(詳細な説明)
ここで本発明の特定の実施形態が詳細に参照され、その例が付随する構造および式に図示される。本発明は、列挙される実施形態に関連して記載されるが、これらの実施形態は、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図されないことが理解される。そうではなく、本発明は、本明細書中で規定されるような本発明の範囲に入り得る、全ての代替例、改変物、および等価物を網羅することが意図される。
式Iの化合物の1つの実施形態において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレン、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。
式Iの化合物の1つの実施形態において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレン、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。
式Iの化合物の1つの実施形態において、A2は、必要に応じて置換されたアリーレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレン、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、R2およびR3は、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、−C(O)−を形成する。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレン、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。
式Iの化合物の1つの実施形態において、A2は、必要に応じて置換されたヘテロアリーレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレン、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、R2およびR3は、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、−C(O)−を形成する。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレン、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。
式Iの化合物の別の実施形態において、A2は
であり、ここで各R10またはR11は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C4)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C4)アルキニル;ハロゲン、シアノ、C(O)R1、C(O)OR1またはCON(R1)2であるか;あるいはR11およびR10は、これらが結合している原子と一緒になって、必要に応じて置換された(C5〜C7)シクロアルキル環を形成し、ここでこの必要に応じて置換された(C5〜C7)シクロアルキル環のsp3炭素原子は、O、S(O)nまたはNR4により必要に応じて置き換えられる。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレン、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、R2およびR3は、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、−C(O)−を形成する。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。
式Iの化合物の1つの実施形態において、R2およびR3は、これらの両方が結合している炭素原子と一緒になって、−C(O)−を形成する。
式Iの化合物の別の実施形態において、R5は、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたベンジルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換された
である。
1つの実施形態において、式Iの化合物は、式II:
によって表されるか、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステルであり;ここで全ての可変物は、式Iについてと同様に定義される。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレン、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレン、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は、必要に応じて置換されたアリーレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレン、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレン、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は、必要に応じて置換されたヘテロアリーレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレン、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレン、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C2)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は、必要に応じて置換された二環式アリーレンまたは二環式ヘテロアリーレンであり、そしてA1は、必要に応じて置換された(C2)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C2)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、R7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は、必要に応じて置換されたアリーレンであり、そしてA1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A2は
である。
この実施形態の別の局面において、R7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は、必要に応じて置換されたアリーレンであり、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルケニレンであり、そしてR7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、A2は
である。
この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたベンジルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4であり、そしてR8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12はHである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は
であり、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルケニレンであり、R7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルであり、そしてX1は、OまたはNR1である。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたベンジルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換された
である。
この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4であり、そしてR8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12はHである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は
であり、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルケニレンであり、R7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルであり、X1は、OまたはNR1であり、そしてR5は、必要に応じて置換された
である。
この実施形態の別の局面において、R6は、OR4、CH2OR4、N(R1)2、NHCOR1、NHC(O)OR1、NHC(O)N(R1)2、NHC(NR1)R1、NHC(NR1)N(R1)2、C(O)N(R1)2、S(O)2N(R1)2、NHS(O)2OR1、NHS(O)2R16またはNHS(O)2N(R1)2である。この実施形態の別の局面において、R6はOHである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4であり、そしてR8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12はHである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
式IIの化合物の別の実施形態において、A2は
であり、ここでR11およびR10は、式Iについて上で定義されたとおりである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレン、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキニレンである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルケニル、必要に応じて置換された(C2〜C8)アルキニル;必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル(C1〜C4)アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(C1〜C4)アルキル、OR4、SR4、S(O)R16、S(O)2R16またはN(R4)2であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は
であり、そしてA1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルケニレンである。この実施形態の別の局面において、R7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキル、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は
であり、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルケニレンであり、そしてR7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたベンジルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4であり、そしてR8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12はHである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は
であり、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルケニレンであり、R7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルであり、そしてX1は、OまたはNR1である。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたアリール(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換されたベンジルである。この実施形態の別の局面において、R5は、必要に応じて置換された
である。
この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4であり、そしてR8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12はHである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
式IIの化合物の1つの実施形態において、A2は
であり、A1は、必要に応じて置換された(C4)アルキレンまたは必要に応じて置換された(C4)アルケニレンであり、R7は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルであり、X1は、OまたはNR1であり、そしてR5は、必要に応じて置換された
である。
この実施形態の別の局面において、R6は、OR4、CH2OR4、N(R1)2、NHCOR1、NHC(O)OR1、NHC(O)N(R1)2、NHC(NR1)R1、NHC(NR1)N(R1)2、C(O)N(R1)2、S(O)2N(R1)2、NHS(O)2OR1、NHS(O)2R16またはNHS(O)2N(R1)2である。この実施形態の別の局面において、R6はOHである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4である。この実施形態の別の局面において、R8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R9はOR4であり、そしてR8は、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12はHである。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13、R14またはR15は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4である。この実施形態の別の局面において、A1は
であり、ここで各R13またはR14は独立して、H、必要に応じて置換された(C1〜C8)アルキルまたはOR4であり、そして各R8bおよびR9bはHである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルである。この実施形態の別の局面において、R8はメチルであり、そして各R8aおよびR9aはHである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたは必要に応じて置換された(C1〜C4)アルキルである。この実施形態の別の局面において、R12は、Hまたはメチルである。
別の実施形態において、式Iの化合物は
あるいはその薬学的に受容可能な塩またはエステルである。
本明細書中で参照される各文書は、全ての目的で、その全体が参考として援用される。
(定義)
他のことが記載されない限り、以下の用語および語句は、本明細書中で使用される場合、以下の意味を有することが意図される。特定の用語または語句が具体的に定義されないという事実は、不明瞭さ、または明瞭さを欠くことと関連付けられるべきではなく、むしろ、本明細書中の用語は、その通常の意味で使用される。商品名が本明細書中で使用される場合、出願人は、その商品名の製品、およびその商品名の製品の活性薬学的成分を独立して含むことを意図する。
用語「処置」およびその文法上の等価物は、疾患を処置する文脈で使用される場合、疾患の進行を遅くするかまたは止めること、あるいは疾患の少なくとも1つの症状を軽減すること、より好ましくは、疾患の1つより多くの症状を軽減することを意味する。例えば、C型肝炎ウイルス感染の処置は、HCVに感染した人間におけるHCVウイルス量を減少させること、および/またはHCVに感染した人間に存在する黄疸の重篤度を低下させることを包含し得る。
「アルキル」とは、直鎖、第二級、第三級、または環状の炭素原子を含む炭化水素である。例えば、アルキル基は、1個〜20個の炭素原子(すなわち、C1〜C20アルキル)、1個〜10個の炭素原子(すなわち、C1〜C10アルキル)、または1個〜6個の炭素原子(すなわち、C1〜C6アルキル)を有し得る。適切なアルキル基の例としては、メチル(Me、−CH3)、エチル(Et、−CH2CH3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH2CH2CH3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH3)2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH2CH2CH2CH3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH2CH(CH3)2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH3)3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH2CH3)、3−ペンチル(−CH(CH2CH3)2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH2CH3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH3)CH(CH3)2)、3−メチル−1−ブチル(−CH2CH2CH(CH3)2)、2−メチル−1−ブチル(−CH2CH(CH3)CH2CH3)、1−ヘキシル(−CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ヘキシル(−CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3−ヘキシル(−CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH3)2CH2CH2CH3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH3)(CH2CH3)2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH3)C(CH3)3、およびオクチル(−(CH2)7CH3)が挙げられるが、これらに限定されない。
「アルコキシ」とは、上で定義されたようなアルキル基が酸素原子を介して親分子に結合している、式−O−アルキルを有する基を意味する。アルコキシ基のアルキル部分は、1個〜20個の炭素原子(すなわち、C1〜C20アルコキシ)、1個〜12個の炭素原子(すなわち、C1〜C12アルコキシ)、または1個〜6個の炭素原子(すなわち、C1〜C6アルコキシ)を有し得る。適切なアルコキシ基の例としては、メトキシ(−O−CH3または−OMe)、エトキシ(−OCH2CH3または−OEt)、t−ブトキシ(−O−C(CH3)3または−OtBu)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「ハロアルキル」とは、アルキル基の1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、上で定義されたようなアルキル基である。ハロアルキル基のアルキル部分は、1個〜20個の炭素原子(すなわち、C1〜C20ハロアルキル)、1個〜12個の炭素原子(すなわち、C1〜C12ハロアルキル)、または1個〜6個の炭素原子(すなわち、C1〜C6アルキル)を有し得る。適切なハロアルキル基の例としては、−CF3、−CHF2、−CFH2、−CH2CF3などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルケニル」とは、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素のsp2二重結合)を有する、直鎖、第二級、第三級、または環状の炭素原子を含む炭化水素である。例えば、アルケニル基は、2個〜20個の炭素原子(すなわち、C2〜C20アルケニル)、2個〜12個の炭素原子(すなわち、C2〜C12アルケニル)、または2個〜6個の炭素原子(すなわち、C2〜C6アルケニル)を有し得る。適切なアルケニル基の例としては、ビニル(−CH=CH2)、アリル(−CH2CH=CH2)、シクロペンテニル(−C5H7)、および5−ヘキセニル(−CH2CH2CH2CH2CH=CH2)が挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキニル」とは、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素のsp三重結合)を有する、直鎖、第二級、第三級、または環状の炭素原子を含む炭化水素である。例えば、アルキニル基は、2個〜20個の炭素原子(すなわち、C2〜C20アルキニル)、2個〜12個の炭素原子(すなわち、C2〜C12アルキニル)、または2個〜6個の炭素原子(すなわち、C2〜C6アルキニル)を有し得る。適切なアルキニル基の例としては、アセチレン型(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキレン」とは、親アルカンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導された2つの一価ラジカル中心を有する、飽和の、分枝鎖または直鎖または環状の、炭化水素基をいう。例えば、アルキレン基は、1個〜20個の炭素原子、1個〜10個の炭素原子、または1個〜6個の炭素原子を有し得る。代表的なアルキレン基としては、メチレン(−CH2−)、1,1−エチレン(−CH(CH3)−)、1,2−エチレン(−CH2CH2−)、1,1−プロピレン(−CH(CH2CH3)−)、1,2−プロピレン(−CH2CH(CH3)−)、1,3−プロピレン(−CH2CH2CH2−)、1,4−ブチレン(−CH2CH2CH2CH2−)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルケニレン」とは、親アルケンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導された2つの一価ラジカル中心を有する、不飽和の、分枝鎖または直鎖または環状の炭化水素基をいう。例えば、アルケニレン基は、1個〜20個の炭素原子、1個〜10個の炭素原子、または1個〜6個の炭素原子を有し得る。代表的なアルケニレン基としては、1,2−エチレン(−CH=CH−)が挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキニレン」とは、親アルキンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導された2つの一価ラジカル中心を有する、不飽和の、分枝鎖または直鎖または環状の炭化水素基をいう。例えば、アルキニレン基は、1個〜20個の炭素原子、1個〜10個の炭素原子、または1個〜6個の炭素原子を有し得る。代表的なアルキニレン基としては、アセチレン(−C≡C−)、プロパルギル(−CH2C≡C−)、および4−ペンチニル(−CH2CH2CH2C≡CH−)が挙げられるが、これらに限定されない。
「アリール」とは、親芳香族環系の1個の炭素原子からの1個の水素原子の除去により誘導される、一価の芳香族炭化水素基を意味する。例えば、アリール基は、6個〜20個の炭素原子、6個〜14個の炭素原子、または6個〜12個の炭素原子を有し得る。代表的なアリール基としては、ベンゼン(例えば、フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。
「アリーレン」とは、親アリールの2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導される2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたようなアリールをいう。代表的なアリーレン基としては、フェニレンおよびナフチレンが挙げられるが、これに限定されない。
「アリールアルキル」とは、炭素原子(代表的には、末端炭素原子またはsp3炭素原子)に結合している水素原子のうちの1つがアリール基で置き換えられている、非環状アルキル基をいう。代表的なアリールアルキル基としては、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アリールアルキル基は、6個〜20個の炭素原子を含み得る。例えば、アルキル部分が1個〜6個の炭素原子であり、そしてアリール部分が6個〜14個の炭素原子である。
「アリールアルキレン」とは、その基のアリール基からの1個の水素原子の除去、およびアルキル基からの他の水素原子の除去により誘導される、2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたようなアリールアルキルをいう。アリールアルキレン基の非限定的な例としては:
アリールアルキル基またはアリールアルキレン基が、それぞれアリール(C0〜Cn)アルキルまたはアリール(C0〜Cn)アルキレンと記載される場合、アリール(C0)アルキルまたはアリール(C0)アルキレンの意味は、それぞれアリールまたはアリーレンと同じである。
「炭素環」または「カルボシクリル」とは、単環としては3個〜7個の炭素原子、二環としては7個〜12個の炭素原子、そして多環としては約20個までの炭素原子を有する、飽和(すなわち、シクロアルキル)、部分不飽和(例えば、シクロアルケニル、シクロアルカジエニルなど)または芳香族の環をいう。単環式炭素環は、3個〜7個の環原子なおより代表的には5個または6個の環原子を有する。二環式炭素環は、7個〜12個の環原子(例えば、ビシクロ[4,5]系、ビシクロ[5,5]系、ビシクロ[5,6]系、もしくはビシクロ[6,6]系として配置される)、あるいは9個〜10個の環原子(ビシクロ[5,6]系もしくはビシクロ[6,6]系、またはスピロ縮合環として配置される)を有する。単環式炭素環の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、およびフェニルが挙げられる。ビシクロ炭素環の非限定的な例としては、ナフチル、テトラヒドロナフタレン、およびデカリンが挙げられる。
「シクロアルキル」とは、単環としては3個〜7個の炭素原子、二環としては7個〜12個の炭素原子、そして多環としては約20個までの炭素原子を有する、飽和または部分不飽和の環をいう。単環式シクロアルキル基は、3個〜6個の環原子、なおより代表的には、5個または6個の環原子を有する。二環式シクロアルキル基は、7個〜12個の環原子(例えば、ビシクロ(4,5)系、(5,5)系、(5,6)系もしくは(6,6)系として配置される)、または9個もしくは10個の環原子(ビシクロ(5,6)系もしくは(6,6)系として配置される)を有する。シクロアルキル基としては、炭化水素の単環式環、二環式環、および多環式環が挙げられ、縮合していても、有橋であっても、スピロであってもよい。単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、および1−シクロヘキサ−3−エニルが挙げられる。ビシクロシクロアルキルの非限定的な例としては、ナフチル、テトラヒドロナフタレン、およびデカリンおよびビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イルなどが挙げられる。
「シクロアルキレン」とは、親シクロアルキルの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導される2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたようなシクロアルキルをいう。代表的なシクロアルキレン基としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレンおよびシクロヘキシレンが挙げられるが、これらに限定されない。
「ハロゲン」とは、F、Cl、Br、またはIをいう。
本明細書中で使用される場合、用語「ハロアルキル」とは、少なくとも1個のハロゲンで置換されている、本明細書中で定義されるようなアルキル基をいう。本明細書中で使用される場合の、分枝鎖または直鎖の「ハロアルキル」基の例としては、1つ以上のハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード)で独立して置換されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、およびt−ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ハロアルキル」は、−CF3などのパーフルオロアルキル基のような置換基を包含すると解釈されるべきである。
本明細書中で使用される場合、用語「ハロアルコキシ」とは、基−ORaをいい、ここでRaは、本明細書中で定義されるようなハロアルキル基である。非限定的な例として、ハロアルコキシ基としては、−O(CH2)F、−O(CH)F2、および−OCF3が挙げられる。
「複素環」または「ヘテロシクリル」は、本明細書中で使用される場合、例としてであって限定ではなく、Paquette,Leo A.;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A.Benjamin,New York,1968),特に第1章、第3章、第4章、第6章、第7章、および第9章;The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A Series of Monographs”(John Wiley & Sons,New York,1950から現在まで),特に第13巻、第14巻、第16巻、第19巻、および第28巻;ならびにJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載される複素環を包含する。本発明の1つの特定の実施形態において、「複素環」は、1個以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置き換えられている、本明細書中で定義されるような「炭素環」を包含する。用語「複素環」または「ヘテロシクリル」は、飽和環、部分不飽和環、および芳香族環(すなわち、ヘテロ芳香族環)を包含する。置換ヘテロシクリルとしては、例えば、本明細書中に開示される置換基(カルボニル基を含めて)のうちのいずれかで置換された複素環式環が挙げられる。カルボニルで置換されたヘテロシクリルの非限定的な例は:
である。
複素環の例としては、例としてであって限定ではなく、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄が酸化されたテトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキサインドリル、ベンゾオキサゾリニル、イサチノイル、およびビス−テトラヒドロフラニル:
が挙げられる。
例としてであって限定ではなく、炭素で結合した複素環は、ピリジンの2位、3位、4位、5位、または6位、ピリダジンの3位、4位、5位、または6位、ピリミジンの2位、4位、5位、または6位、ピラジンの2位、3位、5位、または6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロールの2位、3位、4位、または5位、オキサゾール、イミダゾールまたはチアゾールの2位、4位、または5位、イソオキサゾール、ピラゾール、またはイソチアゾールの3位、4位、または5位、アジリジンの2位または3位、アゼチジンの2位、3位、または4位、キノリンの2位、3位、4位、5位、6位、7位、または8位、あるいはイソキノリンの1位、3位、4位、5位、6位、7位、または8位で結合する。なおより代表的には、炭素で結合した複素環としては、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、または5−チアゾリルが挙げられる。
例としてであって限定ではなく、窒素で結合した複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾール、またはβ−カルボリンの9位で結合する。なおより代表的には、窒素で結合した複素環としては、1−アジリジル、1−アゼチジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、および1−ピペリジニルが挙げられる。
「ヘテロサイクレン」または「ヘテロシクリレン」とは、親複素環の同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去、親複素環の2個の窒素原子からの2個の水素原子の除去、または親複素環の1個の窒素原子からの1個の水素原子の除去および1個の炭素原子からの1個の水素原子の除去により誘導された、2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたような「複素環」または「ヘテロシクリル」をいう。ヘテロサイクレンまたはヘテロシクリレンの非限定的な例は:
である。
「ヘテロアリール」とは、その環内に少なくとも1個のヘテロ原子を有する、一価の芳香族ヘテロシクリルをいう。従って、「ヘテロアリール」とは、1個〜14個の炭素原子、および酸素、窒素、硫黄、またはリンから選択される1個〜6個のヘテロ原子の、芳香族基をいう。複数の環の系については、例として、用語「ヘテロアリール」は、芳香族環と非芳香族環とを有する、縮合環系(例えば、二環式)、有橋環系、およびスピロ環系を包含する。1つの実施形態において、このヘテロアリール基の炭素環原子、窒素環原子、または硫黄環原子は、酸化されて、C(=O)部分、N−オキシド部分、スルフィニル部分、またはスルホニル部分を与え得る。ヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジニル、キノリニル、ベンゾチオフェニル、およびベンゾフラニルなどが挙げられる。
「ヘテロアリーレン」とは、親ヘテロアリール基の同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除くことによって誘導される2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたような「ヘテロアリール」をいう。ヘテロアリーレン基の非限定的な例は:
である。
「ヘテロシクリルアルキル」とは、炭素原子(代表的には、末端炭素原子またはsp3炭素原子)に結合している水素原子のうちの1つがヘテロシクリル基で置き換えられている、非環式アルキル基(すなわち、ヘテロシクリル−アルキレン−部分)をいう。代表的なヘテロシクリルアルキル基としては、ヘテロシクリル−CH2−、2−(ヘテロシクリル)エタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されず、ここで「ヘテロシクリル」部分は、上に記載されたヘテロシクリル基(Principles of Modern Heterocyclic Chemistryに記載されるものが挙げられる)のいずれかを含む。当業者はまた、ヘテロシクリル基が、炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合によって、ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分に結合し得る(ただし、得られる基が化学的に安定である)ことを理解する。ヘテロシクリルアルキル基は、2個〜20個の炭素原子および1個〜6個のヘテロ原子を含む。例えば、ヘテロシクリルアルキル基のアルキル部分は、1個〜6個の炭素原子を含み、そしてヘテロシクリル部分は、1個〜14個の炭素原子を含む。ヘテロシクリルアルキルの例としては、例として限定ではなく、5員の、硫黄、酸素、リン、および/または窒素を含有する複素環(例えば、ピロリジルメチル、および2−テトラヒドロフラニリルエタン−1−イルなど)、6員の、硫黄、酸素、および/または窒素を含有する複素環(例えば、ピペリジニルメチル、モルホリニルメチル、ピペリジニルエチル、およびテトラヒドロピラニルエチルなど)が挙げられる。
「ヘテロアリールアルキル」とは、水素原子が本明細書中で定義されるようなヘテロアリール基で置き換えられている、本明細書中で定義されるようなアルキル基をいう。ヘテロアリールアルキルの非限定的な例としては、−CH2−ピリジニル、−CH2−ピロリル、−CH2−オキサゾリル、−CH2−インドリル、−CH2−イソインドリル、−CH2−プリニル、−CH2−フラニル、−CH2−チエニル、−CH2−ベンゾフラニル、−CH2−ベンゾチオフェニル、−CH2−カルバゾリル、−CH2−イミダゾリル、−CH2−チアゾリル、−CH2−イソオキサゾリル、−CH2−ピラゾリル、−CH2−イソチアゾリル、−CH2−キノリル、−CH2−イソキノリル、−CH2−ピリダジル、−CH2−ピリミジル、−CH2−ピラジル、−CH(CH3)−ピリジニル、−CH(CH3)−ピロリル、−CH(CH3)−オキサゾリル、−CH(CH3)−インドリル、−CH(CH3)−イソインドリル、−CH(CH3)−プリニル、−CH(CH3)−フラニル、−CH(CH3)−チエニル、−CH(CH3)−ベンゾフラニル、−CH(CH3)−ベンゾチオフェニル、−CH(CH3)−カルバゾリル、−CH(CH3)−イミダゾリル、−CH(CH3)−チアゾリル、−CH(CH3)−イソオキサゾリル、−CH(CH3)−ピラゾリル、−CH(CH3)−イソチアゾリル、−CH(CH3)−キノリル、−CH(CH3)−イソキノリル、−CH(CH3)−ピリダジル、−CH(CH3)−ピリミジル、および−CH(CH3)−ピラジルなどが挙げられる。
用語「ヘテロシクリルオキシ」とは、隣接する原子に酸素によって結合している、ヘテロシクリル基を表す。
硫黄原子が存在する場合、この硫黄原子は、様々な酸化レベル、すなわち、S、SO、SO2、またはSO3にあり得る。全てのこのような酸化レベルは、本発明の範囲内である。
式I〜IIの化合物の特定の部分に関して、用語「必要に応じて置換された」(例えば、必要に応じて置換されたアリール基)とは、全ての置換基が水素である部分、またはその部分の水素のうちの1個以上が、置換基(例えば、「置換(された)」の定義に列挙される置換基、もしくは他に特定されるような置換基)によって置き換えられていてもよい部分をいう。
アルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、カルボシクリルなど(例えば、「置換されたアルキル」、「置換されたアルキレン」、「置換されたアリール」、「置換されたアリールアルキル」、「置換されたヘテロシクリル」、および「置換されたカルボシクリル」)に関連する用語「置換された」とは、他に示されない限り、1個以上の水素原子が各々独立して、水素ではない置換基で置き換えられている、アルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、カルボシクリルをそれぞれ意味する。代表的な置換基としては、−X、−Rb、−O−、=O、−ORb、−SRb、−S−、−NRb 2、−N+Rb 3、=NRb、−CX3、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO2、=N2、−N3、−NHC(=O)Rb、−OC(=O)Rb、−NHC(=O)NRb 2、−S(=O)2−、−S(=O)2OH、−S(=O)2Rb、−OS(=O)2ORb、−S(=O)2NRb 2、−S(=O)Rb、−OP(=O)(ORb)2、−P(=O)(ORb)2、−P(=O)(O−)2、−P(=O)(OH)2、−P(O)(ORb)(O−)、−C(=O)Rb、−C(=O)X、−C(S)Rb、−C(O)ORb、−C(O)O−、−C(S)ORb、−C(O)SRb、−C(S)SRb、−C(O)NRb 2、−C(S)NRb 2、−C(=NRb)NRb 2が挙げられるが、これらに限定されず、ここで各Xは独立して、ハロゲン、すなわちF、Cl、Br、またはIであり、そして各Rbは独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、または保護基もしくはプロドラッグ部分である。アルキレン基、アルケニレン基、およびアルキニレン基も同様に置換され得る。他に示されない限り、用語「置換された」が、置換が可能な2つ以上の部分を有する基(例えば、アリールアルキル)と組み合わせて使用される場合、これらの置換基は、アリール部分に結合しても、アルキル部分に結合しても、両方に結合てもよい。
当業者は、「アルキル」、「アリール」、「ヘテロシクリル」などの部分が1つ以上の置換基で置換される場合、これらの部分は代替的に、「アルキレン」部分、「アリーレン」部分、「ヘテロシクリレン」部分などと呼ばれ得る(すなわち、親の「アルキル」、「アリール」、「ヘテロシクリル」部分の水素原子のうちの少なくとも1個が、示される置換基で置き換えられていることを示す)ことを認識する。「アルキル」、「アリール」、「ヘテロシクリル」などの部分が本明細書中で「置換された」といわれる場合、または図で置換されている(もしくは必要に応じて置換されている(例えば、置換基の数が0から正の整数までの範囲である場合))ように示される場合、「アルキル」、「アリール」、「ヘテロシクリル」などの用語は、「アルキレン」、「アリーレン」、「ヘテロシクリレン」などと交換可能であると理解される。
当業者により理解されるように、本発明の化合物は、溶媒和形態または水和形態で存在し得る。本発明の範囲は、このような形態を含む。ここでまた、当業者により理解されるように、これらの化合物は、エステル化が可能であり得る。本発明の範囲は、エステルおよび他の生理学的に機能的な誘導体を含む。本発明の範囲は、本明細書中に記載される化合物のプロドラッグ形態を含む。
「エステル」とは、分子の−−COOH官能基のいずれかが−C(O)OR官能基により置き換えられているか、または分子の−OH官能基のいずれかが−OC(O)R官能基で置き換えられている、化合物の任意のエステルを意味し、ここでこのエステルのR部分は、安定なエステル部分を形成する任意の炭素含有基であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルおよびその置換された誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
