JP5847978B1 - 吸着された揮発性有機化合物の回収方法 - Google Patents

吸着された揮発性有機化合物の回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】揮発性有機化合物が吸着された吸着材が充填されたカートリッジから揮発性有機化合物を回収する場合に、回収にかかるエネルギー、コストの低減を図る。【解決手段】回収室9から液化手段12、13へ揮発性有機化合物を吸引する吸引手段(吸引ポンプ)11を備えることで、液化用配管20の吸引ポンプ11よりも上流側が負圧状態となった状態で揮発性有機化合物の蒸発工程、脱着工程を行う一方、下流側は加圧状態となって揮発性有機化合物の濃度が高い状態で液化工程を行うようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、シリカゲル等の吸着材に吸着された揮発性有機化合物を回収するための吸着された揮発性有機化合物の回収方法の技術分野に関するものである。
一般に、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)は、化学工場、塗装工場、印刷工場、薬品工場、半導体製造工場、精密機械製造工場等の各種施設において、化学反応、抽出、コーティング、脱脂洗浄等の各種工程で溶剤として広く用いられている。この様な揮発性の高い揮発性有機化合物がガス化して大気中に排出されると、光化学オキシダントや浮遊粒子状物質の要因になり、そこで、ガス化した揮発性有機化合物を回収するための回収システムが必要とされる。
この様な揮発性有機化合物の回収システムとして、従来、揮発性有機化合物の使用施設において吸着材が充填されたカートリッジに揮発性有機化合物を吸着させると共に、該揮発性有機化合物を吸着した吸着材が充填されたカートリッジを専門の回収施設に集積し、該専門の回収施設において吸着材から揮発性有機化合物を回収する回収システムが構築されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで前記回収システムにおいて専門の回収施設で揮発性有機化合物を吸着材から回収しようとするとき、吸着材の脱着方法として従来から知られているキャリアガスを用いた脱着を行うことが提唱される。このようなキャリアガスを用いた脱着方法として、従来、空気や窒素ガス等のドライガスをキャリアガスとして吸着材に供給して脱着する方法や、ドライガスに換えて蒸気をキャリアガスとして吸着材に供給して脱着する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許第3773809号公報 特開2011−125800号公報
しかしながら、ドライガスをキャリアガスとして用いた脱着では、蒸気平衡濃度のために、脱着後のキャリアガスと揮発性有機化合物ガスとの混合ガス中に含まれる揮発性有機化合物ガスの濃度が低くなる。このため、脱着された揮発性有機化合物ガスを凝縮して液化回収する場合に、凝縮時間が長くなるうえ、凝縮装置を大型化させざるを得ず、省エネルギー化、コスト低減の妨げになるという問題がある。
一方、蒸気を用いた脱着では、脱着された揮発性有機化合物ガスと、キャリアとして用いた多量の蒸気とが混合ガスとなって排出される。このため、脱着された揮発性有機化合物ガスを凝縮して液化回収する場合に、揮発性有機化合物と凝縮水との分離工程が必要であり、さらに凝縮水中に混入している揮発性有機化合物を分離して除去する工程も必要であって、揮発性有機化合物の回収に必要なエネルギー、コストが前記ドライガスを用いた脱着よりもさらに高くなるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、揮発性有機化合物が吸着された吸着材が充填されたカートリッジから揮発性有機化合物を回収するための回収方法であって、該回収方法は、回収室内にセットされたカートリッジを負圧状態で加熱して揮発性有機化合物を吸着材から蒸発させると共に、該蒸発した揮発性有機化合物を前記回収室から液化手段へ吸引して加圧状態で液化回収する蒸発工程を行い、該蒸発工程の後に、負圧状態で前記カートリッジに加熱したキャリアガスを供給して揮発性有機化合物を吸着材から脱着させると共に、該脱着した揮発性有機化合物を前記回収室から前記液化手段へ吸引して加圧状態で液化回収する脱着工程とを行うことを特徴とする吸着された揮発性有機化合物の回収方法である。
