JP5843931B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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本発明の実施形態は、不揮発性半導体記憶装置に関する。
不揮発性半導体記憶装置の記憶容量を増加させるために、3次元積層メモリが提案されている。3次元積層メモリにおいては、例えば、交互に積層された絶縁膜と電極膜とを有する積層構造体と、積層構造体を積層方向において貫通するシリコンピラーと、シリコンピラーと電極膜との間の電荷蓄積層(記憶層)と、が設けられる。これにより、シリコンピラーと各電極膜との交差部にメモリセルが設けられる。さらに、2本のシリコンピラーを基板の側で接続したU字形状のメモリストリングを用いる構成も考えられる。
3次元積層メモリにおいて、集積度をさらに向上させるために改良の余地がある。
特開2007−266143号公報
本発明の実施形態は、集積度を向上させた不揮発性半導体記憶装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、第1積層構造体と、第1半導体層と、第1有機膜と、第1半導体側絶縁膜と、第1電極側絶縁膜と、を備えた不揮発性半導体記憶装置が提供される。前記第1積層構造体は、第1方向に沿って積層された複数の第1電極膜と、前記複数の第1電極膜どうしの間に設けられた第1電極間絶縁膜と、を有する。前記第1半導体層は、前記複数の第1電極膜の側面に対向する。第1有機膜は、前記複数の第1電極膜の前記側面と前記第1半導体層との間に設けられ有機化合物を含む。前記第1半導体側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1半導体層との間に設けられる。前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記複数の第1電極膜の前記側面との間に設けられる。前記複数の第1電極膜は、第1の第1電極膜と、前記第1方向において前記第1の第1電極膜と離間した第2の第1電極膜と、を含む。前記第1電極間絶縁膜は、前記第1の第1電極膜と、前記第2の第1電極膜との間に設けられた絶縁部分を含む。第1の第1電極膜は、前記絶縁部分に対向する第1面と、前記第1面と交差する第1側面と、を有する。前記第2の第1電極膜は、前記絶縁部分に対向する第2面と、前記第2面と交差する第2側面と、を有する。前記絶縁部分は、第3側面と、前記第1方向に対して垂直な方向において前記第3側面と離間する第4側面と、を有する。前記第1半導体層は、前記第1側面、前記第2側面及び前記第3側面と対向する。前記第1有機膜は、前記第1側面と前記第1半導体層との間に設けられた第1部分と、前記第2側面と前記第1半導体層との間に設けられた第2部分と、前記第1面と前記絶縁部分との間に設けられた第3部分と、前記第2面と前記絶縁部分との間に設けられた第4部分と、前記第4側面と対向する第5部分と、を含む。前記第3部分は、前記第1部分と連続し、前記第5部分は、前記第3部分と連続し、前記第4部分は、前記第5部分と連続し、前記第2部分は、前記第4部分と連続する。前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1側面との間、前記第1有機膜と前記第1面との間、前記第1有機膜と前記4側面との間、前記第1有機膜と前記2面との間、及び、前記第1有機膜と前記第2側面との間に設けられる。前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜と結合している。前記第1半導体層は、前記第1積層構造体を前記第1方向に沿って貫通し、前記第1半導体側絶縁膜は、前記第1半導体層の側面を取り囲み、前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜の側面を取り囲み、前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜の側面を取り囲む。
本発明の別の実施形態によれば、第1積層構造体と、第1半導体層と、第1有機膜と、第1半導体側絶縁膜と、第1電極側絶縁膜と、を備えた不揮発性半導体記憶装置が提供される。前記第1積層構造体は、第1方向に沿って積層された複数の第1電極膜と、前記複数の第1電極膜どうしの間に設けられた第1電極間絶縁膜と、を有する。前記第1半導体層は、前記複数の第1電極膜の側面に対向する。第1有機膜は、前記複数の第1電極膜の前記側面と前記第1半導体層との間に設けられ有機化合物を含む。前記第1半導体側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1半導体層との間に設けられる。前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記複数の第1電極膜の前記側面との間に設けられる。前記複数の第1電極膜は、第1の第1電極膜と、前記第1方向において前記第1の第1電極膜と離間した第2の第1電極膜と、を含む。前記第1電極間絶縁膜は、前記第1の第1電極膜と、前記第2の第1電極膜との間に設けられた絶縁部分を含む。第1の第1電極膜は、前記絶縁部分に対向する第1面と、前記第1面と交差する第1側面と、を有する。前記第2の第1電極膜は、前記絶縁部分に対向する第2面と、前記第2面と交差する第2側面と、を有する。前記絶縁部分は、第3側面と、前記第1方向に対して垂直な方向において前記第3側面と離間する第4側面と、を有する。前記第1半導体層は、前記第1側面、前記第2側面及び前記第3側面と対向する。前記第1有機膜は、前記第1側面と前記第1半導体層との間に設けられた第1部分と、前記第2側面と前記第1半導体層との間に設けられた第2部分と、前記第1面と前記絶縁部分との間に設けられた第3部分と、前記第2面と前記絶縁部分との間に設けられた第4部分と、前記第4側面と対向する第5部分と、を含む。前記第3部分は、前記第1部分と連続し、前記第5部分は、前記第3部分と連続し、前記第4部分は、前記第5部分と連続し、前記第2部分は、前記第4部分と連続する。前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1側面との間、前記第1有機膜と前記第1面との間、前記第1有機膜と前記第4側面との間、前記第1有機膜と前記第2面との間、及び、前記第1有機膜と前記第2側面との間に設けられる。前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜と、エーテル結合、シリルエーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合の少なくともいずれかにより結合されている。
本発明の別の実施形態によれば、第1積層構造体と、第1半導体層と、第1有機膜と、第1半導体側絶縁膜と、第1電極側絶縁膜と、を備えた不揮発性半導体記憶装置が提供される。前記第1積層構造体は、第1方向に沿って積層された複数の第1電極膜と、前記複数の第1電極膜どうしの間に設けられた第1電極間絶縁膜と、を有する。前記第1半導体層は、前記複数の第1電極膜の側面に対向する。第1有機膜は、前記複数の第1電極膜の前記側面と前記第1半導体層との間に設けられ有機化合物を含む。前記第1半導体側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1半導体層との間に設けられる。前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記複数の第1電極膜の前記側面との間に設けられる。前記複数の第1電極膜は、第1の第1電極膜と、前記第1方向において前記第1の第1電極膜と離間した第2の第1電極膜と、を含む。前記第1電極間絶縁膜は、前記第1の第1電極膜と、前記第2の第1電極膜との間に設けられた絶縁部分を含む。第1の第1電極膜は、前記絶縁部分に対向する第1面と、前記第1面と交差する第1側面と、を有する。前記第2の第1電極膜は、前記絶縁部分に対向する第2面と、前記第2面と交差する第2側面と、を有する。前記絶縁部分は、第3側面と、前記第1方向に対して垂直な方向において前記第3側面と離間する第4側面と、を有する。前記第1半導体層は、前記第1側面、前記第2側面及び前記第3側面と対向する。前記第1有機膜は、前記第1側面と前記第1半導体層との間に設けられた第1部分と、前記第2側面と前記第1半導体層との間に設けられた第2部分と、前記第1面と前記絶縁部分との間に設けられた第3部分と、前記第2面と前記絶縁部分との間に設けられた第4部分と、前記第4側面と対向する第5部分と、を含む。前記第3部分は、前記第1部分と連続し、前記第5部分は、前記第3部分と連続し、前記第4部分は、前記第5部分と連続し、前記第2部分は、前記第4部分と連続する。前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1側面との間、前記第1有機膜と前記第1面との間、前記第1有機膜と前記第4側面との間、前記第1有機膜と前記第2面との間、及び、前記第1有機膜と前記第2側面との間に設けられる。前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜と、前記第1有機膜に含まれる炭素原子と前記第1半導体側絶縁膜に含まれる原子との単結合、二重結合及び三重結合の少なくともいずれかにより結合されている。