式IおよびIIの化合物は、環構造内のA、A1およびA2などの可変物を特徴とする。構造の表現がこれらの可変物について与えられる場合、これらは、式IIにおいて、時計回り方向(すなわち、左から右)に存在するように表されるべきである。例として限定ではなく、式IIのA2が部分
によって表され、そしてA1が部分
によって表される場合、式IIの大環状構造は
である。
用語「プロドラッグ」とは、本明細書中で使用される場合、生物学的系に投与される場合に、自発的な化学反応、酵素により触媒される化学反応、光分解、および/または代謝化学反応の結果として、薬物物質(すなわち、活性成分)を生成する、任意の化合物をいう。従って、プロドラッグは、治療的に活性な化合物の共有結合により修飾されたアナログまたは潜在的な形態である。プロドラッグの非限定的な例としては、エステル部分、第四級アンモニウム部分、およびグリコール部分などが挙げられる。
当業者は、式IまたはIIの化合物の置換基および他の部分が、認容可能に安定な薬学的組成物に処方され得る、薬学的に有用な化合物を提供するために充分に安定な化合物を提供する目的で選択されるべきであることを認識する。このような安定性を有する式IまたはIIの化合物は、本発明の範囲内に入ることが想定される。
当業者により理解されるように、本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心を含み得る。本発明の範囲は、このような形態を含む。ここでまた、当業者により理解されるように、この化合物は、エステル化が可能である。本発明の範囲は、エステルおよび他の生理学的に機能的な誘導体を含む。さらに、本発明の範囲は、本明細書中に記載される化合物のプロドラッグ形態を含む。
式I〜IIの化合物およびその薬学的に受容可能な塩は、様々な多型または偽多型として存在し得る。本明細書中で使用される場合、結晶の多型性とは、結晶性化合物が異なる結晶構造で存在する能力を意味する。多型性は一般に、温度、圧力、またはこれらの両方の変化に対する応答として、起こり得る。多型性はまた、結晶化プロセスのバリエーションからも生じ得る。多型は、当該分野において公知である種々の物理特性(例えば、X線回折パターン、溶解度、および融点)によって区別され得る。結晶の多型性は、結晶の充填の差異(充填多型性)、または同じ分子の異なる配座異性体間の充填の差異(配座多型性)から生じ得る。本明細書中で使用される場合、結晶の偽多型性とは、化合物の水和物または溶媒和物が異なる結晶構造で存在する能力を意味する。本発明の偽多型は、結晶の充填の差異に起因して(充填偽多型性)、または同じ分子の異なる配座異性体間の充填の差異に起因して(配座偽多型性)存在し得る。本発明は、式I〜IIの化合物およびその薬学的に受容可能な塩の全ての多型および偽多型を包含する。
式I〜IIの化合物およびその薬学的に受容可能な塩はまた、非晶質固体として存在し得る。本明細書中で使用される場合、非晶質固体とは、その固体中の原子の位置の長距離規則度が存在しない固体である。この定義は、その結晶サイズが2ナノメートル以下である場合も同様に適用される。添加物(溶媒が挙げられる)が、本発明の非晶質形態を作製するために使用され得る。本発明は、式I〜IIの化合物およびその薬学的に受容可能な塩の全ての非晶質形態を包含する。
本明細書中に記載される化合物の特定のものは、1つ以上のキラル中心を含むか、または他の方法で、複数の立体異性体として存在することが可能であり得る。本発明の範囲は、立体異性体の混合物、および精製したエナンチオマーまたはエナンチオマー/ジアステレオマーが富化された混合物を含む。本発明の範囲内にはまた、本発明の式により表わされる化合物の個々の異性体、およびその完全にかまたは部分的に平衡化された任意の混合物が含まれる。本発明はまた、上記式により表される化合物の個々の異性体を、1つ以上のキラル中心が逆になったその異性体との混合物として、含む。
用語「キラル」とは、鏡像パートナーと重なり合わない性質を有する分子をいい、一方で、用語「アキラル」とは、鏡像パートナーと重なり合う分子をいう。
用語「立体異性体」とは、同じ化学構造を有するが、空間中での原子または基の配置に関して異なる化合物をいう。
「ジアステレオマー」とは、2個以上のキラル中心を有し、そして分子が互いに鏡像ではない、立体異性体をいう。ジアステレオマーは、異なる物理特性(例えば、融点、沸点、スペクトル特性、および反応性)を有する。ジアステレオマーの混合物は、高分解能分析手順(例えば、電気泳動およびクロマトグラフィー)で分離され得る。
「エナンチオマー」とは、互いに重なり合わない鏡像である、1つの化合物の立体異性体をいう。
本明細書中で使用される、立体化学の定義および慣習は、一般に、S.P.Parker編,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company,New York;ならびにEliel,E.およびWilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley & Sons,Inc.,New Yorkに従う。
多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在する。すなわち、面偏光された光の面を回転させる能力を有する。光学的に活性な化合物を記載する際に、接頭語DおよびLまたはRおよびSが、分子のキラル中心の周りでの絶対配置を記載するために、使用される。接頭語dおよびlまたは(+)および(−)は、面偏光された光の、その化合物による回転の符号を表わすために使用され、(−)またはlは、その化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdの接頭語を有する化合物は、右旋性である。
所定の化学構造について、これらの立体異性体は、互いに鏡像であること以外は同一である。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーと称され得、そしてこのような異性体の混合物はしばしば、エナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と称され、これらは、化学反応またはプロセスにおいて、立体選択性も立体特異性もなかった場合に、起こり得る。用語「ラセミ混合物」および「ラセミ体」は、2つのエナンチオマー種の等モル混合物(光学活性を有さない)をいう。
本発明の化合物の種々の種類および下位種類の定義および置換基は、本明細書中に記載および図示されている。上に記載された定義および置換基の任意の組み合わせは、実施不可能な種または化合物をもたらすべきではないことが、当業者により理解されるべきである。「実施不可能な種または化合物」とは、関連する科学的原理に従わない化合物構造(例えば、4つより多くの共有結合に結合している1個の炭素原子)、または非常に不安定であり、単離および薬学的に受容可能な剤形への処方を可能にしない化合物を意味する。
本発明は、本明細書中に記載される化合物の塩または溶媒和物(塩の溶媒和物などのその組み合わせを含む)を含む。本発明の化合物は、溶媒和(例えば、水和)された形態および溶媒和されていない形態で存在し得、そして本発明は、全てのこのような形態を包含する。
絶対ではないが代表的に、本発明の塩は、薬学的に受容可能な塩である。用語「薬学的に受容可能な塩」に包含される塩は、本発明の化合物の非毒性の塩をいう。
適切な薬学的に受容可能な塩の例としては、無機酸付加塩(例えば、塩化物塩、臭化物塩、硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩);有機酸付加塩(例えば、酢酸塩、ガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびアスコルビン酸塩);酸性アミノ酸との塩(例えば、アスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩);アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩);アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩およびカルシウム塩);アンモニウム塩;有機塩基性塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、およびN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩);ならびに塩基性アミノ酸との塩(例えば、リジン塩およびアルギニン塩)が挙げられる。これらの塩は、いくつかの場合において、水和物またはエタノール溶媒和物であり得る。
量に関連して使用される修飾語「約」は、記載される値を包含し、そしてその文脈により決定される意味を有する(例えば、特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。
本明細書中に記載される化合物が1つより多くの同じ指定の基(例えば、「R」または「R1」)で置換されている場合は常に、これらの基は同じであっても異なっていてもよいこと、すなわち、各基は独立して選択されることが、理解される。波線
は、隣接する置換基、基、部分、または原子への共有結合による結合の部位を示す。
本発明の化合物はまた、特定の場合において、互変異性体として存在し得る。1つの非局在共鳴構造のみが図示され得るが、全てのこのような形態が、本発明の範囲内で想定される。例えば、エン−アミン互変異性体が、プリン系、ピリミジン系、イミダゾール系、グアニジン系、アミジン系、およびテトラゾール系について存在し得、これらの可能な互変異性形態の全てが、本発明の範囲内である。
式I〜IIの化合物を構成する選択された置換基は、反復可能な(recursive)程度に存在し得る。この文脈において、「反復可能な置換基」とは、置換基がそれ自体の別の例を記載し得ることを意味する。複数の記載は、他の置換基の順序を通して直接的であっても間接的であってもよい。このような置換基の反復可能な性質に起因して、理論的には、多数の化合物が任意の所定の実施形態に存在し得る。薬化学の当業者は、このような置換基の総数が、意図される化合物の所望の特性により合理的に制限されることを理解する。このような特性としては、例として限定ではなく、物理特性(例えば、分子量、溶解度またはlog P)、用途の特性(例えば、意図される標的に対する活性)、および実用面での特性(例えば、合成の容易さ)が挙げられる。反復可能な置換基は、本発明の意図される局面であり得る。薬化学の当業者は、広範なこのような置換基を理解する。反復可能な置換基が本発明の実施形態に存在する程度まで、これらの置換基は、それ自体の別の例を、0回、1回、2回、3回、または4回記載し得る。
式I〜IIの化合物はまた、特定の分子において特定される原子の同位体を組み込む分子を含む。これらの同位体の非限定的な例としては、D、T、14C、13Cおよび15Nが挙げられる。
(保護基)
本発明の文脈において、保護基は、プロドラッグ部分および化学的保護基を包含する。
保護基は、利用可能であり、一般的に公知であり、一般的に使用されており、そして合成手順(すなわち、本発明の化合物を調製するための経路または方法)の間に、保護された基との副反応を防止するために、必要に応じて使用される。大部分は、どの基を保護するか、いつ保護するか、および化学的保護基「PG」の性質に関する決定は、保護されるべき反応の化学(例えば、酸性であるか、塩基性であるか、酸化性であるか、還元性であるか、他の条件であるか)、および意図される合成の方向に依存する。化合物が複数のPGで置換される場合、これらのPG基は、必ずしも同じである必要はなく、そして一般には同じではない。一般に、PGは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオ基、またはアミノ基を保護などの官能基し、これによって、副反応を防止するため、または合成効率を他の方法で改善するために、使用される。遊離脱保護基を得るための脱保護の順序は、意図される合成の方向および遭遇する反応条件に依存し、そして技術者により決定されるような任意の順序で行われ得る。
本発明の化合物の種々の官能基は、保護され得る。例えば、−OH基(ヒドロキシルであれ、カルボン酸であれ、ホスホン酸であれ、他の官能基であれ)のための保護基としては、「エステル基またはエステル形成基」が挙げられる。エステル基またはエステル形成基は、本明細書中に記載される合成スキームにおいて、化学的保護基として機能し得る。しかし、いくつかのヒドロキシル保護基およびチオ保護基は、当業者により理解されるように、エステル基でもエステル形成基でもなく、そして以下で議論されるアミドと一緒に含まれる。
非常に多数のヒドロキシル保護基およびアミド形成基、ならびに対応する化学切断反応が、Protective Groups in Organic Synthesis,Theodora W.GreeneおよびPeter G.M.Wuts(John Wiley & Sons,Inc.,New York,1999,ISBN 0−471−16019−9)(「Greene」)に記載されている。Kocienski,Philip J.;Protecting Groups(Georg Thieme Verlag Stuttgart,New York,1994)(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)もまた参照のこと。特に、第1章,Protecting Groups:An Overview,1−20頁,第2章,Hydroxyl Protecting Groups,21−94頁,第3章,Diol Protecting Groups,95−117頁,第4章,Carboxyl Protecting Groups,118−154頁,第5章,Carbonyl Protecting Groups,155−184頁。カルボン酸、ホスホン酸、ホスホネート、スルホン酸のための保護基、および酸のための他の保護基については、以下に記載されるように、Greeneを参照のこと、このような基としては、例として限定ではなく、エステル、アミド、ヒドラジドなどが挙げられる。
(エーテル形成保護基およびエステル形成保護基)
エステル形成基としては:(1)ホスホネートエステル形成基(例えば、ホスホンアミデートエステル、ホスホロチオエートエステル、ホスホネートエステル、およびホスホン−ビス−アミデート);(2)カルボキシルエステル形成基、ならびに(3)硫黄エステル形成基(例えば、スルホン酸エステル、硫酸エステル、およびスルフィン酸エステル)が挙げられる。
(本発明の化合物の代謝産物)
本明細書中に記載される化合物のインビボ代謝産物もまた、本発明の範囲内に入る。このような産物は、投与される化合物の、特に酵素プロセスに起因する、酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などから生じ得る。従って、本発明は、本発明の化合物を哺乳動物に、この化合物の代謝産物を生じるために充分な時間にわたって接触させる工程を包含するプロセスによって、生成された化合物を包含する。このような生成物は、代表的に、放射線標識(例えば、C14またはH3)された本発明の化合物を調製すること、この化合物を検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kgより多量)で、動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、サル)またはヒトに非経口投与すること、代謝が起こるために充分な時間(代表的に、約30秒〜30時間)を与えること、およびその変換生成物を、尿、血液または他の生物学的サンプルから単離することによって、同定される。これらの生成物は、容易に単離される。なぜなら、これらの生成物は、標識されているからである(他の化合物は、代謝産物中に残っているエピトープに結合し得る抗体の使用によって、単離される)。代謝産物の構造は、従来の様式で(例えば、MSまたはNMR分析によって)決定される。一般に、代謝産物の分析は、当業者に周知である従来の薬物代謝研究と同じ様式で行われる。変換生成物は、他の方法ではインビボに見出されない限り、単独では抗感染活性を有さない場合でさえも、本発明の化合物の治療的用量についての診断アッセイにおいて有用である。
(薬学的処方物)
本発明の化合物は、従来のキャリアおよび賦形剤(これらは、通常の実施に従って選択される)と処方される。錠剤は、賦形剤、滑り剤、充填剤、および結合剤などを含有する。水性処方物は、滅菌形態で調製され、そして経口投与以外による送達が意図される場合、一般に、等張性である。全ての処方物は、必要に応じて、Handbook of Pharmaceutical Excipients(1986)(その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるもののような賦形剤を含有する。賦形剤としては、アスコルビン酸および他の酸化防止剤、キレート剤(例えば、EDTA)、炭水化物(例えば、デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース)、およびステアリン酸などが挙げられる。処方物のpHは、約3〜約11であるが、通常は約7〜10である。
活性成分が単独で投与されることが可能であるが、これらの活性成分を薬学的処方物として提供することが好ましくあり得る。本発明の処方物(獣医学用とヒトでの使用のためとの両方)は、少なくとも1種の活性成分を、1種以上の受容可能なキャリア、および必要に応じて他の治療成分と一緒に、含有する。このキャリア(単数または複数)は、この処方物の他の成分と適合性であるという意味、およびそのレシピエントに対して生理学的に無害であるという意味で、「受容可能」でなければならない。
これらの処方物としては、上記投与経路に適したものが挙げられる。これらの処方物は、好都合には、単位剤形で提供され得、そして薬局の分野において周知である方法のうちのいずれかによって、調製され得る。技術および処方物は、一般に、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,PA)(その全体が本明細書中に参考として援用される)に見出される。このような方法は、活性成分を、1つ以上の付属成分を構成するキャリアと合わせる工程を包含する。一般に、これらの処方物は、この活性成分を、液体キャリアまたは微細に分割した固体キャリア、あるいはこれらの両方と、均質に緊密に合わせ、次いで必要であれば、製品を形成することによって、調製される。
経口投与に適した本発明の処方物は、各々が所定の量の活性成分を含有する不連続な単位(例えば、カプセル剤、カシェ剤または錠剤)として;粉末または顆粒として;水性液体中または非水性液体中の溶液または懸濁物として;あるいは水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして、提供され得る。この活性成分はまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして、投与され得る。
錠剤は、必要に応じて1種以上の付属成分と一緒に、圧縮または成型によって作製される。圧縮された錠剤は、適切な機械で、自由に流動する形態(例えば、粉末または顆粒)の活性成分を、必要に応じて結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、界面活性剤または分散剤と混合して、圧縮することにより調製され得る。成型された錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で水分を与えられた、粉末化された活性成分の混合物を成型することにより作製され得る。これらの錠剤は、必要に応じてコーティングされ得、または割り線を入れられ得、そして必要に応じて、活性成分の遅延放出または制御放出を提供するように処方される。
眼または他の外部組織(例えば、口および皮膚)への投与のためには、これらの処方物は、好ましくは、例えば0.075% w/w〜20% w/wの量の活性成分(単数または複数)(0.1% w/wの増分で0.1%〜20%の範囲、例えば、0.6% w/w、0.7% w/wなどの活性成分が挙げられる)、好ましくは0.2% w/w〜15% w/w、そして最も好ましくは0.5% w/w〜10% w/wの量の活性成分を含有する、局所軟膏剤またはクリームとして塗布される。軟膏剤として処方される場合、その活性成分は、パラフィン系または水混和性のいずれかの、軟膏剤基剤と一緒に使用され得る。あるいは、その活性成分は、水中油型クリーム基剤と一緒に、クリームに処方され得る。
所望であれば、このクリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30% w/wの多価アルコール(すなわち、2個以上のヒドロキシル基を有するアルコールであり、例えば、プロピレングリコール、1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG 400が挙げられる)、ならびにこれらの混合物)を含有し得る。局所処方物は、望ましくは、皮膚または他の罹患領域を通しての活性成分の吸収または浸透を増強する化合物を含有し得る。このような皮膚浸透増強剤としては、ジメチルスルホキシドおよび関連するアナログが挙げられる。
本発明のエマルジョンの油性層は、公知の成分から公知の様式で構築され得る。この層は、乳化剤(emulsifier)(乳化剤(emulgent)としても公知)しか含まないかもしれないが、望ましくは、少なくとも1種の乳化剤と、脂肪もしくは油、または脂肪と油との両方との混合物を含有する。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として働く親油性乳化剤と一緒に含有される。油と脂肪との両方を含有することもまた好ましい。乳化剤は、安定剤と一緒にか、または乳化剤なしで、いわゆる乳化蝋を作製し、この蝋は、油および脂肪と一緒になって、いわゆる乳化軟膏剤基剤を作製し、この乳化軟膏剤基剤は、クリーム処方物の油性分散相を形成する。
本発明の処方物において使用するために適切な乳化剤およびエマルジョン安定剤としては、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
処方物のために適切な油または脂肪の選択は、所望の化粧目的を達成することに基づく。クリームは、好ましくは、油っぽくなく、染色性ではなく、そして洗浄可能な製品であるべきであり、適切な粘ちゅう度を有して、チューブまたは他の容器からの溶出を回避するべきである。直鎖または分枝鎖の、一塩基性または二塩基性のアルキルエステル(例えば、ジイソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチル、ヤシ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、またはCrodamol CAPとして公知である分枝鎖エステルのブレンド)が使用され得、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要とされる特性に依存して、単独で使用されても組み合わせで使用されてもよい。あるいは、高融点の脂質(例えば、白色ワセリンおよび/または流動パラフィン)あるいは他の鉱油が使用される。
本発明による薬学的処方物は、1種以上の本発明の化合物を、1種以上の薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤、および必要に応じて、他の治療剤と一緒に含有する。活性成分を含有する薬学的処方物は、意図される投与方法のために適切な任意の形態であり得る。例えば、経口使用のために使用される場合、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油の懸濁物、分散可能な粉末または顆粒、エマルジョン、硬カプセルまたは軟カプセル、シロップまたはエリキシル剤が、調製され得る。経口使用が意図される組成物は、薬学的組成物の製造のための当該分野において公知である任意の方法に従って調製され得、そしてこのような組成物は、1種以上の剤(甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤および防腐剤)を、味の良い調製物を提供する目的で含有し得る。活性成分を、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に受容可能な賦形剤との混合物として含有する錠剤が、受容可能である。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム);顆粒化剤および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸);結合剤(例えば、セルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ゼラチンまたはアカシア);ならびに滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石)であり得る。錠剤は、コーティングされていても、公知の技術(マイクロカプセル化)によりコーティングされていてもよく、このコーティングは、胃腸管内での崩壊および吸着を遅延させ、これによって、長期間にわたる持続作用を提供する。例えば、時間遅延材料(例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル)が、単独でかまたは蝋と一緒に、使用され得る。
経口使用のための処方物はまた、硬ゼラチンカプセル(ここで活性成分は、不活性固体希釈剤(例えば、リン酸カルシウムもしくはカオリン)と混合されている)あるいは軟ゼラチンカプセル(ここで活性成分は、水または油媒質(例えば、落花生油、流動パラフィンもしくはオリーブ油)と混合されている)として提供され得る。
本発明の水性懸濁物は、活性物質を、水性懸濁物の製造のために適切な賦形剤との混合物として含有する。このような賦形剤としては、懸濁剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム)、ならびに分散剤または湿潤剤(例えば、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン))が挙げられる。水性懸濁物はまた、1種以上の防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)、1種以上の着色剤1種以上の矯味矯臭剤および1種以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)を含有し得る。
油懸濁物は、活性成分を、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)、または鉱油(例えば、流動パラフィン)に懸濁させることによって、処方され得る。これらの経口懸濁物は、増粘剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコール)を含有し得る。甘味剤(例えば、本明細書中に記載されるもの)および矯味矯臭剤が、味の良い調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸)の添加により提供され得る。
水の添加による水性懸濁物の調製のために適切な、本発明の分散可能な粉末および顆粒は、活性成分を、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、および1種以上の防腐剤との混合物として提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上に開示されたものにより例示される。さらなる賦形剤(例えば、甘味剤、矯味矯臭剤および着色剤)もまた存在し得る。
本発明の薬学的組成物はまた、水中油型のエマルジョンの形態であり得る。油性相は、植物油(例えば、オリーブ油または落花生油)、鉱油(例えば、流動パラフィン)、あるいはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤としては、天然に存在するガム(例えば、アカシアガムおよびトラガカントガム)、天然に存在するホスファチド(例えば、ダイズレシチン)、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されたエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、ならびにこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)が挙げられる。これらのエマルジョンはまた、甘味剤および矯味矯臭剤を含有し得る。シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤(例えば、グリセロール、ソルビトールまたはスクロース)を用いて処方され得る。このような処方物はまた、粘滑剤、防腐剤、矯味矯臭剤または着色剤を含有し得る。
本発明の薬学的組成物は、滅菌注射可能調製物(例えば、滅菌注射可能な水性懸濁物または油性懸濁物)の形態であり得る。この懸濁物は、公知の技術に従って、本明細書中に記載される適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、処方され得る。滅菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能な溶液または懸濁物(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液)であっても、凍結乾燥された粉末として調製されてもよい。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒のうちでも、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌硬化油が、好都合に、溶媒または懸濁媒質として使用され得る。この目的で、任意のブランドの硬化油(合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが挙げられる)が使用され得る。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)が同様に、注射可能物の調製において使用され得る。
単一の剤形を製造するためにキャリア材料と合わせられ得る活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与方法に依存して変わる。例えば、ヒトへの経口投与が意図された時限放出処方物は、約1mg〜1000mgの活性物質を、適切な簡便な量のキャリア材料(これは、組成物全体の約5%〜約95%(重量:重量)で変わり得る)と配合して含有し得る。この薬学的組成物は、容易に測定可能な投与量を提供するために調製され得る。例えば、静脈内注入を意図される水溶液は、約30mL/時間の速度での適切な体積の注入が行われ得るように、1ミリリットルの溶液あたり約3μg〜500μgの活性成分を含有し得る。
眼への投与に適した処方物としては、点眼剤が挙げられ、ここで活性成分は、適切なキャリア(特に、この活性成分のための水性溶媒)中に溶解または懸濁している。この活性成分は、好ましくは、このような処方物中に、0.5% w/w〜20% w/w、有利には0.5% w/w10% w/w、特に、約1.5% w/wの濃度で存在する。
口内への局所投与のために適した処方物としては、活性成分を矯味矯臭基剤(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)中に含有するロゼンジ剤;活性成分を不活性基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア)中に含有する錠剤(pastille);ならびに活性成分を適切な液体キャリア中に含有するうがい薬が挙げられる。
直腸投与のための処方物は、適切な基剤(例えば、カカオ脂またはサリチレートを含む)を用いて、坐剤として提供され得る。
肺内投与または鼻腔投与に適した処方物は、例えば、0.1μm〜500μm(例えば0.5μm、1μm、30μm、35μmなどの増分の、0.1μm〜500μmの範囲の粒子サイズを含む)の範囲の粒子サイズを有し、この処方物は、鼻通路を通しての迅速な吸入により投与されるか、または肺胞嚢に達するように口を通しての吸入により投与される。適切な処方物としては、活性成分の水溶液または油溶液が挙げられる。エアロゾルまたは乾燥粉末での投与に適した処方物は、従来の方法に従って調製され得、そして他の治療剤(例えば、本明細書中に記載されるような感染の処置または予防において現在まで使用されている化合物)と一緒に送達され得る。
膣投与に適した処方物は、活性成分に加えて、適切であることが当該分野において公知であるようなキャリアを含有する、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方物として提供され得る。
非経口投与に適した処方物としては、水性または非水性の滅菌注射溶液(酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、およびこの処方物を意図されるレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有し得る);ならびに水性および非水性の滅菌懸濁物(懸濁化剤および増粘剤を含有し得る)が挙げられる。
これらの処方物は、単位用量容器または多用量容器(例えば、密封されたアンプルおよびバイアル)中に提供され、そしてフリーズドライ(凍結乾燥)された条件で貯蔵され得、使用の直前に滅菌液体キャリア(例えば、注射用水)の添加のみを必要とする。即時注射の溶液および懸濁物は、先に記載された種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製される。好ましい単位投薬処方物は、本明細書中で上に記載されたような毎日の用量または毎日の単位部分用量、あるいはこれらの適切な一部の活性成分を含有する処方物である。
上に具体的に記載された成分に加えて、本発明の処方物は、問題の処方物の型を考慮して、当該分野において慣習的である他の薬剤を含有し得ることが理解されるべきである。例えば、経口投与に適した処方物は、矯味矯臭剤を含有し得る。
本発明の化合物はまた、活性成分の制御放出を提供して、より少ない頻度の投薬を可能にするか、または活性成分の薬物速度論もしくは毒性プロフィールを改善するように処方され得る。従って、本発明はまた、徐放または制御放出のために処方された、本発明の1種以上の化合物を含有する組成物を提供する。
活性成分の有効用量は、少なくとも、処置される状態の性質、毒性、その化合物が予防的に(より低い用量で)使用されるのか活性なウイルス感染に対して使用されるのか、送達方法、および薬学的処方物に依存し、そして臨床医によって、従来の用量増大研究を使用して決定される。有効用量は、体重1kgあたり1日あたり約0.0001mg〜約100mgであると予測され得る。代表的には、体重1kgあたり1日あたり約0.01mg〜約10mgである。より代表的には、体重1kgあたり1日あたり約0.01mg〜約5mgである。最も代表的には、体重1kgあたり1日あたり約0.05mg〜約0.5mgである。例えば、約70kgの体重の成人についての毎日の候補用量は、1mg〜1000mgの範囲、好ましくは5mg〜500mgであり、そして単一用量または多用量の形態を取り得る。
なお別の実施形態において、本願は、式I〜IIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含有する、薬学的組成物を開示する。
(投与経路)
1種以上の本発明の化合物(本明細書中で活性成分と称される)は、処置されるべき状態のために適切な任意の経路によって、投与される。適切な経路としては、経口経路、直腸経路、経鼻経路、局所経路(肺投与、頬投与および舌下投与が挙げられる)、膣投与ならびに非経口経路(皮下経路、筋肉内経路、静脈内経路、皮内経路、鞘内経路および硬膜外経路が挙げられる)などが挙げられる。好ましい経路は、例えば、レシピエントの状態によって変わり得ることが理解される。本発明の化合物の利点は、経口で生体利用可能であり、そして経口投与され得ることである。
(HCVおよびHIVの併用療法を含めた併用療法)
別の実施形態において、本発明の化合物は、1種以上の活性な剤と組み合わせられ得る。適切な組み合わせの非限定的な例としては、本発明の1種以上の化合物と、1種以上のインターフェロン、リバビリンまたはそのアナログ、HCV NS3プロテアーゼインヒビター、NS5aインヒビター、α−グルコシダーゼ1インヒビター、ヘパトプロテクタント(hepatoprotectant)、メバロネート脱炭酸酵素アンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系のアンタゴニスト、他の抗線維症剤、エンドセリンアンタゴニスト、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドインヒビターまたはヌクレオチドインヒビター、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシドインヒビター、HCV NS5Aインヒビター、TLR−7アゴニスト、シクロフィリンインヒビター、HCV IRESインヒビター、薬物速度論増強剤、およびHCVを処置するための他の薬物;またはこれらの組み合わせとの組み合わせが挙げられる。
より具体的には、本発明の1種以上の化合物は、以下からなる群より選択される1種以上の化合物と併用され得る:
1)インターフェロン(例えば、PEG化rIFN−α2b(PEG−イントロン)、PEG化rIFN−α2a(ペガシス)、rIFN−α2b(イントロンA)、rIFN−α2a(ロフェロン−A)、インターフェロンα(MOR−22、OPC−18、アルファフェロン(Alfaferone)、アルファナチベ(Alfanative)、マルチフェロン(Multiferon)、スバリン(subalin))、インターフェロンアルファコン−1(インフェルゲン(Infergen))、インターフェロンα−n1(ウェルフェロン(Wellferon))、インターフェロンα−n3(アルフェロン(Alferon))、インターフェロン−β(アボネックス(Avonex)、DL−8234)、インターフェロン−ω(ωDUROS、バイオメド(Biomed)510)、アルブインターフェロン(albinterferon)α−2b(アルブフェロン(Albuferon))、IFNαXL、BLX−883(ロクテロン(Locteron))、DA−3021、グリコシル化インターフェロンα−2b(AVI−005)、PEG−インフェルゲン、PEG化インターフェロンλ(PEG化IL−29)、およびベロロフォン(belerofon))、
2)リバビリンおよびそのアナログ(例えば、リバビリン(レベトール、コペガス)、およびタリバビリン(taribavirin)(ビラミジン))、
3)HCV NS3プロテアーゼインヒビター(例えば、ボセプレビル(boceprevir)(SCH−503034、SCH−7)、テラプレビル(telaprevir)(VX−950)、VX−813、TMC−435(TMC435350)、ABT−450、BI−201335、BI−1230、MK−7009、SCH−900518、VBY−376、VX−500、GS−9256、GS−9451、BMS−790052、BMS−605339、PHX−1766、AS−101、YH−5258、YH5530、YH5531、およびITMN−191(R−7227))、
4)α−グルコシダーゼ1インヒビター(例えば、セルゴシビル(celgosivir)(MX−3253)、ミグリトール、およびUT−231B)、
5)ヘパトプロテクタント(例えば、エメリカサン(emericasan)(IDN−6556)、ME−3738、GS−9450(LB−84451)、シリビリン(silibilin)、およびMitoQ)、
6)HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドインヒビターまたはヌクレオチドインヒビター(例えば、R1626、R7128(R4048)、IDX184、IDX−102、PSI−7851、BCX−4678、バロピシタビン(valopicitabine)(NM−283)、GS−6620およびMK−0608)、
7)HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシドインヒビター(例えば、フィリブビル(filibuvir)(PF−868554)、ABT−333、ABT−072、BI−207127、VCH−759、VCH−916、JTK−652、MK−3281、VBY−708、VCH−222、A848837、ANA−598、GL60667、GL59728、A−63890、A−48773、A−48547、BC−2329、VCH−796(ネスブビル(nesbuvir))、GSK625433、BILN−1941、XTL−2125、およびGS−9190)、
8)HCV NS5Aインヒビター(例えば、AZD−2836(A−831)、AZD−7295(A−689)、およびBMS−790052)、
9)TLR−7アゴニスト(例えば、イミキモッド、852A、GS−9524、ANA−773、ANA−975、AZD−8848(DSP−3025)、PF−04878691、およびSM−360320)、
10)シクロフィリンインヒビター(例えば、DEBIO−025、SCY−635、およびNIM811)、
11)HCV IRESインヒビター(例えば、MCI−067)、
12)薬物速度論増強剤(例えば、BAS−100、SPI−452、PF−4194477、TMC−41629、GS−9350、GS−9585、およびロキシスロマイシン(roxythromycin))、
13)HCVを処置するための他の薬物(例えば、サイモシンα1(ザダキシン(Zadaxin))、ニタゾキサニド(アリネア(Alinea)、NTZ)、BIVN−401(ビロスタット(virostat))、PYN−17(アルチレックス(altirex))、KPE02003002、アクチロン(actilon)(CPG−10101)、GS−9525、KRN−7000、シバシル(civacir)、GI−5005、XTL−6865、BIT225、PTX−111、ITX2865、TT−033i、ANA 971、NOV−205、タルバシン(tarvacin)、EHC−18、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、BMS−650032、BMS−791325、バビツキシマブ(Bavituximab)、MDX−1106(ONO−4538)、オグルファニド(Oglufanide)、FK−788、およびVX−497(メリメポジブ(merimepodib))
14)メバロネート脱炭酸酵素アンタゴニスト(例えば、スタチン、HMGCoAシンターゼインヒビター(例えば、ヒメグルシン(hymeglusin))、スクアレン合成インヒビター(例えば、ザラゴジン酸(zaragozic acid)));
15)アンギオテンシンIIレセプターアンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサルタン(irbesartan)、オルメサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン(eprosartan));
16)アンギオテンシン変換酵素インヒビター(例えばカプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、リジノプリル、ベナゼプリル、ホシノプリル);
17)他の抗線維症剤(例えば、アミロライド)ならびに
18)エンドセリンアンタゴニスト(例えば、ボセンタンおよびアンブリセンタン(ambrisentan))
からなる群より選択される1つ以上の化合物と組み合わせられ得る。
なお別の実施形態において、本願は、
a)本発明の化合物、あるいはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、またはエステルを含有する、第一の薬学的組成物;ならびに
b)HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドインヒビター、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドインヒビター、逆トランスクリプターのHIVヌクレオチドインヒビター、HIVインテグラーゼインヒビター、gp41インヒビター、CXCR4インヒビター、gp120インヒビター、CCR5インヒビター、インターフェロン、リバビリンアナログ、NS3プロテアーゼインヒビター、NS5aインヒビター、α−グルコシダーゼ1インヒビター、シクロフィリンインヒビター、ヘパトプロテクタント、HCVの非ヌクレオシドインヒビター、およびHCVを処置するための他の薬物、ならびにこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種のさらなる治療剤を含有する、第二の薬学的組成物、
を含有する、組み合わせ薬学的剤を提供する。
式I〜IIの化合物とさらなる活性治療剤との組み合わせは、HCVおよび他のさらなる状態(例えば、HIV感染)に感染している患者を処置するように選択され得る。従って、式I〜IIの化合物は、HIVを処置する際に有用な1種以上の化合物(例えば、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドインヒビター、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドインヒビター、逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオチドインヒビター、HIVインテグラーゼインヒビター、gp41インヒビター、CXCR4インヒビター、gp120インヒビター、CCR5インヒビター、インターフェロン、リバビリンアナログ、NS3プロテアーゼインヒビター、NS5aインヒビター、α−グルコシダーゼ1インヒビター、シクロフィリンインヒビター、ヘパトプロテクタント、HCVの非ヌクレオシドインヒビター、およびHCVを処置するための他の薬物)と組み合わせられ得る。
より具体的には、本発明の1種以上の化合物は、1)HIVプロテアーゼインヒビター(例えば、アンプレナビル(amprenavir)、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル(lopinavir)、リトナビル、ロピナビル+リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル(tipranavir)、ブレカナビル(brecanavir)、ダルナビル(darunavir)、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(mozenavir)(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、AG1859、DG35、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、およびGW640385X、DG17、PPL−100)、2)逆トランスクリプターゼのHIV非ヌクレオシドインヒビター(例えば、カプラビリン(capravirine)、エミビリン(emivirine)、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリドA(calanolide A)、エトラビリン(etravirine)、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、およびTMC−120、TMC−278(リルピビリン(rilpivirine))、エファビレンツ、BILR 355 BS、VRX 840773、UK−453,061、RDEA806)、3)逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオシドインヒビター(例えば、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン(stavudine)、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アムドキシビル(amdoxovir)、エルブシタビン(elvucitabine)、アロブジン(alovudine)、MIV−210、ラシビル(racivir)(±−FTC)、D−d4FC、エムトリシタビン、ホスファジド、フォジブジンジドキシル(fozivudine tidoxil)、フォサルブジンチドキシル(fosalvudine tidoxil)、アプリシチビン(apricitibine)(AVX754)、アムドキシビル、KP−1461、アバカビル+ラミブジン、アバカビル+ラミブジン+ジドブジン、ジドブジン+ラミブジン)、4)逆トランスクリプターゼのHIVヌクレオチドインヒビター(例えば、テノホビル、フマル酸テノホビルジソプロキシル+エムトリシタビン、フマル酸テノホビルジソプロキシル+エムトリシタビン+エファビレンツ、およびアデホビル)、5)HIVインテグラーゼインヒビター(例えば、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコル酸(chicoric acid)、チコル酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキニン酸、3,5−ジカフェオイルキニン酸の誘導体、オーリントリカルボン酸、オーリントリカルボン酸の誘導体、カフェー酸フェネチルエステル、カフェー酸フェネチルエステルの誘導体、チルホスチン(tyrphostin)、チルホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、S−1360、ジンテビル(zintevir)(AR−177)、L−870812、およびL−870810、MK−0518(ラルテグラビル(raltegravir))、BMS−707035、MK−2048、BA−011、BMS−538158、GSK364735C)、6)gp41インヒビター(例えば、エンフビルチド(enfuvirtide)、シフビルチド(sifuvirtide)、FB006M、TRI−1144、SPC3、DES6、Locus gp41、CovX、およびREP 9)、7)CXCR4インヒビター(例えば、AMD−070)、8)侵入インヒビター(entry inhibitor)(例えば、SP01A、TNX−355)、9)gp120インヒビター(例えば、BMS−488043およびBlockAide/CR)、10)G6PDオキシダーゼインヒビターおよびNADHオキシダーゼインヒビター(例えば、イムニチン(immunitin))、10)CCR5インヒビター(例えば、アプラビロク(aplaviroc)、ビクリビロク(vicriviroc)、INCB9471、PRO−140、INCB15050、PF−232798、CCR5mAb004、およびマラビロク(maraviroc))、11)インターフェロン(例えば、PEG化rIFN−α2b、PEG化rIFN−α2a、rIFN−α2b、IFNα−2bXL、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα、インフェルゲン、レビフ、ロクテロン、AVI−005、PEG−インフェルゲン、PEG化IFN−β、経口インターフェロンα、フエロン、レアフェロン、インターマックスα、r−IFN−β、インフェルゲン+アクチムン、IFN−ωとDUROS、およびアルブフェロン)、12)リバビリンアナログ(例えば、レベトール、コペガス、VX−497、およびビラミジン(タリバビリン))、13)NS5インヒビター(例えば、A−831、A−689、およびBMS−790052)、14)NS5bポリメラーゼインヒビター(例えば、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、IDX184、PSI−7851、HCV−796、BILB 1941、MK−0608、NM−107、R7128、VCH−759、PF−868554、GSK625433、およびXTL−2125)、15)NS3プロテアーゼインヒビター(例えば、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、ITMN−191、およびBILN−2065)、16)α−グルコシダーゼ1インヒビター(例えば、MX−3253(セルゴシビル)およびUT−231B)、17)ヘパトプロテクタント(例えば、IDN−6556、ME 3738、MitoQ、およびLB−84451)、18)HCVの非ヌクレオシドインヒビター(例えば、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、およびフェニルアラニン誘導体)、19)HCVを処置するための他の薬物(例えば、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリネア)、BIVN−401(ビロスタット)、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、バビツキシマブ、オグルファニド、PYN−17、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−975、XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、およびNIM811)、19)薬物速度論増強剤(例えば、BAS−100、SPI−452、PF−4194477、TMC−41629、GS−9350、GS−9585、およびロキシスロマイシン)、20)RNAse Hインヒビター(例えば、ODN−93およびODN−112)、21)他の抗HIV抗原(例えば、VGV−1、PA−457(ベビリマト(bevirimat))、アンプリゲン(ampligen)、HRG214、サイトリン(cytolin)、ポリムン(polymun)、VGX−410、KD247、AMZ 0026、CYT 99007、A−221 HIV、BAY 50−4798、MDX010(イプリムマブ(iplimumab))、PBS119、ALG889、およびPA−1050040からなる群より選択される1種以上の化合物と組み合わせられ得る。
なお別の実施形態において、本願は、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を、少なくとも1種のさらなる活性剤、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と組み合わせて含有する、薬学的組成物を開示する。さらなる活性剤の非限定的な例としては、上に開示されたものが挙げられる。なお別の実施形態において、本願は、単一の剤形で2種以上の治療剤を用いる、組み合わせ薬剤を提供する。従って、本発明の任意の化合物を、1種以上の他の活性な剤と、単一剤形で組み合わせることもまた可能である。
併用療法は、同時投薬計画または連続投薬計画で施され得る。連続的に投与される場合、この組み合わせは、2回以上の投与で投与され得る。
本発明の化合物と、1種以上の他の活性な剤との同時投与は、一般に、本発明の化合物と、1種以上の他の活性な剤との、同時の投与または連続的な投与をいい、その結果、治療有効量の、本発明の化合物と1種以上の他の活性な剤との両方が、患者の身体内に存在する。
同時投与は、1種以上の他の活性な剤の単位投薬量の投与前または投与後の、単位投薬量の本発明の化合物の投与(例えば、1種以上の他の活性な剤の投与の数秒以内、数分以内、または数時間以内の、本発明の化合物の投与)を包含する。例えば、単位用量の本発明の化合物が最初に投与され得、その後数秒以内または数分以内に、単位用量の1種以上の他の活性な剤が投与される。あるいは、単位用量の1種以上の他の活性な剤が最初に投与され得、その後、単位用量の本発明の化合物が数秒以内または数分以内に投与される。いくつかの場合において、単位用量の本発明の化合物を最初に投与し、その後、数時間(例えば、1時間〜12時間)後に、単位用量の1種以上の他の活性な剤を投与することが望ましくあり得る。他の場合において、単位用量の1種以上の他の活性な剤を最初に投与し、その後、数時間(例えば、1時間〜12時間)後に、単位用量の本発明の化合物を投与することが望ましくあり得る。
併用療法は、「共同作用」および「相乗作用」を提供し得る。すなわち、活性成分が一緒に使用される場合に達成される効果が、これらの化合物を別々に使用することにより生じる効果の合計より大きい。相乗作用は、活性成分が:(1)一緒に処方されて投与されるか、または組み合わせられた処方物中で同時に送達される場合;(2)別々の処方物として交互にかまたは平行して送達される場合;あるいは(3)他の何らかの投薬計画により、達成され得る。交互の治療で送達される場合、相乗作用は、これらの化合物が連続的に(例えば、別々の錠剤、丸剤またはカプセル内で、あるいは別々の注射器内の異なる注射により)投与または送達される場合に達成され得る。一般に、交互の治療中、有効投薬量の各活性成分は、連続的に(すなわち、順番に)投与され、一方で、併用療法において、有効投薬量の2種以上の活性成分は、一緒に投与される。
当業者により理解されるように、HCVなどのフラビウイルス科ウイルス感染を処置する場合、このような処置は、種々の方法で特徴付けられ得、そして種々の終点により測定され得る。本発明の範囲は、全てのこのような特徴付けを包含することを意図される。
(合成実施例)
特定の略語および頭字語が、実験の詳細を記載する際に使用される。これらの語のほとんどは当業者により理解されるが、表1は、これらの略語および頭字語の多くのリストを含む。
実施例I.化合物1:(13E,15E)−(3S,6S,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン
J.Am.Chem.Soc.2003,125,3849に記載されるように調製した。
1H NMR (300 MHz, d
6−DMSO)δ9.09 (s, 1H), 7.88 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.96 (app t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.65−6.51 (m, 3H), 6.00 (app pentet, J = 13.0 Hz, 2H), 5.70−5.49 (m, 3H), 4.89 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 4.24−4.06 (m, 3H), 2.76−2.56 (m, 3H), 2.43−2.25 (m, 3H), 2.07−1.94 (m, 2H), 1.93−1.75 (m, 2H), 1.73−1.12 (m, 10H), 0.85 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.82 (d, J = 6.9 Hz, 3H). LCMS (m/z) 555.3 [M+H], 577.1 [M+Na], Tr = 4.45 min。
トリペプチド2a(5.46g,7.4mmol)(J.Am.Chem.Soc.2003,125,3849に記載されるように調製した)の、50mLの無水CH
2Cl
2中の溶液を0℃まで冷却し、そして10mLのTFAで処理した。0℃で24時間後、30mLの乾燥トルエンをこの反応混合物に添加し、そして揮発性物質を減圧中で除去した。TFAアンモニウム塩を泡状物として単離し、そしてさらに精製せずに使用した(中間体2b)。
実施例III.化合物3:(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,11S,12S,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10,12−ジメトキシ−9,11−ジメチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ブタ−3−エニルエステル(3a)
2a(1.891g,2.562mmol)の、50mLのTHF中の溶液を、亜鉛(3.685g,56.368mmol)および酢酸アンモニウム(2.962g,38.430mmol)の10mLの水中の溶液で順番に処理した。室温で24時間後、この混合物をセライトのパッドで濾過し、そしてpH4の溶液(KHSO
4)ですすいだ。その水層をEtOAc(3×50mL)で抽出し、そしてその有機物を合わせ、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして濾過した。揮発性物質を減圧中で除去し、そして残留AcOHをトルエン(3×50mL)と共沸した。酸2fを白色固体として単離し、そしてさらに精製せずに使用した。酸2fを20mLの無水トルエンに部分的に溶解させた。トリエチルアミン(540μL,3.843mmol)を添加すると、この混合物は透明になった。その後、この混合物を2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド(480μL,3.074mmol)で処理した。室温で50分後、アリルアルコール(330μL,3.843mmol)およびDMAP(469mg,3.843mmol)の、20mLのトルエン中の溶液をこの混合物の無水物に添加した。室温で一晩撹拌した後に、揮発性物質を減圧中で除去し、そしてその残渣をMPLC(50g Isoluteカートリッジ,連続的な勾配,100%のヘキサン→ヘキサン/EtOAc,1:2)により精製して、所望のエステル3a(85mg,2工程にわたって14%)を白色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.13 (app t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.74−6.64 (m, 2H), 6.48 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.90−5.68 (m, 2H), 5.18−5.08 (m, 2H), 5.08−5.01 (m, 1H), 4.34−4.25 (br d, J = 13.9 Hz, 1H), 4.18 (app dp, J = 4.4, 6.8 Hz, 2H), 4.00−3.90 (m, 1H), 3.52 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 2.93 (qd, J = 6.0, 15.5 Hz, 2H), 2.81−2.70 (m, 1H), 2.59−2.48 (m, 1H), 2.41 (app q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.20−2.06 (m, 1H), 1.88−1.73 (m, 2H), 1.57−1.49 (m, 2H), 1.46 (s, 9H), 0.99 (s, 9H), 0.94 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.20 (s, 6H). LCMS (m/z) 661.6 [M+H], 683.5 [M+Na], Tr = 5.79 min。
S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((E)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ブタ−3−エニルエステル(3d)
3a(328mg,0.500mmol)の、15mLの無水CH
2Cl
2中の溶液を0℃まで冷却し、そしてTMSOTf(140μL,0.750mmol)で処理した。0℃で1.5時間後、i−Pr
2NEt(0.3mL,2.000mmol)を添加し、そして揮発性物質を減圧中で除去した。この遊離アミン(中間体B)を白色固体として単離し、そしてさらに精製せずに使用した。
(E)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエン酸3c(100mg,0.413mmol)の、1mLの無水DMF中の溶液を0℃まで冷却し、そしてiPr2NEt(290μL,1.652mmol)およびHATU(188mg,0.496mmol)の1mLのDMF中の溶液で順番に処理した。0℃で40分後、この反応混合物を新たに調製したアミンの2mLのDMF中の溶液で処理した。この緑色溶液を一晩かけて室温まで温め、次いでpH7の緩衝液(10mL)でクエンチした。その水層をCH2Cl2(3×10mL)で抽出し、そしてその有機物を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして揮発性物質を減圧中で除去した。残留DMFをトルエン(2×30mL)と共沸し、そしてその固体残渣をMPLC(25g Isoluteカートリッジ,連続的な勾配100%のイソヘキサン→イソヘキサン/EtOAc,1:1)により精製して、所望のアミド3d(229mg,70%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ7.12 (app t, J = 8.2 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.74−6.63 (m, 2H), 6.50−6.32 (m, 2H), 6.27 (s, 1H), 6.25−6.16 (m, 1H), 5.90−5.67 (m, 2H), 5.47 (dd, J = 8.8, 15.0 Hz, 1H), 5.25 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 5.18−5.08 (m, 3H), 4.29 (dd, J = 6.0, 7.9 Hz, 2H), 4.18 (app dp, J = 5.3, 6.6 Hz, 2H), 3.87 (dd, J = 2.2, 9.1 Hz, 1H), 3.53 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.42 (app q, J = 9.3 Hz, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.25 (s, 3H), 2.99−2.85 (m, 2H), 2.78−2.69 (m, 1H), 2.62−2.50 (m, 1H), 2.46−2.32 (m, 3H), 2.22−2.08 (m, 1H), 1.89−1.67 (m, 2H), 1.53−1.40 (m, 1H), 1.31−1.25 (m, 2H), 1.07 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.99 (s, 9H), 0.98 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.96 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.77 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.19 (s, 6H). LCMS (m/z) 785.6 [M+H], 807.6 [M+Na], Tr = 5.97 min。
(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,11S,12S,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10,12−ジメトキシ−9,11−ジメチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン(3)
化合物3を、化合物8と同じ様式で、3dを8c(下記を参照のこと)の代わりに使用して調製した。
1H NMR (300 MHz, d
6−DMSO)δ9.14 (s, 1H), 8.04 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.06−6.95 (m, 2H), 6.66−6.48 (m, 4H), 6.19−6.04 (m, 2H), 5.56−5.27 (m, 3H), 4.84 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 4.29−4.19 (m, 1H), 4.18−3.99 (m, 3H), 3.18 (s, 3H), 3.04 (s, 3H), 2.81−2.61 (m, 3H), 2.45−2.37 (m, 1H), 2.35−2.25 (m, 1H), 1.94−1.74 (m, 2H), 1.73−1.55 (m, 3H), 1.53−1.39 (m, 1H), 1.38−1.26 (m, 1H), 1.13 (d, J = 7.7 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.67 (d, J = 6.8 Hz, 3H). LCMS (m/z) 665.4 [M+Na], Tr = 4.78 min。
実施例IV.化合物4:(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,11S,12S,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10,12−ジメトキシ−9,11−ジメチル−1,4,7,19,25−ペンタアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン
((S)−1−{(S)−2−((S)−3−ブタ−3−エニルカルバモイル−テトラヒドロ−ピリダジン−1−イル)−1−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−2−オキソ−エチルカルバモイル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4a)
2a(1.370g,1.855mmol)の、30mLのTHF中の溶液を、NaHCO
3(623mg,7.420mmol)および3−ブテニルアミン塩酸塩(400mg,3.711mmol)で処理した。一晩撹拌した後に、この反応混合物をシリカのパッドで濾過し、これをEtOAcで溶出した。揮発性物質を減圧中で除去して、所望のアミド4a(1.4g,定量的)を白色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, d
6−DMSO)δ7.87 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.08 (app t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 6.70−6.57 (m, 3H), 5.84−5.69 (m, 1H), 5.43 (td, J = 4.2, 8.8 Hz, 1H), 5.09−4.90 (m, 3H), 4.03 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.70 (app t, J = 8.2 Hz, 1H), 3.25−3.11 (m, 3H), 2.90−2.76 (m, 2H), 2.63 (dd, J = 9.1, 13.5 Hz, 1H), 2.18 (app q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.84 (app q, J = 6.8 Hz, 1H), 1.79−1.70 (m, 2H), 1.37 (s, 9H), 0.94 (s, 9H), 0.71 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.67 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.15 (s, 6H). LCMS (m/z) 660.6 [M+H], 682.7 [M+Na], Tr = 5.74 min。
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((E)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ブタ−3−エニルアミド(4b)
化合物4bを、3dと同じ様式で、4aを3aの代わりに用いることにより調製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)δ6.95 (app t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.56 (s, 1H), 6.53 (dd, J = 2.0, 8.2 Hz, 1H), 6.26−6.14 (m, 2H), 6.07−5.99 (m, 2H), 5.61 (ddt, J = 6.7, 10.2, 17.2 Hz, 1H), 5.51 (td, J = 6.4, 8.8 Hz, 1H), 5.27 (dd, J = 8.8, 15.5 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 17.0 Hz, 1H), 4.97−4.89 (m, 3H), 4.06−4.02 (m, 1H), 4.00 (app t, J = 6.1 Hz, 1H), 3.62 (dd, J = 2.6, 8.8 Hz, 1H), 3.27−3.19 (m, 2H), 3.21 (s, 3H), 3.13 (app octet, J = 7.0 Hz, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.79−2.69 (m, 2H), 2.56 (br t, J = 12.3 Hz, 1H), 2.23−2.16 (m, 1H), 2.12 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.02−1.90 (m, 2H), 1.66−1.48 (m, 2H), 1.38−1.21 (m, 2H), 0.88 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.79 (s, 9H), 0.76 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.74 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.72−0.62 (m, 2H), 0.59 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.00 (s, 3H). LCMS (m/z) 806.6 [M+Na], Tr = 5.86 min。
(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,11S,12S,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10,12−ジメトキシ−9,11−ジメチル−1,4,7,19,25−ペンタアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン(4)
化合物4を、化合物8dと同じ様式で、4bを8c(下記を参照のこと)の代わりに使用して調製した。
1H NMR (400 MHz, , d
6−DMSO)δ9.19 (br s, 1H), 8.06 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.19−7.10 (m, 2H), 7.03 (app t, J = 8.5 Hz, 1H), 6.70−6.55 (m, 3H), 6.10−5.92 (m, 2H), 5.69−5.60 (m, 1H), 5.36−5.27 (m, 2H), 4.83 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.21−4.13 (m, 1H), 4.10−4.00 (m, 2H), 3.46−3.39 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 3.09 (s, 3H), 3.06−2.98 (m, 1H), 2.80−2.61 (m, 2H), 2.31−2.25 (m, 1H), 2.23−2.11 (m, 2H), 1.88−1.62 (m, 3H), 1.48−1.37 (m, 2H), 1.28−1.21 (m, 2H), 1.14 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.11−1.02 (m, 1H), 0.86 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.83 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.60 (d, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (m/z) 664.5 [M+Na], Tr = 4.46 min。
(E)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエン酸(3c)の調製
((E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−オクタ−6−エニルオキシメチル)−ベンゼン
無水THF(90ml)中の18−クラウン−6(3.8g,14.4mmol)に、0℃および窒素の雰囲気下で、水素化カリウム(30%,6.7g,50.4mmol)を添加し、そしてこの懸濁物を5分間撹拌した。次いで、ヨウ化メチル(2.5ml,40.3mmol)を0℃で添加し、そしてこの反応物をさらに5分間撹拌した。(E)−(2S,3S,4S,5S)−1−ベンジルオキシ−2,4−ジメチル−オクタ−6−エン−3,5−ジオール(2g,7.2mmol)(Paterson,I.ら,J.Amer.Chem.Soc.1994,116,11287−11314)の無水THF(40ml)中の溶液を滴下により添加し、そしてこの反応物を室温まで温め、そして一晩撹拌した。この反応を飽和塩化アンモニウムで注意深くクエンチし、そしてジエチルエーテルで抽出した(2回)。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,25:1)により精製して、2.0g(91%)を透明油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 7.40−7.29 (m, 5H), 5.66 (dq, J = 15.3Hz, 6.4Hz, 1H), 5.21 (ddd, J = 15.3Hz, 8.8 Hz, 1.6 Hz, 1H), 4.54 (s, 2H), 3.61 (dd, J = 8.8 Hz, 3.3 Hz, 1H), 3.53−3.46 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.36 (t, J = 9.7 Hz, 1H), 3.23 (s, 3H), 1.93 (m, 1H), 1.77 (dd, J = 6.4 Hz, 1.6 Hz, 3H), 1.70 (m, 1H), 0.95 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.75 (d, J = 6.9 Hz, 3H)。
(E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−オクタ−6−エン−1−オール
無水THF(180ml)中の((E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−オクタ−6−エニルオキシメチル)−ベンゼン(5.5g,18.0mmol)に、−78℃および窒素の雰囲気下で、暗緑色が持続するまでLiDBBをゆっくりと添加した。この添加中、その温度を−70℃未満に維持した。この反応を飽和塩化アンモニウムでクエンチし、室温まで温め、そしてジエチルエーテルで抽出した(2回)。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,50:1、次いで1:1)により精製して、3.6g(93%)を透明油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 5.66 (dq, J = 15.2Hz, 6.4Hz, 1H), 5.19 (dd, J = 15.2Hz, 8.8 Hz, 1H), 3.75−3.52 (m, 3H), 3.49 (s, 3H), 3.31 (t, J = 9.1 Hz, 1H), 3.24 (s, 3H), 2.82 (dd, J = 8.2 Hz, 2.9 Hz, 1H), 1.91 (m, 1H), 1.77 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.68 (m, 1H), 0.84 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.79 (d, J = 7.1 Hz, 3H)。
2,2−ジメチル−プロピオン酸(E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−オクタ−6−エニルエステル
無水ピリジン(20ml)中の(E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−オクタ−6−エン−1−オール(1.5g,6.94mmol)に、0℃および窒素の雰囲気下で、塩化ピバロイル(1.33ml,10.7mmol)を添加した。この反応物を室温まで温め、そして2時間撹拌し、その後、これを飽和塩化アンモニウムでクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した(2回)。合わせた有機層を、疎水性フリットに通すことにより乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,20:1、次いで1:1)により精製して、2.0g(100%)を透明油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 5.67 (dq, J = 15.3 Hz, 6.6 Hz, 1H), 5.21 (m, 1H), 4.23 (dd, J = 10.6 Hz, 3.3 Hz, 1H), 4.1 (dd, J = 10.6 Hz, 6.0 Hz, 1H), 3.52 (dd, J = 10.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.34 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 3.25 (s, 3H), 1.96 (m, 1H), 1.78 (dd, J = 6.4 Hz, 1.5 Hz, 3H), 1.68 (m, 1H), 1.24 (s, 9H), 0.90 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.76 (d, J = 7.1 Hz, 3H)。
2,2−ジメチル−プロピオン酸(2S,3S,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−6−オキソ−ヘキシルエステル
無水ジクロロメタン(60ml)中の(2,2−ジメチル−プロピオン酸(E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−オクタ−6−エニルエステル(2.0g,6.94mmol)に、−78℃で、淡青色が持続するまでオゾンを吹き込んだ。次いで、この溶液が無色になるまで、窒素を吹き込んだ。トリフェニルホスフィン(2.7g,10.4mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温まで温め、そして一晩撹拌した。この反応物を減圧中で濃縮し、そしてその生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,20:1、次いで4:1)により精製して、1.62g(81%)を黄色油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 9.51 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 4.14 (dd, J = 10.8 Hz, 3.3 Hz, 1H), 4.00 (dd, J = 10.8 Hz, 5.9 Hz, 1H), 3.36−3.29 (m, 2H), 3.33 (s, 3H), 3.32 (s, 3H), 1.93 (m, 2H), 1.20 (s, 9H), 0.84 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.78 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
2,2−ジメチル−プロピオン酸(E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエニルエステル
無水THF(25ml)中のジエチルアリルホスホネート(1.86g,10.4mmol)に、−78℃および窒素の雰囲気下で、その温度を−78℃未満に維持しながらn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M,4.2ml,10.4mmol)をゆっくりと添加した。この反応物を−78℃で30分間撹拌し、その後、(2R,3R,4S,5S)−6−tert−ブトキシ−2,4−ジメトキシ−3,5−ジメチル−ヘキサナール(2.0g,6.9mmol)およびDMPU(CaH2を加えて蒸留した,1.7ml,13.9mmol)の無水THF(5ml)中の溶液を添加した。この反応物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温まで温め、そして一晩撹拌した。この反応物を飽和塩化アンモニウムで希釈し、そしてジクロロメタンで抽出した(2回)。合わせた有機層を、疎水性フリットに通すことにより乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,20/1)により精製して、1.3g(60%)を透明油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 6.41 (dt, J = 16.8 Hz, 10.4 Hz, 10.2 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 15.2 Hz, 10.4 Hz, 1H), 5.47 (dd, J = 15.2 Hz, 8.6 Hz, 1H), 5.25 (dd, J = 16.8Hz, 1.5Hz, 1H), 5.13 (dd, J = 9.7 Hz, 1.5 Hz, 1H), 4.23 (dd, J = 10.6 Hz, 3.3 Hz, 1H), 4.01 (dd, J = 10.6 Hz, 6.0 Hz, 1H), 3.52 (dd, J = 10.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 3.43 (s, 3H), 3.43 (m, 1H), 3.27 (s, 3H), 1.96 (m, 1H), 1.72 (m, 1H), 1.24 (s, 9H), 0.90 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.77 (d, J = 7.1 Hz, 3H)。
(E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエン−1−オール
無水メタノール(10ml)中の(E)−(5S,6S,7S,8S)−9−tert−ブトキシ−5,7−ジメトキシ−6,8−ジメチル−ノナ−1,3−ジエン(1.3g,4.2mmol)に、室温および窒素の雰囲気下で、ナトリウムメトキシド(MeOH中30%wt,3.7ml,20.8mmol)を添加した。この反応物を一晩撹拌した。さらなる量のナトリウムメトキシド(MeOH中30%wt,3.7ml,20.8mmol)を添加し、そしてこの反応物をさらに1時間撹拌した。この反応を飽和塩化アンモニウムでクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した(3回)。合わせた有機層を、疎水性フリットに通すことにより乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,10:1、次いで2:1)により精製して、2.0g(100%)を透明油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 6.40 (dt, J = 16.8 Hz, 10.4 Hz, 10.2 Hz, 1H), 6.23 (dd, J = 15.2 Hz, 10.4 Hz, 1H), 5.46 (dd, J = 15.2 Hz, 8.4 Hz, 1H), 5.26 (dd, J = 17.0 Hz, 1.6 Hz, 1H), 5.14 (dd, J = 10.2 Hz, 1.6 Hz, 1H), 3.77−3.53 (m, 3H), 3.51 (s, 3H), 3.42 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 3.27 (s, 3H), 2.75 (dd, J = 8.4 Hz, 3.1 Hz, 1H), 1.91 (m, 1H), 1.72 (m, 1H), 0.85 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 7.1 Hz, 3H)。
(E)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエナール
無水ジクロロメタン(58ml)中の(E)−(2S,3S,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエン−1−オール(1.3g,5.70mmol)に、室温および窒素の雰囲気下で、活性化4Aモレキュラーシーブ(1.3g)、N−メチルモルホリン−N−オキシド(2.0g,17.1mmol)およびTPAP(100mg,0.29mmol)を添加した。この反応物を3時間撹拌し、そしてSiO2パッドで濾過し、そしてこのパッドをジエチルエーテルで充分に洗浄した。その濾液を減圧中で濃縮して、生成物を無色油状物(1.2g,93%)として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 9.83 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.40 (dt, J = 16.8 Hz, 10.2 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 15.2 Hz, 10.6 Hz, 1H), 5.45 (dd, J = 15.2 Hz, 8.8 Hz, 1H), 5.26 (dd, J = 16.4 Hz, 1.3 Hz, 1H), 5.14 (dd, J = 10.2 Hz, 1.6 Hz, 1H), 3.87 (dd, J = 9.1 Hz, 2.4 Hz, 1H), 3.41 (m, 1H), 3.43 (s, 3H), 3.26 (s, 3H), 2.62 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.00 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.82 (d, J = 7.1 Hz, 3H)。
(E)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエン酸(3c)
tert−ブタノール(24ml)および2−メチル−2−ブテン(5.6ml,53.1mmol)中の(E)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエナール(1.2g,5.3mmol)に、室温で、塩化ナトリウム(2.4g,26.5mmol)およびリン酸二水素ナトリウム(1.5g,10.6mmol)の水(5ml)中の溶液を添加した。この反応物を1.5時間激しく撹拌し、その後、ブライン(10ml)を添加し、そしてこの反応物を2Mの塩酸でpH5に酸性化した。この反応物をジクロロメタンで抽出し(3回)、その有機物を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その油性残渣を真空ポンプに一晩つないで、生成物3cを橙色固体として得た(1.02g,79%)。
1H NMR (300MHz, CDCl
3) δ 6.39 (dt, J = 16.7 Hz, 10.3 Hz, 10.0 Hz, 1H), 6.23 (dd, J = 14.9 Hz, 10.5 Hz, 1H), 5.45 (dd, J = 14.9 Hz, 8.7 Hz, 1H), 5.26 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 3.91 (dd, J = 9.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.43 (m, 1H), 3.26 (s, 3H), 2.67 (m, 1H), 1.71 (m, 1H), 1.13 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.78 (d, J = 7.1 Hz, 3H)。
実施例V.化合物5:(E)−(5S,11S,14S,17R,18R,19S,20S)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18,20−ジメトキシ−17,19−ジメチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ヨード−ベンジルエステル
THF(35ml)中の2a(1.0g,1.36mmol)に、室温で、亜鉛粉末(1.90g,29.8mmol)、および酢酸アンモニウム(1.60g,20.3mmol)の水(15ml)中の溶液を添加した。この反応物を24時間撹拌し、次いでセライトで濾過し、そしてそのフィルタパッドをTHF/水で洗浄した。その濾液を酢酸エチルで抽出した。その水性物質を2MのHClでpH4〜5まで酸性化し、そして酢酸エチルでさらに抽出した(2回)。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮した。この生成物を室温および窒素の雰囲気下で乾燥トルエン(30ml)に溶解させ、トリエチルアミン(0.28ml,2.03mmol)を添加し、続いて2,4,6−トリクロロ−塩化ベンゾイル(0.23ml,1.49mmol)を添加した。この反応物を室温で0.5時間撹拌し、次いで3−ヨードベンジルアルコール(349mg,1.49mmol)およびDMAP(199mg,1.63mmol)の無水トルエン(6ml)中の溶液を添加した。この反応物を2時間撹拌し、次いでブラインを添加し、そしてジクロロメタンで抽出した(3回)。合わせた有機物を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,iHex/EtOAc,3:1、次いで2:1)により精製して、5a(410mg(37%))を白色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.51 (m, 2H), 7.13 (m, 1H), 6.95 (m, 1H), 6.87 (m, 1H), 6.63 (m, 1H), 6.56−6.46 (m, 2H), 6.33 (m, 1H), 5.57 (m, 1H), 4.94−4.83 (m, 3H), 4.09 (m, 1H), 3.77 (m, 1H), 3.36−3.19 (m, 1H), 2.85−2.54 (m, 3H), 2.28 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.69−1.52 (m, 2H), 1.33 (m, 1H), 1.26 (s, 9H), 0.83−0.64 (m, 15H), 0.03−0.02 (m, 6H). LCMS (m/z) 823.44 [M+H], Tr = 6.01 min。
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((E)−(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチルブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ヨード−ベンジルエステル(5c)
無水DMF(1.1ml)中の(E)−(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エン酸(5b)(85mg,0.17mmol)に、0℃および窒素の雰囲気下で、ジイソプロピルエチルアミン(0.12ml,0.67mmol)を添加し、続いてHATU(64mg,0.17mmol)を添加した。この反応物を1.5時間撹拌し、その後、(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ヨード−ベンジルエステル(134mg,0.19mmol)の無水DMF(1.1ml)中の溶液を添加した。この反応物を室温まで温め、16時間撹拌し、そしてpH7の緩衝液でクエンチした。この反応物をジクロロメタンで抽出し(3回)、その有機物を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,iHex/EtOAc,2:1)により精製して、5c(100mg(57%))を粘性油状物として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.52 (m, 2H), 7.14 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.96 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.87 (t, J =7.6 Hz, 1H), 6.63 (m, 1H), 6.51 (m, 3H), 6.31 (t, J = 8.8Hz, 1H), 6.08 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.96 (d, J = 19 Hz, 1H), 5.56 (m, 1H), 5.50 (dd, J = 19 Hz, 7.9 Hz, 1H), 4.89 (m, 2H), 4.12 (m, 2H), 3.68 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 3.34 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.22 (s, 3H), 3.14 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.07 (s, 3H), 2.83−2.60 (m, 3H), 2.30 (m, 1H), 2.20 (m, 1H), 1.97 (m, 1H), 1.71−1.47 (m, 4H), 1.33 (m, 6H), 1.15 (m, 6H), 0.89 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.82−0.69 (m, 30H), 0.60 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.006 (m, 6H). LCMS (m/z) 1211.48 [M+H], Tr = 7.29 min。
(E)−(5S,11S,14S,17R,18R,19S,20S)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18,20−ジメトキシ−17,19−ジメチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン(5)
無水DMF(57ml)中の5c(100mg,0.1mmol)に、室温および窒素の雰囲気下で、ジイソプロピルエチルアミン(0.17ml,1.0mmol)、トリフェニルアルシン(22mg,0.07mmol)およびPd
2(dba)
3・CHCl
3(20mg,0.02mmol)を添加した。この溶液を、減圧下での凍結および溶解のサイクルを2回行うことにより脱気した。この反応フラスコを箔で覆い、そして48時間撹拌した。この反応混合物をシリカのショートパッドで濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣に無水THF(5ml)を添加し、そして0℃まで冷却した。TBAFの溶液(0.5ml,0.49mmol,THF中1.0M)を添加し、そしてこの反応物を0℃で0.5時間、次いで室温で1時間撹拌した。この反応物を減圧中で濃縮し、そしてその生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,iHex/EtOAc,1:0から0:1)により精製した。この生成物をTLC(SiO
2,EtOAc)によりさらに精製して、5(10mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, d
6−DMSO)δ9.16 (br s, 1H), 7.99 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.36 (d, J = 4.7 Hz, 2H), 7.28−7.23 (m, 1H), 7.06 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.60−6.49 (m, 3H), 6.47−6.41 (m, 1H), 5.96 (dd, J = 8.7, 15.6 Hz, 1H), 5.56 (app q, J = 6.9 Hz, 1H), 5.17 (app q, J = 16.5 Hz, 2H), 5.11 (dd, J = 4.0, 11.4 Hz, 1H), 4.10 (app t, J = 8.2 Hz, 1H), 3.65 (br d, J = 4.9 Hz, 1H), 3.17 (s, 3H), 3.08 (s, 3H), 2.81−2.59 (m, 5H), 2.30−2.25 (m, 1H), 1.99−1.63 (m, 4H), 1.58−1.45 (m, 2H), 1.42−1.29 (m, 1H), 1.12 (d, J = 7.6 Hz, 3H), 0.99−0.90 (m, 1H), 0.84 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.70 (d, J = 6.9 Hz, 3H). LCMS (m/z) 701.44 [M+Na], Tr = 5.05 min。
(E)−(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エン酸(5b)の調製
2,2−ジメチル−プロピオン酸(2S,3S,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ヘプタ−6−イニルエステル
無水メタノール(100ml)中の2,2−ジメチル−プロピオン酸(2S,3S,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−6−オキソ−ヘキシルエステル(2.0g,6.94mmol)に、0℃および窒素の雰囲気下で、1−ジアゾ−2−オキソプロピルリン酸ジエチル(1.6ml,10.4mmol)および炭酸カリウム(1.44g,10.4mmol)を添加した。この反応物を0℃で1時間、次いで室温で2時間撹拌し、その後、これを飽和塩化アンモニウムでクエンチし、そしてジエチルエーテルで抽出した(3回)。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,15:1)により精製して、1.67g(85%)を透明油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 4.22 (dd, J = 10.7 Hz, 3.6 Hz, 1H), 4.07 (dd, J = 10.7 Hz, 5.8 Hz, 1H), 3.87 (dd, J = 9.6 Hz, 2.0 Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.44 (m, 1H), 3.40 (s, 3H), 2.48 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 1.97 (m, 2H), 1.23 (s, 9H), 1.00 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.92 (d, J = 6.9 Hz, 3H)。
(2S,3S,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ヘプタ−6−イン−1−オール
無水メタノール(10ml)中の2,2−ジメチル−プロピオン酸(2S,3S,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ヘプタ−6−イニルエステル(750mg,2.64mmol)に、室温および窒素の雰囲気下で、ナトリウムメトキシド(MeOH中30%wt,3.8ml,21.1mmol)を添加した。この反応物を一晩撹拌し、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した(3回)。合わせた有機層を、疎水性フリットに通すことにより乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,6:1、次いで2:1)により精製して、500mg(94%)を透明油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 3.86 (dd, J = 9.4 Hz, 2.1 Hz, 1H), 3.75−3.60 (m, 2H), 3.49 (s, 3H), 3.48 (m, 1H), 3.46 (s, 3H), 2.59 (m, 1H), 2.49 (d, −J = 2.1 Hz, 1H), 2.03 − 1.84 (m, 2H), 1.04 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
(E)−(2S,3S,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エン−1−オール
乾燥ジクロロメタン(25ml)中の(2S,3S,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ヘプタ−6−イン−1−オール(500mg,2.49mmol)に、室温および窒素の雰囲気下で、(PPh−3)2PdCl2(887mg,0.12mmol)を添加し、続いてトリブチルスズスタンナン(2.0ml,7.46mmol)を5分間かけて滴下により添加した。この反応物の撹拌を減圧空で1時間続け、そしてその生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,iHex/EtOAc,40:1、次いで4:1)により精製して、812mg(66%)を黄色油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 6.13 (d, J = 19.3 Hz, 1H), 5.64 (dd, J = 19.3 Hz, 8.2 Hz, 1H), 3.66 (m, 1H), 3.63−3.51 (m, 2H), 3.48 (s, 3H), 3.28 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 2.83 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.68 (m, 1H), 1.51 (m, 6H), 1.30 (m, 6H), 0.88。
(E)−(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エナール
無水ジクロロメタン(2ml)中の(E)−(2S,3S,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エン−1−オール(100mg,0.2mmol)に、室温および窒素の雰囲気下で、活性化4Aモレキュラーシーブ(50mg)、N−メチルモルホリン−N−オキシド(71mg,0.61mmol)およびTPAP(3.6mg,0.01mmol)を添加した。この反応物を30分間撹拌し、そしてSiO2パッドで濾過し、そしてこのパッドをジエチルエーテルで充分に洗浄した。その濾液を減圧中で濃縮して、生成物を無色油状物(98mg,100%)として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 9.74 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.08 (d, J = 19.0 Hz, 1H), 5.58 (dd, J = 19.0 Hz, 8.2 Hz, 1H), 3.77 (dd, J = 9.1 Hz, 2.3 Hz, 1H), 3.34 (s, 3H), 3.25 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 3.18 (s, 3H), 2.54 (m, 1H), 1.59 (m, 1H), 1.44 (m, 6H), 1.24 (m, 6H), 0.93 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.82 (m, 15H), 0.75 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
(E)−(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エン酸(5b)
tert−ブタノール(2ml)および2−メチル−2−ブテン(0.22ml,2.03mmol)中の(E)−(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エナール(98mg,0.2mmol)に、室温で、塩化ナトリウム(92mg,1.02mmol)およびリン酸二水素ナトリウム(58mg,0.41mmol)の水(0.5ml)中の溶液を添加した。この反応物を一晩激しく撹拌し、その後、ブラインを添加し、次いでジクロロメタンで抽出した(2回)。その有機物を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その油性残渣を真空ポンプに一晩つないで、生成物5bを固体(91mg,90%)として得た。1H NMR (300MHz, CDCl−3) δ 6.05 (d, J = 19.0 Hz, 1H), 5.58 (dd, J = 19.0 Hz, 7.9 Hz, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.38 (s, 3H), 3.23 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.52 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), 1.43 (m, 6H), 1.24 (m, 6H), 1.01 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 0.82 (m, 15H), 0.71 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
実施例VIII.化合物8:(E)−(8S,14S,17S,20R,21S)−21−ヒドロキシ−14−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−17−イソプロピル−20−メチル−6−オキサ−12,15,18,27−テトラアザ−トリシクロ[20.2.2.1*8,12*]ヘプタコサ−1(25),2,22(26),23−テトラエン−7,13,16,19−テトラオン
(2R,3S)−1−((R)−10,10−ジメチル−3,3−ジオキソ−3−チア−4−アザ−トリシクロ[5.2.1]デカ−4−イル)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メチル−3−(4−ビニル−フェニル)−プロピオンアミド(8a)
4−ビニル−ベンズアルデヒドのDCM(4.5ml)中1Mの溶液を、水素化カルシウム(大きいスパチュラ先端)で処理し、そして得られた懸濁物を室温で3日間撹拌した(水素化物を除去するために必要)。N−プロピオニル−スルタム(750mg,2.76mmol)の乾燥DCM(3ml)中の撹拌溶液を含む別のフラスコに、水素化カルシウム(小さいスパチュラ先端)、トリエチルアミン(462μl,3.3mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリル(950μl,4.14mmol)を添加した。得られた混合物を室温で20時間撹拌し、その後、−40℃まで冷却し、その際に、予め乾燥させたDCM中1Mの4−ビニル−ベンズアルデヒドの溶液(3.3ml)を添加した。撹拌を−40℃で1時間続け、その後、この反応を塩化アンモニウムの飽和溶液(5ml)でクエンチした。その有機層を分離し、そしてその水層をDCM(2×10ml)で洗浄した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そして濃縮した。その残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソ−ヘキサン中の酢酸エチルの10%から20%の勾配)により、8a(561mg,収率40%)をシロップとして得た。LCMS (m/z) 540.3 [M−H], Tr =6.0 min.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.37 and 7.29 (2 x d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.71 (dd, J = 10.8, 17.5 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 5.25 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.83 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.92 (dd, J = 7.5, 4.9 Hz, 1H), 3.51 (q, J
a,b = 13.7 Hz, 2H), 3.39 (m, 1H), 2.23 (m, 1H), 2.11 (m, 1H), 1.90 (m, 3H), 1.40 (m, 2H), 1.22 and 1.99 (2 x s, 6H), 0.90 (q, J = 6.9 and 8.2 Hz, 3H), 0.80 (s, 9H), −0.05 and −0.26 (2 x s, 6H)。
(2R,3S)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メチル−3−(4−ビニル−フェニル)−プロピオン酸(8b)
8a(600mg,1.16mmol)のTHF(20ml)中の溶液に、2Mの水酸化リチウムを添加し、そして得られた二相性混合物を85℃で48時間撹拌した。THF層を窒素気流下で除去し、そして残りの水層を2MのHClでpH1まで酸性化した。その水層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そして濃縮した。そのシロップ様の残渣を、ペンタンで処理し、濾過し、そしてその濾液を濃縮した。この残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソ−ヘキサン中の酢酸エチルの20%から30%の勾配)により、8b(86mg,収率23%)をシロップとして得た。LCMS (m/z) 319.1 [M−H], Tr =5.7 min.
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.34 and 7.25 (2 x d, J = 8.3 Hz, 4H), 6.68 (dd, J = 10.9, 17.6 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 2.72 (m, 1H), 0.90 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.80 (s, 9H), 0.02 and −0.27 (2 x s, 6H)。
(S)−1−{(S)−2−{(S)−2−[(2R,3S)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メチル−3−(4−ビニル−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−メチル−ブチリルアミノ}−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ブタ−3−エニルエステル(8c)
8b(86mg,0.27mmol)のDMF(2ml)中の冷却(0℃)した撹拌溶液に、窒素化で、HATU(102mg,0.27mmol)およびDIPEA(209μl,1.2mmol)を添加した。得られた溶液を0℃で20分間撹拌し、その後、3b(0.3mmol)のDMF(2ml)中の溶液を添加し、そして得られた混合物を室温で18時間撹拌した。この反応混合物を1Mのリン酸緩衝液(pH7)(20ml)とDCM(20ml)との間で分配し、そしてその水層をDCM(4×10ml)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、そして濃縮した。この残渣からトルエンをエバポレートして(3×20ml)、あらゆる残留DMFを除去した。この残渣のフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソ−ヘキサン中の酢酸エチルの40%から50%の勾配)により、8c(170mg,収率73%)を泡状物として得た。LCMS (m/z) 863.6 [M+H], Tr =6.3 min
.1H NMRδ(300 MHz, CDCl
3) 7.16 and 7.09 (2 x d, J = 8.3 Hz, 4H), 6.92 (t, J = 7.81 Hz, 1H), 6.60 (brd, J = 7.6 Hz, 1H), 6.46 (m, 4H), 6.29 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.56 (m, 3H), 4.96 (m, 3H), 4.62 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.11 (brd, J = 13.2 Hz, 1H), 3.99 (m, 3H), 3.37 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.75 (dd, J = 12.9, 5.1 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 12.9, 9.1 Hz, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.35 (m, 1H), 2.22 (m, 2H), 1.90 (m, 1H), 1.60 (m, 2H), 1.27 (m, 2H), 1.10 (m, 1H), 0.85 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.80 (s, 18H), 0.70 (s, 6H), 0.00 (s, 6H), −0.14 and −0.35 (2 x s, 6H)。
(E)−(8S,14S,17S,20R,21S)−21−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−14−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−17−イソプロピル−20−メチル−6−オキサ−12,15,18,27−テトラアザ−トリシクロ[20.2.2.1*8,12*]ヘプタコサ−1(25),2,22(26),23−テトラエン−7,13,16,19−テトラオン(8d)
8c(85mg,0.10mmol)のジクロロメタン(45ml)中の撹拌溶液を調製し、そして第1世代Grubbs触媒(24.6mg,0.03mmol)を添加した。この反応物を40時間加熱還流し、次いで、室温で36時間維持した。シリカゲルをこの反応物に添加し、次いでこれをエバポレートにより乾固させた。その物質をシリカカラムに装填し、これを25%の酢酸エチル、75%のヘキサン、次いで50%の酢酸エチル、50%のヘキサンで溶出して、8dを褐色ガム状物(44mg)として得た。LCMS(m/z) 855.62 [M+H] Tr = 6.24min
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 0.00−0.02 (m, 12H), 0.65−0.85 (m, 18H), 0.95−1.33 (m, 2H), 1.41−1.96 (m, 8H) 2.04−2.18 (m, 1H), 2.20−2.52 (m, 6H), 2.55−2.70 (m, 1H), 3.43−3.78 (m, 2H), 3.85−3.95 (m, 1H), 4.25−4.38 (m, 1H), 4.42−4.55 (m, 1H), 4.98−5.08 (m, 1H) 5.78−5.92 (m, 1H), 6.15−6.20 (m,1H) 6.23−6.58 (m, 5H) 6.88−7.13 (m, 8H)。
(E)−(8S,14S,17S,20R,21S)−21−ヒドロキシ−14−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−17−イソプロピル−20−メチル−6−オキサ−12,15,18,27−テトラアザ−トリシクロ[20.2.2.1*8,12*]ヘプタコサ−1(25),2,22(26),23−テトラエン−7,13,16,19−テトラオン(8)
8d(90mg,0.108mmol)の無水テトラヒドロフラン(30ml)中の撹拌溶液を、氷浴上で冷却し、その後、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドの溶液(テトラヒドロフラン中1M,1.08ml,1.08mmol)を添加した。この反応物を室温まで温め、そして1時間撹拌し、その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液(25ml)を添加した。この混合物を酢酸エチル(2×25ml)で抽出した。この抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、褐色ガム状物を得た。このガム状物を、酢酸エチルで溶出するシリカカラムで精製して、8を白色固体(27mg)として得た。LCMS. (m/z) 607.27 [M+H] Tr = 4.21min
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 1.12−1.28 (m, 6H), 1.31−1.39 (d, 3H, J=7.1Hz), 1.44−1.60 (m, 3H), 1.71−2.13 (m, 3H) 2.14−2.28 (m, 1H), 2.38−2.70 (m, 4H), 2.81−2.91 (m, 1H), 2.91−3.08 (m, 1H), 3.61−3.70 (d, 1H), 4.12−4.21 (m, 1H), 4.32−4.46 (m, 2H), 4.81−4.89 (s, 1H) 5.07−5.18 (q, 1H, J=6.5Hz), 5.90−6.05 (m,1H) 6.15−6.33 (m, 3H) 6.37−6.44 (d, 1H) 6.61−6.70 (m, 1H) 6.95−7.72 (m, 7H) 7.80−8.05 (bs, 1H)。
実施例IX.化合物9:(8S,14S,17S,20R,21S)−21−ヒドロキシ−14−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−17−イソプロピル−20−メチル−6−オキサ−12,15,18,27−テトラアザ−トリシクロ[20.2.2.1*8,12*]ヘプタコサ−1(25),22(26),23−トリエン−7,13,16,19−テトラオン
8(10mg,16.5umol)のエタノール(2ml)中の溶液を、10%炭素担持パラジウム(5mg)を含むフラスコに添加した。この混合物を水素雰囲気下に置き、そして室温で2.5時間撹拌した。この混合物をhyflo−super−celで濾過し、次いでエバポレートして、白色固体を得た。この固体を酢酸エチルに再溶解させ、そしてシリカのパッドで濾過した。その溶媒をエバポレートし、そして得られたガム状物を減圧下で乾燥させて、9を非晶質固体(6mg)として得た。LCMS (m/z) 609.39 [M+H] Tr = 4.25min
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 0.65−1.05 (m, 6H), 1.05−2.25 (m, 16H), 2.30−2.79 (m, 5H), 2.80−3.05 (m, 1H), 3.05−3.29 (m, 1H), 3.58−3.83 (m,1H), 3.95−4.13 (m, 1H), 4.18−4.55 (m, 3H), 4.90−5.07 (s, 1H), 5.42−5.60 (m, 1H), 6.40−6.88 (m, 3H), 6.96−7.45 (m, 5H)。
実施例X.化合物10:(E)−(5S,11S,14S,17R,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−17−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ビニル−ベンジルエステル(10a)
THF(12ml)中の(3−ビニル−フェニル)−メタノール(1.9g,14.2mmol)に、室温および窒素の雰囲気下で、2a(2.6g,3.54mmol)を添加し、続いて水素化ナトリウム(60%,28mg,0.71mmol)を添加した。この反応物を40℃で6時間温めた。室温まで冷却した後に、水を添加し、そしてこの反応物をジクロロメタンで抽出した(2回)。合わせた有機層を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,iHex/EtOAc,2:1、次いで1:2)により精製して、10a(1.5g(59%))を粘性透明油状物として得、これは、減圧下に置くと白色泡状物を形成する。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.39 (m, 3H), 7.26 (m, 1H), 7.03 (m, 1H), 6.80 (m, 1H), 6.71 (m, 1H), 6.67 (m, 2H), 6.50 (m, 1H), 5.79 (d, J = 17.4Hz, 1H), 5.76 (m, 1H), 5.31 (d, J = 10.7Hz, 1H), 5.15 (m, 2H), 5.09 (m, 1H), 4.29 (m, 1H), 3.96 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.03−2.81 (m, 2H), 2.76 (m, 1H), 2.52 (m, 1H), 2.12 (m, 1H), 1.90−1.71 (m, 2H), 1.49 (m, 2H). 1.47 (s, 9H), 1.0−0.8 (m, 15H), 0.18 (s, 6H).
