JP5035184B2 - 一軸半導体加速度センサ - Google Patents

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Description

本発明は、加速度を検出する半導体加速度センサ、特に、一軸の加速度成分を検出する一軸半導体加速度センサに関する。
加速度センサは、構造物の衝撃強度の測定、あるいは構造物に生じた振動における加速度波形の解析を行うとき等、広範囲にわたって使用されている。このようにして使用されている従来の加速度センサとしては、例えば、一軸(受感軸)方向のみの加速度を検出できる一軸半導体加速度センサの技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2006−294892号公報
しかしながら、一軸半導体加速度センサを薄型化すると、梁(接続部)が一軸半導体加速度センサの厚み方向にも変位してしまい、受感軸方向以外の加速度成分に対しても変位するので、一軸の加速度センサとして機能しない状態になる可能性があることが判った。
上記に鑑み、本発明は、薄型化を可能にする一軸半導体加速度センサを提供することを目的とする。
本発明に係る一軸半導体加速度センサは、半導体材料からなる枠部と、前記半導体材料からなり、前記枠部内に配置され、第1の方向の加速度を受けて前記枠部に対して変位する変位部と、前記半導体材料からなり、前記変位部と前記枠部とをそれぞれ接続し、かつ前記第1の方向に並んで配置される複数の接続部であって、前記第1の方向での幅より前記第1の方向に垂直な第2の方向での厚さが大きい断面形状を有する複数の接続部と、前記複数の接続部に配置される複数の歪検出素子と、前記半導体材料からなり、前記変位部と前記枠部とを接続し、かつ前記第1の方向での幅より前記第2の方向での厚さが大きい断面形状を有する平板部を備える板バネ部であって、前記第1の方向におけるバネ定数が前記複数の接続部の前記第1の方向におけるそれぞれのバネ定数よりも小さい板バネ部と、を具備することを特徴とする。
ここで、接続部は、前記第1の方向での幅より前記第1の方向に垂直な第2の方向での厚さが大きい断面形状を有している。そのため、前記第1の方向の一方向の成分の加速度を受けた場合に接続部は撓むようになっており、前記第1の方向(つまり受感軸)に直交する方向の加速度に対しては、接続部の変位は小さい。また、接続部が前記第1の方向に並んで複数設けられているので、接続部の捩れは小さい。
したがって、本発明に係る半導体加速度センサは実質的に一軸(受感軸)方向のみの加速度を検出できる。
本発明に係る一軸半導体加速度センサは、板バネ部を有しているので、一軸半導体加速度センサの薄型化が可能である。板バネ部が第2の方向(一軸半導体加速度センサの厚み方向)での厚さに対して第1の方向(受感軸方向)の幅が薄い平板部を備えるため、第1の方向の成分の加速度を受けた場合に板バネ部は撓むようになっている。また、板バネ部は、第1の方向におけるバネ定数が複数の接続部のそれぞれのバネ定数よりも小さい。そのため、第1の方向(受感軸方向)の加速度に対しては、板バネ部による接続部の撓みの阻害が小さい。
これに対して、第2の方向(一軸半導体加速度センサの厚み方向)の加速度に対しては、板バネ部が第2の方向での厚さに対して第1の方向の幅が薄い平板部を備えるため、板バネ部の第2の方向への変位は小さい。このため、第2の方向の加速度に対しては、板バネ部は接続部を支持するように機能し、接続部の第2の方向への変位を小さくする。
したがって、本発明に係る一軸半導体加速度センサは、接続部の第1の方向(受感軸方向)への変位の阻害が小さい板バネ部によって、接続部の第2の方向(一軸半導体加速度センサの厚み方向)への変位を抑制できる。そのため、本発明に係る一軸半導体加速度センサは、薄型化が可能であり、薄型化を図った場合でも実質的に一軸方向(第1の方向)のみの加速度を検出することができる。
本発明によれば、薄型化を可能にする一軸半導体加速度センサを提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1を表す斜視図である。一軸半導体加速度センサ1は、加速度検出部2と加速度検出部2を狭持するように配設された上蓋部3及び下蓋部4とで構成されている。図2は、加速度検出部2を表す斜視図である。また、図3は図1の一軸半導体加速度センサ1を表す上面図である。図4は、一軸半導体加速度センサ1を図3のA−Aに沿って切断した状態を表す一部断面図である。図5は、一軸半導体加速度センサ1を図3のB−Bに沿って切断した状態を表す一部断面図である。
加速度検出部2の外形は、例えば、X方向2500μm、Y方向2000μm、Z方向900μmの辺の直方体形状である。加速度検出部2の構成材料には、例えば単結晶シリコンのような半導体材料を用いることができる。
上蓋部3の外形は、例えば、X方向2500μm、Y方向1750μm、Z方向300μmの辺の直方体形状である。下蓋部4の外形は、例えば、X方向2500μm、Y方向2000μm、Z方向300μmの辺の直方体形状である。上蓋部3及び下蓋部4の構成材料には、例えばパイレックス(登録商標)のようなガラス板を用いることができる。
上蓋部3及び下蓋部4と、加速度検出部2それぞれの構成材料がガラス及びSiの場合、上蓋部3と加速度検出部2との接合、及び下蓋部4と加速度検出部2との接合には、陽極接合(静電接合ともいう)を用いることができる。
上蓋部3は、加速度検出部2及び下蓋部4よりもY方向の長さが例えば250μm短く、加速度検出部2と上蓋部3によって、一軸半導体加速度センサ1の前面には段差Wが形成されている。
また、X方向の加速度を受けて加速度検出部2の変位部6(後述する)が変位できるように、一軸半導体加速度センサ1内の加速度検出部2と上蓋部3との間にはギャップ5b(間隙)が設けられ、加速度検出部2と下蓋部4との間にはギャップ5c(間隙)が設けられている。
加速度検出部2は、変位部6と、枠部7と、接続部8a、8bと、板バネ部9a、9bと、接続部8a、8b上に配置された複数のピエゾ抵抗素子R(R1〜R4)とで構成されている。変位部6と、枠部7と、接続部8a、8bと、板バネ部9a、9bは、一体的に構成されている。加速度検出部2は、半導体基板を異方性ドライエッチングして、ギャップ5a(間隙)と、孔部10、12とを形成することにより作成できる。
ギャップ5aは、半導体基板のY正方向の一側寄りに断面コ字型に基板の表面と裏面を貫通する細長い溝である。
孔部10は、半導体基板のY負方向の一側寄りに直方体形状に基板の表面と裏面を貫通する空間である。孔部10の長手方向で対向する一対の面は、接続部8a、8bによって挟まれるように接続部8a、8bとそれぞれ接している。
孔部12は、半導体基板のX正方向の一側寄りとX負方向の一側寄りにそれぞれ配置され、断面凹形状に基板の表面と裏面を貫通する空間である。2つの孔部12は、変位部6及び接続部8a、8bを挟むように接して配置されている。孔部12のY正方向に位置するそれぞれの凹部には、板バネ部9a、9bが接するようにそれぞれ配置されている。
異方性ドライエッチングの方法としては、例えば誘導結合型プラズマエッチング法(ICPエッチング法:Inductively-Coupled Plasma Etching Method )を挙げることができる。このエッチング法は、垂直方向に深い溝を掘る際に効果的な方法であり、一般に、DRIE(Deep Reactive Ion Etching )と呼ばれているエッチング方法の一種である。
この方法では、材料層を厚み方向に浸食しながら掘り進むエッチング段階と、掘った穴の側面にポリマーの壁を形成するデポジション段階と、を交互に繰り返す。掘り進んだ穴の側面は、順次ポリマーの壁が形成されて保護されるため、ほぼ厚み方向にのみ浸食を進ませることが可能になる。
変位部6は、X方向の加速度を受けて枠部7に対して変位する錘部である。変位部6は、平面視で略長方形の基板であり、枠部7と離間して枠部7の開口内に配置される。
