JP5854444B1 - マスト装置、及び、該マスト装置を備えるフォークリフト - Google Patents

マスト装置、及び、該マスト装置を備えるフォークリフト Download PDF

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Abstract

【課題】ティルト装置がなくてもフォークの先端部を地面に接地させることができるマスト装置、及び、該マスト装置を備えるフォークリフトを提供する。【解決手段】フォーク5は、リフトブラケット4に支持されて上下方向にのびるシャンク部50と、シャンク部50の下端からリフトブラケット4に対して離間する水平方向Xに突出するブレード部51と、を備え、ブレード部51の下面は先端に向けて斜め上向きに傾斜している。リフトブラケット4は、水平方向Xに対して斜め上向きにのびる長穴46と、シャンク部50が取り付けられ、長穴46に沿って移動可能に長穴46に差し込まれたシャフト45とを備える。リフトブラケット4が下降すると、ブレード部51の後端部が地面Fに接地し、さらにリフトブラケット4が下降すると、シャフト45が長穴46の下端から上端に向けて移動する。それによって、フォーク5が前傾する。【選択図】図4

Description

本発明は、荷を昇降させるためのマスト装置、及び、該マスト装置を備えるフォークリフトに関する。
フォークリフトは、荷を昇降させるためのマスト装置を備えている。マスト装置は、上下方向にのびるマストと、マストに沿って昇降可能にマストの前面に設けられたリフトブラケットと、リフトブラケットの前面に支持されたフォークと、リフトブラケットを昇降させるリフトシリンダなどからなる昇降手段とを備えている。
図6に、リフトブラケット4’及びこれに支持されたフォーク5の側面図が示されている。フォーク5は、側面視でL字形状を有する。フォーク5は、リフトブラケット4’に取り付けられて上下方向にのびるシャンク部50と、荷を支えるためにシャンク部50の下端から水平方向にのびるブレード部51とからなる。ブレード部51は、傾斜せず平坦な上面と、先端に向かって斜め上向きに傾斜する下面とを備えており、先端に向けて厚みが小さくなる形状である。このような形状によって、ブレード部51をパレットに差し込み易くなっている。
オペレータは、荷役作業を終えてフォークリフトを駐車する際、フォーク5が周囲の作業者の邪魔にならないように、リフトブラケット4’を最も下降させてフォーク5を地面Fに接地させる。しかしながら、フォーク5は、前述した形状ゆえに、その後端部は地面Fに接地するが、先端部は地面Fから浮き上がる。この先端部の浮き上がりが原因で、作業者が躓いて転倒する事故が発生していた。
このような事故を防止するために、フォーク5の傾動角度を調整するティルト装置が利用されている。具体的には、オペレータは、フォークリフトを駐車する際にマスト装置でリフトラケット4’を最も下降させるとともに、ティルト装置でフォーク5を前傾させることで、フォーク5の先端部を地面Fに接地させている。このような動作を自動でするフォークリフトもある(例えば、特許文献1)。
特開2007−22711号公報
しかしながら、フォークリフトには、ティルト装置を備えず、それゆえフォーク5の先端部を地面Fに接地させることができないものもある。このようなフォークリフトでは、フォーク5の先端部の浮き上がりが原因で発生する事故を防止できなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ティルト装置を用いなくてもフォークの先端部を地面に接地させることができるマスト装置、及び、該マスト装置を備えるフォークリフトを提供することにある。
上記課外を解決するために、本発明に係るマスト装置は、
上下方向にのびるマストと、
前記マストに沿って昇降可能に設けられたリフトブラケットと、
前記リフトブラケットを前記マストに沿って昇降させる昇降手段と、
前記リフトブラケットに設けられたフォークと、を備え、
前記フォークは、前記リフトブラケットに支持されて前記上下方向にのびるシャンク部と、前記シャンク部の下端から前記リフトブラケットに対して離間する水平方向に突出するブレード部と、を備え、前記ブレード部の下面は、先端に向けて斜め上向きに傾斜している、マスト装置であって、
前記リフトブラケットは、
前記上下方向にのびる第1穴部と、前記第1穴部の上端から前記ブレード部の突出方向に対して斜め上向きにのびる第2穴部とからなる長孔と、
前記シャンク部が取り付けられ、前記長穴に沿って移動可能に前記長穴に差し込まれたシャフトと、を備え、
前記リフトブラケットが前記昇降手段により下降すると、前記ブレード部の後端部が地面に接地し、前記リフトブラケットがさらに前記昇降手段により下降すると、前記シャフトが前記第1穴部の下端から前記第2穴部の上端に向けて移動し、
前記シャフトが前記第1穴部を移動する間、前記フォークは前傾せず、前記シャフトが前記第2穴部を移動すると、前記フォークが前傾して前記ブレード部の先端部が地面に接地する、
ことを特徴とする。
