JP5853855B2 - カルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療機器、化粧品原料や薬物等の基材における様々な官能基に、ホスホリルコリン類似基を導入し、それに起因する機能性を付与しうる化合物又はその原料等として有用な、多種にわたる官能基等と効率良く反応させうるカルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物及びその製造方法に関する。
従来より、ホスホリルコリン類似基含有化合物を、各種基材表面と反応させることにより、ホスホリルコリン類似基に起因する、生体適合性、親水性、吸・保水性、タンパク質非特異吸着抑制能、蛋白質変性抑制機能等の各種機能性を付与する技術が多く提案されている。例えば、各種ホスホリルコリン類似基化合物で処理された基材表面は、血液適合性に代表される優れた生体適合性を発現することが知られており、ホスホリルコリン類似基含有ポリマーで被覆した医療機器は優れた生体適合性を発現することが知られている(非特許文献1)。また、ホスホリルコリン類似基化合物で処理された有機粒子は、優れたタンパク質非特異吸着抑制能を発現することが知られている(特許文献1)。あるいはホスホリルコリン類似基を組成中に有する共重合体を結合させた酵素は、ホスホリルコリン類似基による蛋白質変性抑制機能により、長期にわたり活性を保つことが知られている(非特許文献2)。
このように各種基材表面にホスホリルコリン類似基含有化合物を反応させるため、各種基材表面と反応させうる反応性基を導入した、修飾剤としてのホスホリルコリン類似基含有化合物の開発が盛んになされている。例えば、カルボキシル基を導入したホスホリルコリン類似基含有化合物が知られている(特許文献2)。
しかし、上記特許文献2に示されるカルボキシル基を導入したホスホリルコリン類似化合物を製造する場合、強酸化性の酸化剤を使用するために、環境への負荷が高いことが懸念される。また、酸ハロゲン化物等の高反応性中間体を経由して合成するために副反応生成物が生じやすいという問題がある。さらには、高価な金属触媒を使用する必要があることや、反応経路が長ステップにわたるなどの理由で、製造コストが高いという問題がある。
そこで、温和な条件で簡便に、かつ安価な方法でカルボキシル基を導入したホスホリルコリン類似基含有化合物を得ることは工業上非常に有用である。しかし、これまで該方法については十分に検討がなされていないのが実状である。
特開2006−007203号公報 特開2006−8987号公報
人工臓器, 3(3),654−659,1994 Biomaterials, 5,71−76,2004
本発明の課題は、多種にわたる官能基等と効率良く、温和な条件で反応させることが可能な高活性のカルボキシル基を有するホスホリルコリン化合物を提供することにある。
本発明の別の課題は、上記高活性のカルボキシル基を有するホスホリルコリン化合物を、長時間かつ高温の反応条件を必要とせずに、容易にかつ高収率で得ることが可能な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、製法が確立され工業的に入手可能な2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを出発物質とし、これにチオグリコール酸ナトリウム及び/又はチオグリコール酸を特定割合で添加し、チオール基をマイケル付加反応させることにより、上記カルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、式(1)で表されるカルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物(以下、ACPCと略すことがある)が提供される。
Figure 0005853855
(式(1)中、Mはナトリウム、または水素である。)
また本発明によれば、(a)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと略すことがある)と、(b)チオグリコール酸ナトリウム及び/又はチオグリコール酸とを、上記(b)成分/上記(a)成分が0.5〜3.0モル当量となる割合で、アルコールの存在下、反応させることを特徴とするACPCの製造方法が提供される。
更に本発明によれば、(a)MPCと、(b)チオグリコール酸ナトリウム及び/又はチオグリコール酸とを、アルコールの存在下に反応させるにあたり、(c)塩基性触媒を用い、上記(b)成分/上記(a)成分が0.5〜3.0モル当量、かつ上記(c)成分/上記(a)成分が0.1〜0.5モル当量となる割合で反応させることを特徴とするACPCの製造方法が提供される。
本発明のACPCは、ホスホリルコリン類似基と、高活性のカルボキシル基とを有する上記式(1)で表される構造を有するので、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、チオエポキシ基、ハロゲン等の多種の官能基と、温和な条件で、しかも高反応率で結合させることが可能である。従って、ACPCは、医療機器、化粧品原料、薬物等の種々の基材表面に、ホスホリルコリン類似基を導入する化合物、もしくはその原料として有用であり、表面処理剤の成分として用いることにより、その機能性を容易に基材に付与することが可能となる。例えば、医療機器表面にホスホリルコリン類似基を導入して生体適合性を向上させるために、本発明のACPCを利用することにより、医療機器の材料の選択性が拡大し、かつ容易にホスホリルコリン類似基を導入することが可能となる。
