JP4481647B2 - バランスされた累進レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、眼科用累進レンズ、特に、中心視覚用および周辺視覚用に対する異なるレンズ表面領域において別個に目標とされる最適化を示す汎用眼科用累進レンズ、およびこのようなレンズの製造プロセスに関する。
従来技術において、多くの累進レンズが知られている。累進レンズはこれまで、レンズが遠方観察用領域、近方観察用領域、および中間距離観察用領域を有するということに基づいて設計されている。中間距離観察用領域は、近方観察用領域と遠方観察用領域とを、着用者のレンズを人々が見たときにレンズの不連続性がまったく見えてはならないという意味で、見た目に許容される方法で結合される。中間距離観察用領域の設計は、「眼経路」と言われるライン(これに沿って、レンズの光学度数が一様に増加または減少する)に基づいている。
従来技術の累進レンズでは、レンズ表面全体を最適化する試みを、全体的な最適化基準を用いて行なっており、基準は、最適化すべき表面または光線追跡される(光学的)量である。このアプローチでは、累進レンズが2つの機能的に異なる領域を有するということを考慮していない。一方は、遠方、中間、および近方の物体距離での中心観察用のもの、他方は周辺観察専用のものである。また明瞭な遠方観察および近方観察のために意図された領域のサイズの適切なバランスの問題は、これまで対処されていなかった。
臨床試験および開業医による調査では、現在市場に出ている累進レンズのほとんどが、実質的に、近方視力を犠牲にして遠方視力性能への偏りを示すことが示唆されている。さらに中間距離観察用領域の光学部材に対しては、ほとんど注意が払われていない。
加えて従来技術の累進レンズでは、光学的両眼性の問題は、近方視力のみについて対処されており、主に近方基準点(NRP)の挿入物を選択するということで対応されている。
レンズが中心視覚に対して最適化されるように、すなわち選択された光学的ぼけ指標を、遠方観察用領域、中間観察用領域、および近方観察用領域において最小となるようにする一方で、レンズの周辺領域を最適化して累進レンズがもたらす周辺領域において発生する不快感および目眩を減らすように、眼科用累進レンズを設計できたならば、従来技術において著しい進歩となるであろう。汎用累進レンズの設計が、観察領域サイズをバランスさせて通常の着用者に遠方視力性能および近方視力性能について等しく満足してもらえるように、行なわれたなら、従来技術においてさらに著しい進歩となるであろう。
累進レンズの設計において、近方から中間距離に目を移動したときに良好な光学的両眼性が確実に維持されたなら、当該技術分野においてさらにまた進歩となるであろう。
半仕上げの累進レンズは通常、広範囲な処方箋に対する要求を満たすように、ベース・カーブおよび付加度数の組み合わせでデザインされる。この結果、着用者の処方箋ごとにレンズ性能が変わりやすいという問題が起こる。広範囲な処方箋が人口中に存在していると仮定すると、すべての重要なレンズ・パラメータにおいてレンズ性能をすべての人々に対して等しくすることは、実質的に不可能となるであろう。これは特に、付加度数に伴うレンズ性能の変化の場合がそうである。従来技術の累進レンズ群のうち、この問題に対処しようと試みているものはほとんどない。この問題を解決しようとするこれまでの試みでは、レンズの全体的な性能に対する着用者の知覚を決定する最も重要なレンズ特性を、特定できないでいた。
最も重要な性能特性の少なくとも一部において、処方箋ごとの累進レンズ性能の変化が低減されたならば、当該技術分野においてさらにまた進歩となるであろう。
したがって本発明の目的は、従来技術に関連する問題および不完全性の1つまたは複数を、打開または少なくとも軽減することである。本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、以下の開示から明らかになる。
用語「コリダ」は、本明細書で用いるように、鼻及び中心視覚に対する許容可能な収差の一時的な等高線によって境界が付けられた、度数が変化する中間領域を示す。コリダは、「コリダ長」(L)を有する。これは、本明細書で用いるように、フィッティング・クロス(FC)の垂直高さから近方視力測定点の垂直高さまで延びる固定視位置のセグメントの長さに対応する。
用語「目眩」は、本明細書で用いるように、動的な目視作業中の視野内での物体の不自然な動きに対する着用者の知覚を意味する。これは、不安定さ、眩惑、または吐き気の感覚の原因となる場合がある。
用語「RMS度数誤差」または「RMSぼけ」は、本明細書で用いるように、以下を意味する。
Figure 0004481647
ここでεは、レンズ・バーゼンス行列Λの、基準球体におけるその理想的な補正Λ0からのずれとして規定される焦点誤差行列であり、以下のように書くことができる。
Figure 0004481647
ここで、正規直交基底系を選ぶことによって、ε12=ε21である。
用語「レンズ要素」は、本明細書で用いるように、眼科技術で用いられる個別の屈折性光学ボディのすべての形態を意味する。これにはたとえば(これらに限定されないが)、レンズ、レンズ・ウェハ、特定の患者の処方箋に合わせてさらに最終仕上げが必要である半仕上げのレンズ半加工品が含まれる。また累進ガラス・レンズの製造で用いられる形成用道具、および商品名称CR39の下で販売される材料などの高分子材料で累進レンズを成形するための型も含まれる。
用語「非点収差または表面非点収差」は、本明細書で用いるように、レンズ表面上の一点においてレンズ表面に対して垂直な交差する面の間でレンズの曲率が変化する度合の測定値を意味する。
用語「観察領域一致」は、本明細書で用いるように、物体空間内における光線追跡されたRMS度数誤差等高線の両眼オーバーラップ領域を意味する。
用語「固定視位置」は、正中面内の物体を患者が凝視したときのレンズ前面と患者の視線の交差する点の組を意味する。この用語は、必要とされる連続的な眼の移動経路を意味しない。むしろ固定視位置は、正中面内の様々に配置された物体に対応する点の組を示す。
したがって、本発明の第1の態様においては、レンズ表面を含む眼科用累進レンズ要素であって、レンズ表面が、
遠方視力に対応する屈折力を実現する表面度数を有する上部観察領域と、
近方視力に対応する屈折力を実現する、上部観察領域とは異なる表面度数を有する下部観察領域と、
レンズ要素を横断して延び、表面度数が上部観察領域の表面度数から下部観察領域の表面度数まで変化する中間観察領域と、を有し、
上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数が、対応する物体距離範囲に対して、選択されたぼけ指標を、低減または最小限にするように光学的に設計され、
眼科用レンズ要素の表面の周辺領域の少なくとも一部が、目眩の感覚と相関することが知られる1つまたは複数の表面特性を低減または最小限にするようにデザインされる眼科用累進レンズ要素が提供される。
