JPH07291542A - エレベータ用インバータの速度制御装置 - Google Patents

エレベータ用インバータの速度制御装置

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JPH07291542A
JPH07291542A JP6091098A JP9109894A JPH07291542A JP H07291542 A JPH07291542 A JP H07291542A JP 6091098 A JP6091098 A JP 6091098A JP 9109894 A JP9109894 A JP 9109894A JP H07291542 A JPH07291542 A JP H07291542A
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JP
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deceleration
speed
acceleration
inverter
elevator
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JP6091098A
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English (en)
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Mitsuhiko Iida
光彦 飯田
Koji Yamada
幸治 山田
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Nippon Otis Elevator Co
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Nippon Otis Elevator Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過電流制限レベルにより速度制限しながら走
行時間を短縮する。 【構成】 誘導電動機5をオープンループ制御のインバ
ータ4で加速・定速・減速の速度制御をし、該減速制御
は乗車かご8が着床位置から一定の距離にある減速開始
位置に到達したときに一定の減速度で減速させ着床位置
に停止させるにおいて、インバータの出力電流14、1
5で検出し、この電流が過電流停止レベルより低い過電
流制限レベル領域で増加するほど1から零まで小さくし
た係数値を加速制限演算部16に得、この係数値をCP
U10の乗算器101でインバータの加速指令に乗算し
て加速指令とすることで過電流制限レベル以下にしなが
ら高い速度まで加速を得る。乗車かごが減速開始位置に
達したときから該位置での速度に応じて求める時間だけ
現在速度制御をつづけ、この後に一定の減速度で減速制
御を行うことで減速距離のずれを無くす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータ用インバー
タによる誘導電動機の速度制御装置に係り、特にオープ
ンループ速度制御系による加減速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータの原動機を誘導電動機とし、
この誘導電動機を可変電圧・可変周波数(VVVF)に
なるインバータによって駆動するにおいて、誘導電動機
の速度制御は、一般的には低速エレベータには電圧形イ
ンバータによるオープンループ制御が採用されている。
【0003】オープンループ速度制御方式は、速度パタ
ーンに従ってインバータの出力周波数さらには出力電圧
を制御することによって該速度パターンに一致する加
速,定速及び減速を得ようとする。
【0004】この制御方式では速度検出器を不要にして
低コストになると共に速度検出系の故障に対するバック
アップ手段を不要にするが、電動機速度すなわちエレベ
ータ乗車かごの速度さらには昇降距離データを与える速
度検出系を持たないため、負荷変動(乗員数など)によ
って着床精度を悪くする。
【0005】この問題を解消する速度制御方式として、
エレベータの高速一定領域での直流電流を検出すること
によりすべり周波数を求め、このすべり周波数から電動
機速度補正及びトルク補正し、エレベータかごの着床位
置の精度を上げる方式がある。
【0006】この方式では、エレベータの負荷が大きく
なるほどすべり周波数が大きくなり、インバータの出力
