JP5852796B2 - 粘着剤組成物およびこれを用いた塗膜層 - Google Patents

粘着剤組成物およびこれを用いた塗膜層 Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤組成物およびこれを用いた塗膜層に関する。
種々の製品では、部品同士を接合する際に粘着剤が用いられている。一般に、粘着剤は、種類ごとに、粘着力や粘着耐久性(長期間にわたり高い粘着力を保つ性能)、光学特性(例えば、透明性や変色しにくい特性)などの性能に長所や短所がある。こうした事情から、粘着剤は用途に応じて種類の使い分けがなされている。
今日において、高い粘着耐久性と優れた光学特性とを要求される用途では、熱硬化型粘着剤が最も適している。熱硬化型粘着剤は、主剤に熱架橋剤を添加して使用することを特徴とし、主剤に熱架橋剤を添加して加熱し、さらに常温または加湿の条件下で数日間養生することにより、安定した粘着力と優れた光学特性を発現するようになる(特許文献1、2)。例えば、熱硬化型粘着剤は、機能性光学フィルムを貼着する際に用いると、機能性光学フィルムの光学特性が損なわれにくくなるという利点がある。
また、熱可塑性エラストマー型粘着剤は、養生しなくても使用することができる粘着剤として提案されている(例えば、特許文献3〜5)。この熱可塑性エラストマー型粘着剤を用いると、部品同士を貼り合わせた後、この貼り合わせた部品を養生のために一定の期間にわたり保管しなくてもよい。そのため、この提案されている熱可塑性エラストマー型粘着剤は、小さな作業スペースで簡便に取り扱うことができるという理由から、諸製品を製造する工程で広く用いられている。
特開2004−263165号公報 特開2006−316231号公報 特開2006−225582号公報 特開2001−288441号公報 特開2010−132761号公報
ところが、上述した熱硬化型粘着剤では、使用時に加熱処理や養生を必要とするために取り扱いにくいという問題がある。一方で、これまでに提案されている熱可塑性エラストマー型粘着剤は、粘着耐久性に劣るという問題がある。
上記の問題に鑑みて、本発明は、養生しなくても使用することが可能であり、かつ高い粘着耐久性と優れた光学特性とを兼ね備えた粘着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、上述した目的を達成することができる。本発明は、以下に示す粘着剤組成物およびこれを用いた塗膜層である。
[1] 水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体のうちの少なくとも1種以上(A成分)と、水素化石油樹脂(B成分)と、シランカップリング剤(C成分)と、有機溶剤(D成分)と、を含有し、前記A成分100質量部に対して、前記B成分を8〜60質量部、前記C成分を0.1〜5.0質量部、前記D成分を100〜900質量部含む粘着剤組成物。
[2] 前記B成分は、軟化点60〜140℃の水素化石油樹脂である前記[1]に記載の粘着剤組成物。
[3] 前記[1]または[2]に記載の粘着剤組成物からなるとともに前記成分Dを蒸発除去して形成される塗膜層。
本発明の粘着剤組成物は、養生しなくても使用することが可能であり、かつ高い粘着耐久性と優れた光学特性とを兼ね備えている。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明の粘着剤組成物は、水添熱可塑性エラストマー(A成分)と、水素化石油樹脂(B成分)と、シランカップリング剤(C成分)と、有機溶剤(D成分)と、を含有するものである。さらに、本発明の粘着剤組成物は、A成分100質量部に対して、B成分を8〜60質量部、C成分を0.1〜5.0質量部、D成分を100〜900質量部含んでいる。
本発明の粘着剤組成物は、上述したようにA〜D成分を所定の割合で含有することにより、高い粘着耐久性と優れた光学特性とを兼ね備えたものになっている。また、本発明の粘着剤組成物は、光学フィルムに主に用いられている熱硬化系粘着剤組成物と比べ、対象物に塗布・乾燥させた後、養生しなくても使用することが可能な点においても優れている。
本発明の粘着剤組成物は、水添熱可塑性エラストマー(A成分)を含有することにより、光による色調の変化が生じにくく、また、高温の環境下あるいは高温かつ多湿の環境下においても色調が変化しにくくなっている。すなわち、本発明の粘着剤組成物は、水添熱可塑性エラストマー(A成分)を含有することにより、光学特性が高められている。また、本発明の粘着剤組成物は、水添熱可塑性エラストマー(A成分)を含有することにより、従来の熱硬化剤や紫外線硬化材では必要とされていた二次架橋するための工程を要しない。したがって、本発明の粘着剤組成物は、水添熱可塑性エラストマー(A成分)を含有することにより、対象物に塗布・乾燥させた後、養生しなくても使用することが可能になる。