本発明によって、クリアーな中心視覚に対する領域のサイズを増加させることによって機能性を高め、着用者が経験する目眩の可能性を低減することによって着用者による容認を高めるように、累進レンズ・デザインを適応させられることが理解される。
好ましい実施形態においては、上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数において、着用者がぼけを知覚することが低減されしたがって中心視覚が改善されることが、固定視位置からの処方された可変距離によって限定される領域上でレンズの光学特性を最適化してRMS度数誤差を最小限にすることによって、可能となる。より好ましくは、RMS度数誤差は、上部および下部観察領域において最小限にされる。
好ましくは、最適化ステップは、RMS度数誤差の中心視覚に対する観察領域上での表面積分を最小限にするようなものである。
より好ましくは、RMS度数誤差等高線が測定される固定視位置を、臨床的な測定によって規定しても良い。固定視位置は好ましくは、指定された付加度数を必要とする多くの患者に対する人口平均の瞳孔間距離(PD)と平均読み取り距離とを用いる平均固定視位置である。その結果、光追跡技術を用いた典型的な平均固定視位置を作成しても良い。
したがって、この固定視位置を確立することによって、最適化の結果を実質的に改善しても良い。
好ましい形態においては、レンズ要素表面は、ぼけを低減する一方で実質的な両眼性または観察領域一致を下部および中間観察領域において維持するようにデザインされる。
より好ましくは、レンズ要素表面のデザインは、
ほぼS字状の三次式スプライン関数が、フィッティング・クロス(FC)と近方視力基準点(NRP)との間の中間物体距離の全範囲を記述するようにフィッティングされ、
第2のほぼS字状の三次式スプライン関数が、この関数がFCにおける着用者の焦点深度値を超えずNRPにおける必要な公称の指定表面付加度数を与えるように、レンズ光学バーゼンス付加度数の変化を記述するようにフィッティングされ、
光線追跡技術を用いた固定視位置に対応するラインがレンズ前面上で計算され、
重み付きRMS度数誤差の表面積分を低減または最小限にするように特定領域上で表面特性が最適化され、たとえば、選択された処方箋、眼−レンズ構成、可変物体距離分布に対する目標レンズを反復的に光線追跡することによって計算されるように、行なわれる。
本発明のさらに好ましい実施形態においては、たとえば、近視眼患者(たとえば、表面度数として約−1.50D(ディオプター)〜約+1.50Dを必要とする)の場合には、上部観察領域および下部観察領域のデザインは、レンズ要素の指定された付加度数において平均的な着用者に対して実質的に等しい満足を与えるようなものであっても良い。たとえば上部および下部観察領域の個々のサイズを、遠方および近方視力に対する光学性能を実質的にバランスさせるように選択しても良い。
より好ましくは、下部または近方観察領域における光学的視野のサイズを、ベース・カーブに関係なく、事前選択された距離だけ着用者の眼から間隔を置いて配置された物体に対して実質的に一定に維持しても良い。光学的視野は、着用者にとって煩わしいぼけに対して臨床的に確立された閾値、たとえば近方観察領域における約0.75D、に対応するRMS度数誤差等高線によって規定される領域として測定される。
前述したように、本発明による眼科用累進レンズ要素によって、周辺領域における目眩の現象が低減され、したがって周辺視覚が改善される。すなわち眼科用累進レンズ要素の周辺領域の最適化を別個に目標として目眩の現象の影響を低減することによって、着用者の周辺視覚を改善しても良い。
周辺領域における目眩の低減を、目眩の現象と相関することが分かっている1つまたは複数の表面特性、たとえばサジタル付加度数のずれおよび/またはレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度、を低減または最小限にすることによって、行なっても良い。
したがって、周辺領域内で、事前選択されたサジタル付加度数値からのずれまたは光線追跡されるレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度を低減または最小限にするように、レンズ要素表面をデザインしても良い。
たとえば、事前選択されたサジタル付加度数値が、下部または近方観察領域における公称の付加度数の半分にほぼ等しくても良い。
加えて、本発明のさらに好ましい実施形態においては、表面非点収差の量を周辺領域内で制御しても良い。と言うのは、この量のレベルが高いと着用者を不快にする場合があるからである。
したがってレンズ要素表面をさらに、周辺領域内で表面非点収差の値を低減または最小限にするようにデザインしても良い。
好ましくはレンズ要素表面を、目眩と相関のある2つ以上の特性の重み付き合計を最小限にするようにデザインしても良い。したがってレンズ要素表面は、表面非点収差とサジタル付加度数変化との重み付き合計または光線追跡されるレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度を最小限にするようにデザインしても良い。
したがって本発明のこの態様においては、前述したように、累進レンズ要素表面が、変更された表面非点収差分布を周辺領域において示す眼科用累進レンズ要素が提供される。
好ましくは、上部または遠方観察領域に隣接する周辺領域における表面非点収差の分布が、下部または近方観察領域に近接する領域の勾配に比較して低い勾配を示す。
好ましくは、フィッティング・クロス(FC)から約30mm半径まで延びる2つのセクタであってFCを通る水平線の中心から60°の角度に広がるセクタにおけるサジタル付加度数の最大値が、比較的低いレベルに維持される。好ましくは、サジタル付加度数の最大値は、下部または近方観察領域における最大サジタル付加度数の3分の2を超えてはならない。
好ましくは、周辺の表面非点収差の最大レベルが、比較的低いレベルに、たとえば累進レンズ要素のフィッティング・クロス(FC)の周囲の約30mm半径以内の累進レンズ要素の付加度数を超えないように、維持される。
より好ましくは、遠方観察領域における表面非点収差の分布が、レンズ周辺に隣接して比較的低い勾配を示しても良い。したがって遠方領域と周辺領域との間の境界が、比較的緩やかであるという特徴であっても良い。
出願人は、視覚の周辺における性能が良好であること、特に「目眩」のレベルを低減することが、着用者による容認を助長するものであることを見出した。
前述した変更は、たとえば、フィッティング誤差に対する感度を低減すること、およびレンズを順応し易いものにすることの両方を行なっても良い。と言うのは、遠方および中間周辺観察領域の間の移り変わりは、それほど知覚できるものではないからである。また周辺観察領域の大きな領域上でのプリズム勾配の周囲構成要素の変化度をより滑らかにして、累進レンズによって誘発される可能性がある不快な目眩感覚を減少できるようにしても良い。