枠部7は、平面視で外周、内周が共に略長方形の枠形状の基板であり、その上面に上蓋3が、下面に下蓋4がそれぞれ接合されている。
変位部6と枠部7とは、ギャップ5aによって分離され相対的に移動可能である。
接続部8a、8bは、変位部6及び枠部7に両端部がそれぞれ結合されて、互いに平行であり長さが等しい。また、接続部8a、8bは、X方向に並んで配置され、Y方向に沿ってそれぞれ設けられ、Z方向の厚さに対してX方向の幅が薄い板状のものである。
接続部8a、8bは、例えば、Y方向の長さを400μm、X方向の幅を50μm、Z方向の厚さを300μmにすることができる。
接続部8a、8bのX方向の幅が、Z方向の厚さに対して薄くなっている。そのため、X方向の加速度を受けた場合に接続部8a、8bは撓むようになっており、X方向に直交するY、Z方向の加速度に対しては、接続部8a、8bの変位は小さい。また、接続部8a、8bがX方向に並んで複数設けられているので、接続部8a、8bの捩れは小さい。したがって、受感軸はX方向であり、一軸半導体加速度センサ1は実質的に一軸(受感軸)方向の加速度のみを検出する。
接続部8a、8bは撓みが可能な梁として機能する。X方向の加速度を受けて、接続部8a、8bが撓むことで、変位部6が枠部7に対して変位可能である。具体的には、X軸方向の加速度成分が印加されると変位部6に力が作用し、変位部6が枠部7に対してX正方向、X負方向に直線的に変位する。すなわち、ここでいう「変位」は、X軸の正負方向への移動をいう。
変位部6のX方向への変位を検知することで、X方向の加速度を測定することができる。図6は、加速度検出部2の要部を表す斜視図である。図7は、図6の点線の楕円で囲まれた領域の拡大図であって、接続部8bに形成したピエゾ抵抗素子R3、R4の近傍の上面図である。図6、図7に示すように、接続部8a、8bの各両端部付近であって、接続部8a、8bの上面の外縁に、ピエゾ抵抗素子R(R1〜R4)をそれぞれ形成している。
ピエゾ抵抗素子Rの長手方向を配線11の電流方向に沿わせて配置している。ピエゾ抵抗素子Rは、歪検出素子として機能する。ピエゾ抵抗素子Rは抵抗の変化として接続部8a、8bの撓み(あるいは、歪)、ひいては変位部6の変位を検出するためのものである。なお、この詳細は後述する。
板バネ部9a、9bは、変位部6及び枠部7に両端部がそれぞれ結合されて、X方向に並んで略線対称に2つ配置され、Z方向に垂直な断面形状が蛇行形状である。
板バネ部9a、9bは、最も撓みやすい方向がX方向であり、Z方向には剛性の高い構造になっている。すなわち、板バネ部9a、9bは、X方向においては変位部6を弾性的に接続し、変位部6のX方向への変位の阻害を小さなものとしている。一方、板バネ部9a、9bはZ方向の変位が小さいため、Z方向においては変位部6を支持するように機能し変位部6のZ方向への変位を抑制している。
一軸半導体加速度センサ1が板バネ部9a、9bを有することにより、一軸半導体加速度センサ1の薄型化が容易となる。なお、板バネ部9a、9bを備える一軸半導体加速度センサ1の薄型化の詳細については、後述する。
板バネ部9a、9bのX方向におけるそれぞれのバネ定数は、接続部8a、8bのX方向におけるそれぞれのバネ定数よりも小さい。このため、X方向(受感軸方向)の加速度に対して、板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bの撓み(変位部6のX方向への変位)の阻害は小さい。
図8は、本発明の第1の一実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1の加速度検出部2を表す上面図である。
本明細書中において、接続部8aのX方向におけるバネ定数とは、接続部8aにX方向の力Fが働いたときの接続部8aのX方向の変位xに対してフックの法則F=kxが成り立つとき、比例定数kをいう。ここで、接続部8aのX方向の変位xとは、接続部8aの荷重部M(接続部8aが変位部6と接続する部位)のX方向の変位をいう。すなわち、接続部8aのX方向の変位xとは、接続部8aの支持部D(接続部8aが枠部7と接続する部位)を通るY方向に平行な直線と、接続部8aの荷重部M(接続部8aが変位部6と接続する部位)との垂直距離をいう。
接続部8bのバネ定数kについても、接続部8aと同様に考えることができる。
また、本明細書中において、板バネ部9aのX方向におけるバネ定数とは、板バネ部9aにX方向の力Fが働いたときのX方向の変位xに対してフックの法則F=kが成り立つとき、比例定数kをいう。ここで、板バネ部9aのX方向の変位xとは、板バネ部9aの荷重部E(板バネ部9aが変位部6と接続する部位)のX方向への変位量をいう。
板バネ部9bのバネ定数kについても、板バネ部9aと同様に考えることができる。
なお、接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部9a、9bによる阻害を小さくする詳細については、後述する。
本実施形態の板バネ部9a、9bのように、板バネ部が複数配置される場合には、板バネ部9a、9bのX方向におけるバネ定数の合計が、接続部8a、8bのX方向におけるバネ定数の合計よりも小さいことが好ましい。X方向の加速度に対して、板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bの撓みの阻害を小さなものとするためである。
なお、板バネ部が複数配置される場合に、接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部による阻害を小さくする詳細については、後述する。
図6に示すように、板バネ部9a、9bはそれぞれ、平板部a1、a2と、ジョイント部b1、b2(継ぎ目部)とで構成される。
平板部a1は、Y方向に略平行に配置され、Z方向の厚さに対してX方向の幅が薄く、かつ枠部7とジョイント部b1とに接続される板状のものである。
平板部a2は、Y方向に略平行に配置され、Z方向の厚さに対してX方向の幅が薄く、かつジョイント部b1、b2に接続される板状のものである。
ジョイント部b1は、平板部a1、a2を接続し、かつX方向に略平行に配置される板状のものである。
ジョイント部b2は、平板部a2と変位部6とを接続し、かつX方向に略平行に配置される板状のものである。
平板部a1、a2と、ジョイント部b1、b2は一体的に構成されている。
板バネ部9a、9bは、例えば、平板部a1のY方向の長さA1を390μm、平板部a2のY方向の長さA2を370μm、ジョイント部b1のX方向の長さB1を10μm、ジョイント部b2のX方向の長さB2を10μm、平板部a1、a2のX方向の幅を20μm、ジョイント部b1、b2のY方向の幅を40μm、板バネ部9a、9bの高さCを300μmにすることができる(図6参照)。
一軸半導体加速度センサ1が板バネ部9a、9bを備えることにより、一軸半導体加速度センサ1の薄型化が容易となる。
一般に、従来の一軸半導体加速度センサの加速度検出部を薄型化すると、変位部が枠部に対してZ方向にも変位してしまい、受感軸方向以外の加速度に対しても変位するので、一軸の加速度センサとして機能しない状態になってしまう。
これに対して、本発明に係る一軸半導体加速度センサ1は、板バネ部9a、9bを有しているので、一軸半導体加速度センサ1の薄型化が可能である。板バネ部9a、9bがZ方向(一軸半導体加速度センサ1の厚み方向)での厚さに対してX方向(受感軸方向)の幅が薄い平板部を備えるため、X方向の成分の加速度を受けた場合に板バネ部9a、9bは撓むようになっている。また、板バネ部9a、9bのX方向におけるそれぞれのバネ定数kは、接続部8a、8bのX方向におけるそれぞれのバネ定数kよりも小さい。そのため、X方向(受感軸方向)の加速度に対しては、板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bの撓みの阻害が小さい。
