JP7368041B1 - 欠陥検査方法、欠陥検査装置、及び炭化珪素チップの製造方法 - Google Patents
欠陥検査方法、欠陥検査装置、及び炭化珪素チップの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7368041B1 JP7368041B1 JP2023542017A JP2023542017A JP7368041B1 JP 7368041 B1 JP7368041 B1 JP 7368041B1 JP 2023542017 A JP2023542017 A JP 2023542017A JP 2023542017 A JP2023542017 A JP 2023542017A JP 7368041 B1 JP7368041 B1 JP 7368041B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon carbide
- carbide substrate
- ultraviolet light
- bpd
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 229910010271 silicon carbide Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 159
- HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N silicon carbide Chemical compound [Si+]#[C-] HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N 0.000 title claims abstract description 157
- 230000007547 defect Effects 0.000 title claims abstract description 118
- 238000007689 inspection Methods 0.000 title claims abstract description 88
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 78
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 32
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims abstract description 205
- 238000012800 visualization Methods 0.000 claims abstract description 21
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims abstract description 16
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 claims description 23
- 238000013507 mapping Methods 0.000 claims description 17
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 13
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 claims description 10
- 238000009826 distribution Methods 0.000 claims description 9
- 230000004907 flux Effects 0.000 claims description 8
- 238000005286 illumination Methods 0.000 claims description 7
- 230000007717 exclusion Effects 0.000 claims description 6
- 230000002950 deficient Effects 0.000 claims description 5
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 3
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 abstract description 2
- 239000010703 silicon Substances 0.000 abstract description 2
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 15
- 230000008569 process Effects 0.000 description 13
- 239000000969 carrier Substances 0.000 description 12
- KWYUFKZDYYNOTN-UHFFFAOYSA-M Potassium hydroxide Chemical compound [OH-].[K+] KWYUFKZDYYNOTN-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 10
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 5
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 5
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 4
