JP5850447B1 - 検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する基底面内欠陥を、下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥による影響を受けることなく検出できる検査装置を実現する。【解決手段】本発明では、照明光学系からPL光を検出する光検出手段(18,21)までの光路を共焦点光学系として構成し、PL光の共焦点画像を形成する。共焦点光学系を利用することにより、照明ビームの集束点から変位した位置から発生するPL光は空間フィルタ(17,20)により遮光されるため、エピタキシャル層から発生したPL光だけを光検出手段に入射させることができる。この結果、下地の炭化珪素基板の内部で発生したPL光による影響を受けない検査装置が実現される。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を検出する検査装置に関するものである。
さらに、本発明は、炭化珪素基板上に形成したエピタキシャル層に存在する基底面内欠陥を他の結晶欠陥から区別して検出できる検査装置に関するものである。
炭化珪素(SiC)は優れた物理的特性及び熱的特性を有し、高耐圧で低損失の半導体デバイスの製造に有用である。SiC基板を用いた半導体デバイスの製造工程において、製造上の歩留りを改良するためにはSiC基板に存在する欠陥を検出すること及び検出された欠陥を分類できることが極めて重要である。特に、基底面内欠陥(Basal Plane Dislocation:BPD)は、バイポーラ型の高電圧素子を製造する際、素子の性能に致命的な悪影響を及ぼすキラー欠陥となるため、BPDを他の結晶欠陥から区別して検出することが強く望まれている。
炭化珪素基板の製造プロセスにおいて、エピタキシャル層の形成工程中に基底面内欠陥を貫通刃状転位(Threading Edge Dislocation:TED)に構造変換する技術が開発されている。すなわち、BPDを含むエリアにバイポーラデバイスが形成された場合、順方向に電流が流れるとBPDはショックレイ型の積層欠陥に変化し、デバイス特性が変化する不具合が発生する。一方、TEDが存在する部位にバイポーラデバイスが形成されても、デバイス特性への影響が少ないため、エピタキシャル層中にTEDが含まれる基板を用いても実用化可能なデバイスを製造することができる。また、この構造変換技術を用いれば、炭化珪素基板中に多数のBPDが存在しても、その上に形成されるエピタキシャル層にはBPDが形成されず、TEDに変換することが可能である。従って、デバイスの製造歩留りを一層改善することが可能になり、高耐圧素子の製造に極めて有益である。
一方、BPDからTEDへの構造変換は、エピタキシャル層の成長工程において、有機金属化学成長法(MOCVD)の各種パラメータを適切に制御することにより行われている。このMOCVDによる成膜工程における各種パラメータの最適条件を見出すためには、エピタキシャル層に存在するBPDを他の結晶欠陥から区別して選択的に検出することが重要である。すなわち、SiC基板上に形成されたエピタキシャル層中に存在するBPDが検出できれば、MOCVDプロセスのコントロールに有用な情報をフィードバックすることができる。従って、BPDのTEDへの変換効率を改善し製造の歩留りを改良するためには、基底面内欠陥を他の結晶欠陥から区別して検出できる欠陥検査装置の開発が急務の課題である。
SiC基板中に存在する結晶欠陥を検出する検査装置として、フォトルミネッセンス法(PL法)を利用した検査装置が既知である(例えば、特許文献1参照)。この既知の検査装置では、炭化珪素基板に向けて紫外光を投射し、炭化珪素基板から出射したフォトルミネッセンス光を分光装置を介して光検出手段により検出している。この既知の検査装置は、フォトルミネッセンス光を検出しているので、基板の内部に存在する結晶欠陥を検出できる利点がある。
SiC基板又はエピタキシャル層中に存在するBPDを検出する欠陥分類方法として、炭化珪素基板に向けて紫外域の照明ビームを投射し、炭化珪素基板から出射する散乱光及びフォトルミネッセンス光(PL光)の両方を個別に検出し、PL光検査及び散乱光検査の両方を用いてBPDを検出する方法が既知である(例えば、特許文献2参照)。
ウエハ上に形成されたエピ層中に存在する欠陥を検出する欠陥検査システムとして、エピ層に向けて斜めに照明ビームを投射するレーザ光源と垂直に投射するレーザ光源との2つの照明光源を有し、サンプルからの散乱光及びPL光の両方を個別に検出する欠陥検査システムも既知である(例えば、特許文献3参照)。この既知の欠陥検査システムでは、照明ビームとして、波長が405nmの照明光及び660nmの照明光が用いられている。また、この特許文献には、検査の対象としてMOCV堆積後のエピウエハと記載されているだけであり、炭化珪素基板に存在する結晶欠陥を検出する旨は記載されず、炭化珪素基板上に形成したエピタキシャル層中に存在するBPDを選択的に検出することも開示されていない。さらに、炭化珪素の禁制帯エネルギーよりも大きいエネルギーの照明光を用いることも開示されていない。
特開2006−147848号公報 特許第5633099号公報 特表2013−536436号公報
特許文献2に開示されているように、炭化珪素基板中又はエピタキシャル層中にBPDが存在すると、BPDから近赤外域のPL光が発生する。従って、エピタキシャル層の表面を紫外域の照明ビームで走査し、エピタキシャル層から出射するPL光を検出することによりBPDを検出することができる。また、PL光画像と散乱光画像の両方を用いることにより、BPDを他の結晶欠陥から区別して検出することも可能である。
しかしながら、照明光源としてレーザ光源を用いる場合、照明光の波長が固定されているため、多種多様なサンプルに対して柔軟に対応できない課題があった。すなわち、エピタキシャル層が形成されている炭化珪素基板の場合、エピタキシャル層の厚さは耐圧に応じて相違する。一方、照明光のエピタキシャル層への侵入深さは、照明光の波長に応じて相違し、例えば照明光の波長が313nmの場合、侵入深さは10μmであり、波長が355nmの場合侵入深さは60μmである。この場合、エピタキシャル層の厚さが10μmのサンプルについて波長が355nmの照明光を用いて欠陥検査を行うと、大半の照明光がエピタキシャル層を透過して下地の炭化珪素基板の内部まで侵入する。従って、基板の欠陥及び不純物に起因するPL光の影響により、エピタキシャル層中のBPDから発生するPL光の信号強度が相対的に低下し、エピタキシャル層に存在する結晶欠陥を選択的に検出することは困難であった。
前述したように、現在実用化されている炭化珪素基板には多数の結晶欠陥が存在する。しかし、多数の結晶欠陥が存在する炭化珪素基板であっても、その上に形成されるエピタキシャル層の成長プロセスを適切に制御することにより、キラー欠陥の無いエピタキシャル層を形成することが可能である。また、エピタキシャル層中において、デバイスが形成される深さはエピタキシャル層の厚さの範囲内である。従って、炭化珪素基板の欠陥検査において、エピタキシャル層に存在するキラー欠陥であるBPDを選択的に検出できることが強く要請されている。他方において、照明光の侵入深さがエピタキシャル層の厚さを超える場合、下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥から発生するPL光の影響を受け、良好な欠陥検出を行うことができない課題があった。
本発明の目的は、炭化珪素基板又はその上に形成されたエピタキシャル層に存在する各種欠陥を検出できる検査装置を実現することにある。
