JP5693038B2 - 折畳み式台車 - Google Patents

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本発明は荷台及び手押しハンドルを折畳むことが出来る台車であり、使用しないときは折畳んで小スペースに収納出来る折畳み式台車に関するものである。
従来、重い荷物や大きい荷物を運ぶ際に手押し台車が使用され、この台車は荷物を載せる板状の荷台を有し、荷台の下面に4個のキャスタが取り付けられ、荷台の後方端部には荷台を手押しする搬送用ハンドルが起立して設けられている。このような台車の中には、使用しないときに搬送用ハンドルを折畳んでコンパクトになる折畳み式台車もある。また、荷台も折り畳み可能とした台車もある。
特開2002−178928号に係る「折畳み台車」は、簡単な構造で荷台とキャスターが折り畳み可能であり、コンパクトに収納可能としている。そこで、水平に位置する一対の板状の荷台と、荷台の底面に取り付けられている複数個のキャスターと、キャスターと荷台の間に取り付けられ、キャスターの車軸が荷台に対して直角になるようにキャスターを折り畳み可能に保持した保持軸を有している。キャスターを走行可能に起こした状態で保持するロックピンと、一対の荷台の間に設けられこの荷台の底面同士を対面させた状態で折り畳み可能に連結する蝶番を備えている。
特開2001−287654号に係る「手押し台車」は、軽量性とデザイン性と共に、積載効率と収納効率を向上させるべく、折畳み組立て構造を工夫し、室内での使用にも好適な手押し台車である。
そこで、四脚部を連結フレームに水平回動自在に軸連結した脚と、連結フレームに上下動可能に装着したセンターフレームと、分離可能な左右台座の下側を脚上部及びセンターフレーム上部にそれぞれ軸連結し、脚の回動と共に折り畳み可能とした台座と、センターフレーム後部に摺動自在に装着したロックプレートと、ロックプレートから突出し脚上部に離脱可能に係止するラッチと、ロックプレートを摺動するリンク機構、これを操作するロックレバーと、ロックレバーと連動してハンドルを固定解除可能な連結フレームと、ハンドル上部にグリップ回動機構を介装して開閉固定可能なハンドルグリップとを設けている。
又、出願人は平成18年5月11日付けで「折畳み式台車」に関して特許出願を行なっている(特開2007−302114)。
この折畳み式台車は、荷台の底にはキャスターを設け、荷台後方に設けたハンドルを押して荷台に載せた荷物を運ぶことが出来る台車であって、台車を持ち上げることなく簡単に折畳むことが出来、折畳んだ状態で移動することが可能なように構成している。
すなわち、荷台は両基台にキャスターを取付け、継手を介して折畳み出来るように連結した2枚の荷台板の各側端を上記基台に設けた軸に回転可能に軸支している。そして、両荷台板の中央は上昇して折畳まれるが下方へは降下しないように水平状態で互いに当接し合うことが出来る当接部を荷台板中央側に設け、さらに上記基台の後方端にはハンドルの脚が嵌る支柱を起立し、ハンドルはその中央にて2つ折り出来るように軸を介して連結した構造としている。
特開2002−178928号に係る「折畳み台車」 特開2001−287654号に係る「手押し台車」 特開2007−302114号に係る「折畳み式台車」
このように、折畳み式台車は色々知られているが、折り畳まれた状態での大きさ(外形寸法)は大きく、使用しないで収納する場合に邪魔になることが多い。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であって、よりコンパクトなサイズに折り畳むことが出来ると共に持運びも便利な折畳み式台車を提供する。
本発明に係る折畳み式台車は荷台の後方端に起立した手押しハンドルを備え、そして、荷台の底には車輪(キャスター)が取付けられ、該車輪が転がって台車は移動することが出来る構造としている。従って、使用する際の基本形態は従来の折畳み式台車と共通している。
