接続するための接続部を設けることが望ましい。既述したように、交流電流を伝送する際には、交流電流流れの往路と復路の長さを近づけて、往路と復路から成るループの面積を小さくすることで、インピーダンスを抑えることができる。外部導体363にバネ部364を設け、バネ部364が形成される部分を交流電流の復路として用いると、往路に比べて復路がより長くなる。そのため、バネ部364を経由することなく交流電流の復路を構成することで、往路と復路の長さを近づけて、低インピーダンス伝送を可能にし、電力効率を向上させることができる。
図16では、外部導体363に設けるくびれ部として、第1の実施形態と同様に、工具係合部51と接するくびれ部66を設けたが、第2の実施形態のくびれ部166や、第3の実施形態のくびれ部266と同様のくびれ部を設けても良い。くびれ部が、主体金具表面のいずれの箇所に接触する場合であっても、バネ部364を設け、また、「k2<k5」、かつ、「k4>k5」を満たすことにより、同様の効果が得られる。
G.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
G1.変形例1(所定のバネ定数を実現するためのくびれ部の形状に係る変形):
第1ないし第4の実施形態では、くびれ部のバネ定数は、外部導体においてくびれ部の部分の肉厚を変更することにより調節したが、異なる構成としても良い。例えば、くびれ部に複数のスリット(切れ込み穴)を設けることとしても良い。
図17は、スリットを有する外部導体の一例としての外部導体463の外観を表わす斜視図である。外部導体463は、第1の実施形態において外部導体63に代えて用いることができる。以下の説明では、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。外部導体463は、くびれ部66において、複数のスリット464が形成されている。スリット464は、くびれ部66の先端側の境界から後端側の境界まで設けられた孔部である。くびれ部66にスリット464を設けるには、例えば、外部導体463となる円筒状部材を用意して、くびれ部66を設けるべき領域から、スリット464に相当する部分を(例えば略菱形に)切り取り、その後、上記円筒状部材に対して、くびれ部66を形成するためのプレス加工を施せばよい。くびれ部66のバネ定数は、設けるスリット464の数と、個々のスリット464の大きさ(切り取る面積)により、調節することができる。なお、図17では、第1の実施形態の外部導体63のくびれ部66に対してスリット464を設けたが、外部導体の異なる位置にくびれ部を設ける場合であっても、スリットによりくびれ部のバネ定数を調節する構成を同様に適用することができる。
G2.変形例2(くびれ部の形状に係る変形):
第1ないし第4の実施形態では、くびれ部は、外部導体の先端部において、周方向全体に亘って径方向内側に張り出すように設けたが、異なる構成としても良い。なお、ここでは、既述した変形例1のように、くびれ部に部分的に切れ込み穴が設けられている場合も、「周方向全体に亘って径方向内側に張り出すくびれ部」に相当するものとする。
例えば、外部導体の先端部において、軸線方向に垂直な方向から見たときに互いに重なる位置に、軸線方向に沿って延出する複数のスリットを設ける。そして、スリットに挟まれる複数の領域の一部を、径方向内側に張り出すようにくびれさせ、また、スリットに挟まれる複数の領域の他の一部を、径方向外側に張り出すようにくびれさせることとしても良い。このような構成としても、径方向内側に張り出した端部が主体金具と接触することで、第1ないし第4の実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、この場合には、上記スリットを単なる切れ込みとして、外部導体においてくびれ部の部分の肉厚を変更することによってバネ定数を調節しても良く、上記スリットを切れ込み穴として、切れ込み穴の数および大きさによってバネ定数を調節しても良い。
G3.変形例3(バネ定数に係る変形):
第1ないし第4の実施形態では、くびれ部のバネ定数とストレート部のバネ定数との関係を規定したが、このようなバネ定数の関係は、好ましい例を示したものであり、必ずしもこのような関係になるように外部導体を構成する必要はない。例えば、くびれ部がある程度塑性変形する場合には、バネ定数とは無関係に外部導体をスパークプラグの主体金具に接触させることも可能である。
G4.変形例4(押圧部に係る変形):
第1ないし第4の実施形態では、押圧部49は、放電用電源41および混合部43を備えているため、点火装置40全体の構成を簡素化できるが、異なる構成としても良い。例えば、押圧部49は、放電用電源41に代えて、あるいは、放電用電源41に加えて、交流電源42を備えることとしても良い。すなわち、スパークプラグ100毎に交流電源42を設けることとしても良い。ただし、一般に、交流電源42の方が放電用電源41よりもコスト高であるため、スパークプラグ毎に設ける押圧部49がいずれかの電源を備える場合には、放電用電源41を備える方がコスト的に有利である。あるいは、電源を備えない部材によって押圧部49を構成しても良く、押圧部49は、プラグホール202上に取り付けたときに、外部導体に対して軸線方向の押圧力を加えることができれば良い。
G5.変形例5(プラグケーブルに係る変形):
内部導体61の先端に設けたケーブル端子65と、スパークプラグ100に設けた端子金具32の接続の形態を異ならせても良い。例えば、ケーブル端子65側をオス端子とし、スパークプラグ100の端子金具32にメス端子を形成しても良い。スパークプラグ100にプラグケーブルを嵌め込む動作と同時に、内部導体61と端子金具32とを接続できれば良い。
G6.変形例6(プラグケーブルに係る変形):
第1ないし第4の実施形態では、スパークプラグ100に対して、放電用電源41から直流電圧を印加すると共に、交流電源42から交流電力を供給したが、異なる構成としても良い。交流電源42から供給される交流電力のみを用いて、点火の動作を行なうこととしても良い。少なくとも交流電源42からスパークプラグ100に対して電力供給する点火装置に本願構成を適用することで、点火を行なうのに必要な交流電力の確保に係る既述した効果が得られる。
4…シール体
5…ガスケット
6,7…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…脚長部
15…碍子段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…中央胴部
20…中心電極
21…電極母材
25…芯材
30…接地電極
32…端子金具
33…プラグ側端子
40…点火装置
41…放電用電源
42…交流電源
43…混合部
44…コイル
45…コンデンサ
46…第1の伝送路
47…第2の伝送路
48…第3の伝送路
49…押圧部
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
54…ガスケット受け部
56…金具内段部
57…先端面
58…圧縮変形部
60…プラグケーブル
61…内部導体
62…ケーブル内絶縁体
63、163、263、363、463…外部導体
65…ケーブル端子
66、166、266…くびれ部
67…後端側ストレート部
68…先端側ストレート部
69、169、269…張り出し端部
70…ボルト
72、73…接続部
100…スパークプラグ
200…エンジンヘッド
201…取付ネジ孔
202…プラグホール
203…取り付け面
364…バネ部
464…スリット