LCMS (m/z) 723.48 [M+H], Tr = 5.64 min。
(2R,3R)−1−((1R,5S)−10,10−ジメチル−3,3−ジオキソ−3λ*6*−チア−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.0*1,5*]デカ−4−イル)−3−ヒドロキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン−1−オン(10b)
1−((1R,5S)−10,10−ジメチル−3,3−ジオキソ−3λ*6*−チア−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.0*1,5*]デカ−4−イル)−プロパン−1−オン(3.95g,14.55mmol)のトルエン(50ml)中の溶液を調製し、次いでエバポレートにより乾固させた。このプロセスを繰り返し、次いで、得られた白色固体を無水ジクロロメタン(16ml)に溶解させた。少量の水素化カルシウムを添加し、その後、トリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリル(3.83ml,14.5mmol)を添加し、次いで、無水トリエチルアミン(2.33ml,16.7mmol)を添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下室温で15時間撹拌した。得られた溶液をエバポレートして濃厚なペーストを得、これを無水ジクロロメタン(15ml)に再溶解させ、そして4−ペンテナール(2.69g,32.0mmol)および四塩化チタン(ジクロロメタン中1M,32ml,32mmol)の無水ジクロロメタン(20ml)中の撹拌溶液に、−78℃窒素雰囲気下で滴下により添加した。この反応物を−78℃で30分間撹拌し、その後、塩化アンモニウム飽和水溶液(100ml)で希釈した。層を分離し、そしてその水層をさらなるジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、褐色ガム状物を得たこれを、20%の酢酸エチル、80%のヘキサンで溶出するシリカカラムで精製して、10bを無色ガム状物(3.09g,60%)として得た。
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 0.98−1.00 (s, 3H), 1.18−1.20 (s, 3H), 1.23−1.27 (d, 3H J=6.7Hz), 1.31−1.55 (m, 3H), 1.63−1.76 (m, 1H), 1.84−2.01 (m, 3H), 2.08−2.53 (m, 5H), 3.15−3.26 (m, 1H), 3.42−3.59 (dd, 2H J=13.8, 26.3), 3.61−3.73 (bs, 1H), 3.88−3.95 (dd, 1H, J=5.13, 7.59), 4.94−5.00 (m, 2H), 5.74−5.90 (m, 1H). LCMS (m/z) 356.17 [M+H] Tr= 3.41min。
(2R,3R)−1−((1R,5S)−10,10−ジメチル−3,3−ジオキソ−3λ*6*−チア−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.0*1,5*]デカ−4−イル)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン−1−オン(10c)
10b(250mg,0.703mmol)の無水ジクロロメタン(7ml)中の溶液を調製し、そして無水ジクロロメタン(7ml)中のプロトンスポンジ(452mg,0.703mmol)を添加した。トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(208mg,1.406mmol)を添加した。この反応混合物を室温で15時間撹拌した。次いで、この反応混合物をメタノール(1ml)、次いで2Mの塩酸(20ml)および飽和ブライン(20ml)で処理した。この混合物を酢酸エチル(3×15ml)で抽出し、そしてその抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、黄色ガム状物を得た。このガム状物を、25%の酢酸エチル、75%のヘキサンで溶出するシリカカラムで精製して、10cを無色ガム状物(223mg,86%)として得た。
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 0.96−0.98 (s, 3H), 1.07−1.12 (d, 3H, J=6.7Hz), 1.17−1.20 (s, 3H), 1.30−1.45 (m, 2H)1.48−1.60 (m, 2H), 1.81−1.98 (m, 4H), 2.00−2.27 (m, 5H), 3.31−3.34 (s, 1H), 3.34−3.56 (m, 4H), 3.86−3.92 (dd, 1H, J=5.13, 7.37), 4.91−5.06 (m, 2H), 5.70−5.86 (m, 1H). LCMS (m/z) 370.22 [M+H] Tr= 3.69min。
(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチルヘプタ−6−エン酸(10d)
水中2Mの水酸化リチウムの溶液(5ml)を、10c(223mg,0.60mmol)のテトラヒドロフラン(15ml)中の撹拌溶液に添加した。この撹拌混合物を60℃で15時間加熱した。この反応混合物を部分的にエバポレートし、その後、2Mの塩酸(20ml)を添加した。この溶液を酢酸エチル(3×15ml)で抽出した。その抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、黄色ガム状物(209mg)を得た。このガム状物を、25%の酢酸エチル、75%のヘキサで溶出するシリカカラムで精製して、10dを黄色ガム状物(68mg,66%)として得た。
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 1.15−1.19 (d, 3H), 1.57−1.67(m, 2H), 2.11−2.23 (m, 2H), 2.74−2.85 (m, 1H), 3.39−3.42 (s, 3H), 3.45−3.53 (m, 1H), 4.97−5.10 (m, 2H), 5.76−5.91 (m, 1H)。
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ビニル−ベンジルエステル(10e)
無水DMF(3ml)中の10d(80mg,0.46mmol)に、0℃および窒素の雰囲気下で、ジイソプロピルエチルアミン(0.32ml,1.86mmol)を添加し、続いてHATU(177mg,0.46mmol)を添加した。この反応物を0.5時間撹拌し、その後、(S)−1−{(S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ビニル−ベンジルエステル(10aから)
*(398mg,0.64mmol)の無水DMF(3ml)中の溶液を添加した。この反応物を室温まで温め、16時間撹拌し、そしてpH7の緩衝液でクエンチした。この反応物をジクロロメタンで抽出し(2回)、その有機物を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,iHex/EtOAc,2:1、次いで1:1)により精製して、10e(280mg(78%))を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.39 (m, 3H), 7.26 (m, 1H), 7.03 (m, 1H), 6.83−6.62 (m, 4H), 6.55 − 6.46 (m, 2H), 5.91 − 5.70 (m, 2H), 5.79 (d, J =17.6 Hz, 1H), 5.31 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 5.05 (dd, J = 1.6 Hz, 17.2 Hz, 1H), 4.97 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.31 (m, 2H), 3.55 (m, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.37 (m, 1H), 3.00−2.80 (m, 2H), 2.75 (m, 1H), 2.48 (m, 2H), 2.15 (m, 3H), 1.90−1.63 (m, 4H), 1.47 (m, 2H), 1.18 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.00− 0.88 (m, 6H), 0.97 (s, 9H), 0.17 (s, 6H).
LCMS (m/z) 777.55 [M+H], Tr = 4.35 min。
*(S)−1−{(S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ビニル−ベンジルエステルを、TMS(OTf)(0.17ml,0.64mmol)を10a(400mg,0.49mmol)の無水ジクロロメタン(20ml)中の溶液に0℃で添加することにより調製した。この反応物を0℃で2時間撹拌し、iPr2NEt(0.45ml,2.56mmol)を添加することによりクエンチし、そして減圧中で濃縮して、白色固体を得た。
(E)−(5S,11S,14S,17R,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−17−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン(10)
無水ジクロロメタン(120ml)中の10e(280mg,0.36mmol)に、第1世代Grubbs触媒(89mg,0.11mmol)を添加した。この反応物を加熱還流し、そして16時間静置した。この反応物を冷却し、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,iHex/EtOAc,1:1、次いで1:2)により精製して、213mg(75%)の褐色油状物を得た。これは、減圧下で固化する。得られた残渣(70mg,0.09mmol)に無水THF(1ml)を添加し、そして0℃まで冷却した。TBAFの溶液(0.5ml,0.47mmol,THF中1.0M)を添加し、そしてこの反応物を0℃で0.5時間撹拌した。この反応を水性飽和塩化アンモニウムでクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した(2回)。合わせた有機層を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2,iHex/EtOAc,1:1から1:2)により精製して、10を白色固体(25mg,44%)として得た。
1H NMR (300 MHz, d
6−DMSO)δ8.10 (br s, 1H), 7.41−7.21 (m, 3H), 7.18 (m, 1H), 7.08 (m, 1H), 6.91 (m, 1H), 6.80 (m, 1H), 6.66 (m, 2H), 6.46 (m, 1H), 6.06 (m, 2H), 5.73 (m, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.57 (m, 1H), 4.22 (m, 1H), 3.67 (m, 1H), 3.50 (s, 3H), 2.84 (m, 2H), 2.65 (m, 2H) 2.26−1.91 (m, 5H), 1.82 − 1.55 (m, 6H), 1.37 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.00 (2d, J = 2.7 Hz, 6H). LCMS (m/z) 635.42 [M+H], Tr = 5.01min。
実施例XI.化合物11:(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10−メトキシ−9−メチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン
(S)−1−{(S)−3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(E)−ヘキサ−3,5−ジエニルエステル(11a)
10d(83.5mg,0.485mmol)の無水ジメチルホルムアミド(4ml)中の溶液を0℃まで冷却し、その後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(340uL,1.94mmol)および2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム(185mg,0.485mmol)を添加し、この反応混合物を0℃で20分間撹拌し、その後、無水ジメチルホルムアミド(4ml)中の(S)−1−{(S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(E)−ヘキサ−3,5−ジエニルエステル(285mg,0.485mmol)*を添加した。この反応混合物を室温で15時間撹拌した。この反応混合物をpH7のリン酸緩衝液(0.5M,20ml)で希釈し、次いで酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(3×20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、褐色ガム状物を得た。このガム状物を、60%の酢酸エチル、40%のヘキサンで溶出するシリカカラムで精製して、11aを無色固体(133mg,37%)として得た。
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 0.17−0.21 (s, 6H), 0.87−0.96 (m, 6H) 0.96−1.01 (s, 9H), 1.14−1.20 (d, 3H, J = 7.1Hz), 1.35−1.85 (m, 7H), 2.08−2.21 (m, 3H), 2.39−2.53 (m, 3H), 2.65−3.01 (m, 3H), 3.31−3.45 (m, 4H), 3.50−3.57 (d, 1H, J = 11.2), 4.09−4.35 (m, 5H), 4.93−5.20 (m, 3H), 5.57−5.90 (m, 3H), 6.08−6.19 (m, 1H), 6.25−6.40 (m, 1H), 6.45−6.59 (m, 2H), 6.64−6.75 (m,2H), 6.78−6.85 (d,1H, J = 7.8Hz), 7.07−7.15 (t, 1H, J = 7.8Hz). LCMS (m/z) 741.44 [M+H] Tr= 5.72min。
*(S)−1−{(S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(E)−ヘキサ−3,5−ジエニルエステルを、対応するBOC保護生成物である((S)−((E)−ヘキサ−3,5−ジエニル)1−((S)−2−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)プロパノイル)ピペラジン−3−カルボキシレート)から、3aからの3bの調製について記載された様式と類似の様式で調製した。次に、(S)−((E)−ヘキサ−3,5−ジエニル)1−((S)−2−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)プロパノイル)ピペラジン−3−カルボキシレートを、(E)−ヘキサ−3,5−ジエン−1−オールをブタ−3−エン−1−オールの代わりに使用したこと以外は3aの合成において記載されたように調製した。
(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,21S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−6−イソプロピル−10−メトキシ−9−メチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン(11b)
11a(133mg,0.180mmol)のジクロロメタン(85ml)中の溶液を調製し、そして第1世代Grubbs触媒(45mg,0.054mmol)を添加した。この撹拌反応混合物を36時間加熱還流し、次いで室温まで冷却した。シリカゲルを添加し、そしてこの混合物をエバポレートにより乾固させた。その残渣を、100%のヘキサンから100%の酢酸エチルの勾配で溶出するシリカカラムで精製した。これにより、表題生成物を暗褐色固体(38mg,30%)として得た。
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 0.17−0.21 (s, 6H), 0.92−0.97 (d, 3H, J = 6.7Hz) 0.97−1.01 (s, 9H), 1.20−1.38 (m, 4H), 1.39−1.88 (m, 6H), 1.94−2.28 (m, 4H), 2.29−2.70 (m, 4H), 2.72−2.96 (m, 2H), 3.09−3.41 (m, 2H), 3.45−3.49 (s, 1H), 3.49−3.54 (d, 1H, J = 11.4Hz), 3.57−3.66 (d, 1H, J = 12.0Hz), 4.02−4.19 (m, 2H), 4.20−4.41 (m, 2H), 4.44−4.55 (m, 1H), 5.49−5.80 (m, 3H), 5.98−6.20 (m,2H), 6.42−6.51 (d,1H, J = 8.03Hz), 6.52−6.74 (m, 3H). ), 6.78−6.84 (d, 1H, J = 7.6Hz), 6.93−7.00 (d, 1H, J = 9.1), 7.05−7.20 (m, 1H). LCMS (m/z) 713.40 [M+H] Tr= 5.62min。
(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10−メトキシ−9−メチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン(11)
11b(38mg,0.053mmol)の無水テトラヒドロフラン(10ml)中の撹拌溶液を窒素雰囲気下0℃まで冷却し、その後、テトラヒドロフラン中1Mのテトラブチルアンモニウムフルオリド溶液(265ul,0.265mmol)を添加した。この反応混合物を室温まで温め、そして窒素雰囲気下で2.5時間撹拌した。次いで、この反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(20ml)で処理し、そして得られた混合物を酢酸エチル(3×15ml)で抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートした。その残渣を、50%の酢酸エチル、50%のヘキサン、次いで100%の酢酸エチルで溶出するシリカカラムで精製して、11を無色固体(15mg,47%)として得た。
1H NMRδ(300MHz NMR, CDCl
3) 0.81−0.92 (m, 3H) 0.93−1.01 (m, 4H), 1.34−1.39 (d, 3H, J=7.4Hz), 1.45−2.10 (m, 6H), 2.18−2.20 (s, 1H), 2.38−2.53 (m, 2H), 2.55−2.71 (m, 2H), 2.75−2.92 (m, 2H), 3.18−3.30 (m, 2H), 3.51−3.53 (s, 3H), 3.54−3.60 (d, 1H, J=12.5Hz), 4.09−4.40 (m, 4H), 4.50−4.60 (d, 1H, J=12.7Hz), 5.43−5.69 (m, 3H), 5.91−6.00 (m, 3H), 6.51−6.58 (d, 1H, J=7.4Hz), 6.68−6.78 (m,2H), 6.80−6.90 (d, 1H J=8.7Hz), 7.05−7.12 (t, 1H, J=7.7), 7.37−7.45 (d, 1H, J=9.6), 8.15−8.38 (bs, 1H). LCMS (m/z) 599.36 [M+H] Tr= 4.59min。
実施例XII.化合物12:(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,11S,12S,18R,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10,12−ジメトキシ−9,11,18−トリメチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−1−メチル−ブタ−3−エニルエステル(12a)
水素化ナトリウム(11mg,0.271mmol)を、2a(1g,1.35mmol)および3−ブテン−1−オール(1.4ml,6.98mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)中の溶液に添加し、そしてこの反応物をN
2下50℃で3時間撹拌した。この反応物を冷却し、そしてこの混合物をSiO
2のプラグに通して(酢酸エチル,2×50mlで溶出)、無色油状物を得た。これをトルエンと共沸して(2回)、12aを無色油状物(767mg,84%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.15 (1H, m), 6.82 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.65 (2H, m), 6.48 (1H, d, J = 8.3 Hz), 5.72 (1H, m), 4.95−5.15 (4H, m), 4.32 (1H, m), 3.95 (1H, br s), 3.52 (1H, d, J = 11 Hz), 2.95 (2H, m), 2.75 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.35 (2H, m), 2.12 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.62 (2H, m), 1.30 (1H, m), 1.22 (3H, d, J = 6.3 Hz), 0.98 (9H, s), 0.95 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.88 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.18 (6H, s)。
LCMS (m/z) 675.43 [M+H], Tr = 5.69 min。
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((Z)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−1−メチル−ブタ−3−エニルエステル(12c)
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(371uL,1.205mmol)を、12a(767mg,1.14mmol)のジクロロメタン(15ml)中の溶液にN
2下0℃で滴下により添加し、そしてこの反応物を60分間撹拌した。これにHunig塩基(793uL,4.55mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温まで温めた。揮発性物質をエバポレートして12bを無色泡状物として得、これをさらに精製せずに使用した。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(96mg,0.57mmol)、続いてN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(131mg,0.68mmol)を、12bおよび3c(138mg,0.57mmol)のアセトニトリル(10ml)中の溶液に添加し、そしてこの反応物を室温で18時間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣をSiO
2のプラグで精製して(酢酸エチル/i−ヘキサン,1:1,600mlで溶出)、溶液を得、これを飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして揮発性物質をエバポレートして、12cを黄色油状物(242mg,53%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.10 (1H, m), 6.60−6.85 (3H, m), 6.30−6.45 (2H, m), 6.25 (2H, m), 5.75 (2H, m), 5.45 (1H, dd, J = 15.2, 8.9 Hz), 5.25 (1H, m), 5.12 (2H, m), 5.00 (1H, q, J = 6.5 Hz), 4.30 (2H, m), 3.87 (1H, dd, J = 9, 2.2 Hz), 3.53 (1H, m), 3.45 (1H, m), 3.50 (3H, s), 3.25 (3H, s), 2.90 (2H, m), 2.75 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.35 (3H, m), 2.15 (1H, m), 2.05 (1H, m), 1.65−1.90 (3H, m), 1.30−150 (5H, m), 1.25 (3H, m), 1.20 (3H, m), 1.05 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.98 (9H, s), 0.75 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.20 (6H, s). LCMS (m/z) 767.43 [M+H], Tr = 5.98 min。
(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,11S,12S,18R,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10,12−ジメトキシ−9,11,18−トリメチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン(12)
Grubbs(I)(33mg,0.04mmol)を、12c(160mg,0.20mmol)のジクロロメタン(100ml)中の溶液に添加し、そしてこの反応物をN
2下で18時間加熱還流した。Grubbs(I)(33mg,0.04mmol)を添加し、そしてこの反応物をさらに24時間加熱還流した。この反応物を冷却し、そしてSiO
2を添加した。その溶媒をエバポレートし、そして得られた残渣をSiO
2(2:1から4:1の酢酸エチル/i−ヘキサン)により精製して、褐色油状物(65mg,42%)を得た。この褐色油状物(65mg,0.084mmol)をTHF(5ml)に溶解させ、そしてテトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中1.0Mの溶液)(422uL,0.422mmol)を添加した。この反応物を室温で1時間撹拌した。SiO
2を添加し、そしてその溶媒をエバポレートした。その残渣をSiO
2(3:1から4:1の酢酸エチル/i−ヘキサン)により精製し、次いでSiO
2(4:1の酢酸エチル/ジクロロメタン)により再度精製して、12を無色固体(20mg,36%)として得た。
1H NMR (300 MHz, MeCN−d
3)δ7.69 (1H, s), 6.90−7.17 (3H, m), 6.65 (2H, m), 5.95−6.20 (2H, m), 5.63 (1H, m), 5.40 (2H, m), 5.05 (1H, m), 4.33 (1H, m), 4.15 (1H, m), 3.95 (1H, m), 3.50−3.75 (2H, m), 3.48 (3H, s), 3.42 (1H, m), 3.24 (2H, m), 3.15 (3H, s), 2.83 (2H, m), 2.67 (1H, m), 2.35−2.60 (2H, m), 1.76 (3H, m), 1.48 (3H, m), 1.30 (3H, d, J = 7.1 Hz), 1.23 (3H, d , J = 6.2 Hz), 0.92 (6H, t, J = 6.5 Hz), 0.72 (3H, d, J = 7.1 Hz). LCMS (m/z) 657.37 [M+H], Tr = 4.97 min。
実施例XIII.化合物13:(E)−(2R,5S,11S,14S,17R,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−2,17−ジメチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エタノール(13a)
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(360mg,0.512mmol)を(R)−1−(3−ブロモ−フェニル)−エタノール(1.03g,5.123mmol)およびトリブチル(ビニル)スズ(1.8ml,6.15mmol)のトルエン(10ml)中の脱気溶液にN
2下で添加し、そしてこの反応物を45℃で18時間撹拌した。トリブチル(ビニル)スズ(2.56mmol,750uL)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.256mmol,180mg)を添加し、そして撹拌を18時間続けた。この反応物を冷却し、そしてその溶媒をエバポレートして残渣を得、これをSiO
2に吸収させた。SiO
2(3:1のi−ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、13aを黄色油状物(675mg,89%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.49 (1H, s), 7.33 (3H, m), 6.75 (1H, dd, J = 17.6, 10.9 Hz), 5.80 (1H, d, J = 17.6 Hz), 5.28 (1H, d, J = 10.7 Hz), 4.93 (1H, m), 1.81 (1H, d, J = 3.1 Hz), 1.52 (3H, d, J = 6.5 Hz)。
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチルエステル(13b)
4−ジメチルアミノピリジン(165mg,1.35mmol)、続いてN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’エチルカルボジイミド塩酸塩(2.16mmol),414mg)を、2f(818mg,1.35mmol)および13a(300mg,2.025mmol)のジクロロメタン(20ml)中の溶液に添加し、そしてこの反応物を室温で18時間撹拌した。この混合物をクエン酸、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そしてその溶媒をエバポレートして、褐色油状物を得た。SiO
2(2:1から1:1のi−ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、13bを無色油状物(537mg,54%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.37 (2H, m), 6.93 (1H, t, J = 9.1 Hz), 6.65−6.85 93H, m), 6.62 (2H, m), 6.47 (1H, d, J = 7.6 Hz), 5.65−5.95 (3H, m), 5.30 (1H, m), 5.05 (1H, br d, J = 7.4 Hz), 4.33 (1H, m), 3.96 (1H, br s), 3.53 (1H, d, J = 11.2 Hz), 2.80−3.05 (3H, m), 2.73 (1H, m), 2.48 (1H, m), 2.12 (1H, q, J = 5.8 Hz), 1.89 (1H, m), 1.81 (1H, m), 1.55 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.46 (9H, s), 1.15−1.40 (2H, m), 0.98 (9H, s), 0.94 (3H, d, J = 6.7Hz), 0.88 (3H, d, J = 6.9Hz), 0.18 (6H, s). LCMS (m/z) 737.35 [M+H], Tr = 5.95 min。
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチルエステル(13d)
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(198uL,1.093mmol)を、13b(537mg,0.729mmol)のジクロロメタン(10ml)中の溶液にN
2下0℃で滴下により添加し、そしてこの反応物を60分間撹拌した。これにHunig塩基(508uL,2.92mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温まで温めた。揮発性物質をエバポレートして13cを蝋状固体として得、これをさらに精製せずに使用した。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(123mg,0.729mmol)、続いてN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(196mg,1.02mmol)を、13cおよび10d(125mg,0.729mmol)のアセトニトリル(10ml)中の溶液に添加し、そしてこの反応物を室温で18時間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を水と酢酸エチルとの間で分配した。その有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、そしてその溶媒をエバポレートした。SiO
2(3:1の酢酸エチル/i−ヘキサン)での精製により、13dを無色泡状物(318mg,55%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ7.74 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.57 (1H, m), 7.25−7.48 (4H, m), 5.83 (3H, m), 7.47 (1H, q, J = 7.4 Hz), 5.25 (2H, m), 4.98 (2H, m), 4.12 (1H, m), 4.02 (1H, m), 3.20 (3H, s), 3.00 (1H, m), 2.84 (1H, m), 2.67 (2H, m), 2.00 (4H, m), 1.83 (1H, m), 1.67 (1H, m), 1.55 (2H, m), 1.46 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.92 (3H, d, J = 8 Hz), 0.92 (9H, s), 0.87 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.77 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.13 (6H, s). LCMS (m/z) 791.41 [M+H], Tr = 6.00 min。
(E)−(2R,5S,11S,14S,17R,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−2,17−ジメチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン(13)
第2世代Grubbs/Hoveyda(25mg,0.04mmol)を、13d(318mg,0.402mmol)のジクロロエタン(150ml)中の溶液に添加し、そしてこの反応物をN
2下で3時間加熱還流した。この反応物を冷却し、そしてSiO
2を添加した。その溶媒をエバポレートし、そして得られた残渣をSiO
2(2:1の酢酸エチル/i−ヘキサン)により精製して、褐色泡状物(214mg,70%)を得た。この褐色油状物(214mg,0.28mmol)をTHF(10ml)に溶解させ、そしてテトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中1.0Mの溶液)(449uL,0.449mmol)を添加した。この反応物を室温で1時間撹拌した。SiO
2を添加し、そしてその溶媒をエバポレートした。その残渣をSiO
2(2:1から3:1の酢酸エチル/i−ヘキサン)により精製し、次いで分取TLC(3:1の酢酸エチル/i−ヘキサン)により再度精製して、13を無色固体(115mg,63%)として得た。
1H NMR (300 MHz, MeCN−d
3)δ8.25 (1H, s), 7.34 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.22 (3H, m), 7.05 (3H, m), 6.96 (2H, m), 6.65 (1H, m), 6.03 (1H, m), 5.75 (2H, m), 5.48 (1H, dt, J = 9.2, 6.2 Hz), 4.36 (1H, br d, J = 13.4 Hz), 4.20 (1H, t, J = 8.5 Hz), 3.97 (1H, d, J = 12.3 Hz), 3.65 (1H, dt, J = 3.1, 11.8 Hz), 3.45 (3H, s), 3.35 (1H, m), 2.89 (2H, d, J = 6.3 Hz), 2.66 (2H, m), 1.60−2.10 (9H, m), 1.57 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.31 (3H, d, J = 7.4 Hz), 0.97 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.96 (3H, d, J = 6.9 Hz)。
LCMS (m/z) 649.35 [M+H], Tr = 4.96 min。
実施例14.
