JP5856080B2 - 連続的な度数グラデーションを有するレンズ - Google Patents

連続的な度数グラデーションを有するレンズ Download PDF

Info

Publication number
JP5856080B2
JP5856080B2 JP2012551146A JP2012551146A JP5856080B2 JP 5856080 B2 JP5856080 B2 JP 5856080B2 JP 2012551146 A JP2012551146 A JP 2012551146A JP 2012551146 A JP2012551146 A JP 2012551146A JP 5856080 B2 JP5856080 B2 JP 5856080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
power
lens surface
optical
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012551146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013518309A (ja
JP2013518309A5 (ja
Inventor
バルク、トーマス、エイ.
ヤマサキ、ナンシー、エル.エス.
フェルナンデス、ホセ アロンソ
フェルナンデス、ホセ アロンソ
ヴァスケス、ダニエル クレスポ
ヴァスケス、ダニエル クレスポ
Original Assignee
インディセン オプティカル テクノロジーズ、エセ.エレ.
インディセン オプティカル テクノロジーズ、エセ.エレ.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by インディセン オプティカル テクノロジーズ、エセ.エレ., インディセン オプティカル テクノロジーズ、エセ.エレ. filed Critical インディセン オプティカル テクノロジーズ、エセ.エレ.
Publication of JP2013518309A publication Critical patent/JP2013518309A/ja
Publication of JP2013518309A5 publication Critical patent/JP2013518309A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5856080B2 publication Critical patent/JP5856080B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/06Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
    • G02C7/061Spectacle lenses with progressively varying focal power
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/06Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
    • G02C7/061Spectacle lenses with progressively varying focal power
    • G02C7/063Shape of the progressive surface
    • G02C7/065Properties on the principal line
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/06Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
    • G02C7/061Spectacle lenses with progressively varying focal power
    • G02C7/068Special properties achieved by the combination of the front and back surfaces