第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の電極膜を示す模式的平面図である。 図6(a)〜図6(d)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を示す図である。 図7(a)〜図7(d)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を示す図である。 図8(a)〜図8(c)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を示す図である。 図9(a)〜図9(d)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を示す図である。 図10(a)及び図10(b)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を示す図である。 図11(a)及び図11(b)は、不揮発性半導体記憶装置に対応する試料の構成を示す模式的断面図である。 図12(a)及び図12(b)は、不揮発性半導体記憶装置に対応する試料の特性を示す模式的断面図である。 図13(a)及び図13(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順模式的断面図である。 図14(a)及び図14(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順模式的断面図である。 図15(a)及び図15(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順模式的断面図である。 図16(a)及び図16(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順模式的断面図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示すフローチャート図である。 第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的断面図である。 図19(a)及び図19(b)は、第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順模式的断面図である。 第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を示す工程順模式的断面図である。 第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的斜視図である。 第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す模式的断面図である。 第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的断面図である。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
図2は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
図3は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図3においては、図を見易くするために、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。
図4は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
図5は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の電極膜の構成を例示する模式的平面図である。
まず、図3及び図4を参照しつつ、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成の概要を説明する。
図3及び図4に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110においては、例えば単結晶シリコンからなる基板11(半導体基板)が設けられる。
図4に表したように、基板11においては、例えば、メモリセルが形成されるメモリアレイ領域MRと、メモリアレイ領域MRに併設される周辺領域PRと、が設定される。周辺領域PRにおいては、基板11の主面11a上には、例えば、各種の周辺領域回路PR1が設けられる。
メモリアレイ領域MRにおいては、基板11の主面11a上に例えば回路部CUが設けられる。回路部CUの上にメモリ部MUが設けられる。回路部CUは必要に応じて設けられ、省略可能である。
図4に表したように、回路部CUとメモリ部MUとの間には、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜13が設けられている。
図4に表したように、メモリ部MUは、例えば、マトリクスメモリセル部MU1と配線接続部MU2とを含む。マトリクスメモリセル部MU1は、3次元マトリクス状に配列したメモリセルトランジスタを含む。配線接続部MU2においては、マトリクスメモリセル部MU1の配線が接続される。複数のメモリセルトランジスタは、例えば基板11の主面11aに対して垂直な方向と、主面11aに対して平行で互いに異なる2つの方向と、の3つの方向に沿って、3次元マトリクス状に並ぶ。
図3は、マトリクスメモリセル部MU1の構成を例示している。
図4においては、マトリクスメモリセル部MU1として、図3のA−A’線断面の一部と、図3のB−B’線断面の一部が例示されている。
図3及び図4に表したように、マトリクスメモリセル部MU1においては、基板11の主面11a上に、積層構造体MLが設けられる。
積層構造体MLは、第1方向に沿って交互に積層された複数の電極膜61と複数の電極間絶縁膜62とを有する。電極間絶縁膜62は、電極膜61どうしを絶縁する。
本願明細書において、「積層」とは、複数の層が直接重ねられる場合の他、複数の層の間に他の要素が挿入されて重ねられる場合も含む。
積層構造体MLにおける電極膜61及び電極間絶縁膜62の積層方向をZ軸方向(第1方向)とする。Z軸方向は、基板11の主面11aに対して垂直な方向である。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向(第2方向)とする。そして、Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向(第3方向)とする。
不揮発性半導体記憶装置110は、選択ゲート電極SGをさらに備える。選択ゲート電極SGは、積層構造体MLとZ軸方向に沿って積層される。
電極膜61は、Y軸方向に沿って延在する帯状の部分を有している。選択ゲート電極SGも、Y軸方向に沿って延在する帯状の部分を有している。
そして、積層構造体ML及び選択ゲート電極SGをZ軸方向に貫通する半導体層SPが設けられる。本具体例では、半導体層SPは、Z軸方向に沿って延在する半導体ピラーである。この半導体層SPは、例えば、積層構造体MLをZ軸方向に貫通する貫通ホールTHの中に半導体を埋め込むことによって形成される。半導体層SPは、Z軸方向に沿って延在する柱状または筒状である。
後述するように、不揮発性半導体記憶装置110においては、電極膜61と半導体層SPとが交差する部分において、記憶層を有するメモリセルトランジスタが形成される。メモリセルトランジスタは3次元マトリクス状に配列される。この記憶層に電荷が蓄積される。これにより、各メモリセルトランジスタは、データを記憶するメモリセルMCとして機能する。
このように、不揮発性半導体記憶装置110においては、複数のメモリストリングが設けられる。複数のメモリストリングは、電気的に書き換えが可能な複数のメモリセルMCを含む。複数のメモリセルMCは直列に接続されている。複数のメモリセルMCの少なくとも一部は、Z軸方向に沿って並ぶ。複数のメモリストリングは、X−Y平面内にマトリクス状に配置される。
図3及び図4においては、電極膜61が4枚描かれているが、積層構造体MLにおいて、設けられる電極膜61の数は任意である。
半導体層SPのうちで、積層構造体MLを貫通する部分と、選択ゲート電極SGを貫通する部分と、は、連続して形成された半導体からなる層である。または、半導体層SPのうちの積層構造体MLを貫通する部分と、半導体層SPのうちの選択ゲート電極SGを貫通する部分と、が別の工程で形成され、これらの部分が電気的に接続される。
図4に表したように、積層構造体MLの最下部(例えば、基板11に最も近い側)の電極膜61の下に絶縁膜15aを設けることができる。この絶縁膜15aを積層構造体MLに含めても良い。積層構造体MLの最上部(例えば、基板11から最も遠い側)の電極膜61の上に絶縁膜15を設けることができる。この絶縁膜15を積層構造体MLに含めても良い。絶縁膜15及び15aには、例えば酸化シリコンが用いられる。実施形態はこれに限らず、絶縁膜15及び15aの材料は任意である。
積層構造体MLと選択ゲート電極SGとの間に、例えば層間絶縁膜16が設けられる。
図4に表したように、選択ゲート電極SGどうしをY軸方向に沿って分断する層間絶縁膜17が設けられている。層間絶縁膜17は、Y軸方向に沿って延在する。
そして、層間絶縁膜17の上に層間絶縁膜18が設けられ、その上に、ソース線SLとコンタクト電極22とが設けられている。ソース線SLの周りには層間絶縁膜19が設けられている。
そして、ソース線SLの上に層間絶縁膜23が設けられる。層間絶縁膜23の上にビット線BLが設けられている。ビット線BLは、例えば、X軸方向に沿った帯状の形状を有している。層間絶縁膜16、17、18、19及び23には、例えば酸化シリコンが用いられる。
そして、不揮発性半導体記憶装置110においては、2本ずつの半導体層SPは、基板11の側で接続されている。
すなわち、不揮発性半導体記憶装置110は、第1半導体層SP1と第2半導体層SP2とを基板11の側で電気的に接続する接続部CP(例えば第1接続部CP)をさらに備える。接続部CPには、例えば、半導体を用いることができる。接続部CPには、例えば半導体層SPとなる材料を用いることができる。
ただし、後述するように、半導体層SPのそれぞれが独立し、半導体層SPどうしが接続されていなくても良い。以下では、2本ずつの半導体層SPが接続される場合について説明する。
図3に表したように、例えば、第2〜第4半導体層SP2〜SP4がさらに設けられる。第2半導体層SP2〜第4半導体層SP4は、X軸方向において、第1半導体層SP1と並ぶ。第1半導体層SP1と第4半導体層SP4との間に第2半導体層SP2が設けられる。第2半導体層SP2と第4半導体層SP4との間に第3半導体層SP3が設けられる。
第1接続部CP1によって接続された第1半導体層SP1及び第2半導体層SP2が、ペアとなって、1つのU字形状のNANDストリングとなる。第2接続部CP2によって接続された第3半導体層SP3及び第4半導体層SP4が、ペアとなって、別のU字形状のNANDストリングとなる。
図5に表したように、第1半導体層SP1及び第4半導体層SP4に貫通される電極膜61が共通に接続され電極膜61Aとなる。第2半導体層SP2及び第3半導体層SP3に貫通される電極膜61が共通に接続され電極膜61Bとなる。すなわち、電極膜61は、櫛歯状に互いに組み合わされた電極膜61A及び電極膜61Bの形状を有している。
図5に表したように、電極膜61Aと電極膜61Bとは、絶縁層ILによって互いに分断される。
そして、図4に例示したように、配線接続部MU2において、Z軸方向に沿って積層された各電極膜61(電極膜61A及び電極膜61B)のY軸方向における長さが、階段状に変化させられる。Y軸方向における一方の端において、電極膜61Bは、コンタクト電極31によってワード配線32に接続される。これにより、電極膜61Bは、例えば基板11に設けられる駆動回路と電気的に接続される。Y軸方向における他方の端において、電極膜61Aは、コンタクト電極によってワード配線に接続される(図4では図示しない)。これにより、電極膜61Aは、駆動回路と電気的に接続される。図4では、X軸方向の同じ位置で、各電極膜61のそれぞれにコンタクト電極31が接続されているが、各電極膜61に対応するコンタクト電極31の位置は、X軸方向の異なる位置に設けられる。
