JP5841821B2 - 画像処理装置、車両、画像処理方法、及び、プログラム - Google Patents

画像処理装置、車両、画像処理方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、走行体と走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両のための画像処理の技術に関する。
従来より、土木作業や建築作業において、油圧ショベルやクローラクレーンなど、走行体と走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた作業車両が用いられている。このような作業車両は、走行体の走行、旋回体の旋回、及び、作業装置の伸縮など、自動車などの一般的な車両と比較して、複雑な動作を行うことが可能である。このため、周辺の物体との接触事故を防止するため、ユーザ(運転者)は作業車両の周辺の安全を十分に確認することが求められる。
近年、異なる方向を撮影する複数のカメラで得られた複数の画像を用いて作業車両を俯瞰する仮想視点からみた合成画像(俯瞰画像)を生成し、作業車両の運転室に設けられる表示装置にこの合成画像を表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような画像処理技術を利用することで、ユーザは、作業車両の周辺の安全の確認を容易に行うことができる。
特開2008−312004号公報
ところで、上記従来の技術においては、合成画像に含まれる被写体の像の方向が、旋回体を基準とした方向に固定されている。より具体的には、合成画像の上下方向と旋回体の前後方向とが一致され、旋回体の前方にある被写体の像が合成画像の上方に位置するようになっている。
しかしながら、作業車両は、走行体に対して旋回体が旋回可能であるため、走行体の進行方向は、必ずしも旋回体の前方とは一致しない。このため、従来技術のように、被写体の像の方向を旋回体を基準とした方向に固定した場合には、合成画像の上方と走行体の進行方向とが一致しない場面が生じる。このため、走行体の走行中においては、ユーザが実際の被写体の位置を直感的に把握できず、周辺の物体が実際に存在する位置について誤解を生じる可能性がある。
また逆に、被写体の像の方向を走行体を基準とした方向に固定したとすると、ユーザが旋回体に設けられる作業装置を操作する場合において、実際の被写体の位置を直感的に把握しにくくなる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが被写体の位置を直感的に把握できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理装置であって、前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する変更手段と、前記車両の動作を示す信号を受信する受信手段と、を備え、前記変更手段は、前記車両の動作に応じて、前記被写体の像の方向を変更し、前記走行体の走行中は、前記被写体の像の方向を前記第1方向に変更し、前記旋回体に設けられた作業装置の動作中は、前記被写体の像の方向を前記第2方向に変更する
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記複数のカメラは、前記旋回体に設けられる。
また、請求項の発明は、請求項1または2に記載の画像処理装置において、前記変更手段は、前記被写体の像の方向を変更する場合に、前記被写体の像の方向を段階的に変更し、前記被写体の像の方向が連続的に変わるアニメーション表示を前記表示装置に行わせる。
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の画像処理装置において、前記生成手段は、前記合成画像中に前記車両の外観を示す車両像を含める。
また、請求項の発明は、請求項に記載の画像処理装置において、前記走行体に対する前記旋回体の旋回角度を取得する手段、をさらに備え、前記生成手段は、前記旋回角度に基づいて、前記走行体と前記旋回体との相対的な位置関係を示す前記車両像を前記合成画像に含める。
また、請求項の発明は、請求項4または5に記載の画像処理装置において、前記旋回体に設けられた作業装置の関節部の回動角度を取得する手段、をさらに備え、前記生成手段は、前記回動角度に基づいて、前記作業装置の伸縮状態を示す前記車両像を前記合成画像に含める。
また、請求項の発明は、請求項に記載の画像処理装置において、前記生成手段は、前記合成画像中に含まれる前記被写体としての前記走行体の像に重ねて、前記旋回体の外観を示す旋回体像を含める。
また、請求項の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記旋回体には、伸縮可能な作業装置が設けられており、前記車両の動作を示す信号を受信する受信手段と、前記合成画像が示す前記車両の周辺の範囲において、前記走行体が走行した場合に前記走行体が移動する第1領域、前記旋回体が旋回した場合に前記作業装置が移動する第2領域、及び、前記作業装置が伸縮した場合に前記作業装置が移動する第3領域をそれぞれ特定する特定手段と、をさらに備え、前記生成手段は、前記車両の動作に応じて、前記第1ないし第3領域のうち現時点で動作中の前記車両の部位に関連する領域の指標を、他の領域の指標よりも強調して前記合成画像に含める。
また、請求項9の発明は、走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理装置であって、前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する変更手段と、を備え、前記変更手段は、前記被写体の像の方向を変更する場合に、前記被写体の像の方向を段階的に変更し、前記被写体の像の方向が連続的に変わるアニメーション表示を前記表示装置に行わせる。
また、請求項10の発明は、請求項9に記載の画像処理装置において、前記生成手段は、前記合成画像中に前記車両の外観を示す車両像を含め、前記生成手段は、前記合成画像中に含まれる前記被写体としての前記走行体の像に重ねて、前記旋回体の外観を示す旋回体像を含める。
また、請求項11の発明は、走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理装置であって、前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する変更手段と、を備え、前記生成手段は、前記合成画像中に前記車両の外観を示す車両像を含め、前記生成手段は、前記合成画像中に含まれる前記被写体としての前記走行体の像に重ねて、前記旋回体の外観を示す旋回体像を含めることを特徴とする画像処理装置。
また、請求項12の発明は、走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられる伸縮可能な作業装置とを備えた車両で用いられる画像処理装置であって、前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、前記車両の動作を示す信号を受信する受信手段と、前記合成画像が示す前記車両の周辺の範囲において、前記走行体が走行した場合に前記走行体が移動する第1領域、前記旋回体が旋回した場合に前記作業装置が移動する第2領域、及び、前記作業装置が伸縮した場合に前記作業装置が移動する第3領域をそれぞれ特定する特定手段と、をさらに備え、前記生成手段は、前記車両の動作に応じて、前記第1ないし第3領域のうち現時点で動作中の前記車両の部位に関連する領域の指標を、他の領域の指標よりも強調して前記合成画像に含める。
また、請求項13の発明は、走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両であって、前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する変更手段と、前記車両の動作を示す信号を受信する受信手段と、を備え、前記変更手段は、前記車両の動作に応じて、前記被写体の像の方向を変更し、前記走行体の走行中は、前記被写体の像の方向を前記第1方向に変更し、前記旋回体に設けられた作業装置の動作中は、前記被写体の像の方向を前記第2方向に変更する
