JP4722747B2 - ビス位置決め治具 - Google Patents

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Description

本発明はビス位置決め治具に関し、特に、扉枠調整具を用いて扉枠を取り付けるに際して調整ビスを貫通孔やビス挿通孔の中心に確実に位置決めするために用いることができるビス位置決め治具に関する。
ドア、引戸等の扉枠を建物の壁開口部に取り付ける際に扉枠の位置調整を行う必要があり、このための扉枠調整具として、たとえば下記特許文献1,2に記載のものが知られている。これら特許文献記載の扉枠調整具では、調整ネジや隙間調整具を用いて扉枠を水平方向に移動可能にして位置調整を行っている。
特許第2946210号公報 特許第3344819号公報
しかしながら、従来の扉枠調整具は、扉枠部材を水平方向にのみ移動して調整するものであり、微妙な位置調整を行うことが困難であり、施工性に問題があった。
扉枠部材を水平方向だけでなく上下方向にも移動可能にするためには、調整ビスをその胴径より十分に大きい貫通孔やビス挿通孔に挿通させて壁開口部の躯体にねじ込むことにより扉枠部材を躯体に固定することが考えられる。このようにすると、調整ビスを貫通孔やビス挿通孔に挿通させて躯体にねじ込んだ状態を維持しながら扉枠部材を躯体に対して移動させることができるようになるため、前後および上下方向における扉枠位置の微調整が可能となる。
ところが、このような構成の場合、調整ビスを貫通孔やビス挿通孔の中心にねじ込むことが困難である。調整ビスが貫通孔やビス挿通孔の中心から外れた位置でねじ込まれると、前後および上下方向の調整代がいずれか一方に片寄ってしまい、両方向に均等な調整代を確保することができなくなる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、前記のような構成の扉枠調整具を用いて扉枠を取り付けるに際して調整ビスを貫通孔やビス挿通孔の中心に確実に位置決めすることを可能にするビス位置決め治具を提供することにある。
上記の課題を達成するため、請求項1に係る本発明は、板材の厚さ方向に貫通する所定径寸法の貫通孔にビスを挿通させるに際して該ビスを該貫通孔の中心に位置決めするために用いるビス位置決め治具であって、偏心軸を回転中心として左右に拡開可能である一対の左右本体を有し、これら一対の左右本体は各々略半円柱体であると共に、中央には断面略半円形の切欠が形成されており、これら一対の左右本体が閉じた状態にあるときは前記貫通孔の径に略等しい外径寸法を有する略円柱体を呈すると共にこの略円柱体の中心には切欠同士が組み合わされることによって断面略円形の孔が形成され、該孔は前記ビスの胴径に略等しいものであり、さらに、前記一対の左右本体を前記閉じた状態から偏心軸を回転中心として拡開させて前記開いた状態とするための一対の開放つまみを備え、これら一対の開放つまみは左右本体が閉じた状態にあるときに所定角度開いており、前記一対の左右本体の軸長方向においてこれら一対の開放つまみの端は前記一対の左右本体が閉じたときの前記略円柱体の端面より後退していることを特徴とするビス位置決め治具。
請求項2に係る本発明は、請求項1記載のビス位置決め治具において、前記板材には所定幅寸法を有する溝が形成されると共に、前記貫通孔は該溝幅内において前記板材を厚さ方向に貫通するように形成され、前記一対の左右本体はその外側面にカット面が形成され、該カット面が形成されることによって該一対の左右本体が開いた状態にあるときでも該一対の左右本体が前記溝幅内に収まっていることを特徴とする。
