JP5538047B2 - 定着装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー画像を担持した記録媒体をベルトと加圧ローラとのニップ間に通しながら、未定着トナーを加熱溶融させて記録媒体に定着させる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置においては近年、定着装置でのウォームアップタイムの短縮や省エネルギー等の要望から、熱容量を少なく設定できるベルト方式が注目されている。また、近年、急速加熱や高効率加熱の可能性をもった電磁誘導加熱方式(IH)が注目されており、カラー画像を定着させる際の省エネルギー化の観点から、電磁誘導加熱をベルト方式と組み合わせたものが多数製品化されている。
この電磁誘導加熱方式においては、定着ローラの外側に電磁誘導のための磁界を発生させるコイルを配置した構造(いわゆる外包IH)が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。詳しくは、ヒートローラを省略し、加熱ベルトを定着ローラの全周に巻回しており、ウォームアップタイムの削減を図る。また、各文献では、用紙サイズの幅(通紙幅)に合わせて非通紙域での過昇温を防止するために、加熱ベルトの外側に磁束を遮蔽する磁束抑制部材や、非通紙域に発生した磁束を打ち消す消磁用のコイルを配置している。
特開2007−108213号公報 特開2008−216825号公報
ところで、定着装置の低熱容量化を図ってさらなるウォームアップタイムの短縮を達成するためには、上述した定着ローラに替えて、可撓性を有した薄肉の摺動ベルトタイプを利用することが望ましい。
しかしながら、仮に、当該薄肉の摺動ベルトの構成と上記各文献の構成とを組み合わせても、磁束抑制部材や消磁用のコイルが、いずれも定着ローラ及び加熱ベルトの外側に配置されており、定着装置が大型になるという問題がある。
特に、前者の磁束抑制部材は加熱ベルトの外側を移動しており、サーミスタ等の配置や用紙の搬送経路にも制約が加わるので、定着熱容量が少なくて済むように装置の小型化を図る設計が困難になる。
また、後者の消磁用のコイルが別途必要になると、装置の製造コストの低廉化を図れないし、さらに、当該各コイル間の距離に相当する幅の用紙には対応できるが、これら消磁用のコイルの距離よりも短い幅の用紙には対応できない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、小型化及び製造コストの低廉化の双方を達成できる定着装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、磁界の電磁誘導によって発熱する発熱層を有するとともに、搬送される記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転し、記録媒体上のトナー画像を加熱してこの記録媒体に定着させる定着ベルト部材と、定着ベルト部材の外面に沿って配置され、磁束を発生させて発熱層を誘導加熱する電磁誘導加熱ユニットと、定着ベルト部材の内側に設けられ、この定着ベルト部材の外面に接触する加圧回転体との間にニップを形成させる定着部材と、これら定着ベルト部材の内側と定着部材の外側との空間に配置されており、発熱層を貫通した磁束をその内側の面に通過させる非磁性・良導電性の磁束抑制部材とを具備する。
第1の発明によれば、電磁誘導加熱ユニットは定着ベルト部材の外側に配置され(外包IH)、この定着ベルト部材は、電磁誘導加熱ユニットからの磁束の作用で発熱する発熱層を有する。つまり、この磁束が発熱層に到達すると、渦電流が発生して加熱される。
ここで、可撓する定着ベルト部材では、その発熱層の厚み方向を貫通して定着ベルト部材の内側に向かう貫通磁束が発生するが、これら定着ベルト部材の内側と定着部材の外側との空間には、非磁性・良導電性の磁束抑制部材が配置されている。
つまり、この貫通磁束が磁束抑制部材の内側の面に略垂直な一方向に通過すると、磁束抑制部材の周方向に誘導電流が発生し、そこから貫通磁束と逆向きの反磁束を発生させる。この反磁束と上記貫通磁束とが打ち消し合ってキャンセルされることで、磁束抑制部材は磁束を遮蔽できる(磁束抑制効果)。
このように、非磁性・良導電性の磁束抑制部材を定着ベルト部材の内側に配置すれば、従来の如く磁束抑制部材を定着ローラ及び定着ベルト部材の外側に配置した場合に比して、定着装置の省スペース化を図ることができ、また、従来のような消磁用のコイルを別途配置する必要がないため、その製造コストの低廉化も達成できる。
さらに、これら定着ベルト部材の内側と定着部材の外側との間には、非磁性・良導電性の磁束抑制部材を配置できる空間が存在し、定着ベルト部材は定着部材の全周に巻回されておらず、定着部材は小型である。よって、定着ベルト部材を定着部材の全周に巻回した場合に比して定着熱容量が少なくて済み、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。