本発明による眼科用レンズ要素は、レンズ要素の群の1つを形成しても良いことが理解される。
したがって、本発明のさらなる態様においては、各レンズ要素がレンズ表面を含む眼科用累進レンズ要素の群であって、レンズ表面は、
遠方視力に対応する屈折力を実現する表面度数を有する上部観察領域と、
近方視力に対応する屈折力を実現する、上部観察領域とは異なる表面度数を有する下部観察領域と、
各レンズ要素を横断して延び、表面度数が上部観察領域の表面度数から下部観察領域の表面度数まで変化する中間観察領域と、を有し、
眼科用累進レンズの群は、
第1の特定のカテゴリの患者に対する距離範囲の処方箋を与える際の使用に適したベース・カーブを有する第1のレンズ要素組を有し、組の中の各レンズ要素は、処方された付加度数が異なり、その累進設計は、
各レンズ要素の上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数が、対応する物体距離範囲に対して、選択されたぼけ指標を低減または最小限にするように光学的に設計されるように、行なわれ、
各レンズ要素表面の周辺領域の少なくとも一部が、目眩の感覚と相関することが知られる1つまたは複数の表面特性を低減または最小限にするように設計される眼科用累進レンズ要素の群が提供される。
前述したように、上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数において、着用者がぼけを知覚することが低減されしたがって中心視覚が改善されることが、固定視位置からの処方された可変距離によって限定される領域上でレンズ表面を最適化してRMS度数誤差を最小限にすることによって、可能となる。
好ましくは、最適化ステップは、重み付きRMS度数誤差の表面積分を、上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数において、固定視位置からの処方された可変距離によって限定される領域上で最小限にするようなものである。
より好ましくは、RMS度数誤差等高線が測定される固定視位置が、指定された付加度数を必要とする着用者に対する人口平均の瞳孔間距離と平均読み取り距離とを用いる多くの患者に対する平均固定視位置である。
さらに、前述したように、各眼科用累進レンズ要素において、「典型的な平均」固定視位置域を着用者の各カテゴリに対して、直接的な臨床的測定方法を用いて確立しても良い。
各レンズ要素表面は、ぼけを低減する一方で実質的な両眼性または観察領域一致を近方および中間観察領域において維持するようにデザインしても良い。
したがって各レンズ要素表面のデザインは、
ほぼS字状の三次式スプライン関数が、フィッティング・クロス(FC)と近方視力基準点(NRP)との間の中間物体距離の全範囲を記述するようにフィッティングされ、
第2のほぼS字状の三次式スプライン関数が、この関数がFCにおける着用者の焦点深度値を超えずNRPにおける必要な公称の指定表面付加度数を与えるように、レンズ光学バーゼンス付加度数の変化を記述するようにフィッティングされ、
光線追跡技術を用いた固定視位置に対応するラインがレンズ前面上で計算され、
重み付きRMS度数誤差の表面積分を低減または最小限にするように特定領域上で表面特性が最適化されるように、行なっても良い。
より好ましくは、各眼科用累進レンズ要素の下部観察領域または近方観察領域におけるクリヤーな光学的視野のサイズは、ベース・カーブに関係なく、事前選択された距離だけ着用者の眼から間隔を置いて配置された物体に対して実質的に一定に維持されて、クリヤーな光学的視野は、近方観察領域における約0.75Dに対応するRMS度数誤差等高線によって限定される領域として測定されても良い。
本発明のこの態様のさらに好ましい実施形態においては、本発明による眼科用累進レンズ要素によって、周辺領域における目眩の現象が低減され、したがって周辺視覚が改善される。すなわち眼科用累進レンズ要素表面の周辺領域の最適化を別個に目標として目眩の現象の影響を低減することによって、着用者の周辺視覚を改善しても良い。最適化ステップは、目眩の現象と相関することが分かっている1つまたは複数の光学特性、たとえばサジタル付加度数またはレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度および/または表面非点収差を低減または最小限にする基準に基づいても良い。好ましくは最適化は、前述したように、2つ以上の目眩特性の重み付き合計を最小限にするように各レンズ要素表面をデザインすることによって実現される。
加えて、本発明のこの態様のさらに好ましい実施形態においては、表面非点収差の量を周辺領域内で制御しても良い。と言うのは、この量のレベルが高いと着用者を不快にする場合があるからである。
さらに好ましい実施形態においては、周辺領域内で、事前選択されたサジタル付加度数値からのずれまたは光線追跡されるレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度が低減または最小限にされるように、レンズが目眩を低減するようにデザインする。
好ましくは、事前選択されたサジタル付加度数値は、近方観察領域における公称の付加度数の半分にほぼ等しい。
より好ましくは、各レンズ要素表面はさらに、周辺領域内で表面非点収差の値を低減または最小限にするようにデザインされる。
特に好ましい形態においては、各レンズ要素表面は、表面非点収差とサジタル付加度数変化との重み付き合計または光線追跡されるレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度を最小限にするようにデザインされる。
出願人は、クリヤーな遠方および近方視力のそれぞれに対して利用可能な観察領域を評価するために、および物体空間におけるこれらの観察領域のサイズを定量化するために、光線追跡用の特定物体を慎重に構成した。クリヤーな遠方視力に対して利用可能な観察領域のサイズを評価するために選択された物体は、8×4mの長方形であり、見る者の眼の8m前に縦に配置して、右眼で凝視する真っ直ぐ前方方向の中心に置いた。臨床データから得られた64mmの平均的な瞳孔間距離PDを、遠方および近方観察領域のサイズを計算する際に用いる。
クリヤーな近方視力に対して利用可能な観察領域のサイズを評価するために選択された物体は、平坦な長方形から構成され、サイズはA3ページ(420×297mm)であり、垂直面に対して15°傾いている。光線追跡用に用いる眼からの近方物体の距離は、レンズの付加度数に依存し、臨床データから得られる。クリヤーな視覚の領域は、臨床的に確立された煩わしいぼけの閾値に対応する光線追跡されたRMS度数誤差等高線の内部の領域から評価される。これらの値は、遠方および近方視力に対して異なっており、それぞれ約0.50Dおよび0.75Dである。着用者によって経験されたRMS度数誤差を評価するときには、(2.50−付加度)Dの調節余力を考慮にいれる。クリヤーな視覚に対して利用可能な観察領域サイズが、選択された物体の全領域のパーセンテージ割合として記録される。