これにより、基板11からの距離が同じ電極膜61において、ペアとなる第1半導体層SP1及び第2半導体層SP2とで異なる電位が設定できる。これにより、第1半導体層SP1と第2半導体層SP2とに対応する同層のメモリセルMCは互いに独立して動作できる。第3半導体層SP3及び第4半導体層SP4に関しても同様である。
後述する接続部導電層SCCは、例えば、コンタクト電極33によって接続部導電層配線34に接続される。
図3及び図4に表したように、半導体層SPの接続部CPとは反対の端のそれぞれが、ビット線BLまたはソース線SLに接続され、半導体層SPのそれぞれに、選択ゲート電極SG(第1〜第4選択ゲート電極SG1〜SG4)が設けられる。これにより、任意の半導体層SPの任意のメモリセルMCに所望のデータを書き込み、そして、読み出すことができる。
各電極膜61に設けられる半導体層SPの数は任意である。
図1は、マトリクスメモリセル部MU1の構成を例示しており、例えば図3のB−B’線断面の一部に相当する断面図である。
図1に表したように、不揮発性半導体記憶装置110は、積層構造体MLと、半導体層SPと、有機膜48と、半導体側絶縁膜42と、電極側絶縁膜43と、を備える。
積層構造体MLは、Z軸方向に沿って積層された複数の電極膜61と、複数の電極膜61どうしの間に設けられた電極間絶縁膜62と、を有する。積層構造体MLは、例えば第1積層構造体ML1である。電極膜61は、例えば第1電極膜61aである。電極間絶縁膜62は、例えば第1電極間絶縁膜62aである。
半導体層SPは、例えば第1半導体層SP1である。有機膜48は、例えば第1有機膜48p1である。半導体側絶縁膜42は、例えば第1半導体側絶縁膜42p1である。電極側絶縁膜43は、例えば第1電極側絶縁膜43p1である。以下では、第1積層構造体ML1、第1電極膜61a、第1電極間絶縁膜62a、第1半導体層SP1、第1有機膜48p1、第1半導体側絶縁膜42p1及び第1電極側絶縁膜43p1に関して説明する。
第1半導体層SP1は、複数の第1電極膜61aの側面に対向する。第1電極膜61aの側面は、Z軸方向に沿う。第1電極膜61aの側面は、例えば、Z軸方向に対して実質的に平行である。
本願明細書において、対向するとは、直接向き合う場合の他、間に他の要素が介在する状態で向き合う場合も含む。
第1有機膜48p1は、複数の第1電極膜61aの側面と、第1半導体層SP1と、の間に設けられる。第1有機膜48p1は、有機化合物を含む。
第1半導体側絶縁膜42p1は、第1有機膜48p1と第1半導体層SP1との間に設けられる。
第1電極側絶縁膜43p1は、第1有機膜48p1と複数の第1電極膜61aの側面との間に設けられる。
本具体例では、第1半導体層SP1は、第1積層構造体ML1をZ軸方向に沿って貫通する。第1半導体側絶縁膜42p1は、第1半導体層SP1の側面を取り囲む。第1有機膜48p1は、第1半導体側絶縁膜42p1の側面を取り囲む。第1電極側絶縁膜43p1は、第1有機膜48p1の側面を取り囲む。第1電極膜61aは、第1電極側絶縁膜43p1の側面を取り囲む。
第1半導体層SP1の側面、第1半導体側絶縁膜42p1の側面、第1有機膜48p1の側面、及び、第1電極側絶縁膜43p1の側面は、Z軸方向に対して平行な面である。
図1に表したように、不揮発性半導体記憶装置110は、第2積層構造体ML2と、第2半導体層SP2と、第2有機膜48p2と、第2半導体側絶縁膜42p2と、第2電極側絶縁膜43p2と、接続部CPと、をさらに備えることができる。接続部CPは、例えば第1接続部CP1である。
第2積層構造体ML2は、Z軸方向に対して垂直なX軸方向において第1積層構造体ML1と並ぶ。第2積層構造体ML2は、Z軸方向に沿って積層された複数の第2電極膜61bと、複数の第2電極膜61bどうしの間に設けられた第2電極間絶縁膜62bと、を有する。
第2半導体層SP2は、複数の第2電極膜61bの側面に対向する。第2電極膜61bの側面は、Z軸方向に沿う。第2電極膜61bの側面は、例えば、Z軸方向に対して実質的に平行である。
第2有機膜48p2は、複数の第2電極膜61bの側面と第2半導体層SP2との間に設けられる。第2有機膜48p2は、有機化合物を含む。
第2半導体側絶縁膜42p2は、第2有機膜48p2と第2半導体層SP2との間に設けられる。
第2電極側絶縁膜43p2は、第2有機膜48p2と複数の第2電極膜61bの側面との間に設けられる。
接続部CPは、第1半導体層SP1と第2半導体層SP2とを電気的に接続する。
本具体例では、第2半導体層SP2は、第2積層構造体ML2をZ軸方向に沿って貫通する。第2半導体側絶縁膜42p2は、第2半導体層SP2の側面を取り囲む。第2有機膜48p2は、第2半導体側絶縁膜42p2の側面を取り囲む。第2電極側絶縁膜43p2は、第2有機膜48p2の側面を取り囲む。第2電極膜61bは、第2電極側絶縁膜43p2の側面を取り囲む。
接続部CPは、第1半導体層SP1の一端と第2半導体層SP2の一端とを電気的に接続する。
第2半導体層SP2の側面、第2半導体側絶縁膜42p2の側面、第2有機膜48p2の側面、及び、第2電極側絶縁膜43p2の側面は、Z軸方向に対して平行な面である。
複数の第1電極膜61aのそれぞれと、複数の第2電極膜61bのそれぞれと、は同層である。すなわち、基板11と、複数の第1電極膜61aのそれぞれと、の距離は、基板11と、複数の第2電極膜61bのそれぞれと、の距離と、同じである。基板11と、複数の第2電極間絶縁膜62aのそれぞれと、の距離は、基板11と、複数の第2電極間絶縁膜62bのそれぞれと、の距離と、同じである。
さらに、本具体例では、不揮発性半導体記憶装置110は、接続部導電層SCCと、接続部絶縁膜47c1と、をさらに備えることができる。
接続部導電層SCCは、接続部CP(第1接続部CP1)に対向して設けられる。接続部絶縁膜47c1は、接続部CPと接続部導電層SCCとの間に設けられる。
電極膜61(第1電極膜61a及び第2電極膜61b)と、半導体層SP(第1半導体層SP1及び第2半導体層SP2)と、が交差する部分に、メモリセルトランジスタが形成される。このメモリセルトランジスタのそれぞれがメモリセルMCとなる。
電極膜61には所定の電気信号が印加される。電極膜61は、不揮発性半導体記憶装置110の例えばワード電極として機能する。
メモリセルMCのそれぞれにおいて、有機膜48(第1有機膜48p1及び第2有機膜48p2)は、半導体層SPと電極膜61との間に印加される電界によって電荷を蓄積または放出する。有機膜48は、情報を記憶する部分として機能する。有機膜48(第1有機膜48p1及び第2有機膜48p2)は、電荷蓄積層として機能する。
半導体側絶縁膜42(第1半導体側絶縁膜42p1及び第2半導体側絶縁膜42p2)は、メモリセルMCのそれぞれにおいて例えばトンネル絶縁膜として機能する。
電極側絶縁膜43(第1電極側絶縁膜43p1及び第2電極側絶縁膜43p2)は、メモリセルMCのそれぞれにおいて例えばブロック絶縁膜として機能する。
例えば、接続部導電層SCCに与えられる電圧によって、接続部CP(第1接続部CP1)により、第1半導体層SP1と第2半導体層SP2とが電気的に接続される。
電極膜61(第1電極膜61a及び第2電極膜61b)及び接続部導電層SCCには、任意の導電材料を用いることができる。電極膜61及び接続部導電層SCCには、例えば、不純物が導入されて導電性が付与されたアモルファスシリコン(非晶質シリコン)、または、不純物が導入されて導電性が付与されたポリシリコン(多結晶シリコン)が用いられる。または、電極膜61には、金属及び合金などが用いられる。
電極間絶縁膜62(第1電極間絶縁膜62a及び第2電極間絶縁膜62b)には、例えば酸化シリコンが用いられる。電極間絶縁膜62は、単層膜でも良く、積層膜でも良い。
半導体側絶縁膜42(第1半導体側絶縁膜42p1及び第2半導体側絶縁膜42p2)には、例えば、酸化シリコンが用いられる。半導体側絶縁膜42は、単層膜でも良く、積層膜でも良い。
電極側絶縁膜43(第1電極側絶縁膜43p1及び第2電極側絶縁膜43p2)には、例えば、酸化シリコンまたは酸化ハフニウムを用いることができる。また、電極側絶縁膜43は、有機絶縁材料を含むことができる。
有機膜48(第1有機膜48p1及び第2有機膜48p2)には、有機化合物が用いられる。有機膜48については後述する。
図3に表したように、不揮発性半導体記憶装置110は、第1選択ゲート電極SG1と、第2選択ゲート電極SG2と、第1配線(ビット線BL)と、第2配線(ソース線SL)と、をさらに備える。
第1選択ゲート電極SG1は、第1積層構造体ML1とZ軸方向において積層される。第1選択ゲート電極SG1は、第1半導体層SP1に貫通される。
第2選択ゲート電極SG2は、第2積層構造体ML2とZ軸方向において積層される。第2選択ゲート電極SG2は、第2半導体層SP2に貫通される。
ビット線BLは、第1半導体層SP1の他端(接続部CPすなわち第1接続部CP1とは反対の側の端)に、電気的に接続される。ビット線BLは、コンタクト電極V1を介して、第1半導体層SP1の他端と電気的に接続される。
ソース線SLは、第2半導体層SP2の他端(接続部CPすなわち第1接続部CP1とは反対の側の端)に電気的に接続される。
第1電極膜61a及び第2電極膜61bは、Z軸方向とX軸方向とに対して垂直なY軸方向に沿って延在する。例えば、第1電極膜61a及び第2電極膜61bは、Y軸方向に沿って延在する部分を有する。
ビット線BLは、X軸方向に沿って延在する。例えば、ビット線BLは、X軸方向に沿って延在する部分を有する。ソース線SLは、Y軸方向に沿って延在する。例えば、ソース線SLは、Y軸方向に沿って延在する部分を有する。
第1選択ゲート電極SG1及び第2選択ゲート電極SG2は、Y軸方向に沿って延在する部分を有する。すなわち、第1選択ゲート電極SG1及び第2選択ゲート電極SG2は、第1電極膜61a及び第2電極膜61bの延在方向に対して平行な方向に沿って延在する。
選択ゲート電極SG(第1選択ゲート電極SG1及び第2選択ゲート電極SG2)には、任意の導電材料を用いることができる。選択ゲート電極SGには、例えば、不純物が導入されて導電性が付与されたアモルファスシリコン、または、不純物が導入されて導電性が付与されたポリシリコンが用いられる。または、選択ゲート電極SGには金属及び合金などが用いられる。
選択ゲート電極SGと半導体層SPとの間に選択ゲート絶縁膜SGIが設けられる。
すなわち、不揮発性半導体記憶装置110は、第1選択ゲート電極SG1と第1半導体層SP1との間に設けられた第1選択ゲート絶縁膜と、第2選択ゲート電極SG2と第2半導体層SP2との間に設けられた第2選択ゲート絶縁膜と、をさらに備えることができる。
