JP5844569B2 - 殻付き茹で卵又は殻付き生卵への甘味付与方法 - Google Patents
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Description
これは、卵の殻があることによる携帯のしやすさや、殻をむいた後に塩をつける手間を省いたものである。
殻付きの茹で卵に、塩味などをつける方法として、例えば、特許文献1には、高濃度の食塩水と調味料とを混合し、煮沸して冷却した溶液の中に、別途に真水から茹でた殻付の卵を長時間つける、味付け茹で卵の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、原料卵をボイルしてボイル卵を得て、食塩水が溜められた加圧タンク内に卵を入れ加圧することで卵を味付けする、味付け茹で卵の製造方法が記載されている。
さらに、特許文献3には、殻付き茹で卵をプラスチック製の小袋に収納し、その袋に塩味や、バニラなどのフレーバーなどの調味液を入れて封をし、その状態で数日以上放置する、殻付き味付け茹で卵の製造方法が記載されている。
例えば、特許文献4には、カットフルーツを、スクラロースを含有する保存液中に浸漬することにより、カットフルーツの風味を改良する方法が記載されている。
また、特許文献5には、スクラロースを、卵を使用する食品に添加することにより、食品中の卵の風味の向上させることが記載されている。
しかしながら、これらの特許文献には、殻付き茹で卵又は殻付き生卵を、スクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムを含有する水溶液中に浸漬するか、又は、殻付き生卵をスクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムを含有する水溶液中に浸漬させ、茹でることで、殻付き茹で卵に甘味を付与することは記載されていない。
特許文献3には、殻付き味付け茹で卵を製造する際に、バニラやイチゴなど香料成分を用いる場合には、アルコールや砂糖、ステビアなどの植物由来の甘味料、塩などに加えて使用することが記載されているが、砂糖やステビアでは、殻付き茹で卵に十分な甘味を付与することができない。
本発明は、殻付き茹で卵又は殻付き生卵に、容易に甘味を付与することを目的とするものである。
項1.殻付き茹で卵又は殻付き生卵を、スクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムを含有する水溶液中に浸漬することを特徴とする、殻付き茹で卵又は殻付き生卵への甘味付与方法。
項2.殻付き生卵を、スクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムを含有する水溶液中に浸漬させ、茹でることを特徴とする、殻付き茹で卵への甘味付与方法。
項3.水溶液中のスクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウム濃度が0.01〜5質量%である、項1又は2記載の殻付き茹で卵又は殻付き生卵への甘味付与方法。
項4. スクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムを含有する水溶液に、さらに食塩及び/又はフレーバーを含有する、項1〜3に記載の殻付き茹で卵又は殻付き生卵への甘味付与方法。
そのため、甘味という味のバリエーションをつけた殻付き茹で卵や殻付き生卵を供給することができる。さらに、スクラロースを用いた場合には、茹で卵の硫黄臭を、同時にマスキングできるという効果も奏する。
本発明に用いるスクラロースは、ショ糖の約600倍の甘味を有する高甘味度甘味料であり、商業的に入手することができ、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスイートSU100等を挙げることができる。
また、本発明に用いるサッカリンナトリウムは、ショ糖の約300倍の甘味を示す高甘味度甘味料であって、商業的に入手することができ、例えば、大和化成株式会社製のサッカリンナトリウムA-1等を挙げることができる。
さらに、本発明に用いるアセスルファムカリウムは、ショ糖の約200倍の甘味を示す高甘味度甘味料であって、商業的に入手することができ、例えば、キリン協和フーズ株式会社製のサネット等を挙げることができる。
なお、この際、茹で卵は固茹ででも、半熟であっても良い。
次いで、得られた茹で卵を、スクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムを常温の水に溶解した水溶液に浸し、冷蔵庫(4℃)に移して、一晩程度静置させておくことで、容易に甘味を付与することができる。
水溶液中のスクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムの濃度は、0.01〜5質量%、好ましくは0.02〜2質量%である。
スクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムの濃度が0.01質量%より低濃度であると、甘味の付与が十分ではなく、また5質量%より高濃度にしても、卵の表面のみに強い甘味がつきすぎて、いずれも好ましくない。
これらを添加することで、甘味と同時に、塩味や醤油味などや、フレーバーの香気も、殻付き茹で卵や殻付き生卵に付与することができる。
一例として、水溶液中の食塩濃度は、10〜30質量%、フレーバー濃度は、0.5〜5質量%が好ましい。
なお、以下の記載において、「%」は質量%を示し、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を示す。
水に卵を入れて加熱し、沸騰してから9分間保持して、殻付き茹で卵を作製した。
得られた殻付き茹で卵を、熱が冷めないうちに常温の表1の各種甘味料溶液に浸し、冷蔵庫(4℃)に移して、一晩静置した。
各甘味料の濃度は、スクラロース0.5%濃度と同等の甘味となるように調製した(砂糖については、30%とした)。
評価は、官能により、甘味が十分付与されているものを5点、甘味がないものを0点として、6段階で行った。結果を表1に示す。
注2:ネオテーム2%製剤(大日本住友化学株式会社製)
スクラロース、サッカリンナトリウム及びアセスルファムカリウムを用いた場合に、甘味の付与が認められたが、これらの中でスクラロースを用いた場合に、特に十分な甘味付与が認められた。
表1の各種甘味料溶液に、殻付き生卵を浸漬させて9分間茹でた後、そのまま茹で汁に浸したまま、一晩冷蔵庫(4℃)にて静置して、殻付き茹で卵を作製した。
評価は、実施例1と同様に行ったが、結果は全ての甘味料で表1とほぼ同じであり、実施例1と同様に、スクラロース、サッカリンナトリウム及びアセスルファムカリウムを用いた場合に、甘味の付与が認められた。
殻つきの生卵を、常温のスクラロースの1%溶液に浸し、冷蔵庫(4℃)に移して、一晩静置した。
結果は、スクラロース水溶液に浸漬することによって、実施例1の殻付きの茹で卵に付与された甘味の強さに比べるとやや弱いが、殻付きの生卵にも十分な甘味が付与できた。
水に卵を入れ、加熱し、沸騰してから9分間保持し、茹で卵を作製した。
得られた茹で卵を、熱が冷めないうちに、スクラロース0.5%、及び表2の各フレーバー1%を含有する水溶液に浸し、冷蔵庫(4℃)に移して、一晩静置した。
甘味とともに、フレーバーも卵に浸透するか評価を行い、結果を表2に示した。
20%の食塩水に、スクラロースを添加又は添加しない調味液で卵を9分間茹でた後、そのまま茹で汁に浸して、一晩冷蔵庫(4℃)にて静置した。
甘味の評価は、実施例1と同様に行い、さらに塩味がどのように付与されるか評価を行った。結果を表3に示す。
Claims (3)
- 殻付き茹で卵又は殻付き生卵を、スクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファ
ムカリウムを含有する水溶液中に浸漬することを特徴とする、殻付き茹で卵又は殻付き生
卵への甘味付与方法。 - 殻付き生卵を、スクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウムを含有
する水溶液中に浸漬させ、茹でることを特徴とする、殻付き茹で卵への甘味付与方法。 - 水溶液中のスクラロース、サッカリンナトリウム又はアセスルファムカリウム濃度が0.
01〜5質量%である、請求項1又は2記載の殻付き茹で卵又は殻付き生卵への甘味付与
方法。
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