第2の発明は、第1の発明の構成において、定着ベルト部材と磁束抑制部材との間に配置され、この定着ベルト部材の内面に接触しつつ、磁界の電磁誘導によって発熱する発熱部材を備えていることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、上記磁束抑制部材の他、定着ベルト部材の内面に接触する磁性の発熱部材も定着ベルト部材の内側に配置でき、省スペース化と共に前記磁性の発熱部材も貫通磁束により発熱し、エネルギーロスが抑制される。
第3の発明は、第2の発明の構成において、発熱部材は、定着ベルト部材の内面に沿って移動可能に構成されており、定着ベルト部材の軸線方向長さよりも小さい幅の記録媒体を連続搬送した場合に、磁束抑制部材に磁束を導くように移動することを特徴とする。
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、磁性の発熱部材は、定着ベルト部材の軸線方向長さよりも小さい幅の記録媒体の連続搬送によって定着ベルト部材の軸線方向の両端部分の温度が上昇した場合に移動して磁束抑制部材による磁束抑制効果を得ており、定着装置の省スペース化を図りつつ、定着ベルト部材の両端部分の過剰な温度上昇(定着ベルト部材の過昇温)を防止できる。
また、定着ベルト部材の内側と定着部材の外側との間は、移動する発熱部材を配置できる空間があるので、定着部材はより小型であり、定着熱容量がより一層少なくて済む。
第4の発明は、第1や第2の発明の構成において、磁束抑制部材は、定着ベルト部材の内面に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、定着ベルト部材の内側と定着部材の外側との間は、移動する磁束抑制部材を配置できる空間があり、定着部材はより小型であるため、定着熱容量がより一層少なくて済む。
第5の発明は、第4の発明の構成において、磁束抑制部材は、定着ベルト部材の軸線方向長さよりも小さい幅の記録媒体を連続搬送した場合に、この磁束抑制部材に磁束を導くように移動することを特徴とする。
第5の発明によれば、第4の発明の作用に加えてさらに、非磁性・良導電性の磁束抑制部材は、定着ベルト部材の軸線方向長さよりも小さい幅の記録媒体の連続搬送によって定着ベルト部材の軸線方向の両端部分の温度が上昇した場合に移動し、その磁束抑制効果を得ており、定着装置の省スペース化を図りつつ、定着ベルト部材の過昇温を防止できる。
第6の発明は、第1や第2の発明の構成において、磁束抑制部材は、定着ベルト部材の内面に対して近接・離間移動可能に構成されており、定着ベルト部材の軸線方向長さよりも小さい幅の記録媒体を連続搬送した場合に、この磁束抑制部材に磁束を導くように移動することを特徴とする。
第6の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、定着ベルト部材の内側と定着部材の外側との間は、定着ベルト部材の内面に対して近接・離間する磁束抑制部材を配置できる空間があり、定着部材はより小型である。よって、この場合にも熱容量がより一層少なくて済む。
さらに、非磁性・良導電性の磁束抑制部材は、定着ベルト部材の軸線方向長さよりも小さい幅の記録媒体の連続搬送によって定着ベルト部材の軸線方向の両端部分の温度が上昇した場合に近接移動し、その磁束抑制効果を得ており、定着装置の省スペース化を図りつつ、定着ベルト部材の過昇温を防止できる。
第7の発明は、第3から第6の発明の構成において、定着ベルト部材の温度、或いは記録媒体の幅に基づき、発熱部材による移動、若しくは、磁束抑制部材による移動、又は、磁束抑制部材による近接・離間移動させる信号をその駆動部に出力する制御手段を備えることを特徴とする。
第7の発明によれば、第3から第6の発明の作用に加えてさらに、制御手段は、定着ベルト部材の温度、或いは記録媒体の幅に基づいて発熱部材、若しくは磁束抑制部材の移動時期や移動量を制御可能になる。これにより、定着ベルト部材の過昇温をより一層確実に防止できる。
第8の発明は、第1から第7の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部で形成されたトナー画像を記録媒体に定着させる画像形成装置であることを特徴とする。
第8の発明によれば、第1から第7の発明の作用に加えてさらに、少ない定着熱容量で済み、また、記録媒体の搬送されない領域の過昇温を防止して良好なトナー画像が形成される結果、画像形成装置の信頼性が向上する。
本発明によれば、非磁性・良導電性の磁束抑制部材を定着ベルト部材の内側に配置しており、小型化のみならず製造コストの低廉化も達成する定着装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することができる。