さらに、本発明の別の目的は、炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する基底面内欠陥を、下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥による影響を受けることなく検出できる検査装置を実現することにある。
本発明による検査装置は、炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を検出する検査装置であって、
紫外域の照明ビームを発生する照明光源、照明光源から出射した照明ビームを平行光束に変換するコリメータレンズ系、及び、コリメータレンズ系から出射した照明ビームを検査すべきエピタキシャル層に向けて集束性ビームとして投射する集束レンズを有する照明光学系と、
前記照明ビームによりエピタキシャル層の表面を走査する走査系と、
前記エピタキシャル層から出射した散乱光及びフォトルミネッセンス光を集光する集光光学系と、
前記集光光学系により集光された光を、散乱光とフォトルミネッセンス光とに分離する光分離手段と、
分離された散乱光及びフォトルミネッセンス光をそれぞれ検出する第1及び第2の光検出手段と、
前記第1及び第2の光検出手段から出力される出力信号に基づき欠陥を検出する信号処理装置とを具え、
前記信号処理装置は、前記第1及び第2の光検出手段から出力された出力信号を用いて散乱光画像及びフォトルミネッセンス画像をそれぞれ形成する手段、散乱光画像から欠陥を検出する第1の欠陥検出手段、及び、フォトルミネッセンス画像から欠陥を検出する第2の欠陥検出手段を含み、
前記光分離手段と第2の光検出手段との間に光路中に、集束性レンズと空間フィルタが配置され、空間フィルタは、前記エピタキシャル層で発生したフォトルミネッセンス光を通過させると共に下地の炭化珪素基板で発生したフォトルミネッセンス光を遮光するように作用し、
前記照明系のコリメータレンズ系はズームレンズ系として構成され、当該コリメータレンズの拡大倍率を制御することにより、照明光学系の開口角が制御されると共に前記エピタキシャル層の下地の炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が制御され
前記炭化珪素基板に形成されたエピタキシャル層の厚さに応じて前記コリメータレンズを調整することにより、炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が調整されることを特徴とする検査装置。
本発明では、照明光学系からPL光を検出する光検出手段までの光学系を共焦点光学系として構成する。共焦点光学系の場合、サンプル中のPL光の発生位置が照明ビームの集束点から光軸方向に変位すると、サンプルで発生したPL光がピンホールにより遮光され、光検出手段に入射しない。すなわち、共焦点光学系を採用することにより、照明ビームの集束点位置から発生したPL光だけが光検出手段に入射し、それ以外のPL光は空間フィルタにより遮光される。従って、光軸方向において所定の位置から発生したPL光だけが光検出手段に入射し、光軸方向に高い感度を有する欠陥検査が可能になる。尚、空間フィルタとして、光を通過させる円形の開口を有するピンホール及びライン状(線状)の開口を有するスリットが含まれる。
本発明による検査装置は、検査すべきサンプルとしてエピタキシャル層が形成された炭化珪素基板が用いられ、第2の光分離手段と第1及び第2の光検出手段との間の光路中には集束性レンズと空間フィルタとがそれぞれ配置され、エピタキシャル層で発生したPL光は空間フィルタを介して光検出手段に入射し、炭化珪素基板の内部で発生したPL光は空間フィルタにより遮光されることを特徴とする。
エピタキシャル層が形成された炭化珪素基板の欠陥検査において、照明ビームの集束点をエピタキシャル層の表面上に設定した場合、炭化珪素基板の内部で発生したPL光は、光軸方向の変位した位置から発生するので、空間フィルタにより遮光され、エピタキシャル層で発生したPL光だけが空間フィルタを通過して光検出手段に入射する。この結果、下地の炭化珪素基板の不純物や結晶欠陥から発生するPL光の影響が低減され、エピタキシャル層で発生したPL光による欠陥像を検出することができる。
本発明による検査装置は、炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する基底面内欠陥を他の結晶欠陥から区別して検出する検査装置であって、
紫外域の照明ビームを発生する照明光源、照明光源から出射した照明ビームを平行光束に変換するコリメータレンズ系、及び、コリメータレンズ系から出射した照明ビームを検査すべきエピタキシャル層に向けて集束性ビームとして投射する集束レンズとを有する照明光学系と、
前記照明ビームによりエピタキシャル層の表面を走査する走査系と、
前記エピタキシャル層から出射した散乱光及びフォトルミネッセンス光を集光する集光光学系と、
前記集光光学系により集光された光を、散乱光とフォトルミネッセンス光とに分離する第1の光分離手段と、
分離された散乱光及びフォトルミネッセンス光をそれぞれ検出する第1及び第2の光検出手段と、
前記第1及び第2の光検出手段から出力される出力信号に基づき欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する信号処理装置とを具え、
前記信号処理装置は、前記第1及び第2の光検出手段から出力される出力信号を用いて散乱光画像及びフォトルミネッセンス画像をそれぞれ形成する手段、散乱光画像から欠陥像を検出する第1の欠陥検出手段、及びフォトルミネッセンス画像から欠陥像を検出する第2の欠陥検出手段、並びに、検出された欠陥像を用いて欠陥を分類する欠陥分類手段を含み、
前記欠陥分類手段は、前記第2の欠陥検出手段により欠陥像が検出され、第1の欠陥検出手段により欠陥像が検出されない場合、当該欠陥を基底面内欠陥として分類し、
前記光分離手段と第2の光検出手段との間に光路中に、集束性レンズと空間フィルタが配置され、空間フィルタは、前記エピタキシャル層で発生したフォトルミネッセンス光を通過させると共に下地の炭化珪素基板で発生したフォトルミネッセンス光を遮光するように作用し、
前記照明系のコリメータレンズ系はズームレンズ系として構成され、当該コリメータレンズの拡大倍率を制御することにより、照明光学系の開口角が制御されると共に前記エピタキシャル層の下地の炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が制御され
前記炭化珪素基板に形成されたエピタキシャル層の厚さに応じて前記コリメータレンズを調整することにより、炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が調整されることを特徴とする検査装置。
本発明による検査装置の好適実施例は、空間フィルタは、エピタキシャル層で発生したフォトルミネッセンス光を通過させ、エピタキシャル層の下側の炭化珪素基板から出射したフォトルミネッセンス光を遮光することを特徴とする。
本発明では、サンプルから出射したフォトルミネッセンス光を検出する光学系を共焦点光学系として構成しているので、光軸方向の所定の位置で発生したPL光だけが光検出手段に入射し、光軸方向に変位した位置で発生したPL光は空間フィルタにより遮光される。従って、炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層で発生したPL光だけが光検出手段に入射し、下地の炭化珪素基板の内部で発生したPL光は光検出手段に入射せず、従って、炭化珪素基板で発生したPL光による影響が低減された検査装置が実現される。