選択ゲート絶縁膜SGI(第1選択ゲート絶縁膜及び第2選択ゲート絶縁膜)には、任意の絶縁材料が用いられる。半導体側絶縁膜42、有機膜48及び電極側絶縁膜43の少なくともいずれかとなる材料を用いても良い。選択ゲート絶縁膜SGIは、単層膜でも良く、積層膜でも良い。
選択ゲート電極SGと第1半導体層SP1とが交差する部分に第1選択ゲートトランジスタSGT1が形成され、選択ゲート電極SGと第2半導体層SP2とが交差する部分に第2選択ゲートトランジスタSGT2が形成される。選択ゲート絶縁膜SGIは、これらの選択ゲートトランジスタのゲート絶縁膜として機能する。これらの選択ゲートトランジスタは、半導体層SPを選択する機能を有する。
図3に例示したように、不揮発性半導体記憶装置110は、第3半導体層SP3と、第4半導体層SP4と、第2接続部CP2と、をさらに備えることができる。
第3半導体層SP3は、第3積層構造体をZ軸方向に沿って貫通する。第4半導体層SP4は、第4積層構造体をZ軸方向に沿って貫通する。第2接続部CP2は、第3半導体層SP3の一端と、第4半導体層SP4の一端とを電気的に接続する。
図5に関して説明したように、第3半導体層SP3が貫通する電極膜61は、第2半導体層SP2が貫通する第2電極膜61bと連続することができる。第4半導体層SP4が貫通する電極膜61は、第1半導体層SP1が貫通する第1電極膜61aと連続することができる。実施形態はこれに限らず、半導体層SPのそれぞれは、それぞれ別の(例えばX軸方向に沿って分断された)電極膜61を貫通しても良い。
第1配線(ビット線BL)は、例えば第4半導体層SP4の第2接続部CP2とは反対の側の他端とさらに接続される。第2配線(ソース線SL)は、第3半導体層SP3の第2接続部CP2とは反対の側の他端とさらに接続される。
図3に例示したように、第4半導体層SP4は、コンタクト電極V2によってビット線BLに接続される。
図2は、図1のC−C’線断面図である。
図2に表したように、電極膜61に貫通ホールTHが設けられ、貫通ホールTHの中に第1半導体層SP1が設けられる。第1半導体層SP1の側面を取り囲むように第1半導体側絶縁膜42p1が設けられる。第1半導体側絶縁膜42p1の側面を取り囲むように第1有機膜48p1が設けられる。第1有機膜48p1の側面を取り囲むように第1電極側絶縁膜43p1が設けられている。第1電極側絶縁膜43p1の側面を取り囲むように第1電極膜61aが設けられている。
図2に表したように、貫通ホールTHの断面形状(X−Y平面で切断したときの断面形成)は曲線を有する形状(例えば円形)である。第1半導体層SP1の断面形状は、曲線を有する形状(例えば円形)である。これにより、第1半導体側絶縁膜42p1における曲率が、第1電極側絶縁膜43p1における曲率よりも高くなる。これにより、第1半導体層SP1と第1電極膜61aとの間に電圧を印加した場合に、第1半導体側絶縁膜42p1に印加される電界が、第1電極側絶縁膜43p1に印加される電界よりも高くなる。
この電界の差を利用することで、例えば、第1半導体側絶縁膜42p1を介して、所望の電荷(例えば電子)を第1有機膜48p1に効果的に注入することができる。または、例えば、第1半導体側絶縁膜42p1を介して、所望の電荷(例えば正孔)を第1有機膜48p1に効果的に注入することができる。
ここで、有機膜48(例えば第1有機膜48p1)への電子の注入、及び、有機膜48(例えば第1有機膜48p1)からの正孔の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作が書き込み動作とされる。
有機膜48(例えば第1有機膜48p1)への正孔の注入、及び、有機膜48(例えば第1有機膜48p1)からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作が消去動作とされる。
すなわち、メモリセルMCとなるメモリセルトランジスタは、しきい値電圧が低い状態(消去状態)と、しきい値電圧が低い状態よりも相対的にしきい値電圧が高い状態(書き込み状態)と、を有する。書き込み動作は、メモリトランジスタのしきい値電圧を、高い側の状態に設定する動作である。消去動作は、メモリトランジスタのしきい値電圧を、低い側の状態に設定する動作である。
このようにして、不揮発性半導体記憶装置110において、メモリとしての動作が行われる。
実施形態においては、電荷蓄積層として、有機膜48(第1有機膜48p1及び第2有機膜48p2など)が用いられる。有機膜48は、例えば単分子膜である。これにより有機膜48は高い絶縁性を有しつつ、有機膜48の厚さ(Z軸方向に対して垂直な方向に沿った厚さ)を薄くできる。そして、有機膜48の特性は、均一である。
このように、半導体側絶縁膜42と電極側絶縁膜43との間に設けられる膜として、有機膜48を用いることで、有機膜48の厚さが薄くできる。これにより、半導体層SPと電極膜61との間の距離を縮減できる。これにより、メモリセルMCの大きさを縮減できる。そして、メモリセルMCは、Z軸方向に積層され、さらに、X−Y平面内にマトリクス状に設けられる。従って、1つのメモリセルMCの大きさを小さくすることで、不揮発性半導体記憶装置の全体の大きさが小さくできる。また、1つのメモリセルMCの大きさを小さくすることで、不揮発性半導体記憶装置が有する記憶容量の増大の効果が大きい。本実施形態によれば、集積度を向上させた不揮発性半導体記憶装置が提供できる。
例えば、有機膜48は、単分子膜(または単分子層)である。有機膜48の厚さは、有機膜48に含まれる分子の1つの厚さ(長さ)に相当する厚さである。有機膜48においては、例えば、有機膜48に含まれる分子が整列している。
有機膜48の厚さは、1ナノメートル(nm)〜2nm程度以下である。ただし、実施形態は、これに限らない。有機膜48は、例えば、2分子層の構成を有していても良い。有機膜48を用いることで、薄く均一な膜が得られる。
有機膜48は、半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43の少なくともいずれかと結合していることができる。これにより、有機膜48は、単分子膜の構成を有し易い。
例えば、有機膜48と半導体側絶縁膜42とは、エーテル結合、シリルエーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、並びに、有機膜48に含まれる炭素原子と半導体側絶縁膜42に含まれる原子との単結合、二重結合及び三重結合の少なくともいずれかにより結合されることができる。有機膜48に含まれる炭素原子と結合する、半導体側絶縁膜42に含まれる原子は、例えば金属原子または半金属原子である。半金属原子は、例えばシリコン原子である。
例えば、有機膜48と電極側絶縁膜43とは、エーテル結合、シリルエーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、並びに、有機膜48に含まれる炭素原子と電極側絶縁膜43に含まれる原子との単結合、二重結合及び三重結合の少なくともいずれかにより結合されることができる。有機膜48に含まれる炭素原子と結合する、電極側絶縁膜43に含まれる原子は、例えば金属原子または半金属原子である。半金属原子は、例えばシリコン原子である。
これにより安定した薄い有機膜48が得やすい。
有機膜48は、例えば酸化還元分子を含む。酸化還元分子は、酸化反応と還元反応とを繰り返し安定して行なうことができる分子である。酸化還元分子は、例えば、ポルフィリン誘導体やメタロセン誘導体などの金属錯体と呼ばれる分子を含む。有機膜48として酸化還元分子を用いることで、半導体層SPから有機膜48への電子注入、及び、半導体層48からの正孔の引き抜きを均一に行なうことができる。
さらに、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110においては、半導体側絶縁膜42と電極側絶縁膜43との間に設けられる膜として有機膜48を用いるため、応力を緩和する効果もある。すなわち、有機膜48に含まれる有機化合物(有機分子)においては、分子間の位置ずれが起こっても、電荷を保持する特性は変化し難い。このため、メモリセルMCの電気的特性が維持し易い。結果として応力に強い素子が得られる。これにより、曲げられることによる素子破壊を軽減することができる。実施形態によれば、高い動作安定性と、高い信頼性が得られる。
図6(a)〜図6(d)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を例示する図である。
図7(a)〜図7(d)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を例示する図である。
図8(a)〜図8(c)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を例示する図である。
図9(a)〜図9(d)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を例示する図である。
図10(a)及び図10(b)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置に用いられる材料を例示する図である。
図6(a)〜図7(d)に表したように、有機膜48には、3つのトリメチルフェニル基が結合したポルフィリン構造を有する材料を用いることができる。
図6(a)に表したように、有機膜48には、ヒドロキシル基を有する材料を用いることができる。ヒドロキシル基は、化学修飾基fbである。
図6(b)に表したように、有機膜48にはアルコキシシリル基を有する材料を用いることができる。アルコキシシリル基は化学修飾基fbである。
図6(c)に表したように、有機膜48には、カルボキシル基を有する材料を用いることができる。カルボキシル基は、化学修飾基fbである。
図6(d)に表したように、有機膜48にはチオール基を有する材料を用いることができる。チオール基は化学修飾基fbである。
図7(a)に表したように、有機膜48には、チオアセチル基を有する材料を用いることができる。チオアセチル基は、化学修飾基fbである。
図7(b)に表したように、有機膜48には、クロロシリル基を有する材料を用いることができる。クロロシリル基は、化学修飾基fbである。
図7(c)に表したように、有機膜48には、シラノール基を有する材料を用いることができる。シラノール基は、化学修飾基fbである。図7(c)において、「R」は、置換基である。「R」は、炭素、水素及び酸素の少なくともいずれかを含む。「R」は、例えば、メチル基、エチル基及びプロピル基などである。「R」は、飽和炭化水素の直鎖アルキル基であることが望ましい。