一実施形態の画像形成装置の構成を示した概略図である。 定着ユニットの外観斜視図である。 定着ユニットの構造例(第1実施例)を示す縦断面図である。 IHコイルユニットの平面図である。 誘導発熱部材及び磁束抑制部材の外観斜視図である。 画像形成装置のコントローラの説明図である。 定着ユニットの構造例(第2実施例)を示す縦断面図である。 定着ユニットの構造例(第3実施例)を示す縦断面図である。 定着ユニットの構造例(第4実施例)を示す縦断面図である。 定着ユニットの構造例(第5実施例)を示す縦断面図である。 定着ユニットの構造例(第6実施例)を示す縦断面図である。 図11の磁束抑制部材の外観斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、一実施形態の画像形成装置1の構成を示した概略図である。画像形成装置1は、例えば外部から入力された画像情報に基づいて記録媒体の一例としての用紙の表面にトナー画像を転写して印刷を行うプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、それらの機能を併せ持つ複合機等としての形態をとることができる。また、以下の実施形態では、記録媒体は用紙に限らず、用紙以外の記録媒体(OHPシートなど)であっても実施可能である。
図1に示される画像形成装置1は、例えばタンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置1は、内部で用紙にカラー画像を形成(プリント)する四角箱状の装置本体2を備え、この装置本体2の上面部には、カラー画像が印刷された用紙を排出するための排出トレイ3が設けられている。
装置本体2内において、その下部には、用紙を収納する給紙カセット5が配設されている。また、装置本体2内の中央部には、給紙カセット5に収容していない種類の用紙を装置本体2へ供給するスタックトレイ6が配設されている。そして、装置本体2の上部には画像形成部7が設けられており、この画像形成部7は、画像形成装置1と接続されたPC等の上位装置から送信される文字や絵柄などの画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
図1で視て装置本体2の左部には、給紙カセット5から繰り出された用紙を後述の二次転写部23に搬送する第1の搬送路9が配設されており、装置本体2の右部から左部にかけては、スタックトレイ6から繰り出された用紙を二次転写部23に搬送する第2の搬送路10が配設されている。また、装置本体2内の左上部には、二次転写部23で画像が形成された用紙に対して定着処理を行う定着ユニット(定着装置)14と、定着処理の行われた用紙を排出トレイ3に搬送する第3の搬送路11とが配設されている。
給紙カセット5は、装置本体2の外部(例えば図1の手前側)に引き出すことにより用紙の補充を可能にする。この給紙カセット5は収納部16を備えており、この収納部16には、給紙方向のサイズが異なる少なくとも2種類の用紙を選択的に収納可能である。なお、収納部16に収納されている用紙は、給紙ローラ17及び捌きローラ対18により1枚ずつ第1の搬送路9側に繰り出される。
スタックトレイ6は、装置本体2の外面にて開閉可能であり、その手差し部19には用紙が1枚ずつ載置されるか、又は複数枚が積載される。なお、手差し部19に載置された用紙はピックアップローラ20及び捌きローラ対21により1枚ずつ第2の搬送路10側に繰り出される。
第1の搬送路9と第2の搬送路10とはレジストローラ対22の手前で合流しており、レジストローラ対22に到達した用紙はここで一旦待機し、スキュー調整とタイミング調整を行った後、二次転写部23に向けて送出される。送出された用紙には、二次転写部23で中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー画像が用紙に二次転写される。この後、定着ユニット14でトナー画像が定着された用紙は、必要に応じて第4の搬送路12で反転され、最初とは反対側の面にも二次転写部23でフルカラーのトナー画像が二次転写される。そして、反対面のトナー画像が定着ユニット14で定着された後、第3の搬送路11を通って排出ローラ対24により排出トレイ3に排出される。
画像形成部7は、ブラック(B)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各トナー画像を形成する4つの画像形成ユニット26〜29を備える他、これら画像形成ユニット26〜29で形成した各色別のトナー画像を重畳して担持する中間転写部30を備えている。
各画像形成ユニット26〜29は、感光体ドラム32と、感光体ドラム32の周面に対向して配設された帯電部33と、帯電部33の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面上の特定位置にレーザビームを照射するレーザ走査ユニット34と、レーザ走査ユニット34からのレーザビーム照射位置の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設された現像部35と、現像部35の感光体ドラム32の回転方向下流側であって感光体ドラム32の周面に対向して配設されたクリーニング部36とを備えている。
なお、各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32は、図示しない駆動モータにより図中の反時計回り方向に回転する。また、各画像形成ユニット26〜29の現像部35には、各現像装置51にブラックトナー、イエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナーをそれぞれ含む二成分現像剤がそれぞれ収納されている。