一方、Z方向(一軸半導体加速度センサ1の厚み方向)の加速度に対しては、板バネ部9a、9bがZ方向での厚さに対してX方向の幅が薄い平板部を備えるため、板バネ部9a、9bのZ方向への変位は小さい。このため、Z方向の加速度に対しては、板バネ部9a、9bは接続部8a、8bを支持するように機能し、接続部8a、8bのZ方向への変位を小さくする。
したがって、本発明に係る一軸半導体加速度センサ1は、接続部8a、8bのX方向(受感軸方向)への変位の阻害が小さい板バネ部9a、9bによって、接続部8a、8bのZ方向(一軸半導体加速度センサ1の厚み方向)への変位を抑制できる。そのため、本発明に係る一軸半導体加速度センサ1は、加速度検出部2の薄型化が可能であり、加速度検出部2の薄型化を図った場合でも実質的に一軸方向(X方向)のみの加速度を検出することができる。
なお、板バネ部9a、9bのX方向への撓みは、平板部a1、a2のX方向への撓みによって生じるだけでなく、板バネ部9a、9bのそれぞれのコーナー部分の角度が変化することによっても生じるものと考えられる。
(接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部9a、9bによる阻害を小さくする詳細)
次に接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部9a、9bによる阻害を、小さくする詳細について、より精密に説明する。
(1)板バネ部9a、9bを有する一軸半導体加速度センサ1のX方向の撓み量XLB
図8に示すように、接続部8a、8bのY方向の長さをrとする。また、接続部8aと枠部7が接続する部位Dと接続部8bと枠部7が接続する部位Fを通る直線を直線pとしたとき、板バネ部9aと変位部6が接続する部位Eから直線pまでのY方向の垂直距離(板バネ部9bと変位部6が接続する部位Hから直線pまでのY方向の垂直距離)をLとする。また、直線pと変位部6の重心Gとの垂直距離をS、変位部6の質量をm、印加されるX方向の加速度をα、板バネ部9a、9bに働くX方向の力の合力をFとする。
直線pからY方向に距離yの断面に作用する曲げモーメントM(y)は、
M(y)=−mα(S−y)+F(L−y) ……式(1)
したがって、
Figure 0005035184
Figure 0005035184
また、撓み角dx/dyや撓み量xを決定するために用いられる重要な基礎方程式である以下の式(4)
Figure 0005035184
にEI(半導体基板のヤング率をE、接続部8a、8bにおけるZ方向に配置される中立軸に関する断面二次モーメントをIとする)を乗じて不定積分すれば、以下の式(5)が導かれる。なお、中立軸とは、接続部8a、8bの内部における変形後に伸びも縮みもしない線素で構成された面(中立面)と、接続部8a、8bの横断面(XZ平面)との交線をいう。
Figure 0005035184
式(2)を式(5)に代入すれば、以下の式(6)を満たす。
EI(dx/dy)
=−{(1/2)(mα−F)y+(FL−mαS)y}+C ……式(6)
式(5)を不定積分すれば、以下の式(7)が導かれる。
Figure 0005035184
式(3)を式(7)に代入すれば、以下の式(8)を満たす。
EIx
=(1/6)(F−mα)y+(1/2)(mαS−FL)y+Cy+C…式(8)
接続部8a、8bの支持条件y=0で、dx/dy=x=0を用いれば、C=C=0。
したがって、撓み角dx/dy、撓み量xは、以下の式(9)、式(10)を満たす。
dx/dy=
−(y/2EI){(mα−F)y+2(FL−mαS)} ……式(9)
x=(y/6EI){(F−mα)y+3(mαS−FL)} ……式(10)
式(9)、式(10)にy=rを代入すると、y=rにおける撓み角(dx/dy)、撓み量xは、以下の式(11)、(12)を満たす。
(dx/dy)
=−(r/2EI){(mα−F)r+2(FL−mαS)} ……式(11)
=(r/6EI){(F−mα)r+3(mαS−FL)} ……式(12)
y=Lにおける撓み量xLBは、以下の式(13)を満たす。
LB=x+(L−r)(dx/dy)
=(r/6EI)[(2mα−2F)r+3{(2F−mα)L−mαS}r
−6L(FL−mαS)] ……式(13)
板バネ部9a、9bのX方向のそれぞれのバネ定数をkとし、式(13)にF=2kLBを代入すると、y=Lにおける撓み量xLBは、以下の式(14)を満たす。
Figure 0005035184
板バネ部9a、9bのX方向のそれぞれのバネ定数kが、接続部8a、8bのX方向のそれぞれのバネ定数k=3EI/{(3S−r)r}よりも十分小さい、すなわち、k<<3EI/{(3S−r)r}の条件の下では、式(14)は、以下の式(15)に近似できる。なお、接続部8a、8bのX方向のそれぞれのバネ定数k=3EI/{(3S−r)r}は、フックの法則F=kxに、F=mα、x=x(後述する式(24))を代入することにより求められる。
Figure 0005035184
(2)板バネ部を有しない従来の一軸半導体加速度センサのX方向の撓み量X
図19は、板バネ部を有していない従来の一軸半導体加速度センサの加速度検出部40を表す上面図である。図19に示す加速度検出部40は、図2に示す加速度検出部2が備えている板バネ部9a、9bを有していない点で、加速度検出部2と相違している。図2に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
直線pからY方向に距離yの断面に作用する曲げモーメントM(y)は、
M(y)=−mα(S−y) ……式(16)
したがって、
Figure 0005035184
Figure 0005035184
式(17)を式(5)に代入すれば、以下の式(19)を満たす。
EI(dx/dy)=mα{Sy−(y/2)}+C ……式(19)
また、式(18)を式(7)に代入すれば、以下の式(20)を満たす。
EIx=mα{(−y/6)+(Sy/2)}+Cy+C ……式(20)
接続部8a、8bの支持条件y=0で、dx/dy=x=0を用いれば、C=C=0。
したがって、撓み角dx/dy、撓み量xは、以下の式(21)、式(22)を満たす。
dx/dy=(mα/2EI)y(2S−y) ……式(21)
x=(mα/6EI)y(3S−y) ……式(22)
式(21)、式(22)にy=rを代入すると、y=rにおける撓み角(dx/dy)、撓み量xは、以下の式(23)、(24)を満たす。
(dx/dy)=(mα/2EI)r(2S−r) ……式(23)
=(mα/6EI)r(3S−r) ……式(24)
y=Lにおける撓み量xは、以下の式(25)を満たす。
=x+(L−r)(dx/dy)
=(mα/6EI)r{2r−3r(S+L)+6SL)} ……式(25)
(3)板バネ部9a、9bを有しない場合(加速度検出部40)と比較した、板バネ部9a、9bを有する場合(加速度検出部2)の変位部6のX方向の変位量の差の相対値(相対変位差)Δx
板バネ部9a、9bを有しない場合(加速度検出部40)と比較した、板バネ部9a、9bを有する場合(加速度検出部2)の変位部6のy=LにおけるX方向の変位量の差の相対値(相対変位差)Δxは、以下の式(26)により表すことができる。
Δx=(xLB−x)/x
=−(k/EI)r{(2r/3)−2rL+2L} ……式(26)
接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部9a、9bによる阻害を、十分小さくするため、−Δx<0.1、すなわち、
(k/EI)r{(2r/3)−2rL+2L}<0.1 ……式(27)
であることが好ましい。
一軸半導体加速度センサに板バネ部がn個(n≧1)配置されている場合には、i番目の板バネ部のバネ定数をkxi、i番目の板バネ部と変位部6が接続する部位から直線pまでのY方向のそれぞれの垂直距離をLとすると、Δxは、以下の式(28)により表すことができる。
Figure 0005035184
なお、式(27)は、板バネ部を2つ(板バネ部9a、9b)設けた場合を示しているので、式(28)は、式(27)を2で割った式の総和で表される。