たとえば出願人は、選択された遠方および近方物体の両方に対するクリヤーな視覚観察領域が約50%を表わすときに、平面の遠用度数に対して光線追跡された中央の正視眼者2.00D付加度数レンズ要素に対して、遠方および近方物体のサイズは実質的にバランスされることを見出している。
より好ましくは、下部または近方観察領域および周辺領域の光学性能は実質的に、所定の付加度数および各ベース・カーブに対して等しくされる。これは、後述する図4に示すレンズ・デザインの群に示されている。
特に好ましいのは、フィッティング・クロス(FC)から約30mm半径まで延びる2つのセクタであってFCを通る水平線の中心から60°の角度に広がるセクタにおけるサジタル付加度数の最大値が、近方観察領域における最大サジタル付加度数の3分の2を超えないことである。
さらに好ましい態様においては、各レンズ要素表面が、変更された表面度数分布および/または表面非点収差分布を周辺領域において示す。
たとえば、周辺表面非点収差の最大レベルが、各レンズ要素のフィッティング・クロス(FC)の約30mm半径以内の比較的低いレベルに維持される。
本発明のこの態様の好ましい実施形態においては、眼科用累進レンズ要素の群は、
第2のカテゴリの患者に対する距離範囲の処方箋を与える際の使用に適したベース・カーブを有する第2のレンズ要素組をさらに含み、
組の中にある各レンズ要素は、処方された付加度数が異なり、その累進デザインは、
各レンズ要素の上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数が、対応する物体距離範囲に対して、選択されたぼけ指標を最小限にするように光学的にデザインされるように、行なわれ、
各レンズ要素表面の周辺領域の少なくとも一部が、目眩の感覚と相関することが知られる1つまたは複数の表面特性を最小限にするようにデザインされ、
ぼけを最小限にするように最適化された観察領域における第1の組の中のレンズ要素の表面特性は、第2の組の中の対応するレンズ要素と、この/これらのベース・カーブ用のRx範囲の光学的要求が異なるために、累進デザインが実質的に異なっていても良い。
本明細書で言及される患者の第1および第2のカテゴリは、近視眼者、正視眼者、および遠視眼者からなる組から選択されても良い。好ましくは、第1のカテゴリは正視眼患者であり、第2のカテゴリは近視眼患者である。
用語「近視眼患者」は、近視で悩む患者を意味する。これは、平行光線が網膜の前で焦点を結ぶ眼の状態であり、凹レンズによって矯正される。
用語「正視眼患者」は、平行光線がほぼ網膜上で焦点を結ぶ眼の状態を示す患者を意味する。
用語「遠視眼患者」は、遠視に悩む患者を意味する。これは、平行光線が網膜の後で焦点を結ぶ眼の状態であり、凸レンズによって矯正される。
第1のカテゴリの患者が正視眼患者の場合には、上部観察領域および下部観察領域のデザインが、各レンズ要素の指定された付加度数において平均的な着用者に対して実質的に等しい満足を与えるようなものであっても良い。したがって上部および下部観察領域における光学的視野の個々のサイズが、遠方および近方視力に対する光学性能を実質的にバランスさせるように選択される。
たとえば、遠方および近方物体の両方に対する光学的視野が、物体の原寸サイズの約50%を表わすときに、前述した遠方および近方物体のサイズが実質的に、正視眼の2.00D付加度数レンズ要素に対してバランスされる。
さらにまた好ましい実施形態においては、眼科用累進レンズ要素は、
第3のカテゴリの患者に対する距離範囲の処方箋を与える際の使用に適したベース・カーブを有する第3のレンズ要素組をさらに含み、
第3の組の中にある各レンズ要素は、処方された付加度数が異なり、その累進デザインは、
各レンズ要素の上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数が、対応する物体距離範囲に対して、選択されたぼけ指標を最小限にするように光学的にデザインされるように、行なわれ、
各レンズ要素表面の周辺領域の少なくとも一部が、目眩の感覚と相関することが知られる1つまたは複数の表面特性を最小限にするようにデザインされ、
ぼけを最小限にするように最適化された観察領域における第3の組の中のレンズ要素の表面特性は、第1および第2の組の中の同じ付加度数における対応するレンズ要素と、この/これらのベース・カーブ用のRx範囲の光学的要求が異なるために、累進デザインが実質的に異なっていても良い。
第3のカテゴリの患者は、第1および第2のカテゴリとは異なっており、近視眼、正視眼、または遠視眼患者から選択しても良い。好ましくは第3のカテゴリの患者は、遠視眼患者である。
本発明のこの態様の好ましい形態においては、下部観察領域におけるクリヤーな光学的視野のサイズは、ベース・カーブに関係なく、事前選択された距離だけ着用者の眼から間隔を置いて配置された物体に対して実質的に一定に維持され、明瞭な光学的視野は、約0.75Dに対応するRMS度数誤差等高線によって限定される領域として測定される。
前述したように、出願人は、累進レンズに対するデザイン要求が、着用者が近視眼者、正視眼者、遠視眼者、または他のカテゴリの患者であるか、レンズ・ベース・カーブ、距離処方箋、および着用者によって要求される付加度数のレベルに関して異なることを見出している。
眼科用累進レンズの群は、他のグループの患者に適合するために、4組以上のレンズを含んでいても良い。たとえば、高近視眼患者および/または高遠視眼患者に対する追加のレンズの群を、含んでいても良い。
眼科用累進レンズ要素は好ましくは、5つのベース・カーブを、たとえば1つのベース・カーブあたり9〜12の付加度数で、たとえば0.25D単位で有し、その結果、全部で最大60の別個のレンズ要素対(左おおよび右)となる。
本発明のさらなる態様においては、そのまたはそれぞれの眼科用累進レンズ要素の中間観察領域のデザインは、「眼経路」または「固定視位置」と言われるライン(これに沿って、レンズの光学度数が一様に増加または減少する)に基づくことが理解される。遠方観察領域においてフィッティング・クロスで始まり下部または近方観察領域まで鼻のほうに向かって斜めに進む経路に沿って、眼の仮定された集合状態に適合するように眼経路を選択することが普通である。
従来の累進レンズのほとんどは、40cm以下の屈折距離(通常の範囲の一方の極における距離)に対して下部視野領域において最適化された眼経路に基づいてデザインされている。
出願人は、下部または近方観察領域および中間観察領域内での光学性能をさらに改善するためには、それぞれ低付加度数および高付加度数を必要とする着用者に対して光学デザインを異なったものとすることが必要であり、このことは同様に、眼経路または固定視位置の形状および位置にも影響することを見出している。