本発明の粘着剤組成物においてA成分として用いうる水添熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−エチレン−ブテン型水添ブロック共重合体(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン型水添ブロック共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン型水添ブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体(SEEPS)、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBBS)、部分水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIIS)、部分水添スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS)、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体(変性SEBS)、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体(変性SEPS)などのスチレン系水添熱可塑性エラストマー;エチレン−酢酸ビニル水添共重合体等のオレフィン系水添熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。本発明の粘着剤組成物おいては、上述した各種の水添熱可塑性エラストマーの1種のみをA成分として用いても、あるいは、2種以上を混合したものをA成分として用いてもよい。
上述したA成分として用いうる水添ブロック共重合体としては、芳香族ビニル化合物と共役ジエンの水添ランダム共重合体ブロックも含まれる。また、ここでいう水添ランダム共重合体ブロックの中には、水添ランダム共重合体ブロックに芳香族ビニル化合物含量が連続的に一分子中で変化するいわゆるテーパータイプも含まれている。
特に、本発明の粘着剤組成物では、A成分が、スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体、ならびに、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体等のスチレン系水添熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1種以上を含むことが好ましい。ここに挙げたスチレン系水添熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとして両末端にポリスチレンブロック、その間にソフトセグメントとしてポリエチレン等のポリオレフィンブロックを有するブロック共重合体でミクロ相分離構造となる。すなわち、本発明の粘着剤組成物は、A成分がここに挙げたスチレン系水添熱可塑性エラストマーを1種以上含む場合には、ポリスチレンドメインの形成によってポリオレフィンのソフトセグメントが物理的に架橋された構造をとりやすいために、二次架橋及びその工程が不要となるので養生する工程を実施しないことも可能であり、また、粘着耐久性の向上と強靭な塗膜の形成により再剥離による糊残りが発生しないので特に好ましい。
さらに、本発明の粘着剤組成物では、光学特性、特に透明性をより一層優れたものにできるという観点からは、A成分が、スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体、ならびに水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体のうちの1種のみからなることがより好ましい。アルコキシシラン官能基を前記A成分に導入する為の化合物としては、例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアミノ基を有するアルコキシシラン化合物や、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を挙げることができる。
また、本発明の粘着剤組成物では、粘着力と塗膜の強度とのバランスが良好になるとの理由から、水添熱可塑性エラストマー(A成分)がスチレンを構成成分として有する水添ブロック共重合体を含む場合には、水添熱可塑性エラストマー(A成分)の全質量に対するスチレンに由来した構成成分の質量の割合(質量%:百分率比、後述の表1では「St量」と表示)が5〜30質量%であることが好ましく、さらに、粘着力と塗膜の強度のバランスがより一層良好になるとの理由から、10〜28質量%であることがより好ましい。5質量%以上である場合には、塗膜の強度が十分となり、外圧により凹み等が発生しにくくなる。また、30質量%以下である場合には、ハードセグメントが多くなり過ぎず、その結果として粘着力の低下や基材フィルムへの密着性の低下が起こりにくくなる。
また、本発明の粘着剤組成物では、耐光性をはじめとする光学特性が向上するとの理由から、水添熱可塑性エラストマー(A成分)の水添率が80%以上であることが好ましく、さらに、90%以上であることがより好まく、特に、95%以上であることが最も好ましい。
また、本発明の粘着剤組成物は、A成分としての水添熱可塑性エラストマーの共役ジエンブロックが水添されることにより、粘着剤組成物の劣化が生じにくくなっている。熱可塑性エラストマー中の二重結合が多く存在している場合には、例えば、二重結合を起点したラジカル反応が生じて変性を引き起こしやすくなってしまう。ここで、本発明の粘着剤組成物のようにA成分として水添熱可塑性エラストマーを含む場合には、二重結合の数が少なくなり、その結果、ラジカル反応などによる粘着剤組成物の劣化を抑えることが可能になる。
