JP5853095B2 - 分煙システム、分煙方法および分煙用還流装置 - Google Patents

分煙システム、分煙方法および分煙用還流装置 Download PDF

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Description

本発明は、たばこ煙に含まれる粉塵(粒子状物質)が喫煙エリアから禁煙エリアに流れないように適切にコントロールする分煙システムおよび分煙方法に関する。さらに、本発明は、パーティションで仕切られた分煙室に用いる分煙用還流装置に関する。
近年、受動喫煙に対する社会的な関心が高まり、不特定多数の人が利用する場所や施設の分煙化が進んでいる。例えば飲食店等においては、パーティションを用いて室内を喫煙エリアと禁煙エリアとに仕切る、いわゆる空間分煙が多用されている。
一般的な分煙方法では、喫煙エリアの天井から給気するとともに、喫煙エリアの天井から排気している。この方法によれば、喫煙エリアでの換気風量を十分に確保することによって、禁煙エリアから喫煙エリアに向かう十分な流速を有する空気流れを形成することができる。このため、喫煙エリアから禁煙エリアへのたばこ煙の漏れ、いわゆる“粉塵漏れ”がない分煙が可能となる。
しかしながら、実際問題として、飲食店では設備上の事情等により喫煙エリアの換気風量を十分に確保できない店舗も多くみられ、粉塵漏れが生じるのを否めない。
一方、特許文献1は、パーティションを用いずに喫煙空間を形成するため、パイプ式エアーカーテン発生機と空気清浄器とを組み合わせた喫煙空間創設システムを開示している。パイプ式エアーカーテン発生機は、室内の任意な位置に設置可能な要素であり、室内にエアーカーテンを形成する吹出口を有する。エアーカーテンは、室内に部分的に仕切られた一部空間を形成する。
空気清浄器は、エアーカーテンで囲まれた一部空間内に配置されている。空気清浄器は、エアー吸引部、エアー排出部および空気清浄部を備えている。エアー吸引部は、吸引口を有している。吸引口は、パイプ式エアーカーテン発生機の吹出口から吹き出す空気が干渉しない位置に開口されて、一部空間内の空気を吸引する。
エアー排出部は、一部空間内に開口された排出口を有している。排出口は、エアー吸引部から吸引された空気を、前記一部空間を規定する天井、床および壁のうちの少なくとも一つの要素に這わせるとともに、当該要素とエアーカーテンとの間の隙間を通じて一部空間の外に排出する。空気清浄部は、エアー吸引部の吸引口とエアー排出部の排出口との間に設けられている。
このような喫煙空間創設システムでは、空気清浄機の排出口から一部空間の外へ排出する空気量を、少なくともエアーカーテンにより外部から巻き込まれる空気量よりも大きくなるように設定している。これにより、一部空間を負圧状態に維持して、当該一部空間を喫煙空間としている。
特許文献2に開示された分煙システムは、テーブル型空気清浄装置と分煙用パーティションとを具備している。テーブル型空気清浄装置は、喫煙スペースの空気を天板から吸引するとともに、吸引した空気をテーブル本体の下部から吹き出すように構成されている。
分煙用パーティションは、第1パーティションと第2パーティションとを有している。第1パーティションは、テーブル型空気清浄装置の一方の面に密着して配置されている。第2パーティションは、第1パーティションに連続するとともに、テーブル型空気清浄装置の側方に離れた箇所に配置されている。
第1パーティションには、導入口および第1の流路が設けられている。導入口は、テーブル型空気清浄装置の吹出口に直接的に連結されて、当該吹出口から吹き出す空気流を受ける。第1の流路は、導入口で受けた空気を少なくとも第2パーティションに導くように構成されている。
第2パーティションには、第2の流路、シールド用開口および少なくとも一つの捕捉用開口が設けられている。第2の流路は、第1の流路から空気が導入されるように第1の流路に連通されている。シールド用開口は、第2の流路に導入された空気を第2パーティションの端部から第1パーティションと向かい合う喫煙スペースの背後に放出するように構成されている。捕捉用開口は、第2の流路に導入された空気を喫煙スペースで予測される喫煙ポイントに向けて放出するように構成されている。
特許第3627165号公報 特許第4468714号公報
特許文献1および特許文献2は、エアーカーテン又はパーティションによって区画された喫煙空間の空気を空気清浄装置(空気清浄器)で浄化することを主眼としている。このため、エアーカーテン等で喫煙空間と仕切られた禁煙空間にたばこ煙を含む喫煙空間の空気が流出することがあり、それに伴い禁煙空間にたばこ煙中の粉塵(粒子状物質)が漏れ出す課題がある。
本発明の目的は、禁煙エリアから喫煙エリアに向かう空気の流速を十分に確保できない換気条件の下でも、たばこ煙中に含まれる粉塵(粒子状物質)が喫煙エリアから禁煙エリアに漏れ出るのを防止できる分煙システム、分煙方法および分煙用還流装置を提供することにある。
本発明の一つの形態に係る分煙システムは、通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリア、換気手段および還流手段を備えている。
前記換気手段は、前記禁煙エリアに設けられた給気口と、前記喫煙エリアに設けられた排気口と、を有し、前記給気口から前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を前記排気口から前記喫煙エリアの外に排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成する。
前記還流手段は、前記喫煙エリアの空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた空気を浄化する空気清浄部と、前記空気清浄部で浄化された空気を前記禁煙エリアの天井付近から吹き出す吹出口と、を含み、前記喫煙エリアの空気を前記禁煙エリアに戻すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成すること、を特徴としている。
本発明の一つの形態に係る分煙方法は、喫煙エリアに対しパーティションで区画された禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を排出することで、前記パーティションに設けられた通路を通じて前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成し、
前記喫煙エリアの空気を吸い込むとともに、吸い込んだ空気を浄化した後に前記禁煙エリアの天井付近に戻すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成するようにしたこと、を特徴としている。
本発明の一つの形態に係る分煙用還流装置は、通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを含む分煙室を備えた分煙システムに適用される分煙用還流装置であって、
前記喫煙エリアと前記禁煙エリアとの間に跨るように前記分煙室に設けられた通気路と、
前記通気路の上流端に設けられ、前記喫煙エリアに開口された吸込口と、
前記通気路の下流端に設けられ、前記禁煙エリアに開口された吹出口と、
前記通気路に設けられ、前記吸込口から前記喫煙エリアの空気を吸い込むとともに、当該空気を前記吹出口に向けて送風するファンと、を含み、
前記吸込口から吸い込まれた前記喫煙エリアの空気を前記吹出口から前記禁煙エリアに吹き出すことで、前記喫煙エリアから前記禁煙エリアに戻るリターン空気流を形成し、当該リターン空気流により前記通路を通じて前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向かう空気流を形成するようにしたこと、を特徴としている。
本発明によれば、禁煙エリアから喫煙エリアに向かう空気流の流速を十分に確保できないような換気条件の下でも、たばこ煙に含まれる粉塵(粒子状物質)が喫煙エリアから禁煙エリアに漏れるのを防止できる。したがって、適切な分煙が可能となり、喫煙者および非喫煙者が共存できる環境を提供できる。