中間転写部30は、画像形成ユニット26の近傍位置に配設された後ローラ38と、画像形成ユニット29の近傍位置に配設された前ローラ39と、後ローラ38と前ローラ39とに跨って配設された中間転写ベルト40と、各画像形成ユニット26〜29の感光体ドラム32における現像部35の感光体ドラム32の回転方向下流側の位置に中間転写ベルト40を介して圧接可能に配設された4つの一次転写ローラ41とを備えている。
この中間転写部30では、各画像形成ユニット26〜29の一次転写ローラ41の位置で、中間転写ベルト40上に各色別のトナー画像がそれぞれ重ね合わせて転写されて、最後にはフルカラーのトナー画像となる。
第1の搬送路9や第2の搬送路10は、給紙カセット5やスタックトレイ6から繰り出されてきた用紙を二次転写部23側に搬送するものであり、装置本体2内で所定の位置に配設された複数の搬送ローラ対43と、二次転写部23の手前に配設され、画像形成部7における画像形成動作と用紙の搬送動作とのタイミングを取るためのレジストローラ対22とを備えている。
定着ユニット14は、画像形成部7でトナー画像が転写された用紙を加熱及び加圧することにより、未定着トナー画像を用紙に定着させる処理を行うものである。定着ユニット14は、例えば加圧ローラ(加圧回転体)44と可撓性を有した摺動ベルト(定着ベルト部材)45とを備え、このうち加圧ローラ44が例えば金属製の芯金と弾性体の表層及び離型層を有するものであり、摺動ベルト45が金属製の基材と弾性体の表層及び離型層を有するものである。なお、定着ユニット14の詳細な構造についてはさらに後述する。
用紙の搬送方向で視て、定着ユニット14の上流側及び下流側にはそれぞれ搬送路47が設けられており(図1)、二次転写部23を通って搬送されてきた用紙は上流側の搬送路47を通じて加圧ローラ44と摺動ベルト45との間のニップに導入される。そして、加圧ローラ44及び摺動ベルト45間を通過した用紙は下流側の搬送路47を通じて第3の搬送路11に案内される。
第3の搬送路11は、定着ユニット14で定着処理の行われた用紙を排出トレイ3に搬送する。このため第3の搬送路11には、適宜位置に搬送ローラ対49が配設されるとともに、その出口には上記の排出ローラ対24が配設されている。
〔定着ユニットの詳細〕
次に、本実施形態の画像形成装置1に適用された定着ユニット14の詳細について説明する。
図2は、定着ユニット14の外観斜視図であり、図3は、この定着ユニット14の構造例を示す縦断面図である。なお、これら図2,3では、画像形成装置1に実装した状態から向きを約90°反時計回りに転回させて示している。したがって、図1中で視て下方から上方への用紙搬送方向は、図2,3でみると右方から左方となる。なお、装置本体2がより大型(複合機等)である場合、図3に示される向きで実装されることもある。また、この他のレイアウトとして、図3に示される状態から左右いずれかに傾斜した姿勢で定着ユニット14が画像形成装置1内に配置される場合もある。
本実施例の定着ユニット14は、上記のように加圧ローラ44及び摺動ベルト45を備えている。加圧ローラ44は、金属製(例えばSUS)の芯金上に厚み2〜5mm程度のシリコンゴム層を形成し、さらにPFAチューブを被せた直径25mm程度のローラである。なお、加圧ローラ44の内側にはハロゲンヒータ44aが設けられている。
摺動ベルト45は、その基材の厚みが例えば35μm(1μm=1×10−6m)の強磁性材料(Ni電鋳基材)であり、誘導発熱層(発熱層)として機能する。そして、その表層に厚み300μm程度の薄膜の弾性層(シリコンゴム)が形成され、その外面には離型層(PFA)が形成されており、その発熱温度を150〜200℃の範囲に調整される直径40mm程度の無端状の薄肉ベルトである。
この摺動ベルト45の表面温度は、ベルト45の径方向外側に所定距離をおいて配置された非接触タイプの赤外線温度測定装置80で測定される。
また、図2に示されるように、加圧ローラ44にはステッピングモータ86が装備されており、加圧ローラ44はこのモータ86からの動力により、搬送される用紙の幅方向に延びた軸線回りに回転する。この加圧ローラ44の回転駆動(図3で視て反時計回り)に伴い、摺動ベルト45が従動回転(図3で視て時計回り)する。加圧ローラ44は摺動ベルト45に圧接しているので、摺動ベルト45と加圧ローラ44との間にはニップが形成される。
〔定着部材〕
詳しくは、本実施例では、この摺動ベルト45の内面にて加圧ローラ44との対峙部分に、定着ローラ(定着部材)46が設けられている。この定着ローラ46は、例えば金属製(SUS)の芯金上に厚み5〜10mm程度のシリコンゴムスポンジ層を積層した直径30mm程度のローラであり、摺動ベルト45の直径よりも小さな直径となるように構成されている。
そして、定着ローラ46が摺動ベルト45の内面に接触し、摺動ベルト45は軸線方向に亘って加圧ローラ44からの押圧力を受ける。これにより、摺動ベルト45と加圧ローラ44との間にはトナー画像を用紙に定着させる略フラットなニップが形成される。