- 238000005530 etching Methods 0.000 description 4
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 4
- 230000006870 function Effects 0.000 description 4
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 4
- 238000012935 Averaging Methods 0.000 description 3
- 230000015556 catabolic process Effects 0.000 description 3
- 238000006731 degradation reaction Methods 0.000 description 3
- 238000001000 micrograph Methods 0.000 description 3
- 238000005498 polishing Methods 0.000 description 3
- 238000003860 storage Methods 0.000 description 3
- 239000010409 thin film Substances 0.000 description 3
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000003708 edge detection Methods 0.000 description 2
- 238000010191 image analysis Methods 0.000 description 2
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 description 2
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 2
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 230000006798 recombination Effects 0.000 description 2
- 238000005215 recombination Methods 0.000 description 2
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 2
- 229910002601 GaN Inorganic materials 0.000 description 1
- JMASRVWKEDWRBT-UHFFFAOYSA-N Gallium nitride Chemical compound [Ga]#N JMASRVWKEDWRBT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000003513 alkali Substances 0.000 description 1
- 239000002585 base Substances 0.000 description 1
- 125000004432 carbon atom Chemical group C* 0.000 description 1
- 230000008859 change Effects 0.000 description 1
- 238000003486 chemical etching Methods 0.000 description 1
- 230000000295 complement effect Effects 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 230000005611 electricity Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 1
- 239000010408 film Substances 0.000 description 1
- 230000007774 longterm Effects 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 1
- QSHDDOUJBYECFT-UHFFFAOYSA-N mercury Chemical compound [Hg] QSHDDOUJBYECFT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052753 mercury Inorganic materials 0.000 description 1
- VSQYNPJPULBZKU-UHFFFAOYSA-N mercury xenon Chemical compound [Xe].[Hg] VSQYNPJPULBZKU-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 229910052757 nitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005424 photoluminescence Methods 0.000 description 1
- 229910052720 vanadium Inorganic materials 0.000 description 1
- LEONUFNNVUYDNQ-UHFFFAOYSA-N vanadium atom Chemical compound [V] LEONUFNNVUYDNQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
