JP5857351B2 - ガス吸着量測定方法 - Google Patents

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この発明は、固体表面へのガス吸着量を定容法で測定するガス吸着量測定方法に関する。
固体表面へのガス吸着量を測定する方法としては、吸着前後のガス分子数の変化から吸着量を求める容量法があり、この容量法のうち、一定容積内の圧力変化を検出する方式が定容法と呼ばれている。定容法では、図1に示すように、給気弁11及び排気弁12によってガスを給排気可能かつ密閉可能な基準容積部10と、この基準容積部10内の圧力を測定する圧力計20と、基準容積部10に開閉弁30を介して接続される測定用試料管40とを備えたガス吸着量測定装置1を用いて、測定用試料管40に収容された吸着剤試料Sのガス吸着量を測定するようになっており、例えば、吸着剤試料Sが収容された測定用試料管40を液体窒素が貯留されたデュワー瓶に浸漬した状態でガス吸着量を測定する場合のように、測定用試料管40内の温度と基準容積部10内の温度とが異なる場合は、測定用試料管40全体が基準容積部10内の測定温度であると仮定したときの見掛けの容積、即ち、死容積Vdを算出した後、ガス吸着量の測定を開始することになる。以下、定容法によるガス吸着量測定方法を、吸着過程におけるガス吸着量の測定と、脱着過程におけるガス吸着量の測定とに分けて説明する。
<前処理>
まず、給気弁11、排気弁12及び開閉弁30を閉じた初期状態から、開閉弁30を開いて基準容積部10と測定用試料管40とを連通させた状態で、排気弁12を開いて基準容積部10から排気することによって、基準容積部10及び測定用試料管40を略真空にした状態で、排気弁12を閉じる。
<吸着過程におけるガス吸着量の測定>
〔初期工程〕
まず、開閉弁30を閉じ、給気弁11を開いて基準容積部10にガスを供給した後、給気弁11を閉じて密閉した状態で基準容積部10内の初期の圧力Pi[1]を測定する。
続いて、開閉弁30を開いて、基準容積部10内のガスを測定用試料管40に導入し、初期の平衡時圧力Pe[1]を測定する。
そして、基準容積部10内の初期の圧力Pi[1]、初期の平衡時圧力Pe[1]、前記基準容積部の基準容積Vs及び前記測定用試料管の死容積Vdに基づき、数1に示す式により、ガス吸着量A[1]を算出する。なお、数1以降の各式における「ガス吸着量」、「ガス脱着量」、「ガス吸着量の増加分」は、吸着剤試料S1g当りの吸着量を標準状態での気体の容積に換算したものであり、Wsは吸着剤試料Sの質量、Tは基準容積Vsの絶対温度である。
Figure 0005857351
〔繰り返し工程〕
続いて、開閉弁30を閉じた状態で、基準容積部10にガスを追加供給して密閉し、基準容積部10内の圧力Pi[2]を測定する。
次に、開閉弁30を開いて、基準容積部10内のガスを測定用試料管40に導入し、平衡時圧力Pe[2]を測定する。
そして、直前に測定した平衡時圧力Pe[1]、基準容積部10の圧力Pi[2]、平衡時圧力Pe[2]、基準容積部10の基準容積Vs及び測定用試料管40の死容積Vdに基づき、数2に示す式により、ガス吸着量の増加量ΔA[2−1]を算出し、数3に示す式により、今回の平衡時圧力Pe[2]におけるガス吸着量A[2]を算出する。
Figure 0005857351
Figure 0005857351
なお、ガス吸着量の増加量ΔA[2−1]は、数2に示す式から分かるように、開閉弁30を閉じて基準容積部10にガスを追加供給した状態における基準容積部10及び測定用試料管40内のガス量から、開閉弁30を開いて吸着平衡状態に達したときの基準容積部10及び測定用試料管40内のガス量を差し引くことによって求めることになるが、開閉弁30を閉じて基準容積部10にガスを追加供給した状態における測定用試料管40内のガス量Grt[1]は、基準容積部10にガスを追加供給する前に開閉弁30を閉じたときの測定用試料管40内の圧力が直前に測定した平衡時圧力Pe[1]であると考えて、基準容積部10の基準容積Vs、測定用試料管40の死容積Vd及び平衡時圧力Pe[1]に基づき、数4に示す式により、算出している。