Claims (12)

  1. 筒状の主体金具と、前記主体金具の内周に配置された筒状のプラグ内絶縁体と、前記プラグ内絶縁体の後端に設けられたプラグ側端子と、を備え、内燃機関に取り付けて用いるスパークプラグと、
    前記スパークプラグにおける火花の形成および/または維持のために前記スパークプラグに交流電力を供給する交流電源と、
    前記スパークプラグと接続するプラグケーブルを先端に備えて前記スパークプラグと前記交流電源とを接続する伝送路と、
    を備える点火装置において、
    前記プラグケーブルは、
    該プラグケーブルの中心線に沿って延出して設けられる内部導体と、
    前記プラグケーブルの外表面に形成される外部導体と、
    前記プラグケーブルの内部において前記内部導体の先端に設けられたプラグケーブル端子であって、前記プラグ側端子と接続するプラグケーブル端子と、
    前記外部導体と前記内部導体との間において、前記外部導体の先端部を除く部位に設けられ、前記外部導体と前記内部導体の間を絶縁するプラグケーブル内絶縁体と、
    を備え、
    前記外部導体の前記先端部は、径方向内側に張り出して設けられたくびれ部を、周方向の少なくとも一部に有しており、該くびれ部から前記主体金具に対して生じる径方向内側向きの押圧力によって、該くびれ部の径方向内側に張り出した端部において前記スパークプラグの前記主体金具と接触し、
    前記外部導体の先端は、前記スパークプラグが取り付けられる前記内燃機関における取り付け面に接触し、
    前記点火装置は、さらに、前記外部導体を前記内燃機関の前記取り付け面へと押圧する押圧部を備える
    点火装置。
  2. 請求項1記載の点火装置であって、
    前記くびれ部は、前記外部導体の先端から離間して設けられており、
    前記外部導体において、前記押圧部が配置される側の端部である後端から前記くびれ部の後端側の境界までの部分のバネ定数をk1、前記外部導体が前記点火装置に組み込まれて前記くびれ部が前記主体金具に接触する前の前記くびれ部の部分のバネ定数をk2、前記取り付け面に接触する先端から前記くびれ部の先端側の境界までの部分のバネ定数をk3とすると、k2<k1、かつ、k2<k3が成立することを特徴とする
    点火装置。
  3. 請求項2記載の点火装置であって、
    k2≦0.8×k1、かつ、k2≦0.8×k3が成立することを特徴とする
    点火装置。
  4. 請求項1記載の点火装置であって、
    前記くびれ部は、前記外部導体の先端に設けられており、
    前記外部導体において、前記押圧部が配置される側の端部である後端から前記くびれ部の後端側の境界までの部分のバネ定数をk1、前記外部導体が前記点火装置に組み込まれて前記くびれ部が前記主体金具に接触する前の前記くびれ部の部分のバネ定数をk2とすると、k2<k1が成立することを特徴とする
    点火装置。
  5. 請求項4記載の点火装置であって、
    k2≦0.8×k1が成立することを特徴とする
    点火装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の点火装置であって、
    前記押圧部は、前記スパークプラグに対して火花の形成および/または維持のために電力を供給する電源を備えることを特徴とする
    点火装置。
  7. 請求項6記載の点火装置であって、
    前記点火装置は、前記スパークプラグに対して火花の形成および/または維持のために電力を供給する電源として、前記交流電源に加えて、さらに、直流電圧の印加を行なう放電用電源を備え、
    前記押圧部は、前記交流電源を備えることなく前記放電用電源を備えることを特徴とする
    点火装置。
  8. 請求項3または5記載の点火装置であって、
    前記外部導体の厚みは、前記くびれ部において他の部位よりも薄く形成されていることを特徴とする
    点火装置。
  9. 請求項3または5記載の点火装置であって、
    前記外部導体は、少なくとも前記くびれ部において、軸線方向に沿って延出する複数の穴状のスリットが形成されてことを特徴とする
    点火装置。
  10. 請求項1ないし9いずれか記載の点火装置であって、
    前記外部導体は、前記押圧部と接する後端から前記くびれ部の後端までの部分において、軸線方向に弾性を有するバネ部が形成されている
    点火装置。
  11. 請求項10記載の点火装置であって、
    前記外部導体において、前記外部導体が前記点火装置に組み込まれて前記くびれ部が前記主体金具に接触する前の前記くびれ部の部分のバネ定数をk2に対して、前記外部導体が前記点火装置に組み込まれて前記くびれ部が前記主体金具に接触した後の前記くびれ部の部分のバネ定数をk4として、前記バネ部の部分のバネ定数をk5とすると、k2<k5、かつ、k4>k5が成立することを特徴とする