電流を増加させることになる。この出力電流の増加は、
インバータの過電流保護回路を動作させ、エレベータの
運転停止になってしまうことがある。
【0007】そこで、インバータ出力電流が過電流停止
レベルまで増加する前の段階でインバータ出力電流を制
限することが考えられるが、この電流制限では速度パタ
ーンに従った昇降速度から大きく違ってしまい、着床位
置が大きくずれることになる。
【0008】この電流制限をしながら着床位置精度を高
める方式を本願出願人は既に提案している(特開平5−
17079号公報)。
【0009】この方式は、インバータの出力電流が過電
流停止レベルより少し低いレベルに達したときに現在の
速度による定速制御に制限することにより過電流状態を
回避し、このときの速度の不足による着床位置のずれ補
償は、乗車かごが減速開始位置に達したときも定速制御
を予め求めておく時間だけ続け、この後に一定の減速度
で減速することで得る。
【0010】この制御態様は、図6に示すようになる。
実線で示す通常走行での速度と出力電流に対し、破線で
示すように出力電流が過電流制限レベルICLに達したと
き(時刻t1)に現在速度Viに保持し、この速度で減速
開始位置Pbに達したときにもそのままの速度で時間T1
だけ走行したとき(時刻t2)から同じ減速度Dで減速
する。
【0011】時間T1は、以下の式になり、図示の斜線
で示す面積AとBを一致させることで減速開始位置から
着床位置までの距離Lを一致、すなわち着床位置を一致
させる。
【0012】
【数4】T1=(L/Vi)−(Vi/2D) …(1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、過電流
制限レベルに制限した定速制御を行う従来の方式では、
以下のような問題がある。
【0014】(1)インバータの出力電流が過電流制限
レベルに達して速度制限した定速制御に入るため、負荷
が大きくなるほど速度不足も大きくなり、負荷の大きさ
によってはエレベータの定速域の走行時間が長くなって
しまう。
【0015】(2)非常に低速の領域、例えば、エレベ
ータのかごが停止に近い状態で過電流制限レベルに達す
ると、実質上エレベータの停止と同じになってしまう。
【0016】(3)減速に入るまでの定速走行時間T1
には、誘導電動機のすべりの要素が考慮されていないた
め、減速距離Lが大きくなる高速のエレベータではすべ
りに起因する着床位置の誤差が無視できなくなる。
【0017】例えば、減速距離200mm程度の場合に
は誘導電動機のすべりが5%で着床位置の誤差は10m
mであるが、減速距離1000mmのものでは着床位置
誤差が50mmにもなる。
【0018】(4)時刻t2からの減速は、一定の減速
度Dとすることで定速走行時間T1が求められるため、
減速の開始点及び終了点で減速度に大きな変化が生じ、
エレベータの乗り心地を悪くすることがある。
【0019】本発明の目的は、過電流制限レベルにより
速度制限しながら走行時間を短縮する速度制御装置を提
供することにある。
【0020】本発明の他の目的は、誘導電動機のすべり
に起因する走行距離のずれを補償して着床精度を高める
速度制御装置を提供することにある。
【0021】本発明の他の目的は、乗り心地を改善しな
がら着床精度を高める速度制御装置を提供することにあ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るため、誘導電動機をオープンループ制御のイン
バータで加速・定速・減速の速度制御をし、該減速制御
はエレベータの乗車かごが着床位置から一定の距離Lに
ある減速開始位置に到達したときに一定の減速度Dで減
速させ着床位置に停止させるエレベータ用インバータの
速度制御装置において、インバータの出力電流が過電流
停止レベルより低い過電流制限レベル領域で増加するほ
ど1から零まで小さくした係数値をインバータの加速指
令に乗算して該加速指令を制限する加速制限演算手段
と、エレベータの乗車かごが速度Viで前記減速開始位
置に達したときから次式
【0023】
【数5】T1=(L/Vi)−(Vi/2D) で求める時間T1だけ現在速度制御をつづけ、該時間T1
後に前記減速度Dによる減速制御を行う減速制御手段と
を備えたことを特徴とする。
【0024】また、本発明は、誘導電動機をオープンル
ープ制御のインバータで加速・定速・減速の速度制御を
し、該減速制御はエレベータの乗車かごが着床位置から
一定の距離Lにある減速開始位置に到達したときに一定
