JP5849265B2 - 弾性表面波型加速度センサおよびセンサ素子基体 - Google Patents

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本発明は弾性表面波型加速度センサおよびセンサ素子基体に係り、特に、弾性表面波を有する加速度センサにおいて、簡易かつ高感度に多軸感度検出することを可能とする、弾性表面波型加速度センサおよびセンサ素子基体に関するものである。
加速度センサは加速度を検出するセンサであり、適切な信号処理を行うことによって、傾きや動き、振動や衝撃といったさまざまな情報が得られる。たとえば自動車では、エアバッグや横滑り制御装置などのシステムなどに利用されている。
さて加速度センサについては従来、種々の技術的提案もなされている。このうち、後掲特許文献1、2には、弾性表面波(SAW :surface acoustic wave)を利用した加速度センサが開示されており、弾性表面波共振子形成部の撓みによって発生する引張・圧縮応力によりSAW伝搬速度を変化させ、発振周波数変化として検出する加速度センサが開示されている。
特開2009−243983号公報「弾性表面波センサ及び弾性表面波センサ素子」 特開2009−243981号公報「弾性表面波センサ」
しかし、特許文献1開示技術では、撓み量を増やすために錘を負荷させる必要がある。さらに、多軸検出についても複雑な製造技術や設備が必要となるという問題点がある。また特許文献2開示技術では、弾性表面波形成部の撓みによって発生する引張・圧縮応力とSAW(SH波 水平方向に振動する波)の伝搬方向を直交配置にし、SH波の変位方向を前述引張・圧縮応力の方向と一致させているため、引張・圧縮応力が発生しても、SH波の変位は変化するが弾性表面波共振器の伝搬路長が変化しないため、周波数変化が小さく、デジタル処理をする場合パルス密度が変わらず、高感度化に難点がある。さらに3軸加速度の検出においては、Y軸加速度検知用の弾性表面波用共振器を4つ追加し、かつ、発振回路も合わせて追加する必要があるため、素子の小型化・回路の小型化にも難点がある。
そこで本発明が解決しようとする課題は、多軸検出についても複雑な製造技術や設備を要することなく、簡便な素子構造によって、かつ1個の素子のみによって、2軸または3軸の加速度検出を高感度に行うことのできる、弾性表面波型加速度センサおよびセンサ素子基体を提供することである。また本発明の課題は、3軸加速度の検出を行うセンサであっても、素子を小型化でき、回路を小型化することのできる、弾性表面波型加速度センサおよびセンサ素子基体を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、弾性表面波型加速度センサを、二の錘部と一の支持部、もしくは一の錘部と二の支持部、およびそれらを連結する梁を有する構造として、少なくとも二箇所の梁の表面にそれぞれ一以上の弾性表面波共振器を備えた構成とすることで課題を解決できることに想到し、これに基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
(1) 多軸加速度を検出する弾性表面波型加速度センサであり、三の剛体と、該剛体間を連結する梁とを有し、該剛体は加速度を受けて変位する錘部と変位しない支持部とであって、該錘部と該支持部とは交互に配置され、少なくとも各梁の表面にそれぞれ1以上の弾性表面波共振器を備えており、該剛体のうち中央に配置される剛体には弾性表面波共振器を設けず、加速度検出のための演算処理には本センサ外部からの基準信号が用いられることを特徴とする、弾性表面波型加速度センサ。
(2) 多軸加速度を検出する弾性表面波型加速度センサであり、三の剛体と、該剛体間を連結する梁とを有し、該剛体は加速度を受けて変位する錘部と変位しない支持部とであって、該錘部と該支持部とは交互に配置され、少なくとも各梁の表面にそれぞれ1以上の弾性表面波共振器を備えており、該支持部を中心として該錘部がその両側に配置されてなることを特徴とする、弾性表面波型加速度センサ。