Abstract
Description
基板層、バッファ層、及びドリフト層を有する炭化珪素基板において、前記基板層と前記バッファ層との界面で貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)を検出する欠陥検査方法であって、
基底面転位(BPD)が貫通刃状転位(TED)に変換した変換点からショックレー型積層欠陥(SSF)を拡張させる第一紫外光を、少なくとも前記基板層と前記バッファ層との界面まで到達する波長及びUV照度で、前記炭化珪素基板の全体に照射する照射工程と、
前記第一紫外光よりも低照度の第二紫外光を、前記炭化珪素基板の全体に照射して当該炭化珪素基板をPL発光させることにより可視化する可視化工程と、
PL発光している前記炭化珪素基板を撮影する撮影工程と、
前記撮影工程で撮影されたPL発光画像において、ショックレー型積層欠陥(SSF)の欠陥像が生じている領域に貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)が存在すると判定する判定工程と
を包含することにある。
前記照射工程において、前記炭化珪素基板を100~200℃に加熱した状態で、前記第一紫外光を照射することが好ましい。
前記第一紫外光は、波長が325~365nmであり、UV照度が10W/cm2以上であることが好ましい。
前記第一紫外光は、中心部の照度が相対的に高く、周縁部の照度が相対的に低い同心円状の照度分布を有する光束であり、当該光束の照度が所定以上となる円の領域が連続するように一定間隔でずらしながらパルス照射されることが好ましい。
前記照射工程において、前記第一紫外光を、ガルバノスキャナを用いて照射することが好ましい。
前記基板層と前記バッファ層との界面に存在する基底面転位(BPD)が貫通刃状転位(TED)に変換した変換点からショックレー型積層欠陥(SSF)が拡張した炭化珪素基板を加熱することにより、前記ショックレー型積層欠陥(SSF)を収縮させる収縮工程をさらに包含することが好ましい。
基板層、バッファ層、及びドリフト層を有する炭化珪素基板において、前記基板層と前記バッファ層との界面で貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)を検出する欠陥検査装置であって、
基底面転位(BPD)が貫通刃状転位(TED)に変換した変換点からショックレー型積層欠陥(SSF)を拡張させる第一紫外光を、少なくとも前記基板層と前記バッファ層との界面まで到達する波長及びUV照度で、前記炭化珪素基板の全体に照射する欠陥拡張用照射手段と、
前記第一紫外光よりも低照度の第二紫外光を、前記炭化珪素基板の全体に照射して当該炭化珪素基板をPL発光させる可視化用照射手段と、
PL発光している前記炭化珪素基板を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影されたPL発光画像において、ショックレー型積層欠陥(SSF)の欠陥像が生じている領域に貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)が存在すると判定する判定手段と
を備えることにある。
上記に記載の欠陥検査方法によって前記ショックレー型積層欠陥(SSF)を収縮させた炭化珪素基板から炭化珪素チップを製造する炭化珪素チップの製造方法であって、
前記判定工程により貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)が存在すると判定された領域を前記炭化珪素基板の全体に対してマッピングしたマッピングデータを作成するマッピング工程と、
前記炭化珪素基板上に、回路を形成する回路形成工程と、
前記炭化珪素基板を複数のチップに切断する切断工程と、
前記マッピングデータに基づき、貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)が存在すると判定された領域を含む不良チップを除外する除外工程と
を包含することにある。
本発明の欠陥検査方法、欠陥検査装置、及び炭化珪素チップの製造方法を説明する前に、パワーデバイスの製造に用いる炭化珪素基板について説明する。図1は、炭化珪素基板100を模式的に示す説明図であり、(a)は炭化珪素基板100の断面図、(b)は基板層101とバッファ層102との界面IでTEDに変換したBPDからのSSFの拡張を示す斜視図である。図1(b)では、炭化珪素基板100の一部を切り欠いて基底面に平行な平面を図示している。なお、基底面とは結晶構造を特定する際に用いるc軸に垂直な面である。また、図1(b)では、切り欠いた領域に存在したTEDを破線により図示している。
図3は、本発明の欠陥検査装置1の概略構成図である。欠陥検査装置1は、半導体に励起光を照射したときに発生するPL光を利用して載置台6に載置された炭化珪素基板100を検査する装置である。図3に示すように、欠陥検査装置1は、欠陥拡張用照射手段2、可視化用照射手段3、撮影手段4、及び判定手段5を備えている。欠陥拡張用照射手段2、可視化用照射手段3、撮影手段4、及び判定手段5は、制御手段7によって夫々の動作が制御される。以下、欠陥検査装置1の各構成について詳細に説明する。