本発明による検査装置の一例を示す線図である。 波長が313nmの照明光で走査した際のPL光画像及び波長が355nmの照明光で走査した際のPL光画像を示す図である。 共焦点光学系による作用効果を示す図である。 本発明による信号処理装置の一例を示す図である。 エピタキシャル層の表面をマルチビームにより走査する例を示す図である。 エピタキシャル層の表面上に形成される光スポットアレイを示す図である。 フォトダイオードアレイの一例を示す図である。 本発明による検査装置の別の変形例を示す図である。
発明の実施するための形態
図1は本発明による検査装置の全体構成を示す図である。照明光源1としてUV固体レーザ(YAGレーザ)を用い、波長が355nmの紫外域の照明ビームを発生する。レーザ以外の照明光源として、水銀ランプやキセノン水銀ランプを用いことができ、例えばキセノン水銀ランプから出射した波長が313nmの照明ビームを用いることも可能である。また、He−Cdレーザから出射した波長が320nmのレーザビームを照明ビームとして用いることもでき、波長が296nmや266nmのレーザビームを照明ビームとして利用することも可能である。照明ビームは、コリメータレンズ系2により拡大平行光束に変換され、全反射プリズム3で反射し、集束レンズ4により集束されて炭化珪素基板5の表面に対して垂直に入射する。そして、エピタキシャル層の表面上に微小な光スポットを形成する。本例では、検査すべき炭化珪素基板として、エピタキシャル層が形成された炭化珪素基板を用い、エピタキシャル層に存在する基底面内欠陥(BPD)、キャロット欠陥、積層欠陥、マイクロパイプ及び異物欠陥等の各種欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する。勿論、エピタキシャル層が形成されていない炭化珪素基板について欠陥検査を行って各種欠陥を検出することともできる。
本発明では、共焦点光学系を利用してエピタキシャル層に存在する欠陥を検出するため、照明ビームの集束点は、炭化珪素基板5の内部ではなく、エピタキシャル層の表面と一致するように設定する。そして、光検出手段の前面に空間フィルタを配置し、炭化珪素基板の内部で発生したPL光を空間フィルタにより遮光し、エピタキシャル層の表面近傍又はエピタキシャル層の内部で発生したPL光だけを光検出手段に入射させる。この結果として、エピタキシャル層の下地である炭化珪素基板に存在する各種結晶欠陥による影響をほとんど受けない欠陥検査を行うことが可能になる。
炭化珪素基板5は、走査系6を構成するステージ装置に配置する。ステージ装置は、回転軸を中心にして回転するθステージ7を有し、炭化珪素基板5はθステージ7上に保持する。θステージ7には、回転角度方向の位置を検出するθステージ角度検出系8を連結する。θステージ7の検出された角度情報は信号処理装置9に供給され、検出された欠陥のアドレス情報として用いることができる。θステージ7及びθステージ角度検出系8はrステージ10に連結する。rステージ10は、炭化珪素基板5及びθステージ7を半径方向に並進移動させるステージである。rステージ10の半径方向の位置はrステージ位置検出系11により検出され、信号処理装置9に供給される。θステージ7の回転移動及びrステージ11の並進移動により、炭化珪素基板5は照明ビームにより形成される微小な光スポットにより螺旋状に走査される。
照明ビームは、炭化珪素の禁制帯幅エネルギーよりも大きいエネルギーを有する紫外光であり、入射した照明光の一部はエピタキシャル層の内部に侵入する。従って、炭化珪素基板5が照明ビームにより走査されると、エピタキシャル層及び下地の炭化珪素基板から各種波長域のPL光が発生する。例えば、結晶欠陥の無い良質な部位を走査した場合、炭化珪素のバンド端発光波長(380nm)域のPL光(第1のPL光)が発生する。また、BPDや積層欠陥等の結晶欠陥が存在する部位を走査した場合、可視域及び近赤外域のPL光(第2のPL光)が発生する。さらに、各種結晶欠陥がエピタキシャル層の表面に凹状又は凸状の欠陥として出現する場合及びエピタキシャル層の表面に異物欠陥が存在する場合、欠陥が存在する部位から散乱光が発生する。これらPL光及び散乱光は、集光光学系12により集光される。集光光学系12は、中央に開口が形成された凹面鏡12aとサイズの小さい凸面鏡12bとで構成される。エピタキシャル層から出射した散乱光及びPL光は、凹面鏡12aに入射し、凸面鏡12bに向けて反射する。凸面鏡12bに入射したPL光及び散乱光は凹面鏡12aの開口を経て集束性ビームとして出射する。
集光光学系12から出射したPL光及び散乱光は、第1のダイクロィックミラー13に入射する。第1のダイクロィックミラー13は、PL光と散乱光とを分離する第1の光分離手段として機能する。第1のダイクロィックミラー13は、例えば360nm以下の波長域の光を透過し、360nm以上の波長光を反射するように構成する。散乱光の波長は355nmであるから、第1のダイクロィックミラー13を透過する。一方、バンド端発光波長域の第1のPL光及び可視域及び近赤外域の第2のPL光は第1のダイクロィックミラー13で反射する。第1のダイクロィックミラー13を透過した散乱光は、第1の光検出手段14に入射する。第1の光検出手段は、例えば光電子増倍管(PMT)で構成することができる。第1の光検出手段14からの出力信号は信号処理装置9に供給され、散乱光画像が形成される。
第1のダイクロィックミラー13で反射したPL光は、第2のダイクロィックミラー15に入射する。第2のダイクロィックミラー15は、炭化珪素のバンド端発光波長域の第1のPL光と可視又は近赤外域の第2のPL光とを分離する作用を果たし、例えば波長が390nm以下の波長光を透過し、390nmを超える波長光を反射するように設定する。この場合、エピタキシャル層から出射したバンド端発光波長域の第1のPL光の中心波長は380nmであるから、第2のダイクロィックミラー15を透過し、集束性レンズ16及び空間フィルタ17を介して第2の光検出手段18に入射する。一方、エピタキシャル層から出射した可視域及び近赤外域の第2のPL光は、第2のダイクロィックミラー15で反射し、集束性レンズ19及び空間フィルタ20を介して第3の光検出手段21に入射する。第2及び第3の光検出手段は、光電子増倍管やアバランシェフォトダイオード(APD)で構成することができる。第2及び第3の光検出手段18及び21の出力信号は信号処理装置9に供給され、バンド端発光波長域のPL光による第1のPL光画像及び可視域又は近赤外域のPL光による第2のPL光画像が形成される。尚、本例では、空間フィルタ17及び20は、PL光を通過させる円形開口有するピンホールで構成される。



第1のPL光の光路中には、集束性レンズ16が配置され、集束レンズ16から出射するPL光の集束点にピンホール(空間フィルタ)17が配置され、ピンホール17を通過したPL光だけが第2の光検出手段18に入射する。従って、エピタキシャル層の表面は微小な光スポットにより照明され、エピタキシャル層から出射したPL光はピンホールを介して光検出手段により受光されるので、第1のPL光を検出する光学系は共焦点光学系を構成する。同様に、第2のPL光の光路中には、集束性レンズ19が配置され、集束レンズ19から出射するPL光の集束点にピンホール20が配置され、ピンホール20を通過したPL光だけが第3の光検出手段21に入射する。従って、エピタキシャル層の表面は微小な光スポットにより照明され、エピタキシャル層から出射したPL光はピンホールを介して光検出手段により受光されるので、第2のPL光を検出する光学系も同様に共焦点光学系を構成する。よって、信号処理装置9は、第1及び第2のPL光による共焦点画像をそれぞれ形成する。
