JP5850720B2 - グラフェン製造用銅箔、及びグラフェンの製造方法 - Google Patents

グラフェン製造用銅箔、及びグラフェンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、グラフェンを製造するための銅箔、及びグラフェンの製造方法に関する。
グラファイトは平らに並んだ炭素6員環の層がいくつも積み重なった層状構造をもつが、その単原子層〜数原子層程度のものはグラフェン又はグラフェンシートと呼ばれる。グラフェンシートは独自の電気的、光学的及び機械的特性を有し、特にキャリア移動速度が高速である。そのため、グラフェンシートは、例えば、燃料電池用セパレータ、透明電極、表示素子の導電性薄膜、無水銀蛍光灯、コンポジット材、ドラッグデリバリーシステム(DDS)のキャリアーなど、産業界での幅広い応用が期待されている。
グラフェンシートを製造する方法として、グラファイトを粘着テープで剥がす方法が知られているが、得られるグラフェンシートの層数が一定でなく、大面積のグラフェンシートが得難く、大量生産にも適さないという問題がある。
そこで、シート状の単結晶グラファイト化金属触媒上に炭素系物質を接触させた後、熱処理することによりグラフェンシートを成長させる技術(化学気相成長(CVD)法)が開発されている(特許文献1)。この単結晶グラファイト化金属触媒としては、Ni、Cu、Wなどの金属基板が記載されている。
同様に,NiやCuの金属箔やSi基板上に形成した銅層上に化学気相成長法でグラフェンを製膜する技術が報告されている.なお,グラフェンの製膜は1000℃程度で行われる(非特許文献1)。
特開2009−143799号公報
SCIENCE Vol.324 (2009) P1312-1314
しかしながら、特許文献1のように単結晶の金属基板を製造することは容易でなく極めて高コストであり、又、大面積の基板が得られ難く、ひいては大面積のグラフェンシートが得難いという問題がある。一方,非特許文献1には、Cuを基板として使用することが記載されているが,Cu箔上では短時間にグラフェンが面方向に成長せず,Si基板上に形成したCu層を焼鈍で粗大粒として基板としている。この場合、グラフェンの大きさはSi基板サイズに制約され,製造コストも高い。
ここで、銅がグラフェン成長の触媒として優れている理由は、銅が炭素をほとんど固溶しないためである。そして、銅が触媒として作用し炭化水素ガスの熱分解で生じた炭素原子は銅表面でグラフェンを形成する。さらに、グラフェンで覆われた部分の銅は触媒作用を失うため、その部分でさらに炭化水素ガスが熱分解することがなく、グラフェンが複数層になり難く、グラフェンの単層が得られる。従って、銅の単結晶はこの点でグラフェン製造用基板として優れているが、高価でサイズが限定されるため、大面積のグラフェンを製膜するには適さない。
一方で、銅箔は大面積化が容易であるが、本発明者が銅箔を基板としてグラフェンを製造したところ、グラフェンのシート抵抗が増大して品質が劣化することがわかった。

すなわち、本発明は、大面積のグラフェンを低コストで生産可能なグラフェン製造用銅箔及びそれを用いたグラフェンの製造方法の提供を目的とする。
すなわち、本発明のグラフェン製造用銅箔は、1000℃で1時間加熱前の走査電子顕微鏡による表面の元素分析を行って測定される直径が0.5μm以上の酸化物及び硫化物の合計個数が15個/mm以下、1000℃で1時間加熱前の断面のうち、圧延方向に平行で圧延面に垂直な断面であって、表面から10μmまでの深さで合計面積が3mm となる領域を走査電子顕微鏡により元素分析を行ったとき、直径が0.5μm以上の酸化物及び硫化物の合計個数が100個/mm 以下、1000℃で1時間加熱後の1mm の表面をコンフォーカル顕微鏡で測定し、得られた表面の2次元画像のうち輪郭で囲まれた粒状の部分の高さプロファイルを逐一取得し、最も低い高さDMの位置から面方向でかつ圧延平行方向に±25μmの範囲で最も高い部分の高さDSをベースライン高さとみなしたとき、凹部の深さds=DS−DMとし、dsが1.5μm以上のものを前記凹部とみなして計数したとき、前記凹部の個数が20個/mm 