JP5854595B2 - ヘルメット用ラチェットバックル - Google Patents
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Description
上記ヘルメット用バックルは、係止を解除する操作部16を押し下げることでバンド3の係止が容易に解除できるために、誤って該操作部16を押し下げてヘルメットが使用者の頭部から脱落する恐れがある。
それ故に、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、係止爪とラチェット歯の係止が解除されるレバーの引き上げる距離を長くすることで、誤った又は不慮のレバー操作でヘルメットが頭部から脱落せずに安全性が確保されると共に厚さが薄いヘルメット用ラチェットバックルを提供することを課題とする。
すなわち本発明は、以下の通りのものである。
請求項1に係る発明のヘルメット用ラチェットバックルは、
ヘルメットの内部に配置されたひもに締結するラチェット及びバックルからなり、該バックルには、その基本骨格であるベース部材にコイルバネを挿入したピンを介して操作部材を組み付け、上記コイルバネはピンを中心に操作部材をベース部材に引きつける方向に付勢されており、上記ラチェットの表面には、係止用の複数の爪部が設けられており、上記バックル内部にはラチェットの爪部に選択的に係止する係止部が設けられており、上記ラチェットの端部をバックルに挿入して上記爪部に選択的に該係止部を係止し、上記バックルに設けられた操作部材を引き上げることによりその係止を解除するヘルメット用ラチェットバックルであって、前記バックルが前記ベース部材と前記操作部材の間に、前記ピンを介して係止・解除部材が組み付けてあって、該係止・解除部材にはラチェットの爪部に係合できる前記係止部及び中央凸状部の両端部が設けられており、操作部材は前端部を有し、係止・解除部材は前端部を有し、両前端部は操作部材の回動によって当接する構造であって、前記操作部材を引き上げて反時計方向に回動させて、該操作部材に形成されている前端部を上記係止・解除部材の前端部に当接して、さらに、該係止・解除部材の係止部を回動させて前記ラチェットの爪部との係止を解除することを特徴とする。
請求項2に係る発明のヘルメット用ラチェットバックルは、
前記係止・解除部材が側板から成る側壁部と底板から成る係止・解除部から構成されており、該側壁部には、前記ピンを挿入する貫通孔が設けられており、上記係止・解除部には、前記ラチェットの爪部に係合する前記係止部及び中央凸状部の両端部と、前記操作部材の引き上げ操作に伴い、操作部材の前端部に当接して上記ラチェットの爪部との係止を解除する解除凸部とが設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明のヘルメット用ラチェットバックルは、
前記係止部がピン軸方向に長い長方形状であり、ラチェットの挿入方向に対して前方から後方に向かって傾斜状に設けられており、また、前記中央凸状部の両端部はピン軸方向に長い長方形状であり、前方から後方に向かって傾斜状に設けられており、そして、その中央部が凸状にプレス加工されており、前記解除凸部の先端内側が円形状の凸部に形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明のヘルメット用ラチェットバックルは、
前記側壁部の後端部が台形状凸部である止め部に形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明のヘルメット用ラチェットバックルは、
前記操作部材の前端部に、前方両端部に凸状の扁平形状である押圧凸部が設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明のヘルメット用ラチェットバックルは、
前記操作部材の前端部に設けられている前記押圧凸部が、前記係止・解除部材の前端部に設けられた前記解除凸部に当接し、前記係止・解除部材の係止部が回動して、前記ラチェットの爪部との係止を解除することを特徴とする。
請求項7に係る発明のヘルメット用ラチェットバックルは、
前記操作部材を引き上げる操作は、前記押圧凸部が解除凸部に当接するまでは前記コイルバネの付勢に抗する力で引き上げ、前記ラチェットとバックルの係止が解除されるまでは、前記バネの付勢よりも大きな力で引き上げることを特徴とする。
また、本発明のヘルメット用ラチェットバックルは、ベース部材と係止・解除部材がステンレス製板材をプレス加工で簡単に形成できるので製造コストを安価にでき、また、爪部と係止部及び中央凸状部の両端部の2段でこのステンレス製板材の厚さの面同士で当接しているので、ヘルメットが外部から強い衝撃を受けたとしても両部品が破損することはない。
更に、本発明のヘルメット用ラチェットバックルの操作部材を引き上げる力は、押圧凸部が解除凸部に当接するまでは前記コイルバネの付勢に抗する小さな力で引き上げ、ラチェットとバックルの係止が解除されるまでは、該ラチェットとバックルの係止状態の距離を短くするために、大きな力で引き上げる必要があり、操作部材を引き上げる距離が長いのと引き上げる力が変化するので、誤った又は不慮のレバー操作を発生させることを未然に防ぐことができる。