図1は、第1の実施形態に係る分煙システムを概略的に示す斜視図である。 図2は、図1のF2−F2線に沿う断面図である。 図3は、従来の分煙システムを概略的に示す斜視図である。 図4(A)は、境界風速が0.1m/sの時の喫煙エリアおよび禁煙エリアにおける風速分布を示す図である。図4(B)は、境界風速が0.2m/sの時の喫煙エリアおよび禁煙エリアにおける風速分布を示す図である。 図5は、第2の実施形態に係る分煙システムを概略的に示す斜視図である。 図6は、第3の実施形態に係る分煙システムを概略的に示す断面図である。 図7は、第3の実施形態に係る分煙システムを概略的に示す断面図である。 図8は、第3の実施形態において、還流装置の吸込部を示す斜視図である。 図9は、第3の実施形態において、還流装置の吹出部を示す斜視図である。 図10は、通路を開閉するガラリ戸と還流装置の吹出部との位置関係を示す正面図である。 図11は、通路を開閉するガラリ戸と還流装置の吹出部との位置関係を示す断面図である。 図12は、比較例1における喫煙エリアおよび禁煙エリアのたばこ粉塵濃度の分布を示す図である。 図13は、実施例1における喫煙エリアおよび禁煙エリアのたばこ粉塵濃度の分布を示す図である。 図14は、実施例2で行う試験において、分煙室の煙発生領域、サーマルマネキンおよび粉塵測定器の位置関係を概略的に示す平面図である。 図15は、実施例2で用いるサーマルマネキンの断面図である。 図16は、実施例2において、境界開口部としての通路の風速測定箇所を概略的に示す図である。 図17(A)は、吹出口からの空気の吹き出し角度を90°とした時の通路内の風速分布を示す図である。図17(B)は、吹出口からの空気の吹き出し角度を75°とした時の通路内の風速分布を示す図である。図17(C)は、吹出口からの空気の吹き出し角度を45°とした時の通路内の風速分布を示す図である。 図18は、比較例2において、喫煙エリアおよび禁煙エリアのたばこ粉塵濃度の測定結果を示す図である。 図19は、実施例2において、喫煙エリアおよび禁煙エリアのたばこ粉塵濃度の測定結果を示す図である。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る分煙システムおよび分煙方法を概略的に示す斜視図、図2は、図1のF2−F2線に沿う断面図である。
図1および図2に示すように、分煙システム1は、換気機能を有する分煙室2と、分煙室2に設置された還流装置3とを備えている。分煙室2は、床4、天井5および四つの側壁6で規定されている。分煙室2は、垂直なパーティション7によって禁煙エリア8と喫煙エリア9とに区画されている。
通路10がパーティション7の中央部に設けられている。通路10は、人が禁煙エリア8と喫煙エリア9との間を往来することができるように、分煙室2の床4から天井5に向かう縦長の開口形状を有している。言い換えると、通路10は、禁煙エリア8と喫煙エリア9との境界に位置にされた境界開口部を構成している。
禁煙エリア8の天井5に例えば三つの給気口11が設けられている。給気口11は、禁煙エリア8に分煙室2の外の新鮮な空気を取り込む要素である。給気口11は、例えば禁煙エリア8をパーティション7と向かい合う側壁6からパーティション7に向けて八つの領域に区分けした時に、パーティション7から最も離れた一つの領域に開口されている。さらに、給気口11は、禁煙エリア8内でパーティション7が延びる方向に互いに間隔を存して一列に並べられている。
喫煙エリア9の天井5に例えば三つの排気口12が設けられている。排気口12は、喫煙エリア9の空気を分煙室2の外に排出する要素である。排気口12は、例えば喫煙エリア9をパーティション7と向かい合う側壁6からパーティション7に向けて八つの領域に区分けした時に、パーティション7から最も離れた一つの領域に開口されている。それとともに、排気口12は、喫煙エリア9内でパーティション7が延びる方向に互いに間隔を存して一列に並べられている。
したがって、給気口11および排気口12は、互いに協働して分煙室2内の空気を分煙室2の外の空気と入れ換える換気手段を構成している。
図1および図2に示すように、分煙システム1の還流装置3は、喫煙エリア9の空気を禁煙エリア8に強制的に戻すための手段であって、例えば分煙室2の天井5に据え付けられている。
還流装置3は、筒状のダクト14を備えている。ダクト14は、通路10の上端を通って禁煙エリア8の天井5と喫煙エリア9の天井5との間に跨っている。ダクト14は、分煙室2の内部に天井5に沿う通気路15を構成している。
通気路15の上流端に吸込口16が形成されている。吸込口16は、喫煙エリア9に位置されているとともに、喫煙エリア9の天井5から床4に向けて開口されている。通気路15の下流端に吹出口17が形成されている。吹出口17は、禁煙エリア8に位置されているとともに、例えば通路10の付近で禁煙エリア8の天井5から床4に向けて開口されている。本実施形態によると、吹出口17は、水平線に対して直交する90°の角度で下向きに開口されている。
さらに、吹出口17は、吸込口16と同様に例えば通路10から1mまでの範囲に設けられており、当該吹出口17の位置は、通路10に近ければ近い程よい。
図2に示すように、フィルタ18およびファン19が通気路15に設けられている。フィルタ18は、空気清浄部の一例であって、本実施形態では、例えばたばこ煙に含まれる粉塵(粒子状物質)を除去するHEPAフィルタを用いている。フィルタ18は、吸込口16と吹出口17との間に配置されている。
ファン19は、吸込口16から喫煙エリア9の空気を吸い込むとともに、当該空気を吹出口17に向けて送風する要素であって、フィルタ18と吹出口17との間に配置されている。
このような分煙システム1では、禁煙エリア8の天井5に開口された給気口11から禁煙エリア8に給気するとともに、喫煙エリア9の天井に開口された排気口12から喫煙エリア9の空気を排気する。給気口11から禁煙エリア8に取り込まれた空気の主流は、禁煙エリア8の側壁6および床4を伝って通路10に向かう。このため、図2に矢印で示すように、分煙室2内には、禁煙エリア8から通路10を通過して喫煙エリア9に向かう第1の空気流F1が形成される。
第1の空気流F1を形成する以前又は以降、あるいは第1の空気流F1を形成すると同時、より好ましくは第1の空気流F1を形成した以降又は第1の空気流F1を形成すると同時に還流装置3のファン19を駆動する。
ファン19が駆動することで、ダクト14の吸込口16からたばこ煙を含む喫煙エリア9の空気が通気路15に吸い込まれる。具体的には、吸込口16は、喫煙エリア9の天井5の付近の空気を吸い込む。天井5の付近とは、例えば喫煙エリア9を高さ方向に沿って三つの領域に区分けした時に、天井5に最も近い一つの領域に対応する箇所のことを指している。
通気路15に吸い込まれた空気は、フィルタ18を通過する。フィルタ18は、空気中に含まれる粉塵を除去する。粉塵が除去された清浄な空気は、通路10の上端付近に位置されたダクト14の吹出口17から禁煙エリア8に吹き出す。具体的には、吹出口17は、禁煙エリア8の天井5の付近から禁煙エリア8に空気を吹き出す。天井5の付近とは、例えば禁煙エリア8を高さ方向に沿って三つの領域に区分けした時に、天井5に最も近い一つの領域に対応する箇所のことを指している。
すなわち、還流装置3による喫煙エリア9の空気の吸い込みおよび禁煙エリア8への空気の吹き出しは、夫々境界開口部としての通路10の近傍で行われる。この結果、還流装置3の通気路15に喫煙エリア9から禁煙エリア8に戻るリターン空気流が形成される。これにより、喫煙エリア9から禁煙エリア8に向かう空気リターンが行われる。したがって、図2に矢印で示すように、天井5に近い分煙室2の上部に禁煙エリア8から通路10の上部を通じて喫煙エリア9に向かう第2の空気流F2が形成される。
本実施形態において、禁煙エリア8への給気および喫煙エリア9の排気によって実行される分煙室2の換気は、その回数を5〜12回/時間、換気風量を500〜1200m/時に設定することが好ましい。さらに、分煙室2の換気を行う第1の空気流F1の流速は、0.2m/s未満とする。
