JP5848945B2 - 折畳み式台車 - Google Patents

Description

本発明は使用しないときは折畳んで小スペースに収納可能な折畳み式台車に関するものである。

従来、重い荷物や大きい荷物を載置して手押しで搬送する台車は、板状の荷台を有し、荷台の下面に４個のキャスタが取り付けられ、後方端には荷台を手押しする搬送用ハンドルが設けられている。このような台車の中には、使用しないときに搬送用ハンドルを折畳んでコンパクトになる折畳み式台車もある。また、荷台も折り畳み可能とした台車もある。

特開２００２−１７８９２８号に係る「折畳み台車」は、簡単な構造で荷台とキャスタが折り畳み可能であり、コンパクトに収納可能としている。そこで、水平に位置する一対の板状の荷台と、荷台の底面に取り付けられている複数個のキャスタと、キャスタと荷台の間に取り付けられキャスタの車軸が荷台に対して直角になるようにキャスタを折り畳み可能に保持した保持軸を有している。キャスタを走行可能に起こした状態で保持するロックピンと、一対の荷台の間に設けられこの荷台の底面同士を対面させた状態で折り畳み可能に連結する蝶番を備えている。

特開２００１−２８７６５４号に係る「手押し台車」は、軽量性とデザイン性と共に、積載効率と収納効率を向上させるべく、折畳み組立て構造を工夫し、室内での使用にも好適な手押し台車である。

四脚部を連結フレームに水平回動自在に軸連結した脚と、連結フレームに上下動可能に装着したセンターフレームと、分離可能な左右台座の下側を脚上部及びセンターフレーム上部にそれぞれ軸連結し、脚の回動と共に折り畳み可能とした台座と、センターフレーム後部に摺動自在に装着したロックプレートと、ロックプレートから突出し脚上部に離脱可能に係止するラッチと、ロックプレートを摺動するリンク機構、これを操作するロックレバーと、ロックレバーと連動してハンドルを固定解除可能な連結フレームと、ハンドル上部にグリップ回動機構を介装して開閉固定可能なハンドルグリップとを設けている。

このように折畳み式台車にも色々な形態があるが、折畳むことでコンパクト化するだけでなく、折畳み操作が簡単であることが必要となる。
出願人は平成１８年５月１１日付けで「折畳み式台車」に関して特許出願を行なっている（特開２００７−３０２１１４）。この折畳み式台車は荷台の底にはキャスタを設け、荷台後方に設けたハンドルを押して荷台に載せた荷物を運ぶことが出来る台車であって、台車を持ち上げることなく簡単に折畳むことが出来、折畳んだ状態で移動することが可能な折畳み式台車である。

そこで、荷台は両基台にキャスタを取付け、継手を介して折畳み出来るように連結した２枚の荷台板の各側端を上記基台に設けた軸に回転可能に軸支している。両荷台板の中央は上昇して折畳まれるが下方へは降下しないように水平状態で互いに当接し合うことが出来る当接部を荷台板中央側に設け、そして上記基台の後方端にはハンドルの脚が嵌る支柱を起立し、ハンドルはその中央にて２つ折り出来るように軸を介して連結した構造としている。

ところが、上記折畳み式台車が折畳まれる場合、２枚の荷台板が起立した状態で突き合わされる為に安定性が欠け、転倒する虞がある。また、折畳まれる台車はその荷台が２つ折りされ、ハンドルも荷台と共に折畳まれるが該ハンドルは２つ折りされた状態で起立している。そこで、２つ折りされたハンドルが上方へ大きく延びる為に安定性が損なわれることになる。
特開２００２−１７８９２８号に係る「折畳み台車」 特開２００１−２８７６５４号に係る「手押し台車」 特開２００７−３０２１１４号に係る「折畳み式台車」

このように従来の折畳み式台車には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、簡単に折畳むことが出来ると共に折畳んだ台車が転倒することなく安定し、しかも持ち運びが便利な折畳み式台車を提供する。