照明ビームは、炭化珪素の禁制帯幅エネルギーよりも大きいエネルギーを有する紫外光であり、エピタキシャル層及び下地の炭化珪素基板に侵入し、エピタキシャル層及び炭化珪素基板により吸収される。照明光がエピタキシャル層や下地の炭化珪素基板により吸収されると、PL光が発生する。結晶欠陥の無い良質な部位が照明光により走査されると、バンド端発光波長域のPL光が発生し、可視域及び赤外域のPL光は発生しない。これに対して、BPD及びキャロット欠陥が存在する部位を照明光により走査すると、バンド端発光波長域のPL光はほとんど発生せず、可視域及び赤外域のPL光が発生する。従って、バンド端発光波長域のPL光画像を形成し、周囲よりも輝度の低い線状の低輝度画像が検出された場合、当該欠陥像はBPD又はキャロット欠陥による欠陥像であると判定することができ、三角形状の低輝度画像が検出された場合は積層欠陥による欠陥像であると判定することができる。また、可視域又は赤外域のPL光画像を形成し、周囲よりも高輝度の線状の高輝度画像が検出された場合、当該欠陥像はBPD又はキャロット欠陥と判定することができ、三角形状の高輝度画像が検出された場合積層欠陥による欠陥像であると判定することができる。
一方、照明光のエピタキシャル層及び炭化珪素基板への侵入深さは、照明光の波長と関連し、例えば照明ビームの波長が313nmの場合侵入深さは約10μmであり、波長が355nmの場合侵入深さは約60μmである。一方、エピタキシャル層の厚さは、形成されるデバイスの耐圧により規定され、代表例として耐圧が1.2kVのデバイスが形成される場合、エピタキシャル層の膜厚は10μmに設定され、耐圧が高くなるにしたがってエピタキシャル層の厚さも厚く設定される。
膜厚が10μmのエピタキシャル層の表面を波長が355nmの照明光で走査する場合、照明光の侵入深さは60μmであるから、一部の照明光はエピタキシャル層により吸収され、エピタキシャル層を透過した照明光は下地の炭化珪素基板により吸収される。よって、光検出手段により検出されるPL光はエピタキシャル層から発生するPL光と下地の炭化珪素基板から発生するPL光との両方の和である。ここで、エピタキシャル層の厚さが10μmのサンプルについて波長が355nmの照明光で走査した場合、多くの照明光がエピタキシャル層を透過し、下地の炭化珪素基板により吸収されることになる。この場合、下地の炭化珪素基板に多数の結晶欠陥が存在するサンプルの場合、下地の炭化珪素基板から発生するPL光による影響を受け、エピタキシャル層に存在する結晶欠陥から発生するPL光(欠陥情報)が検出できない不具合が発生する。例えば、近赤外域のPL光を検出する欠陥検査において、下地の炭化珪素基板にBPDやキャロット欠陥等の結晶欠陥が存在すると、これら下地の結晶欠陥から発生するPL光が強くなり、エピタキシャル層に存在する結晶欠陥から発生するPL光が下地の基板から出射するPL光に埋もれてしまい、欠陥像が検出されない事態が発生する。また、バンド端発光波長域における欠陥検査においても、下地の炭化珪素基板にBPDやキャロット欠陥が存在すると、これらの欠陥からPL光が発生しないため、エピタキシャル層に存在するBPDの欠陥像が下地の炭化珪素基板によるバンド端発光の影響を受け、周囲の良質な部位よりも輝度の低い低輝度画像として検出できない事態が発生する。
図2は、上述した状態に対応した実際の実験結果を示す図であり、炭化珪素基板上に膜厚が10μmのエピタキシャル層が形成されたサンプルについて波長が313nmの照明光を用いて走査した場合に撮像されたPL光画像及び波長が355nmの照明光を用いて走査した場合に撮像されたPL光画像を示す。図2(A)は波長が313nmの照明光で走査した際のPL光画像を示し、図2(B)は波長が355nmの照明光で走査した際のPL光画像を示す。波長が313nmの照明光の場合、700nm以上の近赤外域において3つのBPDが高輝度画像として撮像され、バンド端発光波長域(380nm)においては同一の3つのBPDが周囲の良質な部位よりも低い輝度の低輝度画像として撮像された。これに対して、波長が355nmの照明光の場合、3つのBPDは周囲の良質な部位とは輝度の異なる欠陥像として撮像されず、周囲の良質な部分との輝度差は検出されなかった。
上述した実験結果は、以下のように理解できる。波長が313nmの照明光で走査した場合、照明光の侵入深さは約10μmであり、照明光はエピタキシャル層内で吸収され炭化珪素基板まで侵入しない。この結果、下地の炭化珪素基板の影響を受けず、近赤外域において基底面内欠陥から発生するPL光が明瞭に検出され、バンド端発光波長域では、基底面内欠陥からPL光が発生せず、周囲の良質な部分よりも低い輝度の低輝度画像が撮像されるものと理解される。
これに対して、波長が355nmの照明光の場合、侵入深さは60μmであるため、エピタキシャル層に侵入した大部分の照明光がエピタキシャル層を透過して下地の炭化珪素基板まで侵入し、下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥から発生したPL光が強く影響し、基底面内欠陥から発生したPL光が下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥から発生するPL光に埋もれたものと理解される。
上述した不具合を解消し、下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥による影響を軽減するため、本発明では、共焦点光学系を利用する。すなわち、微小な光スポットによりエピタキシャル層の表面を走査すると共に、欠陥検出系にピンホールないし空間フィルタを配置して共焦点光学系を形成すれば、エピタキシャル層で発生したPL光だけが空間フィルタを通過して光電子増倍管に入射し、下地の炭化珪素基板で発生したPL光は空間フィルタにより遮光することができる。すなわち、照明ビームの集束点をエピタキシャル層の表面上に設定すれば、エピタキシャル層の表面及びその近傍から発生したPL光だけが空間フィルタを通過し、炭化珪素基板の内部で発生したPL光は空間フィルタにより遮光される。
図3は共焦点光学系による作用効果を示す図である。本例では、バンド端発光波長域のPL光を検出する光学系について説明する。図3において、実線は炭化珪素基板5のエピタキシャル層5aで発生したPL光の進行光路を示し、破線は炭化珪素基板5の内部で発生したPL光の進行光路を示す。尚、図面を明瞭にするため、集光光学系は集束レンズとして図示した。図3に示すように、エピタキシャル層5aで発生したPL光は、集光光学系及び集束性レンズを経て空間フィルタ17に入射し、空間フィルタの開口を通過して光検出手段18により受光される。これに対して、炭化珪素基板の内部で発生したPL光は、空間フィルタ17の前側に集束点を形成するため、大部分が空間フィルタにより遮光され、光検出手段に入射しない。従って、エピタキシャル層により発生したPL光だけが光電子増倍管に入射するため、下地の炭化珪素基板による影響を受けない欠陥検出を行うことが可能になる。このように、検出系を共焦点光学系として構成すれば、短波長の照明光源だけでなく、波長が355nm又は365nmのように比較的波長の長い紫外光を発生する光源を利用することも可能になり、使用できる光源の範囲が広くなる利点が達成される。
