JP5855344B2 - 分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップ及びその製造方法 - Google Patents

分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発光ダイオードチップ及びその製造方法に関し、より詳細には、分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップ及びその製造方法に関する。
青色波長の光または紫外線を発する窒化ガリウム系列の発光ダイオードチップは様々なものに応用されており、特に、バックライトユニットまたは一般照明器具などに求められる白色光などの混色された光を出射する多様な発光ダイオードパッケージが市販されている。
発光ダイオードパッケージから出射される光は主に発光ダイオードチップの発光効率(light emission efficiency)に依存するため、発光ダイオードチップの発光効率を改善しようとする研究が続けられている。特に、発光ダイオードチップの光抽出効率(light extraction efficiency)を改善しようとする研究が続けられており、このような研究の一つとして、サファイアのような透明基板の下部面に金属反射器または分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg Reflector)を形成する技術が広く研究されている。
図1は従来のサファイア基板の下部面にアルミニウム層を形成して測定した反射率を示す。図1において、グラフ102はアルミニウム層が形成されていないサファイア基板の反射率を示し、グラフ104はアルミニウム層が下部面に形成されているサファイア基板の反射率を示す。
図1を参照すると、可視光領域の波長において、アルミニウム層を形成していないサファイア基板の場合は約20%の反射率を示すが、アルミニウム層を形成した場合、約80%の反射率を示すことが分かる。
図2は、従来のサファイア基板の下部面にTiO/SiOを周期的に積層した分布ブラッグ反射器を形成して測定した反射率を示す。
アルミニウム層の代わりに、発光ダイオードチップから出射される例えば460nmのピーク波長の光を反射する分布ブラッグ反射器(DBR)を設けた場合、図2に図示されるように、400〜500nmの青色波長領域で反射率がほぼ100%に至ることが分かる。
しかし、前記DBRは可視光線領域のうち一部の領域に対して反射率を高めることができるだけで、その他の領域での反射率は400〜500nmの波長領域に比べて非常に低い。即ち、図2に示されるように、約520nm以上の波長に対しては反射率が急激に減少し、550nm以上では殆ど反射率が50%未満となる。
従って、白色光を発するための発光ダイオードパッケージに、前記DBRを備えた発光ダイオードチップを実装する場合、発光ダイオードチップから出射された青色波長領域の光に対して前記DBRは高い反射率を示すが、緑色及び/または赤色波長領域の光に対しては前記DBRは効果的な反射特性を示さない。そのため、パッケージでの発光効率の改善に限界がある。
本発明は、白色光などの混色された光を発する発光ダイオードパッケージの発光効率を向上させる発光ダイオードチップ及びその製造方法を提供する。
また、本発明は、広い波長領域に亘って高い反射率を有する分布ブラッグ反射器、及びそれを備えた発光ダイオードチップを提供することである。
本発明の一実施形態によると、分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップが開示される。該発光ダイオードチップは、前面及び裏面を有する基板と、前記基板の前面上部に位置し第1導電型半導体層と第2導電型半導体層との間にはさまれた活性層を含む発光構造体と、前記基板の裏面上に位置し前記発光構造体から出射された光を反射する分布ブラッグ反射器(distributed bragg reflector)と、前記分布ブラッグ反射器の下部に位置する金属層とを含む。また、前記分布ブラッグ反射器は、青色波長領域の第1波長の光、緑色波長領域の第2波長の光及び赤色波長領域の第3波長の光に対して、90%以上の反射率を有する。
前記金属層は反射金属層または保護層であってもよい。前記反射金属層または保護層は、前記発光ダイオードチップをパッケージに実装する際、前記分布ブラッグ反射器を保護する。さらに、前記反射金属層は、前記分布ブラッグ反射器を透過した光を反射させてもよく、特に、パッケージレベルで発光効率を向上させる。
さらに、前記基板の裏面は、表面粗さが3nm以下、好ましくは2nm以下、さらに好ましくは1nm以下のRMS値を有してもよい。前記表面粗さが減少するにつれて前記分布ブラッグ反射器の反射率が向上する。
また、前記分布ブラッグ反射器を前記発光ダイオードチップに備えることにより、例えば、白色光のような混色された光、青色光、緑色光及び赤色光を效果的に反射させることができ、発光ダイオードパッケージの発光効率を向上させることができる。
前記分布ブラッグ反射器は、前記基板の裏面に形成され、前記基板の裏面と接触させてもよい。
また、前記基板は、その前面に所定のパターンを含んでもよい。例えば、前記基板は、パターニングされたサファイア基板であってもよい。
一方、前記基板は、その面積が90,000μm以上であってもよい。例えば、前記基板面積は、300×300μm以上、または1×1mm以上であってもよい。比較的大きい面積を有する発光ダイオードチップにおいて分布ブラッグ反射器を広範囲にわたって形成することにより、本発明は効果的となる。