の減速度Dで減速させ着床位置に停止させるエレベータ
用インバータの速度制御装置において、エレベータの乗
車かごが通常の定速走行時の速度より低い速度Viで前
記減速開始位置に達したときから次式
【0025】
【数6】 T1=(L*(1+S1)/Vi)−(Vi/2D) S1:誘導電動機のすべり(%) で求める時間T1だけ現在速度制御をつづけ、該時間T1
後に前記減速度Dによる減速制御を行う減速制御手段を
備えたことを特徴とする。
【0026】また、本発明は、誘導電動機をオープンル
ープ制御のインバータで加速・定速・減速の速度制御を
し、該減速制御はエレベータの乗車かごが着床位置から
一定の距離Lにある減速開始位置に到達したときに減速
させ着床位置に停止させるエレベータ用インバータの速
度制御装置において、前記減速時の減速特性はS字特性
とする減速指令手段と、前記S字特性に従った各演算周
期毎のインバータの出力周波数に移動距離への換算係数
を乗じた値の積算値として求める走行距離D2及び減速
開始位置の速度Fを求める演算手段と、エレベータの乗
車かごが前記減速開始位置に達したときから次式
【0027】
【数7】T1=(L−D2)/F で求める時間T1だけ現在速度制御をつづけ、該時間T1
後に前記S字特性に従った減速制御を行う減速制御手段
とを備えたことを特徴とする。
【0028】
【作用】請求項1では、インバータの出力電流が過電流
制限レベル領域まで高くなるときに加速指令を出力電流
が高くなるほど低く制限し、これにより出力電流の増加
を抑制し、出力電流を過電流停止レベルよりも低い範囲
に維持しながら加速を続ける。
【0029】これにより、過電流制限レベルに達したと
きの速度に固定することなく、電流制限した加速を得
て、走行時間の短縮を図る。この加速が通常の定速走行
の速度まで達しないまま減速開始位置まで走行したとき
は、従来と同じに減速開始を時間T1だけ遅らせること
で着床精度を確保する。
【0030】請求項2では、減速開始位置から一定時間
1だけ現在速度を続けることで着床位置のずれを補償
するのに、誘導電動機のすべりS1による走行誤差分を
補償し、着床精度を向上させる。
【0031】過電流制限による速度制限は、従来のよう
に過電流制限レベルに入ったときに一定速度Viに固定
する方式、又は請求項1に示すようにインバータの出力
電流が過電流停止レベルより低い過電流制限レベル領域
で増加するほど1から零まで小さくした係数値をインバ
ータの加速指令に乗算して該加速指令を制限する方式に
適用できる。
【0032】請求項3では、減速開始位置からの減速特
性をS字特性とすることにより減速度の急激な変化を無
くした減速を得る。この減速に際し、減速開始位置での
速度が過電流制限などにより通常制御での速度とは異な
る場合にも減速距離を一致させるよう、減速特性に従っ
た速度から定速走行時間T1を求める。
【0033】これにより、任意速度からの減速にS字特
性による減速で乗り心地を良くし、しかも着床精度を高
める。
【0034】
【実施例】
(第1の実施例)図1は、本発明の一実施例を示す装置
構成図である。交流電源1の交流電力は整流器2によっ
て直流電力に変換され、コンデンサ3によって平滑され
る。この直流電力は電圧形インバータ主回路4によって
出力周波数及び電圧が制御された交流電力に変換されて
エレベータの原動機になる誘導電動機5に供給される。
【0035】インバータ主回路4の運転周波数及び電圧
の制御は、制御装置6からのゲートパルス周波数とパル
ス幅制御によって行われ、これにより電動機5の運転速
度が制御される。電動機5は巻取機7を介して乗車かご
8と釣合い錘9の負荷を駆動する。
【0036】CPU10を中枢部とする制御装置6は、
エレベータの運転指令によって、定められた加減速度を
持ちかつ昇降距離(階床移動距離)に応じた定速度時間
を持つ速度パターンを生成又は与えられ、この速度パタ
ーンとすべり演算回路11からのすべり周波数SからC
PU10が必要なインバータ運転周波数及び電圧(振
幅)を求め、これら周波数と電圧に従ってPWM発生部
12にPWM波形のゲートパルスを得る。
【0037】すべり演算回路11は、従来と同様にイン
バータ主回路4の直流電流Idcを検出する電流検出器1
3の検出信号idcから電流−トルク変換及びトルク−す
べり周波数変換を行うことですべり周波数Sを求める。
なお、直流電流検出値から直接にすべり周波数を算出す
る事もできる。
【0038】CPU10は、すべり周波数Sから電動機