以下、1000℃で1時間加熱後の1mm の表面をコンフォーカル顕微鏡で測定し、得られた表面の2次元画像のうち輪郭で囲まれた粒状の部分の高さプロファイルを逐一取得し、最も高い高さHMの位置から面方向でかつ圧延平行方向に±25μmの範囲で最も低い部分の高さHSをベースライン高さとみなしたとき、凸部の高さdt=HM−HSとし、dtが1.5μm以上のものを前記凸部とみなして計数したとき、前記凸部の個数が100個/mm 以下、Cuの純度が99.95〜99.995質量%である。
発明のグラフェン製造用銅箔において、JIS-H3100に規格するタフピッチ銅若しくはJIS-H3100に規格する無酸素銅、又は該タフピッチ銅若しくは無酸素銅に対し、Sn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を0.050質量%以下含有することが好ましい。


本発明のグラフェンの製造方法は、前記グラフェン製造用銅箔を用い、所定の室内に、加熱した前記グラフェン製造用銅箔を配置すると共に炭素含有ガスを供給し、前記グラフェン製造用銅箔の表面にグラフェンを形成するグラフェン形成工程と、前記グラフェンの表面に転写シートを積層し、前記グラフェンを前記転写シート上に転写しながら、前記グラフェン製造用銅箔をエッチング除去するグラフェン転写工程と、を有する。
本発明によれば、大面積のグラフェンを低コストで生産可能とする銅箔が得られる。
本発明の実施形態に係るグラフェンの製造方法を示す工程図である。 銅箔表面のコンフォーカル顕微鏡像の一例を示す図である。 図2のS点(凹部に相当)の粒状部分の高さプロファイルを示す図である。 図2のT点(凸部に相当)の粒状部分の高さプロファイルを示す図である。 図2のコンフォーカル顕微鏡像の3次元画像を示す図である。 実施例6の試料の加熱前の表面及び断面のSEM像を示す図である。 実施例6の試料の加熱後の表面及び断面のSEM像を示す図である。 走査電子顕微鏡の面分析による酸素のマッピングを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るグラフェン製造用銅箔及びグラフェンの製造方法について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
<第1の発明>
第1の発明では、銅箔を、1000℃で1時間加熱前の走査電子顕微鏡による表面の元素分析を行って測定される直径が0.5μm以上の酸化物及び硫化物の合計個数が15個/mm以下である。
本発明者は、銅箔を基板としてグラフェンを製造すると、グラフェンのシート抵抗が増大して品質が劣化する原因について検討し、銅箔上にグラフェンの成長を妨げる段差が存在することを見出した。つまり、グラフェンの炭素原子の結合はnm単位であるのに対し、銅箔表面の凹凸はμmレベルであるので、銅箔表面の凹凸(段差)が大きいとグラフェンの炭素原子の結合が切れ、シート抵抗が大きくなるものと考えられる。
そして、Cuが99.995質量%を超える高純度の銅箔を用いれば、表面の段差が少なくて平滑な銅箔とすることができるが、高コストでサイズが限定される。
そして、本発明者は、銅箔を圧延製造する際の鋳造品に発生する酸化物や硫化物が、グラフェンの製造温度である1000℃前後に加熱されると、膨れ、ヘコミ、ピットを生じて銅箔表面に凹凸が生じることを見出した。このようなことから、これら銅箔表面(又は銅箔内部)に存在する酸化物、硫化物の大きさと個数を制限することで高品質のグラフェンを製造することができる。
1000℃で1時間加熱前の酸化物及び硫化物を規定する理由は、上記したように1000℃前後に加熱されると、銅箔表面近傍に存在する酸化物及び硫化物が蒸発し、その際に表面を破壊して膨れ、ヘコミ、ピットを生じさせるからである。
又、酸化物及び硫化物として直径が0.5μm以上のものを測定する理由は、直径が0.5μm以上の酸化物及び硫化物は銅箔表面に凹凸を生じさせ易いからである。
