JP5858106B2 - 含フッ素表面処理剤を含有する物品の分析方法 - Google Patents

含フッ素表面処理剤を含有する物品の分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、含フッ素表面処理剤を含有する物品におけるフルオロアルキル基の炭素数を求める分析方法に関する。特に、本発明は、撥水撥油剤および/または防汚加工剤などの表面処理剤で処理(加工)された物品におけるペルフルオロオクタン酸およびその前駆体、例えば、C8F17I、C8F17CH2CH2I、 C8F17CH2CH2OH、C8F17CH=CH2、C8F17CH2CH2OCOCH=CH2を分析する方法に関する。
ペルフルオロオクタン酸はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂を合成する際に使用される添加剤、界面活性剤などとして使用されている化合物である。ペルフルオロオクタン酸は、河川水・地下水等の環境試料中にppt〜ppbの程度の単位の量で検出されるなど、環境に広く拡散していることが確認されている。
また、ペルフルオロオクタン酸は、生体蓄積性が確認されており、健康被害の懸念があることから、2006年1月に米国環境保護局(US EPA)は主要なフッ素化学メーカ8社に自主取り組みとして2015年までの排出全廃を呼びかけ(PFOA2010/2015スチュワードシップ・プログラム)、全8社が参加を表明している。
ペルフルオロオクタン酸の合成原料であるC8F17Iやその誘導体(例えば、C8F17CH2CH2I、 C8F17CH2CH2OH、C8F17CH=CH2、C8F17CH2CH2OCOCH=CH2)は、含フッ素工業製品中に含有されていることがあり、環境中で分解して意図せずペルフルオロオクタン酸を生成する可能性があり、環境へのペルフルオロオクタン酸の拡散原因となっている可能性も指摘されている。そこで、PFOA2010/2015スチュワードシップ・プログラムでは、ペルフルオロオクタン酸を生成する可能性がある化合物(例えば、C8F17I、C8F17CH2CH2I、 C8F17CH2CH2OH、C8F17CH=CH2、C8F17CH2CH2OCOCH=CH2)をペルフルオロオクタン酸前駆体と呼び、参加各社はペルフルオロオクタン酸と同様にペルフルオロオクタン酸前駆体も2015年までに排出を全廃するべく取り組んでいる。
このため、含フッ素工業製品にペルフルオロオクタン酸前駆体が使用されているか否かを判別する方法が求められている。特に、含フッ素表面処理剤を含有する物品(例えば、繊維、被服および紙等の加工品)の分野では、強く要望されている。
ペルフルオロオクタン酸を定量する方法が存在する(例えば、水など環境試料ではISO 25101:2009、撥水撥油剤水性分散液では特開2011−237385号公報)。しかし、これらの定量手法を含フッ素工業製品に適用した場合には、試料中のペルフルオロオクタン酸の含有量のみが得られ、その結果から含フッ素工業製品中にペルフルオロオクタン酸前駆体が使用されているか否か判断することが出来ない。
特開2011−526675号公報は、撥水撥油剤で処理された化学繊維からなる布中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法を開示している。この方法は、化学繊維からなる布試料中に含まれる遊離のペルフルオロオクタン酸および/またはペルフルオロオクタン酸前駆体を抽出・分析する手法であるが、多くの場合、遊離のペルフルオロオクタン酸および/またはペルフルオロオクタン酸前駆体は分析を行う上で十分な濃度が含まれておらず、試料中にペルフルオロオクタン酸前駆体が使用されているか否か判断することが出来ない。
特開2010−54274号公報は、フッ素系化合物を含有する混合物を分析する方法を開示している。この方法は煩雑であるのみならず、定量性を得るためには試料を高温(図9によれば1000℃)まで加熱する必要があるため、基材が化粧品用粉体などのように高温でも分解しない物質からなる場合は適用しうるが、多くの基材は高温に耐えないため、基材の熱分解によりガスが発生し、フッ素系化合物の分析を妨げる。すなわち、適用しうる基材が極めて制限される。
特開2011−526675号公報 特開2010−54274号公報
本発明の目的の1つは、含フッ素表面処理剤を含有する物品(例えば、繊維、被服および紙等の加工品)にペルフルオロオクタン酸前駆体が使用されているか否かを容易に判別する簡便な分析方法を提供することである。
本発明は、含フッ素表面処理剤(すなわち、含フッ素有機化合物)を含有する物品(例えば、撥水撥油加工された繊維、被服、紙等の加工品)の小片を採取し、小片を加熱して得られる揮発成分中の含フッ素有機化合物の炭素数を求めることを特徴とした、物品にペルフルオロオクタン酸前駆体が使用されているか否かを判別する方法を提供する。
本発明の要旨は、
(1)含フッ素表面処理剤を含有する物品を加熱する工程、および
(2)物品から発生したガスを測定する工程
を特徴とする含フッ素表面処理剤を含有する物品の分析方法に存する。
本発明の分析方法は、複雑な操作を要さず、簡便な分析方法である。
