JP5035184B2 - 一軸半導体加速度センサ - Google Patents
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Description
上記に鑑み、本発明は、薄型化を可能にする一軸半導体加速度センサを提供することを目的とする。
したがって、本発明に係る半導体加速度センサは実質的に一軸(受感軸)方向のみの加速度を検出できる。
これに対して、第2の方向(一軸半導体加速度センサの厚み方向)の加速度に対しては、板バネ部が第2の方向での厚さに対して第1の方向の幅が薄い平板部を備えるため、板バネ部の第2の方向への変位は小さい。このため、第2の方向の加速度に対しては、板バネ部は接続部を支持するように機能し、接続部の第2の方向への変位を小さくする。
したがって、本発明に係る一軸半導体加速度センサは、接続部の第1の方向(受感軸方向)への変位の阻害が小さい板バネ部によって、接続部の第2の方向(一軸半導体加速度センサの厚み方向)への変位を抑制できる。そのため、本発明に係る一軸半導体加速度センサは、薄型化が可能であり、薄型化を図った場合でも実質的に一軸方向(第1の方向)のみの加速度を検出することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1を表す斜視図である。一軸半導体加速度センサ1は、加速度検出部2と加速度検出部2を狭持するように配設された上蓋部3及び下蓋部4とで構成されている。図2は、加速度検出部2を表す斜視図である。また、図3は図1の一軸半導体加速度センサ1を表す上面図である。図4は、一軸半導体加速度センサ1を図3のA−Aに沿って切断した状態を表す一部断面図である。図5は、一軸半導体加速度センサ1を図3のB−Bに沿って切断した状態を表す一部断面図である。
上蓋部3の外形は、例えば、X方向2500μm、Y方向1750μm、Z方向300μmの辺の直方体形状である。下蓋部4の外形は、例えば、X方向2500μm、Y方向2000μm、Z方向300μmの辺の直方体形状である。上蓋部3及び下蓋部4の構成材料には、例えばパイレックス(登録商標)のようなガラス板を用いることができる。
上蓋部3は、加速度検出部2及び下蓋部4よりもY方向の長さが例えば250μm短く、加速度検出部2と上蓋部3によって、一軸半導体加速度センサ1の前面には段差Wが形成されている。
また、X方向の加速度を受けて加速度検出部2の変位部6(後述する)が変位できるように、一軸半導体加速度センサ1内の加速度検出部2と上蓋部3との間にはギャップ5b(間隙)が設けられ、加速度検出部2と下蓋部4との間にはギャップ5c(間隙)が設けられている。
ギャップ5aは、半導体基板のY正方向の一側寄りに断面コ字型に基板の表面と裏面を貫通する細長い溝である。
孔部10は、半導体基板のY負方向の一側寄りに直方体形状に基板の表面と裏面を貫通する空間である。孔部10の長手方向で対向する一対の面は、接続部8a、8bによって挟まれるように接続部8a、8bとそれぞれ接している。
孔部12は、半導体基板のX正方向の一側寄りとX負方向の一側寄りにそれぞれ配置され、断面凹形状に基板の表面と裏面を貫通する空間である。2つの孔部12は、変位部6及び接続部8a、8bを挟むように接して配置されている。孔部12のY正方向に位置するそれぞれの凹部には、板バネ部9a、9bが接するようにそれぞれ配置されている。
この方法では、材料層を厚み方向に浸食しながら掘り進むエッチング段階と、掘った穴の側面にポリマーの壁を形成するデポジション段階と、を交互に繰り返す。掘り進んだ穴の側面は、順次ポリマーの壁が形成されて保護されるため、ほぼ厚み方向にのみ浸食を進ませることが可能になる。
枠部7は、平面視で外周、内周が共に略長方形の枠形状の基板であり、その上面に上蓋3が、下面に下蓋4がそれぞれ接合されている。
変位部6と枠部7とは、ギャップ5aによって分離され相対的に移動可能である。
接続部8a、8bは、例えば、Y方向の長さを400μm、X方向の幅を50μm、Z方向の厚さを300μmにすることができる。
ピエゾ抵抗素子Rの長手方向を配線11の電流方向に沿わせて配置している。ピエゾ抵抗素子Rは、歪検出素子として機能する。ピエゾ抵抗素子Rは抵抗の変化として接続部8a、8bの撓み(あるいは、歪)、ひいては変位部6の変位を検出するためのものである。なお、この詳細は後述する。