また、前記発光ダイオードチップは、前記基板の前面上部に複数の発光セルを含んでもよい。さらに、前記発光ダイオードチップは、前記複数の発光セルが直列に接続された少なくとも一つの発光セルアレイを含んでもよい。さらに、前記発光ダイオードチップは、互いに隣接する発光セルを直列に接続する配線をさらに含んでもよい。本発明の実施形態において、前記複数の発光セルは、傾斜した側面を有し、前記配線は、互いに隣接する発光セルのうち一つの発光セルの第1導電型半導体層の側面に接続してもよい。
本発明の実施形態において、前記分布ブラッグ反射器は、第1分布ブラッグ反射器と、第2分布ブラッグ反射器とを含んでもよい。例えば、前記第1分布ブラッグ反射器は、青色波長領域の光に比べて緑色波長領域または赤色波長領域の光に対する反射率が高く、前記第2分布ブラッグ反射器は、緑色波長領域または赤色波長領域の光に比べて青色波長領域の光に対する反射率が高くてもよい。
また、前記第1分布ブラッグ反射器が前記第2分布ブラッグ反射器よりも前記基板の近くに位置してもよい。
本発明の実施形態において、前記分布ブラッグ反射器は、第1光学的膜厚(optical thickness)を有する第1材料層と第2光学的膜厚を有する第2材料層との対を複数個と、第3光学的膜厚を有する第3材料層と第4光学的膜厚を有する第4材料層との対を複数個含んでもよい。ここで、前記第1材料層の屈折率は、前記第2材料層の屈折率と異なっており、前記第3材料層の屈折率は、前記第4材料層の屈折率と異なっている。
また、前記第1材料層及び第2材料層の複数個の対が前記第3材料層及び第4材料層の複数個の対に比べて前記発光構造体のより近くに位置してもよい。さらに、前記第1材料層と第2材料層とは、それぞれ前記第3材料層と第4材料層と同一の屈折率を有してもよい。また、前記第1光学的膜厚は、前記第3光学的膜厚に比べてより厚く、前記第2光学的膜厚は、前記第4光学的膜厚に比べてより厚くてもよい。
本発明の実施形態において、前記第1材料層及び第2材料層の複数個の対と、前記第3材料層及び第4材料層の複数個の対とが、互いに混在してもよい。
一方、前記第1光学的膜厚と前記第2光学的膜厚とは、整数倍の関係を満たしていてもよく、また、前記第3光学的膜厚と前記第4光学的膜厚とは整数倍の関係を満たしていてもよい。特に、前記第1光学的膜厚と第2光学的膜厚とは同一であり、前記第3光学的膜厚と第4光学的膜厚とは同一であってもよい。これとは異なって、前記分布ブラッグ反射器の各層は、広範囲の波長に対して相対的に高い反射率を有するように個別的に調節されることができるため、各層の厚さは異なっていてもよい。
本発明の他の実施形態によると、分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップの製造方法が提供される。この方法は、基板の前面上部に、第1導電型半導体層と、第2導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層と第2導電型半導体層との間にはさまれた活性層とを含む発光構造体を形成し、前記基板の裏面をグラインディングして前記基板の一部を除去し、前記基板をラッピングして前記基板裏面の表面粗さを減少させ、前記基板の裏面上に分布ブラッグ反射器を形成することを含む。
一方、前記分布ブラッグ反射器上に反射金属層または保護層を形成してもよい。前記反射金属層または保護層は、前記発光ダイオードチップを発光ダイオードパッケージに実装する際、分布ブラッグ反射器を保護する。
一方、前記分布ブラッグ反射器を形成する前に、前記基板裏面の表面粗さは3nm以下のRMS値を有していてもよい。また、前記分布ブラッグ反射器は、青色波長領域の第1波長の光、緑色波長領域の第2波長の光及び赤色波長領域の第3波長の光に対して90%以上の反射率を有する。
好ましくは、前記分布ブラッグ反射器を形成する前に、前記基板裏面の表面粗さは1nm以下のRMS値を有していてもよい。また、前記方法は、前記ラッピングを行った後、前記基板裏面をCMPプロセスによって研磨する工程をさらに含んでもよい。前記CMPプロセスによって、前記基板裏面の表面粗さは1nm以下のRMS値を有するように研磨されることができる。
本発明の実施形態において、前記分布ブラッグ反射器は、例えばイオンアシスト蒸着(ion assisted deposition)技術を用いて形成してもよい。
本発明の実施形態によると、可視光領域の広範囲に亘って反射率の高い分布ブラッグ反射器が提供される。これによって、白色光などの混合された光を発する発光ダイオードパッケージの発光効率を向上させることができる。さらに、分布ブラッグ反射器が形成される基板裏面の表面粗さを制御することにより、分布ブラッグ反射器の反射率の信頼性を確保することができる。
従来技術によるサファイア基板上のアルミニウムの反射率を示すグラフである。 従来技術によるサファイア基板上の分布ブラッグ反射器の反射率を示すグラフである。 本発明の一実施形態による分布ブラッグ反射器を有する発光ダイオードチップを示す断面図である。 図3の分布ブラッグ反射器を拡大した断面図である。 本発明の他の実施形態による分布ブラッグ反射器を説明するための断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による複数の発光セルを有する発光ダイオードチップを説明するための断面図である。 本発明のさらに他の実施形態による複数の発光セルを有する発光ダイオードチップを説明するための断面図である。 分布ブラッグ反射器の入射角に応じた反射率の変化を示すシミュレーショングラフである。 