JP5853061B2 - 定着装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、トナー画像を担持した記録媒体を、定着ローラ対の間のニップあるいは加熱ベルトとローラとのニップ間に通しながら、未定着トナーを加熱溶融させて用紙に定着させる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置においては近年、定着装置でのウォームアップタイム(画像形成装置の電源ONから定着装置における定着が可能になるまでの時間)の短縮や省エネルギー化等の要望から、熱容量を少なく設定できるベルト定着方式が注目されている(例えば、特許文献1参照)。また、近年、急速加熱や高効率加熱の可能性をもった電磁誘導加熱方式(IH)が注目されており、カラー画像を定着させる際の省エネルギー化の観点から、電磁誘導加熱をベルト定着方式と組み合わせたものが多数製品化されている。ベルト定着方式と電磁誘導加熱とを組み合わせる場合、電磁誘導加熱のための磁束を発生させるコイルのレイアウト及び冷却の容易さ、さらにはベルトを直接加熱できるメリット等から、ベルトの外側に電磁誘導のための磁束を発生させる装置を配置する構成が多く採用されている(いわゆる外包IH)。
ここで、上記の電磁誘導加熱方式においては、定着装置の過昇温を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。詳しくは、定着ローラが整磁合金層及び非磁性金属層を有しており、整磁合金層を挟んでコイルと非磁性金属層が対向して配置される。そして、この整磁合金層の厚みはキュリー温度以上の時の磁界浸透深さ未満の厚みに設定されている。
これにより、整磁合金層がキュリー温度以下の場合には、コイルで発生した磁束は非磁性金属層には到達せず、整磁合金層は発熱する。一方、この発熱によって整磁合金層がキュリー温度以上になると、コイルで発生した磁束が整磁合金層を貫通して非磁性金属層に到達し、この非磁性金属層に誘導電流が生じる。この電磁誘導によって生じた反磁界と整磁合金層を貫通した磁束とが打ち消し合うため、整磁合金層の発熱量を抑えることができる。
特開平6−318001号公報 特開2004−151470号公報
しかしながら、上記従来の技術を組み合わせてみても、定着装置のさらなる低熱容量化を図る点については依然として課題が残されている。
すなわち、当該組み合わせ構成において、さらなる低熱容量化を図るためには各層の厚みを小さくすることになるが、これら各層の厚みを単に小さくすると、発熱効率が低下するか、磁束抑制効果が阻害されるかしかないからである。
より具体的には、仮に整磁合金層の厚みを小さくすると、コイルで発生した磁束が整磁合金層を貫通し易くなり、当該磁束と非磁性金属層の反磁界とが打ち消し合って整磁合金層の発熱効率が低下するからである。一方、仮に非磁性金属層の厚みを小さくすると、誘導電流の通る断面積が小さくなることで非磁性金属層の電気抵抗が大きくなり、反磁界が生じ難くなるからである。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、さらなる低熱容量化を実現できる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、搬送される記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転し、その温度がキュリー温度以上になった時の磁界浸透深さ未満の厚みの整磁金属で構成された筒状の芯金を備え、記録媒体上のトナー画像を加熱してこの記録媒体に定着させる定着回転体と、定着回転体の外面に沿って配置され、この定着回転体を誘導加熱するための磁束を発生させるコイルと、全体が芯金の湾曲形状に沿って円弧状に湾曲した枠状に形成されており、芯金を挟んでコイルに対向する位置であって、この芯金の磁性の消失によって到達する磁束を枠状の内側に形成される芯金の湾曲形状に沿って湾曲した面に貫通させる向きにて固定配置された良導電性のリング部材とを具備する。
第1の発明によれば、定着回転体は筒状の芯金を有し、この芯金を挟んでコイルと枠状のリング部材が対向して配置される。この芯金は、整磁金属で構成され、その温度がキュリー温度以上になった時の磁界浸透深さ未満の厚みで形成されている。
より詳しくは、この芯金は、常温では磁性を有するもキュリー温度以上になるとこの磁性が消失して透磁率が1になる(整磁作用)。そして、当該キュリー温度以上の磁界浸透深さ未満の厚みにすれば、キュリー温度以下の場合にはコイルで発生した磁束は芯金内に収まったままほぼ通過する。一方、キュリー温度以上になると、透磁率が1になって磁界浸透深さが大幅に増加するため、芯金を厚み方向に貫通してリング部材に向かう漏洩磁束が発生する。
ここで、漏洩磁束が良導電性のリング部材の内側の面に略垂直な一方向に貫通すると、リング部材の周方向に誘導電流が発生し、そこから漏洩磁束と逆向きの反磁界を発生させる。この反磁界は上記漏洩磁束を打ち消す方向に作用するので、リング部材は磁束を遮蔽または抑制でき(磁束抑制効果)、この芯金がキュリー温度以上になっても発熱し続けるのを抑制できる。
このように、整磁金属の定着回転体と非磁性金属のリング部材とを組み合わせれば、従来の如く板状の整磁合金層及び板状の非磁性金属層の組み合わせに対して各層の厚みを単に小さくすると、発熱効率を低下させるか磁束抑制効果を阻害するしかなかった場合に比して、磁束抑制効果を維持しつつ、発熱効率の低下を防止できるとともに、熱容量が少なくなるため、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。この結果、さらなる定着装置の低熱容量化の要求に対応できる。