本発明の分析方法によれば、含フッ素表面処理剤が有するフルオロアルキル基、特にペルフルオロアルキル基の炭素数を求めることができる。例えば、含フッ素表面処理剤が炭素数8のフルオロアルキル基、特にペルフルオロアルキル基を有するか否かが容易に判別できる。さらに具体的には、フルオロアルキル基の炭素数が8以上(例えば、8、10または12)であるかあるいは6以下(例えば、6または4)であるかを容易に判別することができる。
実施例1で得られたガスクロマトグラフ質量分析チャート(GCチャート)である。 実施例2で得られたガスクロマトグラフ質量分析チャート(GCチャート)である。 実施例12で得られたガスクロマトグラフ質量分析チャート(GCチャート)である。 実施例12で得られたガスクロマトグラフ質量分析チャート(MSチャート)である。
本発明の分析方法は、
(1)含フッ素表面処理剤を含有する物品を加熱する工程、および
(2)物品から発生したガスを測定する工程
を有する。
「含フッ素表面処理剤を含有する物品」とは、一般に、含フッ素表面処理剤で処理された物品である。含フッ素表面処理剤は、一般に含フッ素撥水撥油剤および/または含フッ素防汚加工剤である。「物品」、特に、含フッ素表面処理剤(例えば、含フッ素撥水撥油剤)で処理される被処理物(基材)としては、繊維製品(糸、編物、織物、不織布、およびこれらを使用して作製した被服、寝具、カーテン、敷物類)、石材、フィルター(例えば、静電フィルター)、防塵マスク、燃料電池の部品(例えば、ガス拡散電極およびガス拡散支持体)、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面、およびプラスターなどを挙げることができる。繊維製品は、特にカーペットであってよい。「処理」とは、処理剤を、浸漬、噴霧、塗布などにより被処理物(基材)に適用することを意味する。処理により、処理剤の有効成分である含フッ素重合体が被処理物の内部に浸透するおよび/または被処理物の表面に付着する。
以下、各工程について説明する。
(1)加熱工程
含フッ素表面処理剤を含有する物品を加熱する。加熱温度は、基材から熱分解ガスが発生しない温度であることが好ましい。基材の熱分解により発生したガスが、フルオロアルキル基の分析を妨げることがあるからである。したがって、加熱は、物品の重量変化が実質的に生じないように行うことが好ましい。加熱による物品の重量変化(重量減少)は、加熱前の物品の重量に基づいて、5重量%以下、例えば1%以下、特に0.5重量%以下であることが好ましい。
加熱温度は、一般に100〜250℃、例えば150℃〜210℃、特に180〜200℃であってよい。加熱時間は、一般に1分〜300分、例えば2分〜150分、特に5分〜60分であってよい。
一定温度で加熱してもよいが、温度を変化させて加熱を行ってもよい。例えば、低温(例えば70℃)から高温(例えば250℃)に温度を上昇させることによって、加熱を行うことが可能である。
加熱に用いる容器は、密閉容器でも開放容器でも良い。密閉容器としては、ガラス製のバイアル瓶にブチルゴム、シリコーンゴム等のシール材からなるセプタムシールをアルミニウム製のキャップで固定する形式の容器が例示される。開放容器を用いる場合、2つの開口部を有する容器の一方の開口部より空気、窒素等の気体を流入させ、他の開口部に袋状の捕集容器またはスチレン-ジビニルベンゼン共重合体等の吸着材を備えた装置が例示される。
(2)測定工程
加熱により、物品からガスが発生する。このガスは、含フッ素表面処理剤が分解して発生するガスを含む。物品から発生したガスを捕集して、測定を行う。
捕集法としては、密閉容器を用いる場合は、注射器等を用いて密閉容器中の気相部を捕集するスタティックヘッドスペースサンプリング法が例示される。スタティックヘッドスペースサンプリング法においては、ガスクロマトグラフ装置と接続し、加熱から捕集およびガスクロマトグラフ測定を自動で行うことの出来る装置が市販されており、これを利用しても良い。また、開放容器を用いる場合には、前記の2つの開口部を有する容器の一方の開口部より空気、窒素等の気体を流入させ、他の開口部にスチレン-ジビニルベンゼン共重合体等の吸着材を備えた装置において、吸着材に捕集されたガスを加熱等の方法で回収し、測定試料とするダイナミックヘッドスペースサンプリング法が例示される。
含フッ素表面処理剤がRf基(フルオロアルキル基)を有するので、分解して発生するガスは、Rf基を有する物質を含む。
含フッ素表面処理剤は、一般に、含フッ素重合体を有効成分として含む。含フッ素重合体は、一般に、式:
CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
[式中、Xは、水素原子、一価の有機基またはハロゲン原子であり、
Y は、-O- または -NH-であり、
Zは、直接結合または二価の有機基であり、
Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位を有する。
したがって、Rf基を有する分解ガスの例は、次のとおりである。
Rf−Z−A
[式中、Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基、
Zは、直接結合または二価の有機基(例えば、アルキレン基)、