次に、共焦点光学系の性能(コンフォーカリティ)を一層増強する方策について説明する。第1の方策として、コリメータレンズ系によるビーム径の拡大倍率を調整する方法を挙げる。コリメータレンズ系によるビーム径の拡大倍率が大きい場合、すなわちより太い照明ビームを用いる場合、照明光学系のNA(開口角)がより大きくなり、照明ビームの集束点から変位した位置で発生したPL光は空間フィルタにより遮光される光量が増大する。一方、照明ビームのビーム径が小さくなれば、照明系のNAも小さくなり、照明ビームの集束点から変位した位置から発生したPL光の空間フィルタを通過する光量が増大する。従って、コリメータレンズ系をズームレンズ系で構成し、照明ビームのビーム径を調整可能にすれば、照明系のNAをエピタキシャル層の厚さに応じて調整することが可能になる。この結果、エピタキシャル層の厚さに対応して、エピタキシャル層で発生したPL光だけを光検出手段に入射させることが可能になる。
第2の方策として、空間フィルタ(ピンホール)のPL光を通過させる開口径を制御する方法を挙げる。空間フィルタの開口径が大きくなるにしたがって、照明ビームの集束点から変位した位置で発生したPL光が通過する割合が多くなる。一方、空間フィルタの開口径が小さくなるにしたがって、照明ビームの集束点から変位した位置で発生したPL光の空間フィルタ通過量が減少する。従って、空間フィルタの開口径を調整可能に設定し、検査すべきエピタキシャル層の厚さに応じて空間フィルタの開口径を調整すれば、エピタキシャル層の厚さに応じてエピタキシャル層で発生したPL光を光検出手段に入射させることが可能になる。
次に、欠陥像の形状について説明する。照明ビームにより基底面内欠陥(BPD)が存在する位置が走査された際、近赤外域(700nm以上の波長域)のPL光が発生し、ライン状の高輝度画像(周囲の良質な部分よりも高い輝度の画像)が撮像される。また、炭化珪素のバンド端発光波長(380nm)を含む波長域において、周囲の良質な部分からPL光が発生するが、BPDが存在する部位からはPL光が発生せず又は良質な部分よりも弱いPL光が発生する。従って、周囲の良質な部分よりも低い輝度のライン状の低輝度画像が撮像される。同様に、エピタキシャル層にキャロット欠陥が存在すると、近赤外域においてライン状の高輝度画像が撮像され、バンド端発光波長域において低輝度画像が撮像される。従って、PL光により形成されるPL画像(フォトルミネッセンス画像)の形状から欠陥像を検出することにより、キラー欠陥であるBPD及びキャロット欠陥を検出することが可能になる。しかしながら、PL画像だけでは、BPDとキャロット欠陥とを識別することができない。
さらに、エピタキシャル層や炭化珪素基板に積層欠陥が存在する場合、近赤外域において、ブロック状ないし三角形の低輝度画像が検出され、或いはブロック状の低輝度画像と高輝度画像とが組み合わされたブロック状ないし三角形の画像が検出される。また、バンド端発光波長域において、ブロック状ないし三角形の低輝度画像が検出される。従って、積層欠陥は、PL画像の形状及び特徴に基づいて検出することが可能である。
一方、散乱光画像検査において、炭化珪素基板の表面及びエピタキシャル層の表面に欠陥が存在しない良質な結晶体の場合、照明ビームにより走査しても、エピタキシャル層及び炭化珪素基板の表面から散乱光は発生しない。これに対して、良質なエピタキシャル層上に異物が存在する場合、異物上を照明ビームで走査すると、異物から散乱光が発生する。従って、散乱光画像から異物を検出することが可能である。一方、異物からPL光は発生しないため、散乱光による欠陥像が検出され、PL光による欠陥像が検出されない場合、当該欠陥像は異物欠陥に起因する欠陥像として分類される。
エピタキシャル層にBPDが存在する場合、エピタキシャル層の表面には、BPDに起因する表面形状の変化は生じない。すなわち、BPDはエピタキシャル層の内部に存在し、エピタキシャル層の表面には出現しない特性がある。従って、BPDが存在する部位を照明ビームにより走査しても、散乱光による欠陥像は発生しない。これに対して、エピタキシャル層にキャロット欠陥が存在する場合、キャロット欠陥はエピタキシャル層の内部だけでなく、エピタキシャル層の表面にも出現し、エピタキシャル層の表面に凸状又は凹状の形状変化として出現する。従って、キャロット欠陥が存在する部位を走査した際、ライン状の散乱光画像が検出される。従って、PL光による欠陥像及び散乱光による欠陥像が検出された場合、当該欠陥像はキャロット欠陥に起因する欠陥像であると判定することができる。
上述した結果より、以下の事項が導かれる。BPDが存在する部位を走査した場合、可視域及び赤外域において、ライン状の高輝度のPL光画像が撮像され、バンド端発光波長域においてライン状の低輝度のPL画像が撮像され、散乱光による欠陥検査では欠陥像は検出されない。従って、BPDについては、PL光によるライン状の欠陥像が検出され、散乱光による欠陥像が検出されない場合、当該欠陥像はBPDに起因する欠陥像として分類することができる。
キャロット欠陥が存在する部位を走査した場合、可視域及び赤外域において、ライン状の高輝度のPL光画像が撮像され、バンド端発光波長域においてライン状の低輝度のPL画像が撮像され、散乱光による欠陥検査でもライン状の高輝度画像が検出される。従って、キャロット欠陥については、PL光によるライン状の欠陥像が検出されると共に散乱光によるライン状の欠陥像が検出された場合、当該欠陥像はキャロット欠陥に起因する欠陥像として分類することができる。
積層欠陥が存在する部位を走査した場合、三角形や四角形等のブロック状の低輝度又は低輝度画像と高輝度画像とが結合したブロック画像が検出される。従って、積層欠陥については、PL画像の形状から判断し、PL光によるブロック状の欠陥像が検出された場合、当該欠陥像は積層欠陥として分類することができる。
図4は本発明による信号処理装置の一例を示す図である。本例では、散乱光検査による欠陥検出とフォトルミネッセンス光検査による欠陥検出とを並行して実行し、これらの検査結果に基づいて検出された欠陥を分類する。第1〜第3の光検出手段14、18及び21から出力される輝度信号は、増幅器により増幅された後、A/D変換器30〜32にそれぞれ供給され、デジタル信号に変換する。
第1の光検出手段14から出力される輝度信号を第1の画像形成手段33に供給して散乱光による2次元画像(散乱光画像)を形成する。第2の光検出手段18から出力される第2の輝度信号を第2の画像形成手段34に供給し、中心波長が380nmのPL光による2次元画像(第1のPL画像)を形成する。第3の光検出手段21から出力される第3の輝度信号を第3の画像形成手段35に供給し、波長が700nm以上のPL光による2次元画像(第2のPL画像)を形成する。
第1〜第3の画像形成手段から出力される画像信号は欠陥像検出手段36に供給する。欠陥像検出手段36は、入力した画像信号を各画素ごとに基準輝度値と比較し、基準輝度値の範囲から外れた輝度値を示す画素を検出し、マッピングすることにより欠陥像を形成する。例えば、散乱光画像における欠陥像の検出は、基準輝度値の範囲から外れた画素をマッピングすることにより欠陥像が形成され、PL画像検査においては基準値を超える輝度の画像信号が検出された画素をマッピングすることにより欠陥像が検出される。
欠陥像検出手段36には、照明ビームが入射した基板の位置を示すアドレス情報も供給される。このアドレス情報は、炭化珪素基板5を支持するθステージ及びrステージの位置情報を用いることができる。検出された欠陥像及びそのアドレスは欠陥形状判定手段37に供給する。欠陥形状判定手段37は、検出された散乱光画像の欠陥像並びに第1及び第2のPL画像の欠陥像について、それらの形状を判定する。すなわち、散乱光画像の欠陥像の形状についは、例えば異物欠陥に起因する欠陥像とライン状の欠陥像とを識別する。さらに、第1のフォトルミネッセンス画像については、入力した欠陥像をライン状画像とブロック状の欠陥像とを識別する。さらに、第2のフォトルミネッセンス画像の欠陥像の形状についても、ライン状の欠陥像とブロック状の欠陥像とを識別する。欠陥形状判定手段37は、欠陥像の画素から欠陥像のサイズも判定する。さらに、照明ビームが入射した基板の位置を示すアドレス情報も供給される。そして、検出された欠陥像の形状情報、サイズ情報及びアドレス情報を含む欠陥データ情報を作成し、欠陥データメモリ38に記憶する。尚、この欠陥像の形状分類は一例であり、検査目的及び欠陥の種類に応じて種々の欠陥形状に分類することが可能である。尚、操作者は、基板の全面の検査が終了した後、欠陥のアドレスを用いて欠陥画像メモリ38にアクセスすることにより、希望する欠陥画像をモニタ上に表示して観察することができる。