荷台は中央板と両側板の3ピース構造として蝶番などの継手を介して連結され、荷物が載るときは同一平坦面を成し、収納時には両側板は折畳まれて門形断面形状と成る。そして、手押しハンドルは荷台に設けた軸を中心として揺動することで畳まれ、中央板に形成した収納溝に収まる。該手押しハンドルにはロック機構が備わっており、折畳まれて収納溝に収まった状態でロックされ、手押しハンドルの持ち手を握って折畳まれた台車を持運ぶことが出来る。
両側板は中央板に対して折畳まれて垂直に起立するように継手を介して連結しているが、底にはリンク機構を備えている。具体的なリンク機構の構造は限定しないが、該リンク機構にて側板は中央板と同一面となり、又垂直に折畳まれ、垂直に折畳まれた状態でロックされる。
本発明に係る台車は従来と同じく荷台に荷物を載せて運ぶことが出来る。この際、手押しハンドルは一般に起立しているが、荷台からはみ出す大きな荷物を運ぶ際には手押しハンドルが邪魔にならないように折畳んで倒すことが出来る。手押しハンドルは中央板に形成した収納溝に収まることが出来、荷台面から突出しない為に、折畳まれた手押しハンドルは載置される荷物の邪魔にならない。
本発明の折畳み式台車は上記ハンドルが倒れて収納溝に収まると共に、両側板は折畳まれて荷台は門形断面と成る。荷台の底に取付けた車輪(キャスター)は側板と共に倒れて内側に向き、全体がコンパクトに折畳まれて収納スペースは小さくなる。又、折畳まれた台車は手押しハンドルの持ち手を握って持運ぶことが出来、持ち手を上にした状態で垂直に起立して収納することも可能である。
本発明に係る折畳み式台車を示す実施例。 手押しハンドルを倒した場合の折畳み式台車。 手押しハンドルを倒し、側板を折畳んで門形とした折畳み式台車。 (a)は中央板から両側板が同一面をして延びている場合の正面図、(b)は両側板が90°旋回して門形をしている場合の正面図。 手押しハンドルを倒して収納状態の荷台を示す平面図。 荷台の底に取付けて側板が90°旋回して停止するようにしたリンク機構の具体例。 門形にロックした側板を開くためのリンク機構の具体例。 門形にロックした側板を開くためのリンク機構を操作する握り棒。
図1は本発明に係る折畳み式台車を示す実施例であり、同図の1は荷台、2は手押しハンドル、3は車輪をそれぞれ表している。荷台1概略長方形を成してコーナーは滑らかな円弧を有し、この荷台1に荷物を載せて運ぶことが出来る。手押しハンドル2は荷台1の後方端中央にほぼ垂直に起立し、手押しハンドル2の上端には握り部4を有している。
車輪3,3・・・は荷台1の各コーナー部に取付けられ、手押しハンドル2の握り部4を持って押したり又は引いたりして荷台1に載せた荷物を運ぶことが出来る。ところで、本発明の台車は折畳み式であって、荷台1は中央板5と両側板6a,6bで構成され、両側板6a,6bは中央板5の両側に折畳まれて門形となる。又、手押しハンドル2は折畳まれて倒れ、中央板5に形成した収納溝7に収まることが出来る。
図2は手押しハンドル2を倒して収納溝7に収めた場合を示している。荷台1に大きな荷物を載せる場合に手押しハンドル2は邪魔になるが、同図に示すように手押しハンドル2を倒して収納溝7に収めることで、荷台1からはみ出す大きな荷物を載せて運ぶことが出来る。勿論、この場合には、手押しハンドル2を使うことは出来ないが、荷台1に載せた荷物に手を掛けて押すことが出来る。
図3は本発明に係る折畳み式台車を折畳んだ状態を示している。台車の荷台1は中央板5の両側に側板6a,6bが連結され、そして、両側板6a,6bは同図に示すように垂直に折畳まれる。すなわち、両側板6a,6bは垂直に起立して中央板5を支える脚となり、門形を成すことが出来る。ここで、手押しハンドル2は中央板5に形成した収納溝7に収まっている。
ところで、側板6a,6bは中央板5の両側に蝶番などの継手を介して折畳み出来るように連結しているが、垂直に起立した両側板6a,6bが倒れないようにリンク機構を備えている。すなわち、単なる蝶番などの継手で連結しただけでは図3に示すように側板6a,6bは垂直に起立して門形を形成することは出来ない。
図3のように側板6a,6bが折り畳まれて門形をした状態で、該台車を持ち運びすることが出来る。その為には、ある程度軽くする必要はあるが、手押しハンドル2の上端に設けた握り部4を持って持ち上げられる。この場合、折り畳まれて収納溝7に収まっている手押しハンドル2が起立しないようにロックされている。