請求項3に係る本発明は、請求項2記載のビス位置決め治具において、前記一対の左右本体の各々から軸長方向と略直交する方向に延長する当て板が、前記閉じた状態にあるときに前記溝幅より十分に大きく突出するように形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る本発明は、請求項1ないし3のいずれか記載のビス位置決め治具において、前記開放つまみの反対側に一対の開閉片を備え、これら一対の開閉片は前記一対の左右本体が閉じた状態にあるときは略密接しているが該一対の左右本体が開いた状態にあるときは所定角度開いており、該一対の左右本体の軸長方向においてこれら一対の開閉片の端は該一対の左右本体の前記略円柱体の端面より後退していることを特徴とする。
本発明によれば、ビス位置決め治具を閉じた状態で貫通孔にセットしたときに、その孔が該貫通孔と常に同心に位置することになるので、この孔にビスを通したときに、該ビスが自動的に貫通孔の中心に位置決めされる。
図1〜図4は、本発明によるビス位置決め治具の好適な一実施形態を示す。このビス位置決め治具10は、偏心軸11を回転中心として開閉可能な左右の本体12,13を有する。左右本体12,13は、偏心軸11に対する連結部の構成を除いて、略同一の形状および構成を有している。図4において符号25,26は偏心軸11のために左右本体12,13に設けられた軸受部である。
図1〜図4はいずれも左右の本体12,13が閉じられた状態にあるビス位置決め治具10を示している。左右本体12,13が図1〜図4に示す閉じた状態にあるとき、これらは一体となって略円柱形状を呈するものとなり、後述する縦枠部材31の貫通孔41に嵌合可能である。すなわち、閉じた状態の左右本体12,13によって形成される略円柱体の外径は貫通孔41の径に略等しい。
左右本体12,13の外周面はいずれも略断面円形であるが、その一部が長手方向(図2紙面鉛直方向、図3左右方向)に沿った平面でカットされたカット面14,15を有している。これらカット面14,15は、下記切欠16,17を挟んで偏心軸11と反対側に位置し、図1〜図4の閉じた状態にあるときはカット面14,15は後述の開放つまみ19,20と各々略平行であってカット面14,15同士は平行な位置関係にないが、後述のように開放つまみ19,20の操作により左右本体12,13を拡開させたときにはこれらカット面14,15同士が所定間隔(後述の戸当たり溝40の溝幅と同一またはそれよりも小さい寸法)を隔てて平行に位置するように設けられている。
左右本体12,13は各々その中央に断面半円形の切欠16,17を有しており、左右本体12,13が図1〜図4の閉じた状態にあるとき、これら切欠16,17同士が整合して断面略円形の孔18となる。この孔18は、後述する調整ビス45の胴径に略等しい径を有する。
左右本体12,13において各々偏心軸11に近い端部には開放つまみ19,20が固着され、反対側端部には開閉片21,22が固着されている。図1〜図4の閉じた状態において開放つまみ19,20は所定の角度α(たとえば約45度)開いており、これらを互いに近づける方向に移動させると、左右本体12,13が偏心軸11を中心として回転し、拡開する。この拡開状態においては開放つまみ19,20は互いに密接した状態となり、開閉片21,22が所定角度β(=α)開いた状態となるので、これら開閉片21,22を互いに近づける方向に移動させることにより、左右本体12,13が偏心軸11を中心として回転し、図1〜図4の閉じた状態に戻る。左右本体12,13を閉じた状態に常時保持するべくバネなどの付勢手段を偏心軸11に設けても良い。この場合、バネ付勢に抗して開放つまみ19,20を互いに近づける方向に相対移動させることによりビス位置決め治具10を閉じた状態から拡開させることができ、開放つまみ19,20から手を離すとビス位置決め治具10は自動的に閉じた状態に戻る。開閉片21,22が開いた状態になると、切欠16,17によって形成されていた断面略円形の孔18が割れて切欠16,17間に隙間が生ずる。この隙間は、後述する調整ビス45の胴径より十分に大きい。
