JP5855357B2 - Ni基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金 - Google Patents

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本発明は、耐食性、特に高い弗酸に対する耐食性を有し、かつ耐摩耗性、抗折力に優れた低原料コストのNi基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金に関するものである。
従来、Ni基にホウ化物などの硬質粒子を分散させた耐食耐摩耗合金が各種提案されている。例えば特許文献1には重量%で、Mo:25〜40%、B:0.5〜2.0%、Cr:20%以下、Si:0.1%以下、Fe:12%以下、残部がNiからなる表面硬化用塩酸耐食合金が開示されている。また、特許文献2には、硼化物よりなる硬質相35〜95重量%と、該硬質相を結合するNi基の結合相からなる硬質焼結合金において、全硬質相量のうち正方晶系のM32 型(M:Mo、Niの他はCrおよび/またはV)複硼化物を60%以上含み、残部が斜方晶系のM32 型複硼化物あるいは他の硼化物よりな
る耐食性に優れた高強度硬質焼結合金が開示されている。
また、特許文献3には、炭化物および硼化物を主体とする硬質相がNi基のマトリックスで結合された複合材料であって、前記硬質相およびマトリックスは、総量で、B:1.5〜5重量%、Cr:5〜15重量%、Mo:25〜50重量%、W:10〜25重量%、Fe:2〜4重量%を含有し、残部がNiと不可避的不純物とからなる耐摩耗耐食性複合材料が開示されている。
さらに、特許文献4には、質量%で、Cr:5〜30%、Mo:10〜40%、B:0.5〜4.0%を含み、残部Niおよび不可避的不純物からなり、かつ、11≦(マトリックスMo含有量)+10(B含有量)≦40、15≦(マトリックスCr含有量)+(マトリックスMo含有量)、(マトリックスCr含有量)+1.5(マトリックスMo含有量)≦55の条件を満たすマトリックスからなるNi基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金が開示されている。また、近年のレアメタル原料コストの高騰から、これら従来文献に見られる原料の中でも特にMo価格が不安定であり、低Mo含有合金の実現が課題となっている。
特開平8−157991号公報 特許第2631791号公報 特開平5−132734号公報 特開2004−137570号公報
上述した合金は、例えば溶射、肉盛り、焼結などの方法により合金鋼と複合化され使用されることが多い。ところが、特許文献1は、Moが25〜40%と高く、高価なMo使用量が多くコスト高となる。また、特許文献2は、Bの含有量が多く、複硼化物を60%以上含み、硬質粒子である硼化物を析出させる元素であるBの含有量が過剰すぎる。また、特許文献3は、Cr含有量が低く、かつMo含有量が高いことから、耐食性が十分でなく、また、Moが25〜40%と高価なMo使用量が多くコスト高となるという、それぞれの問題がある。
さらに、特許文献4は、特に熱膨張係数に影響するマトリックスのMo含有量、および硼化物の量を決定するB含有量を一定範囲とすることで合金鋼の熱膨張係数とほぼ同等の熱膨張係数とし、例えば、溶射、肉盛り、焼結などの複合化処理の時や、使用環境における昇温、降温サイクルにより複合界面に亀裂の生じるのを防止するものである。しかしながら、特許文献4の実施例はCr/Moが概ね1.7以下で、耐食性改善効果のあるCrとMo添加量においてMoの比率が高く、原料費が高価である。
本発明は、上述したような問題を解消するために鋭意開発を進めた結果、特許文献4のような課題とは異なって、特に耐食性の観点から、高い弗酸に対する耐食性に着目して、CrとMo含有量およびその比率を最適な範囲に定めることにより、耐食性に極めて優れた高耐食性、高耐摩耗性、高抗折力を有し、低原料コストのNi基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金を提供するものである。
その発明の要旨とするところは、質量%で、Cr:31〜45%、Mo:10〜20%、B:0.5〜3.0%を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金で、かつ、下記式を満たすことを特徴とするNi基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金にある。1.8≦Cr/Mo≦4.0 … (1)
15≦(マトリックスCr含有量)+(マトリックスMo含有量) … (2)
(マトリックスCr含有量)+1.5(マトリックスMo含有量)≦55 … (3)
以上述べたように、本発明により高耐食性、耐摩耗性および抗折力に優れたNi基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金を得ることが出来た。
以下、本発明についての成分組成の限定理由について述べる。
Cr:31〜45%
Crを含むNi基マトリックス相は各種酸に対し高耐食性を有する。特に高い弗酸に対する耐食性を得るためには、25%未満ではその効果が十分得られないことから25%以上とした。また、45%を超えると、その効果は飽和し、コストが高くなることから、その上限を45%とした。好ましくは31〜38%である。