板バネ部9a、9bは、最も撓みやすい方向がX方向であり、Z方向には剛性の高い構造になっている。すなわち、板バネ部9a、9bは、X方向においては変位部6を弾性的に接続し、変位部6のX方向への変位の阻害を小さなものとしている。一方、板バネ部9a、9bはZ方向の変位が小さいため、Z方向においては変位部6を支持するように機能し変位部6のZ方向への変位を抑制している。
一軸半導体加速度センサ1が板バネ部9a、9bを有することにより、一軸半導体加速度センサ1の薄型化が容易となる。なお、板バネ部9a、9bを備える一軸半導体加速度センサ1の薄型化の詳細については、後述する。
本明細書中において、接続部8aのX方向におけるバネ定数とは、接続部8aにX方向の力F1が働いたときの接続部8aのX方向の変位x1に対してフックの法則F1=kx1が成り立つとき、比例定数kをいう。ここで、接続部8aのX方向の変位x1とは、接続部8aの荷重部M(接続部8aが変位部6と接続する部位)のX方向の変位をいう。すなわち、接続部8aのX方向の変位x1とは、接続部8aの支持部D(接続部8aが枠部7と接続する部位)を通るY方向に平行な直線と、接続部8aの荷重部M(接続部8aが変位部6と接続する部位)との垂直距離をいう。
接続部8bのバネ定数kについても、接続部8aと同様に考えることができる。
板バネ部9bのバネ定数kxについても、板バネ部9aと同様に考えることができる。
なお、板バネ部が複数配置される場合に、接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部による阻害を小さくする詳細については、後述する。
平板部a1は、Y方向に略平行に配置され、Z方向の厚さに対してX方向の幅が薄く、かつ枠部7とジョイント部b1とに接続される板状のものである。
平板部a2は、Y方向に略平行に配置され、Z方向の厚さに対してX方向の幅が薄く、かつジョイント部b1、b2に接続される板状のものである。
ジョイント部b1は、平板部a1、a2を接続し、かつX方向に略平行に配置される板状のものである。
ジョイント部b2は、平板部a2と変位部6とを接続し、かつX方向に略平行に配置される板状のものである。
平板部a1、a2と、ジョイント部b1、b2は一体的に構成されている。
一般に、従来の一軸半導体加速度センサの加速度検出部を薄型化すると、変位部が枠部に対してZ方向にも変位してしまい、受感軸方向以外の加速度に対しても変位するので、一軸の加速度センサとして機能しない状態になってしまう。
一方、Z方向(一軸半導体加速度センサ1の厚み方向)の加速度に対しては、板バネ部9a、9bがZ方向での厚さに対してX方向の幅が薄い平板部を備えるため、板バネ部9a、9bのZ方向への変位は小さい。このため、Z方向の加速度に対しては、板バネ部9a、9bは接続部8a、8bを支持するように機能し、接続部8a、8bのZ方向への変位を小さくする。
次に接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部9a、9bによる阻害を、小さくする詳細について、より精密に説明する。
図8に示すように、接続部8a、8bのY方向の長さをrとする。また、接続部8aと枠部7が接続する部位Dと接続部8bと枠部7が接続する部位Fを通る直線を直線pとしたとき、板バネ部9aと変位部6が接続する部位Eから直線pまでのY方向の垂直距離(板バネ部9bと変位部6が接続する部位Hから直線pまでのY方向の垂直距離)をLとする。また、直線pと変位部6の重心Gとの垂直距離をS、変位部6の質量をm、印加されるX方向の加速度をα、板バネ部9a、9bに働くX方向の力の合力をFxとする。
EI(dx/dy)
=−{(1/2)(mα−Fx)y2+(FxL−mαS)y}+C1 ……式(6)
EIx
=(1/6)(Fx−mα)y3+(1/2)(mαS−FxL)y2+C1y+C2…式(8)
したがって、撓み角dx/dy、撓み量xは、以下の式(9)、式(10)を満たす。
dx/dy=
−(y/2EI){(mα−Fx)y+2(FxL−mαS)} ……式(9)
x=(y2/6EI){(Fx−mα)y+3(mαS−FxL)} ……式(10)