請求項2の発明は、前記キャリアガスは、前記液化手段で揮発性有機化合物が液化され、回収された後のガスを用いることを特徴とする請求項1記載の吸着された揮発性有機化合物の回収方法である。
請求項3の発明は、前記液化手段は、第一、第二の液化手段で構成され、第一液化手段は第二液化手段よりも高い温度に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の吸着された揮発性有機化合物の回収方法である。
請求項4の発明は、揮発性有機化合物が吸着された吸着材はシリカゲルであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の吸着された揮発性有機化合物の回収方法である
請求項の発明とすることにより、吸引手段で吸引することで蒸発工程及び脱着工程での揮発性有機化合物の蒸発、脱着、液化工程での液化が促進されることになって、効率よく蒸発、脱着、液化させることができ、省エネルギー化、コスト低減を実現することができる。
請求項の発明とすることにより、揮発性有機化合物の回収が終わった後のガスを有効に再利用することができる。
請求項の発明とすることにより、第一、第二の液化手段を設けることで、低い温度に設定される第二液化手段に送る揮発性有機化合物の量を減らすことができて、効率よく液化することができて省エネルギー化、コスト低減をより図ることができる。
請求項の発明とすることにより、安全性及び吸脱着性能の高いものとすることができる。
揮発性有機化合物の吸着装置のブロック回路図である。 揮発性有機化合物の回収装置のブロック回路図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は工場等の揮発性有機化合物を使用する施設に設けられるガス発生室であって、該ガス発生室1の排気口2には排気ダクト3が接続されている。該排気ダクト3の中途部には、ガス発生室1から発生するガス中の揮発性有機化合物を吸着するためのカートリッジ4が配設されている。そして、ガス発生室1で発生したガスは、前記カートリッジ4を通過することで、揮発性有機化合物が除去された状態で屋外に排出されるようになっている。尚、ガス発生室1又は排気ダクト3には、ガスを屋外に排出するためのブロア(図示せず)が必要に応じて設置される。
前記カートリッジ4は、揮発性有機化合物を吸着するための吸着材7としてシリカゲルが充填されたものであって、ガス発生室1の排気経路(本実施の形態では吸気ダクト3の中途部)に交換可能に配設されている。そして、揮発性有機化合物を吸着したカートリッジ4は、排気経路から取外されて揮発性有機化合物回収施設に運搬(移動)され、該揮発性有機化合物回収施設において後述する回収装置8により揮発性有機化合物が分離、回収された後、再び揮発性有機化合物使用施設に運搬(移動)されて再利用するようになっている。
ここで、前記カートリッジ4は、運搬が容易であり、且つ、吸着材7に揮発性有機化合物を吸着させるときの圧力損失をできるだけ少なくするために、直径に比して高さが低い扁平形状に形成されている。例えば、直径1000mm×高さ500mm(比で1:0.5)のカートリッジ4が採用されるが、この場合に、25m3/分の風量を流したときの差圧(抵抗)は、約2.5kPaとなる。そして、この様にカートリッジ4を扁平形状にすることによって、カートリッジ4の運送コストや、カートリッジ4を用いた揮発性有機化合物回収のプラントコストを低減することができる。