図7(d)に表したように、有機膜48には、トリヒドロキシシリル基を有する材料を用いることができる。トリヒドロキシシリル基は、化学修飾基fbである。
このように、有機膜48は、ヒドロキシル基、シラノール基、アルコキシシリル基、クロロシリル基、カルボキシル基及びチオール基よりなる群から選択された少なくともいずれかの基を含むことができる。なお、上記のシラノール基は、例えばトリヒドロキシシリル基を含む。
なお、シラノール基を化学修飾基fbとして有する有機膜48を用いた場合は、SiO及びHfOなどの金属酸化物に対して高い反応性を示し、高密度な有機膜48を形成できる。また、シラノール基が金属酸化物と反応して形成されるシリルエーテル結合は、高い熱安定性を示す。この構成は、製造プロセス上、有利と考えられる。
また、シラノール基が、シリコン元素に一つのヒドロキシル基が結合した構造を有する場合は、、SiO及びHfOなどの金属酸化物に対して高い自由度をもって分子運動することが可能になる。これにより、金属酸化物に対して、分子が最適な構造になる点で優れている。
また、トリヒドロキシシリル基を有する有機膜48においては、SiO及びHfOなどの金属酸化物に対して3つのシリルエーテル結合で1つの分子が結合が形成される。このため、分子運動が制限され、金属酸化物に対して、分子構造が剛直になり、分子が常に同じ位置にくる点で優れている。
なお、シリコン原子を含む化学修飾基fbを用い、有機膜48が結合する膜(半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43のいずれか)がSiO膜である場合には、Si−O−Siを含む結合によって、有機膜48と、半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43のいずれかと、が結合される。
さらに、図8(a)に表したように、有機膜48には、トリメチル基を有していないポルフィリン構造を有する材料を用いることができる。本具体例では、化学修飾基fbとしてカルボキシル基が用いられているが、化学修飾基fbは、他の構成でも良い。
有機膜48に、例えば上記のような化学修飾基fbを設けることで、有機膜48となる材料は、半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43の少なくともいずれかと結合する。半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43の少なくともいずれかに含まれる元素と結合する。これにより、安定した薄い有機膜48が形成できる。
図6(a)〜図7(d)及び図8(a)に例示したように、有機膜48に用いられる材料は、Znを含む。これにより、有機膜48において蓄積される電荷の量を大きくできる。これにより、不揮発性半導体記憶装置の動作が安定化する。
実施形態はこれに限らず、有機膜48に用いられる材料には他の金属元素が含まれても良い。すなわち、有機膜48は、Zn、Cu、Fe、Ru及びIrよりなる群から選択された少なくともいずれかを含むことができる。これにより、有機膜48において蓄積される電荷の量を大きくでき、より望ましい。
実施形態はこれに限らず、有機膜48は、上記の金属元素を含まなくても良い。
図8(b)に表したように、有機膜48には、上記の金属元素を含まない材料を用いても良い。
図8(c)に表したように、有機膜48には、複数の化学修飾基fbを有する材料を用いることができる。本具体例では、化学修飾基fbとしてカルボキシル基が用いられているが、化学修飾基fbは、他の構成でも良い。
上記のように、有機膜48として、ポルフィリン構造を有する材料を用いることが望ましい。すなわち、ポルフィリン構造を有する材料は、分子量が大きく、剛直な分子鎖を有している。これにより、有機膜48の耐熱性が高くなる。有機膜48としてポルフィリン構造を有する材料を用いることで、安定した特性が得易くなる。ただし、実施形態はこれに限らない。
図9(a)〜図9(d)に表したように、有機膜48には、メタロセン構造を有する材料を用いることができる。具体的には、例えば、フェロセン構造を有する材料が適用できる。
図9(a)〜図9(d)に表したように、有機膜48には、フェロセン構造を有し、化学修飾基fbとして、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基及びチオール基をそれぞれ有する材料を用いることができる。また、これらの例の材料は、Feを含む。これにより、有機膜48において蓄積される電荷の量を大きくできる。
図10(a)に表したように、有機膜48には、フェロセンとポルフィリンとを連結した構造を有する材料を用いることができる。この例では、化学修飾基fbとして、ヒドロキシル基が用いられているは、化学修飾基fbは任意である。
図10(b)に表したように、有機膜48には、ビピリジン構造を有する材料を用いることができる。具体的には、ビピリジン錯体分子を用いることができる。この場合も、化学修飾基fbは任意である。また、この例では、Feが含まれているが、含まれる金属元素は、他の金属元素でも良い。
このように、有機膜48は、ポルフィリン、メタロセン及びビピリジンの少なくともいずれかを含むことができる。これにより、安定した特性を有する薄い膜が形成できる。
後述するように、有機膜48は、例えば自己組織化法によって形成されることができる。すなわち、有機膜48には、例えば、自己組織化単分子膜を用いることができる。
例えば、半導体側絶縁膜42は、金属酸化物を含むことができる。有機膜48に含まれる化学修飾基fbが、半導体側絶縁膜42に含まれる金属酸化物の金属元素と結合する。このように、有機膜48は、半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43の少なくともいずれかに含まれる元素と結合していることができる。これにより、安定した特性を有する薄い膜が形成し易い。
以下、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110に含まれるメモリセルMCの1つに対応する素子の特性を評価した結果について、参考例を参照しつつ説明する。
図11(a)及び図11(b)は、不揮発性半導体記憶装置に対応する試料の構成を例示する模式的断面図である。
図11(a)は、実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110に対応する試料110tに対応する。図11(b)は、参考例の不揮発性半導体記憶装置に対応する試料119tに対応する。
図11(a)に表したように、試料110tにおいては、対向電極CEの上に、半導体層SPtが設けられ、その上に半導体側絶縁膜42tが設けられ、その上に有機膜48tが設けられ、その上に電極側絶縁膜43tが設けられ、その上に電極膜61tが設けられている。
対向電極CEは、Al膜である。半導体層SPtは、ポリシリコン膜である。半導体側絶縁膜42tは、厚さが3nmのSiO膜である。有機膜48tには、図10(a)に例示した構造を有する材料CT−02を用いた。有機膜48tは、単分子膜である。電極側絶縁膜43tは、厚さが5nmのSiO膜である。
試料110tは以下のようにして作製された。
ポリシリコン膜(半導体層SPt)の上に、SiO膜をALD(Atomic Layer Deposition)法で堆積し、RTA(Rapid Thermal Anneal)装置でアニールした。このSiO膜が半導体側絶縁膜42tとなる。
半導体側絶縁膜42tの表面を洗浄し、材料CT−02の溶液に浸漬し溶液加熱した。その後、試料をリンスする。これにより、有機膜48が形成される。有機膜48は、半導体側絶縁膜42tとエーテル結合により結合されている。有機膜48は、ポルフィリン分子の単分子膜である。
その後、電極側絶縁膜43tを形成した。電極側絶縁膜43tの上に電極膜61tを形成した。この例では、マスクを介して金膜を形成し、この金膜を電極膜61tとした。半導体層SPtの裏面に対向電極CEを形成した。この例では、半導体層SPtの裏面に濃フッ酸処理を行い、その後、水洗し、アルミニウム膜を蒸着した。このアルミニウム膜が対向電極CEとなる。これにより、試料110tが形成される。
図11(b)に表したように、試料119tにおいては、試料110tの構成において半導体側絶縁膜42tを省略したものである。他の構成は、試料110tと同様なので説明を省略する。
試料119tの作製においては、試料110tに関して説明した作製方法において、半導体側絶縁膜42tの形成が省略されている。
これらの試料において、電極膜61tと対向電極CEとの間に電圧を印加し、印加電圧を変えながらキャパシタンスを測定した。
図12(a)及び図12(b)は、不揮発性半導体記憶装置に対応する試料の特性を例示する模式的断面図である。
図12(a)は、試料110tに対応する。図12(b)は、試料119tに対応する。これらの図において、横軸は、電極膜61tと対向電極CEとの間に印加される印加電圧Vbである。縦軸は、キャパシタンスCtである。測定においては、印加電圧Vbを低下(正電圧から負電圧へ変化)させる過程と、上昇(負電圧から正電圧へ変化)させる過程と、における特性が評価された。これらの図において、図中の丸印は、測定結果を表す。実線は、別途実施したシミュレーションによる特性を表す。このシミュレーションにおいては、有機層48に一定の量のキャリアが蓄積されている場合として計算が行われた。
図12(a)に表したように、試料110tの測定結果において、印加電圧Vbの変化に対して、キャパシタンスCtはヒステリシス特性を示した。印加電圧Vbを低下させるときの特性と、上昇させるときの特性とで、約1.5ボルト(V)の差がある。このヒステリシス特性は、有機層48に電荷が蓄積されたことに起因すると考えられる。なお、この測定結果は、実線で示したシミュレーション結果と良く一致している。
さらに、試料110tにおいては、上記の印加電圧Vbの低下時と上昇時とで1.5Vの差があるキャパシタンス曲線は、時間が経過した後も維持されていた。すなわち、試料110tにおいては、有機膜48に電荷が蓄積可能であり、この特性(ヒステリシス特性)は、不揮発性である。
図12(b)に表したように、試料119tの測定結果においても、印加電圧Vbの変化に対して、キャパシタンスCtはヒステリシス特性を示した。この場合には、印加電圧Vbを低下させるときの特性と、上昇させるときの特性とで、約1.8Vの差がある。すなわち、試料119tにおいても、有機層48に電荷が蓄積可能である。しかしながら、試料119tにおいては、上記のヒステリシス特性は。時間の経過と供に消失した。すなわち、試料119tにおいては、特性は揮発性である。