Description

人間の視力を矯正するための眼科用レンズが、何世紀もの間使用されている。しかし、材料や光学設計の新たな開発によって、より多くの選択肢や様々な改良がレンズ着用者に提供され続けている。
一例として、加齢による焦点調節の低下(人が年をとるにつれて「老眼鏡が必要になる」という一般的な現象)に対処するための開発の歴史を考えよう。眼の水晶体は、筋肉及び繊維の精緻な枠組みの内部に保持されており、この筋肉及び繊維の収縮・弛緩によって変形するのに十分な柔軟性を有している。従って、筋肉及び繊維の作用によって、眼の水晶体の形状、ひいてはその焦点距離が変化する。「安静状態」とは、筋肉が弛緩して、焦点距離が長くなるように水晶体が湾曲の小さい形態にある、遠方視の状態をいう。近方視では、筋肉は緊張し、水晶体はより丸くなって近傍の物体に焦点を合わせる。遠い景色と近傍の物体とを見る時、眼は自動的にその眼の中の筋肉を調節して眼の水晶体の焦点を合わせ直そうとする。しかしながら年をとると、水晶体は固くなり始め、筋肉の変化に敏速に対応できなくなる。正式には老眼として知られるこの調節の低下のために、眼を補助するための何らかの視力矯正が必要となる。
それまで視力矯正をしたことがない人々に対する簡単な手法としては、近方視目的のためにより高い度数を与える単焦点眼鏡の使用がある。しかしながら、このレンズを通して遠くの物体を見ると、そのレンズによって人の自然な視力が近視眼的になってしまうため、視界がぼやけてしまう。同様の効果は、拡大鏡を通して遠くの物体を見た場合にも見られる。この時点で即座に眼鏡を外すと、眼鏡を置き間違えるという問題が起こり得る。代替案として、ベンジャミン・フランクリンと彼の二重焦点レンズを考える人もいるだろう。このようなレンズは、遠用矯正用の一次面曲率と、(必要であれば)近方視目的のためのより高い度数を与える加入度数セグメントとを有する。より高い度数を実現するために、この加入度数セグメントは、より急峻なレンズ曲率を有し、従って、このセグメントは一次レンズ面よりも突出している。多くの人々は、この眼鏡の眼に見える線及び段差のために、二重焦点レンズを嫌う。
遠方視ゾーンと近方視ゾーンとの間の領域をブレンドするための当初の努力(ブレンド二重焦点レンズ)によって、レンズ上の度数外(off−power)領域に着用者が耐えることができるか否かに関する認識が高められた。多くの眼鏡着用者は、度数が低いことによるエラー(典型的には約0.5ディオプター未満)に耐えることができるが、度数の変化に対して非常に敏感な人もいる。これは、かつて「完全な視力」を有し、現在初めて近方視のための視力矯正が必要になった個人にとって特に問題となる。たとえ実際に測定された度数変化が非常に小さくても、完全な視力からの如何なる変化も非常に大きなものに感じられる。同様に、ブレンド設計に関する研究によって、レンズ上の度数外領域の物理的な位置及び該度数外領域の物理的サイズに対する着用者の感度が明らかにされた。ブレンド設計では、レンズの遠方矯正ゾーンとより度数の高い近用ゾーンとの間に、典型的にはほんの数mmの広さの狭領域が存在する。この狭領域において度数は、遠方視度数と近方視度数との差と同程度少なくとも変化する。近方視領域のために増加させる光学度数、つまり「加入度数」は典型的に0.5ディオプター以上から約4ディオプターまでの範囲にあるため、このことは、多くの人が、眼がブレンド領域を横断する際、ぼやけを感じることを意味する。これは、レンズ着用者を見る他の人にはブレンド領域が見えなくても、使用者にとっては非常に悩ましい場合がある。このため、このような度数外領域の面積を最小化したり、度数変化を漸進的に変化させて耐え得るものとするようにしたり、度数外領域をレンズ上における使用頻度のより低い位置(周縁部等)に移したりするように設計された更なる開発が行なわれている。
例えば、特許文献1及び2等の特許には、一方の表面に漸進的に増加する度数を設けて(曲率半径を変化させて)使用者にこのレンズ全体に亘る広い範囲の焦点距離を与えるレンズが記載されている。これらのレンズは、上記した二重焦点レンズやブレンド二重焦点レンズのように、漸進的に度数が増加する表面上に一定の度数の球面領域を有してもよい。レンズの他方側は、処方箋に従って研削加工を施すと記載されており、これは典型的に遠方視矯正を意味する。これらの特許が付与された時点において、研削技術は、その効果的に、他面を球面状や円筒状に成型する加工に限られていたはずである。これは、レンズの多くに、ブレンド二重焦点レンズと同じ制限、つまり、度数の連続的な増加によって視界がぼやけてしまうという問題が生じていた。
以前のこうした技術が直面していた制限や困難は、過去数十年に亘るレンズ設計の開発を他の手法に向けることになった。特許文献3,4,5,及び6等の特許によって証拠付けられるように、遠方視用の安定度数をもつ一領域と、近方視用の安定度数をもつ他領域と、これら2つの領域の度数値の一方から他方に連続的且つ漸進的に度数が変化する、これらの領域間の典型的には狭い領域とを備えるレンズを作成することができた。これら3つの領域を有するレンズは、一般的に、累進レンズと称される。
累進設計は一般的に、眼鏡レンズの上端部近傍に遠方視領域を有する。一例として、着用者が2ディオプターの中程度の遠視矯正を必要とする場合を想定しよう。つまり遠方視領域において、着用者のレンズの矯正度数は2ディオプターである。ここで、例えば、着用者が初期の老視患者であり、近用(読書用)のために1ディオプターの軽い度数補助(1ディオプターの加入度数と称する場合もある)が必要な場合を想定しよう。従って、レンズの第2の近方視領域において、安定度数は3ディオプター(全体の視力矯正のための2ディオプター+近方視の追加矯正のための1ディオプター)となる。近方視領域は一般的にレンズの下端部近傍且つ多くの場合若干鼻側に位置付けられるが、これは、着用者が本や手作業を下方に見る方向に整合しており、若干内側に位置付けられることによって、近方視領域での眼の両眼追跡を収容している。典型的に、使用者が遠視及び近視矯正に対する略一定且つ安定化された度数の「水平域(plateau)」を使用者が得られるように、遠方視領域及び近方視領域を出来るだけ大きく設計することが試みられる。特に、遠方視領域は、使用されうる視野角の幅のために大きく取るべきである。近方視領域は、より小さくできるが、それでもより明瞭な近用(読書用)視力を得るために少なくとも瞳孔の幅を収容できなければならず、好ましくは読書中の眼の回転に対する小さい角度の範囲を定める。従って、安定加入度数の近方視領域を少なくとも数ミリメートルの幅とするのが一般的である。この上端部領域と下端部領域との間において、光学度数は、高い近方視の値に急速に変化させる必要がある。この例において、これは2ディオプターから3ディオプターまでの変化である。この累進領域又は帯域は、変曲点によって特徴付けられ、典型的には比較的狭く且つ短く維持される。これは、それが所望の遠方視度数でも近方視度数でもないためであり、また以下に説明するように、物理的な必要性のためである。
このような累進的に増加する度数を実現するのは更に複雑である。より高い度数の領域を形成するためには、レンズの物理的な表面を変形させてより鋭く湾曲させる必要がある。表面の一部をより高い度数へと変形させるプロセスにおいて、度数外値(及び光学的非点収差)を有する他の領域が形成される。このことは大まかに、砂を箱から取り出したり箱に追加したりすることなく箱の中の砂を移動させる行為に例えることができる。従って、丘(度数の高い領域の例え)を作るためには、砂をある領域に積み上げるとともに他の領域からかき出す必要がある。砂箱を本来の高さ(本来の遠方視度数の例え)に維持したい場合、かき出す面積を広げて砂箱の残りの部分との高低差の大きさを減らす必要がある。しかしながら、これは、処方された遠方視度数に対する「ある程度の」ばらつきがみられる領域が広がることを意味し、前に示したように、人によっては、このような度数のばらつきに対して非常に敏感である。代替案として、より小さな領域で深く掘り下げて、より度数の外れた(本来の砂箱の高さからの差がより大きい)領域をはっきりと形成することも考えられる。これらの問題は、2つの光学度数の差が大きく(「丘」が高く)なればなるほど深刻になる。これらは、光学度数の変化を含むレンズ設計に伴う、実際的、機械的及び物理的な制限である。
代替例として、特許文献7には、段差を有するフレネル光学素子に屈折レンズ面を組み合わせて光学度数の異なる領域を形成することが記載されている。これは、レンズ材料の屈折能力のみを使用するものとは全く異なる手法であり、フレネルの不連続な複数段のパターンによる制限がありうる。例えば、フレネルの段差により散乱する光が増加して、着用者にとって悩ましくなったり、外観が非審美的なものになったりしうる。また、複数の段差を有する構造に亘って光学的透明度が歪んだり欠けたりすることも考えられる。
上記した特許の幾つかに説明されまた当該技術分野の通常の技能を有する者にとって既知のように、累進設計は、眼鏡レンズのレンズ外面(着用者から遠い面、言い換えるとレンズの「前面」)又はレンズ内面(眼に近い面、言い換えると「裏面」)のいずれかに組み込むことができる。これは、多くの場合、「累進セミフィニッシュレンズブランク」により実現される。累進セミフィニッシュレンズブランクは、一方の面に、比較的大きい有効安定遠方視領域と、遠用度数よりも高い既知の安定度数を有する他の近方視領域と、これら2つのゾーン間に延在し、累進的に増加する光学度数と変曲点によって特徴付けられる比較的狭く、短い帯域(中間部)とを組み込んだものである。そして、個々の着用者に対する処方は、このセミフィニッシュブランクの他方の面を切削・円滑化することによって使用者に必要な特定の光学度数にすることによって「仕上げ」られる。累進セミフィニッシュレンズブランクでは、典型的に、他方のレンズ面を遠方視矯正用に仕上げ、累進面を全ての近方視矯正を提供するために使用する。
代替例として、例えば、特許文献8,9,及び10に記載されているように、両面に累進設計を組み込むことも考えられる。代替の関連のある他の手法が、特許文献11及び12等の特許に記載されており、ここでは、一方の表面を累進設計とし、他方の表面を「逆進(regressive)」面、つまり遠方視領域と近方視領域との間において度数が減少する面としている。この逆進面は、レンズの内面又は外面のいずれに配置してもよい。
レンズの内面に加入度数を配置、又は処方度数を両面で共有することによって、光学設計の自由度を高めることが可能になり、美的外観上の利点も得られる。これらの選択肢は、市場において、CNC機械に基づくデジタル表面加工設備の発展によっても更に後押しされており、光学表面の一方又は両方の成形をより複雑化・制御化できる可能性がある。
加齢に関連した視力矯正や多くの人々のファッション意識に対する継続的なニーズを考慮すると、光学性能や身体的心地良さ、美的外観は、全て大変重要であるということは驚くことではない。これらの要素は、レンズ着用者を見た人にとって小さく目立たないようにする内面の累進形状の再人気化において重要な役割を果たしてきた。内面累進形状では、加入部分が外面から前方に突出しないからである。しかしながら、このようなレンズは、増加させた加入度数を着用者の眼に対して収容する必要があるため、着用者にとっては問題となりうる。これは、レンズの裏面が、単焦点処方のそれよりも、或いは、前(外)面に累進度数を有するレンズのそれよりも、湾曲が小さく(浅い凹形状)となることを意味する。高プラスの処方のためには、単焦点レンズであってもその裏面又は内面は、高マイナス度数レンズよりも平坦となる。(標準的な裏面累進設計のように)プラスレンズの内面下端部に近方視度数を追加すると、レンズの内面はなお平坦となって、使用者の頬やまつ毛に接触する場合がある。この問題を回避又は最小限に抑えるための1つの方法は、より急峻な前面曲率を有するレンズを使用して、レンズの内面に加入度数を形成するための空間をより大きく取ることである。しかしながら、より大きく曲線を得るためには、より平坦な局面との組み合わせと同じ加入度数を形成するのでより多くのレンズ材料が必要となり、その結果レンズが全体的により重く又は厚くなりうる。また、より湾曲したレンズを使用することによって、累進前面の球状の外観を低減するというこれまで求められてきた利点が打ち消されてしまう。
同じ難しさは、高マイナス処方及び内面の加入度数に対しても当てまはる。高マイナスレンズは、正確なレンズ効果を作り出せるようレンズ内面の曲率半径が典型的に外面の曲率半径よりも急峻なため、周縁が厚くなっている。基本曲線がより急峻なレンズを前(外)面に使用して裏面累進設計を収容する場合、レンズはより大きく且つ不要な厚さを有し、通常のマイナス処方よりも球状の外観を帯びることになる。
難しさと非最適とのトレードオフは、裏面累進レンズをフレームに嵌める時にも起こる。裏面の加入度数を収容するためにより急峻な基本曲線を使用する場合、突出しないようにレンズの周縁をフレーム内のより裏側に位置付けようと望む。しかしながら、これによって内面又は内面の周縁が着用者の顔に接触する場合がある。また、フレーム形状やラップ(wrap)角によって、レンズを固定的に又は審美的に嵌めるのが難しい場合がある。裏側累進設計によって周縁が厚くなると、眼鏡を魅力的でバランスのとれたものとするのが難しくなる。従って、裏面累進設計を採用する場合幾つかの異なる懸案事項に対処する必要がある。
2つの面の間で度数を共有することによって、厚さ及び度数プロファイルを分布させる選択肢は増えるが、設計の複雑さが顕著に増すため、完成レンズを製造するためのコスト、時間及びリソースが高くなる。また、処方度数の異なる部分をどのように分布させるかに応じて、内面の厚さの増加(それによる着用者の顔又はまつ毛への接触)や、前面の過剰な曲率、レンズの重量増加等の問題は依然としてある。
この技術分野における広範な革新や新しい選択肢によって実際の産業的用途が速やかに見出されることが多いのは明らかである。本発明は、レンズの異なる領域に異なる度数を必要とするレンズに特に適した眼科用レンズ及びその設計のための異なる選択肢を提供する。これは、第2の表面の表面加工と組み合わせることによって個人の処方の光学的な必要性を満たす革新的な表面を作成することによって実現される。この組み合わせレンズはまた、美的且つ実用的設計の他の要因も考慮に入れることができる。本発明は、レンズ業界の多くにとって現在アクセス及び実施可能な成熟度に達しているデジタルレンズ表面加工能力を有利に活用することができる。
米国特許第2109474号 米国特許第2475275号 米国特許第3711191号 米国特許第4253747号 米国特許第4472036号 米国特許第6019470号 米国特許第4950057号 米国特許第4946270号 米国特許第6935744号 米国特許第7399080号 米国特許第6139148号 米国特許第7159983号
本発明は、一方の縁部から反対側の縁部に略向かう光学的に利用可能な面の略全体に亘って連続的且つ漸進的な光学度数の変化を有し、該光学度数の変化が面に亘って変曲点又は不連続性無しに増加する第1レンズ面と、該第1レンズ面と協働して、明視に有効な十分な大きさの安定度数領域を少なくとも1つ含めて慣例レンズに所望の処方を提供するレンズの反対側の面とを備える眼科用レンズに関する。
好適な実施例において、第1面の漸進的な度数増加は、レンズの上端部から該レンズの下端部に向かって進む。他の好適な実施例において、漸進的な度数増加は、レンズを横断するように進む。