Figure 0005857351
以後、上述した繰り返し工程の一連の工程を繰り返すことによって、測定用試料管40に収容された吸着剤試料Sのガス吸着量を、吸着平衡時の圧力を変化させながら順次測定する。なお、数5に示す式が、n点目のガス吸着量A[n]を求める一般式である。
Figure 0005857351
<脱着過程におけるガス吸着量の測定>
このようにして吸着過程におけるガス吸着量の測定が終了すると、まず、開閉弁30を閉じた状態で、基準容積部10からガスを排出して密閉した後、基準容積部10内の圧力DPi[1]を測定する。
次に、開閉弁30を開いて、測定用試料管40内の残留ガスを基準容積部10に導入した後、平衡時圧力DPe[1]を測定する。
そして、直前に測定した平衡時圧力DPe[0] (1点目の測定時は、吸着過程における最後の測定時に測定した平衡時圧力を使用する)、基準容積部の圧力DPi[1]、平衡時圧力DPe[1]、基準容積部10の基準容積Vs及び測定用試料管40の死容積Vdに基づき、数6に示す式により、ガス脱着量ΔD[1−0]を算出し、数7に示す式により、今回の平衡時圧力DPi[1]におけるガス吸着量DA[1]を算出する。
Figure 0005857351
Figure 0005857351
なお、ガス脱着量ΔD[1−0]は、数6に示す式から分かるように、開閉弁30を閉じて基準容積部10からガスを排出した状態における基準容積部10及び測定用試料管40内のガス量を、開閉弁30を開いて吸着平衡状態に達したときの基準容積部10及び測定用試料管40内のガス量から差し引くことによって求めることになるが、開閉弁30を閉じて基準容積部10にガスを排出した状態における測定用試料管40内のガス量Grt[0]は、基準容積部10からガスを排出する前に開閉弁30を閉じたときの測定用試料管40内の圧力が直前に測定した平衡時圧力DPe[0] (脱着過程における初期の平衡時圧力DPe[0]は、吸着過程の最後に測定した平衡時圧力Pe[n]とする。)であると考えて、基準容積部10の基準容積Vs、測定用試料管40の死容積Vd及び平衡時圧力DPe[0]に基づき、数8に示す式により算出している。
Figure 0005857351
以後、上述した一連の工程を繰り返すことによって、測定用試料管40に収容された吸着剤試料Sのガス吸着量を、吸着平衡時の圧力を降下させながら順次測定する。なお、数9に示す式が、n点目のガス吸着量DA[n]を求める一般式である。
Figure 0005857351
特開2005−049354号公報
ところで、吸着等温線及び脱着等温線は本来一致するはずであるが、上述したようなガス吸着量測定方法で測定されたガス吸着量に基づいて吸着等温線及び脱着等温線のグラフを作成すると、図3に示すように、両者が一致することはなく、上述したような方法ではガス吸着量を精度良く測定することができていないといえる。
上述したようなガス吸着量測定装置には、開閉弁30として、閉止時にリークのほとんどないダイヤフラム弁や電磁弁等が使用されるが、こういったダイヤフラム弁や電磁弁等の開閉動作がガス吸着量の測定精度に影響を及ぼしていると考えられる。
即ち、ダイヤフラム弁は、金属等によって形成されたダイヤフラムが変形することで、開閉するようになっているので、開閉動作に伴い弁の内部体積が変化し、それに伴って、基準容積部の基準容積Vs及び測定用試料管の死容積Vdが変動することになり、これがガス吸着量の測定精度に大きく影響を及ぼしていると考えられる。
また、電磁弁は、開閉動作に伴って弁の内部容積が変化することはないので、開閉動作に伴って基準容積部の基準容積Vs及び測定用試料管の死容積Vdが変動することはないが、ダイヤフラム弁や電磁弁は、閉止時にダイヤフラムの変形方向(閉止方向)やプランジャの移動方向(閉止方向)にガスが押し出されるので、閉止前と閉止後では、基準容積部内のガス量及び測定用試料管内のガス量が変動することになり、これも、ガス吸着量の測定精度に影響を及ぼす要因であると考えられる。