出願人はさらに、設計は、より高い付加度数を必要とする着用者に対する真の読み取り距離を反映するようなものでなければならないことを見出している。
したがって本発明のさらに好ましい態様においては、
組の中の眼科用累進レンズ要素または各レンズ要素は、
低付加度数を有するものは、フィッティング・クロス(FC)直下の比較的浅い度数進行プロファイルを示し、
高付加度数を有するものは、FC直下の比較的急な度数進行と近方基準点(NRP)下方への表面度数の減衰とを示す。
驚くべきことに、出願人が広範囲な経験的な研究を通して見出したところによれば、高付加度数の着用者に対する真の読み取り距離は、一般的に受け入れられている産業界の標準、すなわち必要な付加度数の逆である、とは異なっていて、実際にはわずかに大きい。出願人は、度数進行プロファイルに対する前述の変更によって、各付加度数グループの着用者に対するレンズの有用性が増加する効果があることを見出している。
用語「低付加度数」は、本明細書で用いるように、1.50D以下の付加度数を意味する。
用語「高付加度数」は、本明細書で用いるように、2.50D以上の付加度数を意味する。
たとえば3.00付加度数のユーザの場合、従来技術における推定の読み取り距離は、約33cmである。出願人は、たとえば3.00D付加度数の着用者に対する平均的な真の読み取り距離は約37cmであり、2.00D付加度数の着用者に対しては約42cmであるあることを見出している。
高付加度数レンズ・デザインにおける度数進行プロファイルの「減衰」によって、下部または近方観察領域が、選択されたより高い付加度数を必要とする着用者に対する典型的な平均読み取り距離において比較的低いぼけをもたらすことが認められる。
さらに、低付加度数を必要とする着用者に対しては、各眼科用累進レンズ要素のフィッティング・クロス(FC)の周囲に、より広いクリヤーな視覚の領域が存在することが認められる。これらの変更によって、低付加度数のみを必要とする着用者、たとえば最初の老眼の着用者に対して、フィッティング誤差に対する感度が低減され得る。
さらにこのことによって、中間距離にある物体たとえばコンピュータ・モニタを見るためにレンズ要素の遠方観察領域を用いることが、低付加度数着用者が依然としてかなり大きな調節余力を示す場合に、可能となる。
出願人はさらに、眼経路形状が、中間作業から近方作業へまたはその逆へ移動するときに良好な両眼性または観察領域一致が維持されるようなものである場合に、光学性能、着用者による容認がさらに改善されることを見出している。
たとえば一対のセグメント化された多焦点レンズとの適切なフィッティングを実現するためには、遠方視力に対応する患者の瞳孔間距離(PD)に基づいて、一対の眼鏡における両レンズの遠方部分の光学的な中心を間隔を置いて配置すること、および正確な両眼性視覚性能が実現されるようにセグメントを並べることが、好ましいことが理解される。こうするためには、レンズ・セグメントの中心が両眼の視線と一致するように、およびレンズ・セグメントの外形によって形成される視覚の境界がオーバーラップして最大可能な両眼視野が得られるように、レンズのセグメントを並べる必要がある。
同様に、累進レンズの場合には、各眼に対する煩わしいぼけの等高線によって形成されるクリヤーな視覚観察領域の境界がオーバーラップして最大可能な両眼視野が実現されるように、固定視位置を中間および近方観察領域の中心ラインと合わせる必要がある。
したがって好ましい態様においては、レンズ表面を含む眼科用累進レンズ要素であって、レンズ表面は、
遠方視力に対応する屈折力を実現する表面度数を有する上部観察領域と、
近方視力に対応する屈折力を実現する、上部観察領域とは異なる表面度数を有する下部観察領域と、
レンズ要素を横断して延び、表面度数が上部観察領域の表面度数から下部観察領域の表面度数まで変化する中間観察領域と、を有し、
上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数が、対応する物体距離範囲に対して、選択されたぼけ指標を最小限にするように光学的にデザインされ、
各レンズ要素表面の周辺領域の少なくとも一部が、目眩の感覚と相関することが知られる1つまたは複数の表面特性を最小限にするようにデザインされ、
中間観察領域における眼科用レンズ要素の観察領域一致の程度が増加され、結果として、下部観察領域においてわずかに減少される眼科用累進レンズ要素が提供される。
出願人は、レンズ要素の性能を、従来技術のレンズに対して、観察領域一致のバランスを調整することで改善することができ、その結果、特に中間観察領域における観察領域一致を、下部観察領域における観察領域一致がわずかに減少するという犠牲を払いながらも、改善できることを見出している。
特に観察領域一致の程度が、結果として、下部観察領域において煩わしいぼけに関連する等高線の先端でわずかに減少しても良い。
本発明のこの態様による眼科用累進レンズ要素は、前述したように、レンズ要素の群の1つを形成しても良い。
出願人は、たとえば汎用累進レンズの中間観察領域はクリヤーな中心視覚用の3つの観察領域の中で最も小さく、またコンピュータの使用がたとえば老眼人口において増加していることに伴って、この小さい観察領域を通して長時間見る必要が多いという事実から、中間視力に対する左眼レンズ観察領域と右眼レンズ観察領域との間の良好な両眼オーバーラップを保証することが重要であるということが提案されることを認識している。
光学的両眼性または観察領域一致の程度は、光線追跡技術を用いて測定しても良い。たとえば、両眼光線追跡を、着用者の角膜から約70cmの距離における垂直面に対して10°傾く平面に対してセット・アップしても良い。この中間物体距離に対する調節は、この例では、近方視力に対して使用できるものの60%であると仮定される。平均瞳孔間距離PDは64mmであると仮定される。
中間観察領域における観察領域一致の改善は、下部または近方観察領域における観察領域一致がわずかにはっきりと減少するという犠牲を払いながら、実現しても良い。しかしこの損失は、煩わしいぼけの閾値等高線の先端で起こるものであり、着用者の近方視力に対して重大なものになるとは考えられない。このことは、後述する図5A〜5Hに示す。
(レンズ表面の数学的記述)
また本発明のさらなる態様においては、
第1のレンズ表面を含む眼科用累進レンズ要素のデザイン方法であって、第1のレンズ表面は、
遠方視力に対応する表面度数を有する上部観察領域と、
近方視力に対応する屈折力を実現する、上部観察領域とは異なる表面度数を有する下部観察領域と、
表面度数が上部観察領域の表面度数から下部観察領域の表面度数まで変化するレンズ要素を横断して延びる中間観察領域と、を有し、