(3) 前記梁の弾性表面波共振器は、本弾性表面波型加速度センサにおける前記剛体配置方向長さに直交する中心線(以下、「長さ方向の中心線」という。)に対して線対称に配置されていることを特徴とする、(1)または(2)に記載の弾性表面波型加速度センサ。
(4) 前記梁の弾性表面波共振器は四個設けられ、これらは、本弾性表面波型加速度センサにおける前記剛体配置方向長さに直交する中心線(以下、「長さ方向の中心線」という。)、および該長さ方向の中心線に直交する中心線(以下、「幅方向の中心線」という。)の双方に対して線対称に配置されていることを特徴とする、(1)または(2)に記載の弾性表面波型加速度センサ。
(5) 前記四個の弾性表面波共振器は、幅方向の中心線上から外れた端部寄りに配置されていることを特徴とする、(4)に記載の弾性表面波型加速度センサ。
(6) 前記錘部を中心として前記支持部がその両側に配置されてなることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の弾性表面波型加速度センサ。
(7) (1)ないし(6)のいずれかに記載の弾性表面波型加速度センサを構成する、少なくとも梁は弾性表面波を発生させるための圧電基板を用いて形成されていることを特徴とする、弾性表面波型加速度センサ用センサ素子基体。
(8) 前記支持部、錘部および梁が一体に形成されていることを特徴とする、(7)に記載の弾性表面波型加速度センサ用センサ素子基体。
本発明の弾性表面波型加速度センサおよびセンサ素子基体は上述のように構成されるため、これによれば、多軸検出についても複雑な製造技術や設備を要することなく、簡便な素子構造によって、かつ1個の素子のみによって、2軸または3軸の加速度検出を高感度に行うことができる。また、3軸加速度の検出を行うセンサであっても、素子を小型化でき、回路を小型化することができる。
つまり本発明センサによれば、加速度発生時に錘部が梁を撓ませることにより、梁表面に生じる引張応力および圧縮応力の作用によって伝播路長が変化し、加速度を発振周波数の変化として検出することができる。また、錘部と支持部、およびそれらを連結する梁を一体で形成できる簡便な構造であるため、製造工程の簡易化、製造コストを低減できて製造性にも優れ、従来よりも安価な加速度センサを提供することができる。
本発明の弾性表面波型加速度センサの基本構成例を示す斜視図である。 本発明加速度センサにおいてX軸に加速度が加わった場合の斜視説明図である。 図2−1−aに係る断面説明図である。 本発明加速度センサにおいてZ軸に加速度が加わった場合の斜視説明図である。 図2−2−aに係る断面説明図である。 本発明加速度センサにおいてY軸に加速度が加わった場合の斜視説明図である。 図2−3−aに係る端面説明図である。
本発明弾性表面波型加速度センサ実施例1の斜視図および横断面図である。 実施例1においてX軸、Y軸、Z軸加速度が加わった場合の歪分布のFEM(Finite Element Method)解析結果を示す説明図である。 本発明弾性表面波型加速度センサ実施例2の斜視図および横断面図である。 実施例2においてX軸、Y軸、Z軸加速度が加わった場合の歪分布のFEM解析結果を示す説明図である。 本発明弾性表面波型加速度センサ実施例3の斜視図および横断面図である。 実施例3においてX軸、Y軸、Z軸加速度が加わった場合の歪分布のFEM解析結果を示す説明図である。 本発明弾性表面波型加速度センサ実施例4の斜視図および横断面図である。 実施例4においてX軸、Y軸、Z軸加速度が加わった場合の歪分布のFEM解析結果を示す説明図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の弾性表面波型加速度センサの基本構成例を示す斜視図である。なお、弾性表面波共振器(以下、単に「共振器」ともいう。)は図示しておらず、したがって図1は、本発明の弾性表面波型加速度センサ素子の基体の基本構成例でもある。図示するように多軸加速度を検出するための本弾性表面波型加速度センサ10は、三の剛体11、12、13と、各剛体間を連結する梁24、25とを有し、三の剛体のうち両端側の剛体11と剛体13はそれぞれ加速度を受けて振動する錘部3A、錘部3Bであり、中央の剛体12は加速度を受けても振動しない支持部4Cであり、少なくとも各梁24、25の表面にはそれぞれ、1以上の弾性表面波共振器(図示せず)が備えられていることを、主たる構成とする。共振器は、梁24等上だけではなく、剛体のうち中央に配置される剛体12(図では支持部4C)にも設ける構成とすることができる。
