JP5842153B2 - 吊戸装置 - Google Patents
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Description
また、本発明においては、前記下枠部材の下レール部を、上方に向けて開口するガイド溝を設けた構成とし、前記マーキング体の突起部を、前記ガイド溝に係合してガイドされるガイド突起部としてもよい。
また、本発明においては、前記吊戸体の下端部に、前記マーキング体の突起部を下方に向けて付勢する付勢部材と、該付勢部材の付勢に抗して該突起部を上方に引退させた状態に保持する保持機構とを設けるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記マーキング体の突起部の先端を、下方に向けて先細り状の尖頭形状とし、該先端を前記下枠下地に突き当てることで窪み状のマーキングを施す構成としてもよい。
なお、以下の実施形態では、吊戸装置を施工した状態を基準として、上下方向等の方向を原則的に説明する。
本実施形態に係る吊戸装置1は、図1に示すように、吊戸体10と、この吊戸体10をスライド自在に吊り下げ支持する上レール部32を有した上枠部材30と、吊戸体10の下端部側をガイドする下レール部42を有した下枠部材40と、を備えている。
この吊戸装置1は、住居等の建物内の内壁に設けられた開口2に設置され、この開口2の奥側の空間が、例えば、収納空間や隣室空間等とされる(図2も参照)。
また、本実施形態では、吊戸体10が建て付けられる戸枠を、左右の縦枠部材を備えない上枠部材30及び下枠部材40からなる戸枠としており、開口2の幅方向両側を区画する左右の内側面は、例えば、壁仕上げ面等としてもよい。
この上枠部材30は、吊戸体10を吊り下げ支持する上レール部としての上レール32と、この上レール32が固定される上枠材31とを備えている。
上枠材31は、図1(b)に示すように、略矩形平板状とされており、その下面には、下方に向けて開口し、上レール32が嵌め込まれる凹溝部が当該上枠材31の長手方向の全長に亘って設けられている。
また、上レール32の両側板部の下縁部には、当該上レール32の幅方向内方側に向けて突出する案内片34,34が当該上レール32の長手方向の全長に亘ってそれぞれに設けられている。これら案内片34,34に、吊下ランナー16のローラー18が当該上レール32の長手方向に沿って転動自在に支持されることで、吊下ランナー16が上レール32に収容保持される。
この下枠部材40は、吊戸体10の下端部側をガイドする下レール部としての下レール42と、この下レール42が固定される下枠材41とを備えている。
下枠材41は、図1(b)に示すように、略矩形平板状とされており、その上面には、上方に向けて開口し、下レール42が嵌め込まれる凹溝部が当該下枠材41の長手方向の全長に亘って設けられている。
また、本実施形態では、下枠部材40に、複数(図例では、4つ)の挿通孔45を当該下枠部材40の長手方向に沿って間隔を空けて設けている。これら四つの挿通孔45は、本実施形態では、上枠部材30に吊り下げ支持され、閉状態とされた吊戸体10に設けられた後記するマーキング体21の略直下位置となるようにそれぞれ設けられている。
また、上枠部材30及び下枠部材40の上レール32及び下レール42は、アルミニウムやステンレス、炭素鋼等の適宜の金属系材料から押出成形や鋳造成形または切削加工等によってそれぞれ上記形状に一体的に成形された金属製としてもよい。または、硬質合成樹脂製としてもよい。
これら二組の折戸10,10は、それぞれ同様の構成とされており、それぞれに二枚の戸板11,11,11,11を、折り畳み自在に連結した構成とされている。これら二枚の戸板11,11の連結は、各戸板11,11の連結側端部12,12同士を複数の羽根蝶番等の連結部材13によって折り畳み自在に連結する態様としてもよい。
マーキング部20は、マーキング体21と、このマーキング体21を上下方向に進退自在に案内保持する保持部26と、を備えている。