各レンズ要素の上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数が、対応する物体距離範囲に対して、選択されたぼけ指標を最小限にするように光学的にデザインされ、
各レンズ要素表面の周辺領域の少なくとも一部が、目眩の感覚と相関することが知られる1つまたは複数の表面特性を最小限にするようにデザインされ、
前記方法は、
レンズ表面に対するベース表面関数を選択するステップであって、
対称的なデザインの場合には、ベース表面関数は、以下のようなテーラ展開であり、
Figure 0004481647
ここで、関数z0(y)およびh(y)は、所望の眼経路度数進行プロファイルp(y)によって決定され、
関数gi(y)は自由係数であり、
非対称なデザインの場合には、x座標の代わりに、変換された等価物ζ=x−u(y)を使用し、
関数u(y)は、眼経路に沿っての挿入物の変化を記述し、
ζの奇数のベキ乗がテーラ展開に加えられる、選択するステップと、
光学観察領域内で重み付きの光線追跡されたRMS度数誤差を最小限にするための第1のメリット関数を選択するステップと、
眼科用レンズ要素の上部および下部観察領域内で第1のメリット関数を最小限にする表面関数の係数gi(y)を計算するステップと、
少なくとも周辺領域内で、目眩の間隔を相関することが知られる1つまたは複数の表面特性、たとえばサジタル付加度数および/またはレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度および/または表面非点収差、を最小限にする第2のメリット関数、を別個に選択するステップと、
眼科用レンズ要素の周辺領域内で第2のメリット関数を最小限にする表面関数の係数を計算するステップと、
前記変更された表面関数に従って成形されたレンズ表面を有する眼科用レンズ要素を作製するステップと、を含む眼科用累進レンズ要素のデザイン方法が提供される。
最小限にすべき第1のメリット関数は、以下のようなものである。
Figure 0004481647
ここで、W(ζ、y)は重みであり、積分はレンズ表面の領域上で行なう。
第2のメリット関数は、周辺領域内で、事前選択されたサジタル付加度数値からのずれまたは光線追跡されるレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度を最小限にするように、設定しても良い。
より好ましくは、第2のメリット関数をさらに、周辺領域内での表面度数および/または非点収差の値を最小限にするように設定する。
最適化プロセスの第2段階において最小限にすべきメリット関数は、以下のように2つの部分から構成される合成メリット関数Mであっても良い。
Figure 0004481647
ここでMFは、中心視覚に対する表面領域に関する関数である。
Figure 0004481647
またMPは、表面の周辺領域に関する関数である。
Figure 0004481647
ここで、εRMSは、ある特定の出発表面(通常は、良好な焦点特性が実現されるようにデザインされていたであろう表面)に対する、表面の光線追跡された(RMS)度数誤差であり、
Δは、表面非点収差であり、
Kθθはサジタル曲率であり、
Pθは特定の目標サジタル曲率であり、
WF、W1、W2は、適切に選択された重みであり、
RFは、主に「中心」視覚用であるレンズ部分であり、
RPは、周辺視覚専用のレンズ部分である。
通常は、このメリット関数の中心構成要素に対する重みWFを、周辺構成要素で用いる重みよりもはるかに大きく設定して、中心観察領域の変化がほとんどない一方で周辺観察領域が最適化されることを保証する。
本発明による眼科用累進レンズ要素は、好適であればどんな材料から配合しても良い。高分子材料を用いても良い。高分子材料は、好適であればどんなタイプであっても良い。高分子材料は、熱可塑性材料を含んでいても良いし、または熱硬化性材料を含んでいても良い。ジアリルグリコールカーボネート・タイプからなる材料、たとえばCR−39(PPGインダストリ(Industries))を用いても良い。
高分子物品を、架橋可能な高分子成形組成物から形成しても良い。このことはたとえば、出願人の米国特許第4,912,155明細書、米国特許出願第07/781,392号明細書、豪州特許出願第50581/93明細書、豪州特許出願第50582/93号明細書、豪州特許出願第81216/87明細書、豪州特許出願第74160/91号明細書、欧州特許第453159A2号明細書、に記載されている。なお、これらの文献の全体の開示は本明細書において参照により取り入れられている。
高分子材料は、色素、好ましくはフォトクロミック色素を含んでいても良く、これをたとえば、高分子材料を作製するためのモノマ配合物に加えても良い。
本発明による眼科用累進レンズ要素はさらに、前面または背面に対する標準的な追加コーティングを含んでいても良く、たとえばエレクトロクロミック・コーティングである。
レンズ前面は、反射防止(AR)コーティングを含んでいても良い。これはたとえば、本出願人に対する米国特許第5,704,692号明細書に記載されているタイプのものである。なお、この文献の全体開示は本明細書において参照により取り入れられている。
レンズ表面は、耐摩耗性コーティングを含んでいても良い。これはたとえば、本出願人に対する米国特許第4,954,591号明細書に記載されているタイプのものである。なお、この文献の全体の開示は本明細書において参照により取り入れられている。
前面および表面はさらに、成形組成物中で従来使用されている1つまたは複数の添加物を含んでいても良い。これはたとえば、抑制剤、色素たとえばサーモクロミックおよびフォトクロミック色素(たとえば前述したような)、分極剤、UV安定剤、および屈折率を変更することができる材料である。
本発明を、添付の図面および実施例を参照しながら、より十分に説明する。しかし以下の記載は一例に過ぎず、どうであれ、前述した本発明の一般性に対する限定と解してはならないことを理解されたい。
図1A、1B、1Cは、本発明による累進光学レンズ要素の表面非点収差の一連の等高線を示す図である。図1A、1B、1Cの累進光学レンズ要素は、それぞれ、3.25D(ディオプター)ベース、4.50Dベース、および6.25Dベース表面であり、付加度数が1.50D、2.00D、および2.50Dである。灰色の等高線は、0.25Dに対応し、最初の影付き等高線は0.5Dを表わし、残りの等高線は0.5Dづつ増加する。各円の直径は60mmである。また設計の基準線を示すインク・マーク・ライン、遠用度数および近用度数用の測定点を中心とするFCおよび円弧も示す。図1の等高線プロットは、ベース・カーブおよび付加度数増加に伴う累進デザインの変化を示す。
図2A、2B、2Cは、本発明による累進光学レンズ要素のベース・カーブ度数によって埋め合わされた表面平均度数の一連の等高線プロットを示す図である。図2A、2B、2Cの累進光学レンズ要素は、それぞれ、3.25Dベース、4.50Dベース、および6.25Dベース表面であり、付加度数が1.50D、2.00D、および2.50Dである。図2の等高線プロットは、ベース・カーブおよび付加度数増加に伴う累進デザインの変化を示す。