また、請求項14の発明は、走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理方法であって、(a)前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する工程と、(b)前記合成画像を表示装置に出力して表示させる工程と、(c)前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する工程と、(d)前記車両の動作を示す信号を受信する工程と、を備え、前記工程(c)は、前記車両の動作に応じて、前記被写体の像の方向を変更し、前記走行体の走行中は、前記被写体の像の方向を前記第1方向に変更し、前記旋回体に設けられた作業装置の動作中は、前記被写体の像の方向を前記第2方向に変更する
また、請求項15の発明は、走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、(a)前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する工程と、(b)前記合成画像を表示装置に出力して表示させる工程と、(c)前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する工程と、(d)前記車両の動作を示す信号を受信する工程と、を実行させ、前記工程(c)は、前記車両の動作に応じて、前記被写体の像の方向を変更し、前記走行体の走行中は、前記被写体の像の方向を前記第1方向に変更し、前記旋回体に設けられた作業装置の動作中は、前記被写体の像の方向を前記第2方向に変更する
請求項1から、並びに、13から15の発明によれば、合成画像に含まれる被写体の像の方向を、走行体を基準とする第1方向及び旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に変更する。このため、合成画像に含まれる被写体の像の方向を状況に応じて最適な方向に変更できるため、ユーザは被写体の位置を直感的に把握できる。また、合成画像に含まれる被写体の像の方向を車両の動作に応じて変更するため、現時点での車両の動作において、ユーザが直感的に把握しやすい方向に被写体の像の方向を向けることができる。走行体の走行中は被写体の像の方向を走行体を基準とする第1方向に向ける。このため、走行体の走行中において、ユーザが直感的に把握しやすい方向に被写体の像の方向を向けることができる。旋回体に設けられた作業装置の動作中は、被写体の像の方向を旋回体を基準とする第2方向に向ける。このため、作業装置の動作中において、ユーザが直感的に把握しやすい方向に被写体の像の方向を向けることができる。
また、特に請求項2の発明によれば、複数のカメラが旋回体に設けられるため、比較的高い位置から車両の周辺を撮影することができ、合成画像中における被写体の像の歪を少なくすることができる。
また、請求項3及び9の発明によれば、被写体の像の方向を変更する場合に、表示装置において被写体の像の方向が連続的に変わるアニメーション表示がなされる。このため、被写体の像の方向がどのように変更されたかをユーザが直感的に把握することができる。
また、特に請求項の発明によれば、合成画像中に車両像が含まれるため、ユーザは車両と車両の周辺の被写体との位置関係を容易に把握することができる。
また、特に請求項の発明によれば、実際の走行体と旋回体との相対的な位置関係を示す車両像が合成画像に含まれるため、ユーザは車両の状態を直感的に把握することができる。
また、特に請求項の発明によれば、実際の作業装置の伸縮状態を示す車両像が合成画像に含まれるため、ユーザは車両の状態を直感的に把握することができる。
また、請求項7、10及び11の発明によれば、合成画像中に車両像を比較的容易に含めることができる。
また、請求項8及び12の発明によれば、合成画像中に、現時点で動作中の車両の部位に関連する領域の指標が、他の領域の指標よりも強調して示されるため、動作中の車両の部位と接触する可能性のある被写体をユーザが直感的に把握することができる。


図1は、本実施の形態に係る作業車両を示す図である。 図2は、第1の実施の形態の画像処理装置の構成を示す図である。 図3は、複数のカメラが撮影する方向を示す図である。 図4は、画像合成部が合成画像を生成する手法を説明する図である。 図5は、画像合成部が車両像を生成する手法を説明する図である。 図6は、車両像の一例を示す図である。 図7は、車両像の一例を示す図である。 図8は、車両像の一例を示す図である。 図9は、合成画像の一例を示す図である。 図10は、合成画像の一例を示す図である。 図11は、第1の実施の形態の画像処理装置の処理の流れを示す図である。 図12は、被写体方向を変更する際に表示装置に表示される画像を示す図である。 図13は、合成画像中に車両像を含める手法を説明する図である。 図14は、移動予測線を含む合成画像の一例を示す図である。 図15は、第4の実施の形態の画像処理装置の構成を示す図である。 図16は、第4の実施の形態の画像処理装置の処理の流れを示す図である。 図17は、予測線重畳処理の詳細な流れを示す図である。 図18は、走行予測線が強調された合成画像の一例を示す図である。 図19は、旋回予測線が強調された合成画像の一例を示す図である。 図20は、伸縮予測線が強調された合成画像の一例を示す図である。 図21は、合成画像の生成に用いる投影面を示す図である。 図22は、合成画像の一例を示す図である。 図23は、合成画像の一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.作業車両の構成>
図1は、本実施の形態に係る作業車両1を示す図である。作業車両1は、例えば、油圧ショベルであり、走行体11と、旋回体12と、作業装置13とを備えている。
走行体11は、作業車両1の全体を移動させる部位である。走行体11は、クローラ11aを備え、このクローラ11aを油圧モータによって駆動させることによって走行体11が走行する。すなわち、作業車両1の全体が移動する。
旋回体12は、走行体11上に設けられる部位である。旋回体12は、走行体11と旋回ベアリング14を介して接続され、走行体11に対して旋回可能とされている。旋回体12は、油圧モータによって走行体11に対して旋回する。
作業装置13は、掘削等の作業に用いる伸縮可能な部位である。作業装置13は、旋回体12に設けられ、ブーム16と、アーム17と、バケット18とを有している。ブーム16は、その基端部にある第1関節部161において、旋回体12の前部の左右略中央に回動可能に接続されている。また、アーム17は、その基端部にある第2関節部171において、ブーム16の先端部に回動可能に連結されている。さらに、バケット18は、第3関節部181において、アーム17の先端部に回動可能に連結されている。なお、作業装置13の先端部位となるアタッチメントとして、本実施の形態ではバケット18が採用されているが、油圧ブレーカや油圧クラッシャなどバケット以外のアタッチメントを採用してもよい。
また、作業装置13は、ブーム16、アーム17及びバケット18のそれぞれに対応する油圧シリンダ16a,17a,18aを備えている。これらの油圧シリンダ16a,17a,18aの駆動により、第1ないし第3関節部161,171,181がそれぞれ回動し、作業装置13が伸縮する。
また、旋回体12には、エンジン19が設けられている。エンジン19の動力は、油圧ポンプで油圧力に変換される。この油圧力は、走行体11の走行、旋回体12の旋回、及び、作業装置13の伸縮などに必要な駆動力となる。
また、旋回体12の前部左側には、運転室15が設けられている。ユーザ(運転者)は、この運転室15に設けられた操作レバーを動かすことによって、走行体11の走行、旋回体12の旋回、及び、作業装置13の伸縮などの作業車両1の動作に関する操作を行うことが可能である。
ユーザは、旋回体12の前方を向いた状態で運転室15に着座し、作業車両1を運転することになる。したがって、ユーザの前方となる方向は、旋回体12の前方となり、作業装置13が伸縮する方向と一致する。一方で、走行体11に対して旋回体12が旋回可能であるため、ユーザの前方(旋回体12の前方)となる方向は、必ずしも走行体11の進行方向とは一致しない。
また、運転室15には、表示装置3と、この表示装置3で表示する画像を処理する画像処理装置2とが設けられている。画像処理装置2は、作業車両1の周辺の様子を示す画像を生成し、表示装置3に出力して表示させることが可能である。ユーザは、このようにして表示装置3に表示された画像を視認することで、作業車両1の周辺に存在する物体を把握できるようになっている。