接続部8a、8bのX方向への撓みに対するn個の板バネ部による阻害を、十分小さくするため、−Δx<0.1、すなわち、
Figure 0005035184
であることが好ましい。
(板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bのZ方向への変位の抑制の詳細)
次に、板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bのZ方向への変位の抑制の詳細について、説明する。
式(26)と同様に、板バネ部9a、9bを有しない場合(加速度検出部40)と比較した、板バネ部9a、9bを有する場合(加速度検出部2)の変位部6のy=LにおけるZ方向の変位量の差の相対値(相対変位差)Δzは、以下の式(31)により表すことができる。
Δz=(zLB−z)/z
=−(k/EI)r{(2r/3)−2rL+2L} ……式(31)
ここで、zLBは、板バネ部9a、9bを有する一軸半導体加速度センサ1のy=LにおけるZ方向の変位量、zは、板バネ部を有しない加速度検出部40を備える従来の一軸半導体加速度センサのy=LにおけるZ方向の変位量である。また、kは、板バネ部9a、9bのZ方向におけるそれぞれのバネ定数、Iは、接続部8a、8bにおけるX方向に配置される中立軸に関する断面二次モーメントである。
板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bのZ方向への変位の抑制を、十分大きなものとするため、−Δz>0.3、すなわち、
(k/EI)r{(2r/3)−2rL+2L}>0.3 ……式(32)
であることが好ましい。
一軸半導体加速度センサに板バネ部がn個(n≧1)配置されている場合には、i番目の板バネ部のZ方向におけるバネ定数をkzi、i番目の板バネ部と変位部6が接続する部位から直線pまでのY方向のそれぞれの垂直距離をLとすると、Δzは、以下の式(33)により表すことができる。
Figure 0005035184
なお、式(32)は、板バネ部を2つ(板バネ部9a、9b)設けた場合を示しているので、式(33)は、式(32)を2で割った式の総和で表される。
接続部8a、8bのX方向への撓みに対するn個の板バネ部による阻害を、十分小さくするため、−Δz>0.3、すなわち、
Figure 0005035184
であることが好ましい。
次に、板バネ部9a、9bを接続する変位部6の位置と、一軸半導体加速度センサ1の薄型化との関係について説明する。
式(31)からわかるように、Lが大きいほど、すなわち、直線p(接続部8aと枠部7が接続する部位Dと接続部8bと枠部7が接続する部位Fを通る直線、図8参照)と、板バネ部9a、9bが接続する変位部6の部位(部位E、部位F)との垂直距離が長いほど、Δzは大きくなる。Δz(板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bのZ方向への変位の抑制)を大きくすることにより、加速度検出部2の厚さをさらに薄くすることができるので、一軸半導体加速度センサ1のさらなる薄型化が可能である。
Δzを大きくすることができるため、板バネ部9a、9bが変位部6と接続される部位は、部位D、部位Fを有する変位部6のY負方向の端部よりもY正方向寄り(すなわちL>r)であることが好ましく、変位部6のY正方向の端部であることがさらに好ましい。
本実施形態では、Lが最も大きくなるように、変位部6のY正方向の端部に板バネ部9a、9bをそれぞれ接続しているので、−Δzを最も大きくすることができる。このため、変位部6(接続部8a、8b)のZ方向への変位をより効果的に抑制することができ、一軸半導体加速度センサ1のさらなる薄型化が可能である。
なお、Lを大きくすれば、板バネ部9a、9bによって、接続部8a、8bのX方向への撓み(変位部6のX方向への変位)も抑制してしまうことも考えられる。しかしながら、板バネ部9a、9bは、接続部8a、8bのX方向の撓みの阻害が小さく、接続部8a、8bのZ方向の変位の抑制が大きいことが好ましいので、−Δzに比べて−Δxの値を小さくしている。そのため、Lを大きくした場合でも、板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bのZ方向への変位の抑制と比較して、板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bのX方向への撓みの抑制の影響は小さい。
(一軸半導体加速度センサ1の動作)
次に、一軸半導体加速度センサ1の動作について説明する。
本発明に係る一軸半導体加速度センサ1による加速度の検出の原理を説明する。図6、図7に示すように、接続部8a、8bの各両端部付近であって、接続部8a、8bの上面の外縁に合計4個のピエゾ抵抗素子R1〜R4が配置されている。これらのピエゾ抵抗素子Rは、単結晶シリコン基板の接続部8a、8bの上面に形成されたP型もしくはN型の不純物ドープ領域によって構成できる。
ピエゾ抵抗素子R1〜R4はそれぞれ、変位部6のX軸方向成分の変位を検出するX軸方向成分変位検出部(歪検出素子)として機能する。
ピエゾ抵抗素子Rの伸び縮みの量から、X方向の加速度を検出することができる。ピエゾ抵抗素子Rの伸び、縮みは、ピエゾ抵抗素子Rの抵抗の変化として検出できる。
各ピエゾ抵抗素子RがシリコンへのP型不純物ドープによって構成されているとする。この場合には、ピエゾ抵抗素子Rの長手での抵抗値は伸び方向の応力が作用したときには増加し、縮み方向の応力が作用した場合には減少する。なお、ピエゾ抵抗素子RをシリコンへのN型不純物ドープによって構成した場合は抵抗値の変化が逆になる。
図9は、ピエゾ抵抗素子Rの抵抗からX軸の方向の加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。この検出回路では、X軸方向の加速度成分を検出するために、4個のピエゾ抵抗素子R1〜R4からなるブリッジ回路を構成し、そのブリッジ電圧を検出している。
これらのブリッジ回路では入力電圧Vinに対する出力電圧Voutの関係は以下の式で表される。
Vout/Vin=
[R3/(R1+R3)−R4/(R2+R4)] ……式(35)
ピエゾ抵抗素子Rの伸び縮の量と抵抗値Rの変化とが比例することから、入力電圧に対する出力電圧の比(Vout/Vin)は加速度と比例し、X軸の加速度を測定することが可能となる。
(一軸半導体加速度センサ1の利点)
以上のように、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1は、X方向(受感軸方向)におけるバネ定数が接続部8a、8bのそれぞれのX方向におけるバネ定数よりも小さく、かつZ方向(一軸半導体加速度センサ1の厚み方向)への変位が小さい板バネ部9a、9を備えている。そのため、接続部8a、8bのX方向への変位の阻害を小さくして、接続部8a、8bのZ方向への変位を抑制できるので、加速度検出部2の厚さを薄くすることができ、一軸半導体加速度センサ1の薄型化が可能である。
また、L(直線pと、板バネ部9a、9bが接続する変位部6の部位(部位E、部位F)との垂直距離、図8参照)が最も大きくなるように、変位部6のY正方向の端部で板バネ部9a、9bを変位部6に接続しているので、式(31)の−Δzをより大きくすることができる。このため、板バネ部9a、9bによって変位部6(接続部8a、8b)のZ方向への変位をより効果的に抑制することができ、一軸半導体加速度センサ1のさらなる薄型化が可能である。
また、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1では、板バネ部9a、9bを有することにより加速度検出部2の薄型化が可能なため、加速度検出部2を作成するためのエッチング時間を短縮でき、一軸半導体加速度センサ1の製造時間の短縮を図ることができる。