第2の発明は、記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、その温度がキュリー温度以上になった時の磁界浸透深さ未満の厚みの整磁金属で構成され、全体的に円弧状に湾曲し平面視板状に形成された発熱部材と、発熱部材に接触しつつ、搬送される記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転し、記録媒体上のトナー画像を加熱してこの記録媒体に定着させる可撓性を有した定着ベルト部材と、定着ベルト部材に沿って配置され、この定着ベルト部材を貫通して発熱部材を誘導加熱するための磁束を発生させるコイルと、全体が発熱部材の湾曲形状に沿って円弧状に湾曲した枠状に形成されており、発熱部材を挟んでコイルに対向する位置であって、この発熱部材の磁性の消失によって到達する磁束を枠状の内側に形成される発熱部材の湾曲形状に沿って湾曲した面に貫通させる向きにて固定配置された良導電性のリング部材とを具備する。
第2の発明によれば、可撓性を有した定着ベルト部材を用い、この定着ベルト部材を挟んでコイルと発熱部材が対向して配置される。また、この発熱部材を挟んでコイルと枠状のリング部材が対向して配置される。この発熱部材は、整磁金属で構成され、その温度がキュリー温度以上になった時の磁界浸透深さ未満の厚みを有している。
より詳しくは、この発熱部材は、常温では磁性を有するもキュリー温度以上になるとこの磁性が消失して透磁率が1になる(整磁作用)。そして、当該キュリー温度以上の磁界浸透深さ未満の厚みにすれば、キュリー温度以下の場合にはコイルで発生した磁束は発熱部材に接触する定着ベルト部材内に収まったままほぼ通過する。一方、キュリー温度以上になると、透磁率が1になって磁界浸透深さが大幅に増加するため、発熱部材を厚み方向に貫通してリング部材に向かう漏洩磁束が発生する。
ここで、漏洩磁束が良導電性のリング部材の内側の面に略垂直な一方向に貫通すると、リング部材の周方向に誘導電流が発生し、そこから漏洩磁束と逆向きの反磁界を発生させる。この反磁界は上記漏洩磁束を打ち消す方向に作用するので、リング部材は磁束を遮蔽または抑制でき(磁束抑制効果)、この発熱部材がキュリー温度以上になっても発熱し続けるのを抑制できる。
このように、整磁金属の発熱部材と非磁性金属のリング部材とを組み合わせれば、従来に比して、磁束抑制効果を維持しつつ、発熱効率の低下を防止できるとともに、熱容量が少なくなるため、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。
しかも、発熱部材の熱は常に定着ベルト部材に伝達されるため、例えばヒートローラや定着ローラの如くローラで構成する場合に比して熱容量が少なくなることから、熱容量が大幅に少なくなり、さらなる定着装置の低熱容量化の要求により一層確実に対応できる。
第3の発明は、第1や第2の発明の構成において、リング部材は、定着回転体又は定着ベルト部材の軸線方向に平行な2個の直線部と、この2個の直線部の長手方向の端部同士を結合させる2個のアーチ状部からなることを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3の発明の構成において、リング部材は、定着回転体又は定着ベルト部材の軸線方向に複数分割して形成されていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、リング部材を分割すれば、各リング部材を貫通する漏洩磁束量が少なくなるので、この場合にもリング部材自身の発熱を防止できる。
第5の発明は、第4の発明の構成において、分割されたリング部材のそれぞれは、定着回転体又は定着ベルト部材の軸線方向中央に対して対称に配置されていることを特徴とする。
第6の発明は、第1から第5の発明の構成において、リング部材は、その厚みが0.1mm以上の銅製であることを特徴とする。
第6の発明によれば、第1から第5の発明の作用に加えてさらに、リング部材の断面積を小さくすると、誘導電流が通り難くなってリング部材自身が発熱するとの懸念があるが、上記構成によれば当該懸念は生じず、誘導電流は漏洩磁束の貫通時に効率よく発生し、磁気を確実に遮蔽できる。
第7の発明は、第1から第6の発明の構成において、リング部材と上述した整磁金属の部材との間には、断熱、かつ、電気的に絶縁するための絶縁部材或いは間隙が設けられていることを特徴とする。
第7の発明によれば、第1から第6の発明の作用に加えてさらに、リング部材と整磁金属の部材とは電気的連結に切断されているため、リング部材から整磁金属の部材への誘導電流のリークを防止できるし、また、整磁金属の部材からリング部材への熱伝導を回避すれば、整磁金属の熱を有効に利用できるので、この点も定着の低熱容量化に寄与する。
第8の発明は、第1から第7の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部で形成されたトナー画像を前記記録媒体に定着させる画像形成装置であることを特徴とする。
第8の発明によれば、第1から第7の発明の作用に加えてさらに、少ない熱容量で済み、また、記録媒体の搬送されない領域の過昇温を防止して良好なトナー画像が形成される結果、画像形成装置の信頼性が向上する。