分布ブラッグ反射器の積層数を増加させることにより、入射角50度での長波長入射光に対する反射率を向上させた例である。 分布ブラッグ反射器の積層数を増加させることにより、入射角60度での長波長入射光に対する反射率を向上させた例である。 (a)ダイシング工程が行われた後の分布ブラッグ反射器を示した平面図である。(b)ダイシング工程が行われた後の分布ブラッグ反射器を示した平面図である。 銅定盤によるサファイア基板のラッピング工程後、CMPの有無による分布ブラッグ反射器の反射率を示すグラフである。 図11の場合のように製作した分布ブラッグ反射器上に、さらにアルミニウム反射金属層を形成した後の反射率を示すグラフである。 スズ定盤を用いたラッピング工程でのスラリー粒子のサイズに応じた分布ブラッグ反射器の反射率を示すグラフである。 スズ定盤を用いたラッピング工程でのスラリー粒子のサイズに応じた分布ブラッグ反射器の反射率を示すグラフである。 スズ定盤を用いたラッピング工程でのスラリー粒子のサイズに応じた分布ブラッグ反射器の反射率を示すグラフである。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。以下に詳述る実施形態は、当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために例として提供されるものである。従って、本発明は以下説明される実施形態に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは便宜のために誇張し表現する場合がある。明細書全体に亘って同一の参照番号は、基本的に、同一の構成要素を示す。
図3は本発明の一実施形態による分布ブラッグ反射器45を有する発光ダイオードチップ20を説明するための断面図であり、図4は図3の分布ブラッグ反射器45を拡大して示した断面図である。
図3を参照すると、発光ダイオードチップ20は、基板21と、発光構造体30、分布ブラッグ反射器45とを含む。また、発光ダイオードチップ20は、バッファ層23と、透明電極31と、p−電極パッド33と、n−電極パッド35と、反射金属層51と、保護層53とを含んでもよい。
基板21は透明基板であれば特に限定されず、例えば、サファイアまたはSiC基板であってもよい。基板21はまた、上部面、即ち前面に、パターニングされたサファイア基板(PSS)のように、所定パターンを有してもよい。一方、基板21の面積はチップの全体面積を決める。本発明の実施形態において、発光ダイオードチップの面積が相対的に大きいほど、反射効果が増加する。従って、基板21は90,000μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは1mm以上であってもよい。
基板21の上部に発光構造体30が位置する。発光構造体30は、第1導電型半導体層25と、第2導電型半導体層29と、第1及び第2導電型半導体層25、29の間に配置された活性層27とを含む。ここで、第1導電型半導体層25と第2導電型半導体層29とは互いに反対の導電型を有し、第1導電型がn型であってもよく、第2導電型がp型であってもよく、またはその反対であってもよい。
第1導電型半導体層25、活性層27及び第2導電型半導体層29は、窒化ガリウム系列の化合物半導体物質、即ち、(Al、In、Ga)Nで形成されてもよい。活性層27は、求められる波長の光、例えば、紫外線または青色光を出射するように組成元素及び組成比が決められる。第1導電型半導体層25及び/または第2導電型半導体層29は、図示したように、単一層に形成されてもよいが、多層構造で形成することもできる。また、活性層27は、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造に形成してもよい。また、基板21と第1導電型半導体層25との間にバッファ層23を配置してもよい。
半導体層25、27、29は、MOCVD(metal−organic chemical vapor deposition)またはMBE(molecular beam epitaxy)技術を用いて形成してもよく、フォトリソグラフィ及びエッチング工程を用いて第1導電型半導体層25の一部領域が露出するようにパターニングしてもよい。
一方、透明電極層31は、第2導電型半導体層29上に、例えば、ITOまたはNi/Auで形成されてもよい。透明電極層31は、第2導電型半導体層29に比べて比抵抗が低いため、電流を分散させる役割をする。透明電極層31上にp−電極パッド33が形成され、第1導電型半導体層25上にn−電極パッド35が形成される。p−電極パッド33は、図示するように、透明電極層31を介して第2導電型半導体層29に電気的に接続してもよい。
一方、基板21の下部、即ち、裏面には分布ブラッグ反射器45が位置する。分布ブラッグ反射器45は、第1分布ブラッグ反射器40と第2分布ブラッグ反射器50とを含んでもよい。
図4を参照すると、第1分布ブラッグ反射器40は、第1材料層40aと第2材料層40bとの対が複数、繰り返して形成され、第2分布ブラッグ反射器50は、第3材料層50aと第4材料層50bとの対が複数、繰り返して形成される。第1材料層40aと第2材料層40bとの複数個の対は、青色波長領域の光に比べて赤色波長領域の光、例えば550nmまたは630nmの光に対する反射率が相対的に高く、第2分布ブラッグ反射器50は赤色または緑色波長領域の光に比べて青色波長領域の光、例えば460nmの光に対する反射率を相対的に高くしてもよい。この際、第1分布ブラッグ反射器40内の材料層40a、40bの光学的膜厚は、第2分布ブラッグ反射器50内の材料層50a、50bの光学的膜厚より厚いが、これに限定されず、その反対としてもよい。