試料119tにおいて特性が揮発性であることは、試料119tにおいては半導体側絶縁膜42tが設けられていないことが原因と考えられる。試料110tにおいては、有機膜48の両側に絶縁膜(半導体側絶縁膜42t及び電極側絶縁膜43t)が設けられている。これにより、試料110tにおいては、不揮発性の特性が得られる。
すなわち、実施形態の構成によれば、不揮発性半導体記憶装置が実現できる。
有機膜48は、半導体側絶縁膜42と結合していることができる。半導体側絶縁膜42は、特に金属酸化物を含むことが望ましい。これにより、有機膜48となる材料に含まれる化学修飾基fbと、半導体側絶縁膜42に含まれる金属酸化物の元素とが結合する。これにより、安定した特性を有する安定した薄い厚さを有する有機膜48が形成し易くなる。
電極側絶縁膜43は、金属酸化物を含むことができる。特に、電極側絶縁膜43に用いられる金属酸化物は、酸化シリコン及び酸化ハフニウムの少なくともいずれかを含むことが望ましい。これにより、安定した特性を得易い。
さらに、電極側絶縁膜43は、有機絶縁材料を含むことができる。これにより、例えば、電極側絶縁膜43の形成の際の温度が低くできる。これにより、他の要素(例えば有機膜48など)に与えるダメージを小さくできる。特に、電極側絶縁膜43には、メチル基、エチル基及びプロピル基の少なくともいずれかを含む飽和炭化水素を含むことができる。これにより、特に、高い絶縁性と高いプロセス適合性が得られる。
以下、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110の製造方法の例について説明する。
図13(a)及び図13(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図14(a)及び図14(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図15(a)及び図15(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図16(a)及び図16(b)は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図13(a)に表したように、基板(図示しない)の上に、Z軸方向に沿って、複数の第1膜61fと複数の第2膜62fとを交互に積層し、積層構造体ML(例えば第1積層構造体ML1及び第2積層構造体ML2)の少なくとも一部となる母積層体MLfを形成する。
第1膜61fのエッチング速度は、第2膜62fのエッチング速度とは異なる。第1膜61fには、例えば不純物がドープされたアモルファスシリコンが用いられる。第2膜62fには、例えば不純物がドープされないアモルファスシリコンが用いられる。但し実施形態はこれに限らない。第1膜61fには、第2膜62のエッチング速度とは異なるエッチング速度を有する任意の材料を用いることができる。
さらに、母積層体MLfをZ軸方向に沿って貫通する貫通ホールTHを形成する。そして、貫通ホールTHの内側に半導体を埋め込んで半導体層SP(例えば第1半導体層SP1及び第2半導体層SP2)を形成する。
図13(b)に表したように、母積層体MLfをZ軸方向に沿って分断するスリットSLTを設ける。スリットSLTは、例えばトレンチである。そして、スリットSLTを介して、複数の第1膜61fを除去する。このとき、第2膜62fは除去されない。すなわち、複数の第1膜61fが選択的に除去される。
図14(a)に表したように、複数の第1膜61fの除去によって露出した半導体層SP(例えば第1半導体層SP1及び第2半導体層SP2など)の側面上に絶縁膜を形成して半導体側絶縁膜42を形成する。この絶縁膜の形成には、例えばALD法などが用いられる。
図14(b)に表したように、半導体側絶縁膜42の上に有機膜48(例えば第1有機膜48p1及び第2有機膜48p2)を形成する。有機膜48の形成には、例えば自己組織化法が用いられる。すなわち、有機膜48の形成は、自己組織化法を用いた処理を含む。
図15(a)に表したように、有機膜48の上に電極側絶縁膜43を形成する。
図15(b)に表したように、電極側絶縁膜43の上に、導電膜61gを形成する。導電膜61gには、例えば不純物がドープされたアモルファスシリコンが用いられる。
図16(a)に表したように、導電膜61gを後退させる。これにより、導電膜61gは、Z軸方向に沿って分離される。これにより、複数の第1電極膜61が形成される。
図16(b)に表したように、スリットSLTの残余の空間に絶縁材料を埋め込んで、絶縁層ILを形成する。
これにより、不揮発性半導体記憶装置110が形成される。
実施形態は、不揮発性半導体記憶装置の製造方法を含む。本製造方法は、Z軸方向に沿って積層された複数の第1電極膜61a(電極膜61)と、複数の第1電極膜61aどうしの間に設けられた第1電極間絶縁膜62a(電極間絶縁膜62)と、を有する第1積層構造体ML1(積層構造体ML)と、複数の第1電極膜61aの側面に対向する第1半導体層SP1(半導体層SP)と、複数の第1電極膜61aの側面と第1半導体層SP1との間に設けられた第1有機膜48p1(有機膜48)と、第1有機膜48p1と第1半導体層SP1との間に設けられた第1半導体側絶縁膜42p1(半導体側絶縁膜42)と、第1有機膜48p1と複数の第1電極膜61aの側面との間に設けられた第1電極側絶縁膜43p1(電極側絶縁膜43)と、を含む不揮発性半導体記憶装置の製造方法である。
図17は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
本製造方法では、Z軸方向に沿って複数の第1膜61fと複数の第2膜62fとを交互に積層し、第1積層構造体ML1の少なくとも一部となる母積層体MLfを形成する(ステップS110)。
母積層体MLfをZ軸方向に沿って貫通する貫通ホールTHを形成し、貫通ホールTHの内側に半導体を埋め込んで第1半導体層SP1を形成する(ステップS120)。
複数の第1膜61fを除去する(ステップS130)。
複数の第1膜61fの除去によって露出した第1半導体層SP1の側面上に絶縁膜を形成して第1半導体側絶縁膜42p1を形成する(ステップS140)。
第1半導体側絶縁膜42p1の上に第1有機膜48p1を形成する(ステップS150。
第1有機膜48p1の上に第1電極側絶縁膜43p1を形成する(ステップS160)。
第1電極側絶縁膜43p1の上に、導電膜を形成し、複数の第1電極膜61aを形成する(ステップS170)。ステップS170において、導電膜の形成の後に、必要に応じてこの導電膜を後退させる。すなわち、複数の第1電極膜61aの形成は、導電膜を後退させることを含むことができる。
このように、本製造方法では、例えば、図13(a)〜図16(b)に関して説明した処理を実施することを含む。これにより、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110が製造できる。
本製造方法において、有機膜48を自己組織化法により形成する場合に、ヒドロキシル基、シラノール基、アルコキシシリル基、クロロシリル基、カルボキシル基及びチオール基よりなる群から選択された少なくともいずれかの基を含む材料を用いることができる。また、有機膜48の形成には、Zn、Cu、Fe、Ru及びIrよりなる群から選択された少なくともいずれかを含む材料を用いることができる。有機膜48の形成には、ポルフィリン、メタロセン及びビピリジンの少なくともいずれかを含む材料を用いることができる。
有機膜48の形成における自己組織化法においては、有機膜48に含まれる化学修飾基fbは、Si、Ti、W及びAuの少なくともいずれかを含む元素と結合することができる。例えば、有機膜48の下地となる膜(例えば半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43など)は、例えば、Si、Ti、W及びAuの少なくともいずれかを含んでも良い。また、例えば、有機膜48の下地となる膜(例えば半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43などの上の膜)の上に、Si、Ti、W及びAuの少なくともいずれかを含む層が形成されても良い。
なお、半導体層SPと有機膜48との間の抵抗は高いことが望ましい。そして、電極膜61と有機膜48との間の抵抗は高いことが望ましい。これにより、有機膜48に蓄積された電荷の状態が変化し難くなり、安定した記憶動作が可能になる。このため、有機膜48に含まれる化学修飾基fbが、Si、Ti、W及びAuの少なくともいずれかを含む元素と結合する構成においては、その構成の条件は、半導体層SPと有機膜48との間の抵抗及び電極膜61と有機膜48との間の抵抗が高くなるように設計される。
また、有機膜48に含まれる化学修飾基fbは、SiO及びWOの少なくともいずれかを含む金属化合物と結合することができる。
有機層48の形成においては、例えば、有機膜48の下地となる膜(例えば半導体側絶縁膜42及び電極側絶縁膜43など)を、有機膜48となる材料を含む溶液で処理する。
有機層48となる材料がヒドロキシル基を有する場合は、下地となる膜の表面に存在する元素とのエーテル結合が形成される。これにより、有機膜48が形成される。
また、例えば有機膜48となる材料がカルボキシル基を有している場合には、下地となる膜の表面に存在する元素とカルボキシラート結合を介して結合されたポルフィリン分子の単分子膜が得られる。
また、例えば有機膜48となる材料がエトキシシリル基を有している場合には、下地となる膜の表面に存在する元素とシリルエーテル結合を介して結合されたポルフィリン分子の単分子膜が得られる。
一方、電極側絶縁膜43を有機膜48の上に形成する場合、電極側絶縁膜43の形成においては、有機膜48の上に、電極側絶縁膜43となるSiO膜またはHfO膜を形成する。そして、この膜をRTA装置でアニールする。これにより、電極側絶縁膜43が形成される。
(第2の実施の形態)
図18は、第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
図18に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置111においては、第1半導体側絶縁膜42p1は、第1半導体層SP1と第1電極間絶縁膜62aとの間に延在している。第1有機膜48p1は、第1半導体側絶縁膜42p1と第1電極間絶縁膜62aとの間に延在している。第1電極側絶縁膜43p1は、第1有機膜48p1と第1電極間絶縁膜62aとの間に延在している。
さらに、第2半導体側絶縁膜42p2は、第2半導体層SP2と第2電極間絶縁膜62bとの間に延在している。第2有機膜48p2は、第2半導体側絶縁膜42p2と第2電極間絶縁膜62bとの間に延在している。第2電極側絶縁膜43p2は、第2有機膜48p2と第2電極間絶縁膜62bとの間に延在している。