本発明の製造方法は、MPCと、チオグリコール酸ナトリウム及び/又はチオグリコール酸とを、特定割合で、更に必要に応じて塩基性触媒の特定割合の存在下に反応させるので、温和な条件で容易にかつ高収率で本発明のACPCを製造することができる。
実施例1−1で合成した化合物の1H−NMRの測定結果を示すチャートである。 実施例1−1で合成した化合物のMASSスペクトルを示すチャートである。 実施例2−1で合成した化合物の1H−NMRの測定結果を示すチャートである。 実施例2−1で合成した化合物のMASSスペクトルを示すチャートである。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のカルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物(ACPC)は、上記式(1)で表される、2’−[3−(1−カルボキシメチルスルファニル)−2−メチルプロピオニルオキシ]エチル−[2−(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスファートまたは2’−[3−(1−カルボキシメチルスルファニル)−2−メチルプロピオニルオキシ]エチル−[2−(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスファートナトリウムである。
本発明のACPCは、例えば、(a)MPCと、(b)チオグリコール酸ナトリウム及び/又はチオグリコール酸とを特定割合で、また、必要により(c)塩基性触媒を特定割合で存在させ、アルコール存在下において反応させる本発明の製造方法により得ることができるが、これらに限定されない。
(a)成分は、式(2)で示される化合物であり、(b)成分は、式(3)又は式(3')で表される化合物である。
Figure 0005853855
(c)成分は、生成物を高転化率化し、副生物の生成を抑えることが可能な成分であって、通常有機合成で使用される塩基性触媒、例えば、三級アミン、二級アミン、一級アミン、芳香族アミン、ピリジン類縁体、イミダゾール類縁体、金属アルコキシドが使用できる。具体的には、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、アニリン、ジメチルアミノピリジン、ナトリウムメトキシドが挙げられる。また、チオグリコール酸ナトリウムを用いる場合は、溶液状で弱塩基性を示すことから、触媒兼反応試薬として作用させることができる。
本発明の製造方法は、(a)成分と、(b)成分とを、(b)成分/(a)成分が0.5〜3.0モル当量、好ましくは0.8〜3.0モル当量、更に好ましくは1.0〜3.0モル当量となる割合で、アルコールの存在下、反応させる方法(以下、第1の方法と略すことがある)、もしくは(a)成分と、(b)成分とを、アルコールの存在下に反応させるにあたり、(c)成分を用い、(b)成分/(a)成分が0.5〜3.0モル当量、かつ(c)成分/(a)成分が0.1〜0.5モル当量となる割合で反応させる方法(以下、第2の方法と略すことがある)である。
本発明の製造方法において、(b)成分/(a)成分が3.0モル当量を超える場合は、反応後に原料由来の不純物の除去が困難となり、また、(a)成分であるMPCの分解が生じるおそれがある。
上記第2の方法において、(c)成分/(a)成分が0.5モル当量を超える場合は、MPCの分解が生じるおそれがある。
本発明の製造方法に用いるアルコールは、(a)〜(c)成分が固体と液体を含み、相互に溶解することができないため、反応の際にこれらを溶解または分散する溶媒として作用する。該アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノールが挙げられ、特に、メタノールが溶解性、反応性の点から好ましい。この際、アルコールの使用量は、(a)成分及び(b)成分、もしくは(a)〜(c)成分が溶解しうる量であれば特に限定されないが、反応時の(a)成分及び(b)成分の溶液濃度が10〜50質量%となる量に調整することが好ましい。
反応温度は、上記(b)成分/(a)成分のモル当量、もしくは(b)成分/(a)成分のモル当量と(c)成分/(a)成分のモル当量とを考慮して適宜決定することができ、通常10℃以上、好ましくは10〜65℃程度で行うことができる。上記モル当量の値の範囲内において高い割合を選択する場合、反応温度を高くすると、副反応としてMPCが分解あるいは、チオール基がジスルフィドを形成するなどして目的のACPCの収率が低下するおそれがある。従って、このような場合は、反応温度を10〜50℃とすることが好ましい。反応時間は、任意の時間で良いが、長時間の反応は酸化劣化を伴うため、96時間以内が好ましい。
反応雰囲気は、チオール基がジスルフィド化することを防ぎ、チオール基の求核性を維持するために、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の製造方法により得られる生成物は、用途に応じて精製することが好ましく、例えば、医療機器や化粧料等の高安全用途には高度に精製することが好ましい。精製は、例えば、アセトンやアセトニトリル等の溶媒に沈殿させたものを回収して洗浄し溶媒留去して回収する方法、あるいはアセトニトリル等の非プロトン系極性溶媒中で結晶化させ、これを乾燥させて回収する方法、が挙げられる。