ここで、直径は、図8に示すようにして求める。まず、銅箔表面の1mm×1mmの視野につき、エネルギー分散型X線分析(EDX)を備えた走査電子顕微鏡の面分析で酸素及び硫黄をマッピング観察する。図8は、酸素のマッピングを示す。次に、マッピング領域内で、酸素又は硫黄の濃度が最も高い部分(図8の符号R)を選び、その部分を跨いで長さ10μmのライン分析(図8の符号LN)を行う。これは、マッピングでは元素濃度の絶対値を正確に求めることが難しいのに対し、ライン分析は元素濃度の測定精度が高いためである。
そして、ライン分析において酸素又は硫黄の濃度が最も低い値を基準とし、この基準よりも5質量%濃度の高い部分の位置を、マッピングと照合し、マッピング領域内で基準よりも5質量%濃度の高い部分の色調を判定する。そして、この色調よりも濃度の高い部分(つまり、基準よりも5質量%以上濃度の高い部分)を酸化物または硫化物とみなした。そして、マッピング領域上で、上記基準よりも5質量%以上濃度の高い部分の集合(図8の輪郭U)を求め、これを酸化物または硫化物の領域とみなした。これら領域の最大長さMと、その垂直方向の長さTを測定してその平均値を求め、酸化物または硫化物の直径とした。直径が0.5μm以上の酸化物及び硫化物の合計個数が15個/mm以下である。
<第2の発明>
第2の発明では、銅箔を1000℃で1時間加熱前の断面のうち、圧延方向に平行で圧延面に垂直な断面であって、表面から10μmまでの深さで合計面積が3mm)となる領域を走査電子顕微鏡により元素分析を行ったとき、直径が0.5μm以上の酸化物及び硫化物の合計個数が100個/mm以下である。
上記した第1の発明のように、銅箔中の酸化物や硫化物が1000℃前後に加熱されて銅箔表面に凹凸が生じるが、この酸化物や硫化物は、銅箔断面からも測定することができる。
ここで、表面から10μmまでの深さを測定対象とした理由は、銅箔の表面から遠い内部に酸化物や硫化物が介在しても、銅箔表面に凹凸を生じ難いからである。酸化物及び硫化物の測定方法及び個数の計数方法は第1の発明と同一である。又、酸化物及び硫化物は銅箔内部に比較的均一に分散しているので、上記断面は、銅箔の任意の位置から取得してよい。
<第3の発明>
第3の発明では、1000℃で1時間加熱後の銅箔表面に生じた凹凸を以下のように規定する。まず、1000℃で1時間加熱後の銅箔表面(1mm)をコンフォーカル(共焦点)顕微鏡で測定し、得られた表面の2次元画像のうち、輪郭で囲まれた粒状の部分につき、高さ方向の情報を逐一求めた。コンフォーカル顕微鏡のソフトウェア上、2次元画像の所定位置を指定すると、その位置の高さ情報が出力可能になっている。
図2は、銅箔表面のコンフォーカル顕微鏡像の一例を示す2次元画像である。図2のS点(凹部に相当)の粒状部分の高さプロファイルを図3に示す。凹部の深さdsは、最も低い高さDMの位置から面方向でかつ圧延平行方向に±25μmの範囲で、最も高い部分の高さDSをベースライン高さとみなし、ds=DS−DMで求めた。
そして、dsが1.5μm以上のものを凹部とみなして計数する。凹部の個数が20個/mm以下であることが必要である。
凹部の個数が20個/mmを超えると、銅箔表面の凹凸が顕著になって高品質のグラフェンを製造することが困難になる。
<第4の発明>
第4の発明では、1000℃で1時間加熱後の銅箔表面に生じた凹凸を以下のように規定する。まず、第3の発明と同様に、1000℃で1時間加熱後の銅箔表面(1mm)をコンフォーカル(共焦点)顕微鏡で測定し、得られた表面の2次元画像のうち、輪郭で囲まれた粒状の部分につき、高さ方向の情報を逐一求めた。
図2は、銅箔表面のコンフォーカル顕微鏡像の一例を示す。図2のT点(凸部に相当)の粒状部分の高さ情報を図4に示す。凸部の高さdtは、最も高い高さHMの位置から面方向でかつ圧延平行方向に±25μmの範囲で、最も低い部分の高さHSをベースライン高さとみなし、dt=HM−HSで求めた。
そして、dtが1.5μm以上のものを凸部とみなして計数する。凸部の個数が100個/mm以下であることが必要である。