第1材料層40aは、第3材料層50aと同一の材料、即ち同一の屈折率を有してもよく、第2材料層40bは、第4材料層50bと同一の材料、即ち同一の屈折率を有してもよい。例えば、第1材料層40a及び第3材料層50aはTiO(n:約2.5)で形成されてもよく、第2材料層40b及び第4材料層50bはSiO(n:約1.5)で形成されてもよい。
一方、第1材料層40aの光学的膜厚(屈折率×厚さ)は、第2材料層40bの光学的膜厚と実質的に整数倍の関係を有し、好ましくは、これらの光学的膜厚は実質的に同一としてもよい。また、第3材料層50aの光学的膜厚は、第4材料層50bの光学的膜厚と実質的に整数倍の関係を有し、好ましくは、これらの光学的膜厚は実質的に同一としてもよい。
また、第1材料層40aの光学的膜厚を第3材料層50aの光学的膜厚より厚くし、第2材料層40bの光学的膜厚を第4材料層50bの光学的膜厚より厚くしてもよい。第1乃至第4材料層40a、40b、50a、50bの光学的膜厚は、各材料層の屈折率及び/または実際の厚さを調節して制御することができる。
図3をさらに参照すると、分布ブラッグ反射器45の下部には、Al、AgまたはRhなどの反射金属層51と、分布ブラッグ反射器45を保護するための保護層53とが形成されてもよい。保護層53は、例えば、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びAuから選択された何れか一つの金属層またはこれらの合金で形成してもよい。反射金属層51または保護層53は、分布ブラッグ反射器45を外部の衝撃や汚染から保護することができる。例えば、反射金属層51または保護層53は、発光ダイオードチップを発光ダイオードパッケージに実装する際に、接着剤のような物質によって分布ブラッグ反射器45が変形することを防止することができる。また、反射金属層51は、分布ブラッグ反射器45を透過する光を反射することができるため、分布ブラッグ反射器45の厚さを相対的に減少させることができる。分布ブラッグ反射器45は、相対的に高い反射率を示すが、入射角が大きい光に対しては長波長領域の可視光を透過させることがある。従って、反射金属層51を分布ブラッグ反射器45の下部に配置することにより、分布ブラッグ反射器45を透過した光を反射することができるため、発光効率が向上する。
本実施形態によると、相対的に長波長の可視光線に対して反射率が高い第1分布ブラッグ反射器40と、相対的に短波長の可視光線に対して反射率が高い第2分布ブラッグ反射器50とが積層された構造の分布ブラッグ反射器45が提供される。分布ブラッグ反射器45は、この第1分布ブラッグ反射器40と第2分布ブラッグ反射器50との組み合わせにより、可視光線領域の殆どの領域に亘って光に対する反射率を高めることができる。
従来技術による分布ブラッグ反射器は、特定波長範囲の光に対する反射率は高いが、他の波長範囲の光に対する反射率が相対的に低いため、白色光を出射する発光ダイオードパッケージでの発光効率の向上には限界がある。しかし、本実施形態によると、分布ブラッグ反射器45は、青色波長領域の光だけでなく、緑色波長領域の光及び赤色波長領域の光に対しても高い反射率を有するため、発光ダイオードパッケージの発光効率を改善することができる。
さらに、第1分布ブラッグ反射器40を第2分布ブラッグ反射器50よりも基板21の近くに配置することにより、その逆に配置する場合に比べて、分布ブラッグ反射器45内での光損失を減少させることができる。
本実施形態においては、第1分布ブラッグ反射器40及び第2分布ブラッグ反射器50の二つの反射器について説明をしたが、より多い数の反射器を用いてもよい。この場合、相対的に長波長に対して反射率が高い反射器が発光構造体30に相対的に近く位置することが好ましい。
また、本実施形態において、第1分布ブラッグ反射器40内の第1材料層40aの厚さは、互いに異なっていてもよい。また、第2材料層40bの厚さも互いに異なっていてもよい。また、第2分布ブラッグ反射器50内の第3材料層50aの厚さは、互いに異なっていてもよい。また、第4材料層50bの厚さも互いに異なっていてもよい。
本実施形態において、材料層40a、40b、50a、50bがSiOまたはTiOで形成されると説明をしたが、これに限定されず、他の材料層、例えばSi、化合物半導体などで形成してもよい。但し、第1材料層40aと第2材料層40bとの屈折率の差及び第3材料層50aと第4材料層50bとの屈折率の差は、夫々0.5より大きいことが好ましい。
また、第1分布ブラッグ反射器40内の第1材料層と第2材料層との対の数及び第2分布ブラッグ反射器50内の第3材料層と第4材料層との対の数は多いほど反射率が増加する。これら対の総数は20以上であってもよい。
分布ブラッグ反射器45を形成する前に、基板21の裏面の表面粗さが制御する必要がある。基板21の裏面の表面粗さが相対的に大きい場合、分布ブラッグ反射器45によって広い波長範囲に亘って高い反射率を得ることが困難となる。また、分布ブラッグ反射器45と基板21との間の界面が不良である場合、分布ブラッグ反射器45が変形しやすくなる可能性がある。このような変形は、例えば、発光ダイオードパッケージに発光ダイオードチップを実装する場合に、例え僅かな熱工程であっても適用されると、分布ブラッグ反射器45の反射率が減少するという問題を引き起こす可能性がある。基板21の裏面は、表面粗さが3nm以下のRMS(root−mean−square)値を有するように制御される。好ましくは、基板21の裏面は、表面粗さが2nm以下、さらに好ましくは1nm以下のRMS値としてもよい。
