JP5840771B2 - 電気的構成部分用の保護ボックスを備えたリアウィンドウ - Google Patents

Description

本発明は、保護ボックスを備えたリアウィンドウ及び該リアウィンドウを製造する方法及び該リアウィンドウの使用に関する。

リアウィンドウには昨今の自動車においては多数の技術的機能が備えられている。その例としては、リアウィンドウヒータ、組み込まれたアンテナ、又はワイパ装置がある。従って従来の熱抵抗の他に、アンテナ・制御装置用電気系統が増加している。全ての使用可能性において、切換・制御プロセッサに加えて付加的に、実際の配線もますます重要となっている。配線には多数の差し込みコネクタや、アンテナブースタのような電子的な構成部分が必要であり、これらを省スペースに、防湿的かつ安定的に取り付けなければならない。

一層複雑になる電気的構成部分の配線により、同時に多くの場合、干渉感度も増大する。実際のケーブルは比較的簡単に周囲の影響に対してシールドすることができるが、差し込みコネクタの領域でシールドを構成するのはずっと困難なものとなる。さらに多くの車両では、実際の制御電気機器は、車体のいわゆるウェットスペースに取り付けられている。とりわけ、車両の乾燥した内部領域（ドライスペース）からウェットスペースへの移行部では、電気機器を防湿的に構成しなければならない。ケーブル接続領域における湿気は、短絡のような障害を引き起こしやすく、又は完全なシステムエラーを起こす恐れもある。これを防止するために、ケーブル接続部には、しばしば周囲を取り囲む発泡材（包囲発泡材）、例えばポリウレタンが設けられる。ウィンドウガラスを取り囲む発泡材については、保護すべき構成部分を直接、発泡材料に埋め込むことや、付加的な作業ステップなしに、発泡プロセスにおいて保護ケーシングの壁を製作することが考えられる。この場合、保護ケーシングはカバーによって補完され、後からの電子的構成部分の取り付けのために、又は保守整備目的のためにアクセス可能なシールされた構成スペースが得られる。

保護ケーシングを発泡材料から製造する欠点は、ウィンドウガラスを取り囲む発泡材による必要性により、使用材料を比較的軟性的に調整する必要があり、ひいては、発泡材による取り囲みと同じプロセスで製作される保護ケーシングの構造体の比較的大きい壁厚さが必要であることにある。しかしながら大きな壁厚さは、カバーに対するシール面積が比較的大きいことを意味する。カバーに加える力は任意に高くするわけにはいかないので、その結果、保護ケーシングの壁とカバーとの間の面圧が低くなる。従って、確実なシールは困難になる。

包囲発泡材料における気泡の形成により別の問題が生じる。表面領域における発泡材料のシール面に気泡が形成されることはプロセスサイドでは回避できない。このような気泡は手間のかかる後処理において開放し、新たな包囲発泡材料を充填しなければならない。保護ケーシングの厚い壁の面を貫通するケーブル貫通案内部の領域に気泡が形成されると特に問題である。ケーブル貫通案内部の複雑なシール面に後処理のためにアクセスすることは殆ど不可能である。

さらに包囲発泡材料により、保護ケーシングの内側における電子的な構成部分のための安定的な保持部を構成することは殆どできない。保護ケーシングの内側に構成部分を規定したように位置固定するのは付加的な固定構成部分を用いてしか可能ではない。このような固定構成部分は、別個の付加的な作業ステップで保護ケーシングの領域に取り付けなければならない。

ＤＥ１０２００９０１３７９４Ａ１号明細書には、自動車における電気分配箱が開示されている。このような分配箱は、交通事故の際も、車両における個々の消費機への電力供給を維持することができる。

ＧＢ２１６７１２０Ａ号明細書には、車両のリアウィンドウを開閉するための遠隔制御される装置が開示されている。

本発明の課題は、車両のリアウィンドウ領域における制御電気機器又はケーブル差し込みコネクタを安定的かつ水密にシールすることができる装置を提供することである。

この課題は本発明によれば、独立請求項１に記載の保護ボックスを備えたリアウィンドウにより解決される。好ましい構成は従属請求項に記載されている。

本発明による保護ボックスを備えたリアウィンドウを製造する方法並びにその使用は、別の独立請求項に記載されている。

本発明による、電気的構成部分用の保護ボックスを備えたリアウィンドウは、ウィンドウガラスに取り付けられる車体結合部を含む。この車体結合部は、リアウィンドウと車体との間の結合部又は接続部分として働く。車体結合部は好適には、金属及び／又はポリマ、特に好適には、アルミニウム、鉄、チタン、クロム、バナジウム、タングステン、ニッケル、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチロール、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及び／又はこれらの混合物又はコポリマを含む。車体結合部上には保護ボックスが取り付けられている。保護ボックスは、保護ボックス基体と保護ボックスカバーとを有している。保護ボックスは好適にはプラスチック、好適にはポリマ、特に好適には、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチロール、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラートを含む。包囲発泡材は、接続プレート又は車体結合部並びに、好適にはウィンドウガラスと車体結合部との接触面を取り囲んでいる。包囲発泡材は、保護ボックス基体の縁部を車体結合部においてシールしていて、保護ボックス基体を車体結合部上に位置固定している。

包囲発泡材により、好適には保護ボックス基体はフランジを介して車体結合部においてシールされていて、これにより保護ボックス基体は車体結合部上に位置固定されている。フランジは、保護ボックス基体の一部であり、好適には少なくとも３ｍｍ、保護ボックス基体から側方に、かつ／又は少なくとも１ｍｍ車体結合部から垂直に突出している。フランジは、保護ボックス基体の、車体結合部に面した側に位置している。

保護ボックス基体及び／又はフランジは好適には両面接着テープ又はフォームテープを介してシールされて車体結合部に取り付けられている、又は予め位置固定されている。

保護ボックスは好適にはエレクトロニクスモジュールを内包している。エレクトロニクスモジュールは特に好適には、アンテナ制御装置、ヒータ制御装置、閉鎖制御装置及び／又はワイパ制御装置を含む。

保護ボックスは好適には、単数又は複数のコネクタ用の少なくとも１つのソケット又は、コネクタプラグ及びカップラを含んでいる。

保護ボックスは好適にはエレクトロニクスモジュール用の保持手段並びに整列手段を有している。保持手段は好適には係止部材、ねじ閉鎖体又はクリップを含み、整列手段は好適には、保護ボックスの再現可能な位置決めのための支持リブを含む。

保護ボックスは好適には、ケーブル貫通案内部、特に好適には水密のケーブル貫通案内部を有している。

保護ボックスは好適には乾燥剤、特に好適にはシリカゲル、ＣａＣｌ_２、Ｎａ_２Ｓ０_４、活性炭、ケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト及び／又はこれらの混合物を有している。乾燥剤は、保護ボックスの表面に取り付けることができ、かつ／又は保護ボックスの開放された容器内に配置することができる。乾燥剤は好適には、保護ボックスの内部で空気と空気・湿分交換が行えるが、材料は飛散することなく位置固定されるように配置されている。このことは好適には、空気・湿分透過性のポリマフィルム内に乾燥剤を封入することにより、又は微細メッシュのネット内に乾燥剤を配置することにより行うことができる。

保護ボックス及び／又は保護ボックスカバーは好適にはクリップ又はねじ閉鎖体を有している。

包囲発泡材は、好適には、ポリウレタン、イソシアネート、ポリアルコール、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、及び／又はこれらの混合物又はコポリマを含む。

保護ボックス基体と車体結合部との間には好適には緩衝体、特に好適には発泡材料、織布、又は不織布が配置されている。緩衝体は、車両の走行時に保護ボックスに作用する振動、騒音、衝撃を減じる。

保護ボックス基体におけるフランジは好適には位置決め補助手段、特に好適には孔、長孔、突起を有している。

本発明はさらに、リアウィンドウを製造する方法を含んでいる。第１のステップでは、保護ボックス基体のフランジを車体結合部上に取り付ける。取り付けは例えば、接着及び／又はねじ固定によって行うことができる。次いで、ウィンドウガラス、好適にはリアウィンドウガラスを車体結合部に取り付ける。ウィンドウガラスと車体結合部との接触面並びに車体結合部自体に、包囲発泡材を設ける。包囲発泡成形は好適には、当業者により行われている形式で、適当な成形型において行われる。包囲発泡成形は面状に行われ、これにより包囲発泡材は保護ボックス基体を、フランジを介して車体結合部においてシールして位置固定する。

保護ボックス基体には好適には最終ステップで保護ボックスカバーを設け、保護ボックス基体を閉鎖する。閉鎖は可逆的に又は不可逆的に形成することができる。

本発明はさらに、自動車、バス、及び／又はトラックにおけるリアウィンドウの使用を含む。

以下に図面につき本発明を詳しく説明する。図面は単なる概略図であって、正確な寸法ではない。本発明はこれに限定されるものではない。

本発明によるリアウィンドウを示した概略図である。 車体結合部上に取り付けられた保護ボックス基体を示す概略図である。 本発明によるリアウィンドウを示す横断面図である。 車体結合部上に取り付けられた保護ボックスを示す概略図である。 車体結合部上に取り付けられた保護ボックス基体の有利な構成を概略的に示す平面図である。 本発明による方法のフローチャートを示す図である。

図１には、本発明によるリアウィンドウの概略図が示されている。ウィンドウガラス（２）は車体結合部（１）に結合されている。車体結合部（１）上には保護ボックス（４）が取り付けられている。保護ボックス（４）は、保護ボックス基体(４ａ)と保護ボックスカバー（４ｂ）とを有している（図示せず）。包囲発泡材（３）は、車体結合部（１）並びに、ウィンドウガラス（２）と車体結合部（１）との間の接触面（５）を取り囲んでいる。包囲発泡材（３）は、保護ボックス（４）を車体結合部（１）に位置固定すると同時に、保護ボックス（４）をシールしている。

図２には、車体結合部（１）上に取り付けられた保護ボックス基体(４ａ)の概略図が示されている。包囲発泡材（３）は、保護ボックス基体（４ａ）を車体結合部（１）に位置固定している。整列手段／支持リブ（９）は、保護ボックス基体(４ａ)を安定化させ、かつ整列させている。保護ボックス基体(４ａ)は、例えばアンテナ制御装置のようなエレクトロニクスモジュール（５）を含んでいる。エレクトロニクスモジュール（５）は、ソケット（７）を介して位置固定されているコネクタ（６）を介して、外部へと案内されるケーブル（１２）に接続されている。シールされているケーブル貫通案内部（１０）は、湿気が保護ボックス基体(４ａ)内に進入するのを防止している。保護ボックス基体(４ａ)は、クリップ（１４）を介して、図示されていない保護ボックスカバー（４ｂ）によって閉鎖されて、実際の保護ボックス（４）を形成する。保護ボックス基体(４ａ)の下方には好ましくは、保護ボックス（４）に伝えられる振動を減じる緩衝体（８）が設けられている。

図３には、本発明によるリアウィンドウの横断面図が示されている。車体結合部（１）はウィンドウガラス（２）に結合されている。包囲発泡材（３）は、車体結合部（１）と、保護ボックス基体（４ａ）と、車体結合部（１）とウィンドウガラス（２）との接触面（５）を取り囲んでいる。包囲発泡材（３）は、保護ボックス基体（４ａ）をフランジ（４ｃ）とを介して車体結合部（１）においてシールしている。保護ボックス基体(４ａ)は両面接着テープ（４ｄ）を介して車体結合部（１）に固定されている。保護ボックス基体（４ａ）の内側にはエレクトロニクスモジュール（５）が配置されている。

図４には、車体結合部（１）上に取り付けられた、保護ボックス基体(４ａ)と保護ボックスカバー（４ｂ）とから成る保護ボックス（４）の概略図が示されている。クリップ（１４）によって、保護ボックス（４）を再閉鎖可能に閉鎖することができる。電気的な接触は、水密のケーブル貫通案内部（１０）を通るケーブル（１２）を介して行われる。包囲発泡材（３）は、車体結合部（１）上の保護ボックス（４）を取り囲んでいる。

図５には、車体結合部（１）上に取り付けられた保護ボックス基体(４ａ)とフランジ（４ｃ）の好適な構成の平面図が示されている。エレクトロニクスモジュール（５）、コネクタ（６）、ソケット（７）、外部に案内されるケーブル（１２）、ケーブル貫通案内部（１０）から成る構造は、図２に示したものに相当する。位置決め補助手段（１３）によって、実際に固定される又は接着される前に保護ボックス基体の位置固定及び位置決めが可能である。乾燥剤（１１）は、存在する残留湿分を捕集する。

図６には、本発明による方法のフローチャートが示されている。第１のステップでは、保護ボックス基体(４ａ)のフランジ（４ｃ）を、接着及び／又はねじ固定（１３）によって車体結合部（１）上に取り付ける。次いで、ウィンドウガラス（２）、好適にはリアウィンドウガラスを車体結合部（１）に取り付ける。選択的に、ウィンドウガラスは、方法の最初に、直接、車体結合部（１）に取り付けることもできる。ウィンドウガラス（２）と車体結合部（１）との接触面（５）並びに車体結合部（１）自体に、包囲発泡材（３）を設ける。包囲発泡成形は、好適には、当業者で行われている形式で、適当な射出型への射出成形によって行われる。さらに、包囲発泡成形は面状に行い、これにより包囲発泡材（３）は保護ボックス基体（４ａ）を、フランジ（４ｃ）を介して車体結合部（１）においてシールして位置固定する。

１ 車体結合部
２ ウィンドウガラス
３ 包囲発泡材
４ 保護ボックス
４ａ 保護ボックス基体
４ｂ 保護ボックスカバー
４ｃ フランジ
４ｄ 両面接着テープ／シールフォームテープ
５ エレクトロニクスモジュール
６ コネクタ
７ ソケット
８ 緩衝体
９ 整列手段／支持リブ
１０ ケーブル貫通案内部
１１ 乾燥剤
１２ ケーブル
１３ 位置決め補助手段
１４ クリップ／ねじ閉鎖体
１５ 保持手段／係止部材

Claims (17)

1. ウィンドウガラス（２）に取り付けられた、当該リアウィンドウと車体との間の接続部分として働く車体結合部（１）と、
   保護ボックス基体（４ａ）と保護ボックスカバー（４ｂ）とフランジ（４ｃ）とを含む、前記車体結合部（１）上に取り付けられた保護ボックス（４）と、
   前記車体結合部（１）の包囲発泡材（３）と、
   を有した電気的構成部分用の保護ボックスを備えたリアウィンドウであって、
   前記包囲発泡材（３）によって前記保護ボックス基体（４ａ）は前記フランジ（４ｃ）を介して前記車体結合部（１）にシールされて位置固定されることを特徴とする、電気的構成部分用の保護ボックスを備えたリアウィンドウ。
2. 前記保護ボックス基体（４ａ）及び／又は前記フランジ（４ｃ）は接着剤又は両面接着テープ（４ｄ）を介して前記車体結合部（１）に取り付けられている、請求項１記載のリアウィンドウ。
3. 前記保護ボックス（４）は、エレクトロニクスモジュール（５）を有している、請求項１又は２記載のリアウィンドウ。
4. 前記エレクトロニクスモジュール（５）は、アンテナ制御装置及び／又はヒータ制御装置及び／又は閉鎖制御装置及び／又はワイパ制御装置である、請求項３記載のリアウィンドウ。
5. 前記保護ボックス（４）は、コネクタ（６）用のソケット（７）を有している、請求項１から４までのいずれか１項記載のリアウィンドウ。
6. 前記保護ボックス（４）は、前記エレクトロニクスモジュール（５）用の保持手段（１５）及び／又は整列手段（９）を有している、請求項３又は４記載のリアウィンドウ。
7. 前記保護ボックス（４）はケーブル貫通案内部（１０）を有している、請求項１から６までのいずれか１項記載のリアウィンドウ。
8. 前記保護ボックス（４）は乾燥剤（１１）を含んでいる、請求項１から７までのいずれか１項記載のリアウィンドウ。
9. 前記保護ボックス基体（４ａ）及び／又は保護ボックスカバー（４ｄ）は、クリップ（１４）又はねじ閉鎖体を有している、請求項１から８までのいずれか１項記載のリアウィンドウ。
10. 前記包囲発泡材（３）は、ポリウレタン、イソシアネート、ポリアルコール、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、及び／又はこれらの混合物又はコポリマを含む、請求項１から９までのいずれか１項記載のリアウィンドウ。
11. 前記保護ボックス基体（４ａ）と車体結合部（１）との間に、緩衝体（８）が配置されている、請求項１から１０までのいずれか１項記載のリアウィンドウ。
12. 前記緩衝体（８）は、発泡材、織布又は不織布である、請求項１１記載のリアウィンドウ。
13. 前記フランジ（４ｃ）は位置決め補助手段（１３）を有している、請求項１から１２までのいずれか１項記載のリアウィンドウ。
14. 前記位置決め補助手段（１３）は、孔、長孔、又は突起である、請求項１３記載のリアウィンドウ。
15. 保護ボックス基体（４ａ）のフランジ（４ｃ）を、リアウィンドウと車体との間の接続部分として働く車体結合部（１）に取り付け、車体結合部（１）を獲得し、
    ウィンドウガラス（２）を前記車体結合部（１）に取り付け、
    前記ウィンドウガラス（２）と前記車体結合部（１）との接触面（５）並びに前記車体結合部（１）に包囲発泡材（３）を設け、該包囲発泡材（３）によって、前記保護ボックス基体（４ａ）を前記フランジ（４ｃ）を介して前記車体結合部（１）にシールして位置固定する、
    というステップを有することを特徴とする、リアウィンドウを製造する方法。
16. 前記保護ボックス基体（４ａ）に保護ボックスカバー（４ｂ）を設ける、請求項１５記載の方法。
17. 自動車及び／又はバス及び／又はトラックにおける、請求項１から１４までのいずれか１項記載のリアウィンドウの使用。

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