なお、図では支持部4Cが中央に配置される構成例を示すが、これとは逆に、錘部が中央に配置されて支持部がその両側(両端)に配置される構成であってもよい。要するに本発明加速度センサでは、錘部と支持部とが梁24、25を介して交互に配置されている構成であればよい。また本発明で「剛体」とは、加速度を受けて撓みが生じる板厚の薄い梁部24等とは異なり、加速度を受けて撓みが生じず支持部(固定部)や錘部として用いることのできる、板厚が厚い厚板部のことである。
本発明弾性表面波型加速度センサ10は、弾性表面波を発生させるための圧電基板を用いて構成される。また剛体11等による支持部と錘部、および梁24等を一体に形成することができる。このようにセンサ素子基体として簡便な構造であり、これに共振器を適宜配置することによって、加速度センサを容易に構成することができる。したがって製造性が良く、安価なセンサを提供できる。
かかる構成により本発明弾性表面波型加速度センサ10によれば、加速度発生時に錘部3A、3Bが梁24、25を撓ませることにより、梁24等表面に生じる引張応力および圧縮応力の作用によって伝播路長が変化し、複数の共振器において発生する発振周波数の変化を演算処理することにより、多軸の加速度を発振周波数の変化として精度良く検出することができる。つまり本弾性表面波型加速度センサによれば、簡単な演算処理で、しかも1素子によって、2軸または3軸の加速度検出を行うことができる。
一方、共振器を中央に配置される剛体12(図では支持部4C)にも設ける構成の加速度センサの場合は、加速度発生時に撓みによる応力の影響を受けない不感帯部分(弾性表面波の不感帯部分)である支持部4Cの波共振器において発生する発振周波数と、梁24等(弾性表面波の検出部分)に設けられた複数の共振器において発生する発振周波数の変化を演算処理することにより、多軸の加速度を精度良く検出することができる。つまり本弾性表面波型加速度センサによれば、簡単な演算処理で、しかも1素子によって、2軸または3軸の加速度検出を行うことができる。
なお、剛体のうち中央に配置される剛体に共振器を設けない場合は、本センサ外部からの基準信号を加速度検出のための演算処理に用いるものとすることができる。
図1に示した本発明弾性表面波型加速度センサに加速度が加わった場合の変形姿態、および弾性表面波の伝播方向の歪量分布について説明する。
図2−1−aは、本発明加速度センサにおいてX軸に加速度が加わった場合の斜視説明図、また、図2−1−bは図2−1−aに係る断面説明図である。図示するようにX軸に加速度が加わった場合、対向する錘部3A、3Bの慣性力に比例した撓み変位が発生し、対向する梁24、25には+位相と−位相の逆位相の歪が発生する。歪発生部分に歪の方向と弾性表面波の伝搬方向を一致させるように弾性表面波共振器を配置することで、伝搬路長の変化により周波数が変化する。撓み振動による周波数の変化を検知することで、X軸加速度を検知可能となる。なお、実施例にてさらに説明する。
図2−2−aは、本発明加速度センサにおいてZ軸に加速度が加わった場合の斜視説明図、また、図2−2−bは図2−2−aに係る断面説明図である。図示するようにZ軸に加速度が加わった場合、対向する錘部3A、3Bの慣性力に比例した撓み変位が発生し、対向する梁24、25には同位相の歪が発生する。歪発生部分に歪の方向と弾性表面波の伝搬方向を一致させるように共振器を配置することで、伝搬路長の変化により周波数が変化する。撓み振動による周波数の変化を検知することで、Z軸加速度を検知可能となる。なお、実施例にてさらに説明する。