凸部の個数が100個/mmを超えると、銅箔表面の凹凸が顕著になって高品質のグラフェンを製造することが困難になる。
なお、dsの最大値は14μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、6μm以下が最も好ましい。dtの最大値は16μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、6μm以下が最も好ましい。
<銅箔の組成>
銅箔としては、JIS-H3100に規格するタフピッチ銅(TPC)、又はJIS-H3510若しくはJIS−H3100に規格する無酸素銅(OFC)を好適に用いることができる。
又、これらタフピッチ銅又は無酸素銅に対し、Sn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を0.050質量%以下含有する組成を用いることもできる。上記元素を含有すると、銅箔の強度が向上し適度な伸びを有すると共に、結晶粒径を大きくすることができる。上記元素の含有割合が0.050質量%を超えると強度は更に向上するものの、伸びが低下して加工性が悪化すると共に結晶粒径の成長が抑制される場合がある。より好ましくは上記元素の含有割合が0.040質量%以下である。
なお、上記元素の含有割合の下限は特に制限されないが、例えば0.005質量%を下限とすることができる。上記元素の含有割合が0.005質量%未満であると、含有割合が小さいためその含有割合を制御することが困難になる場合がある。
銅箔のCu純度が99.95〜99.995質量%であることが好ましい。銅箔の純度が99.95質量%未満であると、上記したように、銅箔表面に酸化物や硫化物が介在し易くなって銅箔表面の凹凸が大きくなる場合がある。一方、銅箔中のCu純度を高くすると製造コストが高くなると共に、強度が低下して箔の製造が難しくなり、大面積化が困難になる。このようなことから、銅箔中のCuの純度が99.995質量%以下であることが好ましい。
<銅箔の厚み>
銅箔の厚みは特に制限されないが、一般的には5〜150μmである。さらに、ハンドリング性を確保しつつ、後述するエッチング除去を容易に行うため、銅箔の厚みを12〜50μmとすると好ましい。銅箔の厚みが12μm未満であると、破断し易くなってハンドリング性に劣り、厚みが50μmを超えるとエッチング除去がし難くなる場合がある。
<グラフェン製造用銅箔の製造>
本発明の実施形態に係るグラフェン製造用銅箔は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、所定の組成の銅インゴットを製造し、熱間圧延を行った後、焼鈍と冷間圧延を繰り返し、圧延板を得る。この圧延板を焼鈍して再結晶させ,所定の厚みまで圧下率を80〜99.9%(好ましくは85〜99.9%、更に好ましくは90〜99.9%)として最終冷間圧延して銅箔を得る。
ここで、最終冷間圧延の最終パスと最終冷間圧延の最終パスの1つ前のパスの両方の油膜当量をいずれも18000以下とすると、銅箔表面が平滑になるので好ましい。
銅箔表面が平滑であると、焼鈍した場合の結晶粒の成長にとって好ましい。そして、銅箔表面の平滑さの程度は銅箔表面の光沢度で表すことができる。具体的には、圧延時の現象として、ロールと材料の間に導入される油膜が厚いと圧延加工表面にオイルピット(凹凸)を生じるが、油膜が薄ければ材料表面で圧延ロールと接触する面積が増えて自由変形が制限され、オイルピットが発達せず、圧延ロールの平滑な表面プロフィルが転写され、平滑な表面が形成される。このようなことから、油膜を薄くする指標として、油膜当量を18000以下とするとよい。油膜当量が18000を超えると、銅箔表面のベース粗さが20μmを超えることがある。
油膜当量は下記式で表される。
(油膜当量)={(圧延油粘度、40℃の動粘度;cSt)×(圧延速度;m/分)}/{(材料の降伏応力;kg/mm2)×(ロール噛込角;rad)}