<1−2.画像処理装置の構成>
図2は、画像処理装置2の構成を主に示す図である。図に示すように、画像処理装置2は、表示装置3、及び、複数のカメラ5と接続されている。表示装置3は、例えば、液晶パネルなどを備えた薄型のディスプレイであり、各種の情報や画像を表示する。表示装置3は、ユーザが運転室15に着座した状態でその画面を視認できるように、運転室15の車室内の前方に配置される。
複数のカメラ5はそれぞれ、レンズと撮像素子とを備えており、作業車両1の周辺を示す画像を電子的に取得する。複数のカメラ5はそれぞれ、旋回体12の適位置に配置され、取得した画像を画像処理装置2に入力する。複数のカメラ5は、フロントカメラ5F、リアカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rを含んでいる。これら4つのカメラ5F,5B,5L,5Rは、互いに異なる位置に配置され、作業車両1の周辺の異なる方向を撮影する。
図3は、カメラ5F,5B,5L,5Rが撮影する方向を示す図である。フロントカメラ5Fは、旋回体12の前端に設けられ、その光軸5Faは旋回体12の前方に向けられる。リアカメラ5Bは、旋回体12の後端に設けられ、その光軸5Baは旋回体12の後方に向けられる。左サイドカメラ5Lは旋回体12の左側に設けられ、その光軸5Laは旋回体12の左側方に向けられる。また、右サイドカメラ5Rは旋回体12の右側に設けられ、その光軸5Raは旋回体12の右側方に向けられる。
これらのカメラ5F,5B,5L,5Rのレンズには魚眼レンズなどの広角レンズが採用され、各カメラ5F,5B,5L,5Rは180度以上の画角θを有している。このため、4つのカメラ5F,5B,5L,5Rを利用することで、作業車両1の全周囲を撮影することが可能である。
図2に戻り、画像処理装置2は、画像取得部22と、画像合成部23と、記憶部24と、切替スイッチ25と、信号受信部26と、制御部21とを備えている。
画像取得部22は、4つのカメラ5F,5B,5L,5Rでそれぞれ得られた画像を取得する。画像取得部22は、アナログの画像をデジタルの画像に変換する機能や、画像の明るさを調整する機能など基本的な画像処理機能を有している。画像取得部22は、取得した画像に所定の画像処理を行い、処理後の画像を画像合成部23に入力する。
画像合成部23は、例えば、各種の画像処理が可能なハードウェア回路である。画像合成部23は、複数のカメラ5でそれぞれ取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像を生成する。画像合成部23が仮想視点からみた合成画像を生成する手法については後述する。
記憶部24は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部24は、車両データ24a、及び、プログラム24bを記憶している。車両データ24aは、作業車両1の外観を示すビットマップなどのイメージデータである。また、プログラム24bは画像処理装置2のファームウェアである。
切替スイッチ25は、ユーザの操作を受け付ける操作部材である。ユーザが切替スイッチ25を操作した場合は、その操作を示す信号が制御部21に入力される。切替スイッチ25は、画像処理装置2の本体部とは別に、運転室15に着座したユーザが操作しやすい位置に配置してもよい。
信号受信部26は、画像処理装置2とは別に作業車両1に設けられる他の装置からの信号を受信する。信号受信部26は、受信した信号を制御部21に入力する。信号受信部26は、操作レバー61、旋回センサ62及び関節センサ63からの信号を受信する。
操作レバー61は、走行体11の走行、旋回体12の旋回、及び、作業装置13の伸縮などの作業車両1の動作に関する操作をユーザが行うための操作部材である。信号受信部26は、操作レバー61からユーザが行った操作内容を示す操作信号を受信する。作業車両1はユーザの操作レバー61の操作に応じて動作するため、この操作信号は作業車両1の動作を示すことになる。
旋回センサ62は、走行体11に対して旋回体12の旋回した角度である旋回角度を検出する。具体的には、旋回センサ62は、走行体11の前方を基準とした場合の旋回体12の前方の角度を旋回角度として検出する。信号受信部26は、旋回センサ62からの信号を受信して、旋回角度を取得する。この旋回角度は、走行体11と旋回体12との相対的な位置関係を示すことになる。
関節センサ63は、作業装置13の3つの関節部161,171,181それぞれに設けられ、作業装置13が当該関節部において回動した角度である回動角度を検出する。信号受信部26は、3つの関節センサ63からの信号を受信して、作業装置13の3つの関節部161,171,181それぞれの回動角度を取得する。これらの回動角度は、作業装置13の伸縮状態を示すことになる。
制御部21は、画像処理装置2の全体を統括的に制御するマイクロコンピュータである。制御部21は、CPU、RAM及びROMなどを備えている。制御部21の各種の機能は、記憶部24に記憶されたプログラム24bに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される。図中に示す合成制御部21a、方向変更部21b、及び、画像出力部21cは、プログラム24bに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される機能の一部である。
合成制御部21aは、画像合成部23で実行される画像処理を制御する。合成制御部21aは、例えば、合成画像の生成に必要なパラメータを画像合成部23に与える。また、方向変更部21bは、画像合成部23が生成する合成画像に含まれる被写体の像の方向を変更する(詳細は後述。)。
また、画像出力部21cは、画像合成部23が生成した合成画像を出力インターフェイス27を介して表示装置3に出力する。これにより、画像出力部21cは、表示装置3に合成画像を表示させる。
<1−3.合成画像の生成>
次に、画像合成部23が合成画像を生成する手法について説明する。図4は、画像合成部23が合成画像を生成する手法を説明する図である。
旋回体12に設けられたフロントカメラ5F、リアカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rのそれぞれで撮影が行われると、作業車両1の旋回体12の前方、後方、左側方及び右側方をそれぞれ示す4つの画像GF,GB,GL,GRが取得される。これら4つの画像GF,GB,GL,GRには、作業車両1の全周囲のデータが含まれている。
画像合成部23は、まず、これら4つの画像GF,GB,GL,GRに含まれるデータ(各画素の値)を、仮想的な三次元空間における立体曲面である投影面TSに投影する。投影面TSは、例えば略半球状(お椀形状)をしている。この投影面TSの中心部分(お椀の底部分)は、作業車両1の位置(旋回体12の位置)として定められている。一方、投影面TSの中心以外の部分は、作業車両1の周辺の領域に相当し、画像GF,GB,GL,GRのいずれかと対応付けられている。画像合成部23は、投影面TSの中心以外の部分に画像GF,GB,GL,GRに含まれるデータを投影する。
画像合成部23は、投影面TSにおいて旋回体12の前方に相当する領域に、フロントカメラ5Fの画像GFのデータを投影する。また、画像合成部23は、投影面TSにおいて旋回体12の後方に相当する領域に、リアカメラ5Bの画像GBのデータを投影する。さらに、画像合成部23は、投影面TSにおいて旋回体12の左側方に相当する領域に左サイドカメラ5Lの画像GLのデータを投影し、投影面TSにおいて旋回体12の右側方に相当する領域に右サイドカメラ5Rの画像GRのデータを投影する。
このように投影面TSの各部分にデータを投影すると、次に、画像合成部23は、三次元空間における作業車両1の位置の直上に、視線方向を直下とした仮想視点VPを設定する。そして、画像合成部23は、投影面TSのうち、設定した仮想視点VPからみて所定の視野角に含まれる領域を画像として切り出す。これにより、画像合成部23は、仮想視点VPからみた作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像CPを生成する。