還流装置3による空気リターンは、その回数を5〜12回/時間、リターン空気の流量を500〜1200m/時に設定することが好ましい。
このような第1の実施形態によれば、たばこ煙に含まれる粉塵(粒子状物質)が喫煙エリア9から禁煙エリア8に漏れるのを防止できる。
本発明者は、還流装置3による空気リターンの効果を実証するため、図3に開示された従来の分煙システム100で生じる粉塵漏れの原因について種々検討した。図3に示すように、従来の分煙システム100では、分煙室101の内部がパーティション102によって禁煙エリア103と喫煙エリア104とに区画されている。
通路105がパーティション102の中央部に設けられている。通路105は、人が禁煙エリア103と喫煙エリア104との間を往来することができるように、分煙室101の床106から天井107に向けて開口されている。通路105は、禁煙エリア103と喫煙エリア104との境界に位置にされた境界開口部と言い換えることができる。
禁煙エリア103の天井107に三つの給気口108が設けられている。給気口108は、禁煙エリア103に分煙室101の外の新鮮な空気を取り込む要素である。給気口108は、禁煙エリア103内でパーティション102が延びる方向に互いに間隔を存して一列に並べられている。
喫煙エリア104の天井107に三つの排気口109が設けられている。排気口109は、喫煙エリア104の空気を分煙室101の外に排出する要素である。排気口109は、喫煙エリア104内でパーティション102が延びる方向に互いに間隔を存して一列に並べられている。
従来の分煙システム100では、禁煙エリア103の天井107に開口された給気口108から禁煙エリア103に給気するとともに、喫煙エリア104の天井に開口された排気口109から喫煙エリア104の空気を排気する。この結果、分煙室101内に禁煙エリア103から通路105を通過して喫煙エリア104に向かう空気流が形成される。
本発明者は、境界開口部としての通路105を通過する空気流の流速(以下、“境界風速”と称する)が平均で0.2m/sに達しない条件の下では、以下の事象が生じることを見出した。
すなわち、(1) 禁煙エリア103から喫煙エリア104に向かう境界風速は、分煙室101を高さ方向に沿って二つの領域に区分けした時に、床106に近い下側の領域で最も早く、床106から天井107に近づくに従い境界流速が遅くなる、いわゆる境界流速に偏りが生じること、(2) 喫煙エリア104の排気の状況および喫煙エリア104の温度条件によっては、天井107に近い分煙室101の上側の領域に喫煙エリア104から禁煙エリア103に向かう逆向きの気流が生じること、を究明し、これら二つの事象が喫煙エリア104から禁煙エリア103への粉塵漏れの要因であることを突き止めた。
一方、境界風速が平均で0.2m/sに達するような条件の下では、喫煙エリア104から通路105を通じて禁煙エリア103に向かう逆向きの気流が発生せず、喫煙エリア104から禁煙エリア103への粉塵漏れが殆ど生じないことが明らかとなった。
禁煙エリア103に粉塵漏れが生じるか否かの事象は、図4(A)および図4(B)に示すような実験およびシミュレーションにより得られた結果に基づいて確認した。
図4(A)は、境界風速を平均で0.1m/sに設定した時の禁煙エリア103および喫煙エリア104の風速分布を示している。図4(B)は、境界風速を平均で0.2m/sに設定した時の禁煙エリア103および喫煙エリア104の風速分布を示している。図4(A)および図4(B)の中の点は、実験で得られた実測値、棒線はシミュレーションにより解析された値、太い線Zは、分煙室101内の風速分布を示している。
図4(A)および図4(B)において、縦軸は床106からの高さを示し、横軸は境界風速(通路105における風速)を示している。境界風速の値がマイナスの場合は、通路105において禁煙エリア103から喫煙エリア104に向かう気流が発生していることを示し、境界風速の値がプラスの場合は、通路105において喫煙エリア104から禁煙エリア103に向かう気流が発生していることを示している。
図4(A)に示すように、境界風速が平均で0.1m/sの条件の下では、分煙室101の床106に近い下側の領域において、通路105の境界風速がマイナス側に振れている。これに対し、分煙室101の天井107に近い上側の領域では、通路105の境界風速がプラス側に振れている。
一方、図4(B)に示すように、境界風速が平均で0.2m/sの条件の下では、分煙室101の上側および下側の領域の全ての箇所において、通路105の境界風速がマイナス側に振れている。
しかしながら、実際問題として、平均で0.2m/sの境界風速を得るためには、高性能の給気ファンおよび排気ファンのような周辺機器が必要となる。高性能な周辺機器は、総じて高価であるため、分煙システム100のコストの増大を招き、現実的ではない。
そこで、本発明者は、前記風速分布の究明結果に基づき、分煙室2を換気するとともに分煙室2内で還流装置3を用いた空気リターンを行うことで、境界開口部としての通路10を通過する第2の空気流F2を形成するようにした。
第2の空気流F2は、天井5に近い分煙室2の上部で禁煙エリア8から通路10を通じて喫煙エリア9に向けて流れる。この結果、第1の空気流F1および第2の空気流F2が禁煙エリア8内で互いに合流して通路10を通過するので、分煙室2内で禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう空気の流量が増大する。
したがって、分煙室2内で禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう空気の流速を0.2m/s以上に設定することができ、禁煙エリア8に向けて通路10を逆流するような気流が発生し難くなる。
さらに、ダクト14の通気路15に例えば活性炭を含む脱臭装置を設け、当該脱臭装置でたばこ煙の臭いを抜き去ることで、禁煙エリア8内をたばこ煙の臭いが無い状態に維持することができる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る分煙システム1を開示している。
第2の実施形態の分煙システム1は、還流装置3の吹出口17の構成が第1の実施形態と相違している。それ以外の分煙システム1の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図5に示すように、ダクト14の吹出口17に複数の整流板21が設けられている。整流板21は、禁煙エリア8の幅方向に間隔を存して並んでいるとともに、禁煙エリア8の高さ方向に沿うように起立している。さらに、整流板21は、吹出口17の内側でパーティション7の通路10の上部を指向するように傾いている。
整流板21の傾斜角度は、水平線に対し30°〜90°未満、より好ましくは45°〜90°未満とするとよい。
第2の実施形態において、還流装置3のファン19を駆動すると、ダクト14の吸込口16からたばこ煙を含む喫煙エリア9の空気が通気路15に吸い込まれる。通気路15に吸い込まれた空気は、フィルタ18を通過した後、ダクト14の吹出口17から整流板21の間を通って禁煙エリア8に吹き出す。これにより、喫煙エリア9から禁煙エリア8に向かう空気リターンが行われる。
整流板21は、吹出口17の内側でパーティション7の通路10の上部を指向するように傾いているので、フィルタ18で浄化された空気は、整流板21の間を通過する際に方向性が強制的に付与される。言い換えると、浄化された空気は、図5に矢印で示すように、整流板21でガイドされて禁煙エリア8から通路10の上部を通じて喫煙エリア9に向けて吹き出す。
この結果、通路10を通過する第2の空気流F2の流速および流量が共に増大する。したがって、禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう第1の空気流F1の流速を十分に確保できないような換気条件の下でも、増強された第2の空気流F2の存在により、たばこ煙に含まれる粉塵が喫煙エリア9から禁煙エリア8に漏れるのを確実に防止できる。