Aは、−OH、−CH=CH、−OCOCH=CH、−COOHまたはハロゲン(例えば、塩素またはヨウ素)である。]。
分解ガスは、Rf−Z−OHであることが好ましい。
Rfはペルフルオロアルキル基であることが好ましい。
Rfの具体例は、−CF3、−C25、−C37、−C49、−C511、−C613、−C817、−C1021、−C1225である。
Zの具体例は、
直接結合、
炭素数1〜20の直鎖アルキレン基または分枝状アルキレン基、
[例えば、式−(CH−(式中、xは1〜10である。)で示される基]、
あるいは
式−SON(R)R−または式−CON(R)Rで示される基
(式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖アルキレン基または分枝状アルキレン基である。)、
あるいは
式−CHCH(OR)CH−(式中、Rは、水素原子、または、炭素数1〜10のアシル基(例えば、ホルミルまたはアセチルなど)を表す。)で示される基、
あるいは、
式−Ar−CH−(式中、Arは、置換基を必要により有するアリーレン基である。)で示される基、
あるいは
-(CH2)m−SO2−(CH2)n−基または-(CH2)m−S−(CH2)n−基(但し、mは1〜10、nは0〜10、である)
である。
本発明において、Zは、直接結合、炭素数1〜20のアルキレン基、−SON(R)R−であることが好ましい。
分解ガスの具体例には、ペルフルオロオクタン酸、ならびにその前駆体(例えば、C8F17I、C8F17CH2CH2I、 C8F17CH2CH2OH、C8F17CH=CH2、C8F17CH2CH2OCOCH=CH2、C8F17SO2N(CH3)CH2CH2OH)が含まれる。
分解ガスを測定して、Rf基を有する分解ガスの存在または不存在を判定する。測定は、ガスクロマトグラフ(GC)によって行うことが好ましい。分解ガスの検出は、質量分析器(MS)、水素炎イオン化検出器(FID)、熱伝導度検出器 (TCD)、電子捕獲型検出器(ECD)、光イオン化検出器(PID)などによって行える。炭素数の測定は、保持時間法、質量分析法などが適用可能である。質量分析法では化合物の同定が可能であり、基材の熱分解により発生したガスによる妨害を受けにくいことから、検出は質量分析(MS)によって行うことが好ましい。すなわち、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析)を用いることが好ましい。
本発明では、ペルフルオロオクタン酸前駆体を定量する必要がないため、加熱による物品の重量変化を求める必要がない。本発明の分析法は、一般に、定性分析である。
本発明の方法によれば、物品に含まれるRf基の炭素数(1〜20の整数、特に4,6,8,10)を分析することができる。特に、炭素数8のRf基(特に、ペルフルオロアルキル基)が存在するか否かを容易に分析することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
以下において、%または部は、特記しない限り、重量%または重量部を意味する。
次のような分析を行った。
揮発分解物の定性分析
下記GC/MS装置を用いて揮発分解物の定性分析を行った。
装置 :Turbomass型(Perkin-Elmer製)
カラム :DB624 (長さ60m、内径0.32mm、膜厚1.8μm)
カラム温度 :50℃(5min)→10℃/min→250℃(5min)
注入口温度 :250℃
トランスファーライン温度:250℃
キャリアガス:He
流量制御法 :定流量モード、1.4ml/min
注入量 :2ml
イオン化法 :電子衝撃イオン化法(EI)
イオン化電圧:70V
測定モード :Scan法
Scan範囲 :10〜600
合成例1
1LオートクレーブにC817CHCHOCOC(CH)=CH /C1021CHCHOCOC(CH)=CH(重量比80/20)179g、ステアリルアクリレート 25g、トリプロピレングリコール 75.8g、純水 446g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル 12.7g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル 2.47g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル5.05g、ジアルキル(牛脂)ジメチルアンモニウムクロライド 2.66gを入れ、60℃で加温後、高圧ホモジナイザーで乳化分散させた。乳化後、ラウリルメルカプン 0.025gを加え、塩化ビニル 60gを圧入充填した。さらに2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩1.92gを添加し、60℃で3時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。その固形分濃度が30重量%となるように純水で濃度調整した。
合成例2
