図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えば定格電圧が200Vなどのリチウムイオン二次電池として構成されてシステムメインリレー56とインバータ41,42とを介してモータMG1,MG2と電力をやりとりする高電圧バッテリ50と、高電圧バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、各ECUや補機59などが接続された電力ライン(以下、低電圧系電力ラインという)54bに接続された例えば定格電圧が12Vなどの鉛蓄電池として構成された低電圧バッテリ58と、インバータ41,42と高電圧バッテリ50とを接続する電力ライン(以下、高電圧系電力ラインという)54aからの電力を降圧して低電圧系電力ライン54bに供給するDC/DCコンバータ57と、家庭用電源などの外部電源に接続されて高電圧バッテリ50を充電可能な充電器60と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)134aを有する浄化装置134を介して外気へ排出される。
エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に、処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた図示しない圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Tin,浄化触媒134aの温度を検出する温度センサ134bからの触媒温度Tc,空燃比センサ135aからの空燃比AF,酸素センサ135bからの酸素信号Voなどが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、高電圧バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、高電圧バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧Vbや高電圧バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib,高電圧バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じて高電圧バッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、高電圧バッテリ50を管理するために、電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときの高電圧バッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいて高電圧バッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。
充電器60は、リレー62を介して高電圧系電力ライン54aに接続されており、電源プラグ68を介して供給される外部電源からの交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ66と、AC/DCコンバータ66からの直流電力の電圧を変換して高電圧系電力ライン54a側に供給するDC/DCコンバータ64と、を備える。
HVECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に、処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。HVECU70には、パワースイッチ80からのプッシュ信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,電源プラグ68の外部電源への接続を検出する接続検出センサ69からの接続検出信号などが入力ポートを介して入力されている。HVECU70からは、システムメインリレー56やリレー62への駆動信号,DC/DCコンバータ64やAC/DCコンバータ66へのスイッチング制御信号,DC/DCコンバータ57へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力と高電圧バッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共に高電圧バッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、自宅や予め設定された充電ポイントで車両をシステム停止した後に電源プラグ68が外部電源に接続されてその接続が接続検出センサ69によって検出されると、システムメインリレー55とリレー62とをオンとし、充電器60を制御して外部電源からの電力により高電圧バッテリ50を充電する。そして、高電圧バッテリ50の充電後にシステム起動したときには、高電圧バッテリ50の蓄電割合SOCがエンジン22の始動を行なうことができる程度に設定された閾値Shv(例えば、20%や30%など)に至るまでは、エンジン22からの動力とモータMG2からの動力とを用いて走行するハイブリッド走行に比してモータMG2からの動力だけを用いて走行する電動走行を優先して走行する電動走行優先モードによって走行し、高電圧バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shvに至った以降は、電動走行に比してハイブリッド走行を優先して走行するハイブリッド走行優先モードによって走行する。
電動走行優先モードでは、アクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に出力すべき)要求トルクTr*を設定すると共に設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する。そして、走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の出力制限Wout以下のときには、エンジン22の運転を停止した状態でモータMG2から走行用パワーPdrv*を出力して駆動軸36に要求トルクTr*が出力されるようモータMG2を制御して、電動走行によって走行する。走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の出力制限Woutより大きくなると、エンジン22を始動して、走行用パワーPdrv*をエンジン22から出力すべき要求パワーPe*に設定し、エンジン22から要求パワーPe*が出力されると共に駆動軸36に要求トルクTr*が出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御して、ハイブリッド走行によって走行する。その後に、走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の出力制限Wout以下になると、エンジン22を運転を停止して、エンジン22の運転を停止して、モータMG2から走行用パワーPdrv*を出力して走行する電動走行に戻る。