そこで、この発明の課題は、ダイヤフラム弁や電磁弁等の開閉弁を使用した場合でも、精度良くガス吸着量を測定することができるガス吸着量測定方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、予め正確に測定してある幾何学的容積である基準容積Vsを有する、ガスを給排気可能かつ密閉可能な基準容積部と、前記基準容積部内の圧力を測定する圧力測定手段と、前記基準容積部に開閉弁を介して接続される測定用試料管とを備えたガス吸着量測定装置を用いて、前記測定用試料管に収容された吸着剤試料のガス吸着量を測定するガス吸着量測定方法であって、吸着剤試料が収容された前記測定用試料管全体が測定温度であると仮定したときの見掛けの容積である死容積Vdを予め算出しておき、前記開閉弁を開いた状態で、前記基準容積部からガスを排気することで、前記基準容積部及び前記測定用試料管を略真空状態にする工程と、前記開閉弁を閉じた状態で、前記基準容積部にガスを供給して密閉し、前記基準容積部内の初期の圧力Piを測定する工程と、前記開閉弁を開いて、前記基準容積部内のガスを前記測定用試料管に導入し、初期の平衡時圧力Peを測定する工程と、前記基準容積部内の初期の圧力Pi、初期の平衡時圧力Pe、前記基準容積部の基準容積Vs及び前記測定用試料管の死容積Vdに基づいて、ガス吸着量Aを算出する工程とを実行した後、前記開閉弁を閉じて、前記基準容積部内の閉弁時平衡時圧力Pe’を測定する工程と、前記開閉弁を閉じた状態で、前記基準容積部にガスを追加供給して密閉し、前記基準容積部内の圧力Piを測定する工程と、前記開閉弁を開いて、前記基準容積部内のガスを前記測定用試料管に導入し、平衡時圧力Peを測定する工程と、閉弁時平衡時圧力Pe’、前記基準容積部の圧力Pi、今回測定した平衡時圧力Pe、前回測定した平衡時圧力Pe、前記基準容積部の基準容積Vs及び前記測定用試料管の死容積Vdに基づいて、ガス吸着量の増加量ΔAを算出し、その増加量ΔAを前回測定したガス吸着量Aに加算することで、今回の平衡時圧力Peにおけるガス吸着量Aを算出する工程とを1回または繰り返し実行することによって、前記測定用試料管に収容された吸着剤試料のガス吸着量を測定するようにしたことを特徴とするガス吸着量測定方法を提供するものである。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のガス吸着量測定方法において、吸着過程における最終のガス吸着量の測定が完了すると、前記開閉弁を閉じて、前記基準容積部内の閉弁時平衡時圧力DPe’を測定する工程と、前記開閉弁を閉じた状態で、前記基準容積部からガスを排出して密閉した後、前記基準容積部内の圧力DPiを測定する工程と、前記開閉弁を開いて、前記測定用試料管内の残留ガスを前記基準容積部に導入した後、平衡時圧力DPeを測定する工程と、閉弁時平衡時圧力DPe’、前記基準容積部の圧力DPi、今回測定した平衡時圧力DPe、前回測定した平衡時圧力DPe、前記基準容積部の基準容積Vs及び前記測定用試料管の死容積Vdに基づいて、ガス脱着量ΔDを算出し、このガス脱着量ΔDを前回測定したガス吸着量DAから差し引くことで、今回の平衡時圧力DPeにおけるガス吸着量DAを算出する工程とを1回または繰り返し実行することによって、前記測定用試料管に収容された吸着剤試料のガス吸着量を測定するようにしたことを特徴としている。
以上のように、請求項1に係る発明のガス吸着量測定方法では、吸着過程における2回目以降のガス吸着量測定時において、前回のガス吸着量測定時における平衡時圧力Peを測定した後、開閉弁を閉じた状態で、再度、基準容積部内の閉弁時平衡時圧力Pe’を測定し、前回の平衡時圧力Pe、閉弁時平衡時圧力Pe’、基準容積部の基準容積Vs及び測定用試料管の死容積Vdに基づいて、基準容積部内の残留ガス量Grを算出し、この残留ガス量Gr前回算出した基準容積部10及び測定用試料管40全体の残留ガス量Grから差し引くことによって、開閉弁30を閉じた状態で測定用試料管40内に残留している残留ガス量Grを算出するようにしたので、開閉弁を閉じることによって、弁の内部体積が変化したり、基準容積部及び測定用試料管のいずれか一方に他方のガスが押し出されたりしても、そういった変化を加味した状態で、基準容積部内の残留ガス量Grや測定用試料管内の残留ガス量Grが算出されることになる。従って、開閉弁の開閉動作が吸着過程におけるガス吸着量の測定精度に影響を及ぼすことがなく、ガス吸着量を常時精度良く測定することができる。