化合物14a:3−クロロ−6−(1−エトキシ−ビニル)−イソキノリン。
6−ブロモ−3−クロロ−イソキノリン(972mg,4mmol)およびトリブチル−(1−エトキシ−ビニル)−スタンナン(2.5g,2.5mL,7mmol)のトルエン(12mL)中の溶液を、窒素で30分間脱気した。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(280mg,0.4mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を50℃で18時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてこの混合物を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの20:1から10:1の勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(964mg)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.51 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 4.01 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.45 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.90 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.85−7.97 (m, 2H), 8.04 (s, 1H), 0.94 (s, 1H). LCMS (m/z) 234/236 [M+H], Tr = 5.40 min。
化合物14b:1−(3−クロロ−イソキノリン−6−イル)−エタノン。
3−クロロ−6−(1−エトキシ−ビニル)−イソキノリン(934mg,4mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)および塩酸(2M,5mL)中の溶液を、室温で30分間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その有機抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの9:1から4:1の勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(732mg,89%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ2.77 (s, 3H), 7.88 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.15 (dd, J = 8.5, 1.4 Hz, 1H), 8.37 (br s, H), 9.17 (s, 1H). LCMS (m/z) 206/208 [M+H], Tr = 4.40 min。
化合物14c:(R)−1−(3−クロロ−イソキノリン−6−イル)−エタノール。
ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)二量体(3mg,0.005mmol)および(1R,2R)−(−)−N−p−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(4.4mg,0.012mmol)を脱気水(2mL)に懸濁させ、そしてこの混合物を窒素で15分間脱気した。この混合物を窒素下70℃で90分間撹拌した。得られた黄色溶液を室温まで冷却した。1−(3−クロロ−イソキノリン−6−イル)−エタノン(206mg,1mmol)、ギ酸ナトリウム(340mg,5mmol)および脱気テトラヒドロフラン(1mL)を添加し、そしてこの反応混合物を窒素で5分間脱気した。この反応混合物を40℃で2.5時間激しく撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの4:1から2:1の勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(193mg,92%)を白色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ1.60 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 2.14 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 5.08−5.16 (m, 1H), 7.63 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.77 (br s, 1H), 7.96 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 9.04 (s, 1H). LCMS (m/z) 208/210 [M+H], Tr = 4.25 min。
化合物14d:(R)−1−(3−ビニル−イソキノリン−6−イル)−エタノール。
1,4−ジオキサン(5mL)を窒素で脱気し、(R)−1−(3−クロロ−イソキノリン−6−イル)−エタノール(208mg,1mmol)、トリブチル(ビニル)スズ(951mg,0.9mL,3mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(70mg,0.1mmol)を添加し、そしてこの反応混合物をマイクロ波反応器中150℃で1時間加熱した。さらなるトリブチル(ビニル)スズ(0.3mL,1mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(70mg,0.1mmol)を添加し、そしてこの反応混合物をマイクロ波反応器中150℃で1時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてこの混合物を濾過助剤で濾過し、そしてそのフィルタパッドを酢酸エチルで洗浄した。その濾液をエバポレートし、そしてその残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの4:1から2:1の勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィー、続いてイソ−ヘキサン/酢酸エチルの3:1を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(100mg,50%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.60 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 2.11 (br s, 1H), 5.10 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 5.52 (dd, J = 10.6, 1.6 Hz, 1H), 6.40 (dd, J = 17.2, 1.6 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 17.2, 10.7 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.58 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.78 (br s, 1H), 7.94 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 9.19 (s, 1H). LCMS (m/z) 200 [M+H], Tr = 1.50 min。
化合物14e:(S)−1−[(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−((S)−3−メチル−2−ペンタ−4−エノイルアミノ−ブチリルアミノ)−プロピオニル]−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル。
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(2.21g,3mmol)のジクロロメタン(30mL)中の溶液を、窒素下0℃で撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.00g,0.82mL,4.5mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を0℃で40分間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.55g,2.1mL,12mmol)を添加し、そしてその溶媒をエバポレートして、(S)−1−{(S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(3mmol)を得、これを粗製のまま次の工程で使用した。粗製(S)−1−{(S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(3mmol)のアセトニトリル(30mL)中の混合物を窒素下0℃で撹拌した。4−ペンテン酸(330mg,3.3mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.55g,2.1mL,12mmol)を添加し、続いて2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム(1.6g,4.2mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を室温で3時間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その有機抽出物を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの3:1から1:3の勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.46g,68%)をガム状物質として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.20 (s, 6H), 0.92 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.94 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 0.99 (s, 9H), 1.50−2.50 (m, 10H), 2.80−3.02 (m, 3H), 3.50 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 4.20−4.26 (m, 1H), 4.31 (dd, J = 8.5, 6.0 Hz, 1H), 4.62 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.92 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 5.03 (dd, J = 10.2, 1.5 Hz, 1H), 5.10 (dd, J = 17.2, 1.5 Hz, 1H), 5.70−5.90 (m, 2H), 6.10 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.68−6.74 (m, 2H), 6.82 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 7.8 Hz, 1H). LCMS (m/z) 719/721 [M+H], Tr = 3.89 min。
実施例16,化合物16
(E)−(2R,5S,11S,14S,17R,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−2,17−ジメチル−3,9,12,15,28−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン。
化合物16a:[(R)−1−(3−ブロモ−フェニル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(R)−ブロモ−α−メチルベンジルアミン(1.023g,5.112mmol)のジクロロメタン(20mL)中の溶液を、トリエチルアミン(720μL,5.112mmol)およびジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.784g,8.179mmol)で順番に処理した。室温で一晩撹拌した後に、揮発性物質を減圧中で除去し、そしてその残渣を、イソ−ヘキサン/Et2Oの1:0から4:1の連続勾配を用いて50g Isoluteカートリッジを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.552g,100%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.43 (br s, 12H), 4.77 (br s, 2H), 7.16−7.26 (m, 2H), 7.39 (dt, J = 2.0, 7.1 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H)。
化合物16b:[(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(R)−1−(3−ブロモ−フェニル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(10.26g,0.0342mol)およびトリブチル(ビニル)スタンナン(32.5g,30mL,0.103mol)のトルエン(175mL)中の溶液を、窒素で30分間パージし、その後、ビス(トリフェニルホスフィンパラジウムIIクロリド(2.38g,0.0034mol)を添加した。この撹拌混合物を60℃で16時間加熱し、その後、室温まで冷却した。この反応混合物をhyflo−supercelで濾過し、次いでエバポレートして、暗色油状物を得た。この油状物をイソ−ヘキサン/酢酸エチル(19:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(6.95g,82%)を黄色油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.39−1.51 (m, 12H), 4.80 (br s, 2H), 5.24−5.32 (m, 1H), 5.77 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.73 (dd, J = 17.6, 10.9 Hz, 1H), 7.18−7.36 (m, 4H)。
化合物16c:(R)−1−(3−ビニルフェニル)エチルアミン塩酸塩
[(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(6.95g,28.1mmol)の1,4−ジオキサン(30mL)中の溶液を調製し、そして1,4ジオキサン中の塩化水素の溶液(4M,60mL)を添加した。この反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでエバポレートにより乾固させた。得られた固体をトルエンに再溶解させ、そしてエバポレートした。この固体をジエチルエーテルで粉砕し、このジエチルエーテルをデカンテーションにより除去した。次いで、この固体を減圧下で乾燥させて、表題化合物(4.96g,96%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (300 MHz, d6−DMSO)δ1.52 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 4.32−4.44 (m, 1H), 5.32 (d, J = 10.9 Hz, 2H), 5.91 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.74 (dd, J = 17.6, 10.9 Hz, 1H), 7.35−7.48 (m, 3H), 7.70 (s, 1H), 8.60 (br s, 3H)。
化合物16d:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル。
化合物16dを、化合物14eと同じ様式で、(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチルヘプタ−6−エン酸10dを4−ペンタン酸の代わりに使用して、76%の収率で調製した。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.20 (s, 6H), 0.93 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.96 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.99 (s, 9H), 1.18 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.52 (m, 2H), 1.62−1.96 (m, 4H), 2.10−2.23 (m, 3H), 2.34−2.54 (m, 2H), 2.83 (m, 2H), 2.99 (m, 1H), 3.35 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 3.41 (s, 3H), 3.51 (m, 1H), 4.26−4.31 (m, 2H), 4.63 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 4.92 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 4.98 (dd, J = 10.3, 1.8 Hz, 1H), 5.06 (dd, J = 17.2, 1.8 Hz, 1H), 5.71−5.91 (m, 2H), 6.52 (m, 2H), 6.71 (m, 2H), 6.84 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 8.0 Hz, 1H). LCMS (m/z) 791/793 [M+H], Tr = 6.04 min。
化合物16e:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸[(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチル]−アミド。
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(560mg,0.71mmol)のテトラヒドロフラン(16mL)中の溶液に、亜鉛粉末(1.0g,15.6mmol)を添加し、続いて酢酸アンモニウム(817mg,10.6mmol)の水(7mL)中の溶液を添加した。この反応混合物を室温で24時間激しく撹拌した。この反応混合物をセライトで濾過し、そしてそのフィルタパッドをジクロロメタンで洗浄した。その水層を2Mの塩酸でpH4〜5まで酸性化し、そしてこの混合物をジクロロメタンで抽出した。その有機層を合わせ、そして疎水性フリットに通すことにより乾燥させた。その溶媒をエバポレートし、そして乾燥させて、(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(480mg)を得、これを粗製のまま次の工程で使用した。LCMS (m/z) 661 [M+H], Tr = 5.46 min。
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(480mg,0.72mmol)、(R)−1−(3−ビニルフェニル)エチルアミン塩酸塩(159mg,0.86mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(372mg,0.5mL,2.88mmol)のアセトニトリル(20mL)中の混合物を、窒素下室温で撹拌した。2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム(380mg,1mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を室温で24時間撹拌した。酢酸エチルおよび水を添加した。その水層を分離し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)からニートな酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(331mg,58%)を白色泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, CD3CN)δ0.20 (s, 6H), 0.81 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.82 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.99 (m, 9H), 1.03 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.40 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.45−2.20 (m, 7H), 2.50−2.70 (m, 2H), 2.75−2.85 (m, 1H), 2.95−3.15 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 3.30−3.35 (m, 1H), 3.95−4.15 (m, 2H), 4.25−4.35 (m, 1H), 4.93−5.10 (m, 4H), 5.25 (dd, J = 10.9, 0.9 Hz, 1H), 5.28 (dd, J = 10.9, 0.9 Hz, 1H), 5.49−5.58 (m, 1H), 5.81 (dd, J = 17.6, 0.9 Hz, 1H), 5.83 (dd, J = 17.6, 0.9 Hz, 1H), 6.54−6.61 (m, 1H), 6.70−6.84 (m, 5H), 7.10 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.24−7.43 (m, 6H). LCMS (m/z) 790 [M+H], Tr = 5.91 min。
実施例16,化合物16
(E)−(2R,5S,11S,14S,17R,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−2,17−ジメチル−3,9,12,15,28−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
第2世代Hoveyda−Grubbs触媒(22mg,0.035mmol)を、(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸[(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチル]−アミド(276mg,0.35mmol)の1,2−ジクロロエタン(135mL)中の撹拌溶液に添加し、そしてこの反応混合物を窒素下80℃で3時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、シリカゲルを添加し、そしてこの反応混合物をエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)からニートな酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(E)−2R,5S,11S,14S,17R,18R)−11−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−14−イソプロピル−18−メトキシ−2,17−ジメチル−3,9,12,15,28−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン(59mg,22%)をガム状物質として得た。LCMS (m/z) 762 [M+H], Tr = 5.01 min。
(E)−(2R,5S,11S,14S,17R,18R)−11−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−14−イソプロピル−18−メトキシ−2,17−ジメチル−3,9,12,15,28−ペンタ−アザトリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン(59mg,0.077mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中の溶液を、窒素下0℃で撹拌した。テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリドの溶液(テトラヒドロフラン中1M,0.12mL,0.123mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を0℃で10分間撹拌した。シリカゲルを添加し、そしてその溶媒をエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(1:3)からニートな酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。その残渣をエーテルで粉砕し、そして得られた固体を集め、エーテルで洗浄し、そして乾燥させて、表題化合物(30mg,60%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3CN)δ0.94 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.30 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.45 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.55−2.20 (m, 9H), 2.62−2.68 (m, 2H), 2.81−2.98 (m, 2H), 3.26−3.38 (m, 2H), 3.45 (s, 3H), 3.96 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 4.17 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.34−4.39 (m, 1H), 4.80−4.90 (m, 1H), 5.50−5.56 (m, 1H), 5.85 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.01−6.08 (m, 1H), 6.66−6.69 (m, 1H), 6.86−7.30 (m, 10H), 8.15−8.25 (br s, 1H). LCMS (m/z) 648 [M+H], Tr = 4.30 min。
実施例17,化合物17
(E)−(1S,14R,15R,18S,21S)−21−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−18−イソプロピル−14−メトキシ−15−メチル−3−オキサ−6,17,20,23,27−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−5,7,9(28),10−テトラエン−2,16,19,22−テトラオン
化合物17a:(4−ブロモ−ピリジン−2−イル)−メタノール。
水素化ホウ素ナトリウム(763mg,20.17mmol)を、4−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(1.98g,9.166mmol)のエタノール(50mL)中の溶液に窒素下で少しずつ添加し、そしてこの反応混合物を室温で18時間撹拌した。この反応をアセトン(10mL)の添加によりクエンチし、そしてこの反応物を15分間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を水と酢酸エチルとの間で分配した。その水層を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機物を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒をエバポレートして、表題化合物(1.61g,94%)を黄色油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ3.4−3.5 (br s, 1H), 4.80 (s, 2H), 7.40 (dd, J = 5.4, 1.8 Hz, 1H), 7.50 (br m, 1H), 8.39 (d, J = 5.4 Hz, 1H). LCMS (m/z) 188/200 [M+H], Tr = 1.55 min。
化合物17b:(4−ビニル−ピリジン−2−イル)−メタノール。
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(94mg,0.134mmol)を(4−ブロモ−ピリジン−2−イル)−メタノール(252mg,1.34mmol)およびトリブチル(ビニル)スズ(0.588mL,2.01mmol)のトルエン(10mL)中の脱気溶液に窒素下で添加し、そしてこの反応混合物を50℃で18時間撹拌した。さらなるトリブチル(ビニル)スズ(0.176mL,0.67mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(47mg,0.067mmol)を添加し、そして撹拌を窒素下80℃で18時間続けた。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてシリカゲルを添加した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの1:2から1:4の勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(282mg,1.34mmol)を黄色油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ3.60−3.80 (br s, 1H), 4.78 (s, 2H), 5.52 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 6.01 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.69 (dd, J = 17.6, 10.9 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 8.52 (d, J = 5.4 Hz, 1H)。
化合物17c:(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸4−ビニル−ピリジン−2−イルメチルエステル。
酢酸アンモニウム(548mg,7.11mmol)を、(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(750mg,1.016mmol)および亜鉛粉末(664mg,10.16mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)および水(7mL)中の混合物に添加し、そしてこの反応混合物を室温で3日間撹拌した。この混合物をセライトで濾過し、そしてその残渣を酢酸エチルで洗浄した。その有機層をクエン酸水溶液および水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒をエバポレートして、(S)−1−[(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−((S)−3−メチル−2−ペンタ−4−エノイルアミノ−ブチリルアミノ)−プロピオニル]−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(599mg,97%)を無色泡状物として得、これを粗製のまま次の工程で使用した。
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(265mg,1.38mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(60mg,0.494mmol)を、(S)−1−[(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−((S)−3−メチル−2−ペンタ−4−エノイルアミノ−ブチリルアミノ)−プロピオニル]−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(599mg,0.987mmol)および(4−ビニル−ピリジン−2−イル)−メタノール(1.34mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に添加し、そしてこの反応混合物を室温で18時間撹拌した。この溶液を水性クエン酸および飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒をエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(1:4)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(386mg,54%)を無色泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.20 (s, 6H), 0.88 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.94 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.97 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 1.5−2.2 (m, 7H), 2.6−3.1 (m, 3H), 3.55−3.65 (m, 1H), 3.92−3.98 (m, 1H), 4.25−4.35 (m, 1H), 5.07 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.27−5.31 (m, 2H), 5.57 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.72−5.80 (m, 1H), 6.03 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.67−6.82 (m, 4H), 7.05−7.10 (m, 1H), 7.37 (s, 1H), 8.56 (d, J = 5.1 Hz, 1H). LCMS (m/z) 724 [M+H], Tr = 5.75 min。
化合物17d:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸4−ビニル−ピリジン−2−イルメチルエステル。
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸4−ビニル−ピリジン−2−イルメチルエステル(377mg,0.52mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液を、窒素下0℃で撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(173mg,0.14mL,0.78mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を0℃で1時間撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(268mg,0.36mL,2.08mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を室温まで温めた。その溶媒をエバポレートして、(S)−1−[(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−((S)−2−ホルミルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−プロピオニル]−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸4−ビニル−ピリジン−2−イルメチルエステル(0.52mmol)を得、これを粗製のまま次の工程で使用した。LCMS (m/z) 624 [M+H], Tr = 4.30 min。
粗製(S)−1−[(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−((S)−2−ホルミルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−プロピオニル]−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸4−ビニル−ピリジン−2−イルメチルエステル(0.52mmol)および(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチルヘプタ−6−エン酸10d(90mg,0.52mmol)のアセトニトリル(10mL)中の混合物を室温で撹拌した。N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(140mg,0.73mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(20%の水を含有,85mg,0.52mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を室温で4時間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。その有機抽出物を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(1:3)からニートな酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(271mg,67%)をガム状物質として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.17 (s, 6H), 0.86−0.98 (m, 15H), 1.17 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.5−2.2 (m, 11H), 2.45−3.00 (m, 5H), 3.33−3.44 (m, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.60 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.27−4.33 (m, 2H), 4.97 (dd, J = 10.2, 1.7 Hz, 1H), 5.05 (dd, J = 17.2, 1.7 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.56 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.73−5.87 (m, 2H), 6.03 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.66−6.82 (m, 4H), 7.04−7.10 (m, 1H), 7.31 (s, 1H), 8.56 (d, J = 5.1 Hz, 1H). LCMS (m/z) 778 [M+H], Tr = 5.78 min。
実施例17,化合物17
(E)−(1S,14R,15R,18S,21S)−21−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−18−イソプロピル−14−メトキシ−15−メチル−3−オキサ−6,17,20,23,27−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−5,7,9(28),10−テトラエン−2,16,19,22−テトラオン
第2世代Hoveyda−Grubbs触媒(22mg,0.035mmol)を、(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸4−ビニル−ピリジン−2−イルメチルエステル(276mg,0.35mmol)の1,2−ジクロロエタン(130mL)中の撹拌溶液に添加し、そしてこの反応混合物を窒素下80℃で3時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、シリカゲルを添加し、そしてその溶媒をエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)からニートな酢酸エチルの勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(E)−(1S,14R,15R,18S,21S)−21−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−18−イソプロピル−14−メトキシ−15−メチル−3−オキサ−6,17,20,23,27−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−5(28),6,8,10−テトラエン−2,16,19,22−テトラオン(160mg,61%)を白色固体として得た。LCMS (m/z) 750 [M+H], Tr = 5.58 min。
(E)−(1S,14R,15R,18S,21S)−21−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−18−イソプロピル−14−メトキシ−15−メチル−3−オキサ−6,17,20,23,27−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−5(28),6,8,10−テトラエン−2,16,19,22−テトラオン(160mg,0.21mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中の溶液を、窒素下0℃で撹拌した。テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリドの溶液(テトラヒドロフラン中1M,0.34mL,0.34mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を0℃で15分間、次いで室温で15分間撹拌した。シリカゲルを添加し、そしてその溶媒をエバポレートした。その残渣を、酢酸エチルから酢酸エチル/アセトン(9:1)の勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(88mg,65%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3CN)δ0.97 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.32 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 1.60−2.20 (m, 9H), 2.55−2.89 (m, 4H), 3.28−3.34 (m, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.62−3.69 (m, 1H), 4.19−4.41 (m, 3H), 5.19 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.58−5.65 (m, 1H), 5.83 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.30−6.39 (m, 1H), 6.51 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.75−6.81 (m, 1H), 7.01−7.07 (m, 3H), 7.22−7.28 (m, 2H), 8.02 (s, 1H), 8.39 (d, J = 5.1 Hz, 1H)。
LCMS (m/z) 636 [M+H], Tr = 4.18 min。
実施例18,化合物18
(E)−(1S,14R,15R,18S,21S)−21−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−18−イソプロピル−14−メトキシ−15−メチル−3−オキサ−8,17,20,23,27−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−,7,9(28),10−テトラエン−2,16,19,22−テトラオン
化合物18a:(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−メタノール。
化合物18aを、化合物17aと同じ様式で、2−ブロモ−イソニコチン酸メチルエステルを4−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの代わりに使用して、87%の収率で調製した。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ2.00−2.30 (br s, 1H), 4.76 (s, 2H), 7.26 (dd, J = 5.0, 0.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 5.0 Hz, 1H)。
化合物18b:(2−ビニル−ピリジン−4−イル)−メタノール。
化合物18bを、化合物17bと同じ様式で、化合物18aを化合物17aの代わりに使用して、72%の収率で調製した。1H NMR (300 MHz, d6−DMSO)δ4.53 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 5.41−5.47 (m, 2H), 6.21 (dd, J = 17.4, 1.6 Hz, 1H), 6.80 (dd, J = 17.4, 10.7 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 8.46 (d, J = 5.1 Hz, 1H). LCMS (m/z) 136 [M+H], Tr = 0.75 min。
化合物18c:(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2−ビニル−ピリジン−4−イルメチルエステル。
化合物18cを、化合物17cと同じ様式で、化合物18bを化合物17bの代わりに使用して、44%の収率で調製した。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.18 (s, 6H), 0.88 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.97 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 1.50−2.60 (m, 7H), 2.80−3.05 (m, 3H), 3.48−3.52 (m, 1H), 3.94−3.98 (m, 1H), 4.20−4.28 (m, 1H), 5.05 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 5.19 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 5.54 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.75−5.83 (m, 1H), 6.25 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.67−6.90 (m, 4H), 7.05−7.14 (m, 2H), 8.60 (d, J = 4.9 Hz, 1H). LCMS (m/z) 724 [M+H], Tr = 5.30 min。
化合物18d:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2−ビニル−ピリジン−4−イルメチルエステル。
化合物18dを、化合物17dと同じ様式で、化合物18cを化合物17cの代わりに使用して、84%の収率で調製した。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.17 (s, 6H), 0.91 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.94−0.97 (m, 12H), 1.18 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.45−2.20 (m, 11H), 2.45−3.01 (m, 5H), 3.31−3.37 (m, 1H), 3.41 (s, 3H), 3.51 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 4.20−4.33 (m, 2H), 4.95−5.21 (m, 4H), 5.54 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.73−5.90 (m, 2H), 6.26 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 6.50−6.55 (m, 1H), 6.69 (br s, 2H), 6.80−6.90 (m, 2H), 7.04−7.13 (m, 2H), 8.60 (d, J = 5.1 Hz, 1H). LCMS (m/z) 778 [M+H], Tr = 5.65 min。
実施例18,化合物18
(E)−(1S,14R,15R,18S,21S)−21−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−18−イソプロピル−14−メトキシ−15−メチル−3−オキサ−8,17,20,23,27−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−,7,9(28),10−テトラエン−2,16,19,22−テトラオン。
化合物18を、化合物17と同じ様式で、化合物18dを化合物17dの代わりに使用して、32%の収率で調製した。1H NMR (300 MHz, CD3CN)δ0.97 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.32 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 1.60−2.20 (m, 9H), 2.55−2.90 (m, 4H), 3.28−3.34 (m, 1H), 3.47 (s, 3H), 3.60−3.66 (m, 1H), 4.20−4.40 (m, 3H), 5.16 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.30 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.57−5.65 (m, 1H), 5.92 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 6.61−6.71 (m, 2H), 6.77−6.82 (m, 1H), 7.00−7.06 (m, 4H), 7.28 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.41 (d, J = 4.9 Hz, 1H). LCMS (m/z) 636 [M+H], Tr = 3.20 min。
実施例19.化合物19
化合物19a:(R)−6−ブロモ−インダン−1−オール
化合物19aを、化合物14cと同じ様式で、3−ブロモインダノンを1−(3−クロロ−イソキノリン−6−イル)−エタノン14bの代わりに使用して、95%の収率で調製した。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ1.76 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 1.97 (dddd, J = 5.6, 6.9, 8.5, 12.7 Hz, 1H), 2.53 (dddd, J = 4.4, 6.9, 8.0, 12.9 Hz, 1H), 3.01 (ddd, J = 4.5, 8.7, 16.0 Hz, 1H), 2.84 (m, 1H), 5.24 (app q, J = 6.2 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 1.8, 8.2 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 0.9 Hz, 1H)。
化合物19b:(R)−6−ビニル−インダン−1−オール
化合物19bを、化合物14dと同じ様式で、(R)−6−ブロモ−インダン−1−オール(19a)を(R)−1−(3−クロロ−イソキノリン−6−イル)−エタノール(14c)の代わりに使用して、30%の収率で調製した。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.65 (br s, 1H), 1.98 (dddd, J= 5.4, 6.7, 8.5, 13.8 Hz, 1H), 2.53 (dddd, J = 4.7, 6.7, 8.2, 13.1 Hz, 1H), 2.89 (m, 1H), 3.06 (ddd, J = 4.7, 8.7, 16.0 Hz, 1H), 5.30 (m, 2H), 5.75 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 6.75 (dd, J = 10.7, 17.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 1.6, 7.8 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H)。
化合物19c:(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−6−ビニル−インダン−1−イルエステル
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(658mg,1.086mmol)2f(先に記載されるように調製した)(R)−6−ビニル−インダン−1−オール(208.7mg,1.303mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(132.7mg,1.086mmol)の無水ジクロロメタン(20mL)中の溶液を、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(340.6mg,1.738mmol)で処理した。室温で一晩撹拌した後に、揮発性物質を減圧中で除去し、そしてその残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの1:0から1:1の連続勾配を用いて50g Isoluteカートリッジを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(762mg,95%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.13−0.22 (m, 6H), 0.86−0.99 (m, 15H), 1.47 (s, 10H), 1.72−1.91 (m, 3H), 1.99−2.20 (m, 2H), 2.43−2.60 (m, 2H), 2.66−2.78 (m, 1H), 2.81−3.01 (m, 3H), 3.04−3.17 (m, 1H), 3.91−4.01 (m, 1H), 4.33 (br d, J = 12.7 Hz, 1H), 5.03−5.11 (m, 1H), 5.22−5.33 (m, 1H), 5.70−5.82 (m, 2H), 6.21 (dd, J = 3.6, 6.9 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.57−6.65 (m, 2H), 6.68−6.74 (m, 1H), 6.75−6.85 (m, 2H), 6.92 (app t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H). LCMS (m/z) 771.4 [M+Na], Tr = 6.05 min。
化合物19d:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−6−ビニル−インダン−1−イルエステル
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−6−ビニル−インダン−1−イルエステル(761.6mg,1.017mmol)の無水ジクロロメタン(20mL)中の冷却(0℃)溶液を、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(370μL,2.033mmol)で処理した。0℃で1時間後、この反応混合物をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(710μL,4.068mmol)で処理し、そして揮発性物質を減圧中で除去して、対応するアミンを黄色固体として得た。この粗製アミンに、(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン酸10d(175.1mg,1.017mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(710μL,4.068mmol)およびアセトニトリル(20mL)を添加した。この反応混合物を0℃まで冷却し、そして2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム(541.4mg,1.424mmol)で処理した。室温で一晩撹拌した後に、揮発性物質を減圧中で除去し、そしてその残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの1:0から1:2の連続勾配を用いて50g Isoluteカートリッジを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(507mg,62%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.14−0.21 (m, 6H), 0.89−1.00 (m, 15H), 1.18 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.34−1.56 (m, 2H), 1.62−1.91 (m, 4H), 2.10−2.23 (m, 3H), 2.40−2.61 (m, 3H), 2.63−2.77 (m, 1H), 2.84−3.01 (m, 4H), 3.03−3.17 (m, 1H), 3.32−3.45 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.58 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 5.6, 8.9 Hz, 2H), 4.97 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.27 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.69−5.90 (m, 3H), 6.21 (dd, J = 3.6, 6.9 Hz, 1H), 6.50 (app t, J = 7.3 Hz, 2H), 6.60 (s, 1H), 6.67−6.74 (m, 1H), 6.75−6.81 (m, 2H), 6.91 (app t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 1.6, 7.8 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H). LCMS (m/z) 825.4 [M+Na], Tr = 6.08 min。
実施例19,化合物19
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−6−ビニル−インダン−1−イルエステル(507mg,0.631mmol)のジクロロエタン(200mL)中の溶液を、第2世代Hoveyda−Grubbs触媒(40mg,0.063mmol)で処理した。2時間還流しながら撹拌した後に、さらなる触媒(40mg,0.063mmol)をこの反応混合物に添加した。4時間還流した後に、この混合物を室温まで冷却した。数すくい(a few scoops)のシリカゲルを添加し、そして揮発性物質を減圧中で除去した。その大環状物質を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの1:0から1:2の連続勾配で溶出する25g Isoluteカートリッジを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、その大環状物質を混合物中で得た。この混合物を即座に無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、そしてテトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン中1M,1.1mL,1.066mmol)で処理した。1.5時間後、揮発性物質を減圧中で除去し、そしてそしてその残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの1:0から0:1の連続勾配で溶出する25g Isoluteカートリッジを使用するシリカクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(60mg,14%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, d6−DMSO)δ0.74−0.91 (m, 10H), 1.15 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.25−1.45 (m, 2H), 1.50−1.76 (m, 5H), 1.84−2.12 (m, 2H), 2.17−2.32 (m, 1H), 2.54−2.65 (m, 3H), 2.68−3.04 (m, 5H), 4.11−4.25 (m, 2H), 5.14 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.59−5.73 (m, 1H), 6.09−6.24 (m, 2H), 6.30−6.48 (m, 5H), 6.99 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.21−7.37 (m, 3H), 8.02 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 9.04 (s, 1H). LCMS (m/z) 661.4 [M+H], 684.4 [M+Na], Tr = 5.26 min。
実施例20,化合物20
(2R,5S,11S,14S,17R,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−2,17−ジメチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),23,25−トリエン−4,10,13,16−テトラオン
(E)−(2R,5S,11S,14S,17R,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−2,17−ジメチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),21,23,25−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン(12mg,0.0185mmol)の、10%炭素担持パラジウム(10mg)を含む酢酸エチル(2mL)中の溶液を、室温および圧力で1時間水素化した。この反応混合物を濾過助剤で濾過し、そしてそのフィルタパッドを酢酸エチルで洗浄した。その濾液をエバポレートし、そしてその残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(4:6)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(5.6mg,47%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CD3CN)δ0.95 (d, J = 6.7 Hz, 6H), 1.28 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 1.54 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.30−2.30 (m, 13H), 2.55−2.60 (m, 1H), 2.75−2.91 (m, 3H), 3.26−3.32 (m, 1H), 3.44 (s, 3H), 3.50−3.57 (m, 1H), .4.00 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.17−4.30 (m, 2H), 5.48−5.56 (m, 1H), 5.77 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 6.66 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.02−7.15 (m, 7H), 7.22 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.95−8.05 (br s, 1H). LCMS (m/z) 651 [M+H], Tr = 5.20 min。
実施例21,化合物21.