左右本体12,13の外周面に各々当て板23,24が固着されている。これら当て板23,24は、開放つまみ19,20と開閉片21,22との間において、カット面14,15を含む左右本体12,13の外周面を取り巻き且つ互いに対向する方向に延長・突出するように設けられている。当て板23,24は、閉じた状態で略円柱形状となる左右本体12,13の長手方向に直交する面を有する。当て板23,24は、後述する戸当たり溝40の溝幅より十分に大きい寸法に形成される。
図3から理解されるように、右本体13は当て板24を中心として左右略対称に形成されている。左本体12についても同様である。当て板23,24の表面24a、24bから略円柱体の端面13a,13bまでの距離H,H(言い換えればビス位置決め治具の突出長)は、後述する縦枠部材31の戸当たり溝40の深さDより大きく設定される。また、開放つまみ19,20および開閉片21,22の突出量Hは上記治具突出長Hより小さく、開放つまみ19,20の端は略円柱体の端面13a,13bより後退しており、戸当たり溝深さDに等しいかそれより小さく設定される。同様に、開閉片21,22の端も略円柱体の端面13a,13bより後退している。
次に、このビス位置決め治具10を用いて扉枠を開口部に取り付ける方法について、図5〜図8を参照しながら説明する。
図5において、扉枠30は、左右一対の縦枠部材31,32と、これら縦枠部材31,32の上端を連結する横枠部材33とから形成され、縦枠部材31,32勝ちに枠組みされてなる三方枠である。縦枠部材31,32と横枠部材33は公知の方法で結合され、たとえば横枠部材33の左右両端木口面から所要の長さに亘るボルト挿通穴(図示せず)を形成するとともに該ボルト挿通穴とネジ穴が整列するようにナット部材(図示せず)を挿入固定し、ボルト部材(図示せず)を縦枠部材31,32の上端部にあけたボルト挿通穴(図示せず)および横枠部材33のボルト挿通穴に通してナット部材に螺合することによって行うことができる。
縦枠部材31,32および横枠部材33の各表裏面にはケーシング(図示せず)を嵌入するケーシング溝34a,34b,34cが各長手方向に延長して形成されており、縦枠部材31,32の上端には縦枠部材31,32のケーシング溝34a,34bと横枠部材33のケーシング溝34cとを連続させるための切除部35a,35bが形成されている。
縦枠部材31は、躯体36との間に所定厚さの飼木37を挟んで、固定ビス(図示せず)により柱などの躯体36に固定される。縦枠部材32および横枠部材33も、同様に、躯体36との間に所定厚さの飼木37を挟んで、固定ビスにより柱などの躯体36に固定される。躯体36の表裏には各々表面板(図示せず)が貼着されて壁を構成しており、この壁を両側から挟むようにケーシングが縦枠部材31のケーシング溝34a,34aに嵌着される。
開口部に臨む縦枠部材31,32の各内側面には、戸当たり(図示せず)を嵌着するための戸当たり溝40(図7,図8)が長手方向(高さ方向)の略全長に亘って刻設形成されている。この戸当たり溝40内に収まるように、縦枠部材31,32の各高さ方向略中央を水平方向に貫通する貫通孔41が形成され、該貫通孔41を利用して扉枠調整具42が取り付けられる。なお、図5において符号38は床下地、符号39は床材を示す。
左側の縦枠部材31に取り付けられる扉枠調整具42について以下図6を参照して説明するが、右側の縦枠部材32に取り付けられる扉枠調整具42も同一構成である。図6に示すように、この扉枠調整具42は、縦枠部材31に固定される座板部材43と、この座板部材43に固定される弾性部材44と、座板部材43を弾性部材44(この実施形態では板バネ)を介して建物の躯体36に固定する調整ビス45とを有する。調整ビス45には、縦枠部材31の厚さに躯体36との間隔分を合わせた合計寸法より十分に長いものを用いる。