以下、分布ブラッグ反射器45及び発光ダイオードチップの製造方法について説明する。
まず、分布ブラッグ反射器45を形成する前に、基板21の表面粗さを制御する。例えば、最初に、発光構造体が形成された基板21の裏面をグラインディング(grinding)することにより、基板21の一部を除去する。この際、基板21の裏面はグラインディングによってスクラッチが発生し、相対的に非常に粗い表面となる。その後、基板21の表面を小さい粒子のスラリーを用いてラッピングする(lapping)。ラッピング工程において、基板21の表面内のスクラッチなどの溝の深さが減少し、表面粗さが減少する。この際、ラッピング工程で用いられる定盤及びダイヤモンドスラリー粒子のサイズを調節することにより、基板21の裏面の表面粗さが3μm以下となるように制御してもよい。しかし、一般的に、定盤及びスラリー粒子を用いたラッピング工程のみでは表面粗さを調節することに限界があるため、ラッピング工程で表面粗さを減少させた後、化学機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)工程を行って基板21の裏面を研磨してもよい。CMP工程により、基板21の裏面の表面粗さを1nm以下に制御することができる。
次に、基板21の表面にTiO、SiO、Siなどの屈折率が相違する材料層を繰り返して形成する。材料層の形成は、スパッタリング、電子ビーム蒸着、プラズマ強化化学気相蒸着などの公知の多様な方法が用いられてもよく、特にイオンアシスト蒸着法(ion assisted deposition)を用いてもよい。イオンアシスト蒸着法は、基板21に蒸着する材料層の反射度を測定して適切な厚さの材料層を形成するため、分布ブラッグ反射器の材料層の形成において特に適する。
分布ブラッグ反射器が形成された後、分布ブラッグ反射器上に金属層を形成してもよい。その後、基板21をダイシングして個別発光ダイオードチップが完成する。
図5は本発明の他の実施形態による分布ブラッグ反射器55を説明するための断面図である。本実施形態による発光ダイオードチップは、図3及び図4を参照して説明した発光ダイオードチップと殆ど同様である。但し、図3及び図4では、分布ブラッグ反射器45が第1分布ブラッグ反射器40と第2分布ブラッグ反射器50との積層構造が図示及び説明されていることに対して、本実施形態による分布ブラッグ反射器55では、第1材料層40aと第2材料層40bとの複数個の対と第3材料層50aと第4材料層50bとの複数個の対とが互いに混在している。即ち、第3材料層50aと第4材料層50bとの少なくとも一対が第1材料層40aと第2材料層40bとの複数個の対の間に位置し、また、第1材料層40aと第2材料層40bとの少なくとも一対が第3材料層50aと第4材料層50bとの複数個の対の間に位置している。ここで、第1乃至第4材料層40a、40b、50a、50bの光学的膜厚は、可視光線領域の広い範囲に亘って光に対する高い反射率を有するように制御される。従って、分布ブラッグ反射器55を構成する各材料層の光学的膜厚は、互いに異なっていてもよい。
図6は本発明のさらに他の実施形態による複数の発光セルを有する発光ダイオードチップ20aを説明するための断面図である。
図6を参照すると、発光ダイオードチップ20aは、基板21上に形成される複数の発光セル30と、分布ブラッグ反射器45と、金属層51及び/または53とを含んでもよい。
基板21及び分布ブラッグ反射器45は、図3、図4、及び図5を参照して説明した分布ブラッグ反射器と同様であり、その詳細な説明は省略する。但し、基板21は、複数の発光セルを電気的に絶縁するために絶縁体であることが好ましく、例えばパターニングされたサファイア基板であってもよい。
一方、複数の発光セル30は互いに離隔されて位置する。複数の発光セル30は、夫々図3を参照して説明した発光構造体30と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、発光セル30と基板21との間にバッファ層23を配置してもよく、バッファ層23も互いに離隔されることが好ましい。
第1絶縁層37が発光セル30の前面を覆って、第1導電型半導体層25上及び第2導電型半導体層29上に開口部を有する。また、発光セル30の側壁は第1絶縁層37によって覆われ、また、第1絶縁層37は発光セル30同士の間の領域内において基板21を覆う。第1絶縁層37は、シリコン酸化膜(SiO)またはシリコン窒化膜で形成されてもよく、プラズマ化学気相成長(プラズマCVD)を用いて200〜300℃の温度範囲で形成された層であってもよい。この際、第1絶縁層37は450nm〜1μmの厚さに形成されることが好ましい。450nmより薄く形成されると、発光セルの下方で段差被覆(step coverage)特性によって相対的に薄い厚さの第1絶縁層が形成され、第1絶縁層上に形成される配線と発光セルとの間に電気的短絡が発生する可能性がある。一方、第1絶縁層は厚いほど電気的短絡を防止することができるが、光透過率を低下させて発光効率を減少させるため、1μmの厚さを超えないことが好ましい。
一方、配線39は、第1絶縁層37上に形成される。配線39は、開口部によって、第1導電型半導体層25及び第2導電型半導体層29に電気的に接続される。第2導電型半導体層29上に透明電極層31が位置してもよく、配線は透明電極層31に接続されてもよい。また、配線39は、隣接しあう発光セル30の第1導電型半導体層25と第2導電型半導体層29とを夫々電気的に接続し、発光セル30の直列アレイを形成してもよい。このようなアレイが複数形成されてもよく、複数のアレイが互いに逆並列(anti parallel)に接続され、交流電源に接続されて駆動されてもよい。また、発光セルの直列アレイに接続されたブリッジ整流器(図示せず)を形成してもよく、このブリッジ整流器によって発光セルが交流電源下で駆動されてもよい。ブリッジ整流器は、発光セル30と同一の構造の発光セルを、配線39を用いることにより形成することができる。