図2−3−aは、本発明加速度センサにおいてY軸に加速度が加わった場合の斜視説明図、また、図2−3−bは図2−3−aに係る端面説明図である。図示するようにY軸に加速度が加わった場合、支持部4Cを基点にして対向する25等の慣性力に比例した捩れ変位が発生し、対向する梁(24等)には同位相の歪が発生する。また、梁内では、幅方向の対向面では逆位相の歪が発生する。加えて、錘部3B等と支持部4Cでも逆位相の歪が発生する。歪発生部分に歪の方向と弾性表面波の伝搬方向を一致させるように共振器を配置することで、伝搬路長の変化により周波数が変化する。捩れ振動による周波数の変化を検知することで、Y軸加速度を検知可能となる。なお、実施例にてさらに説明する。
本発明の弾性表面波型加速度センサは、より精度の高い加速度検出機能を得るために、複数の共振器の配置を、下記のいずれかとなるようにすることができる。
(I)長さ方向の中心線に対して線対称に、つまり左右対称に配置する。
(II)四個の共振器を、長さ方向の中心線および幅方向の中心線双方に対して線対称に配置、つまり左右対称前後対称で、四箇所に配置する。
(II−2)四個の共振器をさらに、幅方向の中心線上から外れた端部寄りに配置する。
(III)二個の共振器を、中央に配置される剛体上の共振器に対して点対称に配置する。
(III−2)二個の共振器をさらに、幅方向の中心線上に配置、つまり線対称配置する。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1は、支持部および梁の弾性表面波共振器を4箇所に有する加速度センサにおいて、3軸加速度検出の構成を実現する例である。
図3は本発明弾性表面波型加速度センサ実施例1の斜視図および横断面図であり、図4は、実施例1においてX軸、Y軸、Z軸加速度が加わった場合の歪分布のFEM(Finite Element Method)解析結果を示す説明図である。
本実施例では、検出軸方向へ加速度を加えると、錘部分に荷重がかかり、弾性表面波共振器がついている梁に歪みが生じ、圧縮および伸張する動きとなるが、歪量は検出軸毎の屈曲モードによって異なり、その変化により伝搬路長が変化する。図3に示すように、共振器A〜Dをセンサ幅方向の中心線上よりずらして端部に配置することで、図4の歪分布に対応した周波数成分を出力することが可能となる。なお、梁の共振器は図4中の右側図に示した歪分布上に配置することとする。
本実施例における3軸加速度検出の方法について説明する。
表1に、以下の説明における用語とその定義を示す。各共振器A〜Dの基準周波数をFとすると、各共振器の周波数(以下、SAW_A〜D)はF+ΔFと表すことができる。支持部上に設ける基準弾性表面波共振器(以下、「支持部共振器」という。)の周波数とSAW_A〜Dの差分を周波数感度α、β、γとした場合、加速度に対する各出力変化ΔFは、表2に示すとおり、X,Y,Z軸方向成分を含んだ合成出力となる。
表3、4に示す演算式によって、SAW_A〜Dの各出力から3軸加速度成分の合成和を分離できることがわかる。このことから、かかる所定の演算式を用いることによって、3軸加速度を独立して検出することが可能となる。
<実施例2>
実施例2は、支持部に1箇所、梁に2箇所の弾性表面波共振器を備えた加速度センサによって、2軸加速度検出の構成を実現する例である。
図5は本発明弾性表面波型加速度センサ実施例2の斜視図および横断面図であり、図6は、実施例2においてX軸、Y軸、Z軸加速度が加わった場合の歪分布のFEM解析結果を示す説明図である。
本実施例では、検出軸方向へ加速度を加えると、錘部分に荷重がかかり、弾性表面波共振器がついている梁に歪みが生じ、圧縮および伸張する動きとなるが、歪量は検出軸毎の屈曲モード(X軸、Z軸)、捩れモード(Y軸)によって異なり、その変化により伝搬路長が変化する。図5に示すように共振器A、Bをセンサ幅方向の中心線上の中央に配置することで、図6の歪分布に対応した、周波数成分を出力することが可能となる。なお、もし共振器A、Bを幅方向中央に配置しないと、Y軸とX軸の歪が同相になるため分離できない。図のように中央に配置することによってY軸の感度を0とすることができ、X軸を独立に検出することが可能となる。なお、梁の共振器は図6中の右側図に示した歪分布上に配置することとする。