欠陥拡張用照射手段2は、BPDがTEDに変換した変換点からSSFを拡張させる第一紫外光L1を、少なくとも基板層101とバッファ層102との界面Iまで到達する波長及びUV照度で、炭化珪素基板100の全体に照射する手段である。第一紫外光L1の波長は、325~365nmが好ましく、355nmがより好ましい。第一紫外光L1のUV照度は、10W/cm2以上が好ましく、100W/cm2以上がより好ましい。第一紫外光L1の波長が325~365nmであり、UV照度が10W/cm2以上であることにより、第一紫外光L1は、少なくとも基板層101とバッファ層102との界面Iまで到達するため、基板層101にキャリアを発生させ、潜在BPDからSSFを拡張させることができる。なお、第一紫外光L1のUV照度が10W/cm2より小さい場合、SSFの拡張速度が遅くなり、パワーデバイスの製造プロセスにおいて望まれる迅速な検査を行うことができない虞がある。このように、波長とUV照度とを適切な範囲に設定することで、BPDのうちSSFが拡張する虞のある潜在BPDを適切に検出することができる。なお、第一紫外光L1は、少なくとも基板層101とバッファ層102との界面Iまで到達する波長及びUV照度であればその種類は限定されず、例えば、He-Cdレーザー、YAGレーザー、InGaNレーザー等が挙げられる。これらの中でも、YAGレーザーを用いることが好ましい。
可視化用照射手段3は、第一紫外光L1よりも低照度の第二紫外光L2を、炭化珪素基板100の全体に照射して炭化珪素基板100をPL発光させる手段である。第二紫外光L2のUV照度は、1W/cm2以下が好ましい。第二紫外光L2の波長は、365nm以下が好ましい。第二紫外光L2は、炭化珪素基板100を励起し、PL発光させる。可視化用照射手段3により第二紫外光L2を炭化珪素基板100の全体に照射することで、拡張されたSSFからPL光L3が発光し、潜在BPDを検出することができる。第二紫外光L2は、第一紫外光L1よりも低照度であり、光源には、例えば、紫外線レーザー、水銀キセノンランプ等を用いることができる。上記の照射条件であれば、BPDがTEDに変換した変換点からこれ以上SSFを拡張させることなく、炭化珪素基板100が励起され、PL光L3を発光させることができる。
撮影手段4は、PL発光している炭化珪素基板100を撮影する手段である。撮影手段4は、CCD(Charged-coupled devices)、CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)等の固体撮像素子を二次元アレイ状に配列したイメージセンサーを有し、撮影手段4への入射光を、イメージセンサーで検知するデジタルカメラである。撮影手段4は、炭化珪素基板100の任意の位置を、基板表面の法線方向から撮影できるように、移動可能に構成されることが好ましい。撮影手段4は、可視化用照射手段3から第二紫外光L2が照射された後に、PL光L3を含むPL発光画像を撮影する。PL発光画像では、SSFが存在する位置に線状の明るい欠陥像が現れる。撮影手段4は、撮影した画像を、例えば、ハードディスク等のストレージ(図示せず)に記録する。
判定手段5は、撮影手段4で撮影されたPL発光画像において、SSFの欠陥像が生じている領域に潜在BPDが存在するか否かを判定する。判定手段5は、CPU、メモリ、及びストレージ等を有するコンピュータにおいて、メモリに記録されているプログラムをCPUが読み出して実行することで、判定機能が実現される。具体的には、判定手段5は、PL発光画像を画像解析することによって、線状の明るい欠陥像であるSSFの欠陥像を抽出し、この欠陥像が生じた領域にBPDが存在していると判定する。欠陥像の抽出は、例えば、エッジ検出処理等により実行することができる。
載置台6は、ヒーターを内蔵し、上面に載置された炭化珪素基板100を加熱する。載置台6は、欠陥拡張用照射手段2により炭化珪素基板100の全体に第一紫外光L1を照射する際に、炭化珪素基板100の温度が100~200℃になるように加熱することが好ましく、100~150℃になるように加熱することがより好ましい。炭化珪素基板100を100~200℃に加熱することで、キャリアの発生効率が向上し、第一紫外光L1を照射すると、短時間でSSFを拡張させることができ、検査時間を短縮することができる。また、第一紫外光L1の照射時の温度を、自動車のエンジンルーム等での使用温度(100~200℃)として想定される温度に設定することで、車載用パワーデバイスにおいて、順方向通電劣化を引き起こす虞のある潜在BPDを適切に検出することができる。
制御手段7は、CPU、メモリ、ストレージ等を有するコンピュータにおいて、メモリに記録されているプログラムをCPUが読み出して実行することで、欠陥拡張用照射手段2、可視化用照射手段3、撮影手段4、及び判定手段5の各動作を制御する機能が実現される。
図5は、本発明の欠陥検査方法、及び炭化珪素チップの製造方法の手順を示すフローチャートである。本発明の欠陥検査方法は、図3の欠陥検査装置1を用いて、照射工程、可視化工程、撮影工程、及び判定工程の各工程が順に実行され、さらに任意の工程として、収縮工程が実行される。また、本発明の炭化珪素チップの製造方法は、上記の欠陥検査方法の各工程に続いて、マッピング工程、回路形成工程、切断工程、及び除外工程が順に実行される。なお、図5のフローチャートにおいて、欠陥検査方法、及び炭化珪素チップの製造方法の各ステップを記号「S」で示してある。
照射工程では、欠陥拡張用照射手段2によって炭化珪素基板100に、少なくとも基板層101とバッファ層102との界面Iまで到達する波長及びUV照度で第一紫外光L1を照射する(S1)。照射工程において、炭化珪素基板100を100~200℃に加熱した状態で、第一紫外光L1を照射することが好ましく、炭化珪素基板100を100~150℃に加熱した状態で、第一紫外光L1を照射することがより好ましい。炭化珪素基板100を100~200℃に加熱した状態で、第一紫外光L1を照射することで、キャリアの発生効率が向上し、短時間でSSFを拡張させることができ、検査時間を短縮することができる。また、第一紫外光L1の照射時の温度を、自動車のエンジンルーム等での使用温度(100~200℃)として想定される温度に設定することで、車載用パワーデバイスにおいて、BPDのうちSSFが拡張する虞のある潜在BPDを適切に検出することができる。