座板部材43は鋼、アルミ、亜鉛、青銅などの金属材料その他の任意材料で平面視矩形や円形に形成され、縦枠部材31の躯体36側の面(外側面)31aに密接した状態でビス46,46により板バネ44と共に固定される平板状の基面部43aと、この基面部43aの反躯体側面から突出して縦枠部材31の貫通孔41に嵌着される円筒状の突起43bと、基面部43aの躯体側面の幅方向両端に形成された一対のリブ43cを有して一体に形成されている。リブ43cは、座板部材43が縦枠部材31に取り付けられた状態において、略前後方向(座板部材31の長片方向)に延長する向きに形成されている。リブ43cの高さは板バネ44のバネ強さに対応して設定され、たとえば座板部材43として板厚1.8mmの鋼板を使用した場合は、リブ高さを3mm程度に設定することが好ましい。円筒状突起43bは、調整ビス45を挿通させるに十分な径のビス挿通孔43dを有する。また、円筒状突起43bの先端面(反躯体側の面)はビス挿通孔43dの部分を除いて平坦面とされている。
なお、この実施形態では座板部材43の中央に円筒状突起43bを一体に形成して縦枠部材31の貫通孔41に嵌着させているが、縦枠部材31に嵌着できる形状であれば、該突起の形状は任意である。また、このような突起を設けずに、単に座板部材43の中央に調整ビス45の胴径より十分に大きい径を有するビス挿通孔を形成しても良い。あるいは、一対の対向する略三日月断面形状の突起部を設けて、それら突起部の間を調整ビス45の胴径より十分に大きな間隔に形成してビス挿通孔としても良い。また、調整ビス45を挿通するために該調整ビス45の胴径より十分に大きなものとして形成されるビス挿通孔43dは任意の形状を有することができ、円形、楕円形、矩形、矩形の対向する二辺を円弧で置き換えた異形矩形、多角形などの形状であって良い。
この実施形態において弾性部材として用いられる板バネ44は略台形の断面形状を有するが、その形状は任意であり、頂部が平坦ではなく波状を有するような断面形状を有するものであっても良い。
このような扉枠調整具42を用いて扉枠30を壁開口部に取り付けるには、図5において扉枠30の大きさに対して壁開口部の幅を10mm、高さを5mm程度大きく形成しておき、縦枠部材31,32の高さ方向略中心位置に各々扉枠調整具42,42を前述の要領にてビス46,46で固定した後、この扉枠30を壁開口部の床下地38上に配置する。このとき、扉枠調整具42の座板部材43の円筒状突起43bは、縦枠部材31,32に設けられた貫通孔41に嵌着されている。
次いで、扉枠調整具42が固定された貫通孔41にビス位置決め治具10をセットする。ビス位置決め治具10がセットされた状態が図6および図7に示されている。このセット状態にするには、左右本体12,13を閉じた状態にして、また、開放つまみ19,20が戸当たり溝40の溝幅内に収まるような向きにして、戸当たり溝40内に挿入する。閉じた状態のビス位置決め治具10において左右本体12,13によって形成される略円柱体の外径は戸当たり溝40の溝幅よりも十分に小さく、且つ、貫通孔41の径に略一致しているので、この略円柱体の挿入方向前方の端部を戸当たり溝40から貫通孔41に挿入嵌合させることができる。このようにして当て板23,24の裏面が縦枠部材31の外面に突き当たるまで押し込んだとき、該略円柱体の貫通孔41への挿入深さは、治具突出長Hと戸当たり溝深さDとの差分(H−D)に相当する。このとき、当て板23,24の大きな張り出し部が縦枠部材31の外面に当接して、ビス位置決め治具10のセット状態を安定的に保持する。
このようにしてビス位置決め治具10を貫通孔41にセットした状態にすると、切欠16,17によって形成される円形断面の孔18が、扉枠調整具42の座板部材43の円筒状突起43b内に形成されたビス挿通孔43dと同心状に位置することになるので、この孔18に調整ビス45をねじ込むことによって自動的にビス挿通孔43dの中心を通して躯体36に打ち込むように位置決めされる。