また、請求項2に係る発明のガス吸着量測定方法では、脱着過程における各ガス吸着量測定時において、前回のガス吸着量測定時における平衡時圧力DPeを測定した後、開閉弁を閉じた状態で、再度、基準容積部内の閉弁時平衡時圧力DPe’を測定し、前回の平衡時圧力DPe、閉弁時平衡時圧力DPe’、基準容積部の基準容積Vs及び測定用試料管の死容積Vdに基づいて、基準容積部内の残留ガス量DGrを算出し、この残留ガス量DGr前回算出した基準容積部及び測定用試料管全体の残留ガス量DGrから差し引くことによって、開閉弁30を閉じた状態で測定用試料管40内に残留している残留ガス量DGrを算出するようにしたので、開閉弁を閉じることによって、弁の内部体積が変化したり、基準容積部及び測定用試料管のいずれか一方に他方のガスが押し出されたりしても、そういった変化を加味した状態で、基準容積部内の残留ガス量DGrや測定用試料管内の残留ガス量DGrが算出されることになる。従って、開閉弁の開閉動作が脱着過程におけるガス吸着量の測定精度に影響を及ぼすことがなく、ガス吸着量を常時精度良く測定することができる。
この発明に係るガス吸着量測定方法を実施するためのガス吸着量測定装置を示す概略図である。 同上のガス吸着量測定方法によって測定されたガス吸着量と平衡時圧力との関係をプロットしたグラフである。 従来のガス吸着量測定方法によって測定されたガス吸着量と平衡時圧力との関係をプロットしたグラフである。
以下、本発明のガス吸着量測定方法について、図面を参照して説明する。本発明のガス吸着量測定方法も、従来のガス吸着量測定方法と同様に、図1に示すガス吸着量測定装置1を用いて実施され、基本的には、従来のガス吸着量測定方法と同様の工程(前処理及び吸着過程における初期工程)を備えているので、同一工程については、その説明を省略し、本発明のガス吸着量測定方法の特徴的な工程(吸着過程における繰り返し工程及び脱着過程)について、詳細に説明する。
<吸着過程におけるガス吸着量の測定>
〔繰り返し工程〕
初期工程が終了すると、従来のガス吸着量測定方法のように、開閉弁30を閉じて直ちに基準容積部10にガスを追加供給するのではなく、先ず、開閉弁30を閉じて基準容積部10内の閉弁時平衡時圧力Pe[1] ’を実測する。
続いて、開閉弁30を閉じた状態で、基準容積部10にガスを追加供給して密閉し、基準容積部10内の圧力Pi[2]を測定する。
次に、開閉弁30を開いて、基準容積部10内のガスを測定用試料管40に導入し、平衡時圧力Pe[2]を測定する。
そして、直前に測定した平衡時圧力Pe[1]、実測した閉弁時平衡時圧力Pe[1]’、基準容積部10の圧力Pi[2]、平衡時圧力Pe[2]、基準容積部10の基準容積Vs及び測定用試料管40の死容積Vdに基づき、数10に示す式により、ガス吸着量の増加量ΔA[2−1]を算出し、数3に示す式により、今回の平衡時圧力Pe[2]におけるガス吸着量A[2]を算出する。
Figure 0005857351
従って、本発明のガス吸着量測定方法では、開閉弁30を閉じて基準容積部10にガスを追加供給した状態における測定用試料管40内のガス量Grt[1]は、数11に示す式により、算出されることになる。
Figure 0005857351
以後、上述した繰り返し工程の一連の工程を繰り返すことによって、測定用試料管40に収容された吸着剤試料Sのガス吸着量を、吸着平衡時の圧力を変化させながら順次測定する。従って、本発明のガス吸着量測定方法では、数12に示す式が、n点目のガス吸着量A[n]を求める一般式となる。
Figure 0005857351
<脱着過程におけるガス吸着量の測定>
このようにして吸着過程におけるガス吸着量の測定が終了すると、従来のガス吸着量測定方法のように、開閉弁30を閉じて直ちに基準容積部10からガスを排出するのではなく、まず、開閉弁30を閉じて、基準容積部10内の閉弁時平衡時圧力DPe[0]’を測定する。
続いて、開閉弁30を閉じた状態で、基準容積部10からガスを排出して密閉した後、基準容積部10内の圧力DPi[1]を測定する。