これとは異なり、配線39は、隣接しあう発光セルの第1導電型半導体層25を互いに接続してもよく、第2導電型半導体層29を互いに接続してもよい。これにより、直列及び並列接続された複数の発光セル30を提供することができる。
配線39は、導電物質、例えば、ドーピングされた半導体物質(例えば、多結晶シリコン)または金属で形成されてもよい。特に、配線39は、多層構造で形成されてもよく、例えば、CrまたはTiの下部層と、CrまたはTiの上部層とを含んでもよい。また、Au、Au/NiまたはAu/Alの金属層が下部層と上部層との間に配置されてもよい。
第2絶縁層41は、配線39及び第1絶縁層37を覆ってもよい。第2絶縁層41は、配線39が湿気などによって汚染されることを防止し、外部衝撃によって配線39及び発光セル30が損傷することを防止する。
第2絶縁層41は、第1絶縁層37と同一の材質で、シリコン酸化膜(SiO)またはシリコン窒化膜で形成されてもよい。第2絶縁層41は、第1絶縁層と同様に、プラズマ化学気相成長を用いて200℃〜300℃の温度範囲で形成された層であってもよい。さらに、第1絶縁層37がプラズマ化学気相成長を用いて形成された層である場合、第2絶縁層41は、第1絶縁層37の形成温度に対して±20%以内の温度範囲内で形成された層であることが好ましく、さらに好ましくは同一の形成温度で警醒された層であることが好ましい。
一方、第2絶縁層41は、第1絶縁層37に比べて相対的に薄くてもよく、50nm以上の厚さを有することが好ましい。第2絶縁層41が第1絶縁層37に比べて相対的に薄いため、第2絶縁層41が第1絶縁層37から剥離されることを防止することができる。また、第2絶縁層41が250nmより薄い場合、外部衝撃または湿気の浸透から配線及び発光セルを保護することが困難となる。
一方、蛍光体層43が発光ダイオードチップ20a上に位置してもよい。蛍光体層43は、樹脂に蛍光体が分散された層または電気泳動法によって形成された層であってもよい。蛍光体層43は、第2絶縁層41を覆って発光セル30から放出された光を波長変換する。
図7は本発明のさらに他の実施形態による複数の発光セルを有する発光ダイオードチップ20bを説明するための断面図である。
図7を参照すると、本実施形態による発光ダイオードチップ20bは、前述した発光ダイオードチップ20aと殆ど同様であるが、発光セル30の形状が異なり、これにより、配線39が接続する第1導電型半導体層25の部分が異なる。
即ち、発光ダイオードチップ20aの発光セル30は、第1導電型半導体層25の上部面が露出しており、配線39は第1導電型半導体層25の上部面に接続することができる。これとは異なって、本実施形態による発光ダイオードチップ20bの発光セル30は、傾斜した側面を有するように形成され、第1導電型半導体層25の傾斜した側面が露出し、配線39は第1導電型半導体層25の傾斜した側面に接続する。
従って、本実施形態によると、発光セルを分離する工程の他に、第1導電型半導体層25の上部面を露出させるための工程を別に実行する必要がないため、工程を単純化することができる。さらに、第1導電型半導体層25の上部面を露出させる必要がないため、活性層27の面積減少を防止することができる。また、配線39が第1導電型半導体層25の傾斜面に沿って接続するため、発光セル30の電流分散性能を改善することができ、これによって順方向電圧及び信頼性が改善される。
(実験例)
図8は、分布ブラッグ反射器の入射角に応じた反射率の変化を示すシミュレーショングラフである。ここで、分布ブラッグ反射器は、ガラス基板上にSiOとTiOとを交互に40層積層したものであり、各層の厚さは、0度の入射角で400nm〜700nmの全領域に亘って99%以上の反射率を有するように個々的に調節した。これにより、分布ブラッグ反射器全体の厚さは2.908μmであった。一方、実際に用いられる発光ダイオードチップの場合、サファイア基板(n:約1.78)とSiO(n:約1.48)と間の屈折率差によって約60度以上の入射角で入射する光は全反射されるため、60度以上の入射角についてのシミュレーションは省略した。一方、図8のグラフにおいて、反射率100%部分に可視領域全体を表示した(図9のグラフにも同様に表示する)。
図8のグラフから分かるように、40層の分布ブラッグ反射器は、可視光領域全体で0度の入射角に対して99%以上の極めて高い反射率を示した。しかし、分布ブラッグ反射器に入射する光の入射角が大きくなるほど、長波長の可視光に対する反射率が低下することが分かる。入射角が30度を超えると、700nm波長の光に対する反射率は99%以下に減少する。
図9A及び図9Bは、分布ブラッグ反射器の層数を増加させることにより、入射角50度及び60度での長波長の入射光に対する反射率を向上させた例を示す。
図9A及び図9Bを参照すると、図8で説明したように、2.908μmの基準分布ブラッグ反射器40Lの場合、長波長の可視光領域で0度の入射角に対する反射率(40L−0度)に比べて、50度の入射角に対する反射率(40L−50度)及び60度の入射角に対する反射率(40L−60度)が非常に減少することが分かる。さらに、可視領域の中間領域、例えば510nm〜520nm付近で反射率の低下する部分が発生している。