なお、本実施例では定着ローラ46の例で説明しているが、低熱容量化を図る点を鑑みれば、定着ローラ46に替えて薄板状の摺動部材(定着部材)を採用してもよい。この摺動部材の両端は、定着ローラ46と同様に定着ユニット14の図示しないカバー等に支持され、摺動部材の下面部分が回転する摺動ベルト45の内面に擦れ合って接触し、摺動ベルト45と加圧ローラ44との間にフラットなニップを形成できる。
〔電磁誘導加熱ユニット〕
この他に定着ユニット14は、摺動ベルト45の外側にIHコイルユニット(電磁誘導加熱ユニット)50を備えている(図1,2には示されていない)。IHコイルユニット50は、細い線材を束ねたリッツ線である誘導加熱コイル52をはじめ、一対のアーチコア54やサイドコア56、及びセンタコア58から構成されている。
〔コイル〕
図3の例では、摺動ベルト45の円弧状の部分で誘導加熱を行うため、誘導加熱コイル52は摺動ベルト45の円弧状の外面に沿う仮想的な円弧面上に配置されている。実際には、摺動ベルト45の外側に、コイルボビン53が配置されており、このボビン53上に誘導加熱コイル52が巻線状に配置される構成である。なお、ボビン53の材質は、耐熱性樹脂(例えばPPS、PET、LCP)であることが好ましく、また、コイル52のコイルボビン53への固定は、例えばシリコン系接着剤を用いて行う。
〔アーチコア、サイドコア、センタコア〕
図3で視てセンタコア58はIHコイルユニット50の中央に位置し、その両側で対をなすように上記のアーチコア54及びサイドコア56が配置されている。このうち両側のアーチコア54は、互いに対称をなす断面アーチ形に成形されたフェライト製コアであり、それぞれ全長は誘導加熱コイル52が配置された領域よりも長い。また、両側のサイドコア56は、ブロック形状に成形されたフェライト製のコアである。両側のサイドコア56は各アーチコア54の一端に連結して設けられており、これらサイドコア56は誘導加熱コイル52が配置された領域の外側を覆っている。
アーチコア54は、例えば摺動ベルト45の長手方向(軸線方向)に間隔をおいて複数箇所に配置されている(図4)。また、サイドコア56は、この摺動ベルト45の軸線方向に間隔をあけずに連続して配置されている。サイドコア56を配置する範囲の全長は誘導加熱コイル52が配置された領域の長さに対応する。なお、各コア54,56の配置は、例えば誘導加熱コイル52の磁束密度(磁界強度)分布に合わせて決定されており、アーチコア54がある程度の間隔をおいて配置されている分、その抜けた箇所でサイドコア56が磁束の集束効果を補い、長手方向での磁束密度分布(温度分布)を均している。
アーチコア54及びサイドコア56の外側には、図示しない例えば樹脂製のコアホルダが設けられており、このコアホルダによりアーチコア54及びサイドコア56が支持される構造である。コアホルダの材質もまた、耐熱性樹脂(例えばPPS、PET、LCP)であることが好ましい。
センタコア58は、例えば断面四角形状をなすフェライト製コアであり、摺動ベルト45と略同様に、用紙の最大通紙幅13インチ(約340mm程度)に対応するだけの長さを有してアーチコア54に固定されている。なお、このセンタコア58に相当するコアはアーチコア54と一体形成であってもよい。
〔磁束抑制部材〕
ここで、図3にも示される如く、定着ローラ46の外側と摺動ベルト45の内側との間には大きな空間が形成されており、この空間に磁束抑制部材60が配置される。
具体的には、磁束抑制部材60は、全体的に円弧状に湾曲した平面視板状の部材で形成され、非磁性・良導電性の材料(例えばアルミニウム或いは銅)で構成されており、摺動ベルト45を挟んでIHコイルユニット50に対向する位置、より詳しくは、摺動ベルト45の内側であって、その内面からやや離れた位置に設けられている。
また、本実施例の磁束抑制部材60は、摺動ベルト45の内部で移動可能に構成される。詳しくは、磁束抑制部材60の一端はモータ87に磁束抑制部材60の移動機構88を介して接続されており(図2)、誘導加熱コイル52で発生した磁束の経路、つまり、サイドコア56、アーチコア54及びセンタコア58を通じて摺動ベルト45に達し、再びサイドコア56に向かう磁気経路から退避する位置(図3に実線で示す)と、この磁気経路を遮蔽する位置(図3に1点鎖線で示す。なお、この1点鎖線で示した遮蔽位置は最小サイズの用紙に対応した位置である)との間を摺動ベルト45の周方向に沿って移動する。
磁束抑制部材60は、搬送される用紙の幅方向でみた複数のサイズに対応している。具体的には、図5には2種類の磁束抑制部材60が示されており、まず、下段に記載の磁束抑制部材60は、4種類の第1〜第4抑制部60a〜60dを有し、摺動ベルト45の軸方向で対称に設けられている。このうち周方向長さの大きな第1抑制部60aが摺動ベルト45の両端部に対応し、そこから中央に向かって順に、周方向長さを次第に減らした第2抑制部60b、第3抑制部60c、第4抑制部60dが並べられている。当該図5の右奥側が図3の奥側に対応する。
このとき、第3抑制部60cは、最小サイズの用紙に対応した通紙域の外側に設けられる。また、第2抑制部60bは、中間サイズの用紙に対応した通紙域の外側に設けられており、そして、これより1サイズ大きい通紙域の外側に第1抑制部60aが設けられている。