本発明によれば、整磁金属の部材と良導電性のリング部材とを組み合わせており、磁束抑制効果を維持しつつ、発熱効率の低下を防止できるとともに、さらなる低熱容量化を実現できる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
一実施形態の画像形成装置の構成を示した概略図である。 定着ユニットの構造例を示す縦断面図である。 整磁合金の磁界浸透深さを説明する図である。 リング部材の外観斜視図である。 整磁合金の温度による磁束の方向を説明する図である。 図5(B)における磁束抑制効果を説明する図である。 定着ユニットに配置するリング部材の平面図である。 定着ユニットの他の構造例を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、一実施形態の画像形成装置1の構成を示した概略図である。画像形成装置1は、例えば外部から入力された画像情報に基づいて記録媒体の一例としての用紙の表面にトナー画像を転写して印刷を行うプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機等としての形態をとることができる。また、以下の実施形態では、記録媒体は用紙に限らず、用紙以外の記録媒体(OHPシートなど)であっても実施可能である。
図1に示される画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置1は、内部で用紙にカラー画像を形成(プリント)する四角箱状の装置本体2を備え、この装置本体2の上面部には、カラー画像が印刷された用紙を排出するための排出トレイ3が設けられている。
装置本体2内において、その下部には、用紙を収納する給紙カセット5が配設されている。また、装置本体2内の右側面部には、給紙カセット5に収容していない用紙を装置本体2へ供給するスタックトレイ6が配設されている。そして、装置本体2の上部には画像形成部7が設けられており、この画像形成部7は、画像形成装置1と接続されたPC等の上位装置から送信される文字や絵柄などの画像データに基づいて用紙にトナー画像を形成する。
図1でみて装置本体2の左部には、給紙カセット5から送出された用紙を後述の二次転写部23に搬送する第1の搬送路9が配設されており、装置本体2の右部から左部にかけては、スタックトレイ6から送出された用紙を二次転写部23に搬送する第2の搬送路10が配設されている。また、装置本体2内の左上部には、二次転写部23で画像が転写された用紙に対して定着処理を行う定着ユニット(定着装置)14と、定着処理の行われた用紙を排出トレイ3に搬送する第3の搬送路11とが配設されている。
給紙カセット5は、装置本体2の外部(例えば図1の手前側)に引き出すことにより用紙の補充を可能にする。この給紙カセット5は収納部16を備えており、この収納部16には、給紙方向のサイズが異なる少なくとも2種類の用紙を選択的に収納可能である。なお、画像形成装置1が画像形成を行う際には、収納部16に収納されている用紙は、給紙ローラ17及び捌きローラ対18により1枚ずつ第1の搬送路9側に送出される。
スタックトレイ6は、装置本体2の外面に対して開閉可能であり、その手差し部19には用紙が1枚ずつ載置されるか、又は複数枚が積載される。なお、手差し部19に載置された用紙はピックアップローラ20及び捌きローラ対21により1枚ずつ第2の搬送路10側に送出される。
第1の搬送路9と第2の搬送路10とはレジストローラ対22の手前で合流しており、レジストローラ対22に到達した用紙はここで一旦待機し、スキュー調整とタイミング調整を行った後、二次転写部23に向けて送出される。
送出された用紙には、二次転写部23で中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー画像が二次転写される。この後、定着ユニット14でトナー画像が定着された用紙は、必要に応じて第4の搬送路12で反転され、最初とは反対側の面にも二次転写部23でフルカラーのトナー画像が二次転写される。そして、反対面のトナー画像が定着ユニット14で定着された後、両面にカラー画像が形成された用紙は第3の搬送路11を通って排出ローラ対24により排出トレイ3に排出される。
画像形成部7は、ブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各トナー画像を形成する4つの画像形成ユニット26〜29を備える他、これら画像形成ユニット26〜29で形成した各色別のトナー画像を重畳して担持する中間転写部30を備えている。また、図1で見た画像形成部7の下方にはレーザ走査ユニット34が配置され、帯電部33から見て感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面上の特定位置にレーザビームを照射する。
各画像形成ユニット26〜29は、感光体ドラム(像担持体)32と、感光体ドラム32の周面に対向して配設された帯電部33と、レーザ走査ユニット34からのレーザビーム照射位置から見て感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設された現像部35と、現像部35から見て感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設されたクリーニング部36とを備えている。
