JP5845656B2 - エレベータシステム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータの走行時間を改善することのできるエレベータシステム及びその制御方法に関するものであり、より具体的には、かご起動時の加速特性を改良することで走行時間を短縮することのできるエレベータシステム及びその制御方法に関するものである。
エレベータのかごの走行は、起動(走行開始)直後の加速領域と、その後の等速領域、着床(走行停止)前の減速領域に分けられ、起動から着床までの時間が走行時間(フライトタイム)と称される。
エレベータは、誘導電動機や同期電動機などの交流モータを駆動源として構成され、交流モータをインバータ制御することにより速度制御されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、図3(c)に示すように、予め設定された加速度指令を積分して得られる速度指令をインバータ装置に入力し、交流モータの制御を行なっている。加速度指令は、図に示すように起動時の初期値及び着床時の終了値がゼロである台形波パターンである。なお、図3(c)では、説明を簡略化するために等速領域を省略している。
特許第3255839号
しかしながら、図3(c)に示すように、起動時の初期値をゼロとする台形波パターンの加速度指令によりエレベータの速度制御を行なった場合、起動時の加速度応答及び速度応答は、立ち上がりが緩やかな微速走行期間を有する。この微速走行期間が長くなると、走行時間が長くなる。
また、エレベータのかごの速度情報は、一般的にモータのエンコーダパルスを検出することにより取得されるが、微速走行期間ではエンコーダパルスの間隔が長くなり、速度情報の取得に遅れが生じ、速度制御の安定性が低下する虞がある。
本発明の目的は、台形波パターンの加速度指令の起動時の初期値をカットすることで、微速走行期間を短縮し、走行時間を短縮することのできるエレベータシステム及びその制御方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のエレベータシステムは、
加速度指令を出力する加速度指令手段と、
該加速度指令手段から出力された加速度指令から速度指令を演算して出力する速度指令手段と、
かごを昇降させ、前記速度指令手段からの速度指令に基づき制御されるモータと、
を具えたエレベータシステムにおいて、
加速度指令手段は、かご起動時に初期値がゼロより大きいカット量の台形波パターンの加速度指令を出力するようにしたものである。
前記加速度指令手段は、かご着床時に終了値の絶対値がゼロより大きいカット量の台形波パターンの加速度指令を出力することが望ましい。
さらに、前記加速度指令手段は、かご起動時のカット量をかご着床時のカット量よりも大きい加速度指令を出力することがより望ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明のエレベータの制御方法は、
加速度指令から速度指令を演算し、該速度指令に基づき制御されるかご昇降用のモータを具えたエレベータシステムの制御方法において、
加速度指令は、かご起動時に初期値がゼロより大きいカット量の台形波パターンで出力するようにしたものである。
加速度指令は、かご着床時に終了値の絶対値がゼロより大きいカット量の台形波パターンで出力するようにすることが望ましい。
さらに、加速度指令は、かご起動時のカット量をかご着床時のカット量よりも大きくすることがより望ましい。
本発明のエレベータシステム及びその制御方法によれば、起動時の加速度指令の台形波パターンの初期値をカットすることで、起動時の速度の立ち上がりを急峻とし、加速度応答性、速度応答性を高めることができる。従って、従来に比して、起動時の微速走行期間を短縮することができ、起動から着床までの走行時間を短くすることができる。
上記に加えて、かご着床時の加速度指令の台形パターンの終了値もカットすることで、着床時の着床誤差を小さくすることができ、さらに、かご起動時のカット量を着床時のカット量よりも小さくすることで、かごの速度が進行方向に対してマイナスとなる引き込みを生じさせることができるから、着床時にかごの速度をゼロ速度に早く到達させることができ、加速度応答性及び速度応答性の低い微速走行期間を短縮することができるから、走行時間の短縮を図ることができる。また、微速走行期間が短くなることから、かごの速度制御安定性を高めることができる。