画像合成部23は、図中の矢印ARに示すように、仮想視点VPをその視線方向を軸にして回転することができる。したがって、画像合成部23は、含まれる被写体の像の方向が異なる合成画像CPを生成することができる。例えば、図4中上部の合成画像CP1では、合成画像CPの上下方向が旋回体12の前後方向と一致しており、旋回体12の前方にある被写体の像Sb1が合成画像CPの上方に位置している。これに対して、図4中下部の合成画像CP2では、合成画像CPの上下方向が旋回体12の前後方向と一致しておらず、旋回体12の右側前方にある被写体の像Sb2が合成画像CPの上方に位置している。以下、仮想視点VPを視線方向を軸にして回転することを「仮想視点VPをロールする」という。
また、画像合成部23は、合成画像CP中の作業車両1の位置に相当する領域に、作業車両1の上方から見た外観を示す車両像90を含めるようになっている。これにより、合成画像CPは、作業車両1の周辺の様子とともに、作業車両1の様子も示すことができる。車両像90は、例えば、イラストデータである。
画像合成部23は、仮想視点VPをロールした場合は、仮想視点VPをロールした角度に応じてこの車両像90も回転して合成画像CP中に重畳する。したがって、仮想視点VPをロールした場合においても、合成画像CPに含まれる被写体の像の方向に合わせた向きの車両像90を合成画像CPに含めることができる。例えば、図4中上部の合成画像CP1では、車両像90が示す旋回体12の前方が合成画像CPの上方に向いている。これに対して、図4中下部の合成画像CP2では、車両像90が示す旋回体12の前方が合成画像CPの左上に向いている。
画像合成部23は、記憶部24に記憶された車両データ24aを用いて、このような車両像90を生成する。図5は、画像合成部23が、車両像90を生成する手法を説明する図である。
図5に示すように、車両データ24aは、作業車両1の各部位の外観を示すイメージデータであるパーツデータ91〜93を含んでいる。具体的には、車両データ24aは、走行体11の外観を示す走行体像91、旋回体12の外観を示す旋回体像92、及び、作業装置13の外観を示す作業装置像93を含む。また、作業装置像93は、ブーム16、アーム17及びバケット18のそれぞれに対応するブーム像91,アーム像97及びバケット像98を含んでいる。画像合成部23は、これらのパーツデータ91〜93を組み合わせることで、車両像90を生成する。
また、画像合成部23は、パーツデータ91〜93を組み合わせる手法を変えることで、さまざまな状態の作業車両1の外観を示す車両像90を生成することができる。例えば、図6に示すように、画像合成部23は、走行体像91と旋回体像92とを相対的に回転させることで、走行体11の進行方向と旋回体12の前後方向とが異なる状態(走行体11に対して旋回体12が旋回した状態)の作業車両1の外観を示す車両像90を生成できる。また、図7に示すように、画像合成部23は、ブーム像91,アーム像97及びバケット像98の配置を変更することで、作業装置13が伸長した状態の作業車両1の外観を示す車両像90を生成できる。
なお、パーツデータ91〜93は、透過像あるいは外縁線のみとしてもよい。このようにした場合は、図8に示すように、車両像90において各パーツデータ91〜93の外縁が示されるため、作業車両1の各部位の位置を明瞭に示す車両像90を生成することができる。
<1−4.方向変更部の処理>
次に、制御部21の方向変更部21bの処理について説明する。前述のように、画像合成部23は、仮想視点VPをロールすることで、含まれる被写体の像の方向が異なる合成画像CPを生成することができる。方向変更部21bは、この画像合成部23に制御信号を送信して、合成画像に含まれる被写体の像の方向(以下、「被写体方向」という。)を変更する。方向変更部21bは、作業車両1の動作に応じて被写体方向を変更することになる。
図9及び図10はそれぞれ、合成画像CPの一例を示す図である。図9の合成画像CP及び図10の合成画像CPは、同一の時点での作業車両1及び作業車両1の周辺の被写体の様子を示している。この時点における作業車両1は、走行体11に対して旋回体12が旋回しており、走行体11の進行方向と旋回体12の前後方向とが一致していない状態となっている。
図9の合成画像CPと図10の合成画像CPとは、互いに被写体方向が異なっている。例えば、これらの2つの合成画像CPには、同一の被写体の像Sbが含まれているが、2つの合成画像CPの間でこの被写体の像Sbが含まれている位置が異なっている。
図9の合成画像CPにおいては、被写体方向が走行体11を基準とする方向(以下、「走行基準方向」という。)に定められている。具体的には、図9の合成画像CPでは、合成画像CPの上下方向が走行体11の前後方向と一致しており、走行体11を示す走行体像91の前方が合成画像CPの上方に向いている。
一方、図10の合成画像CPにおいては、被写体方向が旋回体12を基準とする方向(以下、「旋回基準方向」という。)に定められている。具体的には、図10の合成画像CPでは、合成画像CPの上下方向が旋回体12の前後方向と一致しており、旋回体12を示す旋回体像92の前方が画像の上方に向いている。
作業車両1のユーザ(運転者)は、作業車両1を運転する際に、表示装置3に表示された合成画像CPを視認して作業車両1の周辺の安全を確認することとなる。ユーザは、走行体11を走行させる場合は、進行方向となる走行体11の前方に意識を向ける。したがって、走行体11の走行中においてユーザが実際の被写体の位置を直感的に把握するためには、図9の合成画像CPのように、被写体方向が走行基準方向に設定されて、走行体像91の前方が合成画像CPの上方に向いていることが望ましい。
一方、ユーザは、作業装置13を動作させる場合は、作業装置13が伸縮する方向となる旋回体12の前方に意識を向ける。したがって、作業装置13の動作中においてユーザが実際の被写体の位置を直感的に把握するためには、図10の合成画像CPのように、被写体方向が旋回基準方向に設定され、旋回体像92の前方が合成画像CPの上方に向いていることが望ましい。
このため、方向変更部21bは、走行体11の走行中においては図9のように被写体方向を走行基準方向に変更し、また、作業装置13の動作中においては図10のように被写体方向を旋回基準方向に変更する。これにより、ユーザは、走行体11の走行中、及び、作業装置13の動作中のいずれの場合であっても、実際の被写体の位置を直感的に把握することができる。作業車両1の動作(走行体11の走行中か、あるいは、作業装置13の動作中か)は、操作レバー61からの操作信号に基づいて判断される。また、走行体11に対する旋回体12の旋回角度は、旋回センサ62からの信号に基づいて取得される。
また、本実施の形態の方向変更部21bは、旋回体12の旋回中においては、被写体方向を変更しないようになっている。なお、他の態様として、方向変更部21bは、旋回体12の旋回中においては、被写体方向を旋回基準方向に変更するようにしてもよい。また、さらに他の態様として、方向変更部21bは、旋回体12の旋回中においては、被写体方向を走行基準方向に変更するようにしてもよい。
また、方向変更部21bは、作業車両1の動作のみならず、切替スイッチ25の操作にも応答して、被写体方向を変更する。方向変更部21bは、切替スイッチ25が操作されたときに被写体方向が走行基準方向に設定されている場合には、被写体方向を旋回基準方向に変更する。また逆に、方向変更部21bは、切替スイッチ25が操作されたときに被写体方向が旋回基準方向に設定されている場合には、被写体方向を走行基準方向に変更する。これにより、ユーザは、適宜に切替スイッチ25を操作することで、被写体方向を自分の感覚にあった方向に合わせることができる。
<1−5.画像処理装置の処理>
次に、画像処理装置2の処理の流れについて説明する。図11は、画像処理装置2の処理の流れを示す図である。この図11に示す処理は、所定の周期(例えば、1/30秒周期)で繰り返される。
まず、4つのカメラでそれぞれ撮影がなされ、画像取得部22が、これら4つのカメラから4つの画像を取得する。画像取得部22は、取得した4つの画像を画像合成部23に入力する(ステップS11)。
次に、方向変更部21bが、現時点で設定されている被写体方向を取得する。制御部21のRAMには、現時点の被写体方向を示すフラグが記憶されている。方向変更部21bは、このフラグに基づいて、現時点の被写体方向が、走行基準方向、及び、旋回基準方向のいずれであるかを判断する(ステップS12)。