なお、各画像形成ユニット26〜29の各感光体ドラム32は、図示しない駆動モータにより図中の反時計回り方向に回転する。また、各画像形成ユニット26〜29の各現像部35においては、各現像装置51にブラックトナー、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナーを含む二成分現像剤がそれぞれ収納されている。
中間転写部30は、画像形成ユニット26の近傍位置に配設された駆動ローラ38と、画像形成ユニット29の近傍位置に配設された従動ローラ39と、画像形成ユニット28の上方位置に配設されたテンションローラ42と、駆動ローラ38、従動ローラ39とテンションローラ42とに跨って配設された中間転写ベルト40と、各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32における現像部35から見て感光体ドラム32の回転方向下流側の位置に中間転写ベルト40を介して各感光体ドラム32に圧接して配設された4つの一次転写ローラ41とを備えている。
中間転写部30では、各画像形成ユニット26〜29に対応したそれぞれの一次転写ローラ41の位置で、中間転写ベルト40上に対応するそれぞれの感光体ドラム32から各色別のトナー画像がそれぞれ重ね合わせて転写されて、最後にはフルカラーのトナー画像となる。なお、二次転写部23と中間転写部30により転写部が構成されている。
第1の搬送路9や第2の搬送路10は、給紙カセット5やスタックトレイ6から送出されてきた用紙を二次転写部23側に搬送するものであり、装置本体2内の所定の位置に配設された複数の搬送ローラ対43と、二次転写部23の手前に配設され、画像形成部7における画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取るためのレジストローラ対22とを備えている。
定着ユニット14は、画像形成部7でトナー画像が転写された用紙を加熱及び加圧することにより、未定着トナー画像を用紙に定着させる処理を行うものである。定着ユニット14は、例えば加圧ローラ44と定着ローラ45からなる定着ローラ対を備え、このうち加圧ローラ44が例えば金属製の芯材と弾性体の表層(シリコンゴム)及び離型層(PFA)を有するものであり、定着ローラ45が金属製の芯材と弾性体の表層(シリコンスポンジ)を有するものである。また、定着ローラ45に隣接してヒートローラ(定着回転体)46が設けられており、この円筒形のヒートローラ46と定着ローラ45には定着ベルト48が掛け回されている。なお、定着ユニット14の詳細な構造についてはさらに後述する。
用紙の搬送方向でみて、定着ユニット14の上流側及び下流側にはそれぞれ搬送路47,47が設けられており、二次転写部23を通って搬送されてきた用紙は上流側の搬送路47を通って加圧ローラ44と定着ローラ45(定着ベルト48)との間の定着ニップに導入される。そして、加圧ローラ44及び定着ローラ45間の定着ニップを通過した用紙は下流側の搬送路47を通じて第3の搬送路11に案内される。
第3の搬送路11は、定着ユニット14で定着処理の行われた用紙を排出トレイ3に搬送する。このため第3の搬送路11には、適宜位置に搬送ローラ対49が配設されるとともに、その出口には上記の排出ローラ対24が配設されている。
〔定着ユニットの詳細〕
次に、本実施形態の画像形成装置1に適用された定着ユニット14の詳細について説明する。
図2は、定着ユニット14の構造例を示す縦断面図である。なお、図2では、画像形成装置1に実装した状態から向きを約90°反時計回りに転回させて定着ユニット14を示している。したがって、図1中でみて下方から上方への用紙搬送方向は、図2でみると右方から左方となる。なお、装置本体2がより大型(複合機等)である場合、図2に示される向きで定着ユニット14が装置本体2に実装されることもある。また、この他のレイアウトとして、図2に示される状態から左右いずれかに傾斜した姿勢で定着ユニット14が装置本体2に配置される場合もある。
本実施例の定着ユニット14は、上記のように加圧ローラ44、定着ローラ45、ヒートローラ46及び定着ベルト48を備えている。加圧ローラ44は、金属製(SUS)の芯金上に厚み2〜5mm程度のSiゴム層を形成し、さらにその表層に離型層(PFA)を積層した直径50mm程度のローラである。定着ローラ45は、金属製(SUS)の芯金上に厚み5〜10mm程度のシリコンゴムスポンジ層を積層した直径45mm程度のローラである。
また、ヒートローラ46は、筒状の芯金46aが例えば直径30mm程度、厚み0.2〜1.0mm程度の整磁金属(Fe−Ni合金など)であり、その表面には離型層(PFA)が形成され、図示しない軸の回転駆動に伴って回転する。なお、このFe−Ni合金などの整磁合金については後述する。
さらに、定着ベルト48は、その基材の厚みが例えば35μm(1μm=1×10−6m)の非磁性材料(PI)であり、発熱機能を持たない樹脂ベルトである。また、その表層に厚み200〜500μm程度の薄膜の弾性層(シリコンゴム)が形成され、その外面には離型層(PFA)が形成されている。
上記のように定着ローラ45が表層にシリコンゴムスポンジの弾性層を有することから、定着ベルト48と加圧ローラ44との間にはフラットな定着ニップが形成され、二次転写部23を通って搬送された用紙Pは当該定着ニップに導入される。なお、加圧ローラ44の内部空間には、ハロゲンヒータ44aが設けられている。