本発明の粘着剤組成物においてB成分として用いうる水素化石油樹脂としては、石油精製工業や石油化学工業の各種工程に原料として用いることが可能な石油化学樹脂を水素化したものを挙げることができる。B成分として用いうる水素化石油樹脂としては、特に、耐光性をはじめとする光学特性の向上および粘着力及び耐熱性の向上という観点からは、ナフサの分解工程で得られる不飽和炭化水素を原料として共重合して得られる樹脂であって、C5留分を原料とした脂肪族系石油樹脂、C9留分を原料とした芳香族系石油樹脂、ジシクロペンタジエンを原料とした脂環族系石油樹脂、ならびにテルペン系樹脂およびこれら2種以上が共重合した共重合系石油樹脂を水素化することにより得られる水素化石油樹脂が好ましい。なお、ここでいう水素化石油樹脂は、例えば、上述した各種の石油樹脂を公知の方法により水素添加することにより得ることができる。
また、本発明の粘着剤組成物においてB成分として用いうる水素化石油樹脂の具体例としては、出光石油化学(株)製のアイマーブ(水素化石油樹脂)、荒川化学工業(株)製のアルコン(水素化石油樹脂)、ヤスハラケミカル(株)製のクリアロン(水素化テルペン樹脂)などの市販品を挙げることができる。
また、本発明の粘着剤組成物では、粘着力の向上や耐熱性の向上という観点からは、B成分は、軟化点60〜140℃の水素化石油樹脂であることが好ましく、さらに、軟化点80〜140℃の水素化石油樹脂であることがより好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、シランカップリング剤(C成分)を含有することにより、高温(80℃以上、特に60〜95℃)かつ多湿(相対湿度95%以上、特に相対湿度60〜95%)の環境下での光学耐久性や粘着耐久性が高められている。
本発明の粘着剤組成物においてC成分として用いうるシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン[例えば、商品名:KBM−403(信越化学工業社製)など]、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン[例えば、商品名:KBE−403(信越化学工業社製)など]、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリドキシ基やN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン[例えば、商品名:KBE−603(信越化学工業社製)など]などのアミノ基を有するアルキルアルコキシシラン類、を挙げることができる。ここに挙げた各種のシランカップリング剤は、1種のみをC成分として用いてもよいし、2種以上を組み合わせたものをC成分として用いてもよい。
本発明の粘着剤組成物においてD成分として用いうる有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット、エチルベンゼン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系;コスモ石油社製のスワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500などの芳香族石油系溶剤を挙げることができる。ここに挙げた各種の有機溶剤は、1種のみをD成分として用いてもよいし、2種以上を組み合わせたものをD成分として用いてもよい。
また、本発明の粘着剤組成物は、紫外線遮断性の高める観点からは、A〜D成分に加えて、さらに、紫外線吸収剤(E成分)を含有することが好ましい。本発明の粘着剤組成物が紫外線吸収材(E成分)を含有している場合には、対象物に粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成すると、強力な化学作用を有する紫外線を粘着剤層が遮蔽することにより、粘着剤層に覆われた対象物の酸化や変質を抑制することが可能になる。また、対象物が有機物を含む場合には、本発明の粘着剤組成物が紫外線吸収材(E成分)を含有していると、粘着剤層によって紫外線が遮蔽されるので、対象物に含まれた有機物の分解による劣化(変色、退色、脆化など)を抑制することも可能になる。
本発明においてE成分として用いうる紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物の他、サリチル酸エステル類、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収剤;酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤;等を挙げることができる。ここに挙げた紫外線吸収剤の中では、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物および酸化亜鉛のうちの1種以上をE成分として用いることが好ましい。特に、本発明の粘着剤組成物においてE成分として用いうる紫外線吸収剤としては、上述した紫外線遮断性をより一層高める観点からは、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール等Cl含有ベンゾトリアゾールが最も好適である。