1LオートクレーブにC13CHCHOCOC(CH)=CH 154g、ステアリルアクリレート 25g、イソボロニルメタクリレート 25g、トリプロピレングリコール 75.8g、純水 446g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル 12.7g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル 2.47g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル5.05g、ジアルキル(牛脂)ジメチルアンモニウムクロライド 2.66gを入れ、60℃で加温後、高圧ホモジナイザーで乳化分散させた。乳化後、ラウリルメルカプン 0.025gを加え、塩化ビニル 60gを圧入充填した。さらに2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩1.92gを添加し、60℃で3時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。その固形分濃度が30重量%となるように純水で濃度調整した。
合成例3
300ml四口フラスコにC13CHCHOCOCH=CH 60g、ヒドロキシエチルメタクリレート 10g、 ヒドロキシエチルアクリレート 30g、MEK 200gを入れ、60℃で加温後、t−ブチルパーオキシピバレート 0.5gを添加し、60℃で8時間反応させた。 得られた重合体はエバポレーションでMEKを除去後、その固形分が20重量%となるように純水で濃度調整した。
合成例4
300ml四口フラスコにCSON(CH)CHCHOCOCH=CH 51g、ステアリルアクリレート 16g、トリプロピレングリコール 25.3g、純水 148g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル 4.23g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.82g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル1.68g、ジアルキル(牛脂)ジメチルアンモニウムクロライド 0.88gを入れ、60℃で加温後、高圧ホモジナイザーで乳化分散させた。乳化後、ラウリルメルカプン 0.008gを加え、さらに2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.64gを添加し、60℃で3時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。その固形分濃度が30重量%となるように純水で濃度調整した。
実施例1
合成例1で得られた重合体の水性分散液を4重量%、グリオキザール樹脂 6重量%、MDI系ブロックドイソシアネートエマルション(固形分30%) 1.5重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。 綿布(ツイル、25cm x 25cm)を処理液に浸漬し、マングルで4kg/cm、4m/分で絞って、170℃で2分間熱処理し処理布を得た。
処理布3cm x 3cm(210mg)をバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を200℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析)を用いて揮発分解物をGC/MSで 定性分析した。17.4分にC817CHCHOH、19.0分にC1021CHCHOHのピークが見られた。GCチャートを図1に示す。
実施例2
合成例2で得られた重合体の水性分散液を4重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した以外は、実施例1と同様の方法で処理布を得て、処理布3cm x 3cm(219mg)を用いて定性分析を行った。15.5分にC13CHCHOHのピークが見られた。GCチャートを図2に示す。
実施例3
合成例2で得られた重合体の水性分散液を2重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。 ポリエステル布(タフタ、25cm x 25cm)を処理液に浸漬し、マングルで4kg/cm、4m/分で絞って、170℃で1分間熱処理し処理布を得た。
処理布3cm x 3cm(37mg)をバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を200℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MSを用いて揮発分解物を 定性分析した。15.5分にC13CHCHOHのピークが見られた。C817CHCHOHのピークおよびC1021CHCHOHのピークは観測されなかった。
実施例4
合成例2で得られた重合体の水性分散液を5重量%、TDI系ブロックドイソシアネートエマルション(固形分30%) 1.5重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した以外は、実施例3と同様の方法で処理布を得て、処理布3cm x 3cm(54mg)を用いて定性分析を行った。15.5分にC13CHCHOHのピークが見られた。
実施例5