尚、本実施の形態では、吸着材7として、安全で高性能のシリカゲルが用いられているが、活性炭やゼオライト等の他の吸着材を用いることもできる。また、吸着材7に吸着する揮発性有機化合物ガス濃度は、10000ppm未満であることが望ましい。さらに、揮発性有機化合物ガスの吸着は通常常温で行なうが、ガス温度が高いと吸着率が常温と比べて低下するため、ガス温度が高い場合には冷却してからカートリッジ4を通過させるように構成することもできる。
ここで、前記カートリッジ4は、該カートリッジ4を通過するガスの流入側、流出側の配管が着脱自在に接続される第一、第二配管接続口4a、4bを具備しており、前述した揮発性有機化合物使用施設において揮発性有機化合物を吸着する場合には、第一、第二配管接続口4a、4bはガス発生室1の排気経路である吸気ダクト3に接続されるようになっている。
一方、前記回収装置8は、前記吸着材7に揮発性有機化合物が吸着されたカートリッジ4から揮発性有機化合物を回収するための装置であって、該回収装置8は、図2に示す如く、室内にカートリッジ4がセットされる回収室9、後述する蒸発工程および脱着工程においてカートリッジ4を外面側から加熱するべく回収室9内に配設される第一熱交換器(本発明の加熱手段に相当する)10、蒸発工程および脱着工程において、吸引することで揮発性有機化合物を効率よく蒸発、脱着させる吸引ポンプ(本発明の吸引手段に相当する)11、該吸引されたガス状又はミスト状の揮発性有機化合物を液化する第一液化手段12、該第一液化手段12では液化されなかった揮発性有機化合物を該第一液化手段12よりも低い温度で冷却して液化する第二液化手段13、脱着工程においてカートリッジ4にキャリアガスを供給するキャリアガス供給手段14、前記第一熱交換器10に加熱媒体として蒸気(水蒸気)を供給する蒸気供給手段15等を用いて構成されている。
前記回収室9は、ガラスウール等の保温、断熱性に優れた素材を用いて形成される四角箱状のものであって、開閉自在なドア9aを備えている。この回収室9の下部には、カートリッジ4を外面側から加熱するべく回収室9内全体を加熱する第一熱交換器10が内蔵されていると共に、該第一熱交換器10の上方には、カートリッジ4が載置される載置台16が設けられているが、該載置台16には、カートリッジ4の回収室9内への搬入、排出が容易なようにローラー16aが敷設されている。
さらに、前記回収室9には、該回収室9の空気を開閉自在な第一バルブ17を介して屋外に排出する通気管18、回収室9にセットされたカートリッジ4の第一配管接続口4aに着脱自在に接続され、回収室9外のキャリアガス供給手段14から該第一配管接続口4aに至るキャリアガス用配管19、前記カートリッジ4の第二配管接続口4bに着脱自在に接続され、前記吸引ポンプ11に至る液化用配管20、回収室9内の第一熱交換器10の蒸気流入側に接続され、回収室9外の蒸気供給手段15に至る蒸気流入側配管21、第一熱交換器10の蒸気流出側に接続され、回収室9外に至る蒸気流出側配管22等の各種配管が設けられている。尚、図中、23は回収室9内の温度を測定する温度計である。
吸引ポンプ11は液化用配管の中途部であって、回収室9と第一液化手段12のあいだに設けられ、該吸引ポンプ11を作動させることで、吸引ポンプ11よりも上流側である回収室9から吸引ポンプ11までが負圧状態となって、回収室9内における吸着材7から揮発性有機化合物の蒸発、脱着が促進され、効率よく蒸発工程、脱着工程が行うことができ、これら工程に要する時間の短縮化、省エネルギー化を図ることができる。
一方、吸引ポンプ11よりも下流側、第一、第二液化手段12、13側は加圧状態となって、吸引されてきたガス状又はミスト状の揮発性有機化合物の濃度が高くなるため、該第一、第二液化手段12、13における液化工程が促進されて効率よく発性有機化合物の液化、回収を行うことができ、同様に、これら工程に要する時間の短縮化、省エネルギー化を図ることができる。
前記第一液化手段12は、前記液化用配管20を経由してカートリッジ4の第一配管接続口4bに接続され、蒸発工程および脱着工程においてカートリッジ4から発生するガス状又はミスト状の揮発性有機化合物を凝縮、液化するための凝縮器24、該凝縮器24の冷媒を冷却する冷却器25、凝縮器24により液化された揮発性有機化合物を貯溜する回収液タンク26、該回収液タンク26から開閉自在な第二バルブ27を介して排出された揮発性有機化合物を運搬するための回収容器28等を用いて構成されている。