そこで、握り部4の下方にはツマミ21が設けられ、このツマミ21を引くとコ形断面をしたロック部材22が持ち上がって中央板5の上端から外れる。ロック部材22は下方へ動くバネ力が付勢され、ツマミ21を放すと中央板5の上端に係合してロックされ、握り部4を持って運ぶことが可能となる。勿論、手押しハンドル2のロック機構は同図の場合に限定しない。
図4(a)、(b)は荷台1の正面図を示し、(a)は中央板5と両側板6a,6bは一平面を成して延びており、側板6a,6bの底に取付けた車輪3,3・・・にて支持されている。(b)は側板6a,6bを折畳んだ収納状態であり、該側板6a,6bは垂直に起立し、側板6a,6bに取付けられている車輪3,3・・・は内側を向いて倒れる。従って、側板6a,6bが折畳まれるならば、車輪3,3・・・は宙に浮いて側板6a,6bが両脚と成って安定して起立することが出来る。
本発明の折畳み式台車の荷台1は門形に折畳まれるが、この状態でロックされて側板6a,6bが転倒することはない。図5は荷台1の平面図を示し、手押しハンドル2は倒れて収納溝7に収まっている状態である。ところで、図6は図5におけるA−A断面で、(a)は両側板6a,6bは折り畳まれた状態、(b)は両側板6a,6bが中央板5と同一面を成している場合をそれぞれ表している。
同図に示しているように、中央板5と側板6a,6bの間にはリンク機構15a,15bが取付けられ、折り畳まれた側板6a,6bが90°以上旋回しないように該リンク機構15a,15bによって規制されている。中央板5の底面には下桟8が取着され、側板6a,6bの底面にも下桟9a,9bが固定され、該下桟9a,9bには継手部10a,10bが延びて中央板5の側端に設けている継手部(図示なし)と軸11a,11bによって連結している。
従って、側板6a,6bは継手部10a,10bを中心として旋回することが出来、図6の(a)のように門形に折り畳まれ、又(b)に示すように中央板5と同一面になるように延ばすことが出来る。中央板5と同一面に延びた状態では、側板6a,6bの端面が中央板5の端面に当接することで該側板6a,6bはこれ以上旋回することは出来ないが、(a)に示す門形に屈曲した状態の90°にて停止するように上記リンク機構15a,15bにて規制されている。

側板6a,6bに固定した下桟9a,9bにはリンク12a,12bが連結し、そして中央板5に取着した下桟8の両側にはガイド溝13a,13bが水平に延びている。上記リンク12a,12bの先端に設けたスライドピン14a,14bは上記ガイド溝13a,13bに遊嵌している。そこで、側板6a,6bが旋回するとリンク12a,12bは移動してスライドピン14a,14bはガイド溝13a,13bに沿ってスライドすることが出来る。
側板6a,6bを折り畳んで門形になった状態で、スライドピン14a,14bはガイド溝13a,13bの先端に当ってそれ以上中央側へ移動することが出来ないように成っていて、その為に、側板6a,6bは中央板5と同一面を成す(b)の状態から90°旋回して停止することが出来、それ以上内側へ旋回することはない。
一方、図6(a)に示すように門形に屈曲した側板6a,6bが勝手に外側へ旋回して開かないように規制するリンク機構が備わっている。このリンク機構15a,15bの具体例を図7、図8に示している。このリンク機構15a,15bは図5のB−B断面を表しているが、リンク機構15aは互いに連結した2本のリンク16a,17aを有し、リンク機構15bは互いに連結した2本のリンク16b,17bを有している。
側板6a,6bが折り畳まれて門形を成している場合には、各リンク機構15a,15bはV形をして外側のリンク16a,16bの先端は下桟9a,9bと軸を介して連結し、内側のリンク17a,17bの先端は中央板5の底面に取着した下桟8に連結している。そして、図7(b)に示しているように、側板6a,6bが外側へ開いて中央板5と同一面になると、リンク機構15a,15bの各リンク16a,17a,16b,17bはストレートに延びる。