(dx/dy)r
=−(r/2EI){(mα−Fx)r+2(FxL−mαS)} ……式(11)
xr=(r2/6EI){(Fx−mα)r+3(mαS−FxL)} ……式(12)
xLB=xr+(L−r)(dx/dy)r
=(r/6EI)[(2mα−2Fx)r2+3{(2Fx−mα)L−mαS}r
−6L(FxL−mαS)] ……式(13)
図19は、板バネ部を有していない従来の一軸半導体加速度センサの加速度検出部40を表す上面図である。図19に示す加速度検出部40は、図2に示す加速度検出部2が備えている板バネ部9a、9bを有していない点で、加速度検出部2と相違している。図2に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
EI(dx/dy)=mα{Sy−(y2/2)}+C1 ……式(19)
また、式(18)を式(7)に代入すれば、以下の式(20)を満たす。
EIx=mα{(−y3/6)+(Sy2/2)}+C1y+C2 ……式(20)
したがって、撓み角dx/dy、撓み量xは、以下の式(21)、式(22)を満たす。
dx/dy=(mα/2EI)y(2S−y) ……式(21)
x=(mα/6EI)y2(3S−y) ……式(22)
(dx/dy)r=(mα/2EI)r(2S−r) ……式(23)
xr=(mα/6EI)r2(3S−r) ……式(24)
xL=xr+(L−r)(dx/dy)r
=(mα/6EI)r{2r2−3r(S+L)+6SL)} ……式(25)
板バネ部9a、9bを有しない場合(加速度検出部40)と比較した、板バネ部9a、9bを有する場合(加速度検出部2)の変位部6のy=LにおけるX方向の変位量の差の相対値(相対変位差)ΔxLは、以下の式(26)により表すことができる。
ΔxL=(xLB−xL)/xL
=−(kx/EI)r{(2r2/3)−2rL+2L2} ……式(26)
接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部9a、9bによる阻害を、十分小さくするため、−ΔxL<0.1、すなわち、
(kx/EI)r{(2r2/3)−2rL+2L2}<0.1 ……式(27)
であることが好ましい。
接続部8a、8bのX方向への撓みに対するn個の板バネ部による阻害を、十分小さくするため、−ΔxL<0.1、すなわち、
次に、板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bのZ方向への変位の抑制の詳細について、説明する。
式(26)と同様に、板バネ部9a、9bを有しない場合(加速度検出部40)と比較した、板バネ部9a、9bを有する場合(加速度検出部2)の変位部6のy=LにおけるZ方向の変位量の差の相対値(相対変位差)ΔzLは、以下の式(31)により表すことができる。
ΔzL=(zLB−zL)/zL
=−(kz/EI2)r{(2r2/3)−2rL+2L2} ……式(31)
(kz/EI2)r{(2r2/3)−2rL+2L2}>0.3 ……式(32)
であることが好ましい。
接続部8a、8bのX方向への撓みに対するn個の板バネ部による阻害を、十分小さくするため、−ΔzL>0.3、すなわち、
式(31)からわかるように、Lが大きいほど、すなわち、直線p(接続部8aと枠部7が接続する部位Dと接続部8bと枠部7が接続する部位Fを通る直線、図8参照)と、板バネ部9a、9bが接続する変位部6の部位(部位E、部位F)との垂直距離が長いほど、ΔzLは大きくなる。ΔzL(板バネ部9a、9bによる接続部8a、8bのZ方向への変位の抑制)を大きくすることにより、加速度検出部2の厚さをさらに薄くすることができるので、一軸半導体加速度センサ1のさらなる薄型化が可能である。
本実施形態では、Lが最も大きくなるように、変位部6のY正方向の端部に板バネ部9a、9bをそれぞれ接続しているので、−ΔzLを最も大きくすることができる。このため、変位部6(接続部8a、8b)のZ方向への変位をより効果的に抑制することができ、一軸半導体加速度センサ1のさらなる薄型化が可能である。
次に、一軸半導体加速度センサ1の動作について説明する。