この他に定着ユニット14は、ヒートローラ46及び定着ベルト48の外側にIHコイルユニット50を備えている(図1には示されていない)。IHコイルユニット50は、誘導加熱コイル52をはじめ複数のアーチコア54、同じく一対のサイドコア56及びセンタコア58から構成されている。
〔コイル〕
図2の例では、IHコイルユニット50に対面したヒートローラ46の円弧状の部分で誘導加熱を行うため、誘導加熱コイル(コイル)52はヒートローラ46の円弧状の外面に沿う仮想的な円弧面上に配置されている。実際には、ヒートローラ46及び定着ベルト48の外側に、図示しないコイルボビンが配置されており、このボビン上に誘導加熱コイル52が巻線状に配置される構成である。なお、ボビンの材質は、耐熱性樹脂(PPS、PET、LCP)であることが好ましく、また、コイル52のコイルボビンへの固定は、シリコン系接着剤を用いて行う。
〔アーチコア、サイドコア〕
図2でみてセンタコア58はIHコイルユニット50の中央に配置され、その両側で対をなすように上記のアーチコア54及びサイドコア56が配置されている。このうち両側のアーチコア54は、センタコア58を挟んで互いに対称をなす断面アーチ形に成形されたフェライト製コアであり、それぞれの全長は誘導加熱コイル52が配置された領域よりも長い。また、両側のサイドコア56は、ブロック形状に成形されたフェライト製のコアである。両側のサイドコア56は各アーチコア54の一端(図2では下端)に連結して設けられており、これらサイドコア56は誘導加熱コイル52が配置された領域の外側を覆っている。
アーチコア54は、例えばヒートローラ46の長手方向に間隔をおいて複数箇所に配置されている。また、サイドコア56は、ヒートローラ46の長手方向に間隔をあけずに連続して配置されている。サイドコア56を配置する範囲の全長は誘導加熱コイル52が配置された領域の長さに対応している。なお、各コア54,56の配置は、例えば誘導加熱コイル52の磁束密度(磁界強度)分布に合わせて決定されており、アーチコア54がある程度の間隔をおいて配置されている分、その抜けた箇所でサイドコア56が磁束の集束効果を補い、ヒートローラ46の長手方向での磁束密度分布(温度分布)を均している。
アーチコア54及びサイドコア56の外側には、例えば図示しない樹脂製のコアホルダが設けられており、このコアホルダによりアーチコア54及びサイドコア56が支持される構造である。コアホルダの材質もまた、耐熱性樹脂(PPS、PET、LCP)であることが好ましい。
なお、ヒートローラ46の特に誘導加熱による発熱量の大きい箇所の内側にはサーミスタ等が設置される。なお、より実用的には、コイルユニット50の下方に定着ベルト48に非接触タイプのセンサを配置し、このベルト48の外面温度を検出することもできる。
〔センタコア〕
センタコア58は、断面四角形状をなすフェライト製コアであり、ヒートローラ46と略同様に、用紙の最大通紙幅13インチ(約340mm程度)に対応するだけの長さを有してアーチコア54に固定されている。なお、このセンタコア58に相当するコアはアーチコア54と一体形成であってもよい。
〔芯金〕
ところで、上述したヒートローラ46のFe−Ni合金製の芯金46aは、誘導加熱コイル52からの磁束によって発熱可能である。具体的には、芯金46aは透磁性・導電性を有し、常温では磁性を有するのに対し、この芯金46aが所定の温度(キュリー温度、例えば200℃)以上になると磁性が消失して透磁率が1、つまり、非磁性(常磁性)になる性質を有しており(整磁作用)、自己温度制御可能に構成されている。
本実施例の芯金46aは、芯金46aを構成する材料がキュリー温度以上になった場合のその材料の磁界浸透深さ未満の厚み(例えば0.2mm)を有している。
この磁界浸透深さは、整磁合金の抵抗率ρ、この整磁合金のキュリー温度における透磁率μ、及びコイル52に印加する電源の周波数fを用いて求めることができ、キュリー温度に応じて大きく変化する(図3)。上述した芯金46aのキュリー温度を200℃にするためには、Fe−Ni合金のNi含有量は30〜40%程度である。なお、仮に、キュリー温度以上の温度における磁界浸透深さ以上の厚みの芯金を用いれば、コイル52で発生した磁束によって誘導電流が生じ、反磁界が生じてコイル52からの磁束を遮蔽できることになる(磁束抑制効果)。
これに対し、本実施例の如く、芯金46aの厚みをキュリー温度以上の温度における磁界浸透深さ未満の厚み(例えば0.2mm)にすれば、芯金46aの温度がキュリー温度未満の場合にはコイル52で発生した磁束は芯金46a内を芯金46aに沿ってほぼ通過する一方、芯金46aの温度がキュリー温度以上になると、芯金46aの厚み方向を貫通してコイル52の反対側、すなわち、後述のリング部材60に向かう漏洩磁束が発生する。
〔リング部材〕
本実施例のリング部材60は、芯金46aを挟んでコイル52に対向する位置、具体的にはヒートローラ46の内部に固定されており(図2)、その1個のモデルを示した図4の如く、全体的に円弧状に湾曲した側面視ではアーチ状でありさらに上面視では内部が中空の四角形状に形成され、上面61が芯金46aの内壁に対峙し、下面62がヒートローラ46の回転軸に対峙している。
なお、リング部材60は、ヒートローラ46の軸線方向に平行な2個の直線部65と、2個の直線部65の長手方向の端部同士を結合させている2個のアーチ状部66からなる(図4)。2個の直線部65及び2個のアーチ状部66からなるリング部材60の内側は空間となっている。また、リング部材60を上方から見た上面視ではリング部材60は中空の四角形状となるように形成されている。