本発明に係る折畳み式台車は荷台の後方端に起立した手押しハンドルを備え、そして、荷台の底には車輪（キャスター）が取付けられ、該車輪が転がって台車は移動することが出来る構造としている。従って、使用する際の基本形態は従来の折畳み式台車と共通している。

荷台は中央板と両側板の３ピース構造として連結部材を介して連結され、荷物が載るときは同一平坦面を成し、収納時には両側板は垂直下方に折畳まれて門形断面形状と成る。そして、手押しハンドルは両支柱と支柱上端を繋ぐ握り部を有す概略門形を成し、荷台に設けた軸を中心として揺動して倒れ、中央板と側板の間に形成された収納溝に両支柱が収まる。手押しハンドルにはロック機構が備わっており、倒れて収納溝に収まった状態でロックされ、手押しハンドルの握り部を握って折畳まれた台車を持運ぶことが出来る。

そして、両側板は中央板に対して折畳まれて垂直に起立するように連結部材を介して連結しているが、底には上記連結部材及びリンク機構を備えている。ここで、具体的な連結部材及びリンク機構の構造は限定しないが、該連結部材によって連結された側板は中央板と同一面となり、又垂直に折畳まれ、垂直に折畳まれた状態でロックされる。上記車輪は側板の底に取着され、その為に該側板が垂直に折畳まれるならば車輪も同時に倒れて門形空間に収納される。

本発明に係る台車は従来と同じく荷台に荷物を載せて運ぶことが出来る。この際、手押しハンドルは一般に起立しているが、荷台からはみ出す大きな荷物を運ぶ際には手押しハンドルが邪魔にならないように倒すことが可能となる。手押しハンドルは中央板と側板の間に形成した収納溝に収まることが出来、荷台面から突出しない為に、手押しハンドルは載置される荷物の邪魔にならない。

そして、本発明の折畳み式台車は上記手押しハンドルが倒れて収納溝に収まると共に、両側板は折畳まれて荷台は門形断面と成る。荷台の底に取付けた車輪（キャスタ）は側板と共に倒れて内側に向き、全体がコンパクトに折畳まれて収納スペースは小さくなる。又、折畳まれた台車は手押しハンドルの握り部を握って持運ぶことが出来、握り部を上にした状態で垂直に起立して収納することも可能である。

本発明に係る折畳み式台車を示す実施例。 手押しハンドルを倒した場合の折畳み式台車。 手押しハンドルを倒し、側板を折畳んで門形とした折畳み式台車。 手押しハンドルの支柱に設けたツメがレバーのツメに係止してロックされた場合。 手押しハンドルを揺動可能とする回転板とロックピンの関係。 荷台の底に取付けた連結部材とリンク機構。 側板が垂直下方に折畳まれた門形荷台。 荷台の底に取付けたリンク機構の具体例。 側板が垂直に折畳まれている状態のリンク機構。

図１は本発明に係る折畳み式台車を示す実施例であり、同図の１は荷台、２は手押しハンドル、３は車輪（キャスタ）をそれぞれ表している。荷台１は概略長方形を成し、この荷台１に荷物を載せて運ぶことが出来る。手押しハンドル２は荷台１の後方端中央にほぼ垂直に起立し、手押しハンドル２の上端には握り部４を有している。すなわち、手押しハンドル２は２本の支柱５，５を有し、この両支柱５，５の上端は滑らかに湾曲した握り部４にて繋がれている。

車輪３，３・・・は荷台１の各コーナー部に取付けられ、手押しハンドル２の握り部４を持って押したり又は引いたりして荷台１に載せた荷物を運ぶことが出来る。ところで、本発明の台車は折畳み式であって、荷台１は中央板６と両側板７ａ，７ｂで構成され、両側板７ａ，７ｂは中央板６の両側に折畳まれて門形となることが出来る。又、手押しハンドル２は折畳まれて倒れ、中央板６と両側板７ａ，７ｂとの間に形成した収納溝８ａ，８ｂに収まることが出来る。