さらに、整流板21の間を通過する空気は、禁煙エリア8から通路10上部に向けて吹き出すので、吹出口17から吹き出す空気の多くが禁煙エリア8から喫煙エリア9に直接流入する。
このため、たとえ還流装置3のフィルタ18でたばこ煙の特有の臭いを十分に除去することが困難であっても、たばこ煙の臭いが禁煙エリア8に拡散するのを防止できる。よって、格別な脱臭装置を用いることなく、禁煙エリア8内をたばこ煙の臭いが無い状態に維持することができる。
[第3の実施形態]
図6ないし図11は、本発明の第3の実施形態に係る分煙システム1を開示している。
第3の実施形態の分煙システム1は、主に給気口11の数、排気口12の数および空気リターンを行う還流装置31の構成が第1の実施形態と相違している。それ以外の分煙システム1の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図6ないし図9に示すように、第3の実施形態では、還流装置31が分煙室2内のパーティション7に組み込まれている。還流装置31は、ダクト32を備えている。ダクト32は、分煙室2の内部にパーティション7に沿って起立された通気路33を構成している。通気路33は、喫煙エリア8に位置された吸込部34と、禁煙エリア9に位置された吹出部35とを有している。
図8に示すように、ダクト32の吸込部34は、一対の通気管部36a,36bと連通管部37とを備えている。通気管部36a,36bは、喫煙エリア9の床4から通路10の側縁に沿って垂直に起立されているとともに、通路10の幅方向に互いに間隔を存して向かい合っている。
さらに、通気管部36a,36bの下半分の領域に複数の吸込口38が形成されている。吸込口38は、分煙室2の天井5よりも床4に近く、かつ通路10を間に挟んだ両側で喫煙エリア9に開口されている。通気管部36a,36bは、例えば金属板に多数の通孔をプレス加工したパンチングメタルで構成することが望ましい。
連通管部37は、通気管部36a,36bの間を接続するように通気管部36a,36bの上端の間に跨っている。連通管部37は、通路10の上縁に沿って分煙室2の奥行き方向に水平に延びている。このため、吸込部34は、喫煙エリア9内で通路10を取り囲むように配置されている。
図6および図9に示すように、ダクト32の吹出部35は、通路10の上でパーティション7から禁煙エリア8に向けて突出されている。吹出部35は、吸込部34の連通管部37に接続されている。
吹出部35の下面に吹出口39が形成されている。吹出口39は、吸込口38よりも高い位置で床4に向けて開口されている。複数の整流板40が吹出口39に設けられている。整流板40は、禁煙エリア8の幅方向に間隔を存して並んでいるとともに、禁煙エリア8の高さ方向に沿うように起立している。さらに、整流板40は、吹出口39の内側で通路10を指向するように傾いている。整流板40の傾斜角度は、例えば水平線に対し45°〜90°とするとよい。
図6に示すように、ファン41が通気路33に配置されている。ファン41は、吸込口38から喫煙エリア9の空気を吸い込むとともに、当該空気を吹出口39に向けて送風する。
図7に示すように、分煙室2は、通路10を開閉するガラリ戸42を備えている。図10および図11に最もよく示されるように、ガラリ戸42は、四角い外枠43と、外枠43で囲まれたルーバー44とを有している。ルーバー44は、複数の羽板45で構成されている。羽板45は、外枠43の幅方向に延びる細長い板であって、外枠43に互いに間隔を存して平行に組み付けられている。そのため、ガラリ戸42は、羽板44の間に通気用の隙間46を有している。
ガラリ戸42は、例えばパーティション7に取り付けたガイドレール(図示せず)から吊り下げられて、通路10を閉じる第1の位置と、通路10を開放する第2の位置との間でスライドが可能となっている。さらに、ガラリ戸42と分煙室2の床4との間には、通気用のスペース47が確保されている。
このため、ガラリ戸42で通路10を閉じた状態においても、ルーバー44の隙間46およびガラリ戸42の下のスペース47を通じて禁煙エリア8と喫煙エリア9との間の換気・通気性が確保されている。
このような分煙システム1では、禁煙エリア8の天井5に開口された給気口11から禁煙エリア8に給気するとともに、喫煙エリア9の天井5に開口された排気口12から喫煙エリア9の空気を排気する。給気口11から禁煙エリア8に取り込まれた空気の主流は、禁煙エリア8の側壁6および床4を伝って通路10に向かう。
通路10がガラリ戸42で閉じられている場合、給気口11から禁煙エリア8に取り込まれた空気は、図11に太い矢印Yで示すように、ガラリ戸42に沿って下向きに流れる。
この際、空気の一部は、ルーバー44の隙間46から喫煙エリア9に流入する。残りの空気は、禁煙エリア8の床5に達するとともに、スペース47を通じて喫煙エリア9に流入する。言い換えると、ガラリ戸42と床4との間にスペース47を設けたことで、ガラリ戸42に沿って降下する空気を、スペース47を通して積極的に喫煙エリア9に導くことができる。
通路10がガラリ戸42で閉じられることなく開放されている場合、禁煙エリア8の空気は、そのまま通路10を通じて喫煙エリア9に流入する。
この結果、分煙室2内には、禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう第1の空気流F1が形成される。
一方、還流装置31のファン41を駆動すると、吸込部34の吸込口38からたばこ煙を含む喫煙エリア9の空気が吸い込まれる。具体的には、吸込口38は、通路10の付近で喫煙エリア9の空気を吸い込む。通路10の付近とは、例えば通路10から1mまでの範囲のことを指している。吸込口38の位置は、通路10に近い程よいが、吸込口38と通路10との相対的な位置関係に特に制約はない。
たばこ煙は、天井5に近い喫煙エリア9の上部を漂う傾向にあるので、喫煙エリア9の床4の付近の空気は、たばこ煙の含有量が比較的少ないきれいな状態に保たれていることが多い。このため、通気管部36a,36bの下半分の領域に設けられた吸込口38は、喫煙エリア9の床4の付近の比較的きれいな空気を吸い込む。
吸込口38に吸い込まれた空気は、通気管部36a,36bから連通管部37を通じて吹出部35に送られるとともに、吹出部35の吹出口39から禁煙エリア8に吹き出す。具体的には、吹出口39は、通路10の付近から禁煙エリア8に空気を吹き出す。通路10の付近とは、例えば通路10から1mまでの範囲のことを指しており、吹出口39の位置は、通路10に近ければ近い程よい。
すなわち、還流装置31による喫煙エリア9の空気の吸込みおよび禁煙エリア8への空気の吹き出しは、通路10を境として行われる。この結果、還流装置31のダクト32内に喫煙エリア9から禁煙エリア8に戻るリターン空気流が形成され、喫煙エリア9から禁煙エリア8に向かう空気リターンが行われる。
したがって、天井5に近い分煙室2の上部に禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう第2の空気流F2が形成される。
第3の実施形態によると、空気リターンによって吹出口39から禁煙エリア8に吹き出す空気は、整流板40の間を通過する。整流板40を通路10に向けて傾けておけば、吹出口39から吹き出す空気に方向性が強制的に付与される。このため、吹出口39から吹き出す空気の多くが禁煙エリア8から通路10を通じて喫煙エリア9に直接流入するので、禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう第2の空気流F2の流速および流量が共に増大する。
したがって、禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう第1の空気流F1の流速を十分に確保できないような換気条件の下でも、増強された第2の空気流F2の存在により、たばこ煙に含まれる粉塵が喫煙エリア9から禁煙エリア8に漏れるのを確実に防止できる。