また、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1は、板バネ部9a、9bを有することにより加速度検出部2の薄型化が可能であるため、一軸半導体加速度センサ1の製造のために準備される半導体基板の厚さの選択の自由度(言い換えれば、設計の自由度)を、従来よりも向上させることができる。
(変形例)
図10は、第1の実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1の加速度検出部2の変形例を表す上面図である。図2に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2に示した第1の実施形態の加速度検出部2では、板バネ部9a、9bが蛇行形状に1サイクル折り返して形成されているのに対して、この変形例では、板バネ部9c、9dが蛇行形状に2サイクル折り返して形成されている点で、相違している。
蛇行形状の板バネ部が折り返されるサイクル数は、図2に示す1サイクルや図10に示す2サイクルに限定されない。板バネ部は、X方向におけるそれぞれのバネ定数が接続部8a、8bのX方向におけるそれぞれのバネ定数よりも小さく、かつZ方向への変位が小さい構造であれば、任意のサイクル数にすることができる。
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部20を表す上面図である。なお、図示していないが、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、加速度検出部20の枠部7の上面に上蓋3が、下面に下蓋4がそれぞれ接合されている。図2に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の加速度検出部20は、第1の実施形態での加速度検出部2と、以下の点において相違している。第1に、本実施形態の加速度検出部20は、第1の実施形態での加速度検出部2の変位部6が備えていない、凹部6eを変位部6dに備えている。第2に、本実施形態の加速度検出部20は、第1の実施形態が備える蛇行形状の2つの板バネ部9a、9bに代えて、平板形状の1つの板バネ部9eを備えている。
変位部6dは、平面視で凹形状の基板であり、X方向の加速度を受けて枠部7に対して変位する錘部である。変位部6dには、X方向における中央近傍であって、かつY正方向側に、Y方向に沿って基板の表面と裏面とを貫通する凹部6eが形成されている。変位部6dは、枠部7と離間して枠部7の開口内に配置される。
板バネ部9eは、Z方向の厚さに対してX方向の幅が薄い平板形状であり、凹部6e内にY方向に略平行に配置され、変位部6d及び枠部7に両端部がそれぞれ結合されている。板バネ部9eは、最も撓みやすい方向がX方向であり、Z方向には剛性の高い構造になっている。すなわち、板バネ部9eは、X方向においては変位部6dを弾性的に接続し、変位部6dのX方向への変位の阻害は小さい。一方、Z方向においては、板バネ部9eは、変位部6dを支持してZ方向への変位を抑制している。
板バネ部9eのX方向におけるバネ定数は、接続部8a、8bのX方向におけるそれぞれのバネ定数よりも小さい。これにより、X方向(受感軸方向)の加速度に対して、板バネ部9eによる接続部8a、8bの撓み(変位部6dのX方向への変位)の阻害を小さなものとしている。
接続部8aと枠部7が接続する部位Dと接続部8bと枠部7が接続する部位Fを通る直線を直線pとしたとき、板バネ部9eと変位部6dが接続する部位Jから直線pまでのY方向の垂直距離をL、板バネ部9eのX方向におけるバネ定数をkx9eとすると、板バネ部9eを有しない場合(加速度検出部40)と比較した、板バネ部9eを有する場合(加速度検出部20)の変位部6dのy=LにおけるX方向の変位量の差の相対値(相対変位差)Δxは、以下の式(36)により表すことができる。
Δx=(xLB−x)/x
=−(kx9e/EI)r{(r/3)−rL+L } ……式(36)
接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部9a、9bによる阻害を、十分小さくするため、−Δx<0.1、すなわち、
(kx9e/EI)r{(r/3)−rL+L }<0.1 ……式(37)
であることが好ましい。
加速度検出部20は、例えば、凹部6eのX方向の長さ(幅)Dを50μm、凹部6eのY方向の長さEを500μm、板バネ部9eのX方向の長さ(幅)を20μm、板バネ部9eのY方向の長さを525μm、板バネ部9eのZ方向の厚さを300μmにすることができる(図11参照)。
以上のように、第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサにおいても、X方向(受感軸方向)におけるバネ定数が接続部8a、8bのそれぞれのX方向におけるバネ定数よりも小さく、かつZ方向(一軸半導体加速度センサの厚み方向)への変位が小さい板バネ部9eを備えている。また、L>rとなるように、板バネ部9eを変位部6dに接続している。そのため、第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサは、第1の実施形態の一軸半導体加速度センサ1と同様な効果(利点)を得ることができる。
(変形例)
図12〜図15は、第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部20の変形例を表す上面図である。図2、図11に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図11に示した第2の実施形態の加速度検出部20では、1つの平板形状の板バネ部9eを備えている。これに対して、図12の変形例では2つの平板形状の板バネ部9f、9gを備え、図13、図14の変形例では、Z方向に垂直な断面形状がL字形状の2つの板バネ部9h、9i、板バネ部9j、9kをそれぞれ備え、図15の変形例ではZ方向に垂直な断面形状がT字形状の2つの板バネ部9l、9mを備えている。
図11〜図15に示すように、いずれの板バネ部9f〜9mも、Y方向に略平行に配置され、かつZ方向の厚さに対してX方向の幅が薄い平板部を備えている。板バネ部の形状は、図11、図12に示す平板形状や、図13、図14に示すL字形状や、図15に示すT字形状に限定されない。板バネ部は、このような平板部を備えており、板バネ部のX方向におけるそれぞれのバネ定数が接続部8a、8bのX方向におけるそれぞれのバネ定数よりも小さく、かつZ方向には剛性の高い構造であれば、任意の形状にすることができる。
以上のように、この変形例に係る一軸半導体加速度センサにおいても、加速度検出部は、板バネ部9f〜9mをそれぞれ備えている。また、板バネ部9f〜9mと変位部6がそれぞれ接続する部位と、直線pとのY方向の垂直距離が、接続部8a、8bのY方向のそれぞれの長さrよりも長い。そのため、この変形例に係る一軸半導体加速度センサは、第2の実施形態の一軸半導体加速度センサと同様な効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図16は、本発明の第3の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部30を表す斜視図である。図2に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図示していないが、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、加速度検出部30の枠部37の上面に上蓋3が、下面に下蓋4がそれぞれ接合されている。本実施の形態では、加速度検出部30と上蓋部3間のギャップ5b、及び加速度検出部30と下蓋部4間のギャップ5cの間隔を狭くして(例えばそれぞれ3μm)、変位部36の運動にスライドフィルムダンピング(後述する)をかけることにより変位部36の共振時の振幅を小さくし、共振による接続部8a、8bの損傷の低減を図っている。
