JP5846537B2 - 固体酸化物型燃料電池システム - Google Patents
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Description
この構成においては、固体酸化物型燃料電池の温度が所定の温度以下になったか否かを判定し、当該温度が所定の温度以下になったと判定した場合には、再起動許容スイッチがオン操作されていると判定されたときにのみ、起動用ガス送給部により再起動を行う。
本発明の第一の実施形態に係る固体酸化物型燃料電池システムA1は、燃料ポンプ10、蒸発器11、起動燃焼器12、ブロワ13、切り替弁14、熱交換器15、固体酸化物型燃料電池(以下、単に「燃料電池」という。)20、温度センサS1、バッテリ16及びコントローラCを有して構成されている。
なお、図1においては、蒸発器を「VAP」と記し、また、熱交換器を「H/E」と記している。
以下には、「水素含有ガス」を燃料ガス、また、「酸素含有ガス」を空気として説明する。
また、燃料ポンプ10は、コントローラCの出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
なお、空気ブロワ13は、コントローラCの出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
なお、切り替弁14は、コントローラCの出力ポート側に接続されて適宜切り替え駆動されるようになっている。
すなわち、起動燃焼器12で生成した高温の燃焼ガスを熱交換器15を介して燃料電池20に送給するように配管されている。
すなわち、カソード極22から排出された排気ガスは、排出パイプ22aを通じて外部に排出され、アノード極21には、送給パイプ22bを通じて燃料ガスが供給されるようになっている。
バッテリ16は、後述する再起動を行ったときの電力を充電するためのものであり、燃料電池20に接続されている。
本実施形態においては、温度センサS1によって測定した燃料電池20の温度が、所要の温度以下になったか否かを判定している。
「所定の温度」は、再起動を行なうことができる例えば400℃〜500℃であり、上記した空気ブロワ13の能力等によって変動する。
「再起動」とは、起動燃焼器12に空気と燃料ガスを同時に送給することをいう。
本実施形態においては、起動燃焼器12に供給する空気が、起動用ガス送給部B1の一部をなす空気ブロワ13から切り替弁14を介して供給しているので、起動燃焼器12に空気を送給するための別の大型ブロアを搭載しなくてよい。
そこで、本実施形態においては、燃料電池10が所定の温度以下になったら再起動させている。
「所定の温度」とは、カソード極22に送給される空気によって所定の時間内に燃料電池20を起動可能な温度をいう。
本実施形態においては、所定の温度を400℃として再起動することにより、常温からの再起動と比較し、起動時間を1/5に減らすことができた。
バッテリ16が満充電されており、充電ができない場合には、車両内の電力として使用することができる。
(4)燃料電池(発電部)の温度が発電可能温度以上になったと判定したときには、起動燃焼器12への燃料ガスと空気の送給を停止する機能。この機能を「起動用ガス送給停止手段C4」という。
起動燃焼器12に燃料ガスと空気を供給することによって高温の燃焼ガスを生成し、この生成した高温の燃焼ガスを燃料電池20のカソード極22に供給することにより、燃料電池20本体を昇温できる。
ステップ6:燃料電池20、従ってまた、発電部の温度が発電可能温度以上になったか否かを判定し、当該温度が発電可能温度以上になったと判定したときにはステップ7に進み、そうでなければステップ5に戻る。
ステップ8:燃料ガスがアノート極21に送給されているか否かを確認し、送給されていると確認されれば、ステップ9に進んで発電を開始し、そうでなければ当ステップ8を繰り返す。
燃料ポンプ33,水ポンプ34は、それぞれコントローラCの出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
本実施形態においては、蒸発器32、燃料ポンプ33及び水ポンプ34により、改質器30に水素含有ガスと酸素含有ガスを供給する改質器ガス送給部B2を構成している。
(5)改質器の温度を測定する機能。この機能を「改質器温度測定手段C5」という。
本実施形態においては、温度センサS2によって改質器30の温度を測定している。
本実施形態においては、所定の温度を約300℃としている。
改質触媒上で、燃料ガスと空気を供給して酸化反応により水素含有ガスを得るためには、一般的に300℃以上の温度が必要である。改質触媒温度が、300℃以上であることを確認した後、改質器30に燃料ガス及び空気を供給するのが望ましい。所定の温度以上になっていないと、未反応の燃料や酸素がアノード極21に供給され、そのアノード極21に影響を与える可能性がある。
高温の燃焼ガスを燃料電池20のカソード極22に供給することにより、燃料電池20本体を昇温する。
すなわち、起動燃焼器12に燃料ガスと空気を供給することによって高温の燃焼ガスを生成し、この生成した高温の燃焼ガスを燃料電池20のカソード極22に供給することにより、燃料電池20本体を昇温する。
ステップ7:改質器30に燃料ガスと空気を供給する。
改質器30により改質燃料ガスが得られたら、アノード極21に供給することにより、燃料電池20をカソード極22とアノード極21の両側から加熱することができる。これにより、温度分布を小さくできるとともに起動時間を短くすることができる。