このように、半導体側絶縁膜42、有機膜48及び電極側絶縁膜43は、Z軸方向に沿って積層された複数のメモリセルMCどうしの間において、Z軸方向に沿って延在していても良い。
図19(a)及び図19(b)は、第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図20は、第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図19(a)に表したように、積層構造体MLを形成する。この例では、第1積層構造体ML1と第2積層構造体ML2とを分断する絶縁層ILを形成する。
そして、積層構造体MLをZ軸方向に沿って貫通する貫通ホールTHを形成する。
図19(b)に表したように、貫通ホールTHの内壁面に絶縁層を形成して電極側絶縁膜43を形成する。
そして、電極側絶縁膜43の上に、自己組織化法によって有機膜48を形成する。
そして、有機膜48の上に半導体側絶縁膜42を形成する。
図20に表したように、貫通ホールTHの残余の空間に半導体を埋め込んで、半導体層SPを形成する。
これにより、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置111が形成される。
この構成においては、有機膜48は、例えば、電極側絶縁膜43と結合している。
(第3の実施の形態)
図21は、第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図21においては、図を見易くするために、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。
図22は、第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、図22には、マトリクスメモリセル部MU1として、図21のA−A’線断面の一部と、図21のB−B’線断面の一部が例示されている。
図21及び図22に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置120においては、接続部CPが設けられず、半導体層SPのそれぞれが独立している。すなわち、不揮発性半導体記憶装置120においては、直線状のNANDストリングが設けられる。
不揮発性半導体記憶装置120は、図示しないが、第1及び第2の実施形態と同様に、積層構造体ML(第1積層構造体ML1)と、半導体層SP(第1半導体層SP1)と、半導体側絶縁膜42(第1半導体側絶縁膜42p1)と、有機膜48(第1有機膜48p1)と、電極側絶縁膜43(第1電極側絶縁膜43p1)と、を備える。これらの構成は第1及び第2の実施形態と同様とすることができるので説明を省略する。
図21に表したように、不揮発性半導体記憶装置120のメモリ部MUにおいては、積層構造体MLの上に上部選択ゲート電極USG(第1選択ゲート電極SG1であり、例えばドレイン側選択ゲート電極SGDとなる)が設けられる。積層構造体MLの下に、下部選択ゲート電極LSG(第2選択ゲート電極SG2であり、例えばソース側選択ゲート電極SGSとなる)が設けられている。
すなわち、不揮発性半導体記憶装置120は、第1選択ゲート電極SG1(上部選択ゲート電極USG)と、第2選択ゲート電極SG2(下部選択ゲート電極LSG)と、をさらに備える。第1選択ゲート電極SG1は、第1積層構造体ML1とZ軸方向において積層される。第1選択ゲート電極SG1は、第1半導体層SP1に貫通される。第2選択ゲート電極SG2は、第1積層構造体ML1とZ軸方向において積層される。第2選択ゲート電極SG2は、第1半導体層SP1に貫通される。第1選択ゲート電極SG1と第2選択ゲート電極SG2との間に第1積層構造体ML1が設けられる。
上部選択ゲート電極USGと半導体層SPとの間には上部選択ゲート絶縁膜USGIが設けられる。下部選択ゲート電極LSGと半導体層SPとの間には、下部選択ゲート絶縁膜LSGIが設けられる。
そして、下部選択ゲート電極LSGの下側に、ソース線SL(例えば第2配線)が設けられる。ソース線SLの下に層間絶縁膜13aが設けられ、ソース線SLと下部選択ゲート電極LSGとの間に層間絶縁膜13bが設けられている。
下部選択ゲート電極LSGの下方において半導体層SPはソース線SLに接続される。上部選択ゲート電極USGの上方において半導体層SPはビット線BL(例えば第1配線)に接続される。上部選択ゲート電極USGと下部選択ゲート電極LSGとの間の積層構造体MLにおいて、メモリセルMCが形成される。半導体層SPが、直線状の1つのメモリストリングとして機能する。
上部選択ゲート電極USGは、層間絶縁膜17によってX軸方向に分断されている。上部選択ゲート電極USGは、Y軸方向に沿って延在する帯状の形状を有している。下部選択ゲート電極LSGは、層間絶縁膜13cによってX軸方向に分断されている。下部選択ゲート電極LSGは、Y軸方向に沿って延在する帯状の形状を有している。
一方、半導体層SPの上部に接続されるビット線BLは、X軸方向に沿って延在する帯状の形状を有している。そして、半導体層SPの下部に接続されるソース線SLは、Y軸方向に延在する帯状の形状を有している。
そして、不揮発性半導体記憶装置120においては、電極膜61は、X−Y平面に平行な板状の導電膜である。
このような構造を有する不揮発性半導体記憶装置120においても、有機膜48には、第1実施形態に関して説明した構成が適用される。すなわち、有機膜48には、例えば、単分子膜を用いることができる。
本実施形態においても半導体側絶縁膜42と電極側絶縁膜43との間に設けられる膜として、有機膜48を用いることで、有機膜48の厚さが薄くできる。これにより、集積度を向上させた不揮発性半導体記憶装置が提供できる。
(第4の実施の形態)
図23は、第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。
図23に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置130においても、積層構造体ML(第1積層構造体ML1及び第2積層構造体ML2)が設けられる。
そして、積層構造体MLの側面を覆うように、電極側絶縁膜43が設けられる。電極側絶縁膜43を覆うように有機膜48が設けられる。有機膜48を覆うように半導体側絶縁膜42が設けられる。そして、第1積層構造体ML1を覆う半導体側絶縁膜42と、第2積層構造体ML2を覆う半導体側絶縁膜42と、の間の凹部に埋め込まれるように、半導体層SPが設けられている。
第1積層構造体ML1に対向する半導体層SPが第1半導体層SP1に対応する。
第2積層構造体ML2に対向する半導体層SPが第2半導体層SP2に対応する。
第1積層構造体ML1及び第2積層構造体ML2は、例えばY軸方向に沿って延在する。すなわち、第1電極膜61a及び第2電極膜61bは、Y軸方向に沿って延在する。第1電極膜61a及び第2電極膜61bは、ワート゛電極として機能する。
一方、半導体層SPは、X軸方向に沿って延在する。図23では、1つの半導体層SPが図示されているが、複数の半導体層SPを設けることができる。複数の半導体層SPは、例えばY軸方向に沿ってならぶ。複数の半導体層SPは、ビット線として機能する。すなわち、ワード線の延在する方向はY軸方向であり、ビット線が延在する方向はX軸方向である。
この場合も、半導体層SPは、複数の電極膜61の側面に対向する。有機膜48は、複数の電極膜61の側面と半導体層SPとの間に設けられ、有機化合物を含む。半導体側絶縁膜42は、有機膜48と半導体層SPとの間に設けられる。電極側絶縁膜43は、有機膜48と複数の電極膜61の側面との間に設けられる。
このような構造を有する不揮発性半導体記憶装置130においても、有機膜48には、第1実施形態に関して説明した構成が適用される。すなわち、有機膜48には、例えば、単分子膜を用いることができる。本実施形態においても集積度を向上させた不揮発性半導体記憶装置が提供できる。
以上、実施形態によれば、集積度を向上させた不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法が提供できる。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、不揮発性半導体記憶装置に含まれる電極膜、電極間絶縁膜、選択ゲート電極、半導体層、接続部、接続部導電膜、有機膜、半導体側絶縁膜、電極側絶縁膜、絶縁膜、導電膜、層間絶縁膜、ソース線、ビット線などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…基板、 11a…主面、 13、13a、13b、13c…層間絶縁膜、 15、15a…絶縁膜、 16、17、18、19…層間絶縁膜、 22…コンタクト電極、 23…層間絶縁膜、 31…コンタクト電極、 32…ワード配線、 33…コンタクト電極、 34…接続部導電層配線、 42、42t…半導体側絶縁膜、 42p1、42p2…第1、第2半導体側絶縁膜、 43、43t…電極側絶縁膜、 43p1、43p2…第1、第2電極側絶縁膜、 47c1…接続部絶縁膜、 48、48t…有機膜、 48p1、48p2…第1、第2有機膜、 61、61A、61B、61t…電極膜、 61a、61b…第1、第2電極膜、 61f…第1膜、 61g…導電膜、 62…電極間絶縁膜、 62a、62b…第1、第2電極間絶縁膜、 62f…第2膜、 110、111、120、130…不揮発性半導体記憶装置、 110t、119t…試料、 BL…ビット線、 CE…対向電極、 CP…接続部、 CP1、CP2…第1、第2接続部、 CU…回路部、 Ct…キャパシタンス、 IL…絶縁層、 LSG…下部選択ゲート電極、 LSGI…下部選択ゲート絶縁膜、 MC…メモリセル、 ML…積層構造体、 ML1、ML2…第1、第2積層構造体、 MLf…母積層体、 MR…メモリアレイ領域、 MU…メモリ部、 MU1…メトリクスメモリセル部、 MU2…配線接続部、 PR…周辺領域、 PR1…周辺領域回路、 SCC…接続部導電層、 SG…選択ゲート電極、 SG1〜SG4…第1〜第4選択ゲート電極、 SGD…ドレイン側選択ゲート電極、 SGI…選択ゲート絶縁膜、 SGS…ソース側選択ゲート電極、 SGT1、SGT2…第1、第2選択ゲートトランジスタ、 SL…ソース線、 SLT…スリット、 SP、SPt…半導体層、 SP1〜SP4…第1〜第4半導体層、 TH…貫通ホール、 USG…上部選択ゲート電極、 USGI…上部選択ゲート絶縁膜、 V1、V2…コンタクト電極、 Vb…印加電圧、 fb…化学修飾基

Claims (9)

  1. 第1方向に沿って積層された複数の第1電極膜と、前記複数の第1電極膜どうしの間に設けられた第1電極間絶縁膜と、を有する第1積層構造体と、