次に、開閉弁30を開いて、測定用試料管40内の残留ガスを基準容積部10に導入した後、平衡時圧力DPe[1]を測定する。
そして、直前に測定した平衡時圧力DPe[0] (1点目の測定時は、吸着過程における最後の測定時に測定した平衡時圧力を使用する)、閉弁時平衡時圧力DPe[0]’ 、基準容積部10の圧力DPi[1]、平衡時圧力DPe[1]、基準容積部10の基準容積Vs及び測定用試料管40の死容積Vdに基づき、数13に示す式により、ガス脱着量ΔD[1−0]を算出し、数7に示す式により、今回の平衡時圧力DPi[1]におけるガス吸着量DA[1]を算出する。なお、直前のガス吸着量DA[0]としては、吸着過程における最後の測定時に測定したガス吸着量を使用する。
Figure 0005857351
従って、本発明のガス吸着量測定方法では、開閉弁30を閉じて基準容積部10からガスを排出した状態における測定用試料管40内のガス量DGrt[0]は、数14に示す式により、算出されることになる。
Figure 0005857351
以後、上述した一連の工程を繰り返すことによって、測定用試料管40に収容された吸着剤試料Sのガス吸着量を、吸着平衡時の圧力を降下させながら順次測定する。なお、数15に示す式が、n点目のガス吸着量DA[n]を求める一般式である。
Figure 0005857351
以上のように、このガス吸着量測定方法では、吸着過程における2回目以降のガス吸着量測定時において、直前のガス吸着量測定時における平衡時圧力Peを測定した後、開閉弁30を閉じた状態で、再度、基準容積部10内の閉弁時平衡時圧力Pe’を測定し、直前の平衡時圧力Pe、閉弁時平衡時圧力Pe’、基準容積部10の基準容積Vs及び測定用試料管40の死容積Vdに基づいて、基準容積部10内の残留ガス量Grを算出し、この残留ガス量Grを直前に算出した基準容積部10及び測定用試料管40全体の残留ガス量Grから差し引くことによって、開閉弁30を閉じた状態で測定用試料管40内に残留している残留ガス量Grを算出するようにしたので、開閉弁30を閉じることによって、弁の内部体積が変化したり、基準容積部10及び測定用試料管40のいずれか一方に他方のガスが押し出されたりしても、そういった変化を加味した状態で、基準容積部10内の残留ガス量Grや測定用試料管40内の残留ガス量Grが算出されることになる。従って、開閉弁30の開閉動作が吸着過程におけるガス吸着量の測定精度に影響を及ぼすことがなく、ガス吸着量を常時精度良く測定することができる。
また、脱着過程における各ガス吸着量測定時においても、直前のガス吸着量測定時における平衡時圧力DPeを測定した後、開閉弁30を閉じた状態で、再度、基準容積部10内の閉弁時平衡時圧力DPe’を測定し、直前の平衡時圧力DPe、閉弁時平衡時圧力DPe’、基準容積部10の基準容積Vs及び測定用試料管40の死容積Vdに基づいて、基準容積部10内の残留ガス量DGrを算出し、この残留ガス量DGrを直前に算出した基準容積部10及び測定用試料管40全体の残留ガス量DGrから差し引くことによって、開閉弁30を閉じた状態で測定用試料管40内に残留している残留ガス量DGrを算出するようにしたので、開閉弁30を閉じることによって、弁の内部体積が変化したり、基準容積部10及び測定用試料管40のいずれか一方に他方のガスが押し出されたりしても、そういった変化を加味した状態で、基準容積部10内の残留ガス量DGrや測定用試料管40内の残留ガス量DGrが算出されることになる。従って、開閉弁30の開閉動作が脱着過程におけるガス吸着量の測定精度に影響を及ぼすことがなく、ガス吸着量を常時精度良く測定することができる。
従って、図2に示すように、吸着過程において測定された各平衡時圧力Peにおけるガス吸着量Aをプロットした吸着等温線と、脱着過程において測定された各平衡時圧力DPeにおけるガス吸着量DAをプロットした脱着等温線とが略一致することになり、本発明のガス吸着量測定方法によるガス吸着量の測定精度が高いことが分かる。
なお、上述したガス吸着量測定方法では、各測定点毎にガス吸着量A、DAを算出しているが、これに限定されるものではなく、各測定点における測定データをメモリ等に全て記憶しておき、全測定点について測定が終了した時点において、各測定点におけるガス吸着量A、DAを算出するようにしてもよく、演算のタイミングは特に限定されないことは言うまでもない。