本発明に係る一軸半導体加速度センサ1による加速度の検出の原理を説明する。図6、図7に示すように、接続部8a、8bの各両端部付近であって、接続部8a、8bの上面の外縁に合計4個のピエゾ抵抗素子R1〜R4が配置されている。これらのピエゾ抵抗素子Rは、単結晶シリコン基板の接続部8a、8bの上面に形成されたP型もしくはN型の不純物ドープ領域によって構成できる。
Vout/Vin=
[R3/(R1+R3)−R4/(R2+R4)] ……式(35)
以上のように、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1は、X方向(受感軸方向)におけるバネ定数が接続部8a、8bのそれぞれのX方向におけるバネ定数よりも小さく、かつZ方向(一軸半導体加速度センサ1の厚み方向)への変位が小さい板バネ部9a、9を備えている。そのため、接続部8a、8bのX方向への変位の阻害を小さくして、接続部8a、8bのZ方向への変位を抑制できるので、加速度検出部2の厚さを薄くすることができ、一軸半導体加速度センサ1の薄型化が可能である。
また、L(直線pと、板バネ部9a、9bが接続する変位部6の部位(部位E、部位F)との垂直距離、図8参照)が最も大きくなるように、変位部6のY正方向の端部で板バネ部9a、9bを変位部6に接続しているので、式(31)の−ΔzLをより大きくすることができる。このため、板バネ部9a、9bによって変位部6(接続部8a、8b)のZ方向への変位をより効果的に抑制することができ、一軸半導体加速度センサ1のさらなる薄型化が可能である。
また、本実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1は、板バネ部9a、9bを有することにより加速度検出部2の薄型化が可能であるため、一軸半導体加速度センサ1の製造のために準備される半導体基板の厚さの選択の自由度(言い換えれば、設計の自由度)を、従来よりも向上させることができる。
図10は、第1の実施形態に係る一軸半導体加速度センサ1の加速度検出部2の変形例を表す上面図である。図2に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2に示した第1の実施形態の加速度検出部2では、板バネ部9a、9bが蛇行形状に1サイクル折り返して形成されているのに対して、この変形例では、板バネ部9c、9dが蛇行形状に2サイクル折り返して形成されている点で、相違している。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部20を表す上面図である。なお、図示していないが、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、加速度検出部20の枠部7の上面に上蓋3が、下面に下蓋4がそれぞれ接合されている。図2に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
ΔxL=(xLB−xL)/xL
=−(kx9e/EI)r{(r2/3)−rLe+Le 2} ……式(36)
接続部8a、8bのX方向への撓みに対する板バネ部9a、9bによる阻害を、十分小さくするため、−ΔxL<0.1、すなわち、
(kx9e/EI)r{(r2/3)−rLe+Le 2}<0.1 ……式(37)
であることが好ましい。
図12〜図15は、第2の実施形態に係る一軸半導体加速度センサの加速度検出部20の変形例を表す上面図である。図2、図11に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図11に示した第2の実施形態の加速度検出部20では、1つの平板形状の板バネ部9eを備えている。これに対して、図12の変形例では2つの平板形状の板バネ部9f、9gを備え、図13、図14の変形例では、Z方向に垂直な断面形状がL字形状の2つの板バネ部9h、9i、板バネ部9j、9kをそれぞれ備え、図15の変形例ではZ方向に垂直な断面形状がT字形状の2つの板バネ部9l、9mを備えている。
図示していないが、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、加速度検出部30の枠部37の上面に上蓋3が、下面に下蓋4がそれぞれ接合されている。本実施の形態では、加速度検出部30と上蓋部3間のギャップ5b、及び加速度検出部30と下蓋部4間のギャップ5cの間隔を狭くして(例えばそれぞれ3μm)、変位部36の運動にスライドフィルムダンピング(後述する)をかけることにより変位部36の共振時の振幅を小さくし、共振による接続部8a、8bの損傷の低減を図っている。