本発明の粘着剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、ステアリン酸、シリコーンオイル等の離型剤、着色剤、顔料、無機充填剤(アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ウォラストナイト、クレー)などを配合することができる。
本発明の粘着剤組成物に用いうる酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが挙げられる。ここに挙げた酸化防止剤のうちでは、フェノール系酸化防止剤、またはホスファイト系酸化防止剤を本発明に用いることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、A成分、B成分、C成分、D成分、さらに、必要に応じてE成分やその他の成分を所定の比率で混合することにより得ることができる。
本発明の粘着剤組成物は、A成分〜D成分などを混ぜ合わせて使用する際に、養生しない場合であっても、良好に取り扱うことができることもある。
また、本発明の粘着剤組成物は、対象物に塗布した後に、D成分を蒸発除去して塗膜層を形成することにより使用することも可能である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)A成分
A成分としては、表1に示す(A−1)成分〜(A−7)成分を用いた。なお、(A−2)成分は下記の反応例1により調製し、また、(A−3)成分の水添変性SEBSは反応例2により調製した。なお、(A−6)成分および(A−7)成分は、本発明にA成分として用い得る水添熱可塑性エラストマーには該当しない。
Figure 0005852796
(反応例1)
窒素置換された内容積10リットルの反応容器に、シクロヘキサン5000g、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル3.6g、1,3−ブタジエン100g、および1,3−フェニレン−ビス−(3−メチル−1−フェニルペンチリデン)ビスリチウム5.1gを加え、重合開始温度20℃にて重合し、30分反応させた。更に1,3−ブタジエン750gを添加して断熱重合した。30分後、スチレン150gを添加し、更に重合を行った。そして、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン8.23gを加え、重合体の活性点に30分反応させた。そして、反応溶液を80℃以上にして系内に水素を導入した。次いで、水添触媒A0.78g(水添触媒Aの調製法は後述)、ジエチルアルミニウムクロライド0.66g、及びn−BuLi0.65gを加え、水素圧1.0MPaを保つようにして1時間反応させた。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水添変性SEBS重合体[(A−2)成分]を得た。
(反応例2)
窒素置換された内容積10リットルの反応容器に、シクロヘキサン5000g、テトラヒドロフラン150g、スチレン150g、およびn−ブチルリチウム1.11gを加え、重合開始温度50℃にて重合した。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン800gを添加して断熱重合した。30分後、スチレン50gを添加し、更に重合を行った。そして、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.78gを添加し、70℃で20分間反応させて一次変性ブロック共重合体を得た。そして、反応溶液を80℃以上にして系内に水素を導入した。次いで、水添触媒A0.32g、テトラクロロシラン0.39gを加え、水素圧1.0MPaを保つようにして1時間反応させた。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。次いで、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水添変性SEBS重合体[(A−3)成分]を得た。
(水添触媒Aの調製)
[ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウム(テトラヒドロフルフリルオキシ)クロライド]の合成撹拌機、滴下漏斗を備えた1L容量の三つ口フラスコを乾燥窒素で置換し、無水テトラヒドロフラン200mlおよびテトラヒドロフルフリルアルコール0.2モルを加えた。その後、n−ブチルリチウム(以下、「n−BuLi」という。)/シクロヘキサン溶液(0.2モル)を三つ口フラスコ中に15℃にて滴下して反応を行い、テトラヒドロフルフリルオキシリチウムのテトラヒドロフラン溶液を得た。次に、撹拌機、滴下漏斗を備えた1L容量の三つ口フラスコを乾燥窒素で置換し、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド49.8g(0.2モル)および無水テトラヒドロフラン250mlを加えた。そして、上記の方法により得られたテトラフルフリルオキシリチウムのテトラヒドロフラン溶液を室温撹拌下にて約1時間で滴下した。約2時間後、赤褐色液を濾過し、不溶部をジクロロメタンで洗浄した。その後、ろ液及び洗浄液を合わせて減圧下にて溶媒を除去することにより、水添触媒A[ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウム(テトラヒドロフルフリルオキシ)クロライド](「[クロロビス(2,4−シクロペンタジエニル)チタン(IV)テトラヒドロフルフリルアルコキシド]」ともいう。)を得た。尚、収率は95%であった。