これに対して、分布ブラッグ反射器の層数を48層(全体厚さ:3.829μm)または52層(全体厚さ:4.367μm)に増加させる場合、入射角が大きい場合にも広い波長領域に亘って高い反射率が殆ど均一に得られる。
従って、分布ブラッグ反射器の積層される層数を増加させることにより反射率を向上させることができ、また、大きな入射角で入射する光に対しても高い反射率を維持することができる。しかし、分布ブラッグ反射器の積層数の増加は、工程時間を増加させ、分布ブラッグ反射器のクラックを発生させる可能性がある。
図10(a)及び(b)は夫々ダイシング工程が行われた後の分布ブラッグ反射器を示した平面図である。ここで、図10(a)は40層の分布ブラッグ反射器をイオンアシスト蒸着法で積層したもの、図10(b)は48層の分布ブラッグ反射器をイオンアシスト蒸着法で積層したものである。
40層を積層した場合(図10(a))は分布ブラッグ反射器にクラックが発生しなかったが、48層を積層した場合(図10(b))は分布ブラッグ反射器にクラックが発生した。52層を積層した場合も、同様にクラックが発生することを観察した。
分布ブラッグ反射器にクラックが発生する理由は明確ではないが、イオンアシスト蒸着法によると予想される。即ち、イオンを衝突させて高密度の層を形成するため、分布ブラッグ反射器にストレスが蓄積され、その結果、基板をダイシングする際に分布ブラッグ反射器にクラックが発生した可能性がある。従って、単純に積層数を増加させることだけでは量産性を有する発光ダイオードチップの提供に適さない。
これに当たって、図3で説明したように、分布ブラッグ反射器に反射金属層を形成することにより、入射角が大きい光に対しても相対的に高い反射率を維持することができる。
表1は、分布ブラッグ反射器の層数、エポキシ樹脂の種類、及びAl反射金属層の適用有無による白色発光ダイオードパッケージ状態での相対発光効率を示す。各実験例において、分布ブラッグ反射器、反射金属層、エポキシ樹脂の種類を除き、他の条件、例えば、発光ダイオードチップの種類及びパッケージの種類は全て同じであり、分布ブラッグ反射器の層数を40層にして、Al反射金属層を適用しない発光ダイオードチップのパッケージ(サンプル番号1)の発光効率に対する相対発光効率を%で示した。
サンプル1と2、そしてサンプル5と6を対比すると、Al反射金属層を適用しない場合、接着剤として用いられるエポキシ樹脂の種類によって発光効率に差が示されることが分かる。即ち、透明エポキシを用いたサンプルが銀エポキシを用いた場合より発光効率が高く示される。これは、Al反射金属層がない場合、分布ブラッグ反射器の反射率が接着剤によって影響を受けるということを示す。
一方、同一の種類の接着剤を用いた場合、Al反射金属層を適用したサンプルが、そうでないサンプルに比べて発光効率が高く示される。例えば、サンプル1と3、サンプル2と4、サンプル5と7を対比すると、Al反射金属層を適用した場合に発光効率が改善されることが分かる。
一方、同一の接着剤を用いて、Al反射金属層を適用しないサンプル1と5、そしてサンプル2と6を対比すると、積層数が増加するにつれて発光効率が改善することが分かる。これは、分布ブラッグ反射器の積層数が増加するにつれて広い入射角範囲で分布ブラッグ反射器の反射率が向上するためであると考えられる。
しかし、Al反射金属層及び銀エポキシを適用したサンプル3とサンプル7を対比すると、積層数の増加にも関わらず、発光効率には差がなかった。これは、Al反射金属層により、入射角が大きな長波長の可視光に対しても相対的に高い反射率を維持するためであると考えられる。従って、分布ブラッグ反射器とともに反射金属層を適用する場合、分布ブラッグ反射器の積層数を減らしながらもパッケージレベルで良好な発光効率を達成することができることが分かる。さらに、分布ブラッグ反射器の積層数の減少は、分布ブラッグ反射器に発生するクラックを防止することができる。
一方、分布ブラッグ反射器にAl反射金属層を適用する場合、チップレベルで分布ブラッグ反射器の反射率が減少することが観察され、このような現象は基板の表面粗さと密接な関連があると考えられる。以下、基板の表面粗さがチップレベルで分布ブラッグ反射器の反射率に与える影響について説明する。
図11は、銅定盤によるサファイア基板のラッピング工程後におけるCMP(化学機械的研磨)の有無による分布ブラッグ反射器の反射率を示すグラフである。
まず、サファイア基板の裏面をグラインディングした後、3μm粒子のダイヤモンドスラリーを用いて銅定盤によってラッピング工程を実行した。銅定盤によるラッピング工程後のサファイア基板の裏面の表面粗さは、5μm×5μmの面積で約5.12nmのRMS値を示した。
次に、サファイア基板の裏面に化学機械的研磨(CMP)工程を実施した後、TiO及びSiOの厚さを制御して、上述した第1分布ブラッグ反射器及び第2分布ブラッグ反射器を形成してサンプルを製作した(実施例1)。これに対する比較例として、化学機械的研磨工程を実行せず、実施例1と同一に分布ブラッグ反射器を形成してサンプルを製作した。化学機械的研磨工程は20Kgの荷重でSiOスラリーを用いて実行され、化学機械的研磨工程後のサファイア基板の表面粗さは5μm×5μmの面積で約0.25nmのRMS値を示した。
比較例の場合、分布ブラッグ反射器の反射率は図11に図示されたように、可視光線領域で略90%以上の反射率を示すが、反射率が波長によって不規則であり、また550nm付近では90%以下の値を示した。これに反し、実施例1の場合、分布ブラッグ反射器の反射率は可視光線の広い波長範囲に亘って殆ど100%に近い値を示した。