トレンチ溝35bは、基板のY軸負方向寄りの領域において、繰り返し折り返された形状でX方向に向かってに延びている。
トレンチ溝35a、35bは、基板の表面と裏面を貫通している。変位部36と枠部37とは、トレンチ溝5a、5b、孔部32によって分離され相対的に移動可能である。
トレンチ溝35a、35bのギャップ(間隙)の幅を、例えば3μmにすることにより、変位部36の運動に後述するスクイーズドフィルムダンピングをかけて変位部36の共振時の振幅を小さくし、共振による接続部8a、8bの損傷の低減を図ることができる。
孔部32は、半導体基板のX正方向の一側寄りとX負方向の一側寄りにそれぞれ配置され、断面凹形状に基板の表面と裏面を貫通する空間である。2つの孔部32は、変位部36及び接続部8a、8bを挟むように接して配置される。孔部32のY正方向に位置するそれぞれの凹部には、板バネ部9a、9bがそれぞれ接するように配置されている。
基体部36aは、接続部8a、8bの一端とそれぞれ接続された、平面視で略長方形の基板である。
櫛歯部36bは、基体部36aのY正方向の端部から、Y正方向へ櫛歯が延びる櫛歯形状の部分である。
櫛歯部36cは、基体部36aのY負方向の端部から、Y負方向へ櫛歯が延びる櫛歯形状の部分である。
また、変位部36に2つの櫛歯部36b、36cを形成しているのは、一軸半導体加速度センサの小型化と高感度化の両立を図るためである。櫛歯部36bのみを形成し櫛歯部36cを形成せずに一軸半導体加速度センサを小型化(小容量化)すると、変位部36の容量も小さくなり、その質量が小さくなることから、加速度に対する感度も低下するおそれがある。櫛歯部36b、36cを2つに分けて分散配置することで、変位部36の質量を確保している。この結果、一軸半導体加速度センサの小型化と高感度化の両立が図られる。
加速度検出部30は、例えば、櫛歯部36bの歯数を66個、櫛歯の長さを390μm、櫛歯の幅を12μm、櫛歯の間隔を22μmとし、櫛歯部36cの歯数を63個、櫛歯の長さを390μm、櫛歯の幅を12μm、櫛歯の間隔を22μmにすることができる。
櫛歯部37bは、櫛歯部36bの櫛歯の隙間に噛み合うように変位部36と対向し、Y負方向へ櫛歯が延びる櫛歯形状の部分である。櫛歯部37bと櫛歯部36bとの間には、トレンチ溝35aが形成され互いに離間して配置されている。
櫛歯部37cは、櫛歯部36cの櫛歯の隙間に噛み合うように変位部36と対向し、Y正方向へ櫛歯が延びる櫛歯形状の部分である。櫛歯部37bと櫛歯部36bとの間には、トレンチ溝35bが形成され互いに離間して配置されている。
本実施形態に係る一軸半導体加速度センサにおいては、変位部36に櫛歯部36b、36c、枠部37に櫛歯部37b、37cを備えているので、スクイーズドフィルムダンピングによる大きなダンピング効果を得ることができ、共振による接続部8a、8bの損傷を低減させることができる。
トレンチ溝35a、35bのギャップ幅を従来よりも狭くすることが可能な理由を以下に述べる。これらのトレンチ溝35a、35bを作成する方法としては、例えば誘導結合型プラズマエッチング法(ICPエッチング法)を用いることができるが、高アスペクト比(半導体基板の厚さ/ギャップ幅)のギャップを作成することは技術的に困難である。本実施の形態によれば、板バネ部9a、9bを有することにより加速度検出部30(半導体基板)を薄くすることができるので、トレンチ溝35a、35bのギャップ幅を従来より狭くすることができ、十分なダンピング効果を得ることができる。
一般に、一軸半導体加速度センサの接続部(梁)と変位部(錘部)は共振周波数をもち、加速度検出部の厚さが同じ(すなわち変位部の質量が同じ)場合には、共振周波数が高いと、接続部の剛性が高く、変位部の変位量が小さいことが知られている。本発明に係る一軸半導体加速度センサは、板バネ部を有しているので、接続部と板バネ部と変位部は、共振周波数をもち、加速度検出部の厚さが同じ(すなわち変位部の質量が同じ)場合には、共振周波数が高いと、接続部及び板バネ部の剛性が高く、変位部の変位量が小さいといえる。