5の出力トルク及び負荷トルクを求めて電動機5の回転
数を求め、この回転数と速度パターンとの差をインバー
タ制御出力周波数の補正信号とし、この補正した速度に
従って周波数f、電圧Vの指令を発生する。
【0039】ピーク電流検出器14は、電流検出器13
の検出電流idcのピーク値Ippを検出し、A/D変換回
路15はピーク値Ippをディジタル信号に変換する。
【0040】加速制限演算部16は、14、15と共に
加速制限演算手段を構成し、A/D変換器15からのデ
ィジタル量のピーク値Ippに対して図2に示す加速制限
特性を有する係数Klimを求める。すなわち、インバー
タ出力電流が第1の過電流制限レベルになるまでは係数
lim=1とし、第1の過電流制限レベルを越えて第2
の過電流制限レベルに達するまでは電流が増加するにつ
れて係数Klimを1から0まで一定の傾斜で低下させ
る。
【0041】この加速制限特性は、直線に限らず、二次
又は3次曲線にすること、さらには折れ線特性にするこ
とでも良い。
【0042】第2の過電流制限レベルは、インバータ主
回路4の過電流保護装置が素子破壊保護のために装置運
転を停止する過電流レベルよりも低い値にされる。
【0043】CPU10に得る速度指令のパターンのう
ち、図6の加速領域になる加速指令には加速制限演算部
16からの係数Klimを乗算して加速指令とする演算手
段101を設ける。
【0044】なお、CPU10は、加速指令に過電流制
限がなされて減速開始位置で所期の速度が得られないと
きには減速指令を従来と同様に減速開始位置から時間T
1だけ減速を遅らせる処理を行う。
【0045】以下、本実施例の動作を詳細に説明する。
【0046】図3は、エレベータの加速時の出力周波数
パターンと出力電流の関係を示す。加速指令になる出力
周波数パターンは、標準的にはS字特性を持たせるが、
図示では簡単化のために直線で加速する特性を示し、時
刻t=0から2.5秒までに周波数0から50HZまで直
線的に加速する場合を示す。
【0047】インバータの出力電流は、加速期間に大電
流が流れ、一定速度になると比較的少ない電流まで減少
する。エレベータの乗車かごの負荷が増大すると、この
電流は増加することになる。
【0048】上記のことから、エレベータの加速時には
電流が増加するが、この電流値が過電流制限レベルに達
すると、従来ではその時点の速度に制限した定速走行に
制限する。
【0049】これに対して、本実施例では出力電流が増
加して加速制限演算部16の第1の過電流制限レベルを
越えた範囲では加速指令の加速指令の上昇度すなわち加
速度を制限し、過電流による停止を避けながら加速を続
ける。
【0050】加速制限演算部16による過電流制限時の
加速指令の制限は、加速指令の加速度をAとすると、こ
れに係数Klimを乗じたものになる。
【0051】すなわち、インバータの出力電流が図2の
第1の過電流制限レベルを越えると、係数Klimの値が
小さくなり始め、加速度を低下させる。加速度を低下さ
せるにも拘わらず出力電流が増加するときはさらに加速
度を低下させ、最終的には加速度零に制限する。加速度
が零になればインバータの出力電流は低下するため、再
び加速できることになる。
【0052】この関係は図4に示す。領域1においては
電流が増加しているため加速度が減少していき、ついに
は加速度が零になる。これに続く領域2では電流が減少
するため再び加速度を増加することができる。電流が図
2の第1の過電流制限レベルと第2の過電流制限レベル
の間に有る限り、加速度を制限しながら加速を続けるこ
とができる。
【0053】最終的には、加速指令は定速走行の速度ま
で加速を行えるが、通常の加速・定速・減速のパターン
に比べて加速期間が長くなり、エレベータが減速開始位
置まで達したときに定速時の速度よりも低い場合があ
る。この場合には、従来と同様に減速開始点に到達した
ときから前記(1)式による演算で求める時間T1だけ
現在の速度Viを続け、このT1後に速度パターンVの減
速度と同じ減速度で減速停止させる。
【0054】以上のように、本実施例では、エレベータ
の負荷増加にも過電流制限範囲内で加速を行うことがで
き、従来方式のように過電流制限時の速度に固定する場
合に比べて走行時間の短縮ができ、また停止に近い速度
での走行現象を解消できる効果がある。
【0055】なお、過電流制限した加速が完了しないま
ま減速開始位置まで到達した場合にも従来の減速開始を
遅らせる制御をそのまま利用して着床精度を確保するこ
とができる。
【0056】(第2の実施例)本発明の他の実施例とし