図1は本発明のヘルメット用ラチェットバックルの外観の斜視図である。上記ヘルメット用ラチェットバックル1は、ヘルメットの内部に配置されたひもに締結する、ラチェット20とそのラチェット20を挿通するバックル2から構成されている。前記ラチェット20の表面には係止用の複数の爪部21を設ける一方、上記バックル2の内部には該複数の爪部21に選択的に係止する係止部(図示せず)を設けており、上記ラチェット20の端部をバックル2に挿入して上記複数の爪部21に選択的に該係止部を係止し、上記バックル2に設けた操作部材5によりその係止を解除するものである。
なお、以下に参照して説明する図2〜図12は、バックル2の前方であるラチェットを挿入する方向を左側に配置した図であることに注意をされたい。
上記中央凸状部46はその中央が凸状である形状に合わせてその両端部が傾斜するようにプレス加工されている。
このように、上記係止・解除部材4は、貫通孔41、41、側壁部42、42、止め部42′、42′、係止・解除部43、43、係止部45、中央凸状部46から構成されている。
上記操作部材5は、合成樹脂射出成形体からなり、図2に示す構造に成形されたバックルの部品であり、貫通孔51、51、押圧凸部52、52、操作部53から構成されている。
ベース部材3の貫通孔31、31に挿入されたピン6に、係止・解除部材4の貫通孔41、41、操作部材5の貫通孔51、51が挿入されている。
貫通孔51は2個のコイルバネ7、7をその両端から挿入して、該コイルバネの内部先端をその中央付近で固定するためのものであり、そして、2個のコイルバネ7、7の外部先端を上記コイルバネ固定部36に係止することで、操作部材5が時計方向に付勢される。ベース部材3と係止・解除部材4の隙間は、ラチェット20の爪部21の高さ(厚さ)より僅かながら狭い間隙が設けられている。また、係止・解除部材4と操作部材5に隙間があり、操作部材5の押圧凸接部52、52の真下に係止・解除部材4の解除当接部44、44が位置して設けられている。操作部53を引き上げると、押圧凸部52、52が解除凸部44、44に当接して、係止・解除部材4が反時計方向に回動する。
図5は、バックルの係止・解除部材の縦断面図である。係止・解除部材4は、上記縦断面図が示す形状にプレス加工されており、側壁部42、42に貫通孔41、41が穿孔され、係止・解除部43、43(図示せず)のその先端内側に解除凸部44、44が内側に向かって形成されている。図2で説明したように、長方形状の係止部45は傾斜上に設けられており、上記中央凸状部46はその中央が凸状の形状に加工されている。
上記係止部45及び中央凸状部46の両端部は、安全性を向上させるために、その両後側面がラチェット20の爪部21に2段で係止することで、ラチェット20とバックル2を係止している。
なお、コイルバネは2個のものを用いて付勢する実施形態を示したが、1個のものを用いても良い。その場合には、貫通孔51が1個のコイルバネ7を左右何れかの一端から挿入して、該コイルバネ7の内部先端をその中央付近で固定するためのものであり、2個のコイルバネ7、7の付勢力と同じ付勢力を有するコイルバネ7を用いる必要がある。
上述したように、上記コイルバネ7、7が係止・解除部材4を時計方向に付勢しているが、ベース部材3と係止・解除部材4の隙間は、ラチェット20の爪部21の高さ(厚さ)より僅かながら狭い間隙のために、曲線形状の曲線部24で上記係止・解除部材4の係止部45を僅かながら押し上げて回動させて挿入する。
図9は、ラチェットの縦断面図である。図8で説明したように、板材のプレス加工により爪部21を形成しているので、この爪部21に係止する係止部45と同様に金属板材の厚さの面同士が当接することになる。曲線部24はその形状が曲線状であり、挿入し易くする機能と爪部21としての機能も備えている。爪部21はその数が5個の例を示しているが、この5個の爪部21により最大と最小の長さの差は2cmほどでありその長さを調整できる。爪部の個数は必要に応じて任意に増減できる。
図10に付した符号は図2及び図8と同じ部品を示しているので説明を省略する。
係止・解除部材4は一点鎖線で示し、操作部材5は実線で示している。ピン6を中心として操作部材5と係止・解除部材4は、コイルバネ7、7により時計方向に付勢されており、係止・解除部材4の係止部45がラチェット20の爪部21に係止されている。爪部21と係止部45及び中央凸状部46の両端部は、上述したように、ステンレス製板材のプレス加工により形成しているので、このステンレス製板材の厚さの面同士が2段で当接しているので、ヘルメットが外部から強い衝撃を受けたとしても両部品が破損することはなく、また、上記ステンレス製板材をプレス加工で簡単に形成できるので、製造コストを安価にできる。まして、バックル2は、図15の操作部16を押し下げる構造ではなく引き上げる構造なので、ヘルメットが脱落する恐れはない。
この縦断面図は、操作部材5の操作部53を引き上げることで、押圧凸部52、52が解除当接部44、44に当接した状態を示すもので、その時の引き上げる距離は、図11の操作部53の後端部が引き上げる前の最初の位置をX1(以下、「最初の位置X1」という)とし、図11の操作部53の後端部が引き上げられて解除当接部44、44に当接する位置をX2(以下、「当接位置X2」という)として、引き上げる距離をx1で示している。係止部45の一部が爪部21に当接している状態では、この両者は係止する状態を維持している。操作部53の距離x1の引き上げは、コイルバネ7、7の付勢に抗する力を働かせればよいので、小さな力で引き上げればよい。上記爪部21と係止部45及び中央凸状部46の両端部は両者のステンレス製板材の厚さの面が当接している。図11の符号Oはピン6の中心点を示し、その中心点Oから引かれた一点鎖線は、そこから係止部45の断面が長方形の当接面下端に引かれている。符号Y1は上記当接面下端の位置を示している。