第1面の連続的な度数グラデーションの形状及び性質は、様々な好適な形態を取りうる。度数は、線形状又は非線形状に増加してもよく、指数関数式、対数式、対数スパイラル式、及び放射線状正度数関数式の形態に追従してもよい。これらの連続的な度数グラデーションは、アンビリカル線に追従していてもしていなくてもよい。漸進的な度数増加は、球面度数の増加、又は球面度数及び円柱度数両方の増加を構成することができる。
本発明の代替の実施例において、度数グラデーション面は、着用者から遠い側のレンズの外面であってもよく、又は、レンズ着用者の顔に近い側の内面であってもよい。
好適な実施例において、連続的な度数グラデーション面及び反対側のレンズ面は協働して、所望の処方のための単焦点矯正を提供してもよい。
本発明の他の好適な実施例において、2つのレンズ面は、協働して、所望の処方のための、遠方視用の領域と近方視用の領域とを提供する。更に好適な実施例において、これら2つの領域は異なる光学度数を有する。
他の好適な実施例において、眼科用レンズは、遠方視値及び近方視値を有する所望の処方のために製造される。このレンズは、
一方の縁部から反対側の縁部に略向かう光学的に利用な面の略全体に亘る連続的且つ漸進的な光学度数の変化を有する第1面であって、該光学度数の変化が変曲点又は不連続性を有さず該面に亘って増加する第1面と、該第1面と協働して、所望の処方のための1つは遠方視用、もう1つが近方視用の少なくとも2つの光学度数の安定領域を提供するように構成された該レンズの他方面とを備える。好適な実施例において、これら2つの安定光学度数領域は、2つの異なる光学度数を有する。これらの好適な実施例において使用される第1面の連続的且つ漸進的な度数変化は、線形又は非線形の度数増加を有してもよいし、更にアンビリカル線を含んでもよい。
好適な実施例において、第1及び第2面の協働は、使用者の好みのための最適化を更に含む。
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を、例を用いて例示する添付の図面と関連してなされる以下の好適な実施例の説明から明らかとなろう。
本発明に係る例示的なレンズ面の、レンズ上端部(+30mm)の3ディオプターの表面度数からレンズ下端部(−30mm)の5ディオプターに増加する連続的な度数グラデーションのプロットを示す。 標準累進レンズ面(先行技術)の、レンズ上端部(+30mm)からレンズ下端部(−30mm)への視線に沿う表面度数のプロットを示す。 本発明に係る他の例示的な面の、レンズ上端部(+30mm)からレンズ下端部(−30mm)への度数の非線形増加を有する表面度数のプロットを示す。 図1の例示的なレンズ面に亘る光学度数の面等高線プロットを示し、細線の等高線が、増加量0.25Dの球面度数グラデーションを示し、太線の等高線が、増加量0.5Dの円柱度数グラデーションを示す。 本発明の例示的なレンズ面上の光学度数グラデーションの面等高線プロットを示し、ここで、球面度数が、レンズ面の鼻側(30mm)の3ディオプターから該レンズのこめかみ側(−30mm)の5ディオプターにレンズを横断するように増加して、該面に亘って光学度数が2ディオプター増加する。細線の等高線が、増加量が0.25Dの球面度数グラデーションを示し、太線の等高線が、レンズ面上での増加量が0.5Dの円柱度数の度数グラデーションを示す。 図4の面と組み合わせられて、必要とする遠方視矯正がゼロディオプターで公称加入度数が+2Dの処方のための完成レンズを形成するレンズの他面の度数等高線プロット(増加量0.5D)を示す。細線の等高線が、球面度数の変化を示し、太線の等高線が、円柱度数の変化を示す。 図4の度数グラデーション面と図6のレンズ他面との組み合わせによって設計された、本発明の例示的なレンズの計算された透過近用度数の度数等高線プロットを(ディオプターで)示す。細線の等高線が、球面度数の値を示し、太線の等高線が、該レンズの円柱度数を示す。 図7に示す完成レンズの、レンズ上端部(30mm)からレンズ下端部(−30mm)への老眼視の典型的な視線に沿う、図6の面の表面度数プロファイル(破線及び右側y軸値)及び透過度数プロファイル(実線及び左側y軸値)を示す。 必要とする遠方視矯正がゼロディオプターで公称加入度数が+2Dの、ただし図7及び8に例示するレンズよりも遠方視領域と近方視領域との間の距離が短い処方の、本発明に係る他の例示的なレンズのために計算された度数プロファイルのプロットを示す。この度数プロファイルは、レンズ上端部(30mm)からレンズ下端部(−30mm)へと老眼視の典型的な視点に沿って進む。破線及び右側y軸値は、このレンズの代替的な裏面の表面度数プロファイルをプロットし、実線及び左側y軸値はこのレンズの透過度数を示す(このレンズ面の面プロファイルは図4に示すものである)。 図9によっても例示される例示的なレンズの計算された透過近用度数の度数等高線プロットを(ディオプターで)示す。細線の等高線が、球面度数値を示し、太線の等高線が、該レンズの円柱度数を示す。 必要とする遠方視矯正がゼロディオプターで公称加入度数が+2Dの、ただし図7に例示するレンズよりも近方視領域が広い処方用に設計された本発明の他の例示的なレンズのための、レンズ上端部(30mm)からレンズ下端部(−30mm)への老眼視の典型的な視線に沿う度数プロファイルを示す。代わりのレンズ裏面(破線及び右側y軸値で示す)が、図4に例示するレンズ前面と協働して、実線及び左側y軸値で示す透過度数プロファイルを有するレンズを形成する。 図11に例示する本発明の例示的なレンズの計算された透過近用度数のための球面度数及び遠用度数の等高線プロットを(ディオプターで)示す。細線の等高線が、球面度数値を示し、太線の等高線が、レンズの円柱度数を示す。 図4のレンズ面と組み合わせられて、遠方視度数が−2Dで加入度数が+3Dの完成レンズを形成する他の代替のレンズ裏面の度数等高線プロット(増加量0.5D)を示す。細線の等高線が、球面度数を示し、太線の等高線が、このレンズ面上の円柱度数の変化を示す。 図4及び13に例示するレンズ面の協働によって形成される、必要とする遠方視度数が−2Dで加入度数が+3Dの処方用の本発明の例示的なレンズの計算された透過近用度数のための球面度数及び円柱度数の等高線プロットを(ディオプターで)示す。細線の等高線が、球面度数の値を示し、太線の等高線が、該レンズの円柱度数を示す。 図14に示す完成レンズの、レンズ上端部(30mm)からレンズ下端部(−30mm)への老眼視の典型的な視線に沿う、図13の面の表面度数プロファイル(破線及び右側y軸値)と、透過度数プロファイル(実線及び左側y軸値)とを示す。 図5に例示するレンズ面の、レンズの鼻側縁部(30mm)から該レンズのこめかみ側縁部(−30mm)までのy=0における水平軸に沿う表面度数プロファイルを示す。 図5の面と組み合わせられて、球面度数が−4.25D、円柱度数が+1D、及び円柱度数軸が180°の処方値を有する単焦点レンズを形成するレンズの他面の度数等高線プロット(増加量0.5D)を示す。細線の等高線が、球面度数を示し、太線の等高線が、このレンズ面上の円柱度数の変化を示す。 図5及び16に例示するレンズ面と図17のレンズ他面との組み合わせによって形成される、本発明の例示的な単焦点レンズの計算された透過近用度数のための、球面度数及び円柱度数の等高線プロットを(ディオプターで)示す。細線の等高線が、球面度数値を示し、太線の等高線が、レンズの円柱度数を示す。 図18に示す完成レンズの、レンズの鼻側縁部(30mm)から該レンズのこめかみ側縁部(−30mm)へのy=0における水平軸に沿って計算された、図17の面の表面度数プロファイル(破線及び右側y軸値)及び透過度数プロファイル(実線及び左側y軸値)を示す。
本発明は、光学度数の連続的且つ漸進的な増加と、安定光学度数の1つ以上の有効領域を作り出すための該レンズの他表面との組み合わせによって説明される一表面を有する眼科用レンズによって具体化される。光学度数の連続的且つ漸進的な増加を有する表面の使用は、遠方視用の略一定又は安定光学度数の有効領域と、近方視用の異なる略一定又は安定光学度数を有する同一レンズ面上の他の有効領域と、度数が一方の値から他方の値に「累進する」これら2つの既定の光学度数領域間の狭い中間領域とを有する少なくとも1つのレンズ表面を一般的に具体化する通常の累進レンズ面とは対照的である。このように安定度数「水平域」は急速な度数増加及び変曲点によって特徴付けられる変位ゾーンによって結合される。その代り、本発明は、変曲点や不連続性を有さずに進行し、レンズ面上の狭い帯域に制約されることなくレンズの利用可能な光学領域の略全体に亘って延在する連続的な度数グラデーションを提供する。本発明の度数グラデーション面はそれに含まれる略一定又は安定光学度数の面積が大きくないため、このレンズ面の略全体に亘る漸進的な度数増加を正確に得ることが可能である。
簡単に見積もると、安定度数の有効領域は、約6mmの幅よりも小さい領域を画成する寸法の無い、少なくとも28.27平方mmの安定光学度数領域として画成される。この領域の大きさおよび程度は6mm円に対応し、目の移動に対する最小許容度を合わせてレンズ面上の典型的な凝視領域を含みうる。瞳孔の大きさは照明条件や年齢に応じて直径約3〜4mmから最大で直径約5〜9mmまでの範囲であることを念頭に置いて頂きたい。
明瞭性及び便宜のために、安定光学度数は、光学度数がその平均値から±0.12ディオプターよりも多く変化しない領域として説明することができる。単一の面について説明すると、安定光学度数領域は、当該領域の平均値からのばらつきが±0.12ディオプター未満である当該特定の面上の領域となる。より好ましくは、安定光学度数領域は、当該領域の平均値から最大で±0.06ディオプターのばらつきを有する。安定領域は、隣接する領域よりも大幅に限定された度数変化を典型的に有する、度数の水平域の様相を呈する。
本発明では、レンズの一方側が連続的且つ漸進的な度数増加を有する面で、レンズの反対側の他方側が第1面の漸進的な度数増加と協働して、所望の処方のための安定光学度数の少なくとも1つの有効領域を完成レンズに提供する眼科用レンズを形成する。安定度数領域を形成するのは一意に2つの面の組み合わせである。一面によって有効安定領域を設けるのではなく、重ね合わされた(両面累進として)2つの安定領域の組み合わせによって、最終の有効且つ安定した結果が得られる。第2面は、第1面の漸進的な増加と協働し、レンズ全体に亘って光学度数を足し引きすることによって、処方のための有効且つ安定した結果を実現するように形成する必要がある。レンズの両面に変化する度数を組み合わせることによって、レンズ上の特定の位置又は所定の領域に亘って選択された光学度数の新たな領域を形成することができる。これによって光学設計における顕著な追加的自由度が提供される。
好適な実施例において、レンズの第2面は、第1面の連続的且つ漸進的な光学度数の増加と協働して少なくとも2つの有効安定光学度数領域を作り出す。より好ましくは、これら2つの領域は、遠方視用の安定光学度数の一領域と、近方視用の安定度数の他領域とを備える。これらの安定領域は同じ光学度数を有してもよいが、より好ましくは、近方視及び遠方視矯正の所定の処方で必要とされるように2つの異なる光学度数を有してもよい。
以下、好適な実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のレンズの一方側の表面度数の連続的なグラデーションの一例を示す。表面度数は、レンズの他方側の光学度数への寄与が無いと想定した時の、所定の表面の曲率及び曲率の変化に応じて増加する光学度数として規定される。連続的な度数グラデーションを有する表面は、レンズの外面又は内面のいずれかとすることができる。図1は、好ましくは典型的にレンズの外面、言い換えれば前面に使用される本発明に係る面を例示する。この表面に亘る鉛直プロファイルに沿う距離をx軸上にプロットする。便宜上、この一例の直径60mmのレンズの面の最上縁部を30mmと規定し、レンズの中心を通る0−180線を0、そして最下縁部を−30mmとして示す。より大きな又はより小さなレンズ面も同様の方法で形成・プロットすることができる。y軸には、この一例の面における、レンズ上端部の3ディオプターの表面度数からレンズ下端部の5ディオプターの表面度数への度数グラデーションが示されており、この図において面の下方への2ディオプターの度数の線形増加に対応している。他の範囲の度数グラデーションも本発明の範囲に含まれることは自明である。好適な範囲には、レンズ面全体に亘る約0.5Dの増加からレンズ面全体に亘る約15ディオプターの度数増加までの連続的なグラデーションが含まれる。より好適な範囲には、レンズ面全体に亘って度数が約0.5Dだけ増加する連続的な度数グラデーションから、レンズ面全体に亘って表面度数が約8Dだけ増加するグラデーションまでが含まれる。(これらの範囲は、60mmのレンズ直径を想定しており、従って、より大きな又はより小さなレンズに応じて増減する)。なお、先行技術とは対照的に、該レンズ面は略一定な又は安定した度数の水平域を示さない。また、表面度数は、不連続性も変曲点も無く増加する。
比較のために、標準的な前面累進レンズ面(先行技術)における老眼視の典型的な視線にプロットした度数プロファイルを図2に示す。また、便宜上且つ比較を容易にするために、この先行技術のレンズの最上縁部を30mmとして規定する。視線は、0と印をつけた距離においてレンズの0−180軸を横断し、−30mmの位置のレンズ下端部に達する。このプロットのy軸は、この典型的な累進レンズにおける光学度数の累進を示し、上端部近傍の約6.5Dからレンズ面の下端部近傍の約8.5Dまでの、2Dの公称加入度数が与えられる。このプロットは、約30mmと約5mmとの間におけるレンズ上端部近傍の略一定かつ安定な低度数(遠方視領域)の水平域と、その後の短距離の中間区域の度数の急激な上昇と、約−12mm未満の位置からレンズの下端部に延在する、レンズ下端部近傍の近方視領域のための略一定且つ高い安定光学度数の他の水平域とを明確に示している。これらの水平域は、完全に均一ではないが、平均安定値前後の変化の受容可能な範囲内に収まる。このように小さい度数変化は、光学設計及び実際の製造上の制約のために、安定度数領域において一般的なものである。また、水平域の間には明らかに変曲点が存在する。図1と比較すると、先行技術が本発明の度数グラデーション面とは明らかに且つ顕著に異なることが示される。
図1の度数グラデーションは、様々な開始曲率を有するレンズに具体化することができる。例えば、2ディオプターだけ増加する連続的な度数グラデーションを、公称球面曲率がレンズ上端部において1ディオプター、レンズ下端部において3ディオプターの本発明に係るレンズ面上に実現できる。2ディオプターの連続的な度数グラデーションは、レンズ上端部において6ディオプター、レンズ下端部において8ディオプターの公称球面曲率のレンズにも実現できる。第1の例は、高マイナスの遠方視矯正の処方により適しており、第2の例は、高プラスの処方により適したレンズを提供する。このことは、特にレンズ外面に設置した時の本発明の度数グラデーション面の他の利点も示す。つまり、任意の処方に対して、より平坦且つより審美的に好ましい基本曲線を選択することができる。この度数グラデーションによって、表面全体を球状にすることなく、外面に追加の必要な度数の一部がすでに設けられている。