図3A、3B、3Cは、本発明による累進光学レンズ要素のベース・カーブ度数によってオフセットされた表面サジタル度数の一連の等高線プロットを示す図である。図3A、3B、3Cの累進光学レンズ要素は、それぞれ、3.25Dベース、4.50Dベース、および6.25Dベース表面であり、付加度数が1.50D、2.00D、および2.50Dである。等高線値は図1の場合と同じである。
交差するラインによって、フィッティング・クロスから延びる2つのセクタであって、それぞれ基準線の中心から60°の角度に広がるセクタが規定される。
図3の等高線プロットは、ベース・カーブおよび付加度数増加に伴う累進デザインの変化を示す。
図4Aおよび4Bは、それぞれ累進光学レンズ要素用である遠方および近方観察領域に対する光線追跡されたRMS度数誤差等高線プロットの一連の等高線プロットを示す図である。図4Aおよび4Bの累進光学レンズ要素は、それぞれ、3.25Dベース(距離Rx=−3.00D)、4.50Dベース(距離Rxは平面)、6.25Dベース(距離Rx=+3.00D)表面であり、2.00Dの付加度数である。各プロットに示す等高線は、煩わしいぼけの臨床的に確立された値に対応する。遠方視力物体の場合、この値は0.5Dであり、近方視力物体の場合、値は0.75Dである。
これらの影付き領域によって、煩わしいぼけの等高線の閾値未満の領域が規定され、図4A(遠方視力)ではそれぞれ、52.3%、48.1%、43.3%であり、図4B(近方視力)ではそれぞれ、49.6%、48.9%、49.3%である。光線追跡用の物体のセット・アップは前述の通りである。眼−レンズ構成は、後述する実施例1で説明するものと同じである。
これらのプロットによって、近方目視物体に対するベース・カーブによる実質的な近方観察領域サイズの均等化が示されるとともに、異なる度合の屈折異常に対するこれらの観察領域の相対的な性能を実質的にバランスさせるための好ましい遠方対近方観察領域のサイズ比が示される。
図5A〜5Hは、眼科用累進レンズの一連の詳細な等高線プロットを示す図である。図5A、5C、5E、5Gは従来技術の市販レンズであり、図5B、5D、5F、5Hは、本発明による眼科用累進レンズ要素である。
従来技術レンズおよび本発明における光学的両眼性観察領域一致の2つの例を、図5A〜5D(1.50D付加度数)および図5E〜5H(2.00D付加度数)に示す。図5A、5Cと、図5E、5Gとに、4.50Dベース・カーブで距離Rx=0.00Dの示す従来技術レンズを示す。図5B、5Dと、5F、5Hとに、本発明による対応するレンズを示す。両眼の光線追跡は、RMS度数誤差の等高線を示しており、等高線は、右眼(実線)および左眼(破線)からそれぞれ得られた0.50Dおよび0.75Dに対応し、近方視力に対してはA3ページの物体(400×297mm)の上に、中間視力に対しては21インチのコンピュータ・モニタ(400×300mm)の上に重ね合わされている。影付き領域は、0.5Dぼけ等高線に対する両眼重なり観察領域サイズを示す。下表1に、個々の両眼オーバーラップ領域を、物体の全領域のパーセンテージ割合で表現したものを示す。
Figure 0004481647
図6は、実施例1における眼科用累進レンズ要素をデザインするために用いられる垂直Y座標に伴う物体バーゼンスおよび付加バーゼンスの変化を示すグラフである。座標系の原点はFCにある。
図7は、実施例1における眼科用累進レンズ要素をデザインするために用いられる最適化プロセスの第1段階に対する眼経路に沿っての最適化重みの変化を示すグラフである。
図8は、実施例1における眼科用累進レンズ要素の眼経路に沿っての平均表面付加度数の変化を示すグラフである。
図9は、平面遠用度数、可変物体距離、および仮定された調節余力0.5Dに対して光線追跡された実施例1の眼科用累進レンズ要素のRMS度数誤差分布を示す図である。等高線値は、図1の場合と同じである。円の直径は60mmである。
図10は、本発明による低付加度数レンズ(1.00D、破線)と本発明による高付加度数レンズ(3.00D、実線)とに対する眼経路に沿ってのスケール変更された平均表面付加度数の変化(度数進行プロファイル)を示すグラフである。3.00D付加度数レンズの度数進行プロファイルが、1.00D付加度数レンズと比較するためにスケール変更されている。低付加度数レンズは、Y=4mmでのFCの下方の比較的浅い度数進行プロファイルを示す。高付加度数レンズは、この領域における比較的急な度数進行を示す。
図11は、図10に示したレンズの眼経路に沿っての度数勾配の変化を示すグラフである。
図12は、5ポイント目盛(1−非常に悪い〜5−非常に良い)での、3つの異なる累進レンズ(2つの市販の従来技術レンズと1つの本発明によるレンズ)による近方および遠方視力に対する正視眼着用者の平均的な主観的満足感を示すグラフである。各着用者試験におけるサンプル数Nを、説明文の中に示す。
試験は、実質的に同等な視覚性能を示しており、すなわち本発明によるレンズを用いた正視眼着用者の場合に遠方および近方視力に対する満足感が実質的に等しいことを示している。
本発明による光学レンズ要素は、以下のように設計しても良い。
平面距離および2.00D近方補正が必要な正視眼着用者に対する眼科用累進レンズ要素をデザインした。レンズは、屈折率1.499のプラスチック材料から作製され、前面のベース・カーブは4.50D(n=1.530屈折率において)、中心厚みは2mmであった。
光線追跡用に特定すべき「眼−レンズ構成」パラメータは以下の通りである。瞳中心を、幾何学的中心(GC)から4mm垂直上方の地点に合わせる。瞳孔間距離PDは64mmに等しい。眼の回転中心からレンズの後頂点までの距離は、27mmである。レンズの全視傾斜は7°である。レンズの水平巻き角はゼロである。
図6に、眼経路に沿って基準球体上にある垂直座標を用いた物体バーゼンス距離およびレンズ付加度数バーゼンスの変化を示す。なお、座標の原点はFCにある(GCから4mm上方に位置する)。最適化重みは、固定視位置の中心に置かれたx座標の一連の1次元ガウス関数を滑らかに混ぜた形状を有する。図7に示すように、固定視位置に沿っての重みの大きさは、y座標とともに変化する。この2次元ガウス関数の減衰幅は、遠方観察領域の高領域での25mmから変化して、近方観察領域での約10mmへ減少する。
選択したプログラムは最初に、中心視覚を対象とした領域に対する最適化問題を解決する。プログラムは、最適化メリット関数M1を用いる。解決手順を反復し、全体的なRMS度数誤差が最小値となることで特徴付けられる最適解に到達するまで、何度か繰り返す必要がある。