ハイブリッド走行優先モードでは、高電圧バッテリ50の蓄電割合SOCに応じて高電圧バッテリ50の充放電要求パワーPb*(高電圧バッテリ50から放電するときが正の値)を設定すると共に設定した充放電要求パワーPb*を走行用パワーPdrv*から減じてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定し、要求パワーPe*がエンジン22を比較的効率よく運転することができる最低パワーとして予め定められた運転用閾値Pop以上のときには、エンジン22から要求パワーPe*が出力されると共に駆動軸36に要求トルクTr*が出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御して、ハイブリッド走行によって走行する。要求パワーPe*が運転用閾値Pop未満になると、エンジン22を比較的効率よく運転できないため、エンジン22の運転を停止してモータMG2から走行用パワーPdrv*を出力して走行する電動走行に移行する。電動走行によって走行している最中に運転者がアクセルペダル83を踏み込んで走行用パワーPdrv*が大きくなって要求パワーPe*が運転用閾値Pop以上になると、エンジン22を始動してエンジン22から要求パワーPe*を出力して走行するハイブリッド走行に移行する。なお、運転用閾値Popは、高電圧バッテリ50の出力制限Woutに比してかなり小さな値として定められている。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、浄化装置134の浄化触媒134aの暖機要求がなされているときの動作について説明する。図3は、HVECU70により実行される触媒暖機要求時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、浄化触媒134aの暖機要求がなされているときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。なお、浄化触媒134aの暖機要求は、温度センサ134bからの触媒温度Tcが浄化触媒134aが活性化していると想定される活性化温度Tcact(例えば、400℃や420℃,450℃など)未満のときに行なわれるものとした。浄化触媒134aの暖機要求がなされるときとしては、基本的には、車両のシステム起動後に初めてエンジン22を始動したとき(高電圧バッテリ50の充電後にシステム起動したときには、通常、電動走行優先モードによって走行している最中にエンジン22を始動したとき)を考えることができる。
触媒暖機要求時制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbや制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*などのデータを入力する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbは、電圧センサ51aにより検出されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。制御用電流制限Ibmax*や制御用出力制限Wout*は、図4に例示する制限値設定ルーチンにより設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。図4の制限値設定ルーチンについては後述する。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に出力すべき)要求トルクTr*を設定すると共に設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図5に示す。また、駆動軸36の回転数Nrは、車速Vに換算係数を乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を用いたりすることができる。
続いて、高電圧バッテリ50を強制充電すべきか否かを示す強制充電要求フラグFcの値を調べ(ステップS120)、強制充電要求フラグFcが値0のときには、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを制御用の許容下限電圧Vbminと比較する(ステップS130)。ここで、強制充電要求フラグFcは、初期値として値0が設定され、高電圧バッテリ50の強制充電を開始すべきときに値0から値1に切り替えられ、その後に高電圧バッテリ50の強制充電を終了してよいときに値1から値0に切り替えられるフラグである。また、許容下限電圧Vbminは、高電圧バッテリ50を保護するために厳守すべき保護下限電圧(例えば、120Vや130V,140Vなど)より高い電圧範囲で定められ、例えば、150Vや155V,160Vなどを用いることができる。実施例では、この許容下限電圧Vbminを、高電圧バッテリ50の強制充電を開始すべきか否かを判定するための閾値として用いるものとした。
強制充電要求フラグFcが値0で高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminより高いときには、高電圧バッテリ50の強制充電を開始する必要はないと判断し、走行用パワーPdrv*を高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*と比較する(ステップS140)。
そして、走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*以下のときには、浄化触媒134aの暖機用の運転ポイントとしての回転数NsetとトルクTsetとをエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに設定する(ステップS150)。ここで、回転数Nsetとしては、例えば、エンジン22を運転する際の下限値(例えば、1000rpmや1200rpm、1300rpm)やそれよりも若干大きな値などを用いることができ、トルクTsetとしては、例えば、値0やそれよりも若干大きな値などを用いることができる。
続いて、前回に本ルーチンが実行されたときに後述のステップS240の処理で設定したモータMG1のトルク指令(前回Tm1*)とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いてエンジン22からの出力トルクとして推定される推定出力トルクTeestを次式(1)により計算し(ステップS230)、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いて次式(2)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とエンジン22の推定出力トルクTeestとプラネタリギヤ30のギヤ比ρとに基づいて式(3)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS240)。エンジン22を浄化触媒134aの暖機用の運転ポイントで運転しながら走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2であるリングギヤ32の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されて駆動軸36に作用するトルクと、モータMG2から出力されて駆動軸36に作用するトルクとを示す。式(1)および式(2)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(3)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(3)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。なお、浄化触媒134aの暖機用の運転ポイントにおけるトルクTsetは小さな値(例えば、値0やそれよりも若干大きな値など)であるから、その運転ポイントでエンジン22が運転されているときにはモータMG1のトルク指令Tm1*には絶対値が小さな値が設定されることになる。図6の共線図では、図示の必要上、一部の矢印については誇張している。