図1に、ディオプトリー度数の線形増加を示す。但し、レンズ面に亘る連続的な度数グラデーションのための他の関係を採用することは明らかに本発明の範囲内である。例えばほんの数例を挙げると、指数関数的、対数的、対数スパイラル的、若しくは二次関数的な正の度数又は他の非線形増加関係を使用することができる。レンズ面の上端部から下端部への度数グラデーションを有する非線形関係の一例を図3に示す。この度数プロファイルのプロットは、レンズの上部と比べて下部において度数がより急速に増加している(すなわち、表面に亘ってより短い距離変化でより早く度数が増加している)が、表面の曲線は滑らか且つ連続的で、安定光学領域に見られるような水平域を示していないことを示している。レンズの下端部に向かって曲率がより急速に増加するような非線形関係を採用する度数グラデーション面は、老眼処方において特に有利である。
これらの多様な非限定の例示から、本発明によれば様々な連続的な度数グラデーション面を作成することができることは明らかである。この面の主な特徴は、不連続性や変曲点の無い、光学的に利用可能なレンズ面の略全体に亘る度数の漸進的且つ連続的な増加である。
好適な実施例において、連続的な度数グラデーション面は、光学的に利用できない周囲余白部を有するレンズ面として構成してもよい。同様に、レンズの一部分又は部分的な余白部が光学的に利用できないように構成してもよい。このような部分や余白部は、例えば、レンズの周縁部を薄くするため、又は、移行の処理(他のレンズ面の仕上げや、コーティング、着色、或いはレンズの物理特性の変更等)のためにレンズを保持若しくは配向させるための補助として備えることができる。本発明では、連続的な度数グラデーションがこのレンズの光学設計における必須要素であり、この面がどのように構成されるかにかかわらず、レンズ面の利用可能な光学領域を説明するものとして認識する。
このことは、図4を参照することによってより容易に理解できよう。図4は、図1に例示するレンズ面の二次元図であるが、ディオプトリーの度数が前の値から所定の度数割合だけ漸進的に変化する距離ごとに等高線を引いた表面度数マップとして示す。増加量0.25Dの球面度数の変化を細線で示し、円柱度数の変化(増加量0.5D)を太実線で示す。各等高線と関連付けられた度数変化をその線上に示す。球面度数の値は、この例示するレンズ面の下端部における5Dに向けて増加する上端部における基本レンズ曲率度数3Dに対して相対的に表されている。円柱度数は、この例示の面において、主要な度数グラデーションの中央線に沿って低く、レンズを横断するx方向に沿ってほんのわずかに増加する。従って、x軸のプラス方向及びマイナス方向における第1の等高線が0.5Dとして示されている。この面は図1に示すような度数の連続的なグラデーションを具体化しているため、これらの線が度数の段階的な変化ではなく、漸進的な増加が記載の値を越える位置を単に示すということを念頭に置いて頂きたい。
なお、度数等高線は、レンズ表面の直径のうち広範な領域に亘って延在している。これらの等高線は、レンズ面に亘る2ディオプターの球面度数の広く前進的な増加を例示する一方、円柱度数はレンズの側部に向かって最小限の値だけ増加している。これは、連続的な度数グラデーションが主に球面度数の増加である一例であって、本発明の一好適な実施例である。例えば、第2面のデジタル処理が着用者の処方を決める際に重要な役割を果たす場合、一面上のこのような広く連続的な度数グラデーションは、幅広い処方に極めて適合可能であり、効果的に最終Rxを形成するのに使用できる。
当業者であれば、図1及び4から、本発明の連続的な度数グラデーション面が、米国特許第2878721号等の先行技術特許や、図2の先行技術例に例示されるように度数変化がレンズの限定且つ制御された領域に限定され、(遠方視及び近方視用の)安定度数領域が最大化される他の特許及び設計からは区別されることが分かるであろう。
この連続的な度数グラデーションの手法によって、使用者に応じてレンズをカスタマイズする際の自由度が極めて高くなる。例えば、近方視領域及び遠方視領域が本発明のレンズ面によって予め規定されていないため、着用者に適合するようにそのサイズや位置を移動させたり調節したりすることができる。これは、外面の設計上のオフセットによって近方視領域又は遠方視領域の大きさが著しく減少しうる標準的な累進面セミフィニッシュレンズブランクに対して非常に有利である。同様に、本発明の連続的な度数グラデーションは、所定の領域を安定度数を維持するような制約が無いため、レンズ面の設計歪みによって起こる望ましくない非点収差が少ない。従って、本発明の漸進的な設計によって、どの隣接する増加間の変化もより均一に分布させることができるため、相対的な非点収差がどの領域においても少ない。
また、この連続的な度数グラデーションの発明によって、球面レンズブランクや、裏面累進表面加工との組み合わせで使用されることの多い点回転/軸回転対称非球面単焦点レンズブランクを使用する場合と比較して、より高い設計自由度が提供される。第1に、この連続的な度数グラデーション面と現代のデジタル表面加工技術とによって、加入度数を2つの面で共有して美的外観を最適化できる。第2に、加入度数を2つの面で共有するこの技術によって、連続的な度数グラデーション面が、累進レンズ上のように狭い領域に限定されるのではなくレンズの略全体に亘って延在するため、より大きな視野を得ることが可能になる。第3に、連続的な度数グラデーションを有するレンズ面がレンズの加入度数要件に積極的に寄与することによって、球面又は非球面単焦点レンズブランクに対する設計工学上の利点が得られる。この度数グラデーション面の度数への寄与によって実現される設計上の利点の例としては、より薄い(従ってより軽い)レンズ、レンズフレームの前後におけるレンズ厚さのより良好な分布、より幅広い処方範囲の収容(基本曲線の制約による制限が少ないため)、眼の動きや使用特性等の個人の好みに対するより容易なカスタム設計、レンズ全体に亘る処方度数の位置決めとフレームラップ、フレーム角又は傾きに関する実際のレンズ構成(その寸法特性)との両方の最適化が挙げられる。
本発明の他の利点は、同じ連続的な度数グラデーション面を有するレンズを使用して、設計要件や使用者の好みに応じて幅広い加入度数を形成することができるということである。これは、光学研究所や処方製造業者にとって有益である。何故なら、彼らには、出発レンズブランクほど多くの或いは多様な在庫は必要ないからである。例えば、レンズの外面に亘って2ディオプターの度数増加を有する本発明のレンズを使用し、加入度数が3ディオプターの完成レンズを所望する場合、内面を合計が3ディオプターとなるように設計できるとともに、本発明によって以下の2つの利点を実現することができる。1)外面が、3加入度数レンズの典型的な前面のように球状にならない。2)内面が、3加入度数レンズの典型的な内面のように平坦にならず、頬に対してより良好なクリアランスを設けることができる。或いは、本発明に係る同じレンズ面を使用して、1ディオプターの加入度数領域を有する完成レンズを製造することもできる。この場合、レンズは、内面の一部に逆進性を有し、(頬骨が突出しているような)ある種の顔形状に対して、また、近接してラップされた眼鏡フレームと共に使用する際に有利となる。更に他の例として、完成レンズに2ディオプターの加入度数が必要な場合、この加入度数のほとんどは、連続的な度数グラデーションを有するレンズ面に既に存在している。従って、他方の面は、度数を選択された最終加入度数領域の近傍にわずかに増補するだけでよく、異なる度数領域の安定化等の光学矯正における他の要素やレンズの審美的考慮のために主に使用することができる。
また、異なる処方や使用者の好みに対応するために、本発明の度数グラデーション面の異なる部分を使用することも可能である。例えば、基本曲率をレンズ上端部で2D、レンズ下端部で6Dとして、レンズ全体に亘る合計の度数増加が4ディオプター、又は、30mm幅に亘る増加が2Dとなるような別の線形度数グラデーション面を考えよう。多くの小さいフレームは、その高さ寸法が20〜30mmの範囲である。従って、フレームの位置をレンズ面に対して上下に移動させて異なる基本曲線部分に対応させることができる。これは、レンズの曲率を選択的に処方要件に適合させるとともに、レンズを出来るだけ平坦な或いは審美的にバランスのとれたものに維持する助けになる。
或いは、異なる度数グラデーション範囲又は連続的な度数グラデーションを表す異なる関係を有するレンズ面を、異なる加入度数要件に対して選択し、レンズの他方の面と組み合わせて使用することによって、性能や審美性を最適化できる。このような設計上の自由度は、完成レンズを出来るだけ薄いものに維持しようとする場合に特に有益である。レンズは薄ければ薄いほど、より快適に着用(軽量化)できるとともに外観上もより魅力的なものとなる。
本発明は、厚さバランスにおいて明確な利点を提供する。連続的な度数グラデーション面とそれと協働する第2レンズ面とを使用することによって、標準的な累進設計と比べ、より小さい非点収差が周縁部に寄せられる。また、加入度数を2つの面で共有するため、表面が一面設計のように顕著に突出することもない。同様に、レンズの下端部に向かって度数が連続的に増加する外面の好適な場合において、レンズ下方の有効な基本曲線の増加によって自動的に内面と外面との間のレンズ厚さのバランスが取れる。
本発明の連続的な度数グラデーションをレンズ面の略全体の領域において下方へ連続的に増加する度数として具体化する場合に、他の実際上の利点が老眼処方に対して発生する。レンズ面の下方へ連続的に増加する曲率のおかげで、レンズを通した中心視が主に、例えば裏面累進設計において見られるように表面に対してより傾斜した角度のものではなく垂直なものとして得られる。これは、より正確な式を使用して、非常に変化し易い傾斜視により起こる誤差を少なくして、最適な処方設計を計算及び設計できるということを意味する。また、垂直な位置付けのために、標準的なレンズメータによる測定処方と使用する実際の処方との間の差が少なくなる。これは、調整した処方を患者にとって確実に正確なものとしたい光学調整技術者(optical dispenser)にとって、極めて重要な考慮事項である。多くの現代の裏面累進設計では、大きく傾斜した視野角によって標準のレンズメータの読み取り値に1ディオプターに近い誤差が入ってしまうため、レンズ製造者は、正確な処方に対応していると製造者が確信を持てる代わりの読み取り値を調整技術者に提供しなければならない。明らかにこれは多くの場合、調整技術者にとって完成したレンズの正確性を確認するための実際的な手段がないため、安心できるものではない。
以上説明し且つ前述の図面で例示してきた連続的な度数グラデーション面は、完成レンズの下端部近傍により高い光学度数が望まれるレンズの前面(外面)として使用するのに特に適している。これは、老眼を処置する標準的な構成に該度数グラデーション面を位置付ける。当業者にとって、この連続的な度数グラデーション面を、度数がレンズの下端部から上端部に漸進的に増加するように構成してもよいことは明らかであろう。このような構成は、例えば、オーバーヘッドディスプレイを読む必要のある航空機パイロットや整備士等の場合に有用である。
他の実施例において、連続的な度数グラデーション面は、使用者の眼に近いレンズの内面に位置付けることができる。この構成において、度数グラデーション面は、好ましくは、レンズの上端部において、内面の下端部よりも小さい曲率半径を有する。そして、位置付けが内面(ネガティブ)のために、老眼処方での標準的な使用の領域において、このレンズ面の下端部においてより高い度数を提供する。しかしながら、レンズ設計に対して逆進的な手法を使用することを選択する場合には、レンズ下端部において上端部よりも小さい曲率半径を有する度数グラデーションの内側面を使用してもよい。
本発明の更に他の実施例において、連続的な度数グラデーションプロファイルは、(レンズ周縁厚さ等の)美的外観を向上したり、最も視野の明るくなるゾーンを広げたり、軸ずれを減らしたりするために、単焦点矯正に使用してもよい。多くの場合、人々は下方を見ながら近傍の作業を行う。度数グラデーションレンズ設計に基づく改良された視野角によって、全ての視野角がレンズの垂直切片に対してより密接に近接し、視野を最大化して、単焦点の着用者の場合でもより快適な視覚を作り出す。またこれによって、レンズ性能のより正確なモデリングが可能となり、従って、完成レンズをより良好に最適化することが可能になる。このことは、斜角視による誤差がより顕著になる場合、例えば、高度数矯正の場合や、ラップ型フレームにおける処方の場合において特に有利である。
ラップ型フレームで光学性能やレンズ外観を向上させる様々な実践方法が文献に記載されている。例えば、米国特許第6364481号では、プリズム度数を変化させて、特に光学ゾーンからこめかみに向かう周辺ゾーンまでレンズを横断するプリズムの水平成分のみを低下させることが注目されている。これは、周辺に向かう拡張ゾーンに追加の光学矯正を含めることによって明瞭な光学領域を増やすように設計されている。米国特許第6454408号にも、ラップ型フレームのためのレンズ設計の改良が記載されており、ここでは、両面の曲率変化が各面の対応する点において概ね等しくなるような「共変化面」を採用している。好適な面は径方向に対称であり、曲率の変化によって、好ましくは、度数がレンズに亘って水平に変化する。米国特許第6364481号と同様に、米国特許第6454408号では、視覚固定領域と称される中央視ゾーンが最適化され、こめかみに向かう拡張ゾーンが記載されている。
本発明は、有用な更に他の態様で構成することができる。本実施例において、連続的な度数グラデーションは、レンズの上端部から下端部に増加するのではなく、該レンズの幅方向に増加する。この配向を、度数グラデーションのレンズ面の面等高線プロットとして図5に例示する。この面等高線プロットは、レンズ面の鼻側(x=30mm)からこめかみ側(x=−30mm)に向かって光学度数が2Dだけ増加する。個人の処方に合わせた他方の面のデジタル表面加工で、プリズムに加えて度数グラデーションの増加によって、追加的な条件に対処できる。例えば、レンズの外側周縁に向かって増加する曲率は、特により高度数の処方のしっかりとラップされたフレームに有用である。標準的な単焦点セミフィニッシュレンズブランク、特に高マイナス処方に適切なものに多く見られる問題として、平坦すぎるため大きく湾曲したラップフレームに嵌めることができないということがある。従って、フレームの水平曲線に合わせて曲率(度数)が増加する連続的な度数グラデーションを有するレンズとすることによって、この状況を改善できる。他の利点としては、レンズの曲率がこめかみ側の側縁部に向かって「ラップ」してレンズ度数を眼に対してより垂直に存在させることが可能になるため、この表面構成によっても斜角視を減らすことができるということがある。
図5には基本曲率の3Dから5Dへの増加を例示として示すが、他の連続的な度数グラデーション及び他の基本曲線の範囲も本発明の範囲内である。そして、レンズの他方の面を、(例えば単焦点処方用に)少なくとも1つの有効な安定光学度数領域が形成されるように、或いは、多焦点処方用に遠方視又は近方視用の1つ以上の有効な安定領域が形成されるように、度数グラデーションを補うよう表面加工する。連続的な度数グラデーション設計の独自性のために、所定の処方を実現するための他方の面における対応する変化は、「共変化面」とは異なる変化を必要とする。
他の実施例において、連続的な度数グラデーションの増加は、球面度数の増加の代わりに又はそれに加えて、円柱度数の増加を含んでもよい。円柱度数の小さい漸進的な増加は、図4及び5における度数グラデーション面の前述の例に見られる。幾つかの例において、これは、レンズ面の制約のために、計画された球面度数グラデーションとの関連で発生し得る。しかしながら、主に円柱度数グラデーションのために、又は円柱度数増加の制御された量のために、本発明のこの面を設計するように選択してもよい。これは、単焦点処方に対して特に有利であり、また、ラップ型フレーム、特にこめかみ側近傍において顕著な屈曲を有するものに対して有用である。この円柱度数グラデーションの好適な実施例は、鉛直軸に対して線形増加するものである。