    点火装置。
  12. 請求項10または11記載の点火装置であって、
    前記交流電源は、前記バネ部よりも先端側で、前記外部導体と接続している
    点火装置。
JP2012105077A 2012-05-02 2012-05-02 点火装置 Active JP5829573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012105077A JP5829573B2 (ja) 2012-05-02 2012-05-02 点火装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012105077A JP5829573B2 (ja) 2012-05-02 2012-05-02 点火装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013232382A JP2013232382A (ja) 2013-11-14
JP5829573B2 true JP5829573B2 (ja) 2015-12-09

Family

ID=49678641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012105077A Active JP5829573B2 (ja) 2012-05-02 2012-05-02 点火装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5829573B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4678981B2 (ja) * 2001-04-12 2011-04-27 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグユニット
KR101441834B1 (ko) * 2010-09-07 2014-09-18 니혼도꾸슈도교 가부시키가이샤 점화 시스템 및 점화 플러그

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013232382A (ja) 2013-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5632993B2 (ja) 混合器、整合器、点火ユニット、及びプラズマ生成器
JP5385427B2 (ja) 点火プラグ、及び、点火装置
EP2782198B1 (en) High-frequency plasma spark plug
US7768183B2 (en) Extension spark plug
WO2015163366A1 (ja) 点火プラグ及びソケット
US10910796B2 (en) Spark plug
JP5829573B2 (ja) 点火装置
JP2013186998A (ja) 点火プラグ及び点火システム
JP5859909B2 (ja) ケーブル一体型プラグおよびその製造方法
KR101476569B1 (ko) 고주파 플라즈마 점화 플러그
EP2195895A1 (en) Spark plug
JP6667463B2 (ja) 点火プラグ
JP7093223B2 (ja) 点火プラグの製造方法および点火プラグ
JP6592473B2 (ja) 点火プラグ
JP6411433B2 (ja) スパークプラグ
US11588303B2 (en) Apparatus for igniting a fuel mixture, transmission element for transmitting a high-voltage ignition voltage, ignition device, and circuit device
JP7300427B2 (ja) スパークプラグ
US10320158B2 (en) Spark plug
JP7060551B2 (ja) スパークプラグ
JP2020198255A (ja) 点火プラグ、および、内燃機関
JP5851927B2 (ja) 点火装置
US9780535B2 (en) Spark plug
JP6467370B2 (ja) スパークプラグ
JP6524136B2 (ja) 点火プラグ
JP2020080280A (ja) 点火プラグ及び点火プラグの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5829573

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250