油膜当量を18000以下とするためには、圧延油粘度(40℃の動粘度)を低く、圧延速度も低く、ロール噛込角(圧下量に対応する)は大きいことが好ましい。例えば、ロール直径250mm以下で表面粗さRarollが0.1μm以下(好ましくは0.01〜0.04μm、更に好ましくは0.01〜0.02μm)に調整された圧延ロールにより、粘度が3〜8cSt(好ましくは3〜5cSt、更に好ましくは3〜4cSt)の圧延油を使用し、圧延速度100〜500m/分(好ましくは200〜450m/分、更に好ましくは250〜400m/分)、パス毎の圧下率10〜60%が挙げられる。又、ロール噛込角は、例えば0.001〜0.04rad、好ましくは0.002〜0.03rad、更に好ましくは0.003〜0.03radである。
圧延ロールの表面粗さRarollが0.1μmを超えるとロール表面の凹凸が転写され、材料表面の平滑性が損なわれる。上記条件で圧延することで、オイルピットのない表面平坦部の面積を広くできる。圧延油の粘度が8cStを超えると油膜当量が大きくなり表面光沢が得られず、一方、3cSt未満であると圧延抵抗が大きくなり圧下率を上げることができない。圧延速度500m/分を超えると導入油量が増えるため光沢度が低下し、一方、100m/分未満であると充分な圧下量がとれず、また生産性の観点から不都合である。
圧下率が99.9%を超えると加工硬化がすすむため変形能力がなくなり最終パスの圧下率が確保できなくなり、一方、80%未満であると圧延集合組織が発達せず、表面平滑性が得られない。ロール噛込角が0.04radを超えるとロール周速度と材料速度との差が大きくなり、材料表面の平滑性が損なわれる。一方、0.002rad未満であると圧延ロールと被圧延材料間に入り、潤滑の役割をする油の量が多く、光沢が低下する。
パス毎の圧下率は、例えば20〜40%、好ましくは20〜35%、更に好ましくは25〜35%である。圧下率が35%を超えるオイルピットが発生し、光沢度が低下する。一方、20%未満であるとパス数が増えるために生産性が悪化する。
又、銅箔の表面を平滑にする別の方法として、最終冷間圧延中の材料温度を高くする方法がある.材料温度を高くすると転位の回復が起こり,銅箔表面が平滑になる。材料温度としては油の潤滑性が損なわれたり,銅箔が再結晶する温度では意味がなく,120℃以下,好ましくは100℃以下であればよい。また、材料温度が50℃以下では銅箔表面が平滑になる効果はほとんどない。
<銅箔の60度光沢度>
銅箔の圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度(JIS Z 8741)が共に400%以上であることが好ましく、500%以上であることが更に好ましい。
後述するように、本発明のグラフェン製造用銅箔を用いてグラフェンを製造した後、銅箔から転写シートへグラフェンを転写する必要があるが、銅箔の表面が粗いと転写がし難く、グラフェンが破損する場合がある。そこで、銅箔の表面凹凸が平滑であることが好ましい。
なお、圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度の上限は特に制限されないが、500%未満とすれば銅箔の製造時に圧延加工度等の製造条件を厳密に規定しなくてもよく、製造の自由度が高くなるので好ましい。又、圧延平行方向及び圧延直角方向の60度光沢度の上限は実用上、800%程度である。
<平均結晶粒径>
又、最終冷間圧延後の銅箔を1000℃で1時間加熱することで、銅箔も加熱され、銅箔の平均結晶粒径が100μm以上に成長する。
銅箔の平均結晶粒径が100μmより小さいと、グラフェンを成長させる際の障害となり、面方向にグラフェンが成長し難くなる場合がある。
なお、1000℃で1時間の加熱は、グラフェンを製造する際、グラフェン製造用銅箔を炭素含有ガスの分解温度以上に加熱する条件を模したものである。
又、平均結晶粒径は、JIS H0501の切断法により、銅箔を測定する。
以上のように規定したグラフェン製造用銅箔を用いることで、大面積のグラフェンを低コストで、かつ高い歩留りで生産することができる。