(2)B成分
B成分としては、表2に示す(B−1)成分〜(B−4)成分を用いた。なお、(B−4)成分は、本発明にB成分として用い得る水素化石油樹脂には該当しない。
Figure 0005852796
(3)C成分
C成分としては、表3に示す(C−1)成分、(C−2)成分を用いた。
(4)D成分
D成分としては、表3に示す成分(D−1)成分を用いた。
(5)E成分
E成分としては、表3に示す成分(E−1)成分を用いた。
Figure 0005852796
(実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜7)
(6)粘着剤組成物の調製
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜7の粘着剤組成物は、A成分〜E成分を表4に示す配合割合で混ぜ合わせることにより調製した。なお、表4における各成分の数値は「質量部」を表す(なお、含有されていない成分は「0質量部」として表す)。
Figure 0005852796
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜7の粘着剤組成物については、下記の一連の試験により評価を行った。
(7)塗工性(塗工筋および塗工ムラ)の評価
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜7の粘着剤組成物を固形分濃度30%の塗工液とし、この塗工液をアプリケーターにより、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ38μmのPETフィルム(剥離フィルム)のシリコーン処理面に塗布・乾燥させて粘着剤層を形成した。その後、剥離フィルムの粘着剤層を、基材となるPETフィルム(厚さ100μm、全光線透過率91%、へイズ値0.3。以下、「基材フィルム」と記す。)に貼り合わせることにより、基材フィルムの表面に厚さ15μmの粘着剤層を形成した。なお、比較例7の粘着剤組成物は、D成分が少なく高粘度のため、剥離フィルムの表面に塗布することができず、その結果、粘着剤層も形成することができなかった。
塗工性の評価は、塗工液をアプリケーターにより剥離フィルムの表面に塗布した際の塗工筋の発生の有無を確認した。具体的には、塗膜の厚さが15μmとなるようにアプリケーターのギャップ幅を調節し、20m/分にて塗工を実施した。その際発生した塗工筋の本数を塗工幅15cmあたりの発生本数により評価した。結果を表5に示す。塗工筋が生じない場合は、「良好」[表5では二重丸印(◎)で表示]、塗工筋が生じる場合は、「不良」[表5ではクロス印(×)で表示]として評価した。
また、塗工液をアプリケーターにより剥離フィルムの表面に塗布した際の塗工ムラの有無を評価した。結果を表5に示す。塗ムラが生じない場合は、「ムラ無し」[表5では二重丸印(◎)で表示]、塗工ムラが生じる場合は、「ムラあり」[表5ではクロス印(×)で表示]として評価した。
(8)養生期間の評価
上記(7)において剥離フィルムの表面に粘着剤層を形成した際の養生期間の要否を評価した。実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜6は、いずれも養生期間を要しなかった(表5中で「無」と表記)。
(9)試験用の積層体の作製
上記(7)の塗工性の評価の試験と同様な方法によって、実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜6の粘着剤組成物を基材フィルムの表面上に塗布・乾燥させ、厚さ15μmの粘着剤層を形成し、次いでこの基材フィルムとアルカリガラスとを貼り合わせることにより積層体を形成した(なお、比較例7は粘着剤組成物を基材フィルムの表面上に塗布できないので除外した)。この積層体から、常態での評価用試料(以下、「常態試験用積層体」)、耐熱条件下での評価用試料(以下、「耐熱試験用積層体」)、耐湿熱条件下での評価用試料(耐湿熱試験用積層体)を作製した。ここで、常態試験用積層体とは、積層体を形成後(基材フィルムとアルカリガラスとを貼り合わせた後)、25℃で24時間経過した時点における積層体のことをいう。耐熱試験用積層体とは、積層体を形成後(基材フィルムとアルカリガラスとを貼り合わせた後)、80℃の条件下に1000時間曝露した時点における積層体のことをいう。耐湿熱用積層体とは、積層体を形成後(基材フィルムとアルカリガラスとを貼り合わせた後)、温度60℃かつ湿度90%の条件下で1000時間曝露した時点における積層体のことをいう。これらの試験用の積層体を用いて、以下で述べる粘着物性、色差、ヘイズ、紫外線遮断性(UV遮断性)の評価を行った。
(10)粘着物性の評価