(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,11S,12S,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−10,12−ジメトキシ−6−(4−メトキシ−ベンジル)−9,11−ジメチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン
化合物21a:(S)−1−{(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオン酸(618mg,2.20mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.6mL,9.15mmol)をアセトニトリル(12ml)に溶解させた。この溶液にO−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスフェート(902mg,2.38mmol)を添加した。(S)−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(612mg,1.83mmol)(JACS 2003,125,p.3849)をアセトニトリル(8mL)に溶解させ、そしてこの反応混合物に添加した。この反応物を室温で18時間撹拌し、その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。相を分離し、その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒をエバポレートして、油状物を得た。これを、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(2:1〜1:1)の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色油状物(726mg,76%)を得た。この油状物をアセトン(10mL)に溶解させ、そしてイミダゾール(151mg,2.2mmol)およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(271mg,1.8mmol)を添加した。この反応物を室温で24時間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣をジエチルエーテルと水との間で分配した。層を分離し、その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒をエバポレートして、油状物を得た。これを、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(3:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(670mg,76%)を無色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ0.20 (s, 3H), 0.21 (s, 3H), 0.99 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 1.78−1.88 (m, 1H), 1.90−2.00 (m, 1H), 2.46−2.57 (m, 1H), 2.68−2.80 (m, 1H), 2.82−2.96 (m, 2H), 3.57−3.65 (m, 1H), 4.38−4.44 (m, 1H), 4.67 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.90 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 5.19−5.24 (m, 1H), 5.44−5.55 (m, 1H), 6.67−6.74 (m, 2H), 6.84 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.16 (app t, J = 7.8 Hz, 1H)。
化合物21b:(S)−1−{(S)−2−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(341μL,1.89mmol)を、(S)−1−{(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(670mg,1.05mmol)のジクロロメタン(15mL)中の溶液に滴下によりN2下0℃で添加し、そしてこの反応物を85分間撹拌した。これにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(730μL,4.19mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温まで温めた。揮発性物質をエバポレートして無色泡状物を得、これをアセトニトリル(15mL)に溶解させた。この溶液にO−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスフェート(477mg,1.26mmol)、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオン酸(340mg,1.15mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(730μL,4.19mmol)を添加し、そしてこの反応物を18時間撹拌した。揮発性物質をエバポレートし、そしてその残渣をpH=7の緩衝液と酢酸エチルとの間で分配した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして揮発性物質をエバポレートした。その残渣を、イソ−ヘキサン/酢酸エチルの3:1から1:1の勾配を使用するシリカクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(570mg,67%)を無色泡状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.18 (s, 6H), 1.00 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 1.45−1.60 (m, 2H) 1.73−1.83 (m, 1H), 1.85−1.95 (m, 1H), 2.30 (br s, 1H), 2.65−3.00 (m, 5H), 3.50 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 4.24−4.37 (m, 2H), 4.65 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 4.95 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 4.96−5.04 (m, 1H), 5.62−5.75 (m, 1H), 6.45 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.64−6.75 (m, 2H), 6.78−6.86 (m, 3H), 7.07−7.16 (m, 3H). LCMS (m/z) 817.3 [M+H], Tr = 5.89 min。
化合物21c:(S)−1−{(S)−2−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ブタ−3−エニルエステル
水素化ナトリウム(6mg,0.139mmol)を、(S)−1−{(S)−2−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(570mg,0.698mmol)および3−ブテン−1−オール(601μL,6.98mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中の溶液に添加し、そしてこの反応物を窒素下50℃で18時間撹拌した。この反応物を冷却し、そしてこの混合物をシリカゲルのプラグに通して(酢酸エチル,50mLで2回溶出)、表題化合物(438mg,85%)を無色油状物(438mg,85%)として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.20 (s, 6H), 1.00 (s, 9H), 1.10−140 (m, 2H), 1.40 (s, 9H), 1.72−1.86 (m, 2H), 2.33−2.46 (m, 3H), 2.60−3.05 (m, 5H), 3.50 (d, 11.4 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 4.15−4.35 (m, 4H), 4.95 (br s, 1H), 5.09−5.19 (m, 2H), 5.60−5.70 (m, 1H), 5.71−5.87 (m, 1H), 6.42 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.62−6.80 (m, 3H), 6.82 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.07−7.16 (m, 3H). LCMS (m/z) 739.40 [M+H], Tr = 5.82 min。
化合物21d:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((Z)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエノイルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ブタ−3−エニルエステル
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(193μL,1.07mmol)を、(S)−1−{(S)−2−[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ブタ−3−エニルエステル(438mg,0.59mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に窒素下0℃で滴下により添加し、そしてこの反応物を60分間撹拌した。これにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(412μL,2.37mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温まで温めた。揮発性物質をエバポレートして無色泡状物を得、これをアセトニトリル(10mL)に溶解させた。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(100mg,0.59mmol)を添加し、続いてN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(136mg,0.71mmol)および(E)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエン酸(144mg,0.59mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温で18時間撹拌した。その溶媒をエバポレートし、そしてその残渣を酢酸エチルに懸濁させた。これを飽和塩化アンモニウム、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒をエバポレートした。その残渣をシリカゲルのプラグに通して溶出すること(酢酸エチルで溶出)により精製して、表題化合物を黄色油状物(326mg,64%)として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.18 (s, 6H), 0.75 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 0.98 (s, 9H), 1.02 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 1.36−1.50 (m, 3H), 1.65−1.86 (m, 3H), 2.27−2.36 (m, 1H), 2.42 (app q, J = 6.7 Hz, 2H), 2.60−3.00 (m, 4H), 3.13 (dd, J = 6.2, 13.4 Hz, 1H), 3.25 (s, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.37−3.52 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.78−3.85 (m, 1H), 4.11−4.23 (m, 2H), 4.27−4.37 (m, 1H), 4.63 (app q, J = 6.0 Hz, 1H), 5.09−5.30 (m, 4H), 5.46 (dd, J = 8.7, 15.4 Hz, 1H), 5.54−5.64 (m, 1H), 5.71−5.86 (m, 1H), 6.17−6.48 (m, 4H), 6.60−6.64 (m, 1H), 6.68 (dd, J = 1.6, 8.2 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.10 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 8.5 Hz, 1H)。
実施例21,化合物21:(13E,15E)−(3S,6S,9R,10R,11S,12S,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−10,12−ジメトキシ−6−(4−メトキシ−ベンジル)−9,11−ジメチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13,15−ジエン−2,5,8,20−テトラオン
第1世代Grubbs触媒(62mg,0.076mmol)を、(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((Z)−(2R,3R,4S,5S)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−ノナ−6,8−ジエノイルアミノ)−3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ブタ−3−エニルエステル(326mg,0.378mmol)のジクロロメタン(150mL)中の溶液に添加し、そしてこの反応物を窒素下で24時間加熱還流した。この反応物を冷却し、そしてシリカゲルを添加した。その溶媒をエバポレートし、そして得られた残渣を、酢酸エチル/イソ−ヘキサンの勾配(2:1から4:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、褐色油状物(107mg,34%)を得た。この褐色油状物(107mg,0.128mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解させ、そしてテトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン中1.0Mの溶液)(256μL,0.256mmol)を添加した。この反応物を室温で1時間撹拌した。シリカゲルを添加し、そしてその溶媒をエバポレートした。その残渣を、酢酸エチル/イソ−ヘキサンの3:1から4:1の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(62mg,67%)を無色固体として得た。1H NMR (500 MHz, d6−DMSO)δ0.72−0.89 (m, 6H), 0.92−1.02 (m, 3H), 1.12−1.20 (m, 1H), 1.21−1.32 (m, 2H), 1.38−1.54 (m, 2H), 1.62−1.73 (m, 2H), 1.77−1.84 (m, 0.5H), 1.86−1.93 (m, 0.5H), 2.63−2.92 (m, 4H), 2.98−3.05 (m, 1.5H), 3.07−3.12 (m, 1H), 3.13−3.19 (m, 3H), 3.35−3.44 (m, 1H), 3.48−3.59 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.98−4.21 (m, 2H), 4.26−4.38 (m, 0.5H), 4.42−4.50 (m, 0.5H), 4.84−4.96 (m. 0.5H), 5.01−5.15 (m, 0.5H), 5.32−5.42 (m, 1H), 5.44−5.56 (m, 1H), 5.57−5.64 (m, 0.5H), 5.74−5.85 (m, 0.5H), 6.03−6.16 (m, 1H), 6.18−6.27 (m, 0.5H), 6.35−6.46 (m, 0.5H), 6.50−6.67 (m, 3H), 6.75−6.85 (m, 2H), 6.93−7.11 (m, 2H), 7.13−7.27 (m, 1.5H), 7.51−7.66 (m, 0.5H), 7.85−8.01 (m, 0.5H), 8.05−8.17 (m, 0.5H), 8.31 (s, 0.5H), 9.12−9.28 (m, 1H). LCMS (m/z) 721.32 [M+H], Tr = 4.91 min。
実施例22,化合物22:(E)−(2R,5S,11S,14S,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−2−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
化合物22a:(R)−3−メトキシ−ヘプタ−6−エン酸メチルエステル
(R)−3−ヒドロキシ−ヘプタ−6−エン酸(J.C.S.Chem.Commun.1983,599−600,0.4g,2.77mmol)の無水ジクロロメタン(20mL)中の撹拌溶液を、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(1.64g,11.08mmol)および1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(3.56g,16.62mmol)で処理した。この反応物を窒素雰囲気下室温で16時間撹拌し、次いで2Mの塩酸(30mL)および酢酸エチル(50mL)で処理した。この混合物を濾過して不溶性の固体を除去し、その後、2つの層を分離した。その水層をさらなる酢酸エチル(30mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、黄色ガム状物を得、これをイソ−ヘキサン/酢酸エチル(17:3)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(225mg,47%)を無色油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ1.51−1.75 (m, 2H), 2.07−2.25 (m, 2H), 2.38−2.62 (m, 2H), 3.36 (s, 3H), 3.58−3.75 (m, 1H), 3.71 (s, 3H) 4.91−5.10 (m, 2H), 5.73−5.90 (m, 1H)。
化合物22b:(R)−3−メトキシ−ヘプタ−6−エン酸
(R)−3−メトキシ−ヘプタ−6−エン酸メチルエステル(224mg,1.3mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中の撹拌溶液を調製した。水酸化リチウム(62mg,2.6mmol)の水(2mL)中の溶液を添加した。この反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、次いで2Mの塩酸を添加した。この混合物を酢酸エチル(15mL×2)で抽出した。この抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、表題生成物(263mg,100%)を無色油状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ1.55−1.80 (m, 2H), 2.09−2.21 (m, 2H), 2.46−2.65 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.61−3.72 (m, 1H), 4.96−5.11 (m, 2H), 5.74−5.90 (m, 1H)。
化合物22c:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((R)−3−メトキシ−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチルエステル
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチルエステル(367mg,0.50mmol)の無水ジクロロメタン(10mL)中の撹拌溶液を0℃まで冷却し、次いでトリメタンスルホン酸トリメチルシリル(135μL,2.0mmol)で処理した。この反応混合物を0℃で1.5時間撹拌し、次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(350μL,2.0mmol)を添加し、そしてこの混合物をエバポレートした。その残渣をアセトニトリル(5mL)に溶解させ、そして(R)−3−メトキシ−ヘプタ−6−エン酸を添加し、続いて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(134mg,0.70mmol)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(81mg,0.50mmol)を添加した。この反応物を窒素雰囲気下室温で16時間撹拌した。次いで、これをエバポレートにより乾固させ、その後、酢酸エチル(20mL)と水(20mL)との間で分配した。その水性物質をさらなる酢酸エチル(20mL)で抽出し、その有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートした。その残渣を、酢酸エチル/イソ−ヘキサン(13:7)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(123mg,32%)を無色固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.16 (s, 6H), 0.80−1.00 (m, 17H), 1.34−1.94 (m, 12H), 2.00−2.20 (m, 5H), 2.34−2.53 (m, 3H), 2.63−3.03 (m, 3H), 3.38 (s, 3H), 3.52−3.70 (m, 2H), 4.27−4.38 (m, 2H), 4.92−5.10 (m, 2H), 5.29 (d, J = 10.9Hz, 1H), 5.64−5.98 (m, 2H), 6.52−6.99 (m, 4H), 7.22−7.42 (m, 2H). LCMS (m/z) 777.0 [M+H] Tr= 5.96 min。
化合物22d:(E)−(2R,5S,11S,14S,18R)−11−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−14−イソプロピル−18−メトキシ−2−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((R)−3−メトキシ−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸(R)−1−(3−ビニル−フェニル)−エチルエステル(123mg,0.158mmol)および第2世代Hoveyda−Grubbs触媒(10mg,0.0158mmol)の1,2−ジクロロエタン(60mL)中の撹拌溶液を80℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を冷却し、その後、シリカゲルを添加した。この混合物をエバポレートし、次いで、酢酸エチルを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(54mg,46%)を淡褐色固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.16 (s, 6H), 0.80−1.00 (m, 17H), 1.34−1.94 (m, 12H), 2.00−2.20 (m, 5H), 2.34−2.53 (m, 3H), 2.63−3.03 (m, 3H), 3.38 (s, 3H), 3.52−3.70 (m, 2H), 4.27−4.38 (m, 2H), 4.92−5.10 (m, 2H), 5.29 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.64−5.98 (m, 2H), 6.52−6.99 (m, 4H), 7.22−7.42 (m, 2H). LCMS (m/z) 749.3 [M+H] Tr = 5.91 min。
実施例22,化合物22:(E)−(2R,5S,11S,14S,18R)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18−メトキシ−2−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
(E)−(2R,5S,11S,14S,18R)−11−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−14−イソプロピル−18−メトキシ−2−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン(54mg,0.072mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)中の溶液を、氷浴上で冷却し、その後、テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリド(1M,108μL,0.108mmol)を添加した。この反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(20mL)を添加した。この混合物を酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。この抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、褐色ガム状物(56mg)を得た。このガム状物を、酢酸エチル/イソ−ヘキサン(3:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、無色ガム状物(23mg)を得、これは静置すると結晶化した。その固体を、酢酸エチルを使用するシリカプレートでの分取薄層クロマトグラフィーによりさらに精製して、表題化合物(12mg,26%)を無色固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.97 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.98 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.63 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.66−1.82 (m, 5H), 1.85−2.04 (m, 3H), 2.16−2.35 (m, 1H), 2.53−2.73 (m, 3H), 2.88 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.43 (s, 3H), 3.47−3.60 (m, 3H), 4.24−4.33 (m, 1H), 4.56 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 5.59−5.70 (m, 1H), 5.79−5.95 (m, 2H), 5.98−6.12 (m, 1H), 6.69−6.85 (m, 3H), 6.97 (s, 1H), 7.02−7.36 (m, 6H), 8.18 (s, 1H). LCMS (m/z) 635.3 [M+H] Tr = 5.42 min。
実施例23,化合物23:(E)−(3S,6S,9R,10R,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10−メトキシ−9−メチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13−エン−2,5,8,20−テトラオン
化合物23a:(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ヘキサ−5−エニルエステル
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(2.95g,4.0mmol)および5−ヘキセン−1−オール(4.8mL,40mmol)の無水テトラヒドロフラン(25mL)中の撹拌溶液を調製し、そして水素化ナトリウム(60%,32mg,0.8mmol)を添加した。この撹拌溶液を窒素雰囲気下50℃で16時間加熱した。この溶液を冷却し、そしてシリカゲルのパッドで、酢酸エチルで溶出して濾過した。この溶液をエバポレートして油状物を得、これを減圧下でさらに乾燥させ、次いでトルエンに溶解させ、そして再度エバポレートして、表題生成物(1.926g,70%)を白色非晶質固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.20 (s, 6H), 0.88 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.94 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.98 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 1.39−1.90 (m, 7H), 2.01−2.29 (m, 2H), 2.43−3.77 (m, 4H), 3.89−4.20 (m, 1H), 4.50−4.22 (m, 3H), 4.33 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 4.95−5.13 (m, 4H), 5.68−5.92 (m, 2H), 6.51 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.64−6.87 (m, 3H), 7.12 (t, J = 7.8 Hz, 1H). LCMS (m/z) 689.4 [M+H] Tr = 5.94 min。
化合物23b:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ヘキサ−5−エニルエステル
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ヘキサ−5−エニルエステルの無水ジクロロメタン(12mL)中の溶液を0℃まで冷却し、その後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(242μL,1.088mmol)を添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下0℃で3.5時間撹拌し、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン(480μL,2.903mmol)を添加した。この反応混合物をエバポレートして、粗製アミンを無色ガム状物として得た。(2S,3S)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン酸の無水N,N−ジメチルホルムアミド(6mL)中の溶液を0℃まで冷却し、その後、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(276mg,0.726mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(480μL,2.903mmol)を添加した。これを0℃で20分間撹拌し、その後、この粗製アミンのN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の溶液を添加した。この反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでブライン(20mL)で希釈し、そして酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。その抽出物をブライン(2×15mL)でさらに洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、褐色油状物を得た。この油状物を、酢酸エチル/イソ−ヘキサン(1:1)、次いで酢酸エチル/イソ−ヘキサン(7:3)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(187mg,35%)を白色固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.19 (s, 6H), 0.83−1.00 (m, 7H), 0.98 (s, 9H), 1.16 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.20−1.30 (m, 3H), 1.36−1.55 (m, 3H), 1.58−1.72 (m, 3H), 1.73−1.90 (m, 2H), 2.03−2.24 (m, 4H), 2.41−2.55 (m, 1H), 2.65−3.00 (m, 3H), 3.31−3.44 (m, 1H), 3.39 (s, 3H), 3.57 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 4.05−4.19 (m, 2H), 4.25−4.40 (m, 2H), 4.92−5.10 (m, 4H), 5.65−5.90 (m, 3H), 6.41−6.57 (m, 2H), 6.65 (s, 1H), 6.69 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.11 (t, J = 7.8 Hz, 1H). LCMS (m/z) 743.46 [M+H] Tr = 5.97 min。
化合物23c:(E)−(3S,6S,9R,10R,21S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−6−イソプロピル−10−メトキシ−9−メチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13−エン−2,5,8,20−テトラオン
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸ヘキサ−5−エニルエステル(187mg,0.251mmol)の1,2−ジクロロエタン(83mL)中の撹拌溶液を調製し、そして第2世代Grubbs触媒(19mg,0.025mmol)を添加した。この撹拌溶液を3時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、その後、シリカゲルを添加した。この混合物をエバポレートにより乾固させ、そしてその残渣を、酢酸エチルを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(85.5mg,48%)を褐色ガム状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.19 (s, 6H), 0.87−1.00 (m, 6H), 0.97 (s, 9H), 1.22−1.38 (m, 5H), 1.39−2.25 (m, 13H), 2.31−2.45 (m, 1H), 2.55−2.64 (m, 1H), 2.82−3.03 (m, 2H), 3.14−3.29 (m, 1H), 3.40−3.65 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 4.04−4.19 (m, 3H), 4.37−4.48 (m, 1H), 4.92−5.10 (m, 1H), 5.29−5.61 (m, 2H), 5.64−5.85 (m, 1H), 6.37 (d J = 7.6Hz, 1H), 6.62−6.75 (m, 2H), 6.82 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.06−7.20 (m, 1H). LCMS (m/z) 715.4 [M+H] Tr = 5.81 min。
実施例23,化合物23:(E)−(3S,6S,9R,10R,21S)−3−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−6−イソプロピル−10−メトキシ−9−メチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13−エン−2,5,8,20−テトラオン
(E)−(3S,6S,9R,10R,21S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−6−イソプロピル−10−メトキシ−9−メチル−19−オキサ−1,4,7,25−テトラアザ−ビシクロ[19.3.1]ペンタコサ−13−エン−2,5,8,20−テトラオンの無水テトラヒドロフラン(15mL)中の撹拌溶液を窒素雰囲気下0℃まで冷却し、その後、テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン中の溶液(1M,0.6mL,0.6mmol)を添加した。この反応混合物を室温まで温め、次いで1.5時間撹拌した。この反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(25mL)で処理し、そして酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。この抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、褐色ガム状物(73mg)を得、これを、酢酸エチル/イソ−ヘキサン(1:1)、次いで酢酸エチル/イソ−ヘキサン(3:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、無色ガム状物(22mg)を得た。このガム状物を、酢酸エチルを使用する分取薄層クロマトグラフィーによりさらに精製して、表題生成物(9mg,12%)を無色固体として得た。1H NMR (300MHz, CD3CN)δ0.94 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.96 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.22−1.45 (m, 3H), 1.28 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 1.50−1.70 (m, 5H), 1.76−2.08 (m, 7H), 2.47−2.60 (m, 1H), 2.68−2.92 (m, 2H), 2.82 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 3.21−3.29 (m, 2H), 3.32−3.65 (m, 1H), 3.45 (s, 3H), 4.00−4.37 (m, 4H), 5.10−5.38 (m, 2H), 5.40−5.52 (m, 1H), 6.59−6.70 (m, 2H), 6.78−6.92 (m, 2H), 7.09 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.80 (s, 1H). LCMS (m/z) 601.4 [M+H] Tr = 4.41 min。
化合物24:(E)−(5S,11S,14S,17R,18R)−18−エトキシ−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−17−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
化合物24a:(2R,3R)−1−((1R,5S)−10,10−ジメチル−3,3−ジオキソ−3λ*6*−チア−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.0*1,5*]デカ−4−イル)−3−エトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン−1−オン
(2R,3R)−1−((1R,5S)−10,10−ジメチル−3,3−ジオキソ−3λ*6*−チア−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.0*1,5*]デカ−4−イル)−3−ヒドロキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン−1−オン10b(1.04g,2.92mmol)の無水ジクロロメタン(20mL)中の溶液を調製し、そして1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(1.88g,8.76mmol)を添加し、続いてトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレートの溶液(ジクロロメタン中1M,5.85mL,5.85mmol)を添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下室温で2.5時間撹拌した。さらなる量のトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート(ジクロロメタン中1M,5.85mL,5.85mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温でさらに16時間撹拌した。さらなる量のトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート(ジクロロメタン中1M,5.85mL,5.85mmol)を添加し、そしてこの反応物を室温でさらに24時間撹拌した。この反応混合物を、2Mの塩酸(20mL)で処理した。層を分離し、そしてその水層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、橙色ペースト(1.56g)を得た。このペーストを、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(3:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(245mg,22%)を淡黄色固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.86−0.98 (m, 1H), 0.99 (s, 3H), 1.09−1.31 (m, 5H), 1.21 (s, 3H), 1.32−1.47 (m, 2H), 1.50−1.62 (m, 3H), 1.83−2.29 (m, 6H), 3.34−3.58 (m, 5H), 3.60−3.70 (m, 1H), 3.87−3.95 (m, 1H), 4.91−5.08 (m, 2H), 5.72−5.88 (m, 1H). LCMS (m/z) 384.1 [M+H] Tr = 3.62 min。
化合物24b:(2R,3R)−3−エトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン酸
(2R,3R)−1−((1R,5S)−10,10−ジメチル−3,3−ジオキソ−3λ*6*−チア−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.0*1,5*]デカ−4−イル)−3−エトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン−1−オン(245mg,0.64mmol)のテトラヒドロフラン(12mL)中の溶液に、水酸化リチウム溶液(水性2M,5mL)を添加した。この混合物を16時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、そして2Mの塩酸(15mL)でpH1まで酸性化した。その水層を酢酸エチルで抽出した。この抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、無色ガム状物を得、これをイソ−ヘキサン/エーテル(1:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(78mg,65%)を無色ガム状物として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ1.17 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.20 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.55−1.65 (m, 2H), 2.05−2.30 (m, 2H), 2.72−2.83 (m, 1H), 3.52−3.62 (m, 3H), 4.95−5.10 (m, 2H), 5.75−5.90 (m, 1H)。