欠陥形状判定手段37は、分類すべき欠陥情報として、欠陥の識別番号、欠陥の各種データ及びアドレスを含む欠陥情報を欠陥分類手段39に供給する。欠陥分類手段39は、欠陥情報が入力すると、欠陥データメモリ38にアクセスし、入力した欠陥情報に含まれるアドレスにおける欠陥データを取得し、取得した欠陥データに基づいて欠陥を分類する。すなわち、欠陥情報において指定されたアドレス位置における散乱光画像の欠陥像の形状及び特徴並びにフォトルミネッセンス画像の欠陥像の形状及び特徴に基づいて、当該アドレスの欠陥を分類する。例えば、散乱光画像による欠陥像が検出され、当該アドレスにおいてPL画像の欠陥像が検出されない場合、当該欠陥像は異物欠陥の欠陥像であると分類する。また、PL画像についてライン状の欠陥像が存在し、散乱光画像には欠陥像が存在しない場合、当該アドレスサイトには基底面内欠陥が存在すると判定する。さらに、欠陥情報に含まれるアドレスサイトにPL画像のライン状の欠陥像が存在し、散乱光画像においてもライン状の欠陥像が存在する場合、当該アドレスサイトにはキャロット欠陥が存在すると判定する。さらに、PL画像の欠陥像としてブロック状の欠陥像が検出された場合、当該欠陥像は積層欠陥による欠陥像として分類する。本例では、個別に検出されたPL画像と散乱光画像とが、欠陥の位置を示すアドレスを用いて相互に関連付けられているので、アドレスを指定することにより、当該アドレスサイトの欠陥を分類することができる。
分類された欠陥分類情報はアドレス情報と共に出力手段40に供給される。操作者はキーボードのような入力装置を介して希望する欠陥の種類や発生態様を特定した指定情報を入力する。例えば、基底面内欠陥(BPD)の発生密度が指定された場合、出力手段40は基底面内欠陥の単位面積当たりの個数や密度を算出し、その結果を出力する。或いは、炭化珪素基板の主表面をチィップが形成される予定のチィップ区域に分割し、各チィップ区域ごとに検出されたBPDの個数を示す欠陥情報を出力することができる。さらに、指定情報において各チィップ領域の検出された欠陥の種類及び個数が指定された場合、出力手段40は、各チィップ領域に存在する欠陥の種類及び個数を表示する欠陥情報を各チィップ区域ごとに出力することができる。
図5は本発明による検査装置の変形例を示す図である。本例では、複数の光ビーム(マルチビーム)によりエピタキシャル層の表面を走査し、検査のスループットを増大した例を示す。すなわち、単一の照明ビームを用いてエピタキシャル層の表面を螺旋状に走査したのでは、ウエハ全体を走査するのに相当な時間が必要である。そこで、本例では、マルチビームを用いてエピタキシャル層表面を螺旋状に走査すると共に、光検出手段として複数のフォトダイオードが2次元アレイ状に配列されたフォトダイオードアレイを用い、スループットを増大する。尚、図1で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。
波長が355nmの照明ビームを発生するレーザ光源1を用い、レーザ光源から出射した照明ビームはコリメータレンズ2により拡大平行光束に変換する。コリメータレンズ2の後段に照明ビームをマルチビームに変換する2次元回折格子50を配置する。2次元回折格子50に入射した照明ビームは、m行n列のマトリックス状に配列された2次元光ビームアレイに変換される。このマルチビームは、反射プリズム4及び集束レンズ5を介して炭化珪素基板6のエピタキシャル層表面に向けて投射する。各光ビームは、集束レンズ5により集束性ビームに変換され、エピタキシャル層の表面にm行n列の光スポットアレイが形成される。従って、エピタキシャル層の表面は、m×n本の集束性の光ビームbijにより走査される。尚、2次元回折格子の代わりに1次元回折格子を用い、複数の光ビームがライン状に配列された1次元マルチビームを用いてエピタキシャル層の表面を走査することも可能である。
図6は、光ビームbij によりエピタキシャル層の表面上に形成される光スポットアレイを示す。本例では、図面を明瞭にするため、4行3列にマトリックス状に配列されたマルチビーム(図面上白丸で示す)を示す。図6において、並進移動手段であるrステージの移動軸線L上に投影される投影スポットを黒丸で示す。本例では、エピタキシャル層の表面は、4×3=12個の光スポットで走査され、従って12個の光スポットによるスキャン長で走査され、スループットは相当増大する。
各光ビームbijの走査により発生した散乱光及びPL光は、集光光学系10により集光され、第1のダイクロィックミラー11により散乱光とPL光とが分離される。分離されたた散乱光Sijは、結像レンズ51を経て第1のフォトダイオードアレイ52上に結像される。第1のフォトダイオードアレイ52の構成を図7示す。フォトダイオードアレイ52は、m行n列のマトリックス状に配列されたフォトダイオード53ijを有する。ここで、i=1〜4、j=1〜3とする。各散乱光Sijはそれぞれ対応するフォトダイオードに入射する。このフォトダイオードアレイ52の各フォトダイオード53ijは相互に分離され、PL光は光入射開口を介して散乱光が入射するので、受光素子の前面にピンホールが配置された光学系と等価である。従って、共焦点光学系が構成され、散乱光による共焦点画像が撮像される。
第2のダイクロィックミラー13により分離された第1のPL光P1ijは、結像レンズ54を介して第2のフォトダイオードアレイ55に入射する。また、第2のPL光P2ijは、結像レンズ56を介して第3のフォトダイオードアレイ57に入射する。これらフォトダイオードアレイは、第1のフォトダイオードアレイと同様に、m行n列のマトリックス状に配列されたフォトダイオードを有する。従って、第1及び第2のPL光の画像を形成する光学系も共焦点光学系を構成する。よって、エピタキシャル層の下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥から発生するPL光による影響を受けない光学系が構成される。
図8は本発明による検査装置の別の変形例を示す。本例では、一方向に高速振動する照明ビームによりエピタキシャル層の表面を高速で走査する例について説明する。尚、図1で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。本例では、コリメータレンズ系2の後段に音響光学素子、ガルバノミラー、MEMSミラー等のビーム偏向素子60を配置し、照明ビームを一方向に周期的に高速偏向する照明ビームに変換する。ビーム偏向素子60の偏向方向は、炭化珪素基板5を並進移動させるrステージ10の進行方向と一致させる。従って、ステージ上に配置され回転する炭化珪素基板は、半径方向に高速振動する照明ビームにより螺旋状に走査される。