また、リング部材60は、非磁性・良導電性の例えば無酸素銅などで構成され、その厚みは0.1mm以上であって4mm以下(例えば1〜2mm)で周方向に亘って一様であり、芯金46aがキュリー温度以上になっても発熱し続けるのを抑制する機能を有している。
詳しくは、上述の如く芯金46aは、芯金46aのキュリー温度以上の磁界浸透深さ未満の厚みを有するので、芯金46aの温度がキュリー温度未満の場合には、図5(A)の実線の矢印で示されるように、誘導加熱コイル52で発生した磁束はサイドコア56、アーチコア54及びセンタコア58を通過して芯金46aをほぼ通過する。より具体的には、コイル52で発生した磁束は、芯金46a内に収まったままサイドコア56に向かう。このときヒートローラ46の芯金46aに渦電流が発生し、その材料の持つ固有抵抗によりジュール熱が発生して加熱が行われる。
これに対し、芯金46aの温度がキュリー温度以上になると、その磁性が消失して透磁率が1になり、磁界浸透深さが大幅に増加する。このため、図5(B)の点線の矢印で示される如く、芯金46aを厚み方向に貫通してリング部材60に向かう漏洩磁束が発生する。
この漏洩磁束は、図6でみて下方に向かう実線の矢印であり、リング部材60は、漏洩磁束をその枠状の内側の仮想面に略垂直方向に貫通させる向きにて固定されているので、このリング部材60では、漏洩磁束による誘導電流(図6に破線の矢印で示す)で反磁界(図6でみて上方に向かう実線の矢印で示す)を発生させ、反磁界は漏洩磁束(垂直な貫通磁界)を打ち消す方向に作用するのでコイル52からの磁束を遮蔽または抑制する(磁束抑制効果)。
なお、リング部材60に良導電性部材を用いることで誘導電流によるジュール発熱を抑制し、効率よく誘導加熱コイル52からの磁束を遮蔽または抑制することができる。
また、図7に示したように、本実施例のリング部材60は複数に分割して形成されている。詳しくは、上記リング部材60として少なくとも3種類のリング60a、リング60b及びリング60cがヒートローラ46の軸方向(長手方向)に分割して配置され(図7)、定着ユニット14の図示しないカバー等に支持される。
これらリング60a,60b,60cは、搬送される用紙の幅方向(用紙搬送方向に垂直な方向の用紙の長さ)でみた複数のサイズに対応して個々にその軸線方向の長さが異なっている。なお、分割されたリング60a,60b,60cは、同じ厚みで形成されていれば、この図7の左側に記載したリング部材60のように、それぞれ別体で構成してもよいし、また、図7の右側に記載したリング部材60の如く、リング60a,60b,60cを一体形成することも可能である。
3種類のリング60a,60b,60cは、ヒートローラ46の軸方向中央に関して対称に設けられており、このうちリング60aがヒートローラ46の両端部に配置され、そこから中央に向かって順にリング60b、リング60cが並べられている。このとき、最も内側(中央寄り)に位置するリング60cは、最小の用紙サイズに対応した通紙域の外側に設けられている。また、リング60bは、中間の用紙サイズに対応した通紙域の外側に設けられており、そして、これより1サイズ大きい通紙域の外側にリング60aが設けられている。
このような配置であれば、例えば最大の用紙サイズを13インチ(340mm)として、これより小さい用紙サイズをA3(297mm)、A4縦(210mm)、A5縦(149mm)の3種類とし、合計4種類の用紙サイズに対応することができる。なお、この図7の左側に示されたリング60dは、上述したサーミスタ等による温度制御が万一困難になった場合にヒートローラ46の過昇温を防止することができるが、図7の右側に示される如く省略することも可能である。
〔他の構造例〕
ところで、上述のヒートローラ46及び定着ローラ45に替えて摺動ベルト(定着ベルト部材)68を用いてもよい。
詳しくは、図8に示された定着ユニット14は、上記実施例と同じ機能を奏する構成には同一の符号を付してその説明を省略すると、加圧ローラ44と可撓性を有した摺動ベルト68とを備え、二次転写部23を通って搬送された用紙Pは加圧ローラ44と摺動ベルト68との間の定着ニップに導入される。
より具体的には、加圧ローラ44は、金属製(SUS)の芯金上に厚み2〜5mm程度のシリコンゴム層を形成し、さらにPFAチューブを被せた直径25mm程度のローラである。なお、加圧ローラ44の内部空間にはハロゲンヒータが設けられていてもよい。
摺動ベルト68は、その基材の厚みが例えば40μmの磁性材料(Ni)であり、少なくとも磁界浸透深さ未満の肉厚である。基材の表面には厚み30μm程度の薄膜の弾性層(シリコンゴム)が形成され、その外面には厚み30μm程度の離型層(PFA)が形成されている。摺動ベルト68の発熱温度を例えば150〜200℃の範囲に調整される直径30mm程度の無端状の薄肉ベルトである。
この摺動ベルト68の表面温度も、ベルト68の径方向外側に所定距離をおいて配置された非接触タイプの温度センサで測定可能である。
また、加圧ローラ44には図示しないステッピングモータが装備されており、加圧ローラ44はモータからの動力により、搬送される用紙Pの幅方向に延びた軸線回りに回転する。この加圧ローラ44の回転駆動に伴い、摺動ベルト68が加圧ローラ44に従動回転し、摺動ベルト68と加圧ローラ44との間には定着ニップが形成される。