上記のように、起動時、又は、起動時と着床時の微速走行期間を短縮することで、乗り心地が低下することが懸念されるが、速度制御応答遅れ時間程度の加速度指令カット量であれば、シミュレーション結果より乗り心地の低下がなく運転時間の短縮が実現されることを確認している。
図1は、本発明のエレベータシステムの説明図である。 図2は、コントローラのブロック図である。 図3は、加速度指令と速度指令を示すグラフであって、図3(a)は、起動時のみをカットしたパターンA、図3(b)は、起動時及び着床時の両方をカットしたパターンB、図3(c)は、何れもカットしない従来パターンを示している。 図4は、等速領域を持つパターンAの加速度指令、速度指令、加速度応答及び速度応答を示すグラフである。 図5は、等速領域を持つ従来パターンの加速度指令、速度指令、加速度応答及び速度応答を示すグラフである。 図6は、等速領域を持たないパターンAの加速度指令、速度指令、加速度応答及び速度応答を示すグラフである。 図7は、等速領域を持たない従来パターンの加速度指令、速度指令、加速度応答及び速度応答を示すグラフである。 図8は、等速領域を持たないパターンBの加速度指令、速度指令、加速度応答及び速度応答を示すグラフである。 図9は、等速領域を持たないパターンB(改)の加速度指令、速度指令、加速度応答及び速度応答を示すグラフである。 図10は、パターンA及びパターンBの起動時の微速走行時間を示すグラフである。 図11は、従来パターンの起動時の微速走行時間を示すグラフである。 図12は、パターンAの着床時の速度引き込み効果を示すグラフである。 図13は、従来パターンの着床時の速度引き込み効果を示すグラフである。 図14は、パターンA(速度制御ゲイン0.8)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図15は、パターンA(速度制御ゲイン1.0)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図16は、パターンA(速度制御ゲイン1.2)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図17は、パターンB(改)(速度制御ゲイン0.8)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図18は、パターンB(改)(速度制御ゲイン1.0)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図19は、パターンB(改)(速度制御ゲイン1.2)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図20は、従来パターン(速度制御ゲイン0.8)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図21は、従来パターン(速度制御ゲイン1.0)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図22は、従来パターン(速度制御ゲイン1.2)の着床遅れ時間と着床誤差の関係を示すグラフである。 図23は、ソフトウェアの加速終了判断を行なうための走行距離指令値の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1は、本発明を適用することのできるエレベータシステム(10)の説明図である。
図1に示すように、エレベータシステム(10)は、乗員等の乗り込むかご(12)をロープ(14)の一端で牽引し、シーブ(16)を経由して、ロープ(14)の他端にカウンタウェイト(18)を取り付けて構成される。シーブ(16)は、永久磁石式の同期モータ等の交流モータ(20)に連繋され、回転駆動可能となっている。
交流モータ(20)は、三相交流電源(30)、交流電源を直流に変換するコンバータ装置(40)、コンバータ装置(40)の出力を平滑化する平滑コンデンサ(42)、コンバータ装置(40)の出力を可変電圧可変周波数の交流に変換するインバータ装置(50)を組み合わせた駆動制御システムを有している。