本実施例における2軸加速度検出の方法について説明する。
各共振器の基準周波数をFとすると、各共振器の周波数(以下、SAW_A、B)はF+ΔFと表すことができる。支持部共振器の周波数とSAW_A、Bの差分を周波数感度α、γとした場合、加速度に対する各出力変化ΔFは表5に示すとおりとなり、X,Y,Z軸方向成分を含んだ合成出力となる。さらに、表6に示す演算式により、SAW_A、Bの各出力から2軸加速度成分の合成和を分離できることがわかる。このことから、かかる所定の演算式を用いることによって、2軸加速度を独立して検出することが可能となる。
<実施例3>
実施例3は、弾性表面波共振器を梁上の4箇所に有する加速度センサにより、3軸加速度検出の構成を実現する例である。
図7は本発明弾性表面波型加速度センサ実施例3の斜視図および横断面図であり、図8は、実施例3においてX軸、Y軸、Z軸加速度が加わった場合の歪分布のFEM解析結果を示す説明図である。
本実施例では、検出軸方向へ加速度を加えると、錘部分に荷重がかかり、弾性表面波共振器がついている梁に歪みが生じ、圧縮および伸張する動きとなるが、歪量は検出軸毎の屈曲モードによって異なり、その変化により伝搬路長が変化する。図7に示すとおり、共振器A〜Dをセンサ幅方向の中心線上よりずらして端部寄りに配置することで、図8の歪分布に対応した、周波数成分を出力することが可能となる。なお、梁の共振器は図8中の右側図に示した歪分布上に配置することとする。
本実施例における3軸加速度検出の方法について説明する。
各共振器の基準周波数をFとすると、各共振器の周波数(以下、SAW_A〜D)はF+ΔFと表すことができる。外部からの基準信号とSAW_A〜Dの差分を周波数感度α、β、γとした場合、加速度に対する各出力変化ΔFは表7に示すとおりとなり、X,Y,Z軸方向成分を含んだ合成出力となる。さらに、表8、9に示した演算式により、SAW_A〜Dの各出力から3軸加速度成分の合成和を分離できることがわかる。このことから、かかる所定の演算式を用いることによって、3軸加速度を独立して検出することが可能となる。なお本例では、加速度の影響を受けない共振器の代わりに外部からの基準信号を用いるが、これはたとえば、外付けの発振子からの周波数信号などである。
実施例1と実施例3とは、支持部上への共振器配置有無の点で、加速度センサの構成が相違する。実施例1のように梁と支持部の双方に共振器を設ける場合、支持部の共振器は加速度による影響を受けないため、周波数感度はその差分で表される。このように支持部に共振器を設ける利点は、圧電素子の温度特性を相殺できることである。つまり、加速度が印加されていない時でも、圧電素子であるが故に、梁の共振器は温度特性の影響で周波数が変化する。しかし、支持部にも共振器がある場合は温度特性が同じになるため、差分は変化しなくなるものである。
一方、実施例3のように支持部上に共振器を設けないことの利点は、共振器の設置数を減らすことで製造工程をより簡易にし、製造コストをより低減できること、保守管理上のポイントを軽減できること、などである。したがって、用途や要求される特性等によって、実施例1、実施例3の各タイプを適宜選択することができる。
<実施例4>
実施例4は、実施例1の加速度センサにおける支持部と錘部の配置を逆にした構造、すなわち中央に錘部、その両側に支持部を備えた構造によって、3軸加速度検出する加速度センサの構成を実現する例である。
図9は本発明弾性表面波型加速度センサ実施例4の斜視図および横断面図であり、図10は、実施例4においてX軸、Y軸、Z軸加速度が加わった場合の歪分布のFEM解析結果を示す説明図である。
本実施例では、検出軸方向へ加速度を加えると、錘部分に荷重がかかり、弾性表面波共振器がついている梁に歪みが生じ、圧縮および伸張する動きとなるが、歪量は検出軸毎の屈曲モード(X軸、Z軸)、捩れモード(Y軸)によって異なり、その変化により伝搬路長が変化する。