図２は手押しハンドル２を倒して収納溝８ａ，８ｂに収めた場合を示している。荷台１に大きな荷物を載せる場合に手押しハンドル２は邪魔になるが、同図に示すように手押しハンドル２を倒して収納溝８ａ，８ｂに収めることで、荷台１からはみ出す大きな荷物を載せて運ぶことが出来る。勿論、この場合には、手押しハンドル２を使うことは出来ないが、荷台１に載せた荷物に手を掛けて押すことが可能である。

図３は本発明に係る折畳み式台車を折畳んだ状態を示している。台車の荷台１は中央板６の両側に側板７ａ，７ｂが連結され、そして、両側板７ａ，７ｂは同図に示すように下方へ垂直に折畳まれる。すなわち、両側板７ａ，７ｂは垂直に起立して中央板６を支える脚となり、門形を成すことが出来る。ここで、手押しハンドル２の両支柱５，５は中央板６と側板７ａ，７ｂの間に形成した収納溝８ａ，８ｂに収まっている。

ところで、側板７ａ，７ｂは中央板６の両側に連結部材を介して折畳み出来るように連結しているが、垂直に起立した両側板７ａ，７ｂが倒れないように連結部材は複数のリンクを繋いで構成している。すなわち、連結部材を単なる蝶番などの継手で連結しただけでは図３に示すように側板７ａ，７ｂは垂直に起立して門形を形成することは出来ない。

図３のように側板７ａ，７ｂが折り畳まれて門形をした状態で、該台車を持ち運びすることが出来る。その為にはある程度軽くする必要はあるが、手押しハンドル２の上端に設けた握り部４を持って持ち上げられる。この場合、折り畳まれて収納溝８ａ，８ｂに収まっている手押しハンドル２が外れないようにロックされている。また、中央板６に形成した開口２１ａ，２１ｂに手を入れて持運ぶことも出来る。

握り部４の下方（中央板６の先端側）にはレバー９が設けられ、このレバー９の両端に設けているツメが手押しハンドル２の支柱上端に取付けたツメに係止することで、支柱５，５は収納溝８ａ，８ｂから外れることはない。
図４は支柱５に取着したツメ１０がレバー９の両端に形成したツメ１１に係止してロックされている場合を示す側面図である。ツメ１１はレバー９と共にスライドすることが出来、その為に矢印（←）方向へ移動するならばツメ１１はツメ１０から外れ、その結果、手押しハンドル２は上方へ揺動して起立することが出来る。

一方、荷物を荷台１に載せて運ぶ際には手押しハンドル２は図１に示すように起立している。そして、手押しハンドル２を押しても倒れないようにロックされている。手押しハンドル２は荷台１の後端部に揺動可能に軸支され、荷物を運ぶ時には起立してロックされ、また収納する時にも倒れてロックされる。

図５は手押しハンドル２の下端に設けた軸支構造を示す実施例である。同図の１２は回転板、１３は軸、１４は係合溝、１５は係合溝、１６はロックピンをそれぞれ表している。回転板１２は軸１３を中心として回転出来るように軸支され、外周へ突出したアーム１７には支柱５が嵌合して連結し、従って、回転板１２の回転に伴って手押しハンドル２は揺動することが出来る。

同図は手押しハンドル２が起立している場合であり、回転板１２に形成した係合溝１４にロックピン１６が嵌っていて、回転板１２の回転が阻止される。そして、手押しハンドル２が倒れるならば、回転板１２は反時計方向に回転し、係合溝１５にロックピン１６が嵌ってロックされる。そこで、手押しハンドル２を倒す場合にはロックピン１６を係合溝１４から外す必要があり、同じく倒れた手押しハンドル２を起立させる場合には係合溝１５からロックピン１６を外す必要がある。