合成例2で得られた重合体の水性分散液を3重量%、ジメチルシロキサンエマルション(固形分20%) 2.0重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した以外は、実施例3と同様の方法で処理布を得て、処理布3cm x 3cm(39mg)を用いて定性分析を行った。15.4分にC13CHCHOHのピークが見られた。
実施例6
合成例2で得られた重合体の水性分散液を2重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。 ナイロン布を処理液に浸漬した以外は、実施例3と同様の方法で処理布を得て、処理布3cm x 3cm(33mg)を用いて定性分析を行った。15.5分にC13CHCHOHのピークが見られた。
実施例7
合成例2で得られた重合体の水性分散液を3重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。 ナイロン布(タフタ、25cm x 25cm)を処理液に浸漬し、マングルで4kg/cm、4m/分で絞って、170℃で1分間熱処理し処理布を得た後、MEK/トルエンを溶媒とする濃度30%のアクリル樹脂をナイロン布の片面に均一に塗布し、100℃で1分間乾燥後、150℃で1分間熱処理した。
処理布3cm x 3cmをバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を200℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MSを用いて揮発分解物を 定性分析した。15.5分にC13CHCHOHのピークが見られた。
実施例8
合成例2で得られた重合体の水性分散液を4重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。 カットパイルナイロンカーペットにウエットピックアップが15%になるようスプレーで噴霧し、120℃で5分間熱処理し処理カーペットを得た。処理カーペットパイル210mgをバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を200℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MSを用いて揮発分解物を 定性分析した。15.4分にC13CHCHOHのピークが見られた。
実施例9
合成例3で得られた重合体の水性分散液を1重量%、スターチ 2重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。紙(クラフトパルプ、坪量70g/m、25cm x 25cm)を処理液に浸漬し、マングルで0.2kg/cm、4m/分で絞って、110℃で1分間熱処理し処理紙を得た。処理紙0.2gをバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を200℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MSを用いて揮発分解物を 定性分析した。15.5分にC13CHCHOHのピークが見られた。
実施例10
合成例3で得られた重合体の水性分散液を1重量%、スターチ 2重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。 紙(クラフトパルプ、坪量70g/m、25cm x 25cm)を処理液に浸漬し、マングルで0.2kg/cm、4m/分で絞って、110℃で1分間熱処理し処理紙を得た。処理紙0.2gをバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を150℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MSを用いて揮発分解物を 定性分析した。15.3 分にC13CHCHOHのピークが見られた。
実施例11
合成例3で得られた重合体の水性分散液を1重量%、スターチ 2重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。 紙(クラフトパルプ、坪量70g/m、25cm x 25cm)を処理液に浸漬し、マングルで0.2kg/cm、4m/分で絞って、110℃で1分間熱処理し処理紙を得た。処理紙0.2gをバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を100℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MSを用いて揮発分解物を 定性分析した。15.3分にC13CHCHOHのピークが見られた。
実施例12
合成例4で得られた重合体の水性分散液を2重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。ポリエステル布(タフタ、25cm x 25cm)を処理液に浸漬し、マングルで4kg/cm、4m/分で絞って、170℃で1分間熱処理し処理布を得た。