    前記複数の第1電極膜の側面に対向する第1半導体層と、
    前記複数の第1電極膜の前記側面と前記第1半導体層との間に設けられ有機化合物を含む第1有機膜と、
    前記第1有機膜と前記第1半導体層との間に設けられた第1半導体側絶縁膜と、
    前記第1有機膜と前記複数の第1電極膜の前記側面との間に設けられた第1電極側絶縁膜と、
    を備え、
    前記複数の第1電極膜は、
    第1の第1電極膜と、
    前記第1方向において前記第1の第1電極膜と離間した第2の第1電極膜と、
    を含み、
    前記第1電極間絶縁膜は、前記第1の第1電極膜と、前記第2の第1電極膜との間に設けられた絶縁部分を含み、
    前記第1の第1電極膜は、
    前記絶縁部分に対向する第1面と、
    前記第1面と交差する第1側面と、
    を有し、
    前記第2の第1電極膜は、
    前記絶縁部分に対向する第2面と、
    前記第2面と交差する第2側面と、
    を有し、
    前記絶縁部分は、
    第3側面と、
    前記第1方向に対して垂直な方向において前記第3側面と離間する第4側面と、
    を有し、
    前記第1半導体層は、前記第1側面、前記第2側面及び前記第3側面と対向し、
    前記第1有機膜は、
    前記第1側面と前記第1半導体層との間に設けられた第1部分と、
    前記第2側面と前記第1半導体層との間に設けられた第2部分と、
    前記第1面と前記絶縁部分との間に設けられた第3部分と、
    前記第2面と前記絶縁部分との間に設けられた第4部分と、
    前記第4側面と対向する第5部分と、
    を含み、
    前記第3部分は、前記第1部分と連続し、
    前記第5部分は、前記第3部分と連続し、
    前記第4部分は、前記第5部分と連続し、
    前記第2部分は、前記第4部分と連続し、
    前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1側面との間、前記第1有機膜と前記第1面との間、前記第1有機膜と前記4側面との間、前記第1有機膜と前記2面との間、及び、前記第1有機膜と前記第2側面との間に設けられ、
    前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜と結合しており、
    前記第1半導体層は、前記第1積層構造体を前記第1方向に沿って貫通し、
    前記第1半導体側絶縁膜は、前記第1半導体層の側面を取り囲み、
    前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜の側面を取り囲み、
    前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜の側面を取り囲む、不揮発性半導体記憶装置。
  2. 第1方向に沿って積層された複数の第1電極膜と、前記複数の第1電極膜どうしの間に設けられた第1電極間絶縁膜と、を有する第1積層構造体と、
    前記複数の第1電極膜の側面に対向する第1半導体層と、
    前記複数の第1電極膜の前記側面と前記第1半導体層との間に設けられ有機化合物を含む第1有機膜と、
    前記第1有機膜と前記第1半導体層との間に設けられた第1半導体側絶縁膜と、
    前記第1有機膜と前記複数の第1電極膜の前記側面との間に設けられた第1電極側絶縁膜と、
    を備え、
    前記複数の第1電極膜は、
    第1の第1電極膜と、
    前記第1方向において前記第1の第1電極膜と離間した第2の第1電極膜と、
    を含み、
    前記第1電極間絶縁膜は、前記第1の第1電極膜と、前記第2の第1電極膜との間に設けられた絶縁部分を含み、
    前記第1の第1電極膜は、
    前記絶縁部分に対向する第1面と、
    前記第1面と交差する第1側面と、
    を有し、
    前記第2の第1電極膜は、
    前記絶縁部分に対向する第2面と、
    前記第2面と交差する第2側面と、
    を有し、
    前記絶縁部分は、
    第3側面と、
    前記第1方向に対して垂直な方向において前記第3側面と離間する第4側面と、
    を有し、
    前記第1半導体層は、前記第1側面、前記第2側面及び前記第3側面と対向し、
    前記第1有機膜は、
    前記第1側面と前記第1半導体層との間に設けられた第1部分と、
    前記第2側面と前記第1半導体層との間に設けられた第2部分と、
    前記第1面と前記絶縁部分との間に設けられた第3部分と、
    前記第2面と前記絶縁部分との間に設けられた第4部分と、
    前記第4側面と対向する第5部分と、
    を含み、
    前記第3部分は、前記第1部分と連続し、
    前記第5部分は、前記第3部分と連続し、
    前記第4部分は、前記第5部分と連続し、
    前記第2部分は、前記第4部分と連続し、
    前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1側面との間、前記第1有機膜と前記第1面との間、前記第1有機膜と前記4側面との間、前記第1有機膜と前記2面との間、及び、前記第1有機膜と前記第2側面との間に設けられ、
    前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜と、エーテル結合、シリルエーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合の少なくともいずれかにより結合されている、不揮発性半導体記憶装置。
  3. 第1方向に沿って積層された複数の第1電極膜と、前記複数の第1電極膜どうしの間に設けられた第1電極間絶縁膜と、を有する第1積層構造体と、
    前記複数の第1電極膜の側面に対向する第1半導体層と、
    前記複数の第1電極膜の前記側面と前記第1半導体層との間に設けられ有機化合物を含む第1有機膜と、
    前記第1有機膜と前記第1半導体層との間に設けられた第1半導体側絶縁膜と、
    前記第1有機膜と前記複数の第1電極膜の前記側面との間に設けられた第1電極側絶縁膜と、
    を備え、
    前記複数の第1電極膜は、
    第1の第1電極膜と、
    前記第1方向において前記第1の第1電極膜と離間した第2の第1電極膜と、
    を含み、
    前記第1電極間絶縁膜は、前記第1の第1電極膜と、前記第2の第1電極膜との間に設けられた絶縁部分を含み、
    前記第1の第1電極膜は、
    前記絶縁部分に対向する第1面と、
    前記第1面と交差する第1側面と、
    を有し、
    前記第2の第1電極膜は、
    前記絶縁部分に対向する第2面と、
    前記第2面と交差する第2側面と、
    を有し、
    前記絶縁部分は、
    第3側面と、
    前記第1方向に対して垂直な方向において前記第3側面と離間する第4側面と、
    を有し、
    前記第1半導体層は、前記第1側面、前記第2側面及び前記第3側面と対向し、
    前記第1有機膜は、
    前記第1側面と前記第1半導体層との間に設けられた第1部分と、
    前記第2側面と前記第1半導体層との間に設けられた第2部分と、
    前記第1面と前記絶縁部分との間に設けられた第3部分と、
    前記第2面と前記絶縁部分との間に設けられた第4部分と、
    前記第4側面と対向する第5部分と、
    を含み、
    前記第3部分は、前記第1部分と連続し、
    前記第5部分は、前記第3部分と連続し、
    前記第4部分は、前記第5部分と連続し、
    前記第2部分は、前記第4部分と連続し、
    前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜と前記第1側面との間、前記第1有機膜と前記第1面との間、前記第1有機膜と前記4側面との間、前記第1有機膜と前記2面との間、及び、前記第1有機膜と前記第2側面との間に設けられ、
    前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜と、前記第1有機膜に含まれる炭素原子と前記第1半導体側絶縁膜に含まれる原子との単結合、二重結合及び三重結合の少なくともいずれかにより結合されている、不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記第1半導体層は、前記第1積層構造体を前記第1方向に沿って貫通し、
    前記第1半導体側絶縁膜は、前記第1半導体層の側面を取り囲み、
    前記第1有機膜は、前記第1半導体側絶縁膜の側面を取り囲み、
    前記第1電極側絶縁膜は、前記第1有機膜の側面を取り囲む請求項またはに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記第1有機膜は、単分子膜である請求項1〜のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 前記第1有機膜は、Zn、Cu、Fe、Ru及びIrよりなる群から選択された少なくともいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 前記第1有機膜は、ポルフィリン、メタロセン及びビピリジンの少なくともいずれかを含む請求項1〜のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  8. 前記第1半導体側絶縁膜は、金属酸化物を含む請求項1〜のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  9. 前記第1方向に対して垂直な第2方向において前記第1積層構造体と並び、前記第1方向に沿って積層された複数の第2電極膜と、前記複数の第2電極膜どうしの間に設けられた第2電極間絶縁膜と、を有する第2積層構造体と、
    前記複数の第2電極膜の側面に対向する第2半導体層と、
    前記複数の第2電極膜の前記側面と前記第2半導体層との間に設けられ有機化合物を含む第2有機膜と、
    前記第2有機膜と前記第2半導体層との間に設けられた第2半導体側絶縁膜と、
    前記第2有機膜と前記複数の第2電極膜の前記側面との間に設けられた第2電極側絶縁膜と、
    前記第1半導体層と前記第2半導体層とを電気的に接続する接続部と、
    をさらに備えた請求項1〜のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
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