実施例1のように中央に配置した支持部によって両端の錘部を支持するセンサ構造から、本例のように両端に配置した二つの支持部によって中央の錘部を支持するセンサ構造へと変えることにより、梁の歪分布は図10に示す通りとなる。そして、本例においても、実施例1と同様の演算式を用いることによって、3軸加速度を独立して検出することが可能となる。なお、梁の共振器は図10中の右側図に示した歪分布上に配置することとする。
なお本実施例と同様にして、実施例2に示したセンサ構造を、両端に配置した二つの支持部によって中央の錘部を支持するセンサ構造へとに変えることで、2軸加速度を検知する構成を得られることはいうまでもない。
本発明の弾性表面波型加速度センサおよびセンサ素子基体によれば、多軸検出についても複雑な製造技術や設備を要することなく、簡便な素子構造によって、かつ1個の素子のみによって、2軸または3軸の加速度検出を高感度に行うことができる。また、素子や回路を小型化できる。製造性にも優れ、従来よりも安価な加速度センサを提供することができるため、センサ製造および加速度センサを利用するあらゆる産業分野において、利用性が高い発明である。
10…弾性表面波型加速度センサ
11、12、13…剛体
24、25…梁
3A、3B…錘部
4C…支持部







Claims (8)

  1. 多軸加速度を検出する弾性表面波型加速度センサであり、三の剛体と、該剛体間を連結する梁とを有し、該剛体は加速度を受けて変位する錘部と変位しない支持部とであって、該錘部と該支持部とは交互に配置され、少なくとも各梁の表面にそれぞれ1以上の弾性表面波共振器を備えており、該剛体のうち中央に配置される剛体には弾性表面波共振器を設けず、加速度検出のための演算処理には本センサ外部からの基準信号が用いられることを特徴とする、弾性表面波型加速度センサ。
  2. 多軸加速度を検出する弾性表面波型加速度センサであり、三の剛体と、該剛体間を連結する梁とを有し、該剛体は加速度を受けて変位する錘部と変位しない支持部とであって、該錘部と該支持部とは交互に配置され、少なくとも各梁の表面にそれぞれ1以上の弾性表面波共振器を備えており、該支持部を中心として該錘部がその両側に配置されてなることを特徴とする、弾性表面波型加速度センサ。
  3. 前記梁の弾性表面波共振器は、本弾性表面波型加速度センサにおける前記剛体配置方向長さに直交する中心線(以下、「長さ方向の中心線」という。)に対して線対称に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の弾性表面波型加速度センサ。
  4. 前記梁の弾性表面波共振器は四個設けられ、これらは、本弾性表面波型加速度センサにおける前記剛体配置方向長さに直交する中心線(以下、「長さ方向の中心線」という。)、および該長さ方向の中心線に直交する中心線(以下、「幅方向の中心線」という。)の双方に対して線対称に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の弾性表面波型加速度センサ。
  5. 前記四個の弾性表面波共振器は、幅方向の中心線上から外れた端部寄りに配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の弾性表面波型加速度センサ。
  6. 前記錘部を中心として前記支持部がその両側に配置されてなることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の弾性表面波型加速度センサ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の弾性表面波型加速度センサを構成する、少なくとも梁は弾性表面波を発生させるための圧電基板を用いて形成されていることを特徴とする、弾性表面波型加速度センサ用センサ素子基体。
  8. 前記支持部、錘部および梁が一体に形成されていることを特徴とする、請求項に記載の弾性表面波型加速度センサ用センサ素子基体。
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