連続的な度数グラデーションを有する面は、アンビリカル(umbilical)線を有して設計してもしなくてもよい。つまり、本発明は、選択された線上の任意の点において、水平曲率と鉛直曲率とが等しく、制御されたアンビリカル累進を形成するように具現化できる。本発明において、このアンビリカルは、(多くの累進レンズ面のようには)安定度数の2つの有効領域を接続せず、その代わりにレンズの利用可能な光学領域の一周縁から他周縁へ、漸進的且つ連続的に増加する度数の線に沿って延在する。本実施例によれば、アンビリカル線の設計されるような球面特性のために、アンビリカルに沿うとともにその各側への望ましくない円柱度数が減少する。しかしながら、これは、アンビリカルから離間した位置に望ましくない円柱度数の増加を伴う。
一好適な実施例において、度数グラデーションのための長いアンビリカル線が、使用者の近用(読書)時の凝視動作に応じて位置付けられ、従って、鼻に向かって角度をつけやすい。或いは、アンビリカルは、伝統的な累進レンズとは異なる方向に向けることができる。例えば、アンビリカルに沿う度数グラデーションの増加を、レンズ上の0−180軸(水平軸)に配向させてもよい。本実施例は、ラップフレームに対して特に有用である。アンビリカル線を有する度数グラデーションは、レンズ面を横断する他の角度で位置付けることによって、様々なフレーム形状や個々人の処方に適応させることができる。
他の好適な実施例は、アンビリカル線を有さない連続的な度数グラデーション面を使用する。この場合、表面上の幾つかの離散点が水平方向及び鉛直方向に等しい曲率を有してもよいが、垂直配向における等しい曲率の連続線は画成されない。従って、任意のどの点においても、表面は水平方向及び鉛直方向に異なる曲率を有してもよい。先行技術において、単焦点レンズ用の円柱状又は環状(トロイダル)面は既知である(例えば米国特許第6935744号及び第7399080号を参照)が、これらの手法は、光学的に利用可能なレンズ面全体に亘る連続的かつ漸進的な度数増加を組み込んでいない。累進レンズ設計及び単焦点レンズのいずれも、本発明とは対照的に安定光学度数の広い領域を具現化している。
アンビリカル線を有さない連続的な度数グラデーション面は、アンビリカル線を有する同様の面よりも最大の不要円柱度数が低い。これは、制約される線が無く純粋な球状となるためである。これは、アンビリカルを有する面と同じ光学矯正を実現するための他面に必要な不要円柱度数の矯正が少なくて済むためであり、言い換えれば、必要な矯正が小さいのでより良好な最適化が行なうことができるためである。また、性能のための画成された線が無いため、2つの面の間の配向、横方向の位置付け及び最適化の自由度がより高い。従って、アンビリカル線を有さない選択肢は、度数グラデーション面の有利な実施例である。
次に、度数グラデーション面の実施例を、レンズの他面と組み合わせることによって、所望の処方を作成し、安定光学度数の有効領域を少なくとも1つ有する完成レンズを提供する。好ましくは、遠方視及び近方視値を有する処方用に、本発明のレンズ面の組み合わせによって、安定光学度数の領域を少なくとも2つ設ける。より好ましくは、2つの領域のうち1つを遠方視用に作成し、もう1つを近方視用に作成する。より好ましくは、作成された安定光学度数の2つの領域を有効領域とする。
任意ではあるが、2つの面の組み合わせには、美的外観や個々の使用者の好みや実際の使い方、製造の容易さ、及び光学性能の最適化等の他の要素を考慮に入れてもよい。使用者の好みとしては、例えば、レンズ上の遠方視領域と近方視領域との間の物理的距離や、遠方視領域及び近方視領域の大きさ、視野領域内及び周辺において許容できる円柱度数(非点収差)の量、遠方視領域と近方視領域との間の好適な凝視角といった要素や、着用者の活動や習慣に基づく他の要素が挙げられる。これら及び同様の要素は、異なる重要度で、設計又は最適化の一連の作業に振り分けることができる。
処方を受け取ると、連続的な度数グラデーション面を先験的に選択してレンズを完成させてもよいし、或いは、レンズがどのように使用されるかに関して追加情報を収集してもよい。本発明の他の利点は、あらゆる度数グラデーション面を幅広い種類の処方に適用させる自由度が増すということである。例えば、レンズ面の下方に2ディオプターだけ増加する線形度数グラデーションを考えよう。この面は、他面の独自の数学的設計と組み合わせて様々な方法で使用できる。それにより、様々な遠方視矯正を組み込みつつ、加入度数が+2ディオプターのレンズや、加入度数が+1ディオプター(他面によって度数が差し引かれた)のレンズ、加入度数が+3ディオプター(他面によって度数が追加された)のレンズ、並びに中間の加入度数を作成できる。同様に、度数グラデーション面は遠距離度数及び加入度数の小さい領域に制約されないので、最終の処方の結果の遠方視領域及び近方視領域を広げたり、水平方向にオフセットさせたり、鉛直方向に再位置付けしたりするように、他面を設計することができる。
異なる例において、度数グラデーションの増加がレンズ下方に向かうのではなくラップ型のレンズを横断するように、レンズの配向を変更してもよい。そして外面は、処方のために必要であれば加入度数領域を作成するように、或いはと組み合わせて単焦点矯正を施すように適応させることができる。先に述べたように、レンズを横断する度数グラデーションによって、ラップ型でも明瞭な視野領域をより広く形成するように外面を設計し易くなる。この最適化された視野領域は、度数グラデーションの増加によって補助され、その度数グラデーションの増加は、ラップ曲率により良好に調和してレンズ面をどの視線方向に対してもより垂直になるように選択することができる。他の例において、使用者の近用(読書用)の特定の凝視角が既知の場合、度数グラデーションの増加を、その面の度数増加をより完璧に利用するために、(単に鉛直に位置付けるのではなく)その角度に配列させてもよい。
或いは、様々な要素に応じて、異なる連続的な度数グラデーション面を選択してもよい。例えば、より小さいフレームに対して、図3に示すようなより急峻な度数増加又は非線形増加が好ましいことが考えられる。他の例において、フレームと顔との間に十分な余地がある場合には、審美性を向上させるために、より多くの加入度数がレンズの内面に載置されるようなグラデーションを選択してもよい。高プラス又は高マイナス遠方視処方の場合、レンズを薄くしたりフレームの前後においてレンズの厚さのバランスをとったりするために、異なる開始レンズ曲率の、又は増加度数の異なる総合程度の、度数グラデーションを選択してもよい。フレーム設計、並びに、とりわけ、前傾角、顔形状又はラップ角、瞳孔距離、及び角膜頂間距離等の装着要素に応じて、異なる度数グラデーションの増加、度数グラデーションを表す異なる数学的関係、又は表面の異なる基本曲率を選択してもよい。アンビリカル線を有する連続的な度数グラデーション面は、不要円柱度数に対して極めて敏感な人に好適であり、アンビリカル線を有さない(従って、面を横断してより分配された全体の不要円柱度数が低い)度数グラデーション面は、加入度数要件が限られた初期の老視患者に好適である。また、最終処方を作成するために余分な材料をどれだけ他面から除去する必要があるか、完成レンズの必要な特徴を作成するのがどれだけ難しいかといった製造要素を考慮に入れてもよい。例えば、最終の近方視度数が遠方視矯正よりも4ディオプター強い必要がある場合、外面によって加入度数の優位性が提供され度数グラデーション面を使用する有効な利点が低下してしまいうるため、たった0〜0.50ディオプターの度数増加を有する度数グラデーション面を選択することはあまりない。しかしこれらは数少ない例であり、当業者であれば、本発明の範囲内で考慮すべき他の有利な選択肢を認識するであろう。
連続的な度数グラデーション面を選択したら、他面を、第1面との組み合わせによって所望の処方を生じさせ完成レンズに少なくとも1つの有効安定光学度数領域が形成されるように計算する。連続的な度数グラデーション面は、既知の1つ以上の等式によって表されるか、xyz座標の固有の組み合わせによって表現される。そして、最終処方及び考慮すべき他の要素に伴う、度数グラデーション面の等式又は値を、他面並びに2つの面の組み合わせを画成及び最適化するための一連の計算作業に入力する。これは、レイトレーシング、波面伝播分析、曲率計算、若しくはこれらの又は他の技術の組み合わせ等、多くの既知の技術によって実現できる。そしてこの計算を使用して、CNC機械等の表面加工設備の運転をプログラム又は指示して、両面を所望の値に成形する。
上記議論を通じて全般的に、連続的な度数グラデーション面を、レンズブランクの一面、内面又は外面に度数グラデーションを具現化し、光学度数のためにそれ以上の変更は施していないセミフィニッシュブランクとして説明してきた。技術水準のデジタル表面加工機械の多くは、外面をそれ以上加工する必要のないセミフィニッシュレンズブランクを最も容易に収容し、内面をこの機械によって切削又は「仕上げ」して最終の形状及び表面品質を得る。これは非常に実際的で好適な実施例であるが、本発明をブランクの両側を表面加工する、つまり、一面を所望の連続的な度数グラデーション面の等式又はxyz座標に従って切削し、他面を切削し該度数グラデーション面と組み合わせることにより最終処方を作成することで実現することができることが理解できよう。この手法は、一連の追加の切削工程を必要とするが、セミフィニッシュ度数グラデーションブランクのストックを維持する必要が無いという選択肢を提供する。これら全ての選択肢は、本発明の範囲内である。
これらの追加の変形例及び他の構成は、全ての可能な実施例を包含するものではないが、当業者であれば本発明の様々な実施例の範囲に含まれるものであると理解するだろう更なる例を提供する。
本発明を、以下の非限定の例を参照してより詳細に説明する。
これらの例の幾つかは、有効加入度数を呈するレンズを用いて遠方視及び近方視のための矯正処方を作成する本発明の実施例を説明するものである。眼科用レンズ産業において、(公称加入度数−0.125D)、(公称加入度数−0.25D)、少なくとも75%の加入度数、及び少なくとも85%の加入度数等の加入度数領域を画成するための方法は複数ある。以下の例において、適用可能な場合、90%の加入度数(例えば、2D加入度数レンズの場合は0.90×2=1.8D)という控え目ではあるが例示的な画成を使用する。
例1
遠方視矯正が0ディオプターで加入度数が+2ディオプターの本発明に係るレンズを設計することを目標とした。便宜上、このレンズは、標準的な累進レンズのレイアウトと同様に、レンズ上部に遠方視矯正を、レンズの下端部近傍に加入度数を有するように設計した。以下の標準フィッティングパラメーターを計算に使用した:目の角膜からレンズ裏面の頂点までの距離(角膜頂間距離):13mm;近方視領域の変位:鼻側に2mm;レンズの0−180線から完全加入度数値までの距離:16mm;前傾角:8度;ラップ角:5度。
図1及び4に示す面を、完成レンズ前側の連続的な度数グラデーション面として使用した。この面は、ワイアント‐クリース方式(Wyant−Creath scheme)に従って整理される150直交ゼルニケ多項式の合計として数学的にモデリングされ、この面表現の係数を、処方されたレンズ計算の入力とした。計算は、度数グラデーション面に関する情報とフィッティングパラメーターとを組み合わせて、処方要件を満たすのに必要なレンズ他面の特徴を決定する正確なレイトレーシングを介して行なった。これらの計算のために、レンズ他面(これらの例ではレンズ裏面)を、150ゼルニケ多項式の別の展開式によって表わした。レンズ裏面の展開式の係数を、計算の任意の段階における実際の度数マップを理論度数マップと比較するメリット関数の最小化によって求めた。最適化は、BFGS(ブロイデンーフレッチャーゴールドファーブーシャンノ(Broyden−Fletcher−Goldfarb−Shanno))最適化アルゴリズムを用いて行なった。
図6は、この処方要件を満たす図4に例示するレンズ面と組み合わせるために計算された裏面の面等高線マップを示す。この例において、図6は、レンズの内面となるように設計されたものである。なお、この内面は、相当量の円柱度数を示し、円柱度数は下方面に亘って急速に変化している(太線の等高線)が、球面度数(細線の等高線)の変化はずっと小さい。
図7は、図6の面を図4の度数グラデーション面と組み合わせた場合の計算された透過度数の等高線のプロットを示す。このプロットは、レンズを介して見た時に知覚される有効光学度数を示す。太線は円柱度数値を表し、細線は球面度数の等高線を示す。加入度数領域は、1.8Dの球面度数の等高線によって示され、所望加入度数の少なくとも90%の光学度数を有する領域に対応している。図7は、2つの面の組み合わせによって、ゼロ矯正(プラノ度数(plano power))の遠方視用の大きな安定光学度数領域と、光学度数が急峻に変化する中間帯域と、加入度数領域用の約+2ディオプターの安定光学度数を有する他の領域とを有するレンズが作成されることを示す。
このレンズを他の方法で分析すると、図8は、レンズの上端部からレンズの下端部への典型的な老眼視線に追従し、本例のレンズの結果の中間帯域及び加入度数領域を通過するプロファイルに沿う計算された度数を示す。破線は、このレンズの裏面に沿うこの位置的プロファイルを、右側軸上に示す関連する表面度数値と共にトレースしている。実線は、完成レンズの同じ位置的プロファイルを、左側軸上に示すこのレンズのために計算された透過度数の値と共にトレースしている。
図8の、完成レンズの透過度数をトレースしている実線で示すプロファイルは、完成レンズにおいて、光学度数の2つの安定領域が、図1及び4に例示するレンズ前面と、図6及び8(破線プロット)に例示するレンズ裏面との組み合わせによって作成されていることを示す。実線の透過度数は、約30mmから0mm近くに延在する遠方視処方のために必要な約0ディオプターの値を有する一領域と、度数が概ね2Dの−15mmから−30mmに他の領域を示す。両方の領域は度数の水平域として表れている。これらの領域は、平均度数が±0.06Dの安定領域の最も要求される好適な解像度に適合している。これら2つの領域における図7の等高線プロットを再検証すると、これら2つのレンズ面によって安定光学度数を有して形成される領域が、有効となるレンズ面に亘って十分な程度を有することが確認できる。従って、この例は、これらレンズ面の組み合わせによって光学度数の有効安定領域を作成することに成功している。
また、図8の破線プロファイルは、所望の処方を提供するために前面の度数グラデーションと協働する裏面に要求される度数変化に驚くべきものがあることを示している。これは、複数の度数変化を有すると共に、このような変化がマイナス方向とプラス方向との両方に局地的に起こるレンズ面の独自で非直観的な形態である。