さらに、第3の実施形態では、空気リターンを実行するに際して、喫煙エリア9の床4の付近の比較的きれいな空気を吸い込んで禁煙エリア8に吹き出している。このため、吹出口39から吹き出す空気の多くが通路10を通じて喫煙エリア9に直接流入することと合わせて、たばこ煙の臭いが禁煙エリア8に拡散するのを防止できる。
よって、格別な脱臭装置を用いることなく、禁煙エリア8内をたばこ煙の臭いが無い状態に維持することができ、コスト的な面でも好都合となる。
第1ないし第3の実施形態では、換気用の給気口および排気口を分煙室の天井に設けたが、本発明はこれに限らない。例えば、給気口および排気口を分煙室の側壁に設けたり、あるいは側壁と天井とで規定される角部に設けてもよく、給気口および排気口の位置に特に制約はない。
次に、比較例1および実施例1を前述した図1ないし図4を参照して説明する。
比較例1および実施例1では、禁煙エリア8,103および喫煙エリア9,104を含む分煙室2,101のたばこ粉塵濃度を、標準k−εモデルの計算式に基づいてシミュレーションすることにより分煙状態を評価した。評価の予備条件は、以下の通りである。
・禁煙エリアおよび喫煙エリアのサイズは、幅Wを6m、奥行きDを6m、高さHを2.7mに夫々設定した。
・壁面条件は、速度を一般化対数側、温度を断熱境界とした。
・発熱条件は、禁煙エリアおよび喫煙エリアに夫々9人が在室した場合の人体発熱を想定して900Wとした。さらに、たばこ燃焼を想定して、喫煙エリアの中央部に一辺が10cmの立方体の発熱領域を設定した。発熱領域の発熱量は、45Wとした。喫煙エリアの中央部とは、互いに対向し合う側壁の中心間の距離が3m、互いに対向し合うパーティションと側壁との中心間の距離が3m、床と天井との略中心間の距離が1.1mとなる箇所のことを指している。
・粉塵発生条件としては、前記喫煙エリアの中央部に一辺が10cmの立法体の粉塵発生領域を設定した。粉塵の発生量は、0.15mg/secとした。
<比較例1>
前記図3に示す分煙システム100の構造において以下の条件で分煙を行った。
・境界開口部としての通路105の寸法は、幅W1を1m、高さH1を2.7mとした。
・空気の流入条件は、禁煙エリア103の天井107の二か所に直径が300mmの給気口108を設け、当該給気口108に速度境界を設定した。給気口108から禁煙エリア103に吹き出す空気の風速を、1.9m/sに設定した。
・空気の排出条件は、喫煙エリア104の天井107の八か所に一辺が0.23mの正方形の排気口109を設け、当該排気口109に速度境界を設定した。排気口109から排出される空気の風速を、0.64m/sに設定した。
・給気および排気による分煙室101の換気は、換気回数を5回/時間、換気風量を972m/時間とした。
・禁煙エリア103から喫煙エリア104に向かう空気の流速(境界風速)は、0.1m/sに設定した。
<実施例1>
前記図1および図2に示す分煙システム1の構造において以下の条件で分煙を行った。
・境界開口部としての通路10の寸法は、幅W1を1m、高さH1を2.7mとした。
・空気の流入条件は、禁煙エリア8の天井5の二か所に直径が300mmの給気口11設け、当該給気口11に速度境界を設定した。給気口11から禁煙エリア8に吹き出す空気の風速を、1.9m/sに設定した。
・空気の排出条件は、喫煙エリア9の天井5の八か所に一辺が0.23mの正方形の排気口12を設け、当該排気口12に速度境界を設定した。排気口12から排出される空気の風速を、0.64m/sに設定した。
・給気および排気による分煙室2の換気は、換気回数を5.1回/時間、換気風量を1000m/時間とした。
・還流装置3による空気リターンは、リターン回数を5.1回/時間、リターン風量を1000m/時間とした。
・禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう第1の空気流F1と、空気リターンによる生じる第2の空気流F2とを合わせた総空気流の流速(境界風速)は、0.2m/sに設定した。
前記比較例1および前記実施例1での評価試験においては、分煙室101,2のたばこ粉塵が安定した時点で、分煙室101,2のたばこ粉塵濃度を標準k−εモデルの計算式に基づいてシミュレーションした。その結果、比較例1では、図12に示すようなたばこ粉塵濃度の分布が得られ、実施例1では、図13に示すようなたばこ粉塵濃度の分布が得られた。
図12および図13に示すように、分煙室2,101の禁煙エリア8,103および喫煙エリア9,104は、夫々たばこ粉塵濃度に応じてaからgまでの七つの領域に区分けすることができる。各領域のたばこ粉塵濃度は以下の通りである。
a領域のたばこ粉塵濃度:0.00mg/m
b領域のたばこ粉塵濃度:0.026mg/m前後、
c領域のたばこ粉塵濃度:0.030mg/m前後、
d領域のたばこ粉塵濃度:0.037mg/m前後、
e領域のたばこ粉塵濃度:0.082mg/m前後、
f領域のたばこ粉塵濃度:0.105mg/m前後、
g領域のたばこ粉塵濃度:0.150mg/m前後。
図12から明らかなように、比較例1では、たばこ粉塵濃度が0.150mg/m前後の高濃度のg領域が分煙室101の天井107の付近で喫煙エリア104から禁煙エリア103にまで延びている。さらに、禁煙エリア103の全体に亘ってたばこ粉塵濃度が0.026〜0.082mg/m前後のb領域、c領域、d領域およびe領域が存在し、禁煙エリア103のたばこ粉塵濃度が高くなっている。
この結果、比較例1では、たばこ煙に含まれる粉塵が喫煙エリア104から通路105を通じて禁煙エリア103に漏れ出ていることが分かる。
これに対し、実施例1では、図13に示されるように、たばこ粉塵濃度が0.150mg/m前後の高濃度のg領域が喫煙エリア9の排気口12に集中している。さらに、禁煙エリア8においては、たばこ粉塵濃度がゼロとなっている。
よって、実施例1のように、還流装置3を用いて空気リターンを実行することで、たばこ煙に含まれる粉塵が喫煙エリア9から禁煙エリア8に漏れ出すのを未然に防止できることが分かる。
次に、実施例2および比較例2について、前述した図6ないし図11を参照して説明する。
実施例2では、還流装置31を用いて空気リターンを実行した時に、禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう空気の流速(境界風速)を測定する試験および禁煙エリア8および喫煙エリア9のたばこ粉塵濃度を測定する試験を行った。試験の予備条件は、以下の通りである。
・図14に示すように、禁煙エリア8および喫煙エリア9のサイズは、幅Wを6m、奥行きDを6m、高さを2.7mに設定した。
・境界開口部としての通路10の寸法は、幅W1を80cm、高さを1.9mとした。通路10がガラリ戸42で閉じられた時のガラリ戸42と床4との間のスペース47は、5cmとした。
・給気条件は、禁煙エリア8の天井5の二か所に、パーティション7と向かい合う側壁6から400mmの位置に円の中心が位置付けされるように、直径が250mmの給気口11を設け、当該給気口11に速度境界を設定した。給気口11から禁煙エリア8に吹き出す空気の風量は、通路10の風速の平均値が0.1m/sになるように設定した。給気口11の位置は、禁煙エリア8の奥行き方向に離間した天井5の両端部とした。
・排気条件は、喫煙エリア9の天井の八か所に、パーティション7と向かい合う側壁6から250mmの位置に正方形の中心が位置付けされるように、一辺が250mmの正方形の排気口12を設け、当該排気口12に速度境界を設定した。排気口12から排出される空気の風量は、給気口11から吹き出す空気の風量と同等に設定した。排気口12は、四つの排気口12を一つの群とする二つの排気グループに分け、これら二つの排気グループを喫煙エリア9の奥行き方向に互いに離間して配置した。各排気グループの排気口12は、喫煙エリア9の奥行き方向に等間隔に配列した。
・空気リターンの条件として、還流装置31の吹出口39から禁煙エリア8に吹き出す空気の風量を700mに設定した。
・たばこ煙発生条件として、禁煙エリア9の床4の四箇所にたばこを燃焼させる煙発生器50を設置した。四つの煙発生器50は、喫煙エリア9の四隅から喫煙エリア9の幅方向および奥行方向に夫々2m離れた位置に設定した。さらに、各煙発生器50の周囲に四人の喫煙者が存在する場合を想定して、各煙発生器50を取り囲むように四体のサーマルマネキン51を設置した。