照射工程における第一紫外光L1は、波長が325~365nmであり、UV照度が10W/cm2以上であることが好ましく、波長が355nmであり、UV照度が100W/cm2以上であることがより好ましい。上記の照射条件で第一紫外光L1を照射することにより、基板層101に十分なキャリアを発生させ、潜在BPDからSSFを適切に拡張させることができる。また、波長とUV照度とを上記の範囲に設定することで、BPDのうちSSFが拡張する虞のある潜在BPDを適切に検出することができる。また、照射工程においては、第一紫外光L1は、中心部Oの照度が相対的に高く、周縁部の照度が相対的に低い同心円状の照度分布を有する光束であり、当該光束の照度が所定以上となる円の領域が連続するように一定間隔でずらしながらパルス照射されることが好ましい。これにより、SSFの拡張に必要な照度の第一紫外光L1を、その照度分布を平均化しながら炭化珪素基板100全体に対して照射することができ、潜在BPDからSSFを均一に拡張させることができる。さらに、照射工程において、第一紫外光L1を、ガルバノスキャナ23を用いて照射することが好ましい。ガルバノスキャナ23を用いて照射することで、炭化珪素基板100の全体に第一紫外光L1を高精度かつ均一に照射することができる。S2においては、制御手段7は、第一紫外光L1が照射されていない未照射の領域があるかを判定する。未照射の領域がある場合(S2:Yes)、制御手段7はガルバノスキャナ23を制御し、S1に戻って未照射の領域に対する照射工程を繰り返し実行する。未照射の領域がない場合(S2:No)、可視化工程へ処理を進める。
可視化工程では、可視化用照射手段3によって炭化珪素基板100の全体に第二紫外光L2を照射することで、炭化珪素基板100をPL発光させる(S3)。可視化工程における第二紫外光L2は、波長が365nm以下であり、UV照度が1W/cm2以下であることが好ましい。上記の照射条件で第二紫外光L2を照射することにより、BPDがTEDに変換した変換点からこれ以上SSFを拡張させることなく、炭化珪素基板100が励起され、PL光L3を発光させることができる。
撮影工程では、PL発光している炭化珪素基板100を撮影する(S4)。一般に、SiC-MOSFET等のパワーデバイスでは、ドリフト層103が厚み5~10μm程度に形成され、オフ角が4°に設定されるため、基板表面の法線方向から撮影したドリフト層103中の帯状のSSFの幅は70~140μm程度となる。そのため、PL発光画像は、幅が70~140μm程度である帯状のSSFを、複数画素に相当する大きさで撮影する。撮影工程では、炭化珪素基板100の全体を一括して撮影してもよいし、炭化珪素基板100を複数の領域に分割して撮影してもよい。
判定工程では、PL発光画像においてSSFの欠陥像が生じている領域に潜在BPDが存在するか否かを判定する(S5)。欠陥像の抽出は、例えば、エッジ検出処理等により実行することができる。PL発光画像を画像解析することによって、線状の明るい欠陥像であるSSFの欠陥像を抽出し、この欠陥像が生じた領域にBPDが存在していると判定する。
収縮工程では、炭化珪素基板100を加熱し、炭化珪素基板100中の拡張したSSFを収縮させる(S6)。炭化珪素基板100の加熱は、載置台6に内蔵されるヒーターとは別に、例えば加熱炉等により行われる。収縮工程における炭化珪素基板100の温度は、照射工程の実行時の炭化珪素基板100の加熱温度よりも高温にされ、例えば、300~1000℃に設定される。上記の温度で加熱することにより、拡張したSSFが収縮して欠陥が修復されるため、検査後の炭化珪素基板100をそのまま製品化することができる。したがって、本発明の欠陥検査方法によれば、パワーデバイスの製造において、全数検査が可能となる。
炭化珪素チップの製造方法は、欠陥検査方法における収縮工程の実行後に、マッピング工程、回路形成工程、切断工程、及び除外工程の各工程を順に実行するものである。
マッピング工程では、判定工程により潜在BPDが存在すると判定された領域を炭化珪素基板100の全体に対してマッピングしたマッピングデータを作成する(S7)。マッピングデータの作成は、例えば、制御手段7が、判定手段5より潜在BPDの位置情報を受け取り、マッピングを行う。マッピングデータを作成することにより、潜在BPDの位置を確認することができる。
回路形成工程は、炭化珪素基板100上に、回路を形成する(S8)。回路形成工程では、例えば、炭化珪素基板100上に、ソース、ドレイン、ゲートの各端子が形成される。
切断工程は、炭化珪素基板100を複数のチップに切断する(S9)。切断工程は、例えば、金属ブレードによるブレードダイシング、及びレーザーを用いるステルスダイシング等を用いて炭化珪素基板100を切断することができる。
除外工程は、マッピング工程において作成されたマッピングデータに基づき、潜在BPDが存在すると判定された領域を含む不良チップを除外する(S10)。不良チップを除外するため、順方向通電劣化の原因となる結晶欠陥を含まず、安定性が高い炭化珪素チップを製造することができる。
炭化珪素基板として、エピタキシャル成長法により製造された炭化珪素単結晶の薄膜基板(4インチウェハ)を用い、炭化珪素基板を100℃に加熱した状態で、第一紫外光を炭化珪素基板全体に照射し、次いで、第一紫外光よりも低照度の第二紫外光を照射した。第一紫外光は、波長355nm、及びUV照度150W/cm2であるYAGレーザーを光源として用いた。第二紫外光は、波長313nm、UV照度0.3W/cm2である超高圧水銀灯を光源として用いた。PL発光した炭化珪素基板をカメラで撮影し、PL発光画像を得た。PL発光画像の撮影は、画素数が100万である冷却CCDイメージセンサーを有するデジタルカメラで、顕微鏡対物レンズ10倍を使用し、露光時間5秒、バンドパスフィルター420nmの条件で行った。