本発明の他の独自性は、所望の処方が、度数グラデーション面上の特定の安定度数領域又は水平域に依存せずに実現され、この面が最終の加入度数に顕著に寄与していたということである。これは、図1に示すような表面度数プロファイルのプロット上のy=−10とy=−30との間の表面度数の値を図8の破線と比較することによって見ることができる。この領域において、前面の表面度数(図1)は、約4.3Dから5Dに増加する。対照的に、裏面の表面度数は、まず−10mmと−15mmとの間において−3Dから約−2.65Dに減少し、約−2.9Dから−30mmまで再び増加する。これら2つの面の度数の加入度によって、レンズの結果となる加入度数が非常に粗く近似される。この場合、その加入度は、約(+4.3+−3)=1.3Dから(+5+−2.9)=2.1Dまでの範囲となる。これは、図8の実線によって例示されるより正確に計算された透過近用度数と調和しており、連続的な度数グラデーション面上に起こる表面度数の増加によって主に促進される、この領域において約1.35Dから2D近くに増加する加入度数を示している。また、図7及び8の完成レンズのデータを比較すると、図8の水平域領域が、この2つの異なるレンズ面の組み合わせによって完成レンズに対して形成される有効安定光学度数領域に対応していることが分かる。
どのように本発明を使用して所定の処方又は着用者の好みや使用法に対してレンズの特性を調整するかを例示するために、2つの追加の例を提供する。遠方視矯正がゼロディオプターで加入度数が+2ディオプターの処方例を再び使用して、例2及び3並びに図9〜12によって、図1及び4に前面の例として例示した上記面をどのように様々な他面と組み合わせて、同じRxを有しつつ異なる光学特性又は使用者が望む特性を有するレンズを作成するかについて明らかにする。面を数学的に表現する方法及びこれらの例の最適化技術は、例1について使用したものと同じ手法である。
例2
この例において、例1の場合と同様に、遠方視矯正が0ディオプターで加入度数が+2ディオプターの本発明に係るレンズを設計することを目標とした。ただし、この例では、遠方視領域と近方視領域との間の鉛直方向距離が例1のレンズよりも短いレンズとするという追加の制約を計算に含めた。この制約は、例えば、より小さなメガネフレームを選択する人や、読書位置に対応するための下方への目の移動が少ない人が望む。フィッティングパラメーターは、0−180線以下の完全加入度数までの距離を16mmの代わりに13mmに設定した以外は、例1において使用したものと同じである。
図9は、図8と同様に、レンズの上端部から下端部への典型的な老眼視線に追従し、レンズ裏面に亘る光学度数値(破線及び右側軸)と、例2の完成レンズの計算された透過度数の値(実線及び左側軸)とをトレースした計算された度数プロファイルを示す。本例の完成レンズの透過度数(図9における実線)は、処方において所望されるような2つの安定光学度数領域を示す。また、図8の透過度数プロファイルと、図9の透過度数プロファイルとを比較すると、約+2Dの加入度数を有する安定領域が図9によって例示されるレンズのプロファイルの下方に達する距離がより短いことが分かる。同じ度数グラデーション面(図1及び4に例示されるような)を、例1及び2の両方に使用した。従って、完成レンズ上において加入度数領域をより高い位置に移動するために、例2の裏面は、例1の裏面とは異なる度数寄与を有する必要がある。これは、図9における裏面のプロファイルトレース(破線)から分かる。−10mmの位置において、表面度数は(例1における−3Dと比較して)−2.5Dだけであり、従って、この裏面では、図8に例示したレンズ裏面よりも加入度数領域の上部において、前面の度数グラデーションから引かれる値が小さい。
追加的な情報を提供するために、図10は、この例のレンズの期待される透過近用度数のための計算された度数等高線プロットを示す。1.8Dの球面度数の等高線によって囲まれた領域は、例1のレンズと比較して、明らかにレンズの中央側に更に広がっており、この面の組み合わせによって、有効安定加入度数領域へのより短い距離が実現できていることを示す。図10の透過近用度数等高線プロットにおいて、0.5Dの球面度数等高線及び円柱度数等高線の両方が、図7に示すものよりもプラスy方向に高い位置に表れていることに気がつくであろうが、この効果は、加入度数への距離が短い累進レンズに多く見られるものであり、且つ、例2に示すものよりもずっと顕著に表れうるものである。連続的な度数グラデーション面設計を使用する1つの利点としては、完成レンズにおける不要な度数の遠方視領域へのこのような進入を減少させるということが考えられる。同様に、図10の1.8D等高線によって画成される有効安定近方視領域が、例1の設計よりも大きいことに注意されたい。これは、レンズの度数グラデーション面と他面との組み合わせの最適化によって影響されうる他の変形を示す。
例3
遠方視矯正がゼロディオプターで、加入度数が+2ディオプターの本発明に係る他のレンズを設計することを目標とした。フィッティングパラメーターは、例1において使用したものと同じとした。しかしこの例では、例1よりも広い近方視領域を有するレンズを作成するために、計算に別の要件を含めた。
再び、この例のレンズの前面に、図1及び4に例示する度数グラデーション面を使用した。図11は、このレンズの上端部(30mm)から該レンズの下端部(−30mm)への老眼視の典型的な視線に沿う、レンズ裏面の表面度数プロファイル(破線及び右側軸)と、完成レンズの計算された透過度数(実線及び左側軸)とを示す。透過度数プロットは、ゼロディオプターの遠方視矯正及び+2Dの加入度数のための所望の安定光学度数領域を示す。この裏面プロファイルの形状は、前述の例におけるものと同様であるが、−10mmの位置において約−3.15Dの表面度数値を有しており、これは前述の例において観察されたものよりも大きい。また、裏面度数は、例1において使用された裏面よりもレンズの加入度数領域に亘ってわずかに変化している。
このレンズに関連した計算されたプロット(図12)は、前述の例と同様、遠方視値のための安定度数の有効領域が大きく、且つ、例1のレンズ上の対応する領域よりも広い近方視の有効安定領域(1.8D等高線によって境界付けられる)を明らかに示している。この設計において、例2のように、0.5Dの球面度数(細線)及び円柱度数の等高線(太線)が、例1の場合よりもレンズ上方に延在しており、2Dの不要円柱度数等のより高い円柱近用領域がより大きい。しかし、例3ではより広くて大きい近方視‐遠方視領域が得られるため、このような設計のトレードオフは許容できる。
驚くべきことに、例1〜3において度数グラデーション面と組み合わせられる面は、標準的な単焦点面や累進面のいずれとも異なって見える。度数が増加又は減少する、レンズに亘る普通とは異なる度数変化及び複数の変化は上述したとおりである。多くの累進面は、レンズの遠方視領域における円柱度数を制限しようとするものであるが、この制限は例1〜3において使用される面には必要ない。例えば、図6においてプロットされる裏面度数マップは、0.5Dの円柱度数等高線(太線)によって境界付けられる狭い帯域と、0.5〜1.0Dによるレンズの上半分の大きい領域とを示している。しかしながら、図4に示すような面との組み合わせにおいて、図7に例示するように、完成レンズの結果として得られる遠方視領域を広げるのに役立てるために、レンズの対向面の円柱度数を使用できるということが分かる。本発明に係る連続的な度数グラデーション面と組み合わせられる対向面には他の利点がある。それらの円柱度数成分は、(累進レンズ面とは対照的に)レンズ面のより広範に亘るため、度数変化はより漸進的となり、従って、従来の表面加工又はデジタル表面加工のいずれかによって作成し易い。好適な実施例において、他面の略全体に亘る漸進的な変化が、連続的な度数グラデーション面と協働して、最終の処方を作成する。従って、本発明において、所望の組み合わせを作り出すために両面に革新的な構成を取り入れる必要があることが多いことは明らかである。
前述の例では、ある所定の処方のために本発明により実現することができる完成レンズ設計における変形例の幾つかを例示した。完成レンズ特性の幾つかの変形例は、その所定の加入度数の予め設定された領域及び遠方明瞭視領域のために、標準的な累進レンズブランクを用いて実現することが極めて難しい。連続的な度数グラデーション面によって、例1〜3に示すように、様々な設計要件又は使用者の好みに適応可能なより広い領域が提供できる。
以下の例は、異なる処方を作成するために同じ連続的な度数グラデーション面をどのように使用できるかを例示する。
例4
この例において、図1及び4に例示する面をレンズ前面として使用し、更に他のレンズ裏面と組み合わせることによって、遠方視領域において−2ディオプターの矯正と近方視領域において+3ディオプターの加入度数とを有する本発明に係る完成レンズを提供した。面の数学的表現の形態及び最適化手法は時前述の例において使用したものと同じであり、例1のフィッティングパラメーターを使用した。図13は、これらの処方要件を実現するために度数グラデーション面と組み合わせられる裏面のための面等高線度数プロットを示す。このレンズ裏面は、前述の例よりも大きな円柱度数変化(太線の等高線)に加えて、高く急峻に変化する球面度数(細線の等高線)を示す。
図14は、この面の組み合わせによってこの例のレンズに期待される透過近用度数の計算された度数等高線プロットを示す。この面の組み合わせによって、レンズの上半分に、大きな有効安定遠方視領域が形成されており、−1.5Dの球面度数等高線と0.5Dの円柱度数限界とによって境界付けられている。この大きな領域は、処方される−2Dの値に近い光学度数を有する。これら2つの面を組み合わせることによって形成されるレンズの近方視領域は、0.7Dの球面度数等高線によって囲まれる。これは、加入度数が少なくとも+2.7D、又は期待される加入度数の90%に対応する(−2D遠方視Rx+2.7D近方視Rx=0.7D有効値)。
このレンズの度数プロファイルを図15に示す。前述の例の場合のように、プロファイルは、レンズの上端部(30mm)で開始し、遠方視領域から近方視領域を通ってレンズの下端部(−30mm)まで老眼視線に沿って延在している。このレンズの計算された透過度数の実線によって、遠方視矯正のための−2Dの安定度数の水平域と、+3Dの加入度数要件に対応する近方視領域における約1Dの安定度数の他の水平域とが明示されている。図4の面と組み合わせられてこのレンズを形成する裏面は、前述の例と同様の普通とは異なる波状の度数プロファイルを示すが、異なる表面度数値及びより大きい相対変化を示す(図15の破線及び右側軸)。において最小度数を実現するために、裏面は、前述の例よりも大幅に大きな度数を提供し、前面の度数グラデーションの増加と協働するためにより急に変化する必要がある。同様に、裏面度数が−10mmから−30mmへのそのプロファイルに沿って前述の例よりも大きく変化し、この協働によって、いずれの面もそれ自身の有効安定領域を示すことなく2つの面が完成レンズにおいてより高く安定した加入度数領域を形成していることが分かるだろう。
これらの計算は、単一の連続的なグラデーション面を様々な他の面と組み合わせる異なる方法の例を例示している。当業者であれば、1つの例示的な度数グラデーション面によって様々な処方及びレンズ特性を作成することができれば、他の度数グラデーション面をレンズの他方側に使用することによって同様に様々な異なる処方が可能になるとともに、様々な光学的、審美的、又は実際的な性能要素に対応することができることは理解されよう。
以下の例は、単焦点レンズのための連続的な度数グラデーション面の使用を例示する。
例5
この例では、球面度数が−4.25D、円柱度数が+1D、及び円柱度数軸が180°の本発明に係るレンズを設計することを目標とした。このような処方は、かなり一般的ではあるが、通常プラス処方と関連付けられるより高い基本曲線が必要なことが多いラップフレームに適応させるのが特に難しい場合がある。連続的な度数グラデーション設計の1つの利点は、レンズ面の球面曲率をレンズ全体に亘って増加するように選択できることである。この特徴は、例えば、レンズをラップフレームに嵌める際に有利に使用できる。以下の標準フィッティングパラメーターを計算に使用した:眼の角膜からレンズ裏面の頂点までの距離(角膜頂間距離):13mm、フェースフレーム(ラップ)角:15度、及び前傾角:4度。前述の例において使用した面を数学的に表現する方法及び最適化手法を、例5においても使用した。
この例では、図5に例示する連続的な度数グラデーション面をレンズの他面として使用した。なお、本発明のこの面においては、度数増加をレンズの上端部から下端部へ、ではなく、レンズの一側部から他側部へ横断させるようにした。図5における球面度数の等高線(細線)から分かるように、度数グラデーションの増加を、度数が0−180軸に沿ってこめかみ(−30mm)に向かって増加するように配列した。0−180軸に沿うこの面の度数プロファイルのプロットをトレースした図16から、図5に示す面が不連続性や変曲点を有さないことが確認できる。
図17は、図5の連続的な度数グラデーション面と組み合わせて特定の単焦点処方を形成するレンズ裏面の表面度数等高線プロットを示す。この裏面は、該特定の処方における180°の円柱度数軸と調和する、前述の例とは異なる円柱度数分布を示す。また、この面上の球面度数の等高線(細線)は、より高マイナス面(より高い凹面)を描写し、これは所望のRxの−4.25Dの球面度数を収容するのに適している。
図18は、図5及び図17の面の組み合わせによって形成された例のレンズの計算された透過度数の値に対応する度数等高線プロットを示す。これら2つの面の協働によって、矯正球面度数及び円柱度数両方の処方値を有する非常に広範な領域が形成され、この領域は、レンズのこめかみ部分に向かってよく延在している(−y値)。
このレンズに関して計算された度数プロファイルによって、これらの結果が確認できる。図19は、裏面の表面度数プロファイル(破線及び右側のy軸値)並びにレンズの計算された透過度数(実線及び左側のy軸値)をトレースしたものである。この例において、プロファイル線は、レンズの中央に位置付けられ(図18に示すようにy=0の位置)、レンズの鼻側縁部(30mm)からレンズのこめかみ側縁部(−30mm)まで延びている。透過度数プロファイルが、レンズ全体に亘る所望の処方に対して良好に同調し、安定光学度数の非常に大きな有効領域がこのレンズ面の組み合わせによって形成されていることを例示している。本例において、裏面度数プロファイル(図19の破線)は代替の連続的な度数グラデーション面と類似しており、図17に例示するその対応する等高線マップによって、この面が円柱度数値及び球面度数の顕著な変化を有していることが示されている。
この例のレンズ上の矯正処方を有する広範な有効領域は、傾斜した角度で着用者に対してレンズの大部分を表し得るラップ型フレームの場合に、特に注目に値するとともに有利な設計である。この設計による、連続的な度数グラデーション面の加入曲率は、レンズ面のより大部分が眼に対して垂直となることを意味し、これによって、角度的な歪みの少ないより良好な視力矯正が可能になる。驚くべきことに、漸進的に増加する度数は単焦点ラップ型レンズには必要ないにもかかわらず、度数グラデーション面の使用によって、非常に好適な光学的解決手法が提供される。また、この良好に好適化された処方レンズは、ラップ型レンズで典型的に使用される急峻でより球状の基本曲線の代わりに、たった3〜5Dの範囲の前面基本曲線により実現される。
本発明を、好適な実施例、並びにこれらの実施例の複数の変形例や派生例を参照し詳細に開示してきたが、当業者であれば、追加の代替策、組み合わせ、変形が本発明の概念及び範囲から逸脱することなく可能であることは理解されよう。これら及び同様の変形例は、当業者にとって明細書及び図面を精査した後に明らかとなろう。従って、本発明は、以下の特許請求の範囲によって特定されるものである。