本発明のACPCは、カルボキシル基を有するため、縮合反応や求核置換反応、付加反応等により様々な官能基に化学結合させることが可能である。その組合せと反応としては、表1に示す場合が例示できる。
Figure 0005853855
本発明のACPCは、例えば、ソフトコンタクトレンズやカテーテル等の各種医療機器の表面改質処理、ファンデーション等の化粧品原料の表面改質処理、タンパク質や生体物質の表面修飾、あるいは薬物との結合によるドラッグデリバリー性向上や溶解性向上に使用することができる。具体的には例えば、アミノ基やヒドロキシル基を有する難溶性薬物に対して、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)やジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等で活性化させた本発明のACPCを付加反応させることで、ホスホリルコリン類似基を導入することができる。これにより、薬物に対してホスホリルコリン類似基の導入による水溶性向上等の性能を付与することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下に実施例1−1〜1−13及び比較例に使用した装置と条件を示す。
<NMR分析>
測定装置:日本電子社製、JNM−AL400、
溶媒:D2O(3-(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウム塩基準 0.0005%)、
試料濃度:10mg/g、積算回数:32回(1H−NMR)。
<質量分析(ESI−MS)>
測定装置:Waters社製、商品名「Q−micro2695」、
試料濃度:10ppm、検出モード:ESI-、キャピラリー電圧:3.50V、
コーン電圧;30V、イオン源ヒーター:120℃、脱溶媒ガス:350℃。
実施例1−1
2’−[3−(1−カルボキシメチルスルファニル)−2−メチルプロピオニルオキシ]エチル−[2−(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスファートナトリウム(式(1)のMがナトリウムであるACPC)の合成
MPC 4.00g(13.55mmol)を4つ口フラスコに仕込、これにメタノール57.00gを加えて、均一に攪拌した。これに窒素ガスをバブリングしてフラスコ内を窒素雰囲気とした後、チオグリコール酸ナトリウム1.70g(14.90mmol)、ジイソプロピルアミン0.14g(1.35mmol)を加えて攪拌した。室温で6時間攪拌反応させた。反応液を減圧下にて溶媒を留去し、粘性液体を得た後、アセトンを114.01g添加することで、白色沈殿を析出させた。上清を取り除いた後、沈殿物を減圧乾燥し、白色固体の生成物を得た。
得られた白色固体について、1H−NMR分析及び質量分析を行った。結果を図1、2並びに以下に示す。これらの結果から、得られた白色固体は、上記式(1)のMがナトリウムであるACPCであることがわかった。
1H−NMR測定により得られたピークの帰属は、Langmuir,2010,26(16),p13028−13032を参考に行った。
1H−NMR(D2O):δ=1.27(−CH(CH3)C(=O),3H),2.74−2.93(−SCH2CH−,3H),3.21−3.29((−OCOCH2S−,2H)(−N(CH3),9H)),3.70(N(CH3)CH2−,2H),4.14(−CH2OP−,2H),4.34−4.38(−POCH2CH2O−,4H)。
1H−NMR分析の積分値から以下の方法に従ってACPCの純度と副生成物率を求めた。その結果ACPCの純度は98.5%で、副生成物含有率は1.5%であった。結果を表2に示す。
ACPC純度(%)=4.1ppmの積分値/[(1.9ppmの積分値+1.2ppmの積分値)×2/3]×転化率、
転化率(%)=100−(MPC含有率)、
MPC含有率(%)=[1−1.9ppmの積分値/(1.9ppmの積分値+1.2ppmの積分値)]×100、
副生物率(%)=転化率−(ACPC純度)
実施例1−2〜1−4
表2に示す原料仕込比及び条件に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行って、生成物を得、分析及び測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005853855
実施例1−5〜1−11
表3及び4に示されるとおり、チオグリコール酸ナトリウムの仕込量の全量又は一部をチオグリコール酸に変更し、反応温度条件を変更した以外は実施例1−1と同様に反応を行って、生成物を得、分析及び測定を行った。結果を表3及び表4に示す。
なお、分析の結果、チオグリコール酸を用いた例の主生成物は、式(1)におけるMが水素のACPCであり、チオグリコール酸及びチオグリコール酸ナトリウムを用いた例の主生成物は、式(1)におけるMが水素のACPCと、MがナトリウムのACPCとの混合物であった。
Figure 0005853855
Figure 0005853855
実施例1−12
表5に示す塩基性触媒に変更した以外は、実施例1−1と同様に反応を行って、生成物を得、分析及び測定を行った。結果を表5に示す。