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜6の粘着剤組成物の粘着物性を、常態、耐熱、耐湿熱の各条件下で評価した。結果を表5に示す(表5中の「粘着物性」の欄)。常態の粘着物性は、常態試験用積層体の粘着力(T)(N/25mm)をJIS Z0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)に記載の180°ピール試験にて測定して評価した(表5で「常態」の欄)。耐熱条件下での粘着物性は、耐熱試験用積層体の粘着力(T)(N/25mm)をJIS Z0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)に記載の180°ピール試験にて測定して評価した(表5中の「耐熱」の欄)。耐湿熱条件下での粘着物性は、耐湿熱試験用積層体の粘着力(T)(N/25mm)をJIS Z0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)に記載の180°ピール試験にて測定して評価した(表5中の「耐湿熱」の欄)。
さらに、上述した常態試験用積層体の粘着力(T)、耐熱試験用積層体の粘着力(T)、耐湿熱試験用積層体の粘着力(T)から、耐熱条件下での粘着保持率R2/1(%)、耐湿熱条件下の粘着保持率R3/1(%)を下記の式(I)、式(II)により算出した。結果を表5に示す。
式(I):R2/1=(T/T)×100
式(II):R3/1=(T/T)×100
常態試験用積層体の粘着力(T)が5〜10N/25mmの範囲内である場合を「極めて良好」[表5では二重丸印(◎)で表示]、3N/25mm以上かつ5N/25mm未満または10超N/25mm以上かつ15N/25mm以下の範囲内である場合を「良好」[表5では丸印(○)で表示]、3N/25mm未満である場合または15N/25mm超である場合を「不良」[表5ではクロス印(×)で表示]として評価した。
また、粘着保持率R2/1、R3/1が100〜225%の範囲内である場合を「極めて良好」[表5では二重丸印(◎)で表示]、80%以上100%未満または225%超〜300%未満である場合を「良好」[表5では丸印(○)で表示]、80%未満または300%超である場合を「不良」[表5ではクロス印(×)で表示]として評価した。
また、上述した粘着力の測定の際に、アルカリガラス表面の糊残りを目視により評価した(表5中の「糊残り」の欄)。目視により糊残りが認められない場合には「良好」[表5中で二重丸印(◎)で表示]と評価し、また、目視により糊残りが認められた場合には「不良」[表5中でクロス印(×)で表示]と評価した。
(11)色差の評価
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜6の粘着剤組成物の色差を、常態、耐熱、耐湿熱の各条件下で評価した。結果を表5に示す(表5中の「色差(b*)」の欄)。常態での色差は、常態試験用積層体の色差(b*)を色差計(商品名:スペクトロフォトメーターSQ−2000、日本電色工業社製)により測定することにより評価した(表5中の「常態初期」の欄)。耐熱条件下での色差は、耐熱試験用積層体の色差(b*)を色差計(商品名:スペクトロフォトメーターSQ−2000、日本電色工業社製)により測定することにより評価した(表5中の「耐熱」の欄)。耐湿熱条件下での色差は、耐熱試験用積層体の色差(b*)を色差計(商品名:スペクトロフォトメーターSQ−2000、日本電色工業社製)を用いて測定することにより評価した(表5中の「耐湿熱」の欄)。
常態試験用積層体の色差(b*)が0.25以下の場合には「極めて良好」、0.25超かつ0.3以下の場合には「良好」、0.3超の場合には「不良」として評価した。但し、紫外線吸収剤を配合した実施例11の組成物については、紫外線吸収剤自体が黄色を帯び、色差指標が異なることから、常態初期での色差(b*)が1以下の場合には「極めて良好」、1.0超の場合には「不良」として評価した。
また、耐熱試験用積層体の色差(b*)や耐湿熱試験用積層体の色差(b*)については、常態試験用積層体の色差(b*)との差が0.1未満の場合には「極めて良好」、0.1以上かつ0.2以下の場合には「良好」、0.2超の場合には「不良」として評価した。
(12)ヘイズの評価
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10および比較例1〜6の粘着剤組成物のヘイズを、常態、耐熱、耐湿熱の各条件下で評価した。結果を表5に示す(表5中の「ヘイズ」の欄)。常態でのヘイズは、常態試験用積層体のヘイズを濁度計(商品名:ヘイズメーターHM−150、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定することにより評価した(表5中の「常態初期」の欄)。耐熱条件下でのヘイズは、耐熱試験用積層体のヘイズを濁度計(商品名:ヘイズメーターHM−150、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定することにより評価した(表5中の「耐熱」の欄)。耐湿熱条件下でのヘイズは、耐湿熱試験用積層体のヘイズを濁度計(商品名:ヘイズメーターHM−150、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定することにより評価した(表5中の「耐湿熱」の欄)。
常態でのヘイズについては、1.0以下の場合には「極めて良好」、1.0超かつ2.0以下の場合には「良好」、2.0超の場合には「不良」として評価した。また、耐熱条件下でのヘイズや耐湿熱条件下でのヘイズについては、常態でのヘイズとの差が、0.1未満の場合には「極めて良好」、0.1以上かつ0.3以下の場合には「良好」、0.3超の場合には「不良」として評価した。