図16に示すように、本実施形態の加速度検出部30は、第1の実施形態の加速度検出部2と、以下の点において相違している。第1に、本実施形態の加速度検出部30は、第1の実施形態での加速度検出部2の変位部6が備えていない、櫛歯部36b、36c(後述する)を変位部36(後述する)に備えている。第2に、本実施形態の加速度検出部30は、第1の実施形態での加速度検出部2の枠部7が備えていない、櫛歯部37b、37c(櫛歯部36b、36cにそれぞれ対応して配置される)を枠部37(後述する)に備えている。すなわち、本実施形態の一軸半導体加速度センサは、変位部36に櫛歯部36b、36c、枠部37に櫛歯部37b、37cを備えることにより、スクイーズドフィルムダンピング(後述する)による大きなダンピング効果を得ることができる。これにより、共振による接続部8a、8bの損傷を低減させることができる。
加速度検出部30は、変位部36と、枠部37と、接続部8a、8bと、板バネ部9a、9bと、接続部8a、8b上に配置される複数のピエゾ抵抗素子R(R1〜R4)とで構成されている。加速度検出部30は、例えば誘導結合型プラズマエッチング法(ICPエッチング法)により、半導体基板を異方性ドライエッチングしてトレンチ溝35a、35b(細長い溝)、孔部32を形成することにより作成できる。
トレンチ溝35aは、基板のY軸正方向寄りの領域において、繰り返し折り返された形状でX方向に向かってに延びている。
トレンチ溝35bは、基板のY軸負方向寄りの領域において、繰り返し折り返された形状でX方向に向かってに延びている。
トレンチ溝35a、35bは、基板の表面と裏面を貫通している。変位部36と枠部37とは、トレンチ溝5a、5b、孔部32によって分離され相対的に移動可能である。
トレンチ溝35a、35bのギャップ(間隙)の幅を、例えば3μmにすることにより、変位部36の運動に後述するスクイーズドフィルムダンピングをかけて変位部36の共振時の振幅を小さくし、共振による接続部8a、8bの損傷の低減を図ることができる。
孔部32は、半導体基板のX正方向の一側寄りとX負方向の一側寄りにそれぞれ配置され、断面凹形状に基板の表面と裏面を貫通する空間である。2つの孔部32は、変位部36及び接続部8a、8bを挟むように接して配置される。孔部32のY正方向に位置するそれぞれの凹部には、板バネ部9a、9bがそれぞれ接するように配置されている。
変位部36は、X方向の加速度を受けて枠部37に対して変位する錘部である。変位部36は、枠部37と離間して枠部37の開口に設けられ、基体部36aと、櫛歯部36b、36cとに区分できる。
基体部36aは、接続部8a、8bの一端とそれぞれ接続された、平面視で略長方形の基板である。
櫛歯部36bは、基体部36aのY正方向の端部から、Y正方向へ櫛歯が延びる櫛歯形状の部分である。
櫛歯部36cは、基体部36aのY負方向の端部から、Y負方向へ櫛歯が延びる櫛歯形状の部分である。
本明細書中において、櫛歯形状とは、櫛歯(すなわち凸部)を有する形状をいう。なお、本実施の形態では、大きなスクイーズドフィルムダンピング効果が得られる等の観点から、櫛歯部36b、36cの櫛歯、櫛歯部37b、37cの櫛歯、及び櫛歯部36b、36c、37b、37cのそれぞれの櫛歯間に配置される凹部の外形を、平面視で矩形形状としているが、これらは矩形形状に限定されるものではない。スクイーズドフィルムダンピング効果を得ることができるため、変位部36が、Y方向の一端又は両端に、凸部とこの凸部に並んで配置される凹部とを有し、枠部37が、変位部36の凸部に対応する凹部と、変位部36の凹部に対応する凸部とを有していればよい。
一般に、一軸半導体加速度センサの接続部8a、8bと変位部36は共振周波数をもち、衝撃等により外部からその周波数の加振力が加わると共振して変位部36に大きな変位が発生し、極端な場合には接続部8a、8bが損傷する可能性がある。そのため、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサでは、変位部36の櫛歯部36b、36cを、エアダンピングによる減衰係数が大きい櫛歯形状として、変位部36の共振時の振幅を小さくし、共振による接続部8a、8bの損傷の低減を図っている。変位部36が櫛歯形状を有するとエアダンピングによる減衰係数が大きくなるのは、後述するように大きなスクイーズドフィルムダンピング効果が得られるためである。
ここで、ダンピング効果について説明する。本明細書中においては、エアダンピングとは、気体を媒体として変位部36の運動を減衰させることをいう。固定された壁面に間隙を介して板状の振動体が対向配置されている場合に、その振動体と壁面との間隔が狭いほど、空気の粘性による影響が大きいためエアダンピング効果が大きくなる。エアダンピングには、振動体を壁面に略平行方向に振動させた場合に生じるスライドフィルムダンピングと、振動体が壁面を圧するような方向に(例えば、振動体を壁面に対して略垂直方向に)振動させた場合に生じるスクイーズドフィルムダンピングとを挙げることができる。
図17は、変位部36の櫛歯部36bの側面36b−1〜36b−3と、変位部36の櫛歯部36cの側面36c−1〜36c−3を表した図である。図18は、枠部37の櫛歯部37bの側面37b−1〜37b−3と、枠部37の櫛歯部37cの側面37c−1〜37c−3を表した図である。なお、図17、図18では、位置関係を明確にするため、接続部8a、8bも図示している。また、枠部37の櫛歯部37b、37cについては後述する。
X方向の加速度を受けて変位部36は実質的にX方向にのみ変位するため、櫛歯部36bのX軸に平行な側面36b−1、36b−2は、その側面に対向する櫛歯部37bの側面37b−1、37b−2に対してそれぞれ略平行方向に振動する。また、櫛歯部36cのX軸に平行な側面36c−1、36c−2は、その側面に対向する櫛歯部37cの側面37c−1、37c−2に対してそれぞれ略平行方向に振動する。そのため、櫛歯部36b、36cの側面36b−1、36b−2、36c−1、36c−2と、その側面に対向する櫛歯部37b、37cの側面37b−1、37b−2、37c−1、37c−2との間では、それぞれスライドフィルムダンピング効果が得られる。
X方向の加速度を受けて変位部36は実質的にX方向にのみ変位するため、櫛歯部36bのY軸に平行な側面36b−3は、その側面に対向する櫛歯部37bの側面37b−3に対して略垂直方向に振動する。また、櫛歯部36cのY軸に平行な側面36c−3は、その側面に対向する櫛歯部37cの側面37c−3に対して略垂直方向に振動する。そのため、櫛歯部36b、36cの側面36b−3、36c−3と、その側面に対向する櫛歯部37b、37cの側面37b−3、37c−3との間では、それぞれスクイーズドフィルムダンピング効果が得られる。
側面36b−1、36b−2、36c−1、36c−2の面積の総和よりも側面36b−3、36c−3の面積の総和のほうが大きいため、面積的に見てスライドフィルムダンピングよりスクイーズドフィルムダンピングの寄与が大きい。また、同じ面積で比較した場合でも、スクイーズドフィルムダンピングのほうがスライドフィルムダンピングよりも数桁高いダンピング効果がある。このため、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサは、櫛歯部36b、36c、37b、37cに櫛歯形状を採用しているため、スクイーズドフィルムダンピングによる大きなエアダンピング効果を得ることができる。これにより、エアダンピングの媒体が大気圧下の空気であっても、共振時の変位部36の振幅を小さくし、共振による接続部8a、8bの損傷の低減を図ることができる。
ここで、エアダンピングの媒体は、本実施の形態で使用した大気圧下の空気に限定されず、例えば、He、Ne等の希ガスや窒素ガス等の空気よりも粘性係数の大きな媒体を用いれば、さらに大きなダンピング効果を得ることができる。また、圧力を高めたエアダンピングの媒体を用いても、さらに大きなダンピング効果を得ることができる。