操作部53の引き上げで押圧凸部52、52が解除当接部44、44に当接すると、係止・解除部材4を反時計方向に回動させようとするが、爪部21及び係止部45のステンレス製板材の厚さの面同士が当接しているので、上記係止部45の当接面下端が上記爪部21の当接面上端から解放されるまで係止が維持され、この当接面下端がその当接面上端から解放されことで係止が解除される。図12のピン6の中心点Oから引かれた一点鎖線は、そこから係止部45の断面が長方形の当接面下端に引かれている。符号Y2は上記当接面下端、即ち上記爪部21の当接面上端の位置を示している。図12の当接位置X2から更に操作部53の後端部が引き上げられて、係止から解除する位置X3までの距離をx2で示している。この引き上げによる距離x2は、係止部45の当接面下端が位置Y1からY2に移動する距離yに対応している。操作部53の距離x2の引き上げは、バックルとラチェットの係止状態を更に距離yだけ短くするために、引き上げる力を強く働かせる必要があり、大きな引き上げ力でなければ解除されない。上記距離x1は上記距離x2の約1.5倍の距離である。
2 バックル
20 ラチェット
21 爪部
24 曲線部
3 ベース部材
31 貫通孔
32 側壁部
33 ラチェット挿入部
34 ひも係止部
35 ひも係止孔
36 コイルバネ固定部
4 係止・解除部
41 貫通孔
42 側壁部
42′止め部
43 係止・解除部
44 解除凸部
45 係止部
46 中央凸状部
5 操作部材
51 貫通孔
52 押圧凸部
53 操作部
6 ピン
7 コイルバネ
Claims (7)
- ヘルメットの内部に配置されたひもに締結するラチェット及びバックルからなり、
該バックルには、その基本骨格であるベース部材にコイルバネを挿入したピンを介して操作部材を組み付け、上記コイルバネはピンを中心に操作部材をベース部材に引きつける方向に付勢されており、
上記ラチェットの表面には、係止用の複数の爪部が設けられており、
上記バックル内部にはラチェットの爪部に選択的に係止する係止部が設けられており、
上記ラチェットの端部をバックルに挿入して上記爪部に選択的に該係止部を係止し、上記バックルに設けられた操作部材を引き上げることによりその係止を解除するヘルメット用ラチェットバックルであって、
前記バックルが前記ベース部材と前記操作部材の間に、前記ピンを介して係止・解除部材が組み付けてあって、該係止・解除部材にはラチェットの爪部に係合できる前記係止部及び中央凸状部の両端部が設けられており、
操作部材は前端部を有し、係止・解除部材は前端部を有し、両前端部は操作部材の回動によって当接する構造であって、
前記操作部材を引き上げて反時計方向に回動させて、該操作部材に形成されている前端部を上記係止・解除部材の前端部に当接して、さらに、該係止・解除部材の係止部を回動させて前記ラチェットの爪部との係止を解除することを特徴とするヘルメット用ラチェットバックル。 - 前記係止・解除部材が側板から成る側壁部と底板から成る係止・解除部から構成されており、
該側壁部には、前記ピンを挿入する貫通孔が設けられており、
上記係止・解除部には、前記ラチェットの爪部に係合する前記係止部及び中央凸状部の両端部と、前記操作部材の引き上げ操作に伴い、操作部材の前端部に当接して上記ラチェットの爪部との係止を解除する解除凸部とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット用ラチェットバックル。 - 前記係止部がピン軸方向に長い長方形状であり、ラチェットの挿入方向に対して前方から後方に向かって傾斜状に設けられており、
また、前記中央凸状部の両端部はピン軸方向に長い長方形状であり、前方から後方に向かって傾斜状に設けられており、そして、その中央部が凸状にプレス加工されており、
前記解除凸部の先端内側が円形状の凸部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のヘルメット用ラチェットバックル。 - 前記側壁部の後端部が台形状凸部である止め部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のヘルメット用ラチェットバックル。
- 前記操作部材の前端部に、前方両端部に凸状の扁平形状である押圧凸部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のヘルメット用ラチェットバックル。
- 前記操作部材の前端部に設けられている前記押圧凸部が、前記係止・解除部材の前端部に設けられた前記解除凸部に当接し、前記係止・解除部材の係止部が回動して、前記ラチェットの爪部との係止を解除することを特徴とする請求項5に記載のヘルメット用ラチェットバックル。
- 前記操作部材を引き上げる操作は、前記押圧凸部が解除凸部に当接するまでは前記コイルバネの付勢に抗する力で引き上げ、前記ラチェットとバックルの係止が解除されるまでは、前記バネの付勢よりも大きな力で引き上げることを特徴とする請求項6に記載のヘルメット用ラチェットバックル。
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