Mo:10〜20%
Moを含むNi基マトリックス相は非酸化性の酸に対し高耐食性を有する。しかし、10%未満ではその効果が十分えられないことからその下限を10%とした。また、20%を超えると、その効果は飽和し、コストが高くなることから、その上限を20%とした。好ましくは11〜20%、より好ましくは12〜18%である。
B:0.5〜3.0%
Bは、本発明合金における硬質粒子であるホウ化物を析出させるための元素であり、0.5%未満では硬さが不十分であり、3.0%を超えると耐食性が劣化することから、その範囲を0.5〜3.0%とした。好ましくは0.5〜2.8%、より好ましくは1.0〜2.5%である。
1.8≦Cr/Mo≦4.0
Cr/Moを1.8〜4.0とした理由は、1.8未満では耐食性に変化がなく、高価なMoの使用量が増加し、また、4.0を超えると耐食性が不十分であることから、その範囲を1.8〜4.0とした。好ましくは2.50〜4.0とする。より好ましくは2.50〜3.50%である。
15≦(マトリックスCr含有量)+(マトリックスMo含有量)
(マトリックスCr含有量)+(マトリックスMo含有量)が15未満では良好な耐食性が得られない。従って、下限値を15とした。好ましくは20とする。より好ましくは22である。
(マトリックスCr含有量)+1.5(マトリックスMo含有量)≦55
(マトリックスCr含有量)+1.5(マトリックスMo含有量)が55を超えると良好な抗折力が得られない。これはマトリックス中に脆い金属間化合物が析出するためと推定される。従って、その上限値を55とした。好ましくは53、より好ましくは50である。
本発明に係るNi基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金の高耐食性は主にマトリックス中のCr、Mo含有量が効いており、非酸化性の酸である弗酸についてはマトリックス中のCr、Mo含有量(質量比)が同程度の割合で効果があることが判った。つまり、(マトリックスCr含有量)+(マトリックスMo含有量)の係数を同じ1とした。その結果、本発明に係るNi基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金は、40℃、10%弗酸浸漬試験における腐食度が0.05g/m2 /h以下で、ロックウエル硬さがHRC35以上、抗折力が1.5GPa以上の性能を示す。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
アルゴンガス雰囲気中で表1に示す組成に配合した原料を150g誘導溶解炉にて溶解し、急冷用の銅鋳型にて遠心鋳造した。得られた小鋼塊から採取した試験片より耐食性、硬さおよび抗折力について評価した。また、耐食性については、10mm角の立方体の試験片を採取し、40℃で10%の弗酸に10時間浸漬して評価した。腐食度が0.05g/m2 /h以下のものは◎、0.05g/m2 /hを超え0.5g/m2 /h以下のものは○、0.5g/m2 /hを超えるものは×とした。また、硬さについては、小鋼塊から採取した試験片を湿式研磨しロックウエル硬さを測定し、HRC35以上のものは○、35未満のものは×とした。さらに、抗折力については、小鋼塊から1.7mm角で長さ2.0mmの試験片を採取し測定した。抗折力が1.5GPa以上のものは○、1.5GPa未満のものは×とした。
表1に示すように、No.1〜は本発明例であり、No.9〜14は比較例である。比較例No.は合金組成であるCr含有量が低いために、Cr/Mo比も低く、またマトリックスCr含有量とマトリックスMo含有量の和が低いために、耐食性が悪い。比較例No.10も、比較例No.と同様に合金組成であるCr含有量が低く、かつMo含有量が高いために、Cr/Mo比も低く、耐食性が十分でない。比較例No.11は合金組成であるCr含有量およびMo含有量が低く、かつCr/Mo比が高いために、耐食性が十分でない。
比較例No.12は合金組成であるCr含有量およびB含有量が低いために、硬度が低い。比較例No.13は合金組成であるCr含有量が高いために、Cr/Mo比が高く、かつマトリックスCr含有量と1.5(マトリックスMo含有量)の和が高いために、抗折性が十分に得られない。比較例No.14は合金組成であるCr含有量は低く、合金組成であるB含有量が高いために、耐食性が十分でない。これに対し、本発明であるNo.1〜のいずれも、特に高い耐食性を有していることが分かる。

Claims (1)

  1. 質量%で、
    Cr:31〜45%、
    Mo:10〜20%、
    B:0.5〜3.0%
    を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金で、かつ、下記式を満たすことを特徴とするNi基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金。
    1.8≦Cr/Mo≦4.0 … (1)
    15≦(マトリックスCr含有量)+(マトリックスMo含有量) … (2)
    (マトリックスCr含有量)+1.5(マトリックスMo含有量)≦55 … (3)
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