次に、信号受信部26が、操作レバー61から操作内容を示す操作信号、旋回センサ62から旋回角度を示す信号、関節センサ63から作業装置13の各関節部の回動角度を示す信号をそれぞれ受信する。信号受信部26は、受信した信号を制御部21に入力する(ステップS13)。
次に、方向変更部21bが、操作レバー61からの操作信号に基づいて、現時点の作業車両1の動作状態を判定する。そして、作業車両1の走行体11が走行中である場合は(ステップS14にてYes)、方向変更部21bは、次の被写体方向を走行基準方向に設定する(ステップS15)。また、作業車両1の作業装置13が動作中である場合は(ステップS16にてYes)、方向変更部21bは、次の被写体方向を旋回基準方向に設定する(ステップS17)。
そして、ステップS12で取得された現時点の被写体方向と、ステップS15,S17で設定された次の被写体方向とが異なる場合は、方向変更部21bは、被写体方向の変更が必要と判断し(ステップS18にてYes)、画像合成部23に制御信号を送信して被写体方向を変更する。すなわち、方向変更部21bは、走行基準方向から旋回基準方向に、あるいは、旋回基準方向から走行基準方向に被写体方向を変更する(ステップS19)。この際、RAMに記憶されたフラグが、変更後の被写体方向を示すように更新される。
また、ステップS12で取得された現時点の被写体方向と、ステップS15,S17で設定された次の被写体方向とが一致する場合は、被写体方向の変更は不要であるため、処理はそのままステップS22へ進む。
また、走行体11が走行中でなく、かつ、作業装置13が動作中でない場合(ステップS14,S16にてNo)は、方向変更部21bは、切替スイッチ25の操作がなされたか否かを判断する(ステップS20)。切替スイッチ25が操作された場合は、方向変更部21bは、画像合成部23に制御信号を送信して被写体方向を変更する。すなわち、方向変更部21bは、走行基準方向から旋回基準方向に、あるいは、旋回基準方向から走行基準方向に被写体方向を変更する(ステップS21)。この際、RAMに記憶されたフラグが、変更後の被写体方向を示すように更新される。また、切替スイッチ25が操作されなかった場合は、被写体方向の変更は不要であるため、処理はそのままステップS22へ進む。
ステップS22では、画像合成部23が、ステップS11で取得された4つの画像を用いて、仮想視点VPからみた作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像CPを生成する。この際、画像合成部23は、方向変更部21bに設定された被写体方向に基づいて、仮想視点VPをロールして合成画像CPを生成する。これにより、走行体11が走行中である場合は、走行体11の前方にある被写体の像が合成画像CPの上方に位置する合成画像CPが生成される。また、作業装置13が動作中である場合は、旋回体12の前方にある被写体の像が合成画像CPの上方に位置する合成画像CPが生成される。
次に、画像合成部23は、記憶部24の車両データ24aを用いて、車両像90を生成する。画像合成部23は、車両データ24aに含まれるパーツデータ91〜93を組み合わせて、作業車両1の現時点における外観を示す車両像90を生成する。
具体的には、画像合成部23は、作業装置13の各関節部の回動角度に基づいて、ブーム像91,アーム像97及びバケット像98を組み合わせて、現時点における作業装置13の伸長状態を示す作業装置像93を生成する。画像合成部23は、この作業装置像93を、旋回体像92の所定の位置に組み合わせる。さらに、画像合成部23は、走行体11に対する旋回体12の旋回角度に基づいて走行体像91を回転させた上で、この走行体像91に旋回体像92及び作業装置像93を重ねる。これにより、画像合成部23は、現時点における走行体11と旋回体12との相対的な位置関係と、作業装置13の伸長状態とを示す車両像90を生成することができる。
つまり、実際の作業車両1において走行体11に対して旋回体12が旋回している場合は、実際の旋回体12と同様に走行体像91に対して旋回体像92が旋回した状態の車両像90が生成される。また、実際の作業車両1において作業装置13が伸長している場合は、実際の作業装置13と同様に作業装置像93が伸長した状態の車両像90が生成される。作業装置13の各関節部の回動角度、及び、走行体11に対する旋回体12の旋回角度は、制御部21の合成制御部21aから与えられる。
画像合成部23は、車両像90を生成すると、方向変更部21bに設定された被写体方向に基づいて、生成した車両像90を回転して合成画像CPに重畳する。これにより、作業車両1の現時点での外観を示す車両像90を含む合成画像CPが生成される(ステップS23)。
次に、画像出力部21cが、画像合成部23が生成した合成画像CPを出力インターフェイス27を介して表示装置3に出力する。これにより、表示装置3に、車両像90を含む合成画像CPが表示されることになる(ステップS24)。ユーザは、この合成画像CPを視認することで、作業車両1の周辺の被写体の位置とともに、作業車両1の現時点での状態についても直感的に把握できることになる。
以上のように、画像処理装置2では、画像合成部23が、作業車両1に設けられる複数のカメラ5で取得された複数の画像を用いて、仮想視点VPからみた作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像CPを生成し、画像出力部21cが、合成画像CPを表示装置3に出力して表示させる。そして、方向変更部21bは、この合成画像CPに含まれる被写体の像の方向を、走行体11を基準とする走行基準方向、及び、旋回体12を基準とする旋回基準方向の一方から他方に変更する。このため、合成画像CPに含まれる被写体の像の方向を状況に応じて最適な方向に変更できるため、ユーザは実際の被写体の位置を直感的に把握することができる。
また、方向変更部21bは、作業車両1の動作に応じて合成画像CPに含まれる被写体の像の方向を変更する。このため、現時点での作業車両1の動作において、ユーザが直感的に把握しやすい方向に被写体の像の方向を向けることができる。特に、走行体11の走行中は被写体の像の方向を走行基準方向に変更するため、走行体11の走行中においてユーザが直感的に把握しやすい方向に被写体の像の方向を向けることができる。また、作業装置13の動作中は被写体の像の方向を旋回基準方向に変更するため、作業装置13の動作中においてユーザが直感的に把握しやすい方向に被写体の像の方向を向けることができる。
また、画像合成部23は、合成画像CP中に作業車両1の外観を示す車両像90を含める。このため、ユーザは作業車両1と作業車両1の周辺の被写体(物体)との位置関係を容易に把握することができる。また、実際の走行体11と旋回体12との相対的な位置関係、及び、実際の作業装置13の伸縮状態を示す車両像90が合成画像CPに含まれるため、ユーザは作業車両1の状態を直感的に把握することができる。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の作業車両1及び画像処理装置2の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第2の実施の形態では、方向変更部21bは、被写体方向を変更する場合において、被写体方向を瞬時に切り替えずに段階的に変更する。これにより、表示装置3において被写体方向が連続的に変わるアニメーション表示がなされるようになっている。
図12は、被写体方向を変更する際に表示装置3に表示される一連の合成画像CPを示す図である。方向変更部21bは、被写体方向を変更する場合に、画像合成部23に制御信号を送信して、被写体方向をフレームごとに段階的に変更する。これにより、被写体方向が異なる複数の合成画像CPが連続的に生成される。
表示装置3は、これら複数の合成画像CPを時間的に連続して表示する。その結果、図12に示すように、表示装置3においては、被写体方向が連続的に変わるアニメーション表示がなされることになる。図12の例では、被写体方向が走行基準方向から旋回基準方向に連続的に変更されている。被写体方向を旋回基準方向から走行基準方向に変更する場合には、図12の例とは逆順のアニメーション表現がなされることになる。このようなアニメーション表現は、所定時間(例えば0.5秒間)かけて複数のフレーム(合成画像CP)を利用して行われる。このようなアニメーション表現を行うことにより、被写体方向を瞬時に切り替える場合と比較して、ユーザは、被写体方向がどのように変更されたかを容易に把握できることになる。