このような配置であれば、例えば最大の用紙サイズを13インチ(340mm)として、これより小さい用紙サイズをA3(297mm)、A4縦(210mm)、A5縦(149mm)の3種類とし、合計4種類の用紙サイズに対応することができる。
なお、最も内側(中央寄り)に位置する第4抑制部60dは、上述した赤外線温度測定装置80等による温度制御が万一困難になった場合に過昇温を防止することができる。また、中段に記載の磁束抑制部材60のように、第1抑制部60aから第4抑制部60dに向けてその周方向長さを直線的に減らす構造であってもよい。
〔制御手段〕
また、磁束抑制部材60の移動時期や移動量はコントローラ(制御手段)90からの駆動信号によって実施される(図6)。
詳しくは、コントローラ90は移動判定部92や移動設定部94を備えている。この移動判定部92は、上記赤外線温度測定装置80で検知された摺動ベルト45の非通紙域の温度や、画像形成装置1の操作パネルで設定或いはクライアントPCからの印刷ジョブで指定された用紙のサイズに基づいて、磁束抑制部材60を上記遮蔽位置に移動するか否かを判別する。
ここで、図3のガイド板82に沿って、例えば最大サイズの用紙が通紙されている場合や、小サイズの用紙であっても連続して通紙されていない場合には、摺動ベルト45の非通紙域の温度がそれほど高くならない。そこで、この場合の移動判定部92は、磁束抑制部材60を上記遮蔽位置に移動しない旨を移動設定部94に出力する。これにより、磁束抑制部材60は退避位置(図3に実線で示す)に維持され、誘導加熱コイル52の発生させる磁束がサイドコア56、アーチコア54及びセンタコア58を通じて摺動ベルト45を通過する。
このとき強磁性体である摺動ベルト45の誘導発熱層に渦電流が発生し、その材料の持つ固有抵抗によりジュール熱が発生して摺動ベルト45の加熱が行われ、上記ニップにて未定着トナーを加熱溶融して用紙に定着させる。続いて、この用紙は、摺動ベルト45に非接触の分離板84によって摺動ベルト45から分離され、図3の左水平方向若しくは左下側に向けて搬送される。
これに対し、仮に小サイズの用紙が連続通紙されており、摺動ベルト45の非通紙域の温度がコイル52の耐久温度を超えるおそれがある場合には、移動判定部92は、磁束抑制部材60を上記遮蔽位置に移動させる旨を移動設定部94に出力する。
移動設定部94は、磁束抑制部材60の移動時期や移動量を設定する。詳しくは、摺動ベルト45の非通紙域の温度上昇率が大きな場合には磁束抑制部材60の移動時期を早く設定でき、また、用紙の幅に応じた遮蔽部60a〜60cを対応させるため、磁束抑制部材60の移動量を設定しており、いずれの用紙の幅であっても、この幅よりも外側領域の磁路に磁束抑制部材60が常に挿入されるように設定できる。
そして、この移動設定部94による設定結果は移動駆動部(駆動部)96に出力され、移動駆動部96がモータ87に駆動信号を送り、磁束抑制部材60を用紙の幅に対応した各遮蔽位置に移動させ、コイル52で生じた磁束を磁束抑制部材60に導く。つまり、摺動ベルト45の誘導発熱層の厚み方向を貫通した磁束が磁束抑制部材60の内側の面を通過すると、磁束抑制部材60では、この貫通した磁束による誘導電流で反磁束を発生させ、この磁束をキャンセルしてコイル52からの磁束を遮蔽する(磁束抑制効果)。これにより、各非通紙域では摺動ベルト45の発熱量が抑えられ、摺動ベルト45の過昇温を防止することができる。
〔発熱部材〕
再び図3に戻り、本実施例では、誘導発熱部材(発熱部材)70が摺動ベルト45の誘導発熱層の機能を補足している。具体的には、誘導発熱部材70は、摺動ベルト45と磁束抑制部材60との間に配置され、摺動ベルト45の内面に接触し、コイル52からの磁束によって発熱可能に構成されている。なお、誘導発熱部材70は上記軸線方向に延び、その両端は定着ユニット14の図示しないカバー等に固定される。
より詳しくは、誘導発熱部材70は、図5の上段に示されるように、全体的に円弧状に湾曲した平面視板状の部材で形成され、例えば整磁金属(Fe−Ni合金など)で構成されており、常温では磁性を有するのに対し、この誘導発熱部材70が所定の温度(キュリー温度)以上になると磁性が消失して非磁性(常磁性)になる性質を有しており、自己温度制御可能に構成される。
本実施例の誘導発熱部材70は、図3でみて右側のサイドコア56に対する磁気経路上に配置され、誘導発熱部材70の温度がキュリー温度に到達するまで発熱し、薄肉の摺動ベルト45による発熱を補うことができる。この結果、薄い摺動ベルト45ではその周方向の熱伝導率が低下するという懸念も払拭できるし、また、摺動ベルト45のみで加熱する場合に比して、その加熱に要する電力が少なくて済む。
〔定着ユニットの他の構造例〕
ところで、定着ローラ46の外側と摺動ベルト45の内側との間に大きな空間が形成された定着ユニット14には、上述の実施例のみならず、種々の態様が考えられる(図7〜図11)。
詳しくは、これら図7〜図11の実施例については、上記実施例と同一機能を奏する構成には同一の符号を付してその説明を省略すると、まず、図7の定着ユニット14では、誘導発熱部材70が、図7でみて右側のサイドコア56に対する磁気経路上の他、左側のサイドコア56に対する磁気経路上にも配置されており、薄肉の摺動ベルト45による発熱をより一層補足できる。