好ましくは、前記シャンク部は、その上端で前記シャフトに取り付けられており、
前記リフトブラケットは、前記シャフトから下方向に間隔をあけて設けられ、前記シャンク部の下部の背面に当接するロアー部を備える。
上記課題を解決するために、本発明に係るフォークリフトは、車体と、前記車体に設けられた上記のマスト装置とを備えることを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えることにより、ティルト装置を用いなくてもフォークの先端部を地面に接地させることができるマスト装置、及び、該マスト装置を備えるフォークリフトを提供することができる。
本発明に係るフォークリフトの概略的な構成を示す側面図である。 図2Aは、マスト装置の要部の構成を示す斜視図であり、図2Bは、マストのガイド溝とリフトブラケットのガイドローラとを概略的に示す斜視図である。 マスト装置のリフトブラケット及びフォークの構成を示す側面図である。 図4A〜図4Cは、リフトブラケットの下降によってフォークが前傾する動作を説明する図である。 他の実施形態におけるマスト装置のリフトブラケット及びフォークの構成を示す側面図である。 従来のマスト装置のリフトブラケット及びフォークの構成を示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るマスト装置、及び該マスト装置を備えるフォークリフトについて説明する。
図1に示される通り、フォークリフト1は、車体10、及び、車体10の前部に立設されたマスト装置2を備えている。フォークリフト1は、本実施例では、運転席を備えずオペレータが歩きながら操縦するウォーキータイプである。走行用の車輪11が車体10の前部及び後部に取り付けられ、地面Fに接地している。車体10の後部に、車体10及びマスト装置2を操縦するためのハンドル12が接続されている。
マスト装置2は、本実施例では、シングルマスト構造である。図1、図2A、図2Bに示される通り、マスト装置2は、車体10の前部に立設されて上下方向にのびる左右一対のマスト3を備えている。各マスト3には、上下方向にのびるガイド溝30が形成されており、横断面がコ字形状である。一対のマスト3は、左右方向に一定の間隔をあけて配置されており、ガイド溝30が互いに対向している。
マスト装置2は、マスト3に沿って昇降可能にマスト3の前面に設けられたリフトブラケット4と、リフトブラケット4に支持されリフトブラケット4の前面に設けられた左右一対のフォーク5とを備えている。
リフトブラケット4は、左右方向にのびるアッパー部40と、アッパー部40から下方に間隔をあけて配置され、左右方向にのびるロアー部41と、アッパー部40及びロアー部41の両側に配置された2つのサイド部42とを備えている。
アッパー部40及びロアー部41の背面には2つのローラ支持部43が互いに左右方向に間隔をあけて配置されており、ローラ支持部43はそれぞれ、互いに上下方向に間隔をあけて配置された2つのガイドローラ44(図2B)を備えている。各ガイドローラ44は、左右方向にのびる回転軸線周りに回転可能にローラ支持部43に支持されている。左側のローラ支持部43の2つのガイドローラ44は、左側のマスト3のガイド溝30に嵌っており、ガイド溝30に沿って摺動可能である。右側のローラ支持部43の2つのガイドローラ44は、右側のマスト3のガイド溝30に嵌っており、ガイド溝30に沿って摺動可能である。この構成によって、リフトブラケット4がマスト3に案内されるようになっている。
さらに、リフトブラケット4は、図1及び図2Aに示される通り、アッパー部40の上方に配置され左右方向にのびるシャフト45を備えている。シャフト45の両端は、左右のサイド部42に形成された後述するガイド用の長穴46に差し込まれている。
各フォーク5は、リフトブラケット4に支持されて上下方向にのびるシャンク部50と、シャンク部50の下端からリフトブラケット4に対して離れる水平方向に、即ち前方向Xに突出するブレード部51とを備えている。シャンク部50は、その上端で取付部52(図2A)を介してシャフト45に取り付けられている。
ブレード部51は、リフトブラケット4よりも低い位置にある。ブレード部51の上面は傾斜がなく平坦であり、ブレード部51の下面は、先端に向けて斜め上向きに傾斜している。従って、ブレート部51の厚みは、先端に向けて小さくなっている。
昇降手段は、図2Aに示される通り、マスト3に取り付けられたシリンダサポート20上に設置され、上下方向に伸縮するリフトシリンダ21と、リフトシリンダ21を駆動する油圧回路とを備えている。さらに、昇降手段は、図示されていないが、リフトシリンダ21のピストンロッドの先端に回転可能に取り付けられたチェーンホイールと、リフトブラケット4を吊り下げるチェーンとを備える。チェーンは、チェーンホイールに掛けられ、その一端がマスト3に固定され、その他端がリフトブラケット4に固定されている。上記構成により、リフトシリンダ21が伸縮すると、リフトブラケット4及びこれに支持されたフォーク5がマスト3に案内されて昇降する。