以上のように、第2の実施の形態の画像処理装置2においては、合成画像CPに含まれる被写体の像の方向を変更する場合に、表示装置3において被写体の像の方向が連続的に変わるアニメーション表示がなされる。このため、被写体の像の方向がどのように変更されたかをユーザが直感的に把握することができる。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の作業車両1及び画像処理装置2の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、画像合成部23は、走行体像91、旋回体像92及び作業装置像93を組み合わせて車両像90を生成していた。これに対して、第3の実施の形態では、画像合成部23は、合成画像CPに含める車両像に、記憶部24に予め記憶されたイメージデータである走行体像91を用いず、合成画像CPに含まれる被写体としての走行体11の像を利用するようになっている。
前述のように、作業車両1の周辺を撮影する複数のカメラ5は、旋回体12に配置されている(図3参照。)。このため、旋回体12の下部に配置される走行体11は、複数のカメラ5によって撮影される。したがって、複数のカメラ5で得られた画像中には、被写体となった走行体11の像が含まれる。その結果、これらの複数のカメラ5で得られた画像を用いて生成した合成画像CPには、走行体11の像が含まれることになる。
図13の上部は、このような走行体11の像Sb2を含む合成画像CPの例を示す図である。合成画像CPの略中央部には、旋回体12の位置に相当するデータのない非データ領域Aがあり、この非データ領域Aの近傍に被写体としての走行体11の像Sb2が含まれている。
画像合成部23は、このような合成画像CP中の被写体としての走行体11の像Sb2に、走行体11の部分を除いた作業車両1の様子を示す上部車両像90aを重ね合わせる。この際、上部車両像90aに含まれる旋回体像92の位置は、非データ領域Aの位置とされる。これにより、図13の下部に示すように、合成画像CP中に作業車両1の外観を示す車両像を含めることができる。上部車両像90aは、旋回体像92及び作業装置像93のみを組み合わせることで生成される。
走行体11に対して旋回体12が旋回している場合は、走行体11の像Sb2は、その旋回角度を反映した向きで合成画像CPに表れる。したがって、合成画像CPに単純に上部車両像90aを重畳するのみで、実際の走行体11と旋回体12との相対的な位置関係を示す車両像を合成画像CP中に含めることができる。
以上のように、第3の実施の形態の画像処理装置2においては、画像合成部23は、合成画像CP中に含まれる被写体としての走行体11の像Sb2に、旋回体12の外観を示す旋回体像92を含む上部車両像90aを重ねるため、合成画像CP中に車両像を比較的容易に含めることができる。
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の作業車両1及び画像処理装置2の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図14は、第4の実施の形態で生成される合成画像CPの一例を示す図である。図に示すように、合成画像CPには、作業車両1の周辺の被写体の像Sb、及び、車両像90に加えて、3種類の移動予測線L1〜L3が含まれている。これらの移動予測線L1〜L3は、作業車両1の各部位が移動する可能性のある領域を示す指標となる。
3種類の移動予測線L1〜L3のうち、走行予測線L1は、走行体11が走行した場合に走行体11が移動する領域を示している。また、旋回予測線L2は、旋回体12が旋回した場合に作業装置13が移動する領域を示している。さらに、伸縮予測線L3は、作業装置13が伸縮した場合に作業装置13の先端部(バケット18)が移動する領域を示している。
第4の実施の形態では、表示装置3において、このような移動予測線L1〜L3を含む合成画像CPが表示される。このため、ユーザは、このような合成画像CPを視認することで、作業車両1が動作した場合に、作業車両1の周辺に存在するいずれの被写体(物体)が作業車両1と接触するかを的確に把握できる。
図15は、第4の実施の形態の画像処理装置2の構成を主に示す図である。第4の実施の形態の画像処理装置2は、プログラム24bに従って制御部21のCPUが演算処理を行うことで実現される機能として、領域特定部21dを備えている。第4の実施の形態の画像処理装置2のその他の構成は、図2に示す第1の実施の形態の画像処理装置2と同様である。
領域特定部21dは、合成画像CPが示す作業車両1の周辺の範囲において、走行体11が走行した場合に走行体11が移動する第1領域、旋回体12が旋回した場合に作業装置13が移動する第2領域、及び、作業装置13が伸縮した場合に作業装置13の先端部が移動する第3領域をそれぞれ特定する。第1領域及び第3領域は、作業車両1の各部位のサイズ、及び、現時点の走行体11に対する旋回体12の旋回角度などから特定される。また、第2領域は、作業車両1の各部位のサイズ、及び、現時点の作業装置13の各関節部の回動角度などから特定される。作業車両1の各部位のサイズは、記憶部24などに予め記憶される。
図16は、第4の実施の形態の画像処理装置2の処理の流れを示す図である。この図16に示す処理は、図11に示す処理と略同様であるが、ステップS23とステップS24との間に予測線重畳処理(ステップS30)が追加されている点で異なっている。予測線重畳処理においては、合成画像CPに3種類の移動予測線L1〜L3が重畳される。図17は、この予測線重畳処理(ステップS30)の詳細な流れを示す図である。以下、図17を参照して、予測線重畳処理の流れについて説明する。
まず、領域特定部21dが、合成画像CPが示す作業車両1の周辺の範囲において、走行体11が走行した場合に走行体11が移動する第1領域、旋回体12が旋回した場合に作業装置13が移動する第2領域、及び、作業装置13が伸縮した場合に作業装置13の先端部が移動する第3領域をそれぞれ特定する。領域特定部21dは、特定した領域を画像合成部23に入力する(ステップS31)。
次に、画像合成部23が、3種類の移動予測線L1〜L3を合成画像CPに含める。3種類の移動予測線L1〜L3はそれぞれ、領域特定部21dが特定した第1ないし第3領域の外縁となる線である。これにより、図14に示すような合成画像CPが生成される(ステップS32)。
次に、合成制御部21aが、操作レバー61からの操作信号に基づいて、現時点の作業車両1の動作状態を判定する(ステップS33)。そして、合成制御部21aは、作業車両1が動作中である場合は、画像合成部23に制御信号を送信し、その作業車両1の動作に応じて第1ないし第3領域のうち現時点で動作中の作業車両1の部位に関連する移動予測線を、他の移動予測線よりも強調する。
具体的には、作業車両1の走行体11が走行中である場合は(ステップS34にてYes)、画像合成部23は、図18に示すように、走行体11が移動する領域を示す走行予測線L1を他の移動予測線L2,L3よりも強調する(ステップS35)。
また、作業車両1の旋回体12が旋回中である場合は(ステップS36にてYes)、画像合成部23は、図19に示すように、旋回中に作業装置13が移動する領域を示す旋回予測線L2を他の移動予測線L1,L3よりも強調する(ステップS37)。
また、作業車両1の作業装置13が動作中である場合は(ステップS38にてYes)、画像合成部23は、図20に示すように、作業装置13の伸縮によりその先端部が移動する領域を示す伸縮予測線L3を他の移動予測線L1,L2よりも強調する(ステップS39)。
また、作業車両1が動作中でない場合は(ステップS34,S36,S38のいずれにおいてもNo)、合成画像CP中の移動予測線L1〜L3はいずれも強調されない。
このようにして生成された合成画像CPは、画像出力部21cにより、出力インターフェイス27を介して表示装置3に出力される。これにより、移動予測線L1〜L3を含む合成画像CPが表示装置3に表示されることになる(図16のステップS24)。