交流モータ(20)には、その回転軸の回転を検出するエンコーダ(22)を有し、該エンコーダ(22)からのエンコーダパルス情報を速度情報として後述するインバータ制御回路(52)にフィードバックする。
インバータ装置(50)の制御は、ゲート駆動回路(54)を介して接続されたインバータ制御回路(52)により行なわれる。インバータ制御回路(52)は、後述するコントローラ(60)からの速度指令と、インバータ装置(50)の各相の出力電流を検出する電流検出器(24)からフィードバックされた出力電流と、エンコーダ(22)からの速度情報に基づいて演算を行ない、ゲート駆動回路(54)にインバータ装置(50)を制御するゲート信号を出力する。
コンバータ装置(40)は、三相交流電源から電力供給を受けてインバータ装置(50)へ直流電流を供給する。コンバータ装置(40)は、前記コントローラからの起動指令を受けて作動する。
インバータ制御回路(52)には、コントローラ(60)から予め設定された速度指令が入力される。また、インバータ制御回路(52)には、エンコーダ(22)からの速度情報がフィードバックされると共に、交流モータ(20)に供給される電流がフィードバックされ、ゲート駆動回路(54)を制御する。
コントローラ(60)は、図2のブロック図に示すように、加速度指令を送信する加速度指令手段(62)と、該加速度指令手段(62)から出力された加速度指令を積分し、速度指令を生成してインバータ制御回路(52)に出力する速度指令手段(64)とを有する。
また、その他エレベータシステム(10)には、かご(12)の位置を検知するためにかご(12)の通路に配備された位置センサやブレーキ手段(何れも図示せず)が配備され、コントローラ(60)により制御され、また、コントローラ(60)に各種信号を送信する。
上記構成のエレベータシステムにおいて、コントローラ(60)にエレベータの運転開始命令が入力されると、インバータ装置(50)に起動指令を送信すると共に、予め設定された加速度指令に基づいて加速度指令手段(62)は、加速度指令を速度指令手段(64)に送信し、速度指令手段(64)にて加速度指令が速度指令に積分される。
生成された速度指令は、インバータ制御回路(52)に出力され、エンコーダ(22)からの速度情報と交流モータ(20)に供給される電流のフィードバックから、インバータ装置(50)の運転周波数と電圧を演算し、ゲート駆動回路(54)に対応したゲート信号を送信する。
これにより、インバータ装置(50)から三相交流電力が交流モータ(20)に供給され、シーブ(16)が回転することでかごが昇降する。
上記構成のエレベータシステムにおいて、本発明では、加速度指令手段(62)から送信される加速度の台形波パターンの起動時の初期値と着床時の終了値の台形波パターンの終了値をカット(削除)し、起動時及び着床時の微速走行期間を短縮するようにしたものである。
図3(a)は、起動時のみをカットした加速度指令と、その積分値である速度指令を示している(以下「パターンA」と称する)。また、図3(b)は、起動時及び着床時の両方でカットした加速度指令と、その積分値である速度指令を示している(以下「パターンB」と称する)。また、図3(c)は、起動時及び着床時でカットを行なっていない従来の台形波形の加速度指令と、その積分値である速度指令を示している(以下「従来パターン」と称する)。
起動時の加速度指令の初期値をカットすることで、図3(a)の「パターンA」及び図3(b)の「パターンB」に示すように、起動時の加速性能を図3(c)の「従来パターン」に比して高めることができる。なお、起動時の初期値のカット量は、交流モータ(20)の速度応答の遅れよりも大きくさせることが望ましい。
上記により、起動時の速度指令は大きくなるから、エンコーダ(22)からのエンコーダパルス間隔は短くなり、速度情報を素早く取得することができる。
「パターンA」について、図3(a)を参照すると、減速度波形面積(着床時の加速度指令の値×時間の絶対値)が加速度波形面積(起動時の加速度指令の値×時間の絶対値)よりも大きくなっているから、着床時にかご(12)の進行方向に対して逆方向の速度指令(「逆走指令」と称する)が生じて、ゼロ速度に早く到達させることができ、ゼロ速度に到達した時点でブレーキを締結することにより、着床時の微速走行域を削減できる。これによって、着床側の時間短縮効果を高めることができる。