該第一液化手段12は、比較的高い温度、例えば約0℃に設定されていて、前記吸引ポンプ11を用いて吸引されたガス状又はミスト状の揮発性有機化合物のうち、当該温度で液化される物質を凝縮器24で液化し、回収液タンク26で回収する。
そして、前記第一液化手段12の設定温度では液化されなかった揮発性有機化合物を、液化用配管20の下流側に設けられ、第一液化手段12よりも低い温度に設定される第二液化手段13で凝縮することになるが、前述したように、予め第一液化手段12を経由して比較的高い温度で液化される揮発性有機化合物を液化し回収しておくことで、第二液化手段13へ送る揮発性有機化合物の量を減らすことができ、これによって、装置を大型化させることなく、効率よく回収することができるため、省エネルギー化、コスト低減を図ることができるように構成されている。
前記第二液化手段13は、ガス状又はミスト状の揮発性有機化合物を吸引するブロア29、該吸引された揮発性有機化合物を貯留し濃縮する第一、第二濃縮槽30、31、該第一、第二濃縮槽30、31に貯留された揮発性有機化合物を吸引する真空ポンプ32、該真空ポンプ32で吸引された揮発性有機化合物を液化するための凝縮器33、該凝縮器33の冷媒を冷却する冷却器34、凝縮器33により液化された揮発性有機化合物を貯溜する回収液タンク35、該回収液タンク35から開閉自在な第二バルブ36を介して排出された揮発性有機化合物を運搬するための回収容器37等を用いて構成されている。
前述したように、第二液化手段13は、前記第一液化手段12よりも低い温度、例えばマイナス40℃程度に設定され、第一液化手段12では液化されなかった揮発性有機化合物を液化するように構成されている。この第二液化手段13における設定温度は、含まれる揮発性有機化合物によって適宜変更することができ、凝縮温度が一番低い揮発性有機化合物を凝縮できる温度に設定しておくことで、全ての揮発性有機化合物を液化、回収することができる。
一方、第二液化手段13を経由して揮発性有機化合物の液化、回収がされた後のガスは十分に除湿されているため、キャリアガスとしてキャリアガス供給手段14から回収室9内に供給される。前記キャリアガス供給手段14は、第二液化手段13からカートリッジ4の第一配管接続口4aに接続される前記キャリアガス用配管19、該キャリアガス用配管19の中途部に設けられ、内部を経由するキャリアガスの酸素濃度を測定する濃度計38、該濃度計38で測定された酸素濃度が一定以上となった場合にキャリアガス用配管19内に不活性ガスである窒素(窒素と空気の混合物であってもよい。)を供給する窒素供給装置39、回収室9内においてキャリアガス用配管19の中途部に設けられ、回収室9内の温度でキャリアガスを加熱する第二熱交換器40等を用いて構成されている。
そして該キャリアガスが、脱着工程においてカートリッジ4に供給されるようになっているが、この場合にキャリアガスは第二熱交換器40によって加熱された状態でカートリッジ4に供給されるようになっている。
尚、本実施の形態では、キャリアガスを加熱するにあたり、回収室9内に配設された第二熱交換器40によって加熱する構成になっているが、これに限定されず、後述する蒸気供給手段15の排気熱を利用してキャリアガスを加熱することもできる。また、キャリアガスとしては、前述したように揮発性有機化合物の回収後のガスを用いるだけでなく、回収室9内の空気をポンプで吸引したものを用いる構成にすることもできる。
前記蒸気供給手段15は、前記蒸気流入側配管21、および蒸気供給配管41を経由して第一熱交換器10に接続されるボイラ42、蒸気流入側配管21の中途部にそれぞれ配される開度量調整自在な第一バルブ43、蒸気供給配管41に開閉自在な第二バルブ44を介して接続される温調トラップ45等を用いて構成されている。尚、図中、46は蒸気の流入側の圧力を測定する圧力計、47は蒸気の流入側の温度を測定する温度計である。