ステップ11:改質器30に水蒸気を供給する。
すなわち、燃料電池20が発電可能な温度になったら、起動燃焼器12への燃料ガスと空気の供給を停止し、定常運転に移行する。
その際、改質器30には、水蒸気も供給して空気供給量を減らし、主に水蒸気改質反応による水素含有ガスの生成が行われるようにする。水素含有ガスの生成を確認し、アノード極21に供給,発電することにより再起動が完了する。
・改質器30で得られた改質ガスを燃料ガスとして発電に用いることができる。
・また、起動用燃焼器13に供給する空気が、起動用ガス送給部の一部をなすブロワ13から供給されるので、別の大型ブロアを搭載することなく、再起動可能なシステムを提供することができる。
さらにまた、再起動の際、起動燃焼器13による燃料電池のカソード22側の加熱に加え、改質器30に燃料ガスと空気を供給し、酸化反応を利用して得た水素含有ガスで燃料電池のアノード極21側からも加熱が可能になるため、より短時間での起動が可能となる。
具体的には、500℃で再起動することにより、常温から再起動した場合と比較して、起動時間を1/10に減らすことができた。
アノード排ガス循環部Dは、アノード極21の排出口と混合器43との間に連結した循環パイプ41b、混合器43と熱交換器44との間に連結した循環パイプ43a、及び循環パイプ41bの排ガス流通方向の上流側から下流側に配設したブロワ40,三方弁41から構成されている。
なお、上記したブロワ40,三方弁41は、コントローラCの出力ポート側に接続されて、適宜駆動されるようになっている。
なお、三方弁42は、コントローラCの出力ポート側に接続されて、適宜駆動されるようになっている。
ブロワ45,46は、コントローラCの出力ポート側に接続されて、適宜駆動されるようになっている。
これにより燃料電池システムA3は、水タンクを搭載することなく発電可能となり、車載用システムをより小型化することができる。
また、システム効率を高めることもできる。本システムにおいても、起動燃焼器13に供給する空気を起動用ガス送給部から供給することにより、大型のブロア搭載なしに、再起動にかかる時間を短くすることができる。
・起動燃焼器13に供給する空気が、起動用ガス送給部から供給することにより、起動用に大型ブロアを搭載せずに済む。
・カソード排加熱用ガス返戻路を配設することなく再起動を行なえるので、燃料電池内の温度分布が大きくなることなく、再起動を行なうことができる。
上記した各実施形態において、再起動を許容するための再起動許容スイッチ(ディリーユーザーボタン)を設けておき、その再起動許容スイッチがオン操作されているか否かを判定するためのスイッチ判定手段と、再起動許容スイッチがオン操作されていると判定されたときには、起動用ガス送給部からカソードに送給されるカソードガスを起動燃焼器に供給することができる。
16 バッテリ
20 固体酸化物型燃料電池(燃料電池)
21 アノード極
22 カソード極
30 改質器
A1,A2,A3 固体酸化物型燃料電池システム
B1 起動用ガス送給部
B2,B3 改質器ガス送給部
C1 燃料電池温度判定手段
C2 再起動手段
C3 発電可能温度判定手段
C4 起動用ガス送給停止手段
Claims (7)
- 電解質膜の両側に積層したアノード極とカソード極とにアノードガスとカソードガスを互いに分離して流通させることによる発電を行う固体酸化物型燃料電池と、この固体酸化物型燃料電池を昇温するための高温の燃焼ガスを生成する起動燃焼器と、上記カソード極に送給されるカソードガスを起動燃焼器に供給するための起動用ガス送給部とを設けた固体酸化物型燃料電池システムにおいて、
固体酸化物型燃料電池の温度が所定の温度以下になったか否かを判定する燃料電池温度判定手段と、
当該温度が所定の温度以下になったと判定した場合には、起動用ガス送給部により再起動を行う再起動手段と、
前記再起動手段による再起動を許容するために操作される再起動許容スイッチと、
再起動許容スイッチがオン操作されているか否かを判定するためのスイッチ判定手段とを有し、
再起動許容スイッチがオン操作されていると判定されたときにのみ、起動用ガス送給部によりカソードに送給されるカソードガスを起動燃焼器に供給して再起動を行うことを特徴とする固体酸化物型燃料電池システム。
- 上記所定の温度が、所定の時間内に起動可能な温度であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
- 上記所定の温度が、発電時における固体酸化物型燃料電池の温度の60%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
- 上記所定の温度が、発電時における固体酸化物型燃料電池の温度の75%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
- 上記再起動を行った際の電力を充電するためのバッテリを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
- アノード極に送給する蒸気化した水素含有ガスを改質するための改質器を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
- 改質器に水素含有ガスと酸素含有ガスを供給する改質器ガス送給部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
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