そこで、一軸半導体加速度センサのX方向、Z方向の共振周波数と、加速度検出部の厚さとの関係について実験的検討を加えた。
比較例として、図19に示す板バネ部を備えない従来の一軸半導体加速度センサを用いて、加速度検出部40のそれぞれの厚さにおけるX方向、Z方向の共振周波数も調べた。
これに対して、加速度検出部40(比較例)は、約250μmの厚さ以下ではZ方向の共振周波数がX方向の共振周波数よりも低くなることが確認された。加速度検出部40(比較例)を薄型化すると、受感軸方向(X方向)以外のZ方向成分の加速度に対しても変位するので、一軸の加速度センサとして機能しない状態になることがわかる。
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
Claims (9)
- 半導体材料からなる枠部と、
前記半導体材料からなり、前記枠部内に配置され、第1の方向の加速度を受けて前記枠部に対して変位する変位部と、
前記半導体材料からなり、前記変位部と前記枠部とをそれぞれ接続し、かつ前記第1の方向に並んで配置される複数の接続部であって、前記第1の方向での幅より前記第1の方向に垂直な第2の方向での厚さが大きい断面形状を有する複数の接続部と、
前記複数の接続部に配置される複数の歪検出素子と、
前記半導体材料からなり、前記変位部と前記枠部とを接続し、かつ前記第1の方向での幅より前記第2の方向での厚さが大きい断面形状を有する平板部を備える板バネ部であって、前記第1の方向におけるバネ定数が前記複数の接続部の前記第1の方向におけるそれぞれのバネ定数よりも小さい板バネ部と、
を具備することを特徴とする一軸半導体加速度センサ。 - 前記第1、第2の方向と直交する第3の方向において前記複数の接続部のそれぞれの長さが等しく、前記複数の接続部と前記枠部が接続するそれぞれの部位が前記第1の方向に平行な同一の直線上に配置され、
前記半導体材料のヤング率をE、前記複数の接続部における前記第2の方向に配置される中立軸に関する断面二次モーメントをI、前記板バネ部の前記第1の方向における前記バネ定数をkx、前記複数の接続部における前記第3の方向での前記長さをr、前記複数の接続部と前記枠部が接続する部位を通る前記第1の方向に平行な前記直線と、前記板バネ部と前記変位部が接続する部位との垂直距離をLとしたとき、次の式
- 前記板バネ部が複数配置され、前記複数配置された前記板バネ部の第1の方向におけるバネ定数の合計が、前記複数の接続部の第1の方向におけるバネ定数の合計よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の一軸半導体加速度センサ。
- 前記変位部が、前記第3の方向に配置される一端及び他端を有し、
前記複数の接続部が、前記変位部の前記一端とそれぞれ接続し、
前記板バネ部が、前記変位部の前記一端以外の部位と接続することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の一軸半導体加速度センサ。 - 前記変位部が、前記第3の方向の前記一端に第1の凸部と、この第1の凸部に並んで配置される第1の凹部とをさらに有し、
前記枠部が、前記第1の凸部に対応する第2の凹部と、前記第1の凹部に対応する第2の凸部とをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の一軸半導体加速度センサ。 - 前記変位部が、前記第3の方向の前記他端に、第3の凸部とこの第3の凸部に並んで配置される第3の凹部とをさらに有し、
前記枠部が、前記第3の凸部に対応する第4の凹部と、前記第3の凹部に対応する第4の凸部とをさらに有することを特徴とする請求項5又は6に記載の一軸半導体加速度センサ。 - 前記変位部の一端及び/又は他端に配置される前記第1、第3の凸部及び前記第1、第3の凹部の外形が、それぞれ矩形であることを特徴とする請求項6又は7に記載の一軸半導体加速度センサ。
- 前記第1、第3の凸部の前記矩形の一辺が、前記第3の方向に平行に配置されることを特徴とする請求項8に記載の一軸半導体加速度センサ。
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