Claims (14)

  1. 所望の処方を提供する眼科用レンズであって、
    利用可能な光学領域を有する第1レンズ面と、前記第1レンズ面に対して前記レンズの反対側の第2レンズ面とを備え、
    前記第1レンズ面が、前記利用可能な光学領域の略全体に亘る連続的且つ漸進的な光学度数の変化を有し、前記連続的且つ漸進的な光学度数の変化が、球面度数の変化を有し、
    変曲点を有さず、且つ不連続性を有さず、前記利用可能な光学領域の一方の縁部から、前記利用可能な光学領域の反対側の縁部に向かって増加し、
    前記第2レンズ面が、前記第1レンズ面と協働して、前記レンズが安定光学度数の少なくとも1つの第1有効領域を含んで前記所望の処方を提供するように構成されている眼科用レンズ。
  2. 前記第1レンズ面の前記光学度数の変化が、前記レンズの上端部から前記レンズの下端部に向かって増加する、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  3. 前記第1レンズ面が、着用者から最も遠いレンズ面である、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  4. 前記第1レンズ面が、着用者の目に最も近いレンズ面である、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  5. 前記第1レンズ面と前記第2レンズ面とが協働して、前記所望の処方のための単焦点矯正を提供する、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  6. 前記第1レンズ面と前記第2レンズ面とが協働して、前記所望の処方のための、遠方視用の安定光学度数の第1有効領域と近方視用の安定光学度数の第2有効領域とを提供する、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  7. 前記第1有効領域及び第2有効領域が、前記所望の処方のための2つの異なる光学度数を有する、請求項6に記載の眼科用レンズ。
  8. 前記第1レンズ面上の前記連続的且つ漸進的な光学度数の変化が、円柱度数の変化を更に含む、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  9. 前記第1レンズ面上の前記連続的且つ漸進的な光学度数の変化が、度数の線形増加を含む、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  10. 前記第1レンズ面上の前記連続的且つ漸進的な光学度数の変化が、度数の非線形増加を含む、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  11. 前記第1レンズ面の前記光学度数の変化が、レンズを横断するように増加する、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  12. 遠方視値及び近方視値両方を有する所望の処方を提供するための眼科用レンズであって、
    利用可能な光学領域を有する第1レンズ面と、前記第1レンズ面に対して前記レンズの反対側の第2レンズ面とを備え、
    前記第1レンズ面が、前記利用可能な光学領域の略全体に亘る連続的且つ漸進的な光学度数の変化を有し、前記連続的且つ漸進的な光学度数の変化が、度数の線形増加を含み、変曲点を有さず、且つ不連続性を有さず、前記利用可能な光学領域の一方の縁部から、前記利用可能な光学領域の反対側の縁部に向かって増加し、
    前記第2レンズ面が、前記第1レンズ面と協働して、前記レンズが遠方視用の安定光学度数の少なくとも1つの第1有効領域と近方視用の安定光学度数の少なくとも1つの第2有効領域とを含んで前記所望の処方を提供するように構成されている眼科用レンズ。
  13. 前記第1及び第2有効領域が、前記所望の処方のための2つの異なる光学度数を有する、請求項12に記載の眼科用レンズ。
  14. 遠方視値及び近方視値両方を有する所望の処方を提供するための眼科用レンズであって、
    利用可能な光学領域を有する第1レンズ面と、前記第1レンズ面に対して前記レンズの反対側の第2レンズ面とを備え、
    前記第1レンズ面が、前記利用可能な光学領域の略全体に亘る連続的且つ漸進的な光学度数の変化を有し、前記連続的且つ漸進的な光学度数の変化が、度数の非線形増加を含み、変曲点を有さず、且つ不連続性を有さず、前記利用可能な光学領域の一方の縁部から、前記利用可能な光学領域の反対側の縁部に向かって増加し、
    前記第2レンズ面が、前記第1レンズ面と協働して、前記レンズが遠方視用の安定光学度数の少なくとも1つの第1有効領域と近方視用の安定光学度数の少なくとも1つの第2有効領域とを含んで前記所望の処方を提供するように構成されている眼科用レンズ。
JP2012551146A 2010-01-29 2010-09-30 連続的な度数グラデーションを有するレンズ Active JP5856080B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12/697,060 2010-01-29
US12/697,060 US8042941B2 (en) 2010-01-29 2010-01-29 Lens with continuous power gradation
PCT/US2010/050986 WO2011093929A1 (en) 2010-01-29 2010-09-30 Lens with continuous power gradation