マーキング体21は、本実施形態では、図1(b)に示すように、折戸10の下端面19の幅方向(戸体11の厚さ方向)略中央位置から下方に向けて進出される突起部22を備えている。また、マーキング体21は、この突起部22の先端(下端)24を、下枠下地4における下枠部材40の挿通孔45に対応する位置に突き当てることでマーキングする構成とされている。
また、本実施形態では、折戸10の下端部(下端ガイド20,20)に、マーキング体21のガイド突起部22を下方に向けて付勢する付勢部材29と、この付勢部材29の付勢に抗してガイド突起部22を上方に引退させた状態に保持する保持機構25a,28とを設けている(図3参照)。
ガイド突起部22は、下レール42のガイド溝43に係合してガイドされるガイド部23を有している(図1(b)も参照)。このガイド部23は、進退ロッド25の下端に略同心状に設けられた略円盤形状とされており、下レール42のガイド溝43の溝幅よりも僅かに小径状とされるとともに、下レール42の係合案内片44,44に当接される。なお、ガイド部23の形状は、略円盤形状に限られず、略多角柱形状としてもよく、その他、下レール42のガイド溝43に係合してガイドされる形状であればどのような形状としてもよい。
また、下端ガイド20のマーキング体21及び保持部26は、上記同様の金属系材料からそれぞれ上記形状に一体的に成形された金属製としてもよく、または、硬質合成樹脂製としてもよい。また、保持部26としては、折戸10と別体として上記固定凹所に嵌め込み固定されるものに限られず、折戸10の下端部に直接的に上記形状とされた凹所27や保持凹所28を設ける態様としてもよい。
まず、図2(a)に示すように、上枠部材30を上枠下地3に固定する。なお、この上枠部材30を固定する前に、図2(a)に示すように、上枠部材30の上レール32に、各折戸10,10に連結される吊下ランナー16,16,16,16を組み込んでおくようにしてもよい。また、この上枠部材30の上枠下地3への固定は、釘やねじ等の固定止具によって固定するようにしてもよい。また、上枠部材30に上下方向に貫通する固定止具の挿通孔を、例えば、上レール32の幅方向略中央位置等に設けておくようにしてもよい。
次いで、図4に示すように、下枠部材40の挿通孔45,45,45,45と、上記のように施された窪み状マーキング9とがそれぞれ一致するように、下枠部材40を移動させて位置決めする。そして、下枠部材40の挿通孔45,45,45,45を介して固定止具8(図1(b)参照)を下枠下地4に捩じ込み(または打ち込み)、下枠部材40を下枠下地4に固定する。このようにして当該吊戸装置1を開口2に設置するようにしてもよい。
また、上記施工手順は一例であり、各部材及び各部の機能を阻害しない限りにおいて別手順でなされるようにしてもよい。
つまり、折戸10の下端部に、下枠部材40の固定位置を下枠下地4にマーキングするマーキング体21を上下方向に進退自在に設けている。従って、折戸10を、開口2の上枠下地3に固定された上枠部材30に吊り下げ、かつ下枠部材40を下枠下地4に固定していない状態で、マーキング体21を下枠下地4に向けて進出させることで、下枠部材40の固定位置のマーキング9を施すことができる。つまり、上枠部材30に吊り下げ支持させた折戸10自体が下枠部材40の固定位置の位置決め手段として機能する。また、上枠部材30に吊り下げられて、その自重により折戸10が略垂直状態に静止した状態で、マーキング体21を下枠下地4に向けて進出させることで、下枠部材40の固定位置を正確にマーキングすることができる。また、このマーキング9に位置合わせして下枠部材40を下枠下地4に固定することができるので、下枠部材40の位置決めを容易に行うことができる。また、マーキング体21は、上枠部材30に吊り下げ支持される折戸10の下端部に、上下方向に進退自在に設けられているため、施工現場においてマーキング体21の取り付けや取り外し等の必要がなく、施工性を向上させることができる。
また、本実施形態では、マーキング体21の突起部22を下レール42のガイド溝43に係合してガイドされるガイド突起部22としている。従って、このガイド突起部22が下方に向けて付勢されているので、当該ガイド突起部22の下レール42のガイド溝43への係合強度を向上させることができる。また、このような構成とすることで、例えば、上枠下地3や下枠下地4等の不陸や上枠部材30や下枠部材40の加工誤差、施工誤差等があった場合にも、折戸10のガイド突起部22を比較的に確実に下レール42のガイド溝43に係合させることができる。