<グラフェン製造用銅箔の製造>
本発明の実施形態に係るグラフェン製造用銅箔は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、例えばタフピッチ銅(JIS-H3100)や、無酸素銅(JIS-H3100)をそのまま用いるか、必要に応じて所定元素を添加し、純度が99.95質量%以上の銅インゴットを製造する。このインゴットを熱間圧延を行った後、焼鈍と冷間圧延を繰り返し、圧延板を得る。この圧延板を焼鈍して再結晶させ,所定の厚みまで圧下率を80〜99.9%(好ましくは85〜99.9%、更に好ましくは90〜99.9%)として最終冷間圧延して銅箔を得る。
<グラフェンの製造方法>
次に、図1を参照し、本発明の実施形態に係るグラフェンの製造方法について説明する。
まず、室(真空チャンバ等)100内に、上記した本発明のグラフェン製造用銅箔10を配置し、グラフェン製造用銅箔10をヒータ104で加熱すると共に、室100内を減圧又は真空引きする。そして、ガス導入口102から室100内に炭素含有ガスGを供給する(図1(a))。炭素含有ガスGとしては、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン、アルコール等が挙げられるがこれらに限定されず、これらのうち1種又は2種以上の混合ガスとしてもよい。又、グラフェン製造用銅箔10の加熱温度は炭素含有ガスGの分解温度以上とすればよく、例えば1000℃以上とすることができる。又、室100内で炭素含有ガスGを分解温度以上に加熱し、分解ガスをグラフェン製造用銅箔10に接触させてもよい。そして、グラフェン製造用銅箔10の表面に分解ガス(炭素ガス)が接触し、グラフェン製造用銅箔10の表面にグラフェン20を形成する(図1(b))。
そして、グラフェン製造用銅箔10を常温に冷却し、グラフェン20の表面に転写シート30を積層し、グラフェン20を転写シート30上に転写する。次に、この積層体をシンクロール120を介してエッチング槽110に連続的に浸漬し、グラフェン製造用銅箔10をエッチング除去する(図1(c))。このようにして、所定の転写シート30上に積層されたグラフェン20を製造することができる。
さらに、グラフェン製造用銅箔10が除去された積層体を引き上げ、グラフェン20の表面に基板40を積層し、グラフェン20を基板40上に転写しながら、転写シート30を剥がすと、基板40上に積層されたグラフェン20を製造することができる。
転写シート30としては、各種樹脂シート(ポリエチレン、ポリウレタン等のポリマーシート)を用いることができる。グラフェン製造用銅箔10をエッチング除去するエッチング液としては、例えば硫酸溶液、過硫酸ナトリウム溶液、過酸化水素、及び過硫酸ナトリウム溶液又は過酸化水素に硫酸を加えた溶液を用いることができる。又、基板40としては、例えばSi、 SiC、Ni又はNi合金を用いることができる。
<試料の作製>
表1に示す組成の銅インゴットを製造し、800〜900℃で熱間圧延を行った後、300〜700℃の連続焼鈍ラインで焼鈍と冷間圧延を1回繰り返して1〜2mm厚の圧延板を得た。この圧延板を600〜800℃の連続焼鈍ラインで焼鈍して再結晶させ,7〜50μmの厚みまで圧下率を95〜99.7%として最終冷間圧延し、各実施例、比較例の銅箔を得た。
なお、各実施例及び比較例4、5で用いたタフピッチ銅(TPC)は、シャフト炉で原料を溶解する工程における加熱ガス中の酸素濃度を低くして製造した。このとき、加熱ガス中の酸素濃度の指標として、一酸化炭素濃度を測定し、一酸化炭素濃度を2〜7%とした。
また、比較例1〜3で用いたタフピッチ銅は、シャフト炉における加熱ガス中の一酸化炭素濃度を0.5〜1.5%とした。
なお、一酸化炭素濃度および酸素濃度の制御は、燃料ガス中へ供給する空気の流量を制御することで変化させた。
ここで、最終冷間圧延の最終パスと最終冷間圧延の最終パスの1つ前のパスの両方の油膜当量をいずれも表1に示す値に調整した。
油膜当量は下記式で表される。