そして、この様に構成された回収装置8を用いてカートリッジ4の吸着材7に吸着された揮発性有機化合物を回収する場合には、まず、カートリッジ4から揮発性有機化合物を蒸発させると共に、該蒸発された揮発性有機化合物を液化回収する蒸発工程を行ない、続いて、キャリアガスを用いてカートリッジ4から揮発性有機化合物を脱着すると共に、該脱着された揮発性有機化合物を液化回収する脱着工程を行なう。
前記蒸発工程を行なう場合には、まず、ボイラ42からの蒸気を第一熱交換器10に供給して、回収室9内を加熱する。そして、該回収室9内の温度が回収室目標温度T1に達してから、回収室9内にカートリッジ4をセットするが、このとき、カートリッジ4の第一、第二配管接続口4a、4bにキャリアガス用配管19、液化用配管20をそれぞれ接続する。尚、回収室9の温度調整は、第一バルブ43によりボイラ42から第一熱交換器10に供給する蒸気の流量を調整して行なう。
さらに、前記第一熱交換器10による加熱を継続してカートリッジ4を加熱してカートリッジ4内の温度をカートリッジ加熱温度T2まで上昇させて、該カートリッジ加熱温度T2に保持する。
ここで、前記カートリッジ加熱温度T2は、吸着材7に吸着された揮発性有機化合物の種類に応じて設定される。この場合、カートリッジ加熱温度T2を高くすると、揮発性有機化合物の蒸発率が高くなる一方、カートリッジ4の加熱に多くのエネルギーが必要になって高コスト化する。このため、高い回収率を得ることができ、且つ、省エネルギー化、低コスト化を達成できるカートリッジ加熱温度T2として、吸着材7に吸着された揮発性有機化合物の沸点より30℃〜60℃高い温度、好ましくは揮発性有機化合物の沸点よりも40℃〜50℃程度高い温度が設定される。また、回収室目標温度T1は、カートリッジ4内の温度をカートリッジ加熱温度T2にするために設定される回収室9内の目標温度である。例えば、吸着材7に吸着された揮発性有機化合物がトルエン(沸点110.63℃)の場合には、カートリッジ加熱温度T2として150℃が設定され、回収室目標温度T1として145℃が設定される。
そして、前記第一熱交換器10によりカートリッジ加熱温度T2までカートリッジ4が加熱されることにより、吸着材7に吸着された揮発性有機化合物が蒸発してガス状又はミスト状となる。このとき、吸引ポンプ11で吸引することで、液化用配管20の吸引ポンプ11よりも上流側は負圧状態となり、これによって吸着材7に吸着されている揮発性有機化合物の蒸発が促進されて効率よく蒸発させることができる。尚、この蒸発工程を12時間〜24時間程度行なうことで、吸着材7から揮発性有機化合物を数十%(例えば、10%〜20%)程度分離、回収できることを実験により確認したが、蒸発工程の時間やカートリッジ加熱温度T2、回収室目標温度T1は、揮発性有機化合物の種類、カートリッジ4のサイズ等に応じて適宜最適な値に設定される。
前記蒸発工程の後には、続けてキャリアガスを用いた脱着工程を行うが、本実施の形態においてキャリアガスは、後述する揮発性有機化合物を液化、回収した後のガスを用いるように構成されている。
該脱着工程を行なう場合にも、前記第一熱交換器10によるカートリッジ4の加熱を継続して行なって、カートリッジ4内の温度をカートリッジ加熱温度T2に保持する。そして、該カートリッジ4の加熱が継続して行われている状態で、キャリアガス供給手段14によりキャリアガス(例えば除湿空気)をカートリッジ4に供給し、該キャリアガスにより吸着材7から揮発性有機化合物を脱着する。これにより、該キャリアガスによる脱着工程によって、前記蒸発工程で吸着材7から回収しきれなかった揮発性有機化合物を回収することができるようになっている。この脱着工程においても蒸発工程と同様、吸引ポンプ11で吸引することで、液化用配管20の吸引ポンプ11よりも上流側は負圧となり、これによって吸着材7に吸着されている揮発性有機化合物が促進されて効率よく脱着させることができる。