図15は、サーマルマネキン51の一例を示している。図15に示すように、サーマルマネキン51は、中空の胴部52と、胴部52の下端から床4に向けて延びる中空の脚部53とを含み、椅子54に腰かけた形態で床4の上に据え付けた。
さらに、胴部52の底および脚部53の底に夫々ランプソケット55を設けるとともに、各ランプソケット55に白熱電球56を取り付けた。一人の喫煙者の人体発熱を想定して二つの白熱電球56のトータルの発熱量を100W/人とした。
・禁煙エリア8および喫煙エリア9に夫々粉塵測定器60を設置した。禁煙エリア8内の粉塵測定器60は、例えば床4からの高さが1.4m、禁煙エリア8の奥行き方向に沿う中心を通って禁煙エリア8の幅方向に延びる中心線O1からの距離Aが40cm、パーティション7からの距離Bが1mの位置に設置した。喫煙エリア9の粉塵測定器60は、前記中心線O1の上でパーティション7からの距離Cが3mの位置に設置した。さらに、分煙室2の外にもバックグラウンド用の市販の粉塵測定器61を設置した。粉塵測定器60,61としては、「デジタル粉塵計LD3K2:柴田化学株式会社」を使用した。
<実施例2>
図6および図7に示す分煙室2の構造において、以下の条件で通路10の境界風速を測定する試験を行った。試験条件は以下の通りである。
・空気リターンを行わない状態、言い換えると分煙室2の換気のみを行った状態での禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう空気の流速(境界風速)を0.1m/sに設定した。
・ガラリ戸42を開放し、禁煙エリア8と喫煙エリア9との間を通路10で直接連通させた。
・図16に示すように、境界開口部となる通路10を高さ方向に沿って第1ないし第3の測定領域M1、M2、M3に分けるとともに、各測定領域M1、M2、M3に三つの風速測定点P1、P2、P3を設定した。風速測定点P1、P2、P3は、通路10の幅方向に間隔を存して配列した。風速の測定には、「超音波風速計WA-390型:(株)カイジョー」を使用した。測定領域M1、M2、M3の境界風速は、夫々三つの風速測定点P1、P2、P3で測定された値の平均値とした。
このような条件の下で、図17に示すように、還流装置31の吹出口39から吹き出される空気の吹き出し角度を90°、75°、45°とした場合の夫々において通路10の境界風速を測定した。
図17(A)は、空気の吹き出し角度を90°とした時に得られた通路10の境界風速を示している。
図17(B)は、空気の吹き出し角度を75°とした時に得られた通路10の境界風速を示している。
図17(C)は、空気の吹き出し角度を45°とした時に得られた通路10の境界風速を示している。
図17(A)、図17(B)および図17(C)において、縦軸は床4からの高さを示し、横軸は境界風速(通路10における風速)を示している。境界風速の値がマイナスの場合は、通路10において禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう気流が発生していることを示し、境界風速の値がプラスの場合は、通路10において喫煙エリア9から禁煙エリア8に向かう気流が発生していることを示している。
図17(A)の例では、吹出口39からの空気が床4に向けて真下に吹き出すので、床4に近い通路10の下部に進む程、喫煙エリア9に向かう境界風速が高いことが分かる。さらに、床4からの高さが180cmの箇所でも、境界風速は0.22m/sに保たれている。
図17(B)の例では、吹出口39からの空気が通路10に向けて吹き出すので、吹出口39に近い通路10の上部に進む程に喫煙エリア9に向かう境界風速が高いことが分かる。さらに、床4に近い通路10の下部でも、境界風速は0.32m/sに保たれている。
図17(C)の例では、吹出口39から吹き出す空気の多くが禁煙エリア8から通路10を通じて喫煙エリア9に直接流入するので、吹出口39に近い通路10の上部では、喫煙エリア9に向かう境界風速が格段に大きくなる。しかも、床4に近い通路10の下部でも、境界風速は0.26m/sに保たれている。
以上のことから、還流装置31を用いた空気リターンを実行することで、分煙室2内で禁煙エリア8から喫煙エリア9に向かう空気の流速を0.2m/s以上に設定できることが分かる。
さらに、実施例2では、吹出口39からの空気の吹き出し角度を45°とした時に、分煙室2内のたばこ粉塵濃度を測定した。試験条件は以下の通りである。
・試験の半日前からサーマルマネキン51の白熱電球56を点灯させ、白熱電球56が発する熱を喫煙エリア9に放出した。
・四箇所の煙発生領域50の夫々において、たばこ2本を同時に自然燃焼させ、燃焼開始から10分後に再度たばこ2本を同時に自然燃焼させた。言い換えると、たばこは、10分以内に燃焼を終了するが、10分間でたばこ1本を燃焼させる条件とするため、一回目のたばこの燃焼が終了した後、着火から10分を経過した時点で2回目の着火を行った。
このような燃焼動作を3回繰り返すことにより、30分間で合計24本のたばこを自然燃焼させた。さらに、1本目のたばこに着火してから30分経過した後に、各煙発生領域50毎に2本のたばこに着火する4回目の着火動作を行い、8本のたばこを新たに自然燃焼させた。
これと同時に、粉塵測定器60を用いて分煙室2の粉塵濃度を測定する作業を開始した。粉塵濃度の測定時間は10分間とした。
・粉塵濃度を測定している期間中、禁煙エリア8と喫煙エリア9との間での人の往来を想定して、1分間隔でガラリ戸42を開閉した。
<比較例2>
比較例2では、図6に示す還流装置31を除去した分煙室2の構造において、前記実施例2と同じ条件の下で分煙室2内のたばこ粉塵濃度を測定する試験を行った。
その結果、比較例2では、図18に示すようなたばこ粉塵濃度の測定結果が得られ、実施例2では、図19に示すようなたばこ粉塵濃度の測定結果が得られた。
図18から明らかなように、比較例2では、測定開始から時間が経過するに従い禁煙エリア8の粉塵濃度が次第に上昇する傾向にあることが分かる。このことから、比較例2のように分煙室2を単に換気しただけでは、たばこ煙に含まれる粉塵が喫煙エリア9から禁煙エリア8に漏れていることが明らかとなった。
これに対し、実施例2では、測定開始から時間が経過しても、禁煙エリア8の粉塵濃度はバックグラウンド用の粉塵測定器61で計測された基準となる粉塵濃度とほとんど変わりがない。言い換えると、禁煙エリア8の粉塵濃度は、上昇することなく略一定に保たれている。
よって、分煙室2の換気によって生じる第1の空気流F1の流速を十分に確保できないような換気条件の下でも、分煙室2内で空気リターンを実行することにより、たばこ煙に含まれる粉塵が喫煙エリア9から禁煙エリア8に漏れるのを防止できることが明らかとなった。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備えた分煙システムであって、
前記禁煙エリアに設けられた給気口と、前記喫煙エリアに設けられた排気口と、を有し、前記給気口から前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を前記排気口から前記喫煙エリアの外に排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成する換気手段と、
前記喫煙エリアの空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた空気を浄化する空気清浄部と、前記空気清浄部で浄化された空気を前記禁煙エリアの天井付近から吹き出す吹出口と、を含み、前記喫煙エリアの空気を前記禁煙エリアに戻すことで、前記禁煙エリアの前記天井付近および前記喫煙エリアの前記天井付近に前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成する還流手段と、
を具備した分煙システム。
[2]
[1]に記載の分煙システムにおいて、前記第1の空気流の流速が0.2m/s未満に設定された分煙システム。