(油膜当量)={(圧延油粘度、40℃の動粘度;cSt)×(圧延速度;m/分)}/{(材料の降伏応力;kg/mm2)×(ロール噛込角;rad)}
なお、Cu純度が99.9999%の銅箔(参考例1)については、99.99999%以上の銅を原料に真空中で再溶解し、真空中で厚み30mm、幅100mmの鋳型に鋳造し、得られたインゴットは、表面を機械加工後に酸洗して、圧延と熱処理とを繰り返し35μm厚みに圧延した。Cu純度が99.999%の銅箔(参考例2)については、99.9999%の銅原料を真空中で再溶解し、インゴットを鋳造した。その後は、参考例1と同様に作製した。
<表面粗さ(Ra,Rz,Sm)の測定>
各実施例及び比較例の銅箔の最終冷間圧延後、及び1000℃で1時間加熱後の表面粗さを測定した。
コンフォーカル顕微鏡(レーザーテック社製、型番:HD100D)で1mm×1mmの測定視野につき、JIS−B0601に準拠した算術平均粗さ(Ra;μm)と最大断面高さ(Rt;μm)を測定した。なお、Smは表面性状を輪郭曲線方式で表すJIS B0601−2001(ISO4287−1997準拠)において、凹凸の「凹凸の平均間隔」と規定されており、基準長さ内での各凹凸の輪郭長さの平均をいう。
<表面の酸化物及び硫化物の個数>
未加熱の銅箔表面の1mm×1mmの測定視野につき、エネルギー分散型X線分析(EDX)を備えた走査電子顕微鏡を用い、上記した方法で直径0.5μm以上の酸化物、硫化物の個数を測定した。
<断面の酸化物及び硫化物の個数>
また、未加熱の銅箔につき、圧延方向に平行で、圧延面に垂直な任意の断面を作成し、表面から10μmまでの深さで合計面積が3mmとなる領域を走査電子顕微鏡により元素分析を行い、上記した方法で直径0.5μm以上の酸化物、硫化物の個数を測定した。
<表面の凹部及び凸部の個数>
1000℃で1時間加熱後の銅箔表面(1mm)をコンフォーカル(共焦点)顕微鏡(レーザーテック社製、型番:HD100D、解析ソフト:LM eye(レーザーテック社製)、スキャンタイマー:60sec)で測定し、得られた表面の2次元画像のうち、輪郭で囲まれた粒状の部分につき、高さ方向の情報を逐一求めた。コンフォーカル顕微鏡のソフトウェア上、2次元画像の所定位置を指定すると、その位置の高さ情報が出力可能になっている。
図2は、銅箔表面のコンフォーカル顕微鏡像の一例を示す。図2のS点(凹部に相当)の粒状部分の高さプロファイルを図3に示す。凹部の深さdsは、最も低い高さDMの位置から面方向でかつ圧延平行方向に±25μmの範囲で、最も高い部分の高さDSをベースライン高さとみなし、ds=DS−DMで求めた。図2のT点(凸部に相当)の粒状部分の高さ情報を図4に示す。凸部の高さdtは、最も高い高さHMの位置から面方向でかつ圧延平行方向に±25μmの範囲で、最も低い部分の高さHSをベースライン高さとみなし、dt=HM−HSで求めた。
そして、ds、dtが1.5μm以上のものを、それぞれ凹部、凸部とみなして計数した。
<グラフェンの製造>
各実施例のグラフェン製造用銅箔(縦横100X100mm)を赤外線イメージ炉内の石英管(3インチ)の内壁に巻き、真空引き(圧力:0.2Torr)した。次に、この石英管内に水素とアルゴンの混合ガスを流しながら赤外線イメージ炉を1000℃に加熱し、さらにメタンガス(供給ガス流量:10〜100cc/min)を流し、1時間保持して反応させた。
グラフェンが表面に成長した銅箔のグラフェン側にPETフィルムを張り合わせ、銅箔を酸でエッチング除去した後、四探針法でグラフェンのシート抵抗を測定した。なお、反応時間は予め反応時間とシート抵抗との関係を調査し、シート抵抗が安定するために必要な時間とした。
グラフェンのシート抵抗が400Ω/□以下であれば、実用上問題はない。
得られた結果を表1、表2に示す。なお、表中のTPCは、JIS-H3100に規格するタフピッチ銅を表し、OFCはJIS-H3100に規格する無酸素銅を表す。従って、「OFC+Sn1200ppm」は、JIS-H3100に規格する無酸素銅にSnを1200wtppm添加したことを表す。