また、例えば、インク等によってマーキングを施す構成とした場合と比べて、汚損等を抑制することができ、また、マーキング体21を簡易な構造とすることもできる。
さらに、本実施形態では、マーキング体21の突起部22の先端24を、下方に向けて先細り状の尖頭形状の尖頭部24とし、この尖頭部24を下枠下地4に突き当てることで窪み状マーキング9を施す構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、マーキングを施す際に、マーキング体21の突起部22の先端24にインク等の塗料を塗布し、該塗料によってマーキングを施す態様としてもよい。さらには、マーキング体21の突起部22の先端24等を、インク等によるマーキングが可能なようにペン状のマーカーとしてもよい。
さらに、当該吊戸装置1が備える吊戸体としては、二枚の戸板11,11を折り畳み自在に連結した折戸10に限られず、単一または複数枚の引戸や間仕切パネル等のスライド吊戸体としてもよい。この場合は、スライド吊戸体の納め態様やスライド態様(戸袋納め、袖壁納め、片引き、引き違い、引き分け(両引き)等)、枚数等に応じて、上枠部材30や下枠部材40の各部の形状等を適宜、変形するようにすればよい。
また、下枠部材40も略同様、下枠材41及び下レール42をそれぞれ別体とせずに、これらを一体的に形成した下枠部材40としてもよく、さらには、下レール42のみを下枠部材40として把握するようにしてもよい。また、下レール42の形状も上記した形状に限られず、吊戸体10の下端部側をガイドする構成とすればよい。
10 折戸(吊戸体)
19 下端面
21 マーキング体
22 ガイド突起部(突起部)
24 尖頭部(先端)
25a ロッド上端部(保持機構)
28 保持凹所(保持機構)
29 ばね部材(付勢部材)
30 上枠部材
32 上レール(上レール部)
40 下枠部材
42 下レール(下レール部)
43 ガイド溝
45 挿通孔
2 開口
3 上枠下地
4 下枠下地
8 固定止具
9 窪み状マーキング(マーキング)
Claims (5)
- 吊戸体と、この吊戸体をスライド自在に吊り下げ支持する上レール部を有した上枠部材と、前記吊戸体の下端部側をガイドする下レール部を有した下枠部材と、を備えており、
前記吊戸体の下端部には、前記上枠部材に吊り下げられた当該吊戸体自体が前記下枠部材の固定位置の位置決め手段として機能するように、開口の上枠下地に固定された前記上枠部材に当該吊戸体が吊り下げられ、かつ前記下枠部材が開口の下枠下地に固定されていない状態で、該下枠部材の固定位置を前記下枠下地にマーキングするマーキング体が上下方向に進退自在に設けられていることを特徴とする吊戸装置。 - 請求項1において、
前記下枠部材には、当該下枠部材を前記下枠下地に固定する固定止具が挿通される上下方向に貫通する挿通孔が前記下レール部の幅方向略中央位置に設けられており、
前記マーキング体は、前記吊戸体の下端面の幅方向略中央位置から下方に向けて進出される突起部を備え、該突起部の先端を、前記下枠下地における前記下枠部材の前記挿通孔に対応する位置に突き当てることでマーキングする構成とされていることを特徴とする吊戸装置。 - 請求項2において、
前記下枠部材の下レール部は、上方に向けて開口するガイド溝を設けた構成とされており、
前記マーキング体の突起部は、前記ガイド溝に係合してガイドされるガイド突起部であることを特徴とする吊戸装置。 - 請求項2または3において、
前記吊戸体の下端部には、前記マーキング体の突起部を下方に向けて付勢する付勢部材と、該付勢部材の付勢に抗して該突起部を上方に引退させた状態に保持する保持機構とが設けられていることを特徴とする吊戸装置。 - 請求項2乃至4のいずれか1項において、
前記マーキング体は、その突起部の先端が下方に向けて先細り状の尖頭形状とされ、該先端を前記下枠下地に突き当てることで窪み状のマーキングを施す構成とされていることを特徴とする吊戸装置。
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