本実施形態に係る一軸半導体加速度センサは、エアダンピングの媒体に大気圧下の空気を使用でき、エアダンピングの媒体に大気圧下の空気を使用した場合には他の媒体を使用する場合に比べれば気密の重要性が低いともいえる。そのため、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサは、エアダンピングの媒体に大気圧下の空気を使用して簡易に製造でき、耐久性も高い。
変位部36に形成される櫛歯部はY方向の一端に形成してもよいが、本実施の形態のようにY方向の両端に2つの櫛歯部36b、36cを形成することが好ましい。変位部36に2つの櫛歯部36b、36cを形成しているのは、スクイーズドフィルムダンピング効果をより増大させ、共振による接続部8a、8bの損傷をより低減させることができるためである。
また、変位部36に2つの櫛歯部36b、36cを形成しているのは、一軸半導体加速度センサの小型化と高感度化の両立を図るためである。櫛歯部36bのみを形成し櫛歯部36cを形成せずに一軸半導体加速度センサを小型化(小容量化)すると、変位部36の容量も小さくなり、その質量が小さくなることから、加速度に対する感度も低下するおそれがある。櫛歯部36b、36cを2つに分けて分散配置することで、変位部36の質量を確保している。この結果、一軸半導体加速度センサの小型化と高感度化の両立が図られる。
また、櫛歯部36b、36cの櫛歯の数を増やせば、ダンピング効果を大きくすることができる。櫛歯の長さを同一にして、櫛歯部36b、36cの櫛歯の数を増やすと、櫛歯部36bの側面36b−1、36b−2、及び櫛歯部36cの側面36c−1、36c−2の面積の総和は同一のためスライドフィルムダンピング効果は変化しないが、側面36b−3、36c−3の面積の総和は増加するのでスクイーズドフィルムダンピング効果を増加させることができるからである。
櫛歯部36b、36cの歯数は、図16に示す5個に限定されず、また、櫛歯部36b、36cの櫛歯の長さや幅も限定されず、これらは一軸半導体加速度センサの外形寸法、所望のダンピング比等に基づいて定めることができる。
加速度検出部30は、例えば、櫛歯部36bの歯数を66個、櫛歯の長さを390μm、櫛歯の幅を12μm、櫛歯の間隔を22μmとし、櫛歯部36cの歯数を63個、櫛歯の長さを390μm、櫛歯の幅を12μm、櫛歯の間隔を22μmにすることができる。
枠部37は、枠体部37aと、櫛歯部37b、37cとに区分できる。枠体部37aは、平面視で外周、内周が共に略長方形の枠形状の基板であり、その上面に上蓋3が、下面に下蓋4がそれぞれ接合されている。
櫛歯部37bは、櫛歯部36bの櫛歯の隙間に噛み合うように変位部36と対向し、Y負方向へ櫛歯が延びる櫛歯形状の部分である。櫛歯部37bと櫛歯部36bとの間には、トレンチ溝35aが形成され互いに離間して配置されている。
櫛歯部37cは、櫛歯部36cの櫛歯の隙間に噛み合うように変位部36と対向し、Y正方向へ櫛歯が延びる櫛歯形状の部分である。櫛歯部37bと櫛歯部36bとの間には、トレンチ溝35bが形成され互いに離間して配置されている。
加速度検出部30は、櫛歯部37b、37cの櫛歯が櫛歯部36b、36cの櫛歯の隙間にそれぞれ噛み合うように、櫛歯部36b、36cの歯数、長さ、幅、櫛歯の間隔に対応して、例えば、櫛歯部37bの歯数を65個、櫛歯の長さを390μm、櫛歯の幅を12μm、櫛歯の間隔を22μmとし、櫛歯部37cの歯数を62個、長さを390μm、幅を12μm、櫛歯の間隔を22μmにすることができる。
以上のように、本実施形態の一軸半導体加速度センサにおいても、加速度検出部30は、板バネ部9a、9bを備えており、また、板バネ部9a、9bは、変位部36のY正方向の端部とそれぞれ接続している。そのため、本実施形態の一軸半導体加速度センサは、第1の実施形態の一軸半導体加速度センサ1と同様な効果(利点)を得ることができる。
第1の実施形態の一軸半導体加速度センサ1と同様な効果に加えて、本実施形態の一軸半導体加速度センサは、以下の効果を有している。
本実施形態に係る一軸半導体加速度センサにおいては、変位部36に櫛歯部36b、36c、枠部37に櫛歯部37b、37cを備えているので、スクイーズドフィルムダンピングによる大きなダンピング効果を得ることができ、共振による接続部8a、8bの損傷を低減させることができる。
また、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサによれば、加速度検出部30を薄型化することにより、櫛歯部36b、37b間、櫛歯部36c、37c間の面積の総和が減少しても、十分なダンピング効果を得ることができる。本実施形態によれば、後述する理由により、トレンチ溝35aの櫛歯部36b、37b間のギャップ幅、トレンチ溝35bの櫛歯部36c、37c間のギャップ幅を従来よりも狭くすることが可能であり、このギャップ幅が狭ければ狭いほどダンピング効果は大きくなるからである。
トレンチ溝35a、35bのギャップ幅を従来よりも狭くすることが可能な理由を以下に述べる。これらのトレンチ溝35a、35bを作成する方法としては、例えば誘導結合型プラズマエッチング法(ICPエッチング法)を用いることができるが、高アスペクト比(半導体基板の厚さ/ギャップ幅)のギャップを作成することは技術的に困難である。本実施の形態によれば、板バネ部9a、9bを有することにより加速度検出部30(半導体基板)を薄くすることができるので、トレンチ溝35a、35bのギャップ幅を従来より狭くすることができ、十分なダンピング効果を得ることができる。
また、前述したように、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサでは、板バネ部9a、9bを有することにより従来よりも加速度検出部30の薄型化が可能であり、その結果、トレンチ溝35a、35bのギャップ幅のギャップ幅を従来よりも狭くすることができる。このため、所望のダンピング効果を得たい場合に、加速度検出部30の厚さやトレンチ溝35a、35bのギャップ幅を選択することができ、ダンピング効果に関しても一軸半導体加速度センサの設計の自由度を増すことができる
(実施例)
一般に、一軸半導体加速度センサの接続部(梁)と変位部(錘部)は共振周波数をもち、加速度検出部の厚さが同じ(すなわち変位部の質量が同じ)場合には、共振周波数が高いと、接続部の剛性が高く、変位部の変位量が小さいことが知られている。本発明に係る一軸半導体加速度センサは、板バネ部を有しているので、接続部と板バネ部と変位部は、共振周波数をもち、加速度検出部の厚さが同じ(すなわち変位部の質量が同じ)場合には、共振周波数が高いと、接続部及び板バネ部の剛性が高く、変位部の変位量が小さいといえる。
そこで、一軸半導体加速度センサのX方向、Z方向の共振周波数と、加速度検出部の厚さとの関係について実験的検討を加えた。
具体的には、第1の実施形態の加速度検出部2を備えた一軸半導体加速度センサ1、第2の実施形態の加速度検出部20を備えた一軸半導体加速度センサを用いて、加速度検出部2、20のそれぞれの厚さにおけるX方向、Z方向の共振周波数を調べた。
比較例として、図19に示す板バネ部を備えない従来の一軸半導体加速度センサを用いて、加速度検出部40のそれぞれの厚さにおけるX方向、Z方向の共振周波数も調べた。
図20は、加速度検出部2、20(実施例)、加速度検出部40(比較例)のそれぞれの厚さにおけるX方向、Z方向のそれぞれの共振周波数を表す図である。図20に示すように、加速度検出部2、20(実施例)、加速度検出部40(比較例)のX方向のそれぞれの共振周波数は、いずれの厚みにおいてもそれぞれ略同じであるため、同一のプロット(三角のプロット)で表している。また、加速度検出部2、20(実施例)、加速度検出部40(比較例)のX方向のそれぞれの共振周波数は、150μm〜300μmの厚みにおいて略一定の値(約40kHz)であった。
図20に示されるように、加速度検出部2、20は、150μm〜300μmのいずれの厚さにおいても、Z方向の共振周波数がX方向の共振周波数よりも高くなり、板バネ部9a、9bや板バネ部9eにより変位部6、6dのZ方向への変位が抑制されていることが確認された。