デザイン・プロセスの第2段階では、最適化メリット関数をM2に変えて、中心視覚を対象とした領域(第1段階ですでに最適化されている)からレンズ要素の周辺領域を分離するように、最適化重み分布を再配置する。この実施例では、周辺視覚に対して最適化すべきレンズ要素の領域の境界RPは、第1段階のデザインの1.00D表面非点収差等高線にほぼ従う。第2段階の最適化用に使用する重みは、以下の通りであった。
WF=20.0
W1=0.15
W2=1.00
サジタル度数に対する目標周辺値Pθ=5.25D(n=1.530屈折率において)であり、表面非点収差目標値はゼロである。
図1、2、および3に、最終デザインの表面非点収差、平均度数、およびサジタル度数の等高線を示す(行列の中央のデザイン)。図8に、眼経路に沿っての表面平均度数および非点収差のプロファイルを示す。図6に示すようにy座標とともに変化しx座標に対しては一定である物体距離に対して光線追跡されたこのレンズ・デザインのRMS度数誤差分布等高線を、図8に示す。
本明細書で開示され明確にされた本発明は、言及されたまたは本文および図面から明らかである個別の特徴の2つ以上からなる代替的な組み合わせのすべてに及ぶことが理解される。これらの異なる組み合わせはすべて、本発明の種々の代替的な態様を構成する。
また用語「備える」(またはその文法的な変形)は、本明細書で用いるように、用語「含む」と等価であり、他の要素または特徴の存在を排除するものと理解してはならないことも理解される。
本発明による累進光学レンズ要素の表面非点収差の一連の等高線を示す図である。 本発明による累進光学レンズ要素のベース・カーブ度数によって埋め合わされた表面平均度数の一連の等高線プロットを示す図である。 本発明による累進光学レンズ要素のベース・カーブ度数によってオフセットされた表面サジタル度数の一連の等高線プロットを示す図である。 累進光学レンズ要素用である遠方および近方観察領域に対する光線追跡されたRMS度数誤差等高線プロットの一連の等高線プロットを示す図である。 眼科用累進レンズの一連の詳細な等高線プロットを示す図である。 眼科用累進レンズの一連の詳細な等高線プロットを示す図である。 実施例1における眼科用累進レンズ要素をデザインするために用いられる垂直Y座標に伴う物体バーゼンスおよび付加バーゼンスの変化を示すグラフである。 実施例1における眼科用累進レンズ要素をデザインするために用いられる最適化プロセスの第1段階に対する眼経路に沿っての最適化重みの変化を示すグラフである。 実施例1における眼科用累進レンズ要素の眼経路に沿っての平均表面付加度数の変化を示すグラフである。 平面遠用度数、可変物体距離、および仮定された調節余力0.5Dに対して光線追跡された実施例1の眼科用累進レンズ要素のRMS度数誤差分布を示す図である。 本発明による低付加度数レンズ(1.00D、破線)と本発明による高付加度数レンズ(3.00D、実線)とに対する眼経路に沿ってのスケール変更された平均表面付加度数の変化(度数進行プロファイル)を示すグラフである。 図10に示したレンズの眼経路に沿っての度数勾配の変化を示すグラフである。 5ポイント目盛(1−非常に悪い〜5−非常に良い)での、3つの異なる累進レンズ(2つの市販の従来技術レンズと1つの本発明によるレンズ)による近方および遠方視力に対する正視眼着用者の平均的な主観的満足感を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 第1のレンズ表面を含む眼科用累進レンズ要素の設計方法であって、前記第1のレンズ表面は、
    遠方視力に対応する表面度数を有する上部観察領域と、
    近方視力に対応する屈折力を実現する、上部観察領域とは異なる表面度数を有する下部観察領域と、
    レンズ要素を横断して延び、表面度数が上部観察領域の表面度数から下部観察領域の表面度数まで変化する中間観察領域と、を有し、
    各レンズ要素の上部、中間、下部観察領域の1つまたは複数が、対応する物体距離範囲に対して、選択されたぼけ指標を最小限にするように光学的に設計され、
    各レンズ要素の表面の周辺領域の少なくとも一部が、目眩の感覚をもたらすことが知られる1つまたは複数の表面特性を最小限にするように設計され、
    前記方法は、
    レンズ表面に対するベース表面関数を選択するステップであって、
    対称的なデザインの場合には、ベース表面関数は、以下のようなテーラ展開であり、
    Figure 0004481647
    ここで、関数z0(y)およびh(y)は、所望の眼経路度数進行プロファイルp(y)によって決定され、
    関数gi(y)は自由係数であり、
    非対称なデザインの場合には、x座標の代わりに、変換された等価物ζ=x−u(y)を使用し、
    関数u(y)は、眼経路に沿っての挿入物の変化を表現し、
    ζの奇数のベキ乗がテーラ展開に加えられるようにされた、選択ステップと、
    光学観察領域内で重み付きの光線追跡されたRMS度数誤差を最小限にするための第1のメリット関数を選択するステップと、
    眼科用レンズ要素の上部および下部観察領域内で第1のメリット関数を最小限にする表面関数の係数gi(y)を計算するステップと、
    少なくとも周辺領域内で、目眩の感覚をもたらすことが知られる1つまたは複数の表面特性を最小限にする第2のメリット関数を別個に選択するステップと、
    眼科用レンズ要素の周辺領域内で第2のメリット関数を最小限にする表面関数の係数を計算するステップと、
    前記変更された表面関数に従って成形されたレンズ表面を有する眼科用レンズ要素を作製するステップと、を含み、
    前記第2のメリット関数は、周辺領域内で、事前選択されたサジタル付加度数値からのずれまたは光線追跡されるレンズ・プリズムの周囲構成要素の変化度を最小限にするように、設定されることを特徴とする方法。
  2. 第2のメリット関数がさらに、周辺領域内で表面非点収差の値を最小限にするように設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 第2のメリット関数が、以下のような合成メリット関数Mであり、
    Figure 0004481647
    ここで、
    Figure 0004481647
    および、
    Figure 0004481647
    ここで、εRMSは、特定の出発表面に対する、表面の光線追跡されたRMS度数誤差であり、
    Δは、表面非点収差であり、
    Kθθはサジタル曲率であり、
    Pθは特定の目標サジタル曲率であり、
    WF、W1、W2は、適切に選択された重みであり、
    RFは、主に中心視覚用であるレンズ部分であり、
    RPは、周辺視覚専用のレンズ部分であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
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