て、CPU10による着床位置補償のための時間T1
演算を説明する。
【0057】従来、エレベータの乗車かごが減速開始位
置に達したときに通常の定速走行速度とは異なるとき、
前記の(1)式に示す時間T1だけ現在速度をで走行
し、この後に通常の減速度Dで減速する。
【0058】ここで、誘導電動機にはすべりが存在し、
このすべりが減速時の走行距離、すなわち着床位置のず
れとなって現れる。
【0059】そこで、本実施例では、CPU10による
定速走行時間T1の演算に、誘導電動機のすべり分を考
慮した次の演算式から定速走行時間T1を求める。
【0060】
【数8】 T1=(L*(1+S1)/Vi)−(Vi/2D) …(2) S1:誘導電動機のすべり(%) すなわち、すべりS1による走行距離の不足分を減速開
始位置から着床位置までの距離Lの増加分として補償
し、すべりによる着床誤差の発生を無くす。
【0061】このすべりS1の値は、すべり演算部11
から得ることができ、負荷の増減に応じて変化させる構
成、又は誘導電動機の100〜150%程度のトルク時
のすべりとする固定値とする構成でも良い。
【0062】過電流制限による速度制限は、従来のよう
に過電流制限レベルに入ったときに一定速度Viに固定
する方式、又は第1の実施例に示すようにインバータの
出力電流が過電流停止レベルより低い過電流制限レベル
領域で増加するほど1から零まで小さくした係数値をイ
ンバータの加速指令に乗算して該加速指令を制限する方
式に適用できる。
【0063】以上のとおり、本実施例によれば、減速開
始位置からの定速走行時間T1を求めるのに、誘導電動
機のすべりを含めた必要な走行距離から求めるため、誘
導電動機のすべりによる着床位置のずれを補償できる効
果がある。特に、減速距離の大きな高速のエレベータに
適用して着床位置のずれを無くすのに効果的となる。
【0064】(第3の実施例)図5は、本実施例の減速
特性を示す。この特性は、CPU10の加速指令手段に
より減速演算又はパターンデータとして求められ、減速
開始位置での速度変化を緩やかにし、減速終了位置近く
までは一定の減速度にし、減速終了位置での速度変化を
緩やかにした、いわゆるS字特性にしている。
【0065】このS字特性で囲む斜線部分の面積が減速
開始位置から着床位置までの減速距離になる。
【0066】ここで、減速開始位置での速度は、通常の
定速走行による速度V11、又は過電流制限により通常の
定速走行による速度よりも低い速度など任意の速度V12
からS字特性を有して減速する。
【0067】但し、速度V12からの減速には、減速距離
を合わせるために、現在速度V12を一定時間T1だけ保
持した後にS字特性を有して減速する。
【0068】この時間T1は、CPU10によって以下
の演算式から求められる。
【0069】
【数9】T1=(D1−D2)/F …(3) D1:エレベータによって定まる減速距離 D2:減速特性期間の走行距離 F:減速開始位置の速度 なお、走行距離D2は、加速指令手段からのS字特性に
従ったCPU10の各演算周期毎の出力周波数に移動距
離への換算係数を乗じた値の積算値として求められる。
【0070】上記(3)式は、図5では減速開始位置で
の速度V11からS字特性を有して減速する距離が、速度
12からS字特性を有して減速する距離と一致すること
を意味し、減速開始位置からの両特性の面積を一致させ
ることになる。
【0071】以上のことから、本実施例では、減速開始
位置からの減速にS字特性を持たせるため、減速開始位
置及び減速終了位置での大きな減速度の変化を無くし、
乗車かごのトルクショックを少なくして乗り心地を良く
し、しかも減速開始位置での速度を任意にして着床精度
を高めることができる。
【0072】特に、任意速度からの減速にもS字特性を
有して一定の減速距離を得ることができ、過電流制限に
より減速開始位置での速度が通常の定速走行の速度より
も低い場合に適用して効果的になる。
【0073】また、減速開始速度及び減速特性等は、エ
レベータの規模や速度によって設計変更されるが、この
変更にも時間T1の演算処理の変更は定数を除いて不要
になる。
【0074】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、エレベ
ータの負荷増によりインバータ出力電流が過電流停止レ
ベルに達する前の過電流制限レベル領域では電流が増加
するほど加速指令を低く制限するようにし、乗車かごが
減速開始点に到達したときに速度パターンによる減速と