実施例1と同様の炭化珪素基板を用い、第一紫外光を照射する際の温度を図6に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にしてPL発光画像を得た。
2 欠陥拡張用照射手段
3 可視化用照射手段
4 撮影手段
5 判定手段
100 炭化珪素基板
101 基板層
102 バッファ層
103 ドリフト層
L1 第一紫外光
L2 第二紫外光
I 界面
O 中心部
Claims (8)
- 基板層、バッファ層、及びドリフト層を有する炭化珪素基板において、前記基板層と前記バッファ層との界面で貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)を検出する欠陥検査方法であって、
基底面転位(BPD)が貫通刃状転位(TED)に変換した変換点からショックレー型積層欠陥(SSF)を拡張させる第一紫外光を、少なくとも前記基板層と前記バッファ層との界面まで到達する波長及びUV照度で、前記炭化珪素基板の全体に照射する照射工程と、
前記第一紫外光よりも低照度の第二紫外光を、前記炭化珪素基板の全体に照射して当該炭化珪素基板をPL発光させることにより可視化する可視化工程と、
PL発光している前記炭化珪素基板を撮影する撮影工程と、
前記撮影工程で撮影されたPL発光画像において、ショックレー型積層欠陥(SSF)の欠陥像が生じている領域に貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)が存在すると判定する判定工程と
を包含する欠陥検査方法。 - 前記照射工程において、前記炭化珪素基板を100~200℃に加熱した状態で、前記第一紫外光を照射する請求項1に記載の欠陥検査方法。
- 前記第一紫外光は、波長が325~365nmであり、UV照度が10W/cm2以上である請求項1に記載の欠陥検査方法。
- 前記第一紫外光は、中心部の照度が相対的に高く、周縁部の照度が相対的に低い同心円状の照度分布を有する光束であり、当該光束の照度が所定以上となる円の領域が連続するように一定間隔でずらしながらパルス照射される請求項1に記載の欠陥検査方法。
- 前記照射工程において、前記第一紫外光を、ガルバノスキャナを用いて照射する請求項4に記載の欠陥検査方法。
- 前記基板層と前記バッファ層との界面に存在する基底面転位(BPD)が貫通刃状転位(TED)に変換した変換点からショックレー型積層欠陥(SSF)が拡張した炭化珪素基板を加熱することにより、前記ショックレー型積層欠陥(SSF)を収縮させる収縮工程をさらに包含する請求項1~5の何れか一項に記載の欠陥検査方法。
- 基板層、バッファ層、及びドリフト層を有する炭化珪素基板において、前記基板層と前記バッファ層との界面で貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)を検出する欠陥検査装置であって、
基底面転位(BPD)が貫通刃状転位(TED)に変換した変換点からショックレー型積層欠陥(SSF)を拡張させる第一紫外光を、少なくとも前記基板層と前記バッファ層との界面まで到達する波長及びUV照度で、前記炭化珪素基板の全体に照射する欠陥拡張用照射手段と、
前記第一紫外光よりも低照度の第二紫外光を、前記炭化珪素基板の全体に照射して当該炭化珪素基板をPL発光させる可視化用照射手段と、
PL発光している前記炭化珪素基板を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影されたPL発光画像において、ショックレー型積層欠陥(SSF)の欠陥像が生じている領域に貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)が存在すると判定する判定手段と
を備える欠陥検査装置。 - 請求項6に記載の欠陥検査方法によって前記ショックレー型積層欠陥(SSF)を収縮させた炭化珪素基板から炭化珪素チップを製造する炭化珪素チップの製造方法であって、
前記判定工程により貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)が存在すると判定された領域を前記炭化珪素基板の全体に対してマッピングしたマッピングデータを作成するマッピング工程と、
前記炭化珪素基板上に、回路を形成する回路形成工程と、
前記炭化珪素基板を複数のチップに切断する切断工程と、
前記マッピングデータに基づき、貫通刃状転位(TED)に変換した基底面転位(BPD)が存在すると判定された領域を含む不良チップを除外する除外工程と
を包含する炭化珪素チップの製造方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023025618 | 2023-07-11 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP7368041B1 true JP7368041B1 (ja) | 2023-10-24 |
Family
ID=88418471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023542017A Active JP7368041B1 (ja) | 2023-07-11 | 2023-07-11 | 欠陥検査方法、欠陥検査装置、及び炭化珪素チップの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7368041B1 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016121628A1 (ja) * | 2015-01-28 | 2016-08-04 | 東レエンジニアリング株式会社 | ワイドギャップ半導体基板の欠陥検査方法及び欠陥検査装置 |