[3]
[1]又は[2]に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段の前記吹出口は、前記通路の付近で前記禁煙エリアに浄化された空気を吹き出す分煙システム。
[4]
[1]ないし[3]のいずれか一項に記載の分煙システムにおいて、前記第2の空気流の流量が500〜1200m3/時に設定された分煙システム。
[5]
[1]ないし[4]のいずれか一項に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段の前記吹出口は、浄化された空気を前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて吹き出すように構成された分煙システム。
[6]
[5]に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段の前記吹出口は、前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて傾斜された整流板を有する分煙システム。
[7]
[1]ないし[6]のいずれか一項に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段は、前記喫煙エリアの前記天井と前記禁煙エリアの前記天井との間に跨って配置されたダクトを有し、前記喫煙エリアに位置された前記ダクトの上流端に前記吸込口が設けられ、前記禁煙エリアに位置された前記ダクトの下流端に前記吹出口が設けられた分煙システム。
[8]
通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備えた分煙システムであって、
前記禁煙エリアに設けられた給気口と、前記喫煙エリアに設けられた排気口とを有し、前記給気口から前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を前記排気口から前記喫煙エリアの外に排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成する換気手段と、
前記喫煙エリアの空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた空気を前記通路の付近で前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて吹き出す吹出口と、を含み、前記喫煙エリアの空気を前記禁煙エリアに戻すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成する還流手段と、
を具備した分煙システム。
[9]
[8]に記載の分煙システムにおいて、前記吸込口は、前記吹出口よりも低い位置に設けられた分煙システム。
[10]
[8]又は[9]に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段の前記吹出口は、前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて傾斜された整流板を有する分煙システム。
[11]
通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備えた分煙システムであって、
前記禁煙エリアに設けられた給気口と、前記喫煙エリアに設けられた排気口とを有し、前記給気口から前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を前記排気口から前記喫煙エリアの外に排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成する換気手段と、
前記喫煙エリアの空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた空気を前記吸込口よりも高い位置で前記禁煙エリアに向けて吹き出す吹出口と、を含み、前記喫煙エリアの空気を前記禁煙エリアに戻すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成する還流手段と、
を具備した分煙システム。
[12]
[8]ないし[11]のいずれか一項に記載の分煙システムにおいて、前記通路を閉じる第1の位置と、前記通路を開放する第2の位置との間でスライド可能なガラリ戸をさらに備えた分煙システム。
[13]
[12]に記載の分煙システムにおいて、前記ガラリ戸の下に前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向かう空気の流れを許容するスペースが設けられた分煙システム。
[14]
通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備え、
前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成し、
前記喫煙エリアの空気を吸い込むとともに、吸い込んだ空気を浄化した後に前記禁煙エリアの前記天井付近に戻すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成するようにした分煙方法。
[15]
通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備え、
前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成し、
前記喫煙エリアの空気を前記喫煙エリアから前記禁煙エリアに向けて戻すとともに、当該空気を前記通路の付近で前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて吹き出すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成するようにした分煙方法。
[16]
[15]に記載の分煙方法において、前記喫煙エリアの空気を前記喫煙エリアの床の付近で吸い込むようにした分煙方法。
[17]
[16]に記載の分煙方法において、前記喫煙エリアから前記禁煙エリアに戻された空気を、前記禁煙エリアの天井付近から前記禁煙エリアに吹き出すようにした分煙方法。
[18]
通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを含む分煙室を備え、前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を前記喫煙エリアの外に排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成するようにした分煙システムに適用される分煙用還流装置であって、
前記喫煙エリアと前記禁煙エリアとの間に跨るように前記分煙室に設けられた通気路と、
前記通気路の上流端に設けられ、前記喫煙エリアに開口された吸込口と、
前記通気路の下流端に設けられ、前記禁煙エリアに開口された吹出口と、
前記通気路に設けられ、前記吸込口から前記喫煙エリアの空気を吸い込むとともに、当該空気を前記吹出口に向けて送風するファンと、を含み、
前記吸込口から吸い込まれた前記喫煙エリアの空気を前記吹出口から前記禁煙エリアに吹き出すことで、前記喫煙エリアから前記禁煙エリアに戻るリターン空気流を形成し、当該リターン空気流により前記通路を通じて前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成するように構成された分煙用還流装置。
不特定多数の人が利用する場所や施設において適切な分煙が可能となり、喫煙者および非喫煙者が共存できる環境を提供することができる。
2…分煙室、7…パーティション、3,31…還流手段(還流装置)、8…禁煙エリア、9…喫煙エリア、10…通路、11…給気口、12…排気口、15,33…通気路、16,17…換気手段(給気口、排気口)、16,38…吸込口、17,39…吹出口、18…空気清浄部(フィルタ)、F1…第1の空気流、F2…第2の空気流。

Claims (16)