詳しくは、この摺動ベルト68の内面における加圧ローラ44との対峙部分には、摺動部材80が固定配置されている。この摺動部材80は、上記軸線方向に沿って延びた薄板状に形成され、その両端が定着ユニット14の図示しないカバー等に支持される。そして、この固定の摺動部材80の下面部分が回転する摺動ベルト68の内面に擦れ合って接触し、摺動部材80は軸線方向に亘って加圧ローラ44からの押圧力を受ける。これにより、摺動ベルト68と加圧ローラ44との間にはトナー画像を用紙Pに定着させるフラットな定着ニップが形成される。
〔発熱部材〕
ここで、図8の実施例では、Fe−Ni合金製の発熱部材70が、摺動ベルト68を挟んでコイル52に対向する位置、つまり、摺動ベルト68の内部に配置されている。しかも、発熱部材70が摺動ベルト68の内面に接触して固定されている。本実施例の発熱部材70は、平面視で全体的に円弧状に湾曲した平面視板状で形成され、キュリー温度以上の時の磁界浸透深さ未満の厚み(例えば0.2mm)を有している。よって、発熱部材70の温度がキュリー温度未満の場合にはコイル52で発生した磁束は発熱部材70内をほぼ通過する一方、発熱部材70の温度がキュリー温度以上になると、発熱部材70の厚み方向を貫通してコイル52の反対側、すなわち、リング部材60に向かう漏洩磁束が発生する。
そして、摺動ベルト68及び発熱部材70を貫通した漏洩磁束は、リング部材60が、漏洩磁束をその枠状の内側の仮想面に略垂直方向に貫通させる向きにて固定されているため、リング部材60では、漏洩磁束による誘導電流で反磁界を発生させ、反磁界は漏洩磁束を打ち消す方向に作用するのでコイル52からの磁束を遮蔽または抑制する。
なお、この摺動ベルト68は、薄肉の非磁性樹脂(PI製、例えば90μm)で構成されていてもよいし、また、薄肉の非磁性金属(銅製、例えば5μm)で構成されていてもよい。ただし、5μmの銅単体ではベルト形状を維持できないので、PI等の基材に担持させてもよい。
一方、上述した整磁金属の部材、つまり、芯金46a(図2参照)或いは発熱部材70(図8参照)とリング部材60の上面61との間には、断熱、かつ、電気的に絶縁するための絶縁シート(絶縁部材)が設けられていてもよい。なお、絶縁シートに替えて、絶縁チューブや絶縁フィルム等で例えばリング部材60を被覆してもよい。また、芯金46a或いは発熱部材70とリング部材60の上面61との間に間隙(0.5〜1mm程度)を設けることも可能である。
以上のように、まず、図2の実施例によれば、ヒートローラ46は筒状の芯金46aを有し、この芯金46aを挟んでIHコイルユニット50のコイル52と矩形の枠状のリング部材60が対向して配置される。なお、上述の如く芯金46aの表面には離型層が設けられており、定着ベルト48は発熱する芯金46aには直接に接触しない。ここで、この芯金46aは、透磁性・導電性の整磁合金で構成され、その温度がキュリー温度以上になった時の磁界浸透深さ未満の厚みで形成されている。
次に、図8の実施例によれば、可撓性を有した薄肉の摺動ベルト68を用い、この摺動ベルト68を挟んでIHコイルユニット50のコイル52と発熱部材70が対向して配置される。また、この発熱部材70を挟んでコイル52と矩形の枠状のリング部材60が対向して配置される。この発熱部材70は、透磁性・導電性の整磁合金で構成され、その温度がキュリー温度以上になった時の磁界浸透深さ未満の厚みを有している。
このように、整磁合金のヒートローラ46或いは整磁合金の発熱部材70と非磁性・良導電性のリング部材60とを組み合わせれば、従来の如く板状の整磁合金層及び板状の非磁性金属層の組み合わせに対して各層の厚みを小さくすると、発熱効率を低下させるか磁束抑制効果を阻害するしかなかった場合に比して、磁束抑制効果を維持しつつ、発熱効率の低下を防止できるとともに、熱容量が少なくできるため、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。この結果、さらなる低熱容量化の要求に対応できる。
しかも、図8の実施例では、発熱部材70の熱は常に摺動ベルト68に伝達されるため、例えばヒートローラや定着ローラの如くローラで構成する場合に比して定着の熱容量が少なくなることから、定着の熱容量が大幅に少なくなり、さらなる低熱容量化の要求により一層確実に対応できる。
さらに、この図8の実施例では、摺動ベルト68が薄肉であるため、コイル52で生じた磁束は摺動ベルト68を完全に貫通し、整磁合金の発熱部材70に到達する。
そして、まず、摺動ベルト68を銅製とすれば、摺動ベルト68自身も発熱できるので、熱の供給源としても有効に機能する。一方、PI製の摺動ベルト68は発熱せず、熱の供給源として機能しないが、上述のように発熱部材70に接触していることから、上記低熱容量化は阻害されない。
また、摺動ベルト68をキュリー温度以上の磁界浸透深さ未満の厚みを有するNi製とすれば、磁性金属単体でベルト形状を維持可能になる。なお、このベルト形状を維持できる厚みの場合には、この摺動ベルト68の厚みに発熱部材70の厚みが加わることから、発熱部材70を貫通できる漏洩磁束量が、この摺動ベルト68を上記薄肉の銅製で構成した場合に比して少なくなり、そのキュリー温度到達時の磁束抑制効果にも影響を与えるものの、摺動ベルト68自身が発熱できるので、熱の供給源としては有効に機能する。
さらにまた、リング部材60の断面積を小さくすると、誘導電流が通り難くなってリング部材60自身が発熱するとの懸念があるが、上記厚みの構成によれば当該懸念は生じず、誘導電流は漏洩磁束の貫通時に効率よく発生し、磁気を確実に遮蔽できる。