なお、逆走指令は、速度応答がゼロ速度に到達した時点で終了させるが、ゼロ速度検出からブレーキ締結までの時間に逆方向にかごを走行させて、レベル誤差を生むことで、ブレーキ締結時のショックを低減させることができる。
一方、「パターンB」では、上記パターンAに加えて、着床時の加速度指令の終了値もカットしている。図3(b)の加速度指令では、パターンAと同様に起動時の速度応答性を高めることができ、走行時間の短縮を図ることができる。但し、起動時と着床時のカット量を等量とした場合には、逆走指令の発生はなく、着床時の速度応答はゼロ速度への漸近応答となるから、着床時の時間短縮効果は見込めない。
しかしながら、減速度波形面積が加速度波形面積よりも大きくなるようにカット量調整することで、着床時のゼロ速度への到達を早めることができ、パターンAと同様に微速走行域を削減することができる。
なお、着床時のカット量が大きくなると、着床時に減速度が急変する虞があるが、ブレーキ系やロープ系等の遊びがあるから殆んど乗り心地は変化することはない。
上記「パターンA」及び「パターンB」の加速度指令に基づいてエレベータを制御することで、「従来パターン」に比して起動から着床までの走行時間を短縮することができる。特に、走行距離の短いショートランでは、加速領域と減速領域に対する等速領域の割合が小さいから、加速時間及び/又は減速時間を短縮することで、走行時間に対する時間短縮効果は大きくできる。
以下に示す条件のエレベータシステムにおいて、加減速時のカット量を変えた「パターンA」、「パターンB」及び「従来パターン」の速度応答、加速度応答を測定すると共に、走行時間を比較した。
なお、各ケースにおいて、速度制御応答時定数を0.2sec、ロープ系の影響は無視し、剛体近似でシミュレーションを行っている。これは、数Hz以下の速度応答帯域を対象としたことによるものである。実際のかご内の加速度応答は、本波形より緩やかになることが予想される。
<ケース1>
等速領域を持つ走行:「パターンA」と「従来パターン」の比較
[条件]速度:1.5m/sec→1.5V、加速度:0.6 m/sec→0.6V、加速度変化率:0.8 m/secとし、2フロア運転時(速度:90m/min,走行距離:6375mm)の走行時間を比較した。
なお、「パターンA」については、起動時の加速度指令の立ち上がりを0.3secカットした。
図4及び図5を参照すると、加速度指令に対する加速度応答が、「パターンA」では起動直後に上向きに凸の曲線であり、立ち上がりにおける加速度応答は、加速度指令よりも傾きが大きくなっている。一方、「従来パターン」では下向きに凸であり、立ち上がりにおける加速度応答と加速度指令は略平行であり、「パターンA」の加速特性及び速度特性が大きく改善されていることがわかる。その結果、「パターンA」は2フロア運転相当で0.8secの走行時間短縮ができたことがわかる。この短縮時間は、等速領域が長くなる程、効果は小さくなるが、ショートラン時の効果は大きい。このことは、次のケース2で示す。
<ケース2>
等速領域を持たない走行:「パターンA」と「従来パターン」の比較
[条件]速度:1.13m/sec→1.13V、加速度:0.6 m/sec→0.6V、加速度変化率:0.8 m/sec、1フロア運転時(速度:68m/min,走行距離:3000mm)の走行時間を比較した。
なお、「パターンA」については、起動時の加速度指令の立ち上がりを夫々0.3secカットした。
その結果、図6及び図7に示すように、ケース1と同様の「パターンA」を用いた改善により、1フロア運転相当で前項と同じく0.8sec(約14%)の走行時間短縮が達成されたことがわかる。起動時と着床時の改善によることから、走行距離に影響されない時間短縮効果が得られていることがわかる。
なお、「パターンA」の場合、着床時の減速度急変の乗心地への影響が、若干、懸念されるが、これについては後のケース4で改善策を提示する。
<ケース3>
等速領域を持たない走行:「パターンB」と「従来パターン」の比較
[条件]速度:1.13m/sec→1.13V、加速度:0.6 m/sec→0.6V、加速度変化率:0.8 m/sec、1フロアFL運転時(速度:68m/min,走行距離:3000mm)の走行時間を比較した。