実施例1−13
MPC 4.00g(13.55mmol)を4つ口フラスコに仕込、これにメタノール45.60gを加えて、均一に攪拌した。次いで、窒素ガスをバブリングしてフラスコ内を窒素雰囲気とした後、チオグリコール酸ナトリウム1.70g(14.90mmol)を加えて攪拌した。続いて、予め0.5Nの濃度に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を2.71g添加し、室温25℃で6時間攪拌反応させた。反応液を減圧下にて溶媒を留去し、粘性液体を得た後、アセトンを114.01g添加することで、白色沈殿を析出させた。上清を取り除いた後、沈殿物を減圧乾燥し、白色固体の生成物を得た。
得られた白色固体について、1H−NMR分析を行った結果、実施例1−1と同様なACPCが主生成物として得られていることがわかった。結果を表5に示す。
Figure 0005853855
比較例1−1〜1−2
表6に示す原料仕込比に変更した以外は実施例1−1と同様に反応を行って、生成物を得、分析及び測定を行った。結果を表6に示す。
Figure 0005853855
以上のように、本発明の製造方法により、目的のACPCが高収率で得られることを確認した。特に、原料として、チオグリコール酸及び/又はチオグリコール酸ナトリウムと、塩基性触媒とを特定割合で用いることにより、より温和な条件で、副生成物の発生を抑制又は防止し、極めて効率的に反応を進行させうることがわかった。
実施例2−1
本発明のカルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物の有用性を示すために、モデル薬物を用いて反応試験を行なった。カルボキシル基と反応しうる官能基としてアミノ基を有する、モデル薬物としてのナフチルアミンの誘導化合物を用いて、ACPCとの反応性及びホスホリルコリン基の導入について試験した。以下に詳細に示す。
アミノ基を持つモデル薬物として、7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸モノカリウム水和物(NPAm)を選択し、縮合剤として、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMT−MM)を用いて、実施例1−1により合成したACPCと以下のとおり反応させた。
ACPC100mg(0.24mmol)、NPAm100mg(0.29mmol)を、pH8.1に調整したHEPES(2-[4-(2-Hydroxyethyl)-1-piperazinyl] ethane sulfonic acid)緩衝液2.8mLに溶解させ、DMT−MMを81mg(0.29mmol)添加した。窒素雰囲気下、30℃で18時間攪拌を続けた後、反応液をサンプリングし、HPLC及びLC−MSにて分析を行った。HPLC分析にてACPCのピークが消失し、保持時間9.1分に新たなピークを確認した。LC−MS分析により、保持時間9.1分に見られる成分の質量を分析したところ、分子量672.9であり、式(4)で示される目的物のナフチルアミドホスホリルコリンと分子量が一致した。
以上のことから、本発明のACPCが、アミノ基を有する化合物と温和な条件で容易に反応し、結合することが可能であることを確認した。
以下に、この実験におけるHPLC分析、並びに質量分析の装置及び条件を示す。
Figure 0005853855
<HPLC分析>
測定装置:TOSOH製HPLCシステム、
溶離液:アセトニトリル/20mM酢酸アンモニウム水溶液=10/90(v/v)、
流速:0.4mL/分、カラム温度:40℃、検出:254nm、試料濃度:5mg/g。
<質量分析(ESI−MS)>
測定装置:Waters社製、商品名「Q−micro2695」、
試料濃度:10ppm、検出モード:ESI+、キャピラリー電圧:3.50V、
コーン電圧;30V、イオン源ヒーター:120℃、脱溶媒ガス:350℃。

Claims (3)

  1. 式(1)で表されるカルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物。
    Figure 0005853855
    (式(1)中、Mは水素、またはナトリウムである。)
  2. (a)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと、(b)チオグリコール酸ナトリウム及び/又はチオグリコール酸とを、上記(b)成分/上記(a)成分が0.5〜3.0モル当量となる割合で、アルコールの存在下、反応させることを特徴とする請求項1記載のカルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物の製造方法。
  3. (a)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと、(b)チオグリコール酸ナトリウム及び/又はチオグリコール酸とを、アルコールの存在下に反応させるにあたり、(c)塩基性触媒を用い、上記(b)成分/上記(a)成分が0.5〜3.0モル当量、かつ上記(c)成分/上記(a)成分が0.1〜0.5モル当量となる割合で反応させることを特徴とする請求項1記載のカルボキシル基含有ホスホリルコリン化合物の製造方法。
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