図3に示される通り、各サイド部42のガイド用の長穴46は、ブレード部51の突出方向である前方向Xに対して斜め上向きにのびている。左右方向にのびるシャフト45は、左右両側のサイド部42の長穴46に差し込まれており、長穴46に沿って摺動可能である。なお、長穴46は、本実施例では、サイド部42を左右方向に貫通しているが、シャフト45が差し込まれさえすれば左右方向に貫通してなくてもよい。シャフト45は、その自重及びフォーク5の重量によって長穴46の下端に位置している。
リフトブラケット4が昇降手段によりマスト3の下部へ下降すると、図4Aに示される通り、ブレード部51の後端部が地面Fに接地する。このとき、ブレード部51の先端部は地面から浮いている。
リフトブラケット4が昇降手段によりさらに下降すると、フォーク5はこれ以上下降することができないため、図4Bに示される通り、シャフト45が長穴46の下端から上端に向けて長穴46に対して移動する。長穴46は前方向Xに対して斜め上向きにのびていることから、シャフト45が長穴46に対して移動すると、シャフト45に取り付けられているフォーク5は前傾する。
そして、リフトブラケット4がマスト3に対して最も下降すると、図4Cに示される通り、シャフト45が長穴46の上端に達し、フォーク5は、ブレード部51の先端部が地面Fに接地するまで前傾する。
以上のように、このマスト装置2によれば、リフトブラケット4が最も下降すると、フォーク5(ブレード部51)の先端部が自動的に地面Fに接地する。しかも、このフォーク5の先端部の地面Fへの接地は、従来のようにフォーク5の傾動角度を調整するティルト装置を用いずに行われている。従って、本発明によれば、ティルト装置を備えていないフォークリフト1におけるフォーク5の先端部の浮き上がりに起因する事故を防止できる。
なお、図4Cのフォーク5の先端部が地面Fに接地した状態から、リフトブラケット4及びフォーク5を昇降手段により上昇させると、シャフト45が自重により長穴46の下端へ移動して、図1に示される状態に戻る。
また、図3等に示される通り、ロアー部41は、シャフト45から下方向に一定の間隔をあけて配置されて、シャンク部50の下部の背面に当接している。そのため、ブレード部51に荷を載せたとしても、シャフト45が長穴46に沿って移動してフォーク5が前傾することはない。従って、安全に荷役作業ができる。
また例えば、長穴46は図5に示す形状でもよい。図5の長穴46は、上下方向にのびる第1穴部Sと、第1穴部Sの上端から前方向Xに対して斜め上向きにのびる第2穴部Tとからなる。シャフト45は重力により長穴46の第1穴部Sの下端に位置している。この構成でも同様に、リフトブラケット4が下降すると、シャフト45が長穴46の第1穴部Sの下端から第2穴部Tの上端に向けて長穴46に対して移動する。シャフト45が第1穴部Sを移動している間、フォーク5は前傾せず、シャフト45が第2穴部Tを移動するとフォーク5は前傾してその先端部が地面Fに接地するようになっている。
この構成によれば、フォークリフト1が走行時に地面Fの起伏などによりある程度の振動を受けても、シャフト45は第1穴部Sにとどまり、前方向Xに対して斜め上向きにのびる第2穴部Tまでは移動しないようになっている。従って、当該振動によってフォーク5が前傾姿勢になるようなことが防止される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
フォークリフト1は、上記実施形態では、運転席を備えていないウォーキータイプのものであったが、運転席を備えているフォークリフトでもよい。また、フォークリフト1が、マスト装置2を車体10の前部でなく側部に備え、フォーク5のブレード部51が車体10の左右方向のいずれかの方向に突出するサイドフォークリフトでもよい。
マスト装置2は、上記実施形態では、固定マストを備え、上下方向に可動するマストを備えていないシングルマスト構造であった。しかしながら、本発明に係るマスト装置2は、二段マスト構造、三段マスト構造といった、固定マストと一以上の上下動する可動マストとからなる多段マスト構造(伸縮マスト構造)にも適用できる。
また、本発明に係るフォークリフト1は、ティルト装置を備えていてもよい。本発明によれば、オペレータは、ティルト装置を作動させず、マスト装置2を作動させるだけでフォーク5の先端部を地面Fに接地させることができるので、駐車の際のオペレータの負担は従来よりも軽減される。
ティルト装置によるフォークの最大前傾角度は、フォークリフトの機種にもよるが約3度〜6度である。フォーク5の形状によっては、ティルト装置でフォーク5を最も前傾させても、フォーク5の先端部が地面Fに接地しないものもある。従って、このようなフォークリフトに本発明を適用することも有効である。
1 フォークリフト
10 車体
2 マスト装置
3 マスト
4 リフトブラケット
4’ リフトブラケット(従来)
40 アッパー部
41 ロアー部
42 サイド部
45 シャフト
46 長穴
S 長穴の第1穴部
T 長穴の第2穴部
5 フォーク
50 シャンク部
51 ブレード部
52 取付部
F 地面
X 前方向