このようにしてビス位置決め治具10を戸当たり溝40にセットした状態で、調整ビス45を孔18に差し込み、さらに扉枠調整具42の円筒状突起43b内のビス挿通孔43dに挿通させて、躯体36にねじ込む。図示しないが、扉枠調整具42の座板部材基面部43aと板バネ44の各中心には、調整ビス45の胴径よりも十分に大きい寸法の開口が形成されていて、調整ビス45の通過を許容している。図6に示すように、このようにして調整ビス45を躯体36に対して確実にねじ込み固定した状態において、座金47は、貫通孔41にセットされたビス位置決め治具10の略円柱体の外面との間に若干の隙間dを有して離れた位置にある。
調整ビス45のねじ込みにより縦枠部材31を躯体36に対して仮固定し、略円柱体を前方に引き出して貫通孔41から外した後、戸当たり溝40内において開放つまみ19,20を手指で摘んで互いに近づける方向に相対移動させると、開閉片21,22が角度βだけ開き、その間から調整ビス45を離脱させることができるようになる(図8参照)。より詳しくは、開放つまみ19,20を手指で摘んだ状態で、ビス位置決め治具10をまず前方に若干引き出すことによって貫通孔41に(H−D)だけ嵌合挿入されている前端部を引き抜いた後、戸当たり溝40内において下方にスライド移動させて調整ビス45を離脱させた後、前方に引き抜くことにより、ビス位置決め治具10が貫通孔41および戸当たり溝40から取り外され、調整ビス45のみが残された状態となる。この状態においてカット面14,15は略平行となり且つそれらの間隔は戸当たり溝40の溝幅と等しいかそれよりも小さいので、ビス位置決め治具10を戸当たり溝40から引き抜く作業に支障を来すことはない。この後、調整ビス45をさらにねじ込んで、扉枠調整具42を介して縦枠部材31を躯体36に固定完了する。このとき、調整ビス45は座金47を介して座板部材43の円筒状突起43bの平坦面に接しており、その頭部は貫通孔41内に完全に埋没していて戸当たり溝40内には突出しない状態となっているので、戸当たり溝40に戸当たり部材(図示せず)を嵌合固定する際の邪魔にならない。
ビス位置決め治具10を取り外した後に調整ビス45を躯体36にねじ込むに際しては、縦枠部材31,32の垂直出しおよび横枠部材33の水平出しを行いながら、扉枠30を壁開口部の適正位置に配置する。このとき、扉枠30の三方枠部材31,32,33と躯体36との間に各々5mm程度の隙間ができるようにしておくと良い。次いで、縦枠部材31,32の任意箇所(図5では各縦枠部材について上部、中央部および下部の三箇所)および横枠部材13の任意箇所(図5では横枠部材13の左右両端近くの二箇所)において、躯体36(柱または横架材)と各扉枠部材との間の隙間(e=約5mm)に相当する厚さの飼木37,37...を挿入し、固定ビス(図示せず)により本固定する。さらに、床下地38には床板39が敷設される。
扉枠30を壁開口部の適正位置に配置する際、前述の構成の扉枠調整具42を用いることにより、調整ビス45が躯体36にねじ込まれた状態であっても、前後・左右・上下の六方向において微妙な位置調整が可能である。すなわち、扉枠調整具42は前述の要領にてビス46,46で縦枠部材31に対して固定されると共に調整ビス45で柱などの躯体36に対して固定されるが、板バネ44の弾性変形を通じて縦枠部材31と躯体36との間の間隔を調整することができるので、図6において左右方向の位置調整が可能である。詳しくは図示しないが、この縦枠部材31と躯体36との間の間隔調整を可能にするため、板バネ44は、その弾性変形に応じて若干の移動が許容されるようにビス46,46で縦枠31に取り付けられている。
また、扉枠調整具42を躯体36に固定する調整ビス45は、その胴径より十分に大きな寸法を有するビス挿通孔43dを挿通し、且つ、円筒状突起43bの先端平坦面に当接する座金47の直径は縦枠部材31の貫通孔41の径より小さく設定されているので、これらの寸法差によって許容される範囲内において、縦枠部材31を躯体36に対して前後および上下方向に微調整移動可能である。したがって、調整ビス45が躯体36にねじ込まれた状態であっても、上記各部材間の寸法差によって許容される範囲内において、縦枠部材31を躯体36に対して前後・上下方向に移動してその位置を微調整することができる。