ところで、上記ロックピン１６はガイド溝（図示なし）に遊嵌され、上記レバー９と連結している。すなわち、レバー９とワイヤーを介して連結され、レバー９を前方側へ引くならばロックピン１６は係合溝１４，１５から矢印方向へ移動して外れることが出来、回転板１２は回転すると共に手押しハンドル２は揺動することが出来る。ここで、ロックピン１６には後方側へ作用するバネ力が付勢され、その為に、回転板１２が回転して所定の位置に来れば該ロックピン１６は独りでに係合溝１４，１５に嵌ることが出来る。

図６は荷台１の下面を表している。中央板６と両側板７ａ，７ｂは先端部と後端部に取付けた連結部材によって折畳み出来るように繋がっている。中央板６には中央連結部材１８が取着され、側板７ａには側部連結部材１９ａが揺動可能に取付けられ、同じく側板７ｂには側部連結部材１９ｂが揺動可能に取付けられている。そして、側部連結部材１９ａ，１９ｂの先端にはピン２０ａ，２０ｂが取着されていて、該ピン２０ａ，２０ｂは中央連結部材１８に設けた長溝に遊嵌している。

そこで、側板７ａ，７ｂが折畳まれる場合、側部連結部材１９ａ，１９ｂは揺動すると共に、先端のピン２０ａ，２０ｂは中央連結部材１８に設けた長溝に沿って中央側へ移動して内側端に位置することに成る。図１、図２に示すように中央板６と両側板７ａ，７ｂが同一面と成って荷物を載せる場合には、ピン２０ａ，２０ｂは長溝の外側端に位置して側部連結部材１９ａ，１９ｂの動きが固定される。

ところで、台車の荷台１は両側板７ａ，７ｂを垂直下方へ折畳んで収納されるが、図２のように両側板７ａ，７ｂが中央板６と同一面である状態から、図３のように側板７ａ，７ｂを折畳むには、中央板６を持ち上げることで、両側板７ａ，７ｂの重みで揺動して垂直下方に折畳まれる。図７は両側板７ａ，７ｂが垂直下方に折畳まれて門形をした状態を示しているが、側板７ａ，７ｂに取着した車輪３，３・・・は門形の内側空間に収容される。

中央板６には開口２１ａ，２１ｂが対を成して形成され、そして両開口２１ａ，２１ｂの間に設けた仕切り２２の下側に水平棒２３を取付けている。そこで、開口２１ａ，２１ｂに手を入れて水平棒２３を握って持ち上げることが出来、その結果、両側の側板７ａ，７ｂは自重によって揺動し、垂直下方へ折畳まれる。

そして、中央板６と側板７ａ，７ｂを繋ぐ両連結部材の内側にはリンク機構を備え、該リンク機構にて垂直下方に折畳まれた側板７ａ，７ｂをその状態にロックすると共に、垂直下方に折畳まれた側板７ａ，７ｂはリンク機構２４を利用して水平に開くことが出来る。図８はリンク機構２４を示している。リンク機構２４は中央板側のリンク２５，２５と側板側のリンク２６、２６から成り、中央板側リンク２５，２５は軸２７，２７に揺動可能に連結され、側板側リンク２６，２６は軸２８，２８に揺動可能に連結されている。そして、リンク２５とリンク２６の先端は軸３１にて連結されている。

中央板側のリンク２５，２５には概略「へ」字状のガイド溝２９，２９が形成され、このガイド溝２９，２９にはガイド棒３０が嵌っている。図８は中央板６と側板７ａ，７ｂが同一面を成している場合であり、ガイド棒３０はガイド溝２９，２９の軸２７，２７側に位置している。そして、側板７ａ，７ｂを垂直下方に折畳むならば、ガイド棒３０はガイド溝２９，２９の先端側へ移動する。ガイド溝２９，２９は概略「へ」字状と成っていて、ガイド棒３０がガイド溝２９，２９の先端へ移動するならば、側板７ａ，７ｂはロックされて、側板７ａ，７ｂを持って水平に拡げることが出来ない。