このようにして、揮発性有機化合物を蒸発、脱着する蒸発工程、脱着工程が行なわれるようになっている。尚、脱着工程の前に行なわれた蒸発工程によって吸着材7から多くの揮発性有機化合物が既に回収されているため、脱着工程で供給するキャリアガスは微量風量で良く、例えば、吸着材重量80gあたり0.05〜0.5L/minに設定される。
そして、前記蒸発工程又は脱着工程によってガス状又はミスト状となった揮発性有機化合物は、液化工程において液化、回収されることになるが、ガス状又はミスト状となった揮発性有機化合物は、吸引ポンプ11によって吸引されて、液化用配管20を経由して第一液化手段12に至るが、前述したように該吸引ポンプ11を用いることで、吸引ポンプ11の上流側は負圧状態になっているため、回収室9側では揮発性有機化合物の脱着および蒸発が促進される一方、吸引ポンプ11よりも下流側は加圧状態となっているため、該吸引ポンプ11よりも下流側ではガス状又はミスト状となった揮発性有機化合物の濃度が高くなって、続く揮発性有機化合物の液化、回収が効率よく行うことができるように構成されている。
液化工程において、まず、第一液化手段12では、ガス状又はミスト状となった揮発性有機化合物のうち、比較的高い温度、例えば約0℃程度で凝縮される揮発性有機化合物が凝縮器24で液化されて回収液タンク26に回収されるようになっている。
その後、前記第一液化手段12の設定温度では液化されなかった揮発性有機化合物が、液化用配管20の下流側に設けられ、該第一液化手段12よりも低い温度(例えばマイナス40℃)に設定される第二液化手段13で液化されて回収タンク35で回収されるようになっている。
一方、第二液化手段13を経由して揮発性有機化合物の液化、回収が終了した後のガスは、キャリアガスとして前述した脱着工程に用いることができ、キャリアガス供給手段14を経由して回収室9内に供給されるように構成されている。このように構成することで、別途のキャリアガス供給手段を備える必要が無く、また、回収後のガスを有効利用することができる。
叙述の如く構成された本実施の形態において、工場等の揮発性有機化合物使用施設において吸着材7に揮発性有機化合物が吸着されたカートリッジ4は、揮発性有機化合物回収施設において回収装置8により揮発性有機化合物が分離、回収されて再利用されることになるが、該回収装置8は、室内にカートリッジ4がセットされる回収室9と、カートリッジ4から揮発性有機化合物を蒸発させるべくカートリッジ4を加熱する第一熱交換器10と、カートリッジ4から揮発性有機化合物を脱着するべくカートリッジ4にキャリアガスを供給するキャリアガス供給手段14と、前記第一熱交換器10の加熱による蒸発およびキャリアガスによる脱着で生成されたガス状又はミスト状の揮発性有機化合物を液化する液化手段12、13と、前記回収室9から液化手段12、13へ揮発性有機化合物を吸引する吸引ポンプ(吸引手段)11とを備えており、そして、前記吸引手段11によって、吸引手段回収室9から吸引ポンプ11に至るまでの上流側を負圧とし、吸引ポンプ11から下流側を加圧とした状態で、該回収装置8によりカートリッジ4から揮発性有機化合物を分離すると共に該揮発性有機化合物を回収する場合には、前記第一熱交換器10による加熱でカートリッジ4から揮発性有機化合物を蒸発させて回収する蒸発工程の後に、キャリアガスによりカートリッジ4から揮発性有機化合物を脱着し、然る後、前記ガス状又はミスト状の揮発性有機化合物を液化する液化工程を行なわれることになる。
而して、吸着材7から揮発性有機化合物を回収する工程として、まず、カートリッジ4から揮発性有機化合物を蒸発させる蒸発工程が行なわれ、続けて、キャリアガスを用いて揮発性有機化合物を脱着する脱着工程が行なわれることになるが、このとき、吸引手段(吸引ポンプ)11を用いることで、液化用配管20の吸引ポンプ11よりも上流側が負圧状態となって、効率よく蒸発工程及び脱着工程を行うことができて短時間化が図れると共に、省エネルギー化、コスト低減を図ることができる。
一方、液化用配管20の吸引ポンプ11よりも下流側は加圧状態となって揮発性有機化合物の濃度が高い状態となっているため、液化工程における第一、第二液化手段12、13での液化、回収が効率よく行うことができる。