表1、表2から明らかなように、表面の酸化物及び硫化物の合計個数が15個/mm以下、断面の酸化物及び硫化物の合計個数が100個/mm以下、凹部の個数が20個/mm以下、凸部の個数が100個/mm以下である各実施例の場合、グラフェンのシート抵抗が400Ω/□以下となり、品質が優れていた。
一方、表面の酸化物及び硫化物の合計個数が15個/mmを超え、断面の酸化物及び硫化物の合計個数が100個/mmを超え、凹部の個数が20個/mmを超え、又は凸部の個数が100個/mmを超えた各比較例の場合、グラフェンのシート抵抗が400Ω/□を超え、グラフェンの品質が劣った。
なお、参考例1,2は、高純度(99.999質量%以上)の銅を真空溶解により不純物量を低下させて製造した銅箔であり、表面の酸化物及び硫化物の合計個数が15個/mm以下であるが、高コストであり、広幅の銅箔を製造するのが難しく、実用性に乏しい。
なお、図5は、図2のコンフォーカル顕微鏡像の3次元画像を示す。
又、図6(a)は、実施例6の試料の加熱前の表面のSEM像を示し、図6(b)はその断面SEM像を示す。酸化物の検出部分(符号A)の断面を見ると、酸化物が表面よりやや内部に介在していることがわかる。
図7(a)は、実施例6の試料の加熱後の表面のSEM像を示し、図7(b)はその断面SEM像を示す。凸部(符号B)の検出部分の断面を見ると、酸化物が還元されて加熱で蒸発して表面に銅箔材料が隆起していることがわかる。
10 グラフェン製造用銅箔
20 グラフェン
30 転写シート

Claims (3)

  1. 1000℃で1時間加熱前の走査電子顕微鏡による表面の元素分析を行って測定される直径が0.5μm以上の酸化物及び硫化物の合計個数が15個/mm以下、
    1000℃で1時間加熱前の断面のうち、圧延方向に平行で圧延面に垂直な断面であって、表面から10μmまでの深さで合計面積が3mm となる領域を走査電子顕微鏡により元素分析を行ったとき、直径が0.5μm以上の酸化物及び硫化物の合計個数が100個/mm 以下、
    1000℃で1時間加熱後の1mm の表面をコンフォーカル顕微鏡で測定し、得られた表面の2次元画像のうち輪郭で囲まれた粒状の部分の高さプロファイルを逐一取得し、最も低い高さDMの位置から面方向でかつ圧延平行方向に±25μmの範囲で最も高い部分の高さDSをベースライン高さとみなしたとき、凹部の深さds=DS−DMとし、
    dsが1.5μm以上のものを前記凹部とみなして計数したとき、前記凹部の個数が20個/mm 以下、
    1000℃で1時間加熱後の1mm の表面をコンフォーカル顕微鏡で測定し、得られた表面の2次元画像のうち輪郭で囲まれた粒状の部分の高さプロファイルを逐一取得し、最も高い高さHMの位置から面方向でかつ圧延平行方向に±25μmの範囲で最も低い部分の高さHSをベースライン高さとみなしたとき、凸部の高さdt=HM−HSとし、
    dtが1.5μm以上のものを前記凸部とみなして計数したとき、前記凸部の個数が100個/mm 以下、
    Cuの純度が99.95〜99.995質量%であるグラフェン製造用銅箔。
  2. JIS-H3100に規格するタフピッチ銅若しくはJIS-H3100に規格する無酸素銅、又は該タフピッチ銅若しくは無酸素銅に対し、Sn及びAgの群から選ばれる1種以上の元素を0.050質量%以下含有する請求項1に記載のグラフェン製造用銅箔。
  3. 請求項1又は2に記載のグラフェン製造用銅箔を用いたグラフェンの製造方法であって、
    所定の室内に、加熱した前記グラフェン製造用銅箔を配置すると共に炭素含有ガスを供給し、前記グラフェン製造用銅箔の表面にグラフェンを形成するグラフェン形成工程と、
    前記グラフェンの表面に転写シートを積層し、前記グラフェンを前記転写シート上に転写しながら、前記グラフェン製造用銅箔をエッチング除去するグラフェン転写工程と、を有するグラフェンの製造方法。
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