次に、図8の定着ユニット14では、図7の実施例と同様に、誘導発熱部材70が、摺動ベルト45と磁束抑制部材60との間に配置され、図8でみて右側のサイドコア56に対する磁気経路上に配置されている。
しかし、この図8の実施例では、磁束抑制部材60の両端が定着ユニット14の図示しないカバー等に固定され、コイル52で生じた磁束の経路上に配置されているのに対し、誘導発熱部材70の一端がモータ87側に連結されており、磁束抑制部材60を用紙の幅に対応した各遮蔽位置になるように、誘導発熱部材70を摺動ベルト45の周方向に沿って移動させる。
つまり、誘導発熱部材70は、搬送する用紙が大きなサイズの場合にはセンタコア58に最も近接し(図8に実線で示す)、摺動ベルト45による発熱を補足する。これに対し、小さなサイズの場合には、誘導発熱部材70は、その用紙の幅に対応した磁束抑制部材60の各遮蔽位置が摺動ベルト45に表出してコイル52で生じた磁束を導けるように、センタコア58から離間する(図8に1点鎖線で示す。なお、この1点鎖線で示した遮蔽位置は最小サイズの用紙に対応した位置である)。これにより、磁束抑制部材60では磁束を遮蔽し、摺動ベルト45の過昇温を防止できる。
一方、図9の定着ユニット14では、定着ローラ46の外側と摺動ベルト45の内側との間に、磁束抑制部材60のみが設けられており、この磁束抑制部材60が摺動ベルト45の周方向に沿って移動する。
この磁束抑制部材60は、搬送する用紙が大きなサイズの場合にはセンタコア58から離間して、図9でみて右側のサイドコア56に対応する磁気経路よりもさらに下側に退避し、小さなサイズの場合には、その用紙の幅に対応した各遮蔽位置にてコイル52で生じた磁束を遮蔽するように、センタコア58に近接して磁束を遮蔽する。
続いて、図10の定着ユニット14では、摺動ベルト45の周方向に沿って移動する磁束抑制部材60が、図10でみて右側のサイドコア56に対応する磁気経路側の他、左側のサイドコア56に対応する磁気経路側にも配置されている。これにより、これら各磁束抑制部材60は、搬送される用紙が大きなサイズの場合にはセンタコア58から離間し、図10でみて左右両側のサイドコア56に対応する磁気経路よりもさらに下側にそれぞれ退避する。搬送される用紙が小さなサイズの場合には、互いにセンタコア58に近接して磁束をより確実に遮蔽する。
さらに、図11の定着ユニット14もまた、図9の実施例と同様に、定着ローラ46の外側と摺動ベルト45の内側との間に、磁束抑制部材60のみが設けられているが、この磁束抑制部材60は、摺動ベルト45の周方向に沿って移動せず、摺動ベルト45の内面に対して近接・離間可能に構成されている。
具体的には、この磁束抑制部材60は、摺動ベルト45の回転中心と定着ローラ46の回転中心とを結んだ線上を移動できる。磁束抑制部材60と摺動ベルト45との距離が近くなれば、磁束抑制効果が高くなるからである。
当該実施例の磁束抑制部材60は略環状に形成され(図12)、周方向長さの大きな抑制部60aが摺動ベルト45の両端部に対応し、その内側に周方向長さの小さな抑制部60dを有している。
そして、磁束抑制部材60は、搬送される用紙が大きなサイズの場合にはセンタコア58から離間し、搬送される用紙が小さなサイズの場合にはセンタコア58に近接して磁束を遮蔽する。
以上のように、各実施例によれば、IHコイルユニット50は摺動ベルト45の外側に配置され(外包IH)、この摺動ベルト45は、IHコイルユニット50からの磁束の作用で発熱する誘導発熱層を有する。つまり、この磁束が誘導発熱層に到達すると、渦電流が発生し、誘導発熱層の材料の固有抵抗によりジュール熱が発生して加熱される。
ここで、薄肉の摺動ベルト45では、その誘導発熱層の厚み方向を貫通して摺動ベルト45の内側に向かう貫通磁束が発生するが、これら摺動ベルト45の内側と小径の定着ローラ46の外側との空間には、非磁性・良導電性の磁束抑制部材60が配置されている。
つまり、この貫通磁束が磁束抑制部材60の内側の面に略垂直な一方向に通過すると、磁束抑制部材60の周方向に誘導電流が発生し、そこから貫通磁束と逆向きの反磁束を発生させる。この反磁束と上記貫通磁束とが打ち消し合ってキャンセルされることで、磁束抑制部材60は磁束を遮蔽できる(磁束抑制効果)。
このように、非磁性・良導電性の磁束抑制部材60を摺動ベルト45の内側に配置すれば、従来の如く磁束抑制部材を定着ローラ及び定着ベルト部材の外側に配置した場合に比して、定着ユニット14の省スペース化を図ることができ、また、従来のような消磁用のコイルを別途配置する必要がないため、その製造コストの低廉化も達成できる。
さらに、これら摺動ベルト45の内側と小径の定着ローラ46の外側との間には、非磁性・良導電性の磁束抑制部材60を配置できる空間が存在し、摺動ベルト45は定着ローラ46の全周に巻回されておらず、定着ローラ46は小型である。よって、加熱ベルトを定着ローラの全周に巻回した場合に比して定着熱容量が少なくて済み、ウォームアップタイムの削減及び省エネルギー化に寄与する。