Teest=-(1+ρ)・前回Tm1*/ρ (1)
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/・ρ (2)
Tm1*=-ρ・Teest/(1+ρ)+k1・(Nm1*-Nm1)+k2・∫(Nm1*-Nm1)dt (3)
そして、要求トルクTr*にトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(4)により計算すると共に(ステップS250)、高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*からトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費パワー(発電パワー)を減じた値をモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tm2max1を式(5)により計算し(ステップS260)、式(6)に示すように、高電圧バッテリ50の充放電電流Ibと制御用電流制限Ibmax*とに基づいてトルク制限Tm2max2を設定し(ステップS270)、式(7)に示すように、計算した仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2max1,Tm2max2で制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS280)。ここで、式(4)は、図6の共線図から容易に導くことができる。また、トルク制限Tm2ma2は、実施例では、高電圧バッテリ50の充放電電流Ibが制御用電流制限Ibmax*以下のときには高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*を設定し、高電圧バッテリ50の充放電電流Ibが制御用電流制限Ibmax*より大きいときには充放電電流Ibが大きいほど制御用出力制限Wout*に比して小さくなる傾向の値を設定するものとした。浄化触媒134aの暖機用の運転ポイントにおけるトルクTsetが小さく、モータMG1のトルク指令Tm1*の大きさも小さいことを考えると、トルク指令Tm1*を値0とすれば、仮モータトルクTm2tmpには要求トルクTr*が設定される。そして、走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*以下であることを考慮すると、モータMG2のトルク指令Tm2*には、仮モータトルクTm2tmpが設定されることになる。
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (4)
Tm2max1=Wout*-Tm1*・Nm1/Nm2 (5)
Tm2max2=f(Ib,Ibmax) (6)
Tm2*=min(Tm2tmp,Tm2max1,Tm2max2) (7)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。このとき、浄化触媒134aを暖機をより促進させるために、エンジン22の点火時期については、エンジン22を効率よく運転するための点火時期(以下、燃費用点火時期という)よりも遅く且つ触媒暖機に適した点火時期(以下、触媒暖機用点火時期という)を用いるものとした。点火時期を燃費用点火時期より遅くするのは、燃焼を緩慢なものとして燃焼エネルギのうち熱エネルギとして排気系に排出されるエネルギを大きくすることによって浄化触媒134aの暖機を促進させるためである。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、浄化触媒134aの暖機を促進させながら走行用パワーPdrv*によって走行することができる。なお、モータMG2については、上述したように、仮トルクTm2tmpを制御用出力制限Wout*に基づくトルク制限Tm2max1と制御用電流制限Ibmax*に基づくトルク制限Tm2max2とによって制限して得られる値をトルク指令Tm2*に設定して制御に用いるから、高電圧バッテリ50の充放電電流Ibが制御用電流制限Ibmax*以下となると共に高電圧バッテリ50の充放電電力Wb(=Vb×Ib)が制御用出力制限Wout*以下となるよう制御されると考えることができる。
ステップS140で走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*より大きいときには、走行用パワーPdrv*から高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*を減じた値(以下、差分パワー(Pdrv*−Wout*)という)をエンジン22から出力すべき要求パワーPe*として設定すると共に(ステップS160)、エンジン22の回転数NeとトルクTeとの制約としてのエンジン22を効率よく運転する動作ラインと、要求パワーPe*と、を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し(ステップS170)、上述したステップS230〜S280の処理によってモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図7に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とは、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。また、エンジン22からパワーを出力しながら走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図8に示す。この場合、走行用パワーPdrv*をエンジン22から出力するものに比して、エミッションの悪化を抑制することができる。
ステップS120,S130で強制充電要求フラグFcが値0で高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下のときには、高電圧バッテリ50の強制充電を開始すべきと判断し、強制充電要求フラグFcに値1を設定する(ステップS180)。そして、走行用パワーPdrv*から高電圧バッテリ50を充電するための負の所定パワーPc(高電圧バッテリ50から放電するときが正の値)を減じた値(以下、強制充電走行パワー(Pdrv*−Pc)という)をエンジン22の要求パワーPe*として設定すると共に(ステップS190)、エンジン22の回転数NeとトルクTeとの制約としてのエンジン22を効率よく運転する動作ラインと、要求パワーPe*と、を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し(ステップS170)、上述したステップS230〜S280の処理によってモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。こうした制御により、高電圧バッテリ50を充電して高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを上昇させることができる。