化合物24c:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−エトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ビニル−ベンジルエステル
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ビニル−ベンジルエステル(300mg,0.42mmol)の無水ジクロロメタン(9mL)中の溶液を、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(114μL,0.63mmol)で処理した。この反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン(293μL,1.68mmol)を添加した。この反応混合物をエバポレートして、粗製アミンを無色固体として得た。(2R,3R)−3−エトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エン酸(78mg,0.42mmol)の無水ジクロロメタン(8mL)中の溶液を0℃まで冷却し、その後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(293μL,1.68mmol)および2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(160mg,0.42mmol)を添加した。この混合物を0℃で20分間撹拌し、その後、この粗製アミンのジクロロメタン(8mL)中の溶液を添加した。この反応混合物を室温まで温め、そして窒素雰囲気下で16時間撹拌した。この反応混合物をエバポレートし、そしてイソ−ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(200mg,60%)を無色固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.17 (s, 6H), 0.88−0.99 (m, 6H), 0.97 (s, 9H), 1.08−1.30 (m, 8H), 1.34−1.60 (m, 3H), 1.61−1.87 (m, 4H), 2.09−2.26 (m, 3H), 2.38−2.55 (m, 2H), 3.39−3.72 (m, 4H), 4.24−4.36 (m, 2H), 4.91−5.19 (m, 4H), 5.30 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.70−5.90 (m, 3H), 6.53−6.84 (m, 6H), 6.97−7.50 (m, 1H), 7.21−7.44 (m, 4H). LCMS (m/z) 791.4 [M+H] Tr = 6.01 min。
化合物24d:(E)−(5S,11S,14S,17R,18R)−11−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−18−エトキシ−14−イソプロピル−17−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−エトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ビニル−ベンジルエステル(200mg,0.253mmol)の1,2−ジクロロエタン(100mL)中の溶液を調製し、そして第2世代Hoveyda−Grubbs触媒(16mg,0.025mmol)を添加した。この撹拌溶液を1.5時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、その後、シリカゲルを添加した。この混合物をエバポレートにより乾固させ、そして得られた固体を酢酸エチル(6×15mL)で抽出した。この抽出物をエバポレートして褐色ガム状物を得、これを酢酸エチル/イソ−ヘキサン(1:1)、次いで酢酸エチル/イソ−ヘキサン(3:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(128mg,66%)を褐色固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.14 (s, 3H), 0.15 (s, 3H), 0.91−1.01 (m, 5H), 0.94 (s, 9H), 1.20−1.37 (m, 6H), 1.30−1.57 (m, 3H), 1.63−2.00 (m, 5H), 2.10−2.40 (m, 4H), 2.44−2.75 (m, 3H), 2.77−2.99 (m, 2H), 3.34−3.49 (m, 1H), 3.53−3.78 (m, 3H), 4.02−4.14 (m, 2H), 4.43−4.57 (m, 1H), 5.05−5.33 (m, 2H), 5.81−5.95 (m, 1H), 6.23−6.53 (m, 2H), 6.57−6.72 (m, 3H), 6.76−6.86 (m, 1H), 6.99−7.13 (m, 3H). LCMS (m/z) 763.4 [M+H] Tr = 5.95 min。
実施例24,化合物24:(E)−(5S,11S,14S,17R,18R)−18−エトキシ−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−17−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン
テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリドの溶液(1M,0.25mL,0.25mmol)を、(E)−(5S,11S,14S,17R,18R)−11−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−18−エトキシ−14−イソプロピル−17−メチル−3−オキサ−9,12,15,28−テトラアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(26),21,23(27),24−テトラエン−4,10,13,16−テトラオン(128mg,0.168mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)中の撹拌溶液に添加した。この混合物を窒素雰囲気下室温で1時間撹拌し、次いで重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)で希釈した。この混合物を酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。この抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、褐色ガム状物(122mg)を得、これを、酢酸エチル/イソ−ヘキサン(1:1)、次いで酢酸エチル/イソ−ヘキサン(3:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(58mg,53%)を白色固体として得た。1H NMR (300MHz, CDCl3)δ0.80−0.95 (m, 3H), 1.00 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.25 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.36 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.51−1.96 (m, 6H), 1.98−2.12 (m, 2H), 2.13−2.30 (m, 1H), 2.56−2.70 (m, 2H), 2.75−2.89 (m, 2H), 3.00−3.20 (m, 1H), 3.32−3.42 (m, 1H), 3.45−3.63 (m, 1H), 4.26−4.35 (m, 1H), 4.57 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 5.75−5.86 (m, 1H), 6.09−6.15 (m, 1H), 6.42 (d, J = 7.4Hz, 1H), 6.60−6.72 (m, 2H), 6.92 (s, 1H), 7.08 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.21−7.35 (m, 3H), 7.58 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.32 (br s, 1H). LCMS (m/z) 649.3 [M+H] Tr = 5.00 min。
実施例25,化合物25:(5S,11S,14S,17R,18R,19S,20S)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18,20−ジメトキシ−17,19−ジメチル−3,9,12,15,28−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),23,25−トリエン−4,10,13,16−テトラオン。
実施例25a:((S)−1−{(S)−1−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンジル]−2−[(S)−3−(3−ヨード−ベンジルカルバモイル)−テトラヒドロ−ピリダジン−1−イル]−2−オキソ−エチルカルバモイル}−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸2,2,2−トリクロロ−エチルエステル(987mg,1.337mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中の溶液を、重炭酸ナトリウム(337mg,4.011mmol)および3−ヨード−ベンジルアミン(467mg,2.005mmol)で処理した。一晩撹拌した後に、酢酸エチルおよびシリカを添加し、そして揮発性物質を減圧中で除去した。その生成物を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(1:0、次いで1:2)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(374mg,34%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.17 (s, 3H), 0.18 (s 3H), 0.81 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.86 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.97 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 1.61−1.70 (m, 2H), 1.73−1.83 (m, 1H), 1.84−1.94 (m, 1H), 1.96−2.05 (m, 1H), 2.53−2.66 (m, 1H), 2.81−3.01 (m, 3H), 3.34−3.45 (m, 1H), 3.74 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.98−4.09 (m, 1H), 4.31−4.51 (m, 2H), 4.79−4.88 (m, 1H), 5.75 (q, J = 8.7 Hz, 1H), 6.38−6.49 (m, 1H), 6.67−6.73 (m, 1H), 6.74−6.78 (m, 1H), 6.84 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.03−7.15 (m, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.33−7.43 (m, 1H), 7.60 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H)。
実施例25b:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((E)−(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ヨード−ベンジルアミド
化合物25bを、3dと同じ様式で、3aの代わりに25a(374mg,0.46mmol)を使用し、そして3cを5b(292mg,0.40mmol)で置き換えて調製し、表題化合物(150mg,27%,2工程)を得た。LCMS (m/z) 1210.5 [M+H], Tr = 7.02 min。
実施例25,化合物25:(5S,11S,14S,17R,18R,19S,20S)−11−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−14−イソプロピル−18,20−ジメトキシ−17,19−ジメチル−3,9,12,15,28−ペンタアザ−トリシクロ[21.3.1.1*5,9*]オクタコサ−1(27),23,25−トリエン−4,10,13,16−テトラオン
(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((E)−(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジメトキシ−2,4−ジメチル−7−トリブチルスタンナニル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸3−ヨード−ベンジルアミド(150mg,0.124mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(62mL)中の溶液を、室温および窒素の雰囲気下で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.22mL,1.24mmol)、トリフェニルアルシン(28mg,0.09mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加体(26mg,0.02mmol)で処理した。この反応物を、減圧下での凍結および解凍によって、3回脱気した。この反応フラスコをアルミニウム箔で覆い、そして室温で2日間撹拌し、その後、揮発性物質を減圧中で除去した。その生成物を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(2:1)、次いで酢酸エチル/2%メタノールを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(32mg)を赤色油状物として得た。LCMS (m/z) 792.61 [M+H] 814.54 [M+Na], Tr = 5.66 min。この油状物を無水エタノール(1mL)に室温で溶解させ、そして10%炭素担持パラジウム(30mg)で処理した。この反応フラスコを水素でパージし、そしてこの反応物を8時間激しく撹拌した。この反応物をセライトで濾過した。その濾液を水酸化パラジウム(30mg)で処理し、そしてそのフラスコを水素でパージした。さらに30分間の撹拌後、この反応物をセライトで濾過し、そしてその濾液を減圧中で濃縮して、粘性油状物(30mg)を得た。LCMS (m/z) 794.60 [M+H] 816.55 [M+Na], Tr = 5.76 min。溶出した油状物を無水テトラヒドロフラン(0.2mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、そしてテトラヒドロフラン中1.0Mのテトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリドの溶液(0.2mL,0.2mmol)で処理した。0℃で1時間撹拌した後に、この反応物を室温まで温め、そして15分間撹拌し、その後、塩化アンモニウムの飽和溶液でクエンチした。この反応物をジクロロメタンで2回抽出し、その有機物を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物を、ニートな酢酸エチル、次いで酢酸エチル/メタノール(98:2)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(8mg,10%,3工程)を無色粘性油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.94−1.03 (m, 9H), 1.37 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 1.48−1.96 (m, 9H), 2.13−2.24 (m, 1H), 2.61−2.74 (m, 1H), 2.74−2.94 (m, 5H), 2.94−3.15 (m, 2H), 3.21 (s, 3H), 3.35−3.42 (m, 1H), 3.42−3.48 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 4.28 (dd, J = 15.0, 4.9 Hz, 1H), 4.44−4.56 (m, 2H), 6.00−6.13 (m, 1H), 6.22 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.35−6.44 (m, 1H), 6.62−6.75 (m, 2H), 6.89−6.99 (m, 1H), 7.07−7.26 (m, 3H), 7.31−7.38 (m, 1H), 8.13 (br s, 1H), 9.06 (br s, 1H). LCMS (m/z) 680.5 [M+H], 702.48 [M+Na], Tr = 4.89 min。
実施例26,化合物26:(E)−(1S,13R,14R,17S,20S)−20−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−17−イソプロピル−13−メトキシ−14−メチル−3−オキサ−27−チア−16,19,22,26−テトラアザ−トリシクロ[20.3.1.1*5,8*]ヘプタコサ−5,7,9−トリエン−2,15,18,21−テトラオン。
実施例26a:5−ビニル−チオフェン−2−カルバルデヒド
5−ブロモ−チオフェン−2−カルバルデヒド(1g,5.23mmol)の無水トルエン(20mL)中の溶液を、室温および窒素の雰囲気下で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(121mg,0.1mmol)およびトリブチルビニルスズ(2.3mL,7.85mmol)で処理した。この反応物を1時間加熱還流し、その後、これを冷却し、そして揮発性物質を減圧中で除去した。その生成物を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(10:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(623mg,85%)を黄色油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ5.42 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.84 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 17.4, 10.9 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 9.88 (s, 1H)。
実施例26b:(5−ビニル−チオフェン−2−イル)−メタノール
5−ビニル−チオフェン−2−カルバルデヒド(900mg,6.4mmol)の無水メタノール(20mL)中の溶液を窒素の雰囲気下で0℃まで冷却し、そして水素化ホウ素ナトリウム(268mg,7.1mmol)で処理した。この反応物を0℃で5分間、次いで室温で5分間撹拌し、その後、水でクエンチし、そして減圧中で濃縮した。その水層をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機物を疎水性フリットに通して乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その生成物を、イソ−ヘキサン/酢酸エチル(7:1、次いで2:1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(800mg,88%)を無色油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ1.76 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 5.15 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.55 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 17.4, 10.7 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 3.6 Hz, 1H)。
実施例26c:(S)−1−{(S)−2−((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸5−ビニル−チオフェン−2−イルメチルエステル
化合物26cを、3aと同じ様式で、アリルアルコールを26b(317mg,2.23mmol)で置き換えて調製し、表題化合物(600mg,41%)を粘性透明油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.16−0.22 (m, 6H), 0.86−0.92 (m, 6H), 0.98 (s, 9H), 1.42−1.46 (m, 1H), 1.46 (s, 9H), 1.69−1.89 (m, 3H), 2.08−2.19 (m, 1H), 2.41−2.54 (m, 1H), 2.73−3.04 (m, 3H), 3.39−3.58 (m, 1H), 3.90−4.03 (m, 1H), 4.19−4.32 (m, 1H), 4.48 (dq, J = 11.8, 6.2 Hz, 1H), 5.04−5.15 (m, 1H), 5.18 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.24 (ABq, ΔδAB = 0.04, JAB = 12.9 Hz, 2H), 5.58 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.71−5.83 (m, 1H), 6.54−6.64 (m, 1H), 6.64−6.73 (m, 2H), 6.75−6.84 (m, 2H), 6.86 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.05 (t, J = 7.6 Hz, 1H). LCMS (m/z) 729.41 [M+H], Tr = 5.93 min。
実施例26d:(S)−1−{(S)−3−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−2−[(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−ヘプタ−6−エノイルアミノ)−3−メチル−ブチリルアミノ]−プロピオニル}−ヘキサヒドロ−ピリダジン−3−カルボン酸5−ビニル−チオフェン−2−イルメチルエステル
化合物26dを、10eと同じ様式で、10aを26c(500mg,0.69mmol)で置き換えて調製し、表題化合物(160mg,30% 2工程)を透明粘性油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.19 (2 x s, 6H), 0.92 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 0.96 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 0.97−1.01 (m, 9H), 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.39−1.59 (m, 2H), 1.60−1.88 (m, 4H), 2.10−2.24 (m, 3H), 2.41−2.55 (m, 2H), 2.74−3.03 (m, 3H), 3.30−3.39 (m, 1H), 3.39−3.45 (m, 3H), 3.46−3.56 (m, 1H), 4.26−4.36 (m, 1H), 4.48 (dq, J = 11.8, 6.2 Hz, 1H), 4.98 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 5.05 (dd, J = 17.2, 1.3 Hz, 1H), 5.19 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.24 (ABq, ΔδAB = 0.04 JAB = 12.9 Hz, 2H), 5.58 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 5.70−5.91 (m, 2H), 6.49−6.74 (m, 4H), 6.76−6.84 (m, 2H), 6.86 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.01−7.17 (m, 1H). LCMS (m/z) 783.42 [M+H], 806.48 [M+Na], Tr = 5.86 min。
実施例26,化合物26:(E)−(1S,13R,14R,17S,20S)−20−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−17−イソプロピル−13−メトキシ−14−メチル−3−オキサ−6−チア−16,19,22,26−テトラアザ−トリシクロ[20.3.1.1*5,8*]ヘプタコサ−5(27),7,9−トリエン−2,15,18,21−テトラオン
化合物26を、10と同じ様式で、10eを26d(150mg,0.19mmol)で置き換えて調製し、表題化合物(5mg,4% 2工程)を粘性淡褐色油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.82−0.89 (m, 6H), 0.99 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.62−1.78 (m, 4H), 1.92−2.10 (m, 4H), 2.19−2.38 (m, 2H), 2.58−2.83 (m, 3H), 3.13−3.30 (m, 2H), 3.35−3.45 (m, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.72 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 4.18−4.27 (m, 1H), 4.51−4.62 (m, 1H), 5.40 (ABq, ΔδAB = 0.15 JAB = 12.1 Hz, 2H), 5.64−5.85 (m, 2H), 6.34 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 6.39 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.63−6.73 (m, 2H), 6.84 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.89 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 9.4 Hz, 1H). LCMS (m/z) 641.41 [M+H], 663.36 [M+Na], Tr = 4.74 min。
生物学的実施例
ペプチジル−プロピルイソメラーゼ(PPIアーゼ)活性の阻害
PPIアーゼアッセイは、Janowskiら、(Anal.Biochem.1997,252,299)によって報告された手順に基づいた。アッセイバッファー(35mM HEPES pH7.8、50μM DTTおよび0.01% NP40を含有する1980μLの溶液)をオーバーヘッド式撹拌器を備えた石英セル内で10℃へと予備平衡化を行った。この溶液に、10μLのDMSO中化合物(最終濃度:0.5% DMSO)を加え、次いで、シクロフィリンAの2μMストック溶液5μL(最終濃度:5nM)を加えた。反応は、トリフルオロエタノール中0.5M LiClの溶液に溶解させた40mMのテトラペプチドSucc−AAPF−pNA 5μL(100μMの最終濃度)を添加することにより開始した。反応を開始すると、ペプチド基質の吸光度を、Beckman Coulter DU800分光光度計を用いて5分間にわたり330nmでモニターした。進行曲線を単一指数的減衰モデルに当てはめて、速度を計算した。IC50値は、GraphPad Prismソフトウェアを用い、4パラメータロジスティックフィット(four−parameter logistic fit)を用いて計算した。
シクロフィリンA TR−FRET競合結合アッセイ
阻害剤の効力は、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)の読出しと共に競合結合アッセイを用いて測定した。35mM HEPES pH7.8、100mM NaCl、0.01% NP−40(Pierce)、1mM DTTおよび1% DMSOからなる反応バッファーに、以下を添加した:8×ヒスチジンアフィニティタグ(CypA)でN末端を修飾したシクロフィリンA 5nM;Cy5フルオロフォアに結合したリンカーで修飾したシクロスポリンA(CsA−Cy5) 150nM;Eu標識抗(6×His)抗体(Perkin−Elmer) 1nM;および様々な濃度のうちの1つの試験化合物。アッセイ溶液の総容量は100μLであった。2時間のインキュベーションの後、Perkin Elmer Envisionプレートリーダーを用いてTR−FRETを測定した(340nmで励起を、590nmおよび665nmで発光を測定した)。シグナルは、665nmにおける発光の、590nmにおける発光の比として計算した。IC50値は、4パラメータロジスティックフィットを用いて計算した。
試験すると、本発明の特定の化合物は、以下の表1に列挙されるとおりにシクロフィリン結合を阻害することが分かった。IC50は、Aが≦100nM、Bが101〜1000nM、そしてCが1001〜10,000nMの範囲として示される。
抗ウイルス活性
本発明の別の局面は、本発明の組成物を使用して、ウイルス感染阻害を必要とすると考えられるサンプルまたは被験者を処置する工程を含む、ウイルス感染阻害の方法に関連する。
本発明の文脈では、ウイルスを含むと疑われるサンプルとしては、生存生物;組織または細胞培養物;生物学的材料サンプル(血液、血清、尿、脳脊髄液、涙液、痰、唾液、組織サンプルなど)などの生体サンプル;実験室サンプル;食物、水または空気サンプル;細胞(特に、望ましい糖タンパク質を合成する組換え細胞)の抽出物などの生物学的生成物サンプルなどの天然または人工材料が挙げられる。代表的に、サンプルは、ウイルス感染を誘発する有機体(しばしば腫瘍ウイルスなどの病原性有機体)を含むことが疑われる。サンプルは、水および有機溶媒/水の混合物を含む任意の媒体中に含まれ得る。サンプルとしては、ヒトなどの生存生物、および細胞培養物などの人工材料が挙げられる。
所望であれば、組成物を付けた後の本発明の化合物の抗ウイルス活性は、このような活性を検出する直接的方法および間接的方法が挙げられる任意の方法によって観察され得る。このような活性を決定する定量的、定性的、および半定量的方法は、すべて意図されている。代表的には、上記のスクリーニング方法の一つが適用されるが、生存生物の生理的特性の観察などの他の任意の方法も適用できる。
本発明の化合物の抗ウイルス活性は、公知である標準的スクリーニングプロトコルを使用して測定され得る。例えば、化合物の抗ウイルス活性は、以下の一般的プロトコルを使用して測定され得る。
細胞ベースのフラビウイルス免疫検出アッセイ
BHK21またはA549細胞をトリプシン処理し、計数して、2%ウシ胎仔血清(FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したHams F−12培地(A549細胞)中、またはRPMI−1640培地(BHK21細胞)中、2×105細胞/mLに希釈する。透明96ウェル組織培養プレートに、1ウェルあたり2×104個の細胞を分配して、37℃、5%CO2の環境に一晩置く。翌日、さまざまな濃度の試験化合物の存在下、感染の多重度(MOI)0.3で細胞にウイルスを1時間感染させ、37℃で5%CO2の環境にさらに48時間置く。細胞をPBSで1回洗浄し、冷メタノールで10分間固定する。PBSで2回洗浄した後、固定細胞を、1% FBSおよび0.05% Tween−20を含むPBSで室温で1時間ブロックする。次いで、一次抗体溶液(4G2)を、1% FBSおよび0.05% Tween−20を含むPBS中、1:20〜1:100の濃度で3時間加える。その後細胞をPBSで3回洗浄し、続いて西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)接合抗マウスIgG(Sigma、1:2000希釈)と共に1時間インキュベーションする。PBSで3回洗浄後、各ウェルに2分間、50マイクロリットルの3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質溶液(Sigma)を加える。0.5M硫酸を加えて反応を停止させる。ウイルス量定量のために、プレートの450nmでの吸光度を読み取る。測定後、細胞をPBSで3回洗浄し、ヨウ化プロピジウムと共に5分間培養する。細胞数定量のために、Tecan SafireTMリーダー(励起537nm、発光617nm)でプレートを読み取る。平均吸光度対試験化合物の濃度の対数で、用量依存曲線をプロットする。非線形回帰分析でEC50を計算する。N−ノニル−デオキシノジリマイシンなどの陽性対照を使用し得る。
細胞ベースのフラビウイルス細胞変性効果アッセイ
西ナイルウイルスまたは日本脳炎ウイルスに対する試験については、BHK21細胞をトリプシン処理し、2% FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI−1640培地中、4×105細胞/mLの濃度に希釈する。デングウイルスに対する試験では、Huh7をトリプシン処理し、5% FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM培地中、4×105細胞/mLの濃度に希釈する。1ウェルあたり50マイクロリットルの細胞懸濁液(2×104個の細胞)を、96ウェルオプティカルボトムPITポリマーベースプレート(Nunc)に分配する。培養培地中、37℃、5%CO2で、細胞を一晩成長させ、次いで、異なる濃度の試験化合物の存在下、西ナイルウイルス(例えばB956株)または日本脳炎ウイルス(例えば、中山株)にMOI=0.3で、またはデングウイルス(例えば、DEN−2 NGC株)にMOI=1で感染させる。ウイルスおよび化合物を含むプレートを、さらに37℃、5%CO2で72時間インキュベートする。インキュベーションの終了時に、100マイクロリットルのCellTiter−GloTM試薬を各ウェルに加える。オービタルシェーカーで内容物を2分間混合し、細胞溶解を誘発する。プレートを室温で10分間インキュベートし、発光信号を安定化させる。プレートリーダーを使用して発光の読み取り値を記録する。N−ノニル−デオキシノジリマイシンなどの陽性対照を使用し得る。
デング感染のマウスモデルにおける抗ウイルス活性
化合物を、デングウイルス感染のマウスモデルでインビボで試験する(Schulら,J.Infectious Dis.2007;195:665−74)。6〜10週齢のAG129マウス(B&K Universal Ltd,Hll,UK)を個別に換気ケージに入れる。マウスに0.4mLのTSV01デングウイルス2懸濁液を腹腔内注射する。イソフルラン麻酔下、眼窩後穿刺で血液サンプルを採取する。血液サンプルを、最終濃度が0.4%になるようにクエン酸ナトリウムを含む試験管に採取し、直ちに6000gで3分間遠心分離して結晶を得る。780マイクロリットルのRPMI−1640培地で血漿(20マイクロリットル)を希釈し、プラークアッセイ分析のために液体窒素中でスナップ凍結する(snap frozen)。残りの血漿は、サイトカインおよびNS1タンパク質レベルの測定のために取っておく。デングウイルス血症を発症するマウスが数日に渡って増え、感染後3日目にピークになる。
抗ウイルス活性を試験するために、本発明の化合物を、例えば10%エタノール、30% PEG 300および60% D5W(水中の5%デキストロース、または6NのHCl(1.5当量):1N NaOH(pHを3.5に調整):100mMクエン酸緩衝液(pH3.5)(0.9%v/v:2.5%v/v:96.6%v/v)などのビヒクル液体に溶解する。6〜10週齢のAG129マウス36匹を、それぞれ6匹のマウスを含む6つのグループに分ける。すべてのマウスを上記のようにデングウイルスに感染させる(0日目)。グループ1は、0日目(デング感染直前に初回投与)に開始して3日間連続して、0.2mg/kgの本発明の化合物をマウスあたり200mL、1日2回経口胃管投与(早朝に1回および午後遅くに1回)する。グループ2、3、4には、それぞれ化合物の1mg/kg、5mg/kgおよび25mg/kgを、同様に投与した。(2R,3R,4R,5R)−2−(2−アミノ−6−ヒドロキシ−プリン−9−イル)−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオールなどの陽性対照を使用し、前のグループと同じ方法で1マウスあたり200マイクロリットルを経口胃管投与し得る。さらなるグループをビヒクル液体のみで治療する。
感染後3日目に、イソフルラン麻酔下、眼窩後穿刺によって約100マイクロリットルの血液サンプル(クエン酸ナトリウムで凝固防止した)をマウスから採取する。遠心分離で各血液サンプルから血漿を取得し、プラークアッセイ分析のために液体窒素でスナップ凍結させる。収集した血漿サンプルを、Schulらに記述されるようにプラークアッセイで分析する。サイトカインもSchulによって記述されるように分析する。PlateliaTMキット(BioRad Laboratories)を用いて、NS1タンパク質レベルを分析する。抗ウイルス効果は、サイトカインレベルおよび/またはNS1タンパク質レベルの減少によって示される。
代表的には約5〜100倍、より代表的には10〜60倍、最も代表的には20〜30倍、血症の減少が、本発明の化合物5〜50mg/kgの1日2回投与により得られる。
HCVアッセイプロトコル
本発明の化合物の抗HCV活性を、HCVレプリコンを持つヒト肝細胞癌Huh−7細胞株で試験した。アッセイは以下の工程を含んだ:
工程1:化合物の調製および段階希釈
段階希釈を、384ウェルプレートで100% DMSO中で行なった。開始時の最終段階希釈濃度の225倍の化合物を含む溶液を、100% DMSO中で調製し、15uLを、ポリプロピレン384ウェルプレートのカラム3または13の事前に指定されたウェルに加えた。100% DMSO中の500uMのHCVプロテアーゼインヒビター(ITMN−191)を10uL加えたカラム23および24を除いて、残りの384ウェルプレートを10uLの100% DMSOで満たした。HCVプロテアーゼインヒビターを、HCV複製の100%阻害の対照として使用した。次いで、プレートをBiomek FX Workstationに配置して、段階希釈を開始した。段階希釈は、カラム3から12またはカラム13から22の3倍希釈の10サイクルに対して行なわれた。
工程2:細胞培養プレートの調製および化合物の添加
黒いポリプロピレン384ウェルプレートの各ウェルに、Biotek uFlow Workstationを使用して、1600個の懸濁したHuh−7 HCVレプリコン細胞を含む90μLの細胞培地を加えた。Biomek FX Workstation上、0.4μLの体積の化合物溶液を、段階希釈プレートから細胞培養プレートに移した。最終アッセイ条件のDMSO濃度は0.44%であった。プレートを37℃、5%CO2、湿度85%で3日間インキュベートした。
工程3:細胞毒性およびウイルス複製阻害の検出
a)細胞毒性の評価:384ウェル細胞培養プレートの培地をBiotek EL405プレート洗浄機で吸引した。100% PBS中に400nMのカルセイン(Calcein)AMを含む50μLの溶液を、Biotek uFlow Workstationを使用して、プレートの各ウェルに加えた。プレートを室温で30分間インキュベートした後に、Perkin Elmer Envision Plate Readerで蛍光信号(発光490nm、励起520nm)を測定した。
b)ウイルス複製阻害の評価:384ウェル細胞培養プレートのカルセイン−PBS溶液をBiotek EL405プレート洗浄機で吸引した。Biotek uFlow Workstationを使って、プレートの各ウェルに、20μLの体積のDual−Gloルシフェラーゼ緩衝液(Promega,Dual−Glo Luciferase Assay Reagent,カタログ番号E298B)を加えた。プレートを室温で10分間インキュベートした。次いで、Dual−Glo Stop & Glo基質(Promega,Dual−Glo Luciferase Assay Reagent,カタログ番号E313B)およびDual−Glo Stop & Glo緩衝液(Promega,Dual−Glo Luciferase Assay Reagent,カタログ番号E314B)の1:100混合物を含む20μLの溶液を、Biotek uFlow Workstationを使用してプレートの各ウェルに加えた。プレートを室温で10分間インキュベートした後に、Perkin Elmer Envision Plate Readerで発光信号を測定した。
工程4:計算
細胞毒性のパーセントを、カルセインAMの蛍光性生成物への変換によって決定した。DMSO対照ウェルからの平均蛍光信号を、100%無毒と定義した。試験化合物処理ウェルからの個々の蛍光信号を、DMSO対照ウェルからの平均信号で割り、次いで100%を乗じて生存率パーセントを得た。抗HCV複製活性パーセントを、DMSO対照ウェルと比較した試験ウェルからの発光信号によって決定した。バックグラウンド信号を、HCVプロテアーゼインヒビター処理ウェルからの平均発光信号により決定し、試験ウェルおよびDMSO対照ウェルから差し引いた。3倍段階希釈の後、各濃度での阻害%を次の式に当てはめて、EC50およびCC50の値を計算した:
阻害%=100%/[(EC50/[I])b+1]
ここで、bはヒル係数である。参考として、Hill,A.V.,The Possible Effects of the Aggregation of the Molecules of Haemoglobin on its Dissociation Curves,J.Physiol.40:iv−vii.(1910)を参照のこと。
特定の濃度(例えば2μM)での阻害%値も、上記の式から導出され得る。
試験すると、本発明の特定の化合物は、表2に示されるようにウイルスの複製を阻害することがわかった。EC50は、Aが≦1μM、Bが1.1〜10μm、そしてCが10.1〜100μMの範囲として示される。
試験すると、本発明の特定の化合物は、表3に示されるようにウイルスの複製を阻害することがわかった。EC
50は、阻害の%として示される。
本発明の、非限定的であるが好ましい化合物としては、3、5、11および12が挙げられる。
観察された特異的薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、または薬学的キャリアが存在するか否か、ならびに処方物の型および使用される投与形態に従って、そしてこれらに依存して変わり得る。このような予測される結果のバリエーションまたは差は、本発明の実施に従って想定される。
本発明の具体的な実施形態が本明細書中で図示され、詳細に説明されたが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。上記詳細な説明は、本発明の説明として提供されるのであり、本発明のいかなる限定も構成すると解釈されるべきではない。改変が当業者に明らかであり、そして本発明の趣旨から逸脱しない全ての改変は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることが意図される。