以上のように、第4の実施の形態においては、合成画像CP中に、現時点で動作中の作業車両1の部位に関連する領域の移動予測線が、他の領域の移動予測線よりも強調して示される。このため、動作中の作業車両1の部位と接触する可能性のある被写体(物体)をユーザが直感的に把握することができる。
なお、上記では、動作中の作業車両1の部位に関連する移動予測線を強調する場合において強調しない他の移動予測線を合成画像CPに含めているが、動作中の作業車両1の部位に関連する移動予測線のみを合成画像CPに含めるようにしてもよい。
また、上記では、動作中の作業車両1の部位に関連する移動予測線を強調しているが、車両像90に含まれるパーツデータ91〜93のうち動作中の作業車両1の部位に対応するものをさらに強調するようにしてもよい。
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態の作業車両1及び画像処理装置2の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、画像処理装置2は、作業車両1の直上の仮想視点VPからみた合成画像CPを生成していた。これに対して、第5の実施の形態では、画像処理装置2は、仮想視点VPを任意の位置に設定し、任意の仮想視点VPからみた合成画像CPを生成できるようになっている。
図21は、合成画像CPの生成に用いる投影面TSを示す図である。第5の実施の形態の画像合成部23は、この投影面TSの周囲の三次元空間の任意の位置に、任意の方向へ向けて仮想視点VPを設定できる。例えば、図21に示すように、作業車両1の旋回体12の後方の位置において旋回体12の前方へ向けた仮想視点VP1や、旋回体12の左側方の位置において旋回体12の右側方へ向けた仮想視点VP2などを設定することができる。
このように任意の位置に仮想視点VPを設定した場合も、画像合成部23は、投影面TSのうち、設定した仮想視点VPからみて所定の視野角に含まれる領域を画像として切り出す。これにより、画像合成部23は、任意の仮想視点VPからみた作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像CPを生成することができる。
例えば、図中に示す仮想視点VP1を設定した場合は、旋回体12の後方から作業車両1の周辺全体を見下ろすように、作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像CPが生成される。また、図中に示す仮想視点VP2を設定した場合は、旋回体12の左側方から作業車両1の周辺全体を見下ろすように、作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像CPが生成される。
第5の実施の形態の画像合成部23は、このように仮想視点VPの位置自体を変更することで、含まれる被写体の像の方向(被写体方向)が異なる合成画像CPを生成できる。そして、方向変更部21bは、この画像合成部23に制御信号を送信し、第1の実施の形態と同様に、作業車両1の動作に応じて被写体方向を変更する。
例えば、走行体11が走行中である場合は、方向変更部21bは、被写体方向を走行基準方向に設定する。これに応答して、画像合成部23は、仮想視点VPの位置を走行体11の後方の位置に設定する。その結果、図22に示すように、走行体11の後方から作業車両1の周辺全体を見下ろすように、作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像CPが生成される。この合成画像CPでは、その上下方向が走行体11の前後方向と一致し、走行体11を示す走行体像91の前方が合成画像CPの上方に向いている。
一方、作業装置13が動作中である場合は、方向変更部21bは、被写体方向を旋回基準方向に設定する。これに応答して、画像合成部23は、仮想視点VPの位置を旋回体12の後方の位置に設定する。その結果、図23に示すように、旋回体12の後方から作業車両1の周辺全体を見下ろすように、作業車両1の周辺の被写体を示す合成画像CPが生成される。この合成画像CPでは、その上下方向が旋回体12の前後方向と一致し、旋回体12を示す旋回体像92の前方が合成画像CPの上方に向いている。
また、本実施の形態の画像合成部23は、このようにして生成した合成画像CPに、仮想視点VPからみた作業車両1の外観を示す車両像90bを含めるようになっている。画像合成部23は、例えば、ポリゴンやワイヤーフレームなどの作業車両1の三次元形状を示す三次元モデルを仮想的に構成し、設定した仮想視点VPに応じて三次元モデルに関してレンダリングを行うことで車両像90bを生成する。この場合も、画像合成部23は、走行体11に対する旋回体12の旋回角度、及び、作業装置13の各関節部の回動角度に基づいて三次元モデルを調整し、実際の走行体11と旋回体12との相対的な位置関係、及び、実際の作業装置13の伸縮状態を示す車両像90bを生成することが望ましい。
以上のように、第5の実施の形態においては、任意の仮想視点VPからみた合成画像CPを生成できるため、ユーザは実際の被写体の位置をより直感的に把握することができる。
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
上記実施の形態では、画像処理装置2と表示装置3とは別体としていたが、画像処理装置2と表示装置3とは一体化されていてもよい。
また、上記実施の形態では、画像を撮影するカメラ5は旋回体12に設けられていたが、走行体11に設けてもよい。ただし、このように走行体11にカメラ5を設けた場合は、比較的低い位置から作業車両1の周辺を撮影することになるため、合成画像CPを生成した場合に合成画像CPに含まれる被写体の像の歪みが大きくなる。このため、上記実施の形態のように、比較的高い位置から作業車両1の周辺を撮影できるように、旋回体12にカメラ5を設けることが望ましい。また、さらに高い位置から車両の周辺を撮影できるように、複数のカメラ5のうちの一部あるいは全部を、運転室15の上部に設けてもよい。
また、上記実施の形態では、走行体11の走行中は、前進及び後退のいずれであっても走行体像91の前方を合成画像CPの上方に向けるようにしていた。これに対して、走行体11の前進中は走行体像91の前方を合成画像CPの上方に向け、走行体11の後退中は走行体像91の後方を合成画像CPの上方に向けるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、走行体と走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両として油圧ショベルを例に説明を行ったが、クローラクレーンや戦車などの油圧ショベル以外の車両に、上記技術を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
1 作業車両
2 画像処理装置
11 走行体
12 旋回体
13 作業装置
15 運転室
21 制御部
21b 方向変更部
21d 領域特定部
23 画像合成部
90 車両像
VP 仮想視点

Claims (15)

  1. 走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理装置であって、
    前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、
    前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、
    前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する変更手段と、
    前記車両の動作を示す信号を受信する受信手段と、
    を備え
    前記変更手段は、
    前記車両の動作に応じて、前記被写体の像の方向を変更し、
    前記走行体の走行中は、前記被写体の像の方向を前記第1方向に変更し、
    前記旋回体に設けられた作業装置の動作中は、前記被写体の像の方向を前記第2方向に変更することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記複数のカメラは、前記旋回体に設けられることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置において、
    前記変更手段は、前記被写体の像の方向を変更する場合に、前記被写体の像の方向を段階的に変更し、前記被写体の像の方向が連続的に変わるアニメーション表示を前記表示装置に行わせることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置において、
    前記生成手段は、前記合成画像中に前記車両の外観を示す車両像を含めることを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記走行体に対する前記旋回体の旋回角度を取得する手段、
    をさらに備え、
    前記生成手段は、前記旋回角度に基づいて、前記走行体と前記旋回体との相対的な位置関係を示す前記車両像を前記合成画像に含めることを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項4または5に記載の画像処理装置において、
    前記旋回体に設けられた作業装置の関節部の回動角度を取得する手段、
    をさらに備え、
    前記生成手段は、前記回動角度に基づいて、前記作業装置の伸縮状態を示す前記車両像を前記合成画像に含めることを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記生成手段は、前記合成画像中に含まれる前記被写体としての前記走行体の像に重ねて、前記旋回体の外観を示す旋回体像を含めることを特徴とする画像処理装置。
  8. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記旋回体には、伸縮可能な作業装置が設けられており、
    前記車両の動作を示す信号を受信する受信手段と、
    前記合成画像が示す前記車両の周辺の範囲において、前記走行体が走行した場合に前記走行体が移動する第1領域、前記旋回体が旋回した場合に前記作業装置が移動する第2領域、及び、前記作業装置が伸縮した場合に前記作業装置が移動する第3領域をそれぞれ特定する特定手段と、
    をさらに備え、
    前記生成手段は、前記車両の動作に応じて、前記第1ないし第3領域のうち現時点で動作中の前記車両の部位に関連する領域の指標を、他の領域の指標よりも強調して前記合成画像に含めることを特徴とする画像処理装置。
  9. 走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理装置であって、
    前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、
    前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、
    前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する変更手段と、
    を備え、
    前記変更手段は、前記被写体の像の方向を変更する場合に、前記被写体の像の方向を段階的に変更し、前記被写体の像の方向が連続的に変わるアニメーション表示を前記表示装置に行わせることを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記生成手段は、前記合成画像中に前記車両の外観を示す車両像を含め、
    前記生成手段は、前記合成画像中に含まれる前記被写体としての前記走行体の像に重ねて、前記旋回体の外観を示す旋回体像を含めることを特徴とする画像処理装置。
  11. 走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理装置であって、
    前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、
    前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、
    前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する変更手段と、
    を備え、
    前記生成手段は、前記合成画像中に前記車両の外観を示す車両像を含め、
    記生成手段は、前記合成画像中に含まれる前記被写体としての前記走行体の像に重ねて、前記旋回体の外観を示す旋回体像を含めることを特徴とする画像処理装置。
  12. 走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられる伸縮可能な作業装置とを備えた車両で用いられる画像処理装置であって、
    前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、
    前記車両の動作を示す信号を受信する受信手段と、
    前記合成画像が示す前記車両の周辺の範囲において、前記走行体が走行した場合に前記走行体が移動する第1領域、前記旋回体が旋回した場合に前記作業装置が移動する第2領域、及び、前記作業装置が伸縮した場合に前記作業装置が移動する第3領域をそれぞれ特定する特定手段と、
    をさらに備え、
    前記生成手段は、前記車両の動作に応じて、前記第1ないし第3領域のうち現時点で動作中の前記車両の部位に関連する領域の指標を、他の領域の指標よりも強調して前記合成画像に含めることを特徴とする画像処理装置。
  13. 走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両であって、
    前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する生成手段と、
    前記合成画像を表示装置に出力して表示させる出力手段と、
    前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する変更手段と、
    前記車両の動作を示す信号を受信する受信手段と、
    を備え
    前記変更手段は、
    前記車両の動作に応じて、前記被写体の像の方向を変更し、
    前記走行体の走行中は、前記被写体の像の方向を前記第1方向に変更し、
    前記旋回体に設けられた作業装置の動作中は、前記被写体の像の方向を前記第2方向に変更することを特徴とする車両。
  14. 走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理方法であって、
    (a)前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する工程と、
    (b)前記合成画像を表示装置に出力して表示させる工程と、
    (c)前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する工程と、
    (d)前記車両の動作を示す信号を受信する工程と、
    を備え
    前記工程(c)は、
    前記車両の動作に応じて、前記被写体の像の方向を変更し、
    前記走行体の走行中は、前記被写体の像の方向を前記第1方向に変更し、
    前記旋回体に設けられた作業装置の動作中は、前記被写体の像の方向を前記第2方向に変更することを特徴とする画像処理方法。
  15. 走行体と前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体とを備えた車両で用いられる画像処理装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
    (a)前記車両に設けられる複数のカメラで取得された複数の画像を用いて、仮想視点からみた前記車両の周辺の被写体を示す合成画像を生成する工程と、
    (b)前記合成画像を表示装置に出力して表示させる工程と、
    (c)前記走行体を基準とする第1方向、及び、前記旋回体を基準とする第2方向の一方から他方に、前記合成画像に含まれる前記被写体の像の方向を変更する工程と、
    (d)前記車両の動作を示す信号を受信する工程と、
    を実行させ
    前記工程(c)は、
    前記車両の動作に応じて、前記被写体の像の方向を変更し、
    前記走行体の走行中は、前記被写体の像の方向を前記第1方向に変更し、
    前記旋回体に設けられた作業装置の動作中は、前記被写体の像の方向を前記第2方向に変更することを特徴とするプログラム。
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