炭化珪素基板のエピタキシャル層から出射した散乱光及びPL光は、集光光学系12により集光され、第1の光分離手段13により散乱光とPL光とが分離される。散乱光は、集束性レンズ61を経て空間フィルタ62に入射する。空間フィルタ62は、照明ビームの振動方向と対応する方向に延在するスリット開口を有し、散乱光はスリットを介して光検出手段63に入射する。本例では、光検出手段63は、照明ビームの振動方向と対応する方向に延在する配列された複数の受光素子を有するラインセンサで構成する。本例では、エピタキシャル層の表面は高速振動する集束性の照明ビームにより走査されると共に、エピタキシャル層から出射した散乱光はスリットを介して受光されるので、共焦点光学系が構成される。尚、ラインセンサ以外の光検出手段として、光電子増倍管(PMT)やアバランシェフォトダイオード(APD)等の各種光検出手段を用いることができる。光検出手段としてPMTやAPDを用いる場合、ライン方向の輝度信号は、サンプリング時間から求めることができる。
第1の光分離手段13により分離されたPL光は、第2の光分離手段15に入射し、炭化珪素のバンド端発光波長域の第1のPL光と近赤外域の第2のPL光とに分離される。第1のPL光は、第2の光分離手段15を透過し、集束レンズ64により集束性ビームに変換され、第2の空間フィルタ65に入射する。第2の空間フィルタ65は、照明ビームの振動方向と対応する方向に延在するスリット開口を有し、第1のPL光はスリット開口を介して光検出手段66に入射する。光検出手段66は、照明ビームの振動方向と対応する方向に延在する配列された複数の受光素子を有するラインセンサで構成する。第1のPL光についても、エピタキシャル層の表面は高速振動する集束性の照明ビームにより走査されると共に、エピタキシャル層から出射した第1のPL光はスリットを介して受光されるので、共焦点光学系が構成される。この結果、エピタキシャル層の下地の炭化珪素基板の内部で発生したPL光は空間フィルタにより遮光され、エピタキシャル層で発生したPL光だけが光検出手段66に入射する。従って、エピタキシャル層の下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥から発生するPL光による影響を受けず、鮮明なPL画像が形成される。
近赤外域の第2のPL光は、第2の光分離手段15で反射し、集束性レンズ67により集束性ビームに変換され、第3の空間フィルタ68を経て第3の光検出手段69に入射する。第1のPL光の検出系と同様に、第2のPL光の検出系に配置した空間フィルタ68は照明ビームの振動方向と対応する方向にスリット開口を有し、光検出手段69もラインセンサにより構成する。従って、近赤外域の第2のPL光の検出系も共焦点光学系により構成され、エピタキシャル層の下地の炭化珪素基板に存在する結晶欠陥から発生するPL光による影響を受けない鮮明なPL画像を形成することができる。
本発明は上述した実施例だけに限定されず種々の変形や変更が可能である。例えば、上述した実施例では、バンド端発光波長域の第1のフォトルミネッセンス光と近赤外域の第2のフォトルミネッセンス光をそれぞれ検出する構成としたが、近赤外域の第2のフォトルミネッセンス光だけを検出して欠陥像を検出する構成とすることができ、或いは第1のフォトルミネッセンス光だけを検出して第1のフォトルミネッセンス光の欠陥像を検出して欠陥検出を行う構成とすることも可能である。
上述した実施例では、単一の照明ビーム又はマルチビームを用いてエピタキシャル層の表面を走査したが、ライン状の照明ビームを用いてエピタキシャル層の表面を螺旋状に走査することも可能である。この場合、ライン状照明ビームの延在方向はrステージ10の進行方向と一致させる。また、光検出手段として、ライン状の照明ビームの延在方向と対応する方向に沿って複数の受光素子が配列されたラインセンサが用いられる。
1 照明光源
2 コリメータレンズ系
3 反射プリズム
4 集束レンズ
5 炭化珪素基板
6 走査系
7 θステージ
8 θステージ角度検出系
9 信号処理装置
10 rステージ
11 rステージ位置検出系
12 集光系
13 第1のダイクロィックミラー
14 第1の光検出手段
15 第2の光検出手段
16,19 集束性レンズ
17,20 ピンホール
18 第2の光検出手段
21 第3の光検出手段
30〜32 A/D変換器
33〜35 画像形成手段
36 欠陥像検出手段
37 欠陥形状判定手段
38 欠陥データメモリ
39 欠陥分類手段
40 出力手段


Claims (10)

  1. 炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を検出する検査装置であって、
    紫外域の照明ビームを発生する照明光源、照明光源から出射した照明ビームを平行光束に変換するコリメータレンズ系、及び、コリメータレンズ系から出射した照明ビームを検査すべきエピタキシャル層に向けて集束性ビームとして投射する集束レンズを有する照明光学系と、
    前記照明ビームによりエピタキシャル層の表面を走査する走査系と、
    前記エピタキシャル層から出射した散乱光及びフォトルミネッセンス光を集光する集光光学系と、
    前記集光光学系により集光された光を、散乱光とフォトルミネッセンス光とに分離する光分離手段と、
    分離された散乱光及びフォトルミネッセンス光をそれぞれ検出する第1及び第2の光検出手段と、
    前記第1及び第2の光検出手段から出力される出力信号に基づき欠陥を検出する信号処理装置とを具え、
    前記信号処理装置は、前記第1及び第2の光検出手段から出力された出力信号を用いて散乱光画像及びフォトルミネッセンス画像をそれぞれ形成する手段、散乱光画像から欠陥を検出する第1の欠陥検出手段、及び、フォトルミネッセンス画像から欠陥を検出する第2の欠陥検出手段を含み、
    前記光分離手段と第2の光検出手段との間の光路中に、集束性レンズと空間フィルタが配置され、空間フィルタは、前記エピタキシャル層で発生したフォトルミネッセンス光を通過させると共に下地の炭化珪素基板で発生したフォトルミネッセンス光を遮光するように作用し、
    前記照明系のコリメータレンズ系はズームレンズ系として構成され、当該コリメータレンズの拡大倍率を制御することにより、照明光学系の開口角が制御されると共にエピタキシャル層の下地の炭化珪素基板で発生し前記空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が制御され
    前記炭化珪素基板に形成されたエピタキシャル層の厚さに応じて前記コリメータレンズを調整することにより、炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が調整されることを特徴とする検査装置。
  2. 炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を検出する検査装置であって、
    紫外域の照明ビームを発生する照明光源、照明光源から出射した照明ビームを平行光束に変換するコリメータレンズ系、及び、コリメータレンズ系から出射した照明ビームを検査すべきエピタキシャル層に向けて集束性ビームとして投射する集束レンズとを有する照明光学系と、
    前記照明ビームによりエピタキシャル層の表面を走査する走査系と、
    前記エピタキシャル層から出射した散乱光及びフォトルミネッセンス光を集光する集光光学系と、
    前記集光光学系により集光された光を、散乱光とフォトルミネッセンス光とに分離する第1の光分離手段、及び分離されたフォトルミネッセンス光を炭化珪素のバンド端発光波長を含む第1の波長域の第1のフォトルミネッセンス光と可視又は赤外域の第2の波長域の第2のフォトルミネッセンス光とに分離する第2の光分離手段を含む光分離光学系と、
    分離された散乱光、第1のフォトルミネッセンス光及び第2のフォトルミネッセンス光をそれぞれ検出する第1、第2及び第3の光検出手段と、
    前記第1、第2及び第3の光検出手段から出力される出力信号に基づき欠陥を検出する信号処理装置とを具え、