また、図3,7,8の実施例によれば、上記磁束抑制部材60に加え、摺動ベルト45の内面に接触する誘導発熱部材70が摺動ベルト45の内側に配置できるほど定着ローラ46は小型であることから、定着ユニット14の省スペース化や低熱容量化に寄与する。
さらに、図8の実施例の如く、誘導発熱部材70は、小さなサイズの用紙の連続通紙によって摺動ベルト45の両端部分の温度が上昇した場合に移動して磁束抑制部材60による磁束抑制効果を得ており、定着ユニット14の省スペース化を図りつつ、摺動ベルト45の過昇温を防止できる。
また、摺動ベルト45の内側と小径の定着ローラ46の外側との間は、移動する誘導発熱部材70を配置できる空間があるので、定着ローラ46はより小型であり、定着熱容量がより一層少なくて済む。
さらに、図3,7,9,10の実施例によれば、非磁性・良導電性の磁束抑制部材60は、小さなサイズの用紙の連続通紙によって摺動ベルト45の両端部分の温度が上昇した場合に移動し、その磁束抑制効果を得ており、定着ユニット14の省スペース化を図りつつ、摺動ベルト45の過昇温を防止できる。
さらにまた、図11の実施例の如く、摺動ベルト45の内側と小径の定着ローラ46の外側との間は、摺動ベルト45の内面に対して近接・離間する磁束抑制部材60を配置できる空間があり、定着ローラ46はより小型である。よって、この場合にも熱容量がより一層少なくて済む。
また、この図11の磁束抑制部材60は、小さなサイズの用紙の連続通紙によって摺動ベルト45の両端部分の温度が上昇した場合に近接し、その磁束抑制効果を得ており、定着ユニット14の省スペース化を図りつつ、摺動ベルト45の過昇温を防止できる。
さらに、コントローラ90は、摺動ベルト45の温度、或いは用紙幅に基づいて誘導発熱部材70、若しくは磁束抑制部材60の移動時期や移動量を制御する。これにより、摺動ベルト45の過昇温をより一層確実に防止できる。
さらにまた、少ない定着熱容量で済み、また、用紙の搬送されない領域の過昇温を防止して良好なトナー画像が形成される結果、画像形成装置1の信頼性が向上する。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施可能である。例えば回転するセンタコアを有する定着装置にも適用可能である。
また、本実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているものの、本発明の画像形成装置は、複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、小型化及び製造コストの低廉化の双方を達成できるとの効果を奏する。
1 プリンタ(画像形成装置)
7 画像形成部
14 定着ユニット(定着装置)
44 加圧ローラ(加圧回転体)
45 摺動ベルト(定着ベルト部材)
46 定着ローラ(定着部材)
50 IHコイルユニット(電磁誘導加熱ユニット)
60 磁束抑制部材
70 誘導発熱部材(発熱部材)
80 サーミスタ
90 コントローラ(制御手段)
96 移動駆動部(駆動部)

Claims (3)

  1. 記録媒体に画像を定着するための定着装置であって、
    磁界の電磁誘導によって発熱する発熱層を有するとともに、搬送される前記記録媒体の幅方向に延びた軸線周りに回転し、前記記録媒体上のトナー画像を加熱してこの記録媒体に定着させる定着ベルト部材と、
    前記定着ベルト部材の外面に沿って配置され、磁束を発生させて前記発熱層を誘導加熱する電磁誘導加熱ユニットと、
    前記定着ベルト部材の内側に設けられ、この定着ベルト部材の外面に接触する加圧回転体との間にニップを形成させる定着部材と、
    これら定着ベルト部材の内側と定着部材の外側との空間内で前記記録媒体の幅に対応した通紙域の外側に配置され前記発熱層を貫通した磁束をその内側の面に通過させて前記通紙域の外側の磁束を遮蔽する非磁性・良導電性の磁束抑制部材と、
    前記定着ベルト部材と前記磁束抑制部材との間に配置され、この定着ベルト部材の内面に接触しつつ、磁界の電磁誘導によって発熱する発熱部材とを備え、
    前記発熱部材は、前記定着ベルト部材の内面に沿って移動可能に構成されており、
    前記定着ベルト部材の軸線方向長さよりも小さい幅の記録媒体を連続搬送した場合、前記磁束抑制部材から離間して前記磁束抑制部材を前記定着ベルト部材に対し表出させる位置に移動することで、前記磁束抑制部材に前記磁束を導ことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置であって、
    前記定着ベルト部材の温度、或いは前記記録媒体の幅に基づき、前記発熱部材を移動させる信号をその駆動部に出力する制御手段を備えることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置を搭載し、これを用いて画像形成部で形成されたトナー画像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする画像形成装置。

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