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013518309A JP2013518309A (ja) 2013-05-20
JP2013518309A5 JP2013518309A5 (ja) 2013-11-21
JP5856080B2 true JP5856080B2 (ja) 2016-02-09

Family

ID=43033251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012551146A Active JP5856080B2 (ja) 2010-01-29 2010-09-30 連続的な度数グラデーションを有するレンズ

Country Status (8)

Country Link
US (1) US8042941B2 (ja)
EP (1) EP2529270B1 (ja)
JP (1) JP5856080B2 (ja)
CN (1) CN102741735B (ja)
BR (1) BR112012018978B1 (ja)
CA (1) CA2785885C (ja)
ES (1) ES2582452T3 (ja)
WO (1) WO2011093929A1 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5789108B2 (ja) * 2011-03-08 2015-10-07 イーエイチエス レンズ フィリピン インク 累進屈折力レンズおよびその設計方法
JP6095271B2 (ja) * 2012-03-05 2017-03-15 イーエイチエス レンズ フィリピン インク レンズセット、レンズ設計方法及びレンズ製造方法
CN102830503A (zh) * 2012-07-26 2012-12-19 苏州苏大明世光学有限公司 一种通用型渐进多焦点镜片与模具
US9265458B2 (en) 2012-12-04 2016-02-23 Sync-Think, Inc. Application of smooth pursuit cognitive testing paradigms to clinical drug development
EP2752703A1 (en) * 2013-01-07 2014-07-09 ESSILOR INTERNATIONAL (Compagnie Générale d'Optique) Ophthalmic lens having at least a stable zone
US9380976B2 (en) 2013-03-11 2016-07-05 Sync-Think, Inc. Optical neuroinformatics
ES2576489T3 (es) * 2013-08-02 2016-07-07 Essilor International (Compagnie Générale d'Optique) Un método para controlar un dispositivo de lente oftálmica programable
US9618774B2 (en) * 2014-02-10 2017-04-11 Shamir Optical Industry Ltd. Quasi progressive lenses for eyewear
AU2015260773B2 (en) 2014-05-11 2019-11-28 AddOn Optics Ltd. Adhesive optical film to convert an eyeglass lens to a progressive lens
JP6758295B2 (ja) * 2014-12-31 2020-09-23 エシロール エンテルナショナル 眼鏡フレームに枠入れされるための眼鏡眼用レンズ
CN108351531B (zh) * 2015-11-13 2021-04-30 依视路国际公司 畸变管理得到改善的镜片
EP3352001B1 (de) 2017-01-20 2023-03-29 Carl Zeiss Vision International GmbH Gleitsicht-brillenglas mit variablem brechungsindex und verfahren zu dessen entwurf und herstellung
WO2019141386A1 (de) * 2018-01-19 2019-07-25 Carl Zeiss Vision International Gmbh Gleitsicht-brillenglas mit variablem brechungsindex und verfahren zu dessen entwurf und herstellung
US10330950B2 (en) * 2017-02-23 2019-06-25 Indizen Optical Technologies of America, LLC Progressive lenses with reduced peripheral mean sphere
EP3683618A1 (en) * 2019-01-21 2020-07-22 Essilor International (Compagnie Generale D'optique) System and method for demonstrating an optical disorder
US11378821B2 (en) 2019-09-26 2022-07-05 AddOn Optics Ltd. Progressive lens and method of manufacture thereof
US11668932B2 (en) 2020-01-06 2023-06-06 Meta Platforms Technologies, Llc Switchable Pancharatnam-Berry phase grating stack
US11294184B2 (en) * 2020-01-06 2022-04-05 Facebook Technologies, Llc Foveated display system
US11448803B1 (en) 2020-01-06 2022-09-20 Facebook Technologies, Llc Pancake lens including diffuser
US11249312B2 (en) * 2020-05-01 2022-02-15 Google Llc Color-corrected curved optical see-through thin lightguide with large field of view in eyewear formfactor
US11520308B2 (en) 2020-07-29 2022-12-06 Indizen Optical Technologies of America, LLC Progressive lenses with variable reduced peripheral mean sphere
US11126012B1 (en) 2020-10-01 2021-09-21 Michael Walach Broadview natural addition lens
TWI741902B (zh) * 2020-12-07 2021-10-01 春秋光學股份有限公司 用於減緩或預防近視進展之鏡片
CN116679465B (zh) * 2023-08-03 2023-10-13 苏州派视光学有限公司 一种双面渐进多焦点镜片及其设计方法

Family Cites Families (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2109474A (en) * 1931-12-07 1938-03-01 Evans Charles Ernest Spectacle lens
US2475275A (en) * 1945-01-19 1949-07-05 Birchall Henry James Lens of variable focal power having surfaces of involute form
US2878721A (en) * 1954-02-03 1959-03-24 Farrand Optical Co Inc Multifocal ophthalmic lenses
BE755907A (fr) * 1969-09-11 1971-02-15 Lunetiers Lentilles a puissance focale progressive
US3711191A (en) * 1971-09-16 1973-01-16 L Tagnon Aberration corrected ophthalmic progressive power lenses
US3797922A (en) * 1973-05-10 1974-03-19 Polaroid Corp Azygous ophthalmic lens and spectacles for correcting presbyopia
FR2425653A1 (fr) * 1978-05-12 1979-12-07 Essilor Int Procede pour elaborer une surface de refraction d'une lentille ophtalmique a puissance focale progressivement variable
JPS56144414A (en) * 1980-04-12 1981-11-10 Hoya Corp Progressive multifocal lens
US4580882A (en) * 1983-04-21 1986-04-08 Benjamin Nuchman Continuously variable contact lens
US4538887A (en) * 1984-03-08 1985-09-03 Bristol Alexander C Aspheric spectacle lens blank
US4861153A (en) * 1986-12-19 1989-08-29 American Optical Corporation Progressive addition spectacle lens
DE3716201C2 (de) * 1987-05-14 2001-02-15 Rodenstock Optik G Progressives Brillenglas
JP2756670B2 (ja) * 1987-11-30 1998-05-25 旭光学工業株式会社 累進多焦点眼鏡レンズ
US5327181A (en) * 1993-01-12 1994-07-05 Gentex Optics, Inc. Progressive lens for specialty and occupational use
JP3800629B2 (ja) * 1995-11-24 2006-07-26 セイコーエプソン株式会社 眼鏡用多焦点レンズおよび眼鏡レンズ
US6019470A (en) * 1995-11-24 2000-02-01 Seiko Epson Corporation Progressive multifocal lens and manufacturing method of eyeglass lens and progressive multifocal lens
US5726734A (en) * 1996-01-19 1998-03-10 American Optical Corporation Hard/soft superposition progressive lens design
US5847803A (en) * 1996-09-17 1998-12-08 Innotech, Inc. Optic incorporating a power gradient
AUPO625797A0 (en) * 1997-04-17 1997-05-15 Sola International Holdings Ltd Spectacles bearing sunglass lenses
US6364481B1 (en) * 1997-07-18 2002-04-02 Sola International Holdings Ltd. Lens with surface correction
AUPP016197A0 (en) * 1997-11-03 1997-11-27 Sola International Holdings Ltd Improved ophthalmic lens
AR018453A1 (es) * 1998-06-04 2001-11-14 Sola Int Holdings Elemento de lente optico, serie de elementos de lente opticos, articulo oftalmico de prescripcion, metodo para fabricar un elemento de lente optico;y elemento de lente oftalmico de prescripcion de vision simple.
US6149271A (en) * 1998-10-23 2000-11-21 Innotech, Inc. Progressive addition lenses
US6139148A (en) * 1999-02-04 2000-10-31 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Progressive addition lenses having regressive surfaces
EP1188076A2 (en) * 1999-05-25 2002-03-20 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Progressive addition lenses with modified channel power profiles
ES2316803T3 (es) * 2002-05-28 2009-04-16 Hoya Corporation Lente progresiva de doble cara.
US6874887B2 (en) * 2003-04-09 2005-04-05 Bausch & Lomb Incorporated Multifocal contact lens
US6956682B2 (en) * 2003-06-26 2005-10-18 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Method for designing progressive addition lenses
JP4437482B2 (ja) * 2003-11-27 2010-03-24 Hoya株式会社 両面非球面型累進屈折力レンズおよびその設計方法
EP1691232B1 (en) 2003-11-27 2009-08-12 Hoya Corporation Both-sided progressive spectacle lens
JP4530207B2 (ja) * 2004-07-08 2010-08-25 Hoya株式会社 ベンディング角を有するフレームに用いる眼鏡レンズの設計方法及びベンディング角を有するフレームに用いる眼鏡レンズ
US7159983B2 (en) * 2004-10-29 2007-01-09 Essilor International (Compagnie Generale D'optique) Multifocal lenses for pre-presbyopic individuals
FR2880428B1 (fr) * 2005-01-04 2007-10-26 Essilor Int Verre ophtalmique progressif et procede de fabrication d'un tel verre
FR2888344B1 (fr) * 2005-07-11 2007-09-14 Essilor Int Lentille ophtalmique
FR2894038B1 (fr) * 2005-11-29 2008-03-07 Essilor Int Lentille ophtalmique.
DE102008022010B4 (de) 2008-05-02 2014-10-09 Michael Penczek Asphärische optische Linse sowie Brille mit wenigstens einer derartigen Linse

Also Published As

Publication number Publication date
EP2529270B1 (en) 2016-06-08
EP2529270A1 (en) 2012-12-05
BR112012018978B1 (pt) 2020-02-04
BR112012018978A2 (pt) 2018-03-27
WO2011093929A1 (en) 2011-08-04
US20110187993A1 (en) 2011-08-04
ES2582452T3 (es) 2016-09-13
CA2785885C (en) 2016-07-05
CA2785885A1 (en) 2011-08-04
CN102741735A (zh) 2012-10-17
CN102741735B (zh) 2015-04-08
JP2013518309A (ja) 2013-05-20
US8042941B2 (en) 2011-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5856080B2 (ja) 連続的な度数グラデーションを有するレンズ
JP4481647B2 (ja) バランスされた累進レンズ
JP5379945B2 (ja) 誘起絞りを備えた多焦点眼用レンズ
US7883206B2 (en) Multifocal lens having a progressive optical power region and a discontinuity
JP4425350B2 (ja) プログレッシブレンズ要素及びその設計方法並びに使用方法
US8092016B2 (en) Multifocal lens having a progressive optical power region and a discontinuity
US8287124B2 (en) Opthalmic lenses having reduced base out prism
AU2015213612B2 (en) Quasi progressive lenses for eyewear
JP2007241276A (ja) 累進焦点眼鏡レンズの決定方法
US8807746B2 (en) Spectacle lens, spectacles, and method for manufacturing spectacle lens
JP2021131574A (ja) 補助画像を出力するように構成された累進加入度眼用レンズの光学系を計算する方法
CA2680870C (en) Multifocal lens having a progressive optical power region and a discontinuity
JP2005062805A (ja) コンタクトレンズおよびその形成方法
JP2010513985A (ja) 改良された単一視力眼鏡
JP2010513985A5 (ja)
WO2023006579A1 (en) Spectacle lens design, method of determining a spectacle lens design, method of manufacturing a spectacle lens, computer program, computer readable storage medium, data processing system and data set stored on a computer-readable storage medium

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130930

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140620

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140908

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140918

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150805

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20151006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5856080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250