本発明によるビス位置決め治具の好適な一実施形態を示す斜視図である。 図1のビス位置決め治具の正面図である。 図1のビス位置決め治具の右側面図である。 図2中A−A断面図である。 図1のビス位置決め治具を用いて扉枠を壁の開口部に取り付けた状態の正面図である。 図5中B-B断面図である。 図6においてビス位置決め治具の左右本体が閉じた状態を示す正面図である。 図6の状態から略円柱体を前方に引き出して貫通孔から外すことによりビス位置決め治具の左右本体を拡開させた状態を示す正面図である。
符号の説明
10 ビス位置決め治具
11 偏心軸
12 左本体
13 右本体
14,15 カット面
16,17 切欠
18 孔
19,20 開放つまみ
21,22 開閉片
23,24 当て板
25,26 軸受部
30 扉枠
31,32 縦枠部材
33 横枠部材
36 躯体
40 戸当たり溝
41 貫通孔
42 扉枠調整具
43 座板部材
43d ビス挿通孔
44 板バネ(弾性部材)
45 調整ビス
47 座金

Claims (4)

  1. 板材の厚さ方向に貫通する所定径寸法の貫通孔にビスを挿通させるに際して該ビスを該貫通孔の中心に位置決めするために用いるビス位置決め治具であって、偏心軸を回転中心として左右に拡開可能である一対の左右本体を有し、これら一対の左右本体は各々略半円柱体であると共に、中央には断面略半円形の切欠が形成されており、これら一対の左右本体が閉じた状態にあるときは前記貫通孔の径に略等しい外径寸法を有する略円柱体を呈すると共にこの略円柱体の中心には切欠同士が組み合わされることによって断面略円形の孔が形成され、該孔は前記ビスの胴径に略等しいものであり、さらに、前記一対の左右本体を前記閉じた状態から偏心軸を回転中心として拡開させて前記開いた状態とするための一対の開放つまみを備え、これら一対の開放つまみは左右本体が閉じた状態にあるときに所定角度開いており、前記一対の左右本体の軸長方向においてこれら一対の開放つまみの端は前記一対の左右本体が閉じたときの前記略円柱体の端面より後退していることを特徴とするビス位置決め治具。
  2. 前記板材には所定幅寸法を有する溝が形成されると共に、前記貫通孔は該溝幅内において前記板材を厚さ方向に貫通するように形成され、前記一対の左右本体はその外側面にカット面が形成され、該カット面が形成されることによって該一対の左右本体が開いた状態にあるときでも該一対の左右本体が前記溝幅内に収まっていることを特徴とする、請求項1記載のビス位置決め治具。
  3. 前記一対の左右本体の各々から軸長方向と略直交する方向に延長する当て板が、前記閉じた状態にあるときに前記溝幅より十分に大きく突出するように形成されていることを特徴とする、請求項2記載のビス位置決め治具。
  4. 前記開放つまみの反対側に一対の開閉片を備え、これら一対の開閉片は前記一対の左右本体が閉じた状態にあるときは略密接しているが該一対の左右本体が開いた状態にあるときは所定角度開いており、該一対の左右本体の軸長方向においてこれら一対の開閉片の端は該一対の左右本体の前記略円柱体の端面より後退していることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか記載のビス位置決め治具。
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CN107524374A (zh) * 2017-10-31 2017-12-29 赵桂金 一种便于拆卸的升降窗户固定框架
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