処理布3cm x 3cm(39mg)をバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を200℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MSを用いて揮発分解物を 定性分析した。保持時間23.5分にCSON(CH)CHCHOHのピークが見られた。C13CHCHOH、C817CHCHOHのピークおよびC1021CHCHOHのピークは観測されなかった。
GCチャートを図3に示す。GCチャートの保持時間23.5分におけるMSチャートを図4に示す。
比較例1
スターチ 2重量%になるよう水で希釈して処理液を調製した。 紙(クラフトパルプ、坪量70g/m、25cm x 25cm)を処理液に浸漬し、マングルで4kg/cm、4m/分で絞って、110℃で1分間熱処理し処理紙を得た。処理紙0.2gをバイアル瓶に採取し密封した。バイアル瓶を200℃で30分加熱後、シリンジでバイアル瓶内の揮発分解物を採取し、GC−MSを用いて揮発分解物を 定性分析した。ペルフルオロ化合物に由来するピークは見られなかった。
本発明の分析方法を用いることによって、表面処理剤、特に撥水撥油剤で処理されている物品において、表面処理剤におけるフルオロアルキル基の炭素数を容易に求めることができる。表面処理剤で既に処理されている物品について、フルオロアルキル基の炭素数を容易に分析することができる。例えば、フルオロアルキル基の炭素数が8であるかあるいは6以下(例えば6)であるかを容易に判別することができる。

Claims (10)

  1. 含フッ素表面処理剤が有するフルオロアルキル基の炭素数を求める、含フッ素表面処理剤を含有する物品の分析方法であって、
    分析方法は、
    (1)含フッ素表面処理剤を含有する物品を加熱する工程、および
    (2)物品から発生したガスを測定する工程
    を有してなり、
    加熱工程(1)において、加熱は、物品の重量変化が実質的に生じないように行い、
    測定工程(2)において、物品から発生したガスが、含フッ素表面処理剤が分解して発生するガスを含んでおり、物品から発生したガスを捕集する捕集法として、スタティックヘッドスペースサンプリング法を用い、
    含フッ素表面処理剤が含フッ素重合体を有効成分として含み、含フッ素重合体が、式:
    CH2=C(-X)-C(=O)-Y-Z-Rf
    [式中、Xは、水素原子、一価の有機基またはハロゲン原子であり、
    Y は、-O- または -NH-であり、
    Zは、直接結合または二価の有機基であり、
    Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。]
    で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位を有する分析方法。
  2. 含フッ素表面処理剤が有するフルオロアルキル基の炭素数が、4、6,8、10または12のいずれであるかを判別する請求項1に記載の方法。
  3. 含フッ素表面処理剤を含有する物品が、含フッ素表面処理剤で処理された物品である請求項1または2に記載の方法。
  4. 物品が、繊維製品、石材、フィルター、防塵マスク、燃料電池の部品、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および金属酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面、およびプラスターからなる群から選択されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 物品から発生したガスが、Rf基を有する分解ガスを含む請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. Rf基を有する分解ガスが、
    Rf−Z−A
    [式中、Rfは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基、
    Zは、直接結合または二価の有機基、
    Aは、−OH、−CH=CH、−OCOCH=CH、−COOHまたはハロゲンである。]。
    である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 加熱工程(1)において、加熱温度が100℃〜250℃である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 測定工程(2)において、分解ガスの検出は、質量分析計(MS)、水素炎イオン化検出器(FID)、熱伝導度検出器 (TCD)、電子捕獲型検出器(ECD)または光イオン化検出器(PID)によって行う請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  9. 加熱による物品の重量変化を求めない請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  10. 含フッ素表面処理剤が含フッ素撥水撥油剤または含フッ素防汚加工剤である請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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