同じ減速距離になるよう一定時間T1の減速と同じ減速
制御を行うようにしたため、エレベータの負荷増による
過電流制限をしながら加速を得て走行時間の短縮ができ
る。しかも、速度固定の場合と同等の着床精度を得るこ
とができる。
【0075】また、本発明によれば、減速開始位置から
一定時間T1だけ現在速度に保持し、その後に一定の減
速度で減速することで所期の着床精度を得るのに、時間
1の演算に誘導電動機のすべりによる走行距離の不足
を補償するようにしたため、着床精度を一層高めること
ができる。
【0076】また、本発明によれば、減速特性をS字特
性とし、通常の定速走行とは異なる任意速度からの減速
には減速開始時の速度を一定時間T1だけ保持した後に
S字特性による減速を得るようにしたため、減速時のト
ルクショックを少なくして乗り心地を良くし、しかも着
床精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置構成図。
【図2】実施例の加速制限演算部の特性図。
【図3】加速時のインバータ出力電流・周波数の例。
【図4】他の実施例における電流値と加速度との関係
図。
【図5】他の実施例における減速特性図。
【図6】従来例の動作波形図。
【符号の説明】
4…インバータ主回路 5…誘導電動機 6…制御装置 10…CPU 11…すべり演算回路 13…電流検出器 14…ピーク電流検出器 16…加速制限演算部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機をオープンループ制御のイン
    バータで加速・定速・減速の速度制御をし、該減速制御
    はエレベータの乗車かごが着床位置から一定の距離Lに
    ある減速開始位置に到達したときに一定の減速度Dで減
    速させ着床位置に停止させるエレベータ用インバータの
    速度制御装置において、 インバータの出力電流が過電流停止レベルより低い過電
    流制限レベル領域で増加するほど1から零まで小さくし
    た係数値をインバータの加速指令に乗算して該加速指令
    を制限する加速制限演算手段と、 エレベータの乗車かごが速度Viで前記減速開始位置に
    達したときから次式 【数1】T1=(L/Vi)−(Vi/2D) で求める時間T1だけ現在速度制御をつづけ、該時間T1
    後に前記減速度Dによる減速制御を行う減速制御手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータ用インバータの速
    度制御装置。
  2. 【請求項2】 誘導電動機をオープンループ制御のイン
    バータで加速・定速・減速の速度制御をし、該減速制御
    はエレベータの乗車かごが着床位置から一定の距離Lに
    ある減速開始位置に到達したときに一定の減速度Dで減
    速させ着床位置に停止させるエレベータ用インバータの
    速度制御装置において、 エレベータの乗車かごが通常の定速走行時の速度より低
    い速度Viで前記減速開始位置に達したときから次式 【数2】 T1=(L*(1+S1)/Vi)−(Vi/2D) S1:誘導電動機のすべり(%) で求める時間T1だけ現在速度制御をつづけ、該時間T1
    後に前記減速度Dによる減速制御を行う減速制御手段を
    備えたことを特徴とするエレベータ用インバータの速度
    制御装置。
  3. 【請求項3】 誘導電動機をオープンループ制御のイン
    バータで加速・定速・減速の速度制御をし、該減速制御
    はエレベータの乗車かごが着床位置から一定の距離Lに
    ある減速開始位置に到達したときに減速させ着床位置に
    停止させるエレベータ用インバータの速度制御装置にお
    いて、 前記減速時の減速特性はS字特性とする減速指令手段
    と、 前記S字特性に従った各演算周期毎のインバータの出力
    周波数に移動距離への換算係数を乗じた値の積算値とし
    て求める走行距離D2及び減速開始位置の速度Fを求め
    る演算手段と、 エレベータの乗車かごが前記減速開始位置に達したとき
    から次式 【数3】T1=(L−D2)/F で求める時間T1だけ現在速度制御をつづけ、該時間T1
    後に前記S字特性に従った減速制御を行う減速制御手段
    とを備えたことを特徴とするエレベータ用インバータの
    速度制御装置。
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