これに対して、加速度検出部40(比較例)は、約250μmの厚さ以下ではZ方向の共振周波数がX方向の共振周波数よりも低くなることが確認された。加速度検出部40(比較例)を薄型化すると、受感軸方向(X方向)以外のZ方向成分の加速度に対しても変位するので、一軸の加速度センサとして機能しない状態になることがわかる。
以上の結果から、本発明に係る板バネ部(例えば板バネ部9a、9bや板バネ部9e)を有する一軸半導体加速度センサ(加速度検出部2、20をそれぞれ備える一軸半導体加速度センサ)は、板バネ部を備えない従来の一軸半導体加速度センサ(加速度検出部40を備える一軸半導体加速度センサ)と比較して、薄型化できることが認められた。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の第1の実施形態に係る一軸半導体加速度センサを表す斜視図である。 本発明の第1の一実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部を表す斜視図である。 図1の一軸半導体加速度センサを表す上面図である。 一軸半導体加速度センサを図3のA−Aに沿って切断した状態を表す一部断面図である。 一軸半導体加速度センサを図3のB−Bに沿って切断した状態を表す一部断面図である。 加速度検出部の要部を表す斜視図である。 図6の点線の楕円で囲まれた領域の拡大図であって、接続部に形成したピエゾ抵抗素子R3、R4の近傍の上面図である。 本発明の第1の一実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部を表す上面図である。 ピエゾ抵抗素子の抵抗からX軸方向の加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。 第1の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部の変形例を表す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部を表す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部の変形例を表す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部の変形例を表す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部の変形例を表す上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部の変形例を表す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部を表す斜視図である。 変位部の櫛歯部の側面を区分して表した図である。 枠部の櫛歯部の側面を区分して表した図である。 従来の一軸半導体加速度センサの加速度検出部を表す上面図である。 第1の実施形態の加速度検出部、第2の実施形態の加速度検出部、従来の加速度検出部(比較例)のそれぞれの厚さにおけるX方向、Z方向のそれぞれの共振周波数を表す図である。
符号の説明
1…一軸半導体加速度センサ、2,20,30,40…加速度検出部、3…上蓋部、4…下蓋部、5a〜5c…ギャップ、6,6d,6f,36…変位部、6e…凹部、7,37…枠部、8a,8b…接続部、9a〜9m…板バネ部、10,12,32…孔部、11…配線、35a,35b…トレンチ溝、36a…基体部、36b,36c…櫛歯部、37a…枠体部、37b,37c…櫛歯部、R(R1〜R4)…ピエゾ抵抗素子、a1,a2…平板部、b1,b2…ジョイント部。

Claims (9)

  1. 半導体材料からなる枠部と、
    前記半導体材料からなり、前記枠部内に配置され、第1の方向の加速度を受けて前記枠部に対して変位する変位部と、
    前記半導体材料からなり、前記変位部と前記枠部とをそれぞれ接続し、かつ前記第1の方向に並んで配置される複数の接続部であって、前記第1の方向での幅より前記第1の方向に垂直な第2の方向での厚さが大きい断面形状を有する複数の接続部と、
    前記複数の接続部に配置される複数の歪検出素子と、
    前記半導体材料からなり、前記変位部と前記枠部とを接続し、かつ前記第1の方向での幅より前記第2の方向での厚さが大きい断面形状を有する平板部を備える板バネ部であって、前記第1の方向におけるバネ定数が前記複数の接続部の前記第1の方向におけるそれぞれのバネ定数よりも小さい板バネ部と、
    を具備することを特徴とする一軸半導体加速度センサ。
  2. 前記第1、第2の方向と直交する第3の方向において前記複数の接続部のそれぞれの長さが等しく、前記複数の接続部と前記枠部が接続するそれぞれの部位が前記第1の方向に平行な同一の直線上に配置され、
    前記半導体材料のヤング率をE、前記複数の接続部における前記第2の方向に配置される中立軸に関する断面二次モーメントをI、前記板バネ部の前記第1の方向における前記バネ定数をk、前記複数の接続部における前記第3の方向での前記長さをr、前記複数の接続部と前記枠部が接続する部位を通る前記第1の方向に平行な前記直線と、前記板バネ部と前記変位部が接続する部位との垂直距離をLとしたとき、次の式
    Figure 0005035184
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の一軸半導体加速度センサ。
  3. 前記板バネ部が複数配置され、前記複数配置された前記板バネ部の第1の方向におけるバネ定数の合計が、前記複数の接続部の第1の方向におけるバネ定数の合計よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の一軸半導体加速度センサ。
  4. 前記複数配置された前記板バネ部の個数をn個、前記n個配置された前記板バネ部のうちi番目の板バネ部の前記第1の方向におけるそれぞれのバネ定数をkxi、前記n個配置された前記板バネ部のうちi番目の板バネ部と前記変位部が接続する部位と、前記直線との垂直距離をそれぞれLとしたとき、次の式
    Figure 0005035184
    を満たすことを特徴とする請求項3に記載の一軸半導体加速度センサ。
  5. 前記変位部が、前記第3の方向に配置される一端及び他端を有し、
    前記複数の接続部が、前記変位部の前記一端とそれぞれ接続し、
    前記板バネ部が、前記変位部の前記一端以外の部位と接続することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の一軸半導体加速度センサ。
  6. 前記変位部が、前記第3の方向の前記一端に第1の凸部と、この第1の凸部に並んで配置される第1の凹部とをさらに有し、
    前記枠部が、前記第1の凸部に対応する第2の凹部と、前記第1の凹部に対応する第2の凸部とをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の一軸半導体加速度センサ。
  7. 前記変位部が、前記第3の方向の前記他端に、第3の凸部とこの第3の凸部に並んで配置される第3の凹部とをさらに有し、
    前記枠部が、前記第3の凸部に対応する第4の凹部と、前記第3の凹部に対応する第4の凸部とをさらに有することを特徴とする請求項5又は6に記載の一軸半導体加速度センサ。
  8. 前記変位部の一端及び/又は他端に配置される前記第1、第3の凸部及び前記第1、第3の凹部の外形が、それぞれ矩形であることを特徴とする請求項6又は7に記載の一軸半導体加速度センサ。
  9. 前記第1、第3の凸部の前記矩形の一辺が、前記第3の方向に平行に配置されることを特徴とする請求項8に記載の一軸半導体加速度センサ。
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