そのうえ、キャリアガス供給手段14で用いるキャリアガスは、第一、第二液化手段12、13で揮発性有機化合物が液化され、回収された後のガスを用いているため、該回収後のガスを再利用することができるだけでなく、別途キャリアガスを供給するための設備を設ける必要がなくなって、装置の大型化、複雑化をさせないものとすることができる。
さらに、液化手段は、第一、第二液化手段12、13の二つの液化手段で構成され、第一液化手段12は第二液化手段13よりも高い温度に設定されているため、まず、含まれる揮発性有機化合物のうち、比較的高い温度(例えば0℃)で液化されるものを第一液化手段12で液化、回収する。そして、該第一液化手段12では液化されなかった揮発性有機化合物だけを、第一液化手段12よりも低い温度(例えばマイナス40℃)に設定される第二液化手段で液化、回収することになるため、低い温度に設定される第二液化手段に送る揮発性有機化合物の量を減らすことができるため、省エネルギー化を図ることができる。
さらにまた、吸着材7として、シリカゲルを用いているが、シリカゲルは不燃性であるため、回収室9を加熱してカートリッジ4の温度が上がっても安全性を保つことができ、しかも、蒸発、脱着工程でほぼ完全に揮発性有機化合物を取り除くことができるため、効率がよく長期間に亘って使用することができる。しかも、シリカゲルは個々の大きさが活性炭と比較した場合に小さいため、カートリッジ4内により多く投入できることになるため、吸着性能に優れたものとすることができる。
尚、前記第一熱交換器10によるカートリッジの加熱温度を、吸着材7に吸着された揮発性有機化合物の沸点より30℃〜60℃程度高い温度、好ましくは40℃〜50℃程度高い温度に設定することにより、高い回収率を得られると共に、省エネルギー化を達成することができる。
また、本発明は、種々の揮発性有機化合物の回収に利用することができるが、沸点120℃位以下、特に沸点110℃位以下の揮発性有機化合物(例えば、トルエン)の回収に利用すると、蒸発工程での回収率を高くすることができて特に有用である。
本発明は、移動自在なカートリッジに充填された吸着材から揮発性有機化合物を回収するための回収方法として利用することができる。
4 カートリッジ
7 吸着材
8 回収装置
9 回収室
10 第一熱交換器
11 吸引ポンプ
12 第一液化手段
13 第二液化手段
14 キャリアガス供給手段
15 蒸気供給手段

Claims (4)

  1. 揮発性有機化合物が吸着された吸着材が充填されたカートリッジから揮発性有機化合物を回収するための回収方法であって、
    該回収方法は、
    回収室内にセットされたカートリッジを負圧状態で加熱して揮発性有機化合物を吸着材から蒸発させると共に、該蒸発した揮発性有機化合物を前記回収室から液化手段へ吸引して加圧状態で液化回収する蒸発工程を行い、
    該蒸発工程の後に、負圧状態で前記カートリッジに加熱したキャリアガスを供給して揮発性有機化合物を吸着材から脱着させると共に、該脱着した揮発性有機化合物を前記回収室から前記液化手段へ吸引して加圧状態で液化回収する脱着工程とを行うことを特徴とする吸着された揮発性有機化合物の回収方法。
  2. 前記キャリアガスは、前記液化手段で揮発性有機化合物が液化され、回収された後のガスを用いることを特徴とする請求項1記載の吸着された揮発性有機化合物の回収方法。
  3. 前記液化手段は、第一、第二の液化手段で構成され、第一液化手段は第二液化手段よりも高い温度に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の吸着された揮発性有機化合物の回収方法。
  4. 揮発性有機化合物が吸着された吸着材はシリカゲルであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の吸着された揮発性有機化合物の回収方法。
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