こうして強制充電要求フラグFcに値1が設定されると、次回に本ルーチンが実行されたときにステップS120で強制充電要求フラグFcが値1であると判定され、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを許容下限電圧Vbminより高い閾値電圧Vbcstopと比較する(ステップS210)。ここで、閾値電圧Vbcstopは、高電圧バッテリ50の強制充電を終了してよい電圧として定められ、例えば、190Vや200V,210Vなどを用いることができる。なお、この閾値電圧Vbcstopは、実施例では、上述の閾値電圧Vbcstopより高い電圧を用いるものとした。
高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbcstop未満のときには、高電圧バッテリ50の強制充電を継続すべきと判断し、ステップS190以降の処理を実行する。一方、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbcstop以上のときには、高電圧バッテリ50の強制充電を終了してよいと判断し、強制充電要求フラグFcに値0を設定し(ステップS220)、ステップS140以降の処理を実行する。こうして強制充電要求フラグFcに値0が設定されると、次回に本ルーチンが実行されたときには、ステップS120で強制充電要求フラグFcが値0であると判定され、ステップS130以降の処理を実行する。
以上、図3の触媒暖機要求時制御ルーチンについて説明した。次に、図4の制限値設定ルーチンについて説明する。制限値設定ルーチンが実行されると、バッテリECU52は、まず、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbや電流制限Ibmax,出力制限Woutを入力する処理を実行する(ステップS300)。ここで、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbは、電圧センサ51aにより検出されたものを入力するものとした。また、電流制限Ibmaxは、高電圧バッテリ50の定格値を入力するものとした。さらに、高電圧バッテリ50の出力制限Woutは、高電圧バッテリ50の電池温度Tbと蓄電割合SOCとに基づいて設定されたものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、履歴フラグFh1,Fh2の値を調べる(ステップS310)。ここで、履歴フラグFh1は、浄化触媒134aの暖機要求の開始時に初期値として値0が設定され、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが低下して許容下限電圧Vbminより所定電圧αだけ高い閾値電圧Vbref以下になったときに値1が設定されるフラグである。また、履歴フラグFh2は、浄化触媒134aの暖機要求の開始時に初期値として値0が設定され、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが低下して許容下限電圧Vbmin以下になったときに値1が設定されるフラグである。所定電圧αは、例えば、5Vや10V,15Vなど用いることができる。
履歴フラグFc1,Fc2が共に値0のときには、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを閾値電圧Vbrefと比較し(ステップS320)、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbrefより高いときには、高電圧バッテリ50の電流制限Ibmaxを制御用電流制限Ibmax*に設定すると共に(ステップS330)、高電圧バッテリ50の出力制限Woutを制御用出力制限Wout*に設定して(ステップS340)、本ルーチンを終了する。この場合、走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*(=Wout)より大きいときには、差分パワー(Pdrv*−Wout*)がエンジン22から出力され、高電圧バッテリ50の充放電電流Ibが制御用電流制限Ibmax*以下となると共に高電圧バッテリ50の充放電電力Wb(=Vb×Ib)が制御用出力制限Wout*以下となり、走行用パワーPdrv*が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御して走行することになる。
一方、ステップS320で高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下のときには、履歴フラグFh1に値1を設定し(ステップS350)、高電圧バッテリ50の電流制限Ibmaxから所定値ΔIb1を減じた値を制御用電流制限Ibmax*に設定すると共に(ステップS360)、高電圧バッテリ50の出力制限Woutから所定値ΔW1を減じた値を制御用出力制限Wout*に設定して(ステップS370)、本ルーチンを終了する。ここで、所定値ΔIb1は、例えば、電流制限Ibmaxが200Aや210A,220Aなどのときに55Aや60A,65Aなどを用いることができる。また、所定値ΔW1は、例えば、出力制限Woutが39kWや41kWや43kWなどのときに13kWや14kW,15kWなどを用いることができる。この場合、走行用パワーPdrv*が制御用出力制限Wout*より大きいときにおいて、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になる前(履歴フラグFh1,Fh2が共に値0であり且つ高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbrefより高いとき)に比して走行用パワーPdrv*のうちエンジン22からの出力の割合が大きくなると共に高電圧バッテリ50からの出力の割合が小さくなる。したがって、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になる前と同様に制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*を設定するものに比して、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbの低下を緩やかにすることができる。この結果、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを許容下限電圧Vbmin以下に至りにくくすることができる(至るまでの時間を長くすることができる)。