また、上述したガス吸着量測定方法では、吸着過程におけるガス吸着量の測定に続いて、脱着過程におけるガス吸着量の測定を実施しているが、これに限定されるものではなく、吸着過程におけるガス吸着量の測定だけを実施してもよいことはいうまでもない。
本発明は、固体表面へのガス吸着量を定容法で測定する場合に利用することができる。
1 ガス吸着量測定装置
10 基準容積部
11 給気弁
12 排気弁
20 圧力計
30 開閉弁
40 測定用試料管

Claims (2)

  1. 予め正確に測定してある幾何学的容積である基準容積Vsを有する、ガスを給排気可能かつ密閉可能な基準容積部と、
    前記基準容積部内の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記基準容積部に開閉弁を介して接続される測定用試料管と
    を備えたガス吸着量測定装置を用いて、前記測定用試料管に収容された吸着剤試料のガス吸着量を測定するガス吸着量測定方法であって、
    吸着剤試料が収容された前記測定用試料管全体が測定温度であると仮定したときの見掛けの容積である死容積Vdを予め算出しておき、
    前記開閉弁を開いた状態で、前記基準容積部からガスを排気することで、前記基準容積部及び前記測定用試料管を略真空状態にする工程と、
    前記開閉弁を閉じた状態で、前記基準容積部にガスを供給して密閉し、前記基準容積部内の初期の圧力Piを測定する工程と、
    前記開閉弁を開いて、前記基準容積部内のガスを前記測定用試料管に導入し、初期の平衡時圧力Peを測定する工程と、
    前記基準容積部内の初期の圧力Pi、初期の平衡時圧力Pe、前記基準容積部の基準容積Vs及び前記測定用試料管の死容積Vdに基づいて、ガス吸着量Aを算出する工程と
    を実行した後、
    前記開閉弁を閉じて、前記基準容積部内の閉弁時平衡時圧力Pe’を測定する工程と、
    前記開閉弁を閉じた状態で、前記基準容積部にガスを追加供給して密閉し、前記基準容積部内の圧力Piを測定する工程と、
    前記開閉弁を開いて、前記基準容積部内のガスを前記測定用試料管に導入し、平衡時圧力Peを測定する工程と、
    閉弁時平衡時圧力Pe’、前記基準容積部の圧力Pi、今回測定した平衡時圧力Pe、前回測定した平衡時圧力Pe、前記基準容積部の基準容積Vs及び前記測定用試料管の死容積Vdに基づいて、ガス吸着量の増加量ΔAを算出し、その増加量ΔAを前回測定したガス吸着量Aに加算することで、今回の平衡時圧力Peにおけるガス吸着量Aを算出する工程と
    を1回または繰り返し実行することによって、前記測定用試料管に収容された吸着剤試料のガス吸着量を測定するようにしたことを特徴とするガス吸着量測定方法。
  2. 吸着過程における最終のガス吸着量の測定が完了すると、
    前記開閉弁を閉じて、前記基準容積部内の閉弁時平衡時圧力DPe’を測定する工程と、
    前記開閉弁を閉じた状態で、前記基準容積部からガスを排出して密閉した後、前記基準容積部内の圧力DPiを測定する工程と、
    前記開閉弁を開いて、前記測定用試料管内の残留ガスを前記基準容積部に導入した後、平衡時圧力DPeを測定する工程と、
    閉弁時平衡時圧力DPe’、前記基準容積部の圧力DPi、今回測定した平衡時圧力DPe、前回測定した平衡時圧力DPe、前記基準容積部の基準容積Vs及び前記測定用試料管の死容積Vdに基づいて、ガス脱着量ΔDを算出し、このガス脱着量ΔDを前回測定したガス吸着量DAから差し引くことで、今回の平衡時圧力DPeにおけるガス吸着量DAを算出する工程と
    を1回または繰り返し実行することによって、前記測定用試料管に収容された吸着剤試料のガス吸着量を測定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のガス吸着量測定方法。
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