  1. 通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備えた分煙システムであって、
    前記禁煙エリアに設けられた給気口と、前記喫煙エリアに設けられた排気口と、を有し、前記給気口から前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を前記排気口から前記喫煙エリアの外に排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成する換気手段と、
    前記喫煙エリアの空気を天井付近から吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた空気を浄化する空気清浄部と、前記空気清浄部で浄化された空気を前記禁煙エリアの天井付近から吹き出す吹出口と、を含み、前記喫煙エリアの空気を前記禁煙エリアに戻すことで、前記禁煙エリアの前記天井付近および前記喫煙エリアの前記天井付近に前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成する還流手段と、
    を具備し
    前記第1の空気流の流速が0.2m/s未満に設定された分煙システム。
  2. 請求項1に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段の前記吹出口は、前記通路の付近で前記禁煙エリアに浄化された空気を吹き出す分煙システム。
  3. 請求項1ないし請求項2のいずれか一項に記載の分煙システムにおいて、前記第2の空気流の流量が500〜1200m/時に設定された分煙システム。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段の前記吹出口は、浄化された空気を前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて吹き出すように構成された分煙システム。
  5. 請求項に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段の前記吹出口は、前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて傾斜された整流板を有する分煙システム。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段は、前記喫煙エリアの前記天井と前記禁煙エリアの前記天井との間に跨って配置されたダクトを有し、前記喫煙エリアに位置された前記ダクトの上流端に前記吸込口が設けられ、前記禁煙エリアに位置された前記ダクトの下流端に前記吹出口が設けられた分煙システム。
  7. 通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備えた分煙システムであって、
    前記禁煙エリアに設けられた給気口と、前記喫煙エリアに設けられた排気口とを有し、前記給気口から前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を前記排気口から前記喫煙エリアの外に排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成する換気手段と、
    前記通路の側縁に沿って起立した部分を含む通気路を有する還流手段であって、前記通路の側縁に沿って起立した部分の下半分の領域に設けられ前記喫煙エリアの空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた空気を前記通路の付近で前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて吹き出す吹出口と、を含み、前記喫煙エリアの空気を前記禁煙エリアに戻すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成する還流手段と、
    を具備する分煙システム。
  8. 請求項に記載の分煙システムにおいて、前記吸込口は、前記吹出口よりも低い位置に設けられた分煙システム。
  9. 請求項又は請求項に記載の分煙システムにおいて、前記還流手段の前記吹出口は、前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて傾斜された整流板を有する分煙システム。
  10. 通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備えた分煙システムであって、
    前記禁煙エリアに設けられた給気口と、前記喫煙エリアに設けられた排気口とを有し、前記給気口から前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を前記排気口から前記喫煙エリアの外に排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成する換気手段と、
    前記喫煙エリアの空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた空気を前記吸込口よりも高い位置で前記禁煙エリアに向けて吹き出す吹出口と、を含み、前記喫煙エリアの空気を前記禁煙エリアに戻すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成する還流手段と、
    前記通路を閉じる第1の位置と、前記通路を開放する第2の位置との間でスライド可能なガラリ戸と、
    を具備した分煙システム。
  11. 請求項10に記載の分煙システムにおいて、前記ガラリ戸の下に前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向かう空気の流れを許容するスペースが設けられた分煙システム。
  12. 通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを備え、
    前記禁煙エリアに空気を供給するとともに前記喫煙エリアの空気を排出することで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第1の空気流を形成し、
    前記喫煙エリアの空気を前記喫煙エリアの床の付近で吸い込んで前記喫煙エリアから前記禁煙エリアに向けて戻すとともに、当該空気を前記通路の付近で前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて吹き出すことで、前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう第2の空気流を形成するようにした分煙方法。
  13. 請求項12に記載の分煙方法において、前記喫煙エリアから前記禁煙エリアに戻された空気を、前記禁煙エリアの天井付近から前記禁煙エリアに吹き出すようにした分煙方法。
  14. 通路を有するパーティションで区画された禁煙エリアおよび喫煙エリアを含む分煙室適用される分煙用還流装置であって、
    前記通路の側縁に沿って起立した部分を含む通気路と、
    前記通気路の下半分の領域に設けられ前記喫煙エリアの空気を吸い込む吸込口と、
    前記吸込口から吸い込まれた空気を前記通路の付近で前記禁煙エリアから前記喫煙エリアに向けて吹き出す吹出口と、
    を有する分煙用還流装置。
  15. 請求項14に記載の分煙用還流装置において、
    前記通気路は前記通路の両側縁に沿って垂直に起立されている通気管部と前記通気管部の上端の間に跨りかつ禁煙エリアに向けて突出している連通管部からなり、前記吹出口は前記連通管部の禁煙エリア側にある分煙用還流装置。
  16. 請求項14又は請求項15に記載の分煙用還流装置において、
    前記分煙室に前記禁煙エリアから前記通路を通じて前記喫煙エリアに向かう流速0.2m/s未満の第1の空気流を形成した分煙システムに適用される分煙用還流装置。
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