図12は、図11の実施例及び比較例と同様に製作したサンプルに約500nmのAl層を形成した後の反射率を示すグラフである。
比較例の場合、Al層形成後の反射率が非常に減少することが確認された。イ一方、実施例の場合、Al層形成後でも反射率が減少せず、高い反射率を維持した。
比較例でAl層を形成した後の反射率の減少は、Alを電子ビーム蒸着技術を用いて蒸着する間、表面が粗いサファイア基板に形成された比較例の分布ブラッグ反射器が界面不良によって変形したために示された現象であると考えられる。実施例1の場合はサファイア基板の表面粗さが良好であるため、Alを蒸着する間に分布ブラッグ反射器の変形が発生せず、反射率が維持されると考えられる。
図13乃至図15は、スズ定盤を用いたラッピング工程でのスラリー粒子のサイズに応じた分布ブラッグ反射器の反射率を示すグラフである。
ここで、スラリーはダイヤモンド粒子を含み、ダイヤモンド粒子のサイズは夫々3μm、4μm及び6μmのものを用いた。スズ定盤を用いたラッピング工程後のサファイア基板の表面粗さはダイヤモンド粒子のサイズに応じて、約2.40nm、3.35nm及び4.18nmのRMS値を示した。
スズ定盤によってラッピング工程を実施した後、実施例1と同一の分布ブラッグ反射器を形成し、追加的に図11の例のように約500nmのAl層を形成した。
図面から分かるように、3μmスラリーとスズ定盤によるラッピング工程後の分布ブラッグ反射器の反射率は、可視光線領域の広い波長範囲に亘って90%以上であった。但し、Al層を形成した後、反射率が550nm付近で少し減少した。
しかし、4μmスラリー及び6μmスラリーとスズ定盤によるラッピング工程後の分布ブラッグ反射器の反射率は、550nm付近で90%に及ぶことができず、Alを形成した後の反射率は80%以下に減少した。
以上の実験例から分かるように、分布ブラッグ反射器を形成する前のサファイア基板の表面粗さが分布ブラッグ反射器の反射率に影響を与えることが分かる。また、サファイア基板の表面粗さを3nm以下のRMS値以下に制御する必要がある。また、サファイア基板の表面粗さが1nm以下の場合、Al層形成後にも反射率が減少されないと予想される。

Claims (11)

  1. 前面及び裏面を有する基板と、
    前記基板の前記前面上部に位置し、第1導電型半導体層と第2導電型半導体層との間に配置された活性層を含む発光構造体と、
    前記基板の前記裏面上に位置し、前記発光構造体から出射された光を反射する分布ブラッグ反射器と、
    前記分布ブラッグ反射器の下部に位置する金属層と、を含み、
    前記分布ブラッグ反射器は、青色波長領域の第1波長の光、緑色波長領域の第2波長の光、及び赤色波長領域の第3波長の光に対して、90%以上の反射率を有し、
    前記分布ブラッグ反射器は、
    前記基板の前記裏面上に配置され、前記第1波長の光に比べて前記第2波長または前記第3波長の光に対する反射率が高い第1分布ブラッグ反射器と、
    前記第1分布ブラッグ反射器上に配置され、前記第2波長または前記第3波長の光に比べて前記第1波長の光に対する反射率が高い第2分布ブラッグ反射器と、から成ることを特徴とする発光ダイオードチップ。
  2. 前記金属層は、反射金属層であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードチップ。
  3. 前記反射金属層は、Alであることを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオードチップ。
  4. 前記基板の裏面は、表面粗さが3nm以下のRMS値を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードチップ。
  5. 前記基板の裏面は、表面粗さが1nm以下のRMS値を有することを特徴とする請求項4に記載の発光ダイオードチップ。
  6. 前記基板上に複数の発光セルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードチップ。
  7. 前記複数の発光セルが直列に接続された少なくとも一つの発光セルアレイを含むことを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオードチップ。
  8. 互いに隣接する前記発光セルを直列に接続する配線をさらに含み、
    前記複数の発光セルは傾斜した側面を有し、
    前記配線は前記互いに隣接する発光セルのうち一つの発光セルの第1導電型半導体層の側面に接続されることを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオードチップ。
  9. 前記第1及び第2分布ブラッグ反射器は、屈折率が互いに異なる層が交互に積層された構造を有し、各層の光学的膜厚は互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードチップ。
  10. 前記分布ブラッグ反射器は、400nm〜700nm範囲内の全波長の光に対して、入射角0度で98%以上の反射率を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードチップ。
  11. 前記分布ブラッグ反射器は、700nmの光に対して、入射角50度で95%以上の反射率を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードチップ。
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