なお、「パターンB」については、起動時及び着床時の加速度指令の立ち上がりを夫々0.3secカットした。
その結果、図8に示すように、「パターンB」の場合、かご着床時の速度応答はゼロ速度への漸近応答となるから、着床側での時間短縮効果、及び微速走行域削減効果は見込めず、走行時間短縮効果も「パターンA」と比較して小さい(0.8sec→0.3sec)。
しかしながら、「パターンA」で懸念された着床時の乗心地については、良好な応答波形(乗心地)が得られていることがわかる。
<ケース4>
等速領域を持たない走行 :「パターンB(改)」
[条件]速度:1.13m/sec→1.13V、加速度:0.6 m/sec→0.6V、加速度変化率:0.8 m/sec、1フロア運転時(速度:68m/min,走行距離:3000mm)の走行時間を比較した。
なお、1フロア運転において、起動時の加速度指令0.3secカット、着床時のカット量を起動時よりも小さい0.25secカットとした。
その結果、図9に示すように、「パターンB(改)」は、ケース3の「パターンB」(図8参照)に比して、着床時に微速逆走指令(11mm/sec)が発生し、ゼロ速度への到達が早くなっていることがわかる。なお、着床時の微速逆走指令は、「パターンA」の場合と同じく、速度応答がゼロ速度に到達した時点で終了させている。
また、走行時間の短縮効果は、「パターンA」(ケース2参照)と同様に0.7secと大きく、一方、着床時の減速度急変も大幅に緩和されるため、乗心地への影響もほとんどないことがわかる。
「パターンB(改)」によれば、着床時のカット量を起動時よりも小さくすることで走行時間短縮効果と着床時の乗心地への影響を調整できる柔軟性を具えていることがわかる。
上記時間短縮は、起動時の速度指令立ち上がりが早まること、及び、着床時の逆走指令発生による速度応答のゼロ速度到達が早まることで実現される。
上記では、着床時の逆走指令(最大36mm/sec)は、速度応答がゼロ速度に到達した時点で終了させているが、これは、ゼロ速度検出からブレーキ締結までの時間に逆方向に走行してレベル誤差を生むこととブレーキ締結時のショックを無くためである。
上記「パターンA」及び「パターンB」に共通する加速度指令をカットしたことによる起動時の微速時間の短縮について、「従来パターン」とさらに比較、検証した。
図10及び図11は、起動時に0.3m/min(0.005m/sec)に達するまでの微速走行時間を比較したものである。
図10及び図11を参照すると、加速度指令をカットしたことで、速度指令の立ち上がりが早まり、微速走行時間が「従来パターン」と比較して55%削減されていることがわかる。
起動時のみ加速度指令をカットし、着床時はカットしない「パターンA」と「従来パターン」について、着床時の速度指令引込み効果を比較、検証した。
検証は、着床位置(レベル)手前の7mm通過後、ブレーキ回路を遮断(0.1m/min以下)するまでの時間遅れを観察することにより行なった。なお、速度制御ゲイン(ASR_GAIN)は共に1とした。
結果を図12及び図13に示すとおり、起動時の加速度指令をカットすることで着床時に逆方向の速度指令が発生し、微速走行時間を短縮することができ、ブレーキ締結を0.4sec早めることができたことがわかる。
<速度制御ゲイン(ASR_GAIN)のと着床時応答>
上記「パターンA」、「パターンB(改)」及び「従来パターン」が速度制御ゲインの着床遅れ時間と着床誤差に与える影響について評価を行なった。速度制御ゲインは、0.8、1.0、1.2に夫々設定した。なお、着床誤差は、速度指令積分値(走行距離指令)に対する誤差を表示している。
また、何れの実施例についても、速度が0.1m/minとなったことが検出されると、速度指令を0ホールドし、ブレーキ締結完了まで位置制御を継続している。
「パターンA」についての結果を図14乃至図16、「パターンB(改)」についての結果を図17乃至図19、「従来パターン」についての結果を図20乃至図22に示している。
図14乃至図16の「パターンA」についての結果を参照すると、速度制御ゲインが変動することによる着床遅れ時間に与える影響は小さいことがわかる。また、着床誤差に影響があるが、その範囲は±1mmの範囲で収まっている。着床時の減速度応答としては問題ない程度であることがわかる。