また、リング部材60を分割すれば、各リング60a,60b,60cを貫通する漏洩磁束量が少なくなるので、この場合にもリング部材60自身の発熱をより一層防止できる。
さらに、リング部材60と芯金46a或いは発熱部材70との電気的連結を切断すれば、リング部材60から芯金46a或いは発熱部材70への誘導電流のリークを防止できるし、また、芯金46a或いは発熱部材70からリング部材70への熱伝導を回避すれば、整磁金属の熱を有効に利用できるので、この点も定着装置の低熱容量化に寄与する。
さらにまた、少ない熱容量で済み、また、用紙の搬送されない領域の過昇温を防止して良好なトナー画像が形成される結果、画像形成装置1の信頼性が向上する。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。例えば、固定のセンタコア或いは回転するセンタコアのいずれでもよく、適宜に変形可能である。
また、上記実施例では、ヒートローラ46の芯金46aで説明しているものの、定着ローラ45の芯金を整磁合金で構成して定着ベルト48を定着ローラ45に巻くことができれば、ヒートローラ46を省略してもよく、本発明の定着回転体にはヒートローラの他、定着ローラも該当する。
さらに、上記実施例では、IHコイルユニット50のコイル52が摺動ベルト68の外面に沿って配置されている。しかし、摺動ベルト68を挟んでコイル52と発熱部材70が対向し、この発熱部材70を挟んでコイル52と枠状のリング部材60が対向して配置できれば、コイル52を摺動ベルト68の内側に設け、発熱部材70やリング部材60を摺動ベルト68の外側に設けることも可能である。
さらにまた、本実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているものの、本発明の画像形成装置は、複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、さらなる定着装置の低熱容量化を実現できるとの効果を奏する。
1 プリンタ(画像形成装置)
7 画像形成部
14 定着ユニット(定着装置)
46 ヒートローラ(定着回転体)
46a 芯金
50 IHコイルユニット
52 誘導加熱コイル(コイル)
60 リング部材
65 直線部
66 アーチ状部
68 摺動ベルト(定着ベルト部材)
70 発熱部材

Claims (7)

  1. 記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、
    その温度がキュリー温度以上になった時の磁界浸透深さ未満の厚みの整磁金属で構成され、全体的に円弧状に湾曲し平面視板状に形成された発熱部材と、
    前記発熱部材に接触しつつ、搬送される前記記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転し、前記記録媒体上のトナー画像を加熱してこの記録媒体に定着させる可撓性を有した定着ベルト部材と、
    前記定着ベルト部材に沿って配置され、この定着ベルト部材を貫通して前記発熱部材を誘導加熱するための磁束を発生させるコイルと、
    前記コイルを挟んで前記定着ベルト部材の反対側に配置され前記コイルの外面に対向するアーチコアと、前記アーチコアに接続し前記コイルの側面に対向するサイドコアと、前記アーチコアの内側中心部に接続して前記定着ベルト部材の軸線方向に延びるセンタコアとから成るコアと、
    全体が前記発熱部材の湾曲形状に沿って円弧状に湾曲した枠状に形成されており、前記発熱部材を挟んで前記コイルに対向する位置であって、この発熱部材の磁性の消失によって到達する磁束を前記枠状の内側に形成される前記発熱部材の湾曲形状に沿って湾曲した面に貫通させる向きにて固定配置された良導電性のリング部材と
    を具備することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置であって、
    前記リング部材は、前記定着ベルト部材の軸線方向に平行な2個の直線部と、この2個の直線部の長手方向の端部同士を結合させる2個のアーチ状部からなることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置であって、
    前記リング部材は、前記定着ベルト部材の軸線方向に複数分割して形成されていることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3に記載の定着装置であって、
    前記分割されたリング部材のそれぞれは、前記定着ベルト部材の軸線方向中央に対して対称に配置されていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の定着装置であって、
    前記リング部材は、その厚みが0.1mm以上の銅製であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の定着装置であって、
    前記リング部材と前記整磁金属の部材との間には、断熱、かつ、電気的に絶縁するための絶縁部材或いは間隙が設けられていることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部で形成されたトナー画像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする画像形成装置。
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