Claims (3)

  1. 上下方向にのびるマストと、
    前記マストに沿って昇降可能に設けられたリフトブラケットと、
    前記リフトブラケットを前記マストに沿って昇降させる昇降手段と、
    前記リフトブラケットに設けられたフォークと、を備え、
    前記フォークは、前記リフトブラケットに支持されて前記上下方向にのびるシャンク部と、前記シャンク部の下端から前記リフトブラケットに対して離間する水平方向に突出するブレード部と、を備え、前記ブレード部の下面は、先端に向けて斜め上向きに傾斜している、マスト装置であって、
    前記リフトブラケットは、
    前記上下方向にのびる第1穴部と、前記第1穴部の上端から前記ブレード部の突出方向に対して斜め上向きにのびる第2穴部とからなる長孔と、
    前記シャンク部が取り付けられ、前記長穴に沿って移動可能に前記長穴に差し込まれたシャフトと、を備え、
    前記リフトブラケットが前記昇降手段により下降すると、前記ブレード部の後端部が地面に接地し、前記リフトブラケットがさらに前記昇降手段により下降すると、前記シャフトが前記第1穴部の下端から前記第2穴部の上端に向けて移動し、
    前記シャフトが前記第1穴部を移動する間、前記フォークは前傾せず、前記シャフトが前記第2穴部を移動すると、前記フォークが前傾して前記ブレード部の先端部が地面に接地する、
    ことを特徴とするマスト装置。
  2. 前記シャンク部は、その上端で前記シャフトに取り付けられており、
    前記リフトブラケットは、前記シャフトから下方向に間隔をあけて設けられ、前記シャンク部の下部の背面に当接するロアー部を備えることを特徴とする請求項1に記載のマスト装置。
  3. 車体と、前記車体に設けられた請求項1または請求項2に記載のマスト装置とを備えることを特徴とするフォークリフト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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