JP2016166112A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 株式会社東芝 | 半導体基板及び半導体装置 |
JP2016197079A (ja) * | 2015-04-06 | 2016-11-24 | レーザーテック株式会社 | 検査装置 |
JP2019160999A (ja) * | 2018-03-13 | 2019-09-19 | 株式会社アイテス | 欠陥検査装置、及び欠陥検査方法 |
WO2021177127A1 (ja) * | 2020-03-03 | 2021-09-10 | 株式会社アイテス | 欠陥検査方法、及び欠陥検査装置 |
-
2023
- 2023-07-11 JP JP2023542017A patent/JP7368041B1/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016121628A1 (ja) * | 2015-01-28 | 2016-08-04 | 東レエンジニアリング株式会社 | ワイドギャップ半導体基板の欠陥検査方法及び欠陥検査装置 |
JP2016166112A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 株式会社東芝 | 半導体基板及び半導体装置 |
JP2016197079A (ja) * | 2015-04-06 | 2016-11-24 | レーザーテック株式会社 | 検査装置 |
JP2019160999A (ja) * | 2018-03-13 | 2019-09-19 | 株式会社アイテス | 欠陥検査装置、及び欠陥検査方法 |
WO2021177127A1 (ja) * | 2020-03-03 | 2021-09-10 | 株式会社アイテス | 欠陥検査方法、及び欠陥検査装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8216361B2 (en) | Monocrystalline semiconductor wafer comprising defect-reduced regions and method for producing it | |
JP6999212B1 (ja) | 欠陥検査方法、及び欠陥検査装置 | |
JP7106217B2 (ja) | ファセット領域の検出方法及び検出装置 | |
TWI398911B (zh) | 製造半導體晶圓之方法 | |
JP2011040564A (ja) | 半導体素子の製造方法および製造装置 | |
JP6585799B1 (ja) | SiC基板の評価方法及びSiCエピタキシャルウェハの製造方法 | |
JP6516583B2 (ja) | 半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法 | |
JP4886761B2 (ja) | 炭化珪素半導体装置の検査方法および検査装置、並びに炭化珪素半導体装置の製造方法 | |
JP2020102520A (ja) | レーザ加工方法、及び、半導体部材製造方法 | |
JP7368041B1 (ja) | 欠陥検査方法、欠陥検査装置、及び炭化珪素チップの製造方法 | |
TW201832284A (zh) | 蝕刻方法 | |
JP4836626B2 (ja) | 半導体基板の検査方法、半導体基板の検査装置、半導体基板の評価方法、および半導体基板の評価装置 | |
JP2011171377A (ja) | シリコンウェーハの製造方法 | |
JP4338178B2 (ja) | 炭化珪素半導体装置の検査方法および検査装置、並びに炭化珪素半導体装置の製造方法 | |
TWI743312B (zh) | 剝離基板製造方法 | |
JP5615251B2 (ja) | 結晶欠陥検出方法、炭化珪素半導体装置の製造方法 | |
JP5477697B2 (ja) | シリコンウェーハの表面または表層評価方法 | |
JP7007656B2 (ja) | 剥離基板製造方法 | |
WO2020130108A1 (ja) | レーザ加工方法、及び、半導体デバイス製造方法 | |
JP6466604B1 (ja) | 太陽電池試料検査装置、及び太陽電池試料検査方法 | |
Moser et al. | Laser processing of GaN-based LEDs with ultraviolet picosecond laser pulses | |
JP2020102522A (ja) | レーザ加工装置 | |
KR102628328B1 (ko) | SiC 단결정 기판 | |
JP5544734B2 (ja) | シリコンウェーハの製造方法、エピタキシャルウェーハの製造方法、および固体撮像素子の製造方法 | |
TWI849945B (zh) | 碳化矽單結晶基板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230711 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20230711 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20231003 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20231004 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7368041 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |