JP5839954B2

JP5839954B2 - 洗濯乾燥機

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Publication number: JP5839954B2
Application number: JP2011253828A
Authority: JP
Inventors: 鹿島　弘次; 弘次鹿島
Original assignee: Toshiba Corp; Toshiba Lifestyle Products and Services Corp
Current assignee: Toshiba Corp; Toshiba Lifestyle Products and Services Corp
Priority date: 2011-11-21
Filing date: 2011-11-21
Publication date: 2016-01-06
Anticipated expiration: 2031-11-21
Also published as: JP2013106775A

Description

本発明の実施形態は洗濯乾燥機に関する。

従来より、洗濯乾燥機においては、洗濯物を回転槽の内部で洗濯し、次いで回転槽を回転させて脱水し、その後に乾燥させる機能を有している。しかして、その脱水時には、洗濯物が回転槽の高速回転による遠心力で脱水されるものの、絞られたまま回転槽の周壁に張り付けられることで、しわが生じやすい。このため、脱水後、洗濯物を乾燥させても、乾燥むらが生じやすいし、しわが残り、仕上がり具合が充分に好ましくはないという問題点を有していた。

そこで、脱水時に、洗濯物を脱水する回転槽の高速回転と、その回転槽の高速回転で絞られた洗濯物をほぐすほぐし回転とを行うようにしたものが供されている（例えば特許文献１参照）。

特開２００７−１７５３７０号公報

しかしながら、上記特許文献１のもののようにほぐし回転を行っても、洗濯物の乾燥むらやしわを充分に解消するには至っておらず、乾燥をしたときの洗濯物の仕上がり具合は充分に好ましくはないままである。

そこで、乾燥をしたときの洗濯物の乾燥むらやしわを解消して仕上がり具合を充分に好ましくすることのできる洗濯乾燥機を提供する。

本実施形態の洗濯乾燥機においては、洗濯物を、水槽に収容した回転槽の内部で洗濯し、次いで回転槽を回転させて脱水し、その後に回転槽を回転させつつ回転槽の内部に温風を供給して乾燥させる機能を有し、その乾燥の行程では、回転槽の正転と逆転とを繰返し、その正転する時間又は逆転する時間を、行程の前期で行程の後期より長くした洗濯乾燥機において、前記乾燥の行程中、前記回転槽が正転する時間又は逆転する時間の長い前期の時間帯を、標準コースのそれより長くした上質仕上げコースを実行可能としたことを特徴とする。

第１の実施形態を示す上質仕上げコースの内容説明図洗濯乾燥機全体の縦断側面図ヒートポンプの構成を通風路の構成と合わせて示す概略図標準コースの内容説明図第２の実施形態を示す図１部分相当図図４部分相当図第３の実施形態を示す図１部分相当拡大図図４部分相当拡大図作用説明図

以下、第１の実施形態につき、図１ないし図４を参照して説明する。
まず、図２には、ドラム式の洗濯乾燥機の全体構造を示しており、外箱１を外殻としている。この外箱１は、詳細には、底部の基台１ａと、これに被着結合した箱本体１ｂとから成るもので、そのうちの箱本体１ｂの前面部（図２で左側）のやゝ上側に、洗濯物出入口２を形成し、この出入口２を開閉する中空の扉３を設けている。この扉３は、箱本体１ｂの前面部と共に、やゝ上向きに傾斜している。箱本体１ｂの前面部の上部には、操作パネル４を設けており、その裏側（外箱１内）に制御装置５を設けている。

外箱１の内部には、水槽６を配設している。この水槽６は軸方向が前後（図２で左右）の横軸円筒状を成すものであり、それを左右一対（一方のみ図示）のサスペンション７により、前記扉３の傾斜とほゞ同角度の前上がりの傾斜状に弾性支持している。
水槽６の背部には、モータ８を取付けている。このモータ８は、この場合、例えば直流のブラシレスモータであって、アウターロータ形であり、ステータ８ａを水槽６の背部に取付け、ロータ８ｂの中心部に結合した回転軸８ｃを、軸受ブラケット９に内装した複数の軸受１０により支承して水槽６の内部に挿入している。

水槽６の内部には、ドラム１１を収容している。このドラム１１も軸方向が前後の横軸円筒状を成すもので、それを後部の中心部で上記モータ８の回転軸８ｃの先端部に取付けることにより、水槽６と同軸の前上がりの傾斜状に支持している。又、その結果、ドラム１１はモータ８により直に回転されるようになっており、従って、ドラム１１は回転槽であり、モータ８はドラム１１を回転させる駆動装置として機能するようになっている。

ドラム１１の周側部（胴部）には、小孔１２を全域にわたって多数（一部のみ図示）形成すると共に、洗濯物掻き上げ用のバッフル１３を複数（１つのみ図示）設けている。又、ドラム１１及び水槽６は、ともに前面部に開口部１４，１５を有しており、そのうちのドラム１１の開口部１４の周囲部内側には、例えば液体封入形の回転バランサ１６を設け、水槽６の開口部１５に、環状のベローズ１７を介して前記洗濯物出入口２を連ねている。この結果、洗濯物出入口２は、ベローズ１７、水槽６の開口部１５、及びドラム１１の開口部１４を介して、ドラム１１の内部に連なっている。

水槽６の底部中の最低部、この場合、最後部には、排水口１８を形成しており、この排水口１８に機内排水ホース１９の基端部を接続し、この機内排水ホース１９の先端部を、排水弁２０を介して排水パイプ２１に接続している。排水パイプ２１の先端部は、外箱１の基台１ａから機外に臨み、図示しない機外排水ホースを接続している。

このほか、外箱１内の最上部には、給水弁２２と給水ケース２３を配設している。このうち、給水弁２２は、入口部に、図示しない水道の蛇口に接続した機外給水ホース（これも図示せず）を接続するようになっており、出口部を接続パイプ２４を介して給水ケース２３に接続している。給水ケース２３は、内部に洗剤貯留部（これも図示せず）を有しており、その内部を機内給水ホース２５を介して水槽６内にその上部から連通させている。従って、給水弁２２は、給水ケース２３を介して水槽６内に通じるものであり、これらの給水弁２２と給水ケース２３とにより水槽６内に給水する給水装置２６を構成している。

更に、外箱１内の後下部には、ヒートポンプユニット２７を、図３に示す循環ファン２８と共に配置している。ヒートポンプユニット２７は、図２に示すユニットケース２９の内部に、図３に示すアキュムレータ３０を併設した圧縮機３１と、凝縮器３２、絞り器である絞り弁３３、及び蒸発器３４を配設して成るもので、それらの圧縮機３１、凝縮器３２、絞り弁３３、及び蒸発器３４を、図３に示すように順に接続することによって、ヒートポンプ（冷凍サイクル）３５を構成している。なお、ヒートポンプ３５には冷媒を封入しており、又、ユニットケース２９内では、詳しくは図示しないが、凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路と、圧縮機３１及び絞り弁３３を配置したスペースとを仕切壁により隔てている。

ユニットケース２９の図３で下側の端部には、上記凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路に連なる入気口３６を形成しており、この入気口３６には入気ダクトパイプ３７の一端部を接続している。入気ダクトパイプ３７の他端部は、前記水槽６の前部の上部に形成した温風出口３８を接続している。

循環ファン２８は、ケーシング２８ａの内部に送風羽根２８ｂを配設し、この送風羽根２８ｂを回転駆動するモータ２８ｃをケーシング２８ａの外部に配設して成るもので、そのケーシング２８ａをユニットケース２９に並設して、該ケーシング２８ａの入口部をユニットケース２９の前記凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路の出口部と連通させている。又、ケーシング２８ａは、出口部を、出気ダクトパイプ３９を介して、前記水槽６の後部の上部に形成した温風戻り口４０に接続している。

このようにして、入気ダクトパイプ３７、ユニットケース２９の凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路、循環ファン２８のケーシング２８ａ、出気ダクトパイプ３９により、水槽６の温風出口３８と温風戻り口４０とを接続する通風路４１を構成している。
なお、図３には、通風路４１を前記ヒートポンプ３５と併せて概略的に示しており、そのほか、入気ダクトパイプ３７内に設けた入気温度センサ４２、並びに出気ダクトパイプ３９内に設けた出気温度センサ４３をも示している。

次に、上記構成の洗濯乾燥機の作用を述べる。
上記構成の洗濯乾燥機では、種々の運転コースがあり、そのうちの「標準」コースについて最初に説明する。この「標準」コースでは、最初に洗濯行程が実行される。この洗濯行程には、洗い運転とすすぎ運転とがあり、そのうちの洗い運転では、給水装置２６により水槽６からドラム１１内に給水する動作が行われ、続いて、モータ８が作動されることにより、ドラム１１が例えば５０〔ｒｐｍ〕の低速で正逆両方向に交互に回転され、すなわち、正転と逆転とが繰返される。このときのドラム１１の回転は、正逆いずれの方向でも、洗濯物が遠心力でドラム１１の周壁に張り付くことのない速度の回転であり、それによって、ドラム１１に収容された洗濯物が上げ下げ（タンブリング）されて撹拌され、洗浄される。

この後、排水弁２０が開放されて、ドラム１１及び水槽６内の水が、機内排水ホース１９、排水パイプ２１、及び機外排水ホースを順に通じて機外に排出される。
すすぎ運転では、上記洗い運転と同様の動作が行われるものであり、図４に示すように、給水装置２６による給水（給水弁２２の開放）が行われた後に、ドラム１１が例えば５０〔ｒｐｍ〕の低速で正逆両方向に交互に回転される。これにより、洗い後の洗濯物が上げ下げされて撹拌され、すすがれる。

洗濯行程が終了すると、次に脱水行程が実行される。この脱水行程も、図４に示すとおりであり、ドラム１１が、この場合、最初に１０００〔ｒｐｍ〕程度に高速回転されて洗濯後の洗濯物の遠心脱水をし、同時に排水弁２０が開放されて、脱水によりドラム１１内から排出された水を前述の経路で機外に排出する。
次いで、ドラム１１の回転速度が低速に落とされ、このとき、排水弁２０が閉塞されて給水弁２２が開放されることにより、水槽６内に低水位の給水をする。

この後、ドラム１１が、この場合も１０００〔ｒｐｍ〕程度に高速回転されてドラム１１内の洗濯物の遠心脱水をし、同時に排水弁２０が開放されて、脱水によりドラム１１内から排出された水を機外に排出する。
次いで、ドラム１１が前記すすぎ運転と同程度の低速で正逆両方向に交互に回転されつつ、排水弁２０が閉塞されて給水弁２２が開放されることにより、水槽６内に低水位の給水をする。

この後、ドラム１１が、洗濯物がドラム１１の周壁に張り付く例えば４００〔ｒｐｍ〕程度に高速回転されて洗濯物の遠心脱水をし（高速回転動作Ａ）、同時に排水弁２０が開放されて、脱水によりドラム１１内から排出された水を機外に排出する。
次いで、ドラム１１が前記すすぎ運転と同程度の低速で正方向に複数回回転されることにより、洗濯物を撹拌（上げ下げ）してドラム１１内における洗濯物の片寄りを解消する（均等に分散させる）第１回目のアンバランス解消回転が実行される（アンバランス解消回転動作ａ）。

更にその後、ドラム１１が、洗濯物がドラム１１の周壁に張り付く、この場合、７００〔ｒｐｍ〕以上に高速回転されてドラム１１内の洗濯物の遠心脱水をし（高速回転動作Ｂ）、同時に排水弁２０が開放されて、脱水によりドラム１１内から排出された水を機外に排出する。
この後、ドラム１１が再び前記すすぎ運転と同程度の低速で正方向に複数回回転されることにより、洗濯物を撹拌してドラム１１内における洗濯物の片寄りを解消する第２回目のアンバランス解消回転が実行さる（アンバランス解消回転動作ｂ）。

次いで、ドラム１１が、この場合も洗濯物がドラム１１の周壁に張り付く１０００〔ｒｐｍ〕程度に高速回転されてドラム１１内の洗濯物の遠心脱水をし（高速回転動作Ｃ）、同時に排水弁２０が開放されて、脱水によりドラム１１内から排出された水を機外に排出する。
その後、ドラム１１が更に前記すすぎ運転と同程度の低速で正方向に複数回回転されることにより、洗濯物を撹拌してドラム１１内における洗濯物の片寄りを解消する第３回目のアンバランス解消回転が実行される（アンバランス解消回転動作ｃ）。

そして、その後に、ドラム１１が、この場合も洗濯物がドラム１１の周壁に張り付く、最高で１４００〔ｒｐｍ〕程度まで段階的に高速回転されてドラム１１内の洗濯物の遠心脱水をし（最終高速回転動作Ｄ）、同時に排水弁２０が開放されて、脱水によりドラム１１内から排出された水を機外に排出する。

更に、その後には、ドラム１１が前記すすぎ運転と同程度の低速で正方向に複数回回転されることにより、洗濯物を撹拌してドラム１１内における洗濯物の片寄りを解消する最終のアンバランス解消回転が実行される（最終アンバランス解消回転動作ｄ）。又、このときには、排水弁２０が脱水によりドラム１１内から排出された水を全部機外に排出する時点まで開放され、循環ファン２８が最初から作動される。この循環ファン２８の作動により、ドラム１１内の空気が水槽６内から通風路４１を通して水槽６外に出された後、水槽６内に、そしてドラム１１内に戻される循環が行われるものであり、この循環で、ドラム１１内には風が供給され、脱水が促進される。従って、循環ファン２８と通風路４１は、ドラム１１内に給風する給風装置として機能するようになっている。
なお、以上の脱水行程の実行により洗濯物の脱水率は７０〔％〕以上にまで達する。

脱水行程が終了すると、次に、乾燥行程が実行される。この乾燥行程では、ドラム１１がやはり前記すすぎ運転と同程度の低速で正逆両方向に回転されつつ、循環ファン２８が作動される。このときのドラム１１の回転は、正転及び逆転ともに、前期が例えば３０〔秒〕ずつの時間ｔ₁で、後期がそれより短い例えば１５〔秒〕ずつの時間ｔ₂であり、その前期と後期は乾燥工程のほゞ半分ずつに分けている。
一方、循環ファン２８の作動により、ドラム１１内の空気が水槽６内から前記通風路４１を通して水槽６外に出された後、水槽６内に、そしてドラム１１内に戻す循環が行われることは上述のとおりである。

又、このときには、ヒートポンプ３５の圧縮機３１の作動が開始される。これにより、ヒートポンプ３５に封入された冷媒が圧縮されて高温高圧の冷媒となり、その高温高圧の冷媒が凝縮器３２に流れて、ユニットケース２９内の凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路の空気と熱交換する。その結果、ユニットケース２９内の凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路の空気が加熱され、反対に、冷媒の温度は低下して液化される。この液化された冷媒が、次に、絞り弁３３を通過して減圧された後、蒸発器３４に流入し、気化する。それにより、蒸発器３４はユニットケース２９内の凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路の空気を冷却する。このユニットケース２９内の凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路の空気を冷却することでその熱を奪った冷媒は、その後、圧縮機３１に戻る。

これらにより、前記循環ファン２８の作動によって水槽６内から前記通風路４１中のユニットケース２９内の凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路に流入した空気は、蒸発器３４で冷却されて除湿され、その後に凝縮器３２で加熱されて温風化される。そして、その温風が通風路４１の後段（出気ダクトパイプ３９）を通して水槽６内に戻し供給され、そしてドラム１１内に送り入れられる。
ドラム１１内に送り入れられた温風は、ドラム１１内の洗濯物と接触してその水分を奪い、その後に水槽６の温風出口３８から通風路４１の前段（入気ダクトパイプ３７）を経てユニットケース２９内の凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路に流入する。

このようにして、蒸発器３４と凝縮器３２を有するユニットケース２９内の凝縮器３２及び蒸発器３４を通る風路とドラム１１を有する水槽６内との間を空気が循環することにより、ドラム１１内の洗濯物が乾燥される。
なお、以上の乾燥行程の実行により洗濯物の脱水率は１００〔％〕に達する。
この後、圧縮機３１の作動が停止されて、循環ファン２８のみが作動され続けることによる送風運転が行われて、乾燥行程が終了し、「標準」コースが終了される。

さて、上記構成の洗濯乾燥機では、以上の「標準」コースに対し、「上質仕上げ」コースの実行を操作パネル４の選択操作で可能としている。この「上質仕上げ」コースは、図１に示すとおりであり、「標準」コースとの相違点のみを述べれば、第１に、乾燥行程において、ドラム１１が正転する時間並びに逆転する時間ｔ₁の長い前期の時間帯を、標準コースのそれより長くしている。具体的には、前期の時間帯を全乾燥行程中のほゞ７０〔％〕の長さとし、相対的に後期の時間帯を全乾燥行程中のほゞ３０〔％〕の長さとしている。従って又、上記構成の洗濯乾燥機では、「上質仕上げ」コースの乾燥行程において、ドラム１１が正転及び逆転する各時間ｔ₁の長い前側の時間帯を、ドラム１１が正転及び逆転する各時間ｔ₃の短い後側の時間帯より長くしてもいる。

なお、この「上質仕上げ」コースの乾燥行程における後側の時間帯の、ドラム１１が正転及び逆転する各時間ｔ₃は、標準コースのそれｔ₂よりも短く（例えば半分の７．５〔秒〕ずつに）している。

乾燥運転では、ドラム１１内での洗濯物の移動が盛んに行われれば、洗濯物に対する温風の接触が均等化して乾燥むらの発生が減る。又、洗濯物同士の重なりによる圧縮も減り、且つ、回転力による洗濯物の伸びが良くなってしわの発生が軽減される。洗濯物がドラム１１内の空間で充分に移動するには、ある程度長い時間が必要であり、このため、上記構成の洗濯乾燥機では、乾燥行程の前期においては、ドラム１１の回転時間を、正転及び逆転ともに、例えば３０〔秒〕ずつの長い時間ｔ₁としている。これにより、ドラム１１内での洗濯物の移動が盛んに行われる。そして更に、上記構成の洗濯乾燥機では、「上質仕上げ」コースにおいて、乾燥行程中、ドラム１１が正転する時間並びに逆転する時間ｔ₁の長い前期の時間帯を、標準コースのそれより長くしている。これにより、ドラム１１内での洗濯物の移動がより長く盛んに行われることになり、洗濯物の乾燥むらの発生が一層減ると共に、しわの発生も一層軽減される。

但し、洗濯物の乾燥が進むと、洗濯物が膨れ広がることでドラム１１内の移動できる空間が減り、洗濯物の移動がしにくくなる。このため、洗濯物の袖のような長い部分が巻込まれたり、ねじれやすくなる。これに対して、上記構成の洗濯乾燥機では、「上質仕上げ」コースにおいて、乾燥行程中、ドラム１１が正転する時間並びに逆転する時間ｔ₃の短い後期の時間帯を、標準コースの後期の時間帯より短くしている。これにより、洗濯物の袖のような長い部分が巻込まれたり、ねじれやすくなることが少なくなり、しわの発生が更に軽減される。

又、この場合、ドラム１１が正転及び逆転する各時間ｔ₃を、標準コースのそれｔ₂よりも短く、例えばそれの半分の７．５〔秒〕ずつとしており、しわの発生が懸念されるところではあるが、後期の時間帯を上述のように短くしている上に、後期の時間帯では洗濯物の乾燥が進んでいるので、しわにはなりにくい。

このように、上記構成の洗濯乾燥機では、「上質仕上げ」コースを実行することにより、乾燥をしたときの洗濯物の乾燥むらやしわを解消して仕上がり具合を充分に好ましくすることができる。
なお、特に上記構成の洗濯乾燥機では、洗濯物の乾燥をヒートポンプ３５で行うものであり、このヒートポンプ３５による乾燥方式は、乾燥温度が１００〔℃〕以上の電熱ヒータによる乾燥方式に比して、乾燥温度が６０〜７０〔℃〕と低いので、エネルギーの省減に効果がある上に、洗濯物に縮みやしわが生じにくいものであるから、より上質な仕上がり具合を得ることができる。

又、この「上質仕上げ」コースにおいては、第２に、「標準」コースにおける脱水行程の最終回のドラム１１の高速回転動作（最終高速回転動作Ｄ）を省略している。これにより、洗濯物がドラム１１の高速回転による遠心力で脱水される際、絞られたままドラム１１の周壁に張り付けられることで、しわが生じやすいのに対して、その回数（高速回転動作回数）を減じることができるので、洗濯物のしわの発生を軽減することができ、洗濯物の一層上質な仕上がり具合を得ることができる。

更に、この「上質仕上げ」コースにおいては、第３に、脱水行程の最終回のドラム１１の高速回転動作（高速回転動作Ｃ）の時間を、「標準」コースにおける脱水行程の最終回のドラム１１の高速回転動作（最終高速回転動作Ｄ）より１回前のドラム１１の高速回転動作（高速回転動作Ｃ）の時間（例えば４９〔秒〕間）より長く（例えば２〔分〕間に）している。これにより、「標準」コースにおける脱水行程の最終回のドラム１１の高速回転動作（最終高速回転動作Ｄ）を省略したことによる脱水率の低下を少なくでき、それだけ乾燥時間の延長を少なくできる。

加えて、この「上質仕上げ」コースにおいては、第４に、ドラム１１の回転速度の上限を、標準コースの１４００〔ｒｐｍ〕から、１０００〔ｒｐｍ〕に低く留めるようにしている。これにより、洗濯物にしわを与えにくくできるので、洗濯物の更に一層上質な仕上がり具合を得ることができる。

以上に対して、図５は第２の実施形態を示し、図７及び図９は第３の実施形態を示すもので、それぞれ、第１の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。

［第２の実施形態］
図５に示す第２の実施形態においては、「上質仕上げ」コースの脱水行程におけるリトライ制御を、ドラム１１の２５０〔ｒｐｍ〕超の回転では行わないようにしている。脱水の行程におけるリトライ制御は、洗濯物がドラム１１の不平衡荷重（アンバランス）となって、ドラム１１の回転速度が正常に上昇しなかったときに、ドラム１１が外箱１に当たるような異常振動の発生を避けるべく、その回転を停止して、例えば正方向で低速のほぐし回転を行った後、ドラム１１の回転速度を再度上昇させる内容のものであり、「標準」コースでは、図６に示すように、ドラム１１の２００〔ｒｐｍ〕の回転Ｅと、４００〔ｒｐｍ〕の回転Ｆとでそれぞれ行っていたのに対して、それをドラム１１の２００〔ｒｐｍ〕の回転Ｅでのみ行い、それ以上の２５０〔ｒｐｍ〕超の回転では行わないようにしているのである。従って、ドラム１１の２５０〔ｒｐｍ〕超の回転では、仮にドラム１１の回転速度が正常に上昇しなかったときでも、リトライ制御を行わず、ドラム１１を回転させ続けるものである。

脱水の行程におけるリトライ制御は、実行回数が多いと、ほぐし回転を行った後にドラム１１の回転速度を上昇させる回数が多くなることで、洗濯物のしわの発生が多くなるが、このように脱水の行程におけるリトライ制御を、ドラム１１の２５０〔ｒｐｍ〕超の回転では行わないようにすることにより、ほぐし回転を行った後にドラム１１の回転速度を上昇させる回数が減り、洗濯物のしわの発生を少なくできる。従って、このようにすることにより、洗濯物のしわを一層解消して仕上がり具合を更に充分に好ましくすることができる。

又、この場合、ドラム１１の回転速度の上限は、前述のように、標準コースの１４００〔ｒｐｍ〕から、１０００〔ｒｐｍ〕に代えて留めるようにしている。これにより、ドラム１１の２５０〔ｒｐｍ〕超の回転では、仮にドラム１１の回転速度が正常に上昇しなかったときでも、リトライ制御を行わず、ドラム１１を回転させ続けるものであっても、異常音等の発生のリスクが増加することのないようにできる。

［第３の実施形態］
図７及び図９に示す第３の実施形態においては、「上質仕上げ」コースの乾燥行程中、前期におけるドラム１１の正転の終了直前又は逆転の終了直前に、ドラム１１の回転速度をそれまでより上昇させるようにしている。具体的には、図７に示すように、「上質仕上げ」コースの乾燥の行程中、前期におけるドラム１１の正転の終了又は逆転の終了の例えば５〔秒〕前から、ドラム１１の回転速度を、それまでの例えば５０〔ｒｐｍ〕より例えば４０〔％〕上昇（７０〔ｒｐｍ〕で回転）させるようにしている。

標準コースでは、図８に示すように、如上の制御を行っておらず、その結果、洗濯物は、ドラム１１の正転の終了並びに逆転の終了とともに、図９に矢印Ｘで示すように直下へ急速落下する。それに対して、本実施形態の制御よると、洗濯物は、ドラム１１の正転の終了直前又は逆転の終了直前に力が与えられ、図９に矢印Ｙで示すように、ドラム１１の回転方向Ｚ先に飛ばされて軟らかく落下する。これにより、洗濯物には、しわが発生することが避けられる。従って、このようにしても、洗濯物のしわを一層解消して仕上がり具合を更に充分に好ましくすることができる。
なお、この第３の実施形態の制御は、第２の実施形態と併せて実施するようにしても良い。

又、ドラム１１の回転時間を後期より前期で長くするのは、正転及び逆転の双方でなく、一方のみとしても良い。
更に、乾燥方式はヒートポンプによるもの限られず、例えば電熱ヒータによるものとしても良い。
加えて、洗濯乾燥機全体としても、ドラム式に限られず、水槽と回転槽を縦軸状に有する縦軸形洗濯乾燥機にも同様に適用して実施することができるなど、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。

そのほか、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

図面中、６は水槽、１１はドラム（回転槽）、ｔ_1,ｔ_2,ｔ₃はドラムの正転（逆転）時間、Ｅ，Ｆはドラムの不平衡荷重検知回転速度を示す。

Claims

洗濯物を、水槽に収容した回転槽の内部で洗濯し、次いで回転槽を回転させて脱水し、その後に回転槽を回転させつつ回転槽の内部に温風を供給して乾燥させる機能を有し、
その乾燥の行程では、回転槽の正転と逆転とを繰返し、その正転する時間又は逆転する時間を、行程の前期で行程の後期より長くした洗濯乾燥機において、
前記乾燥の行程中、前記回転槽が正転する時間又は逆転する時間の長い前期の時間帯を、標準コースのそれより長くした上質仕上げコースを実行可能としたことを特徴とする洗濯乾燥機。
上質仕上げコースの脱水の行程では、回転槽の回転速度が正常に上昇しなかったときに、回転槽の回転を停止してほぐし回転を行った後回転槽の回転速度を再度上昇させる内容のリトライ制御を実行可能であり、
回転槽の２５０〔ｒｐｍ〕超の回転では、その回転速度が正常に上昇しなかったときでも、リトライ制御を行わないようにしたことを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
上質仕上げコースの乾燥の行程中、前期における回転槽の正転の終了直前又は逆転の終了直前に、回転槽の回転速度をそれまでより上昇させるようにしたことを特徴とする請求項１又は２記載の洗濯乾燥機。