    前記信号処理装置は、前記第1〜第3の光検出手段からの出力信号を用いて散乱光画像、第1の波長域のフォトルミネッセンス光の第1のフォトルミネッセンス画像及び第2の波長位置のフォトルミネッセンス光の第2のフォトルミネッセンス画像をそれぞれ形成する手段、前記散乱光画像から欠陥を検出する第1の欠陥検出手段、前記第1のフォトルミネッセンス画像から欠陥を検出する第2の欠陥検出手段及び第2のフォトルミネッセンス画像から欠陥を検出する第3の欠陥検出手段を含み、
    前記第2の光分離手段と前記第1及び第2の光検出手段との間に光路中に、それぞれ集束性レンズと空間フィルタとが配置され、これら空間フィルタは、前記エピタキシャル層で発生したフォトルミネッセンス光を通過させると共に下地の炭化珪素基板で発生したフォトルミネッセンス光を遮光するように作用し、
    前記照明系のコリメータレンズ系はズームレンズ系として構成され、当該コリメータレンズの拡大倍率を制御することにより、照明光学系の開口角が制御されると共に前記エピタキシャル層の下地の炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が制御され
    前記炭化珪素基板に形成されたエピタキシャル層の厚さに応じて前記コリメータレンズを調整することにより、炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が調整されることを特徴とする検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の検査装置において、前記空間フィルタは、フォトルミネッセンス光を通過させるための調整可能な可変開口を有し、前記炭化珪素基板に形成されたエピタキシャル層の厚さに応じて空間フィルタの開口径が調整されることを特徴とする検査装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記信号処理装置は、基底面内欠陥を他の結晶欠陥から区別して分類する欠陥分類手段を有し、
    前記欠陥分類手段は、前記散乱光による欠陥検出の結果とフォトルミネッセンス光による欠陥検出の結果の両方を用いて基底面内欠陥を識別することを特徴とする検査装置。
  5. 請求項4に記載の検査装置において、前記欠陥分類手段は、前記フォトルミネッセンス光により欠陥が検出され、前記散乱光による欠陥検出により欠陥が検出されない場合、検出した欠陥を基底面内欠陥として分類し、フォトルミネッセンス光及び散乱光の両方により欠陥が検出された場合、検出された欠陥はキャロット欠陥として分類し、前記フォトルミネッセンス光により欠陥が検出されず散乱光により欠陥が検出された場合、検出された欠陥は異物欠陥として分類することを特徴とする検査装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記照明光源とエピタキシャル層が形成されている炭化珪素基板との間の光路中に前記照明光源から出射した照明ビームをマルチビームに変換する1次元又は2次元回折格子が配置され、前記エピタキシャル層の表面はマルチビームにより形成される複数の光スポットにより走査され、前記第1及び第2の光検出手段は、1次元又は2次元アレイ状に配列された複数の受光素子を有することを特徴とする検査装置。
  7. 炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する基底面内欠陥を他の結晶欠陥から区別して検出する検査装置であって、
    紫外域の照明ビームを発生する照明光源、照明光源から出射した照明ビームを平行光束に変換するコリメータレンズ系、及び、コリメータレンズ系から出射した照明ビームを検査すべきエピタキシャル層に向けて集束性ビームとして投射する集束レンズとを有する照明光学系と、
    前記照明ビームによりエピタキシャル層の表面を走査する走査系と、
    前記エピタキシャル層から出射した散乱光及びフォトルミネッセンス光を集光する集光光学系と、
    前記集光光学系により集光された光を、散乱光とフォトルミネッセンス光とに分離する第1の光分離手段と、
    分離された散乱光及びフォトルミネッセンス光をそれぞれ検出する第1及び第2の光検出手段と、
    前記第1及び第2の光検出手段から出力される出力信号に基づき欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する信号処理装置とを具え、
    前記信号処理装置は、前記第1及び第2の光検出手段から出力される出力信号を用いて散乱光画像及びフォトルミネッセンス画像をそれぞれ形成する手段、散乱光画像から欠陥像を検出する第1の欠陥検出手段、及びフォトルミネッセンス画像から欠陥像を検出する第2の欠陥検出手段、並びに、検出された欠陥像を用いて欠陥を分類する欠陥分類手段を含み、
    前記欠陥分類手段は、前記第2の欠陥検出手段により欠陥像が検出され、第1の欠陥検出手段により欠陥像が検出されない場合、当該欠陥を基底面内欠陥として分類し、
    前記光分離手段と第2の光検出手段との間に光路中に、集束性レンズと空間フィルタが配置され、空間フィルタは、前記エピタキシャル層で発生したフォトルミネッセンス光を通過させると共に下地の炭化珪素基板で発生したフォトルミネッセンス光を遮光するように作用し、
    前記照明系のコリメータレンズ系はズームレンズ系として構成され、当該コリメータレンズの拡大倍率を制御することにより、照明光学系の開口角が制御されると共に前記エピタキシャル層の下地の炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が制御され
    前記炭化珪素基板に形成されたエピタキシャル層の厚さに応じて前記コリメータレンズを調整することにより、炭化珪素基板で発生し空間フィルタにより遮光されるフォトルミネッセンス光の光量が調整されることを特徴とする検査装置。
  8. 請求項7に記載の検査装置において、前記第2の光検出手段は近赤外域のフォトルミネッセンス光を受光するように構成され、
    前記欠陥分類手段は、前記第2の欠陥検出手段により欠陥像としてライン状の高輝度画像が検出され前記第1の欠陥検出手段により欠陥像が検出されない場合、当該欠陥を基底面内欠陥として分類し、前記第1及び第2の欠陥検出手段がライン状の欠陥像を検出した場合、当該欠陥をキャロット欠陥として分類することを特徴とする検査装置。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記照明光源としてレーザ光源が用いられ、レーザ光源と炭化珪素基板との間の光路中に前記照明光源から出射した照明ビームをマルチビームに変換する1次元又は2次元回折格子が配置され、前記エピタキシャル層の表面はマルチビームにより形成される複数の光スポットにより走査され、前記第1及び第2の光検出手段は、1次元又は2次元アレイ状に配列された複数の受光素子を有することを特徴とする検査装置。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記コリメータレンズ系と集束レンズとの間の光路中に、前記照明光源から出射した照明ビームを周期的に一方向に高速振動する照明ビームに変換するビーム偏向素子が配置され、前記エピタキシャル層の表面は周期的に高速振動する集束性の照明ビームにより走査され、
    前記空間フィルタは、前記照明ビームの振動方向と対応する方向に形成されたライン状のスリット開口を有することを特徴とする検査装置。
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