(13)紫外線遮断性の評価
実施例11の粘着剤組成物の紫外線遮断性を評価した。常態試験用積層体に対して波長300〜800nmにおける分光スペクトルを測定し、紫外線透過率を測定した(表5の「UV遮断性」の欄)。波長380nm以下の紫外線透過率がいずれも5%以下である場合を「良好」、5%超の場合には「不良」として評価した。実施例11の粘着剤組成物では、紫外線透過率が3%未満であった。
Figure 0005852796
(14)判定
「塗工性判定」、「粘着物性判定」、「光学判定」については、すべての項目で「極めて良好」の場合には判定を「極めて良好」[表5では二重丸印(◎)で表示]、各種の項目に1つでも「不良」がある場合には判定を「不良」[表5ではクロス印(×)で表示]、「極めて良好」あるいは「不良」のいずれでもない場合には判定を「良」[表5では丸印(○)で表示]とした。
総合判定は、「塗工性判定」、「粘着物性判定」、「光学判定」がいずれも「極めて良好」の場合には総合判定が「極めて良好」[表5では二重丸印(◎)で表示]、また、「塗工性判定」、「粘着物性判定」、「光学判定」うちの1つでも「不良」がある場合には総合判定が「不良」[表5ではクロス印(×)で表示]、総合判定が「極めて良好」あるいは「不良」のいずれでもない場合には総合判定は「良」[表5では丸印(○)で表示]とした。
(評価)
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10の粘着剤組成物は、使用時に養生しない場合であっても、塗工性、粘着物性、光学特性、糊残り(再剥離性)の全てにおいて、良好な結果を示した。実施例11の粘着剤組成物は、更に紫外線遮蔽性も良好な結果を示した。
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10の粘着剤組成物の中でも、A成分が、スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体、ならびに水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体のうちの少なくとも1種以上を含む粘着剤組成物が粘着耐久性および光学特性の双方に関して良好な結果を示した。特に、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン系水添熱可塑性エラストマーを用いた実施例2,3,5,6,11が粘着耐久性および光学特性の双方に関して非常に良好な結果を示した。中でも、耐湿熱時の粘着保持率は100%以上と粘着力の低下がなく、極めて良好な結果を示した。実施例11の粘着剤組成物は、更に紫外線遮蔽性も良好な結果を示した。
実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10の粘着剤組成物は、B成分の添加により粘着力が向上した。また、実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10の粘着剤組成物は、B成分の添加により、光学特性、特に色差において極めて良好な結果を示した。すなわち、常態での色差の値が低く抑えられることに加え、耐熱条件下(高温の環境下)や耐湿熱条件下(高温かつ多湿の環境下)での色差の値が常態での色差の値と殆ど変わらなかった。したがって、実施例2,3,5,6,9,11、参考実施例1,4,7,8,10の粘着剤組成物は、色差については、常態、耐熱、耐湿熱のいずれの条件下でも同等な高性能であることが判明した。
一方、比較例1,2の粘着剤組成物は、A成分が水添されていないために、光学特性と粘着耐久性が劣る結果であった。
比較例3の粘着剤組成物は、C成分を含まず、耐湿熱条件下(高温かつ多湿の環境下)で粘着耐久性が劣る結果であった。
比較例4,5の粘着剤組成物は、B成分を含まない(比較例4)あるいは少ない(比較例5)ために、粘着物性が劣る結果であった。比較例6の粘着剤組成物は、B成分が水素化されていないために、光学耐久性が劣る結果であった。
本発明は、粘着剤組成物およびこれを用いた塗膜層として利用できる。本発明の粘着剤組成物は、電子材料、光学材料等の用途、特にプラズマディスプレイ(PDP)や液晶ディスプレイ(LCD)等の表面に、反射防止性フィルム等の機能性フィルムを貼着する用途において好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンブチレン−スチレン型水添ブロック共重合体、水酸基および/またはアルコキシシラン官能基を有する変性スチレン−エチレンプロピレン−スチレン型水添ブロック共重合体のうちの少なくとも1種以上(A成分)と、水素化石油樹脂(B成分)と、シランカップリング剤(C成分)と、有機溶剤(D成分)と、を含有し、
    前記A成分100質量部に対して、前記B成分を8〜60質量部、前記C成分を0.1〜5.0質量部、前記D成分を100〜900質量部含む粘着剤組成物。
  2. 前記B成分は、軟化点60〜140℃の水素化石油樹脂である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の粘着剤組成物からなるとともに前記成分Dを蒸発除去して形成される塗膜層。
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