２つのリンク機構２４，２４が対を成して配置され、ガイド棒３０は２本の中央側リンク２５，２５に形成した「へ」字状のガイド溝２９，２９に嵌ってロックされる。図９は両側板７ａ、７ｂが垂直下方に折畳まれた状態でのリンク機構を表しているが、中央側リンク２５，２５の「へ」字状のガイド溝２９，２９にガイド棒３０が嵌ることで、垂直下方へ折畳まれた側板７ａ，７ｂが水平に成ろうとして揺動しようとするならば、側板７ａ，７ｂに連結されたリンク２６，２６によって中央側リンク２５，２５は互いに反対方向へ引っ張られ、ガイド棒３０をロックすることになる。

そこで、折畳まれている両側板７ａ，７ｂを揺動して中央板６と平行にするには、このガイド棒３０を「へ」字状ガイド溝２９，２９から外さなくてはならない。この操作は中央板６に設けている開口２１ａ，２１ｂから手を入れてガイド棒３０を握るならば、水平棒２３側へ移動してガイド棒３は「へ」字状ガイド溝２９，２から離脱することが出来る。

ここで、ガイド棒３０にはコイルバネ３２が巻かれ、コイルバネ３２の両端がリンク２５，２５に係止していて、このコイルバネ３２のバネ力によってガイド棒３０は「へ」字状ガイド溝２９，２９の先端に嵌ることが出来るバネ力を付勢している。ところで、対を成して構成したリンク機構２４，２４は図６に示すように上記両連結部材の内側２か所に配置され、ガイド棒３０はこの２か所のリンク機構２４，２４に跨って延びている。

１ 荷台
２ 手押しハンドル
３ 車輪
４ 握り部
５ 支柱
６ 中央板
７ 側板
８ 収納溝
９ レバー
10 ツメ
11 ツメ
12 回転板
13 軸
14 係合溝
15 係合溝
16 ロックピン
17 アーム
18 中央連結部材
19 側部連結部材
20 ピン
21 開口
22 仕切り
23 水平棒
24 リンク機構
25 リンク
26 リンク
27 軸
28 軸
29 ガイド溝
30 ガイド棒
31 軸
32 コイルバネ

Claims (2)

1. 荷物を載せて運ぶことが出来る折畳み式台車において、台車は荷台と手押しハンドルから成り、荷台は中央板とその両側に連結部材を介して垂直下方に折り畳み可能に連結した側板を有し、そして両側板には台車が移動する為の車輪を取付け、しかも中央板と側板の間には、該中央板と側板が同一面を成すと共に側板は垂直下方に揺動して門形を成してロックすることが出来るように構成したリンク機構を底面に取付け、又、中央板と側板の間に収納溝を形成して上記手押しハンドルを倒した場合に支柱を収めることが出来、しかも収納溝に収まった状態で外れないように、また起立した状態の手押しハンドルが倒れないようにロックするロック手段を備え、側板を垂直下方に折畳んだ状態でロックすることが出来る上記リンク機構として、中央板の底に軸を介して揺動可能にリンクを取付け、側板の底には軸を介して揺動可能に別のリンクを取付け、そして両リンクを軸を介して互いに連結し、中央板側リンクには「へ」字状のガイド溝を形成すると共にガイド溝にはガイド棒を遊嵌したことを特徴とする折畳み式台車。
2. 中央板と側板を連結する連結部材として、中央板の底に中央連結部材を固定し、側板の底には側部連結部材を軸を介して揺動可能に取付け、そして、上記中央連結部材には長溝を形成すると共に上記側部連結部材の先端に取着したピンを長溝に遊嵌した請求項１記載の折畳み式台車。