図17乃至図19の「パターンB(改)」についての結果を参照すると、速度制御ゲイン変動の着床遅れ時間に与える影響は小さいことがわかる。また、着床誤差に影響があるが、その範囲は±1mmの範囲で収まっている。着床時減速度の変化も小さいことがわかる。
図20乃至図22の「従来パターン」についての結果を参照すると、速度制御ゲインの低下により着床遅れ時間が大きくなっていることがわかる。特に、超微速走行状態では摩擦力の影響で一旦停止すると再起動できずレベル誤差が発生する場合があるが、この発生が無ければ速度制御ゲインの着床誤差に与える影響は小さい。
上記した本発明の「パターンA」と「パターンB」について、コントローラ(60)に実装されるソフトの加速終了判断を行なうための走行距離指令値(Scut)は、図23で示す「従来パターン」の走行距離指令値(Snct)
Snct = S5 + S1 + S6 + S2 + S7 + S8
を用いて、
Scut = S1 + S2 - S3 = S0 -ΔV・T0 + S4
T0 = 2・(T1 + Tacc)
但し、ΔV、S4はβとカット量により定まる定数
として表わすことができる。なお、Scutについては、Scutの値が必要走行距離を超えた時点で加速終了と判断している。
等速時の減速開始判断、或いは加速開始時のβ領域での加速終了判断も同様に行なうことができる。つまり、従来の速度制御ソフトで演算されているカットなしの場合の走行距離指令値Snctに(- ΔV・T0 + S4)の補正を追加し、得られるScutの値と必要走行距離を比較して加速終了判断、或いは減速開始判断を行なえばよい。
即ち、「従来パターン」のエレベータシステムに機構的な変更を行なうことなく、ソフトを書き換えるだけで、本発明を適用することができ、走行時間の短縮を図ることができることがわかる。
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、エレベータシステム(10)の構成は上記実施例に限定されるものでなく、また実施例等で例示した数値も本発明をわかりやすく説明するための一例であることは理解されるべきである。
本発明は、走行時間の短縮を図ることのできるエレベータシステム及びその制御方法として有用である。
(10) エレベータシステム
(12) かご
(20) 交流モータ
(30) 交流電源
(40) コンバータ装置
(50) インバータ装置
(52) インバータ制御回路
(60) コントローラ

Claims (6)

  1. 加速度指令を出力する加速度指令手段と、
    該加速度指令手段から出力された加速度指令から速度指令を演算して出力する速度指令手段と、
    かごを昇降させ、前記速度指令手段からの速度指令に基づき制御されるモータと、
    を具えたエレベータシステムにおいて、
    前記加速度指令手段は、かご起動時に初期値が前記モータの速度応答の遅れよりも大きいカット量の台形波パターンの加速度指令を出力することを特徴とするエレベータシステム。
  2. 前記加速度指令手段は、かご着床時に終了値の絶対値がゼロより大きいカット量の台形波パターンの加速度指令を出力する請求項1に記載のエレベータシステム。
  3. 前記加速度指令手段は、かご起動時のカット量をかご着床時のカット量よりも大きい加速度指令を出力する請求項2に記載のエレベータシステム。
  4. 加速度指令から速度指令を演算し、該速度指令に基づき制御されるかご昇降用のモータを具えたエレベータシステムの制御方法において、
    前記加速度指令は、かご起動時に初期値が前記モータの速度応答の遅れよりも大きいカット量の台形波パターンで出力するようにしたことを特徴とするエレベータシステムの制御方法。
  5. 加速度指令は、かご着床時に終了値の絶対値がゼロより大きいカット量の台形波パターンで出力するようにした請求項4に記載のエレベータシステムの制御方法。
  6. 加速度指令は、かご起動時のカット量をかご着床時のカット量よりも大きい請求項5に記載のエレベータシステムの制御方法。
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