ところで、リンク機構15a,15bの内側リンク17a,17bは互いにクロスして交わっている。この交わる箇所(クロス部)を固定することで、リンク機構15a,15bのV形は崩れず、その結果、側板6a,6bは垂直に起立した状態で保持される。その為に、図8にクロス部拡大図を示しているように、リンク17a,17bに溝を形成し、この溝に握り棒18を嵌めている。
該溝19a,19bは「へ」形を成して、下方へ延びる溝部とリンクに沿って延びる溝部が連結して形成され、図8(a)に示すように側板6a,6bが折り畳まれて門形を成している場合には、下方に延びる溝部は互いに重なり合い、握り棒18は下方に延びる溝部に嵌っている。従って、リンク機構15a,15bのV形形状は固定され、側板6a,6bはロックされる。
そこで、側板6a,6bを開いて図8(b)のように中央板5と同一面になるように旋回するには、握り棒18を握って持ち上げるならば、下方へ延びる溝部から外れてリンク17a,17bに沿って延びる溝部へ移動する。勿論、握り棒18は上昇するだけであるが、リンク17a,17bの傾きが変化して各リンク17a,17bに沿って延びる溝部に嵌ることになり、リンク機構15a,15bのV形形状が崩れ、リンク16aと17a、及びリンク16bと17bの交差角は拡大して、遂には各リンク16a,17a,16b,17bは同図(b)に示すようにストレートに延びる。
図8に図5のC−C断面を示しているように、握り棒18は中央板5の下側に取着したガイド20,20に沿って上下動することが出来、手押しハンドル2と共に握ることで握り棒18を持ち上げることが出来る。すなわち、握り棒18を握って持ち上げるならば、両側板6a,6bは開いて一平面の荷台1となる。すなわち、側板6a,6bを持って開く必要はなく、握り棒18を操作することで折り畳まれている側板6a,6bは開くことが出来る。図5に示すように、中央板5には開口23が設けられ、手押しハンドル2が倒れて収納溝7に収まった状態で手を入れて握り棒18を握ることが出来る。
ところで、本発明の折畳み式台車を構成する荷台1の両側板6a,6bを折り畳むリンク機構の具体的な構造は上記実施例に限定するものではない。又、手押しハンドルを折り畳んで中央板5に形成した収納溝に収めた状態で起立しないようにロックする具体的なロック機構も実施例の場合に限定するものではない。
1 荷台
2 手押しハンドル
3 車輪
4 握り部
5 中央板
6 側板
7 収納溝
8 下桟
9 下桟
10 継手部
11 軸
12 リンク
13 ガイド溝
14 スライドピン
15 リンク機構
16 リンク
17 リンク
18 握り棒
19 溝
20 ガイド
21 ツマミ
22 ロック部材
23 開口

Claims (2)

  1. 荷物を載せて運ぶことが出来る折畳み式台車において、台車は荷台と手押しハンドルから成り、荷台は中央板とその両側に継手部を介して垂直状態に折り畳み可能に連結した側板を有し、そして両側板には台車が移動する為の車輪を取付け、しかも中央板と側板の間には、該中央板と側板が同一面を成すと共に90°旋回して門形を成してロックすることが出来るように構成したリンク機構を底面に取付け、又、中央板には収納溝を形成して上記手押しハンドルを倒した場合に収めることが出来、しかも収納溝に収まった状態で独りでに起立しないようにロック手段を備え、上記リンク機構を中央板と側板の間に対を成して取付け、荷台が門形をした状態で互いに連結してV形をしたリンク機構の一方のリンク先端を中央板下面に取着した下桟に連結すると共に、他方のリンク先端を側板下面に固定した下桟と連結し、そして中央板下桟に連結して互いにクロスする一方のリンクのクロス部に「へ」形溝を形成し、そしてこの溝には中央板下方に取付けてガイドに沿って上下動する握り棒を嵌めたことを特徴とする折畳み式台車。
  2. 側板が90°旋回して折畳んだ門形状態にて停止するように中央板と側板の間にリンク機構を取付け、中央板下桟には長手方向にガイド溝を形成し、そして側板下桟に連結したリンクの先端に設けたスライドピンを上記ガイド溝に遊嵌し、側板が90°旋回して垂直に起立した状態でガイド溝に遊嵌してスライドするスライドピンが停止するようにした請求項1記載の折畳み式台車。
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