こうして履歴フラグFh1に値1が設定されると、次回に本ルーチンが実行されたときには、ステップS310で履歴フラグFh1が値1であると共に履歴フラグFh2が値0であると判定され、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを許容下限電圧Vbminと比較する(ステップS380)。そして、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminより高いときには、高電圧バッテリ50の電流制限Ibmaxから所定値ΔIb1を減じた値を制御用電流制限Ibmax*に設定すると共に(ステップS360)、高電圧バッテリ50の出力制限Woutから所定値ΔW1を減じた値を制御用出力制限Wout*に設定して(ステップS370)、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS380で高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下のときには、履歴フラグFh2に値1を設定し、高電圧バッテリ50の電流制限Ibmaxから所定値ΔIb1より大きな所定値ΔIb2を減じた値を制御用電流制限Ibmax*に設定すると共に(ステップS400)、高電圧バッテリ50の出力制限Woutから所定値ΔW1より大きな所定値ΔW2を減じた値を制御用出力制限Wout*に設定して(ステップS410)、本ルーチンを終了する。ここで、所定値ΔIb2は、例えば、電流制限Ibmaxが200Aや210A,220Aなどで所定値ΔIb1が55Aや60A,65Aなどのときに85Aや90A,95Aなどを用いることができる。また、所定値ΔW2は、例えば、出力制限Woutが39kWや41kWや43kWなどで所定値ΔW1が13kWや14kW,15kWなどのときに19Wや20W,21Wなどを用いることができる。
実施例では、上述したように、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下になった以降は、端子間電圧Vbが閾値電圧Vbcstop以上になるまで、走行用パワーPdrv*より大きな強制充電走行パワー(Pdrv*−Pc)がエンジン22から出力されると共に走行用パワーPdrv*によって走行するようエンジン22とモータMG1,MG2を制御することより、高電圧バッテリ50を充電しながら走行する。その前段階として、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になったときに、閾値電圧Vbref以下になる前に比して、高電圧バッテリ50の制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*を小さくして走行用パワーPdrv*のうちエンジン22からの出力の割合を大きくすると共に高電圧バッテリ50からの出力の割合を小さくしているから、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下になったときに、エンジン22からの出力を要求パワーPe*(=Pdrv*−Pc)により迅速に近づけることができる。この結果、エンジン22の応答遅れによる出力不足を賄うための高電圧バッテリ50からの出力を抑制することができ、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminを下回る程度を抑制することができる。しかも、このときには、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下に至る前に比して、高電圧バッテリ50の制御用電流制限Ibmax*や制御用出力制限Wout*を小さくするから、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminを下回る程度をより抑制することができる。なお、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下に至った以降で許容下限電圧Vbmin以下に至る前には、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下に至った以降に比して大きな値(Ibmax−ΔIb1),(Wout−ΔW1)を制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*に設定することにより、エミッションの悪化をある程度抑制することができる。
こうして履歴フラグFh2に値1が設定されると、次回に本ルーチンが実行されたときには、ステップS310で履歴フラグFh1,Fh2が共に値1であると判定され、高電圧バッテリ50の電流制限Ibmaxから所定値ΔIb2を減じた値を制御用電流制限Ibmax*に設定すると共に(ステップS400)、高電圧バッテリ50の出力制限Woutから所定値ΔW2を減じた値を制御用出力制限Wout*に設定して(ステップS410)、本ルーチンを終了する。
ここで、制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*の設定に履歴フラグFh1,Fh2を用いる理由について説明する。実施例では、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になった後に閾値電圧Vbrefより高くなったとき(履歴フラグFh1が値1,履歴フラグFh2が値0であり高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbrefより高いとき)には、制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*を電流制限Ibmax,出力制限Woutに復帰させずに、値(Ibmax−ΔIb1),(Wout−ΔW1)で保持する。また、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下になった後に許容下限電圧Vbminより高くなったとき(履歴フラグFh1,Fh2が共に値1であり高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminより高いとき)には、制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*を電流制限Ibmax,出力制限Woutや値(Ibmax−ΔIb1),(Wout−ΔW1)に復帰させずに、値(Ibmax−ΔIb2),(Wout−ΔW2)で保持する。これは、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref,許容下限電圧Vbmin以下となったときには、その後に端子間電圧Vbがある程度上昇したとしても、端子間電圧Vbが比較的急峻に低下しやすい状態になっている(劣化しやすい状態になった後にその状態から回復していない)と考えられる、という理由に基づく。したがって、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが低下した後に上昇したときに、制御用電流制限Ibmax*や制御用出力制限Wout*を復帰させない(大きくしない)ことにより、その後に端子間電圧Vbが急峻に低下するのを抑制することができる。
図9は、浄化触媒134aの暖機要求がなされていて走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*より大きいときの高電圧バッテリ50の端子間電圧Vb,充放電電流Ibおよび制御用電流制限Ibmax*,充放電電力Wbおよび制御用出力制限Wout*,強制充電要求フラグFc,エンジン22の要求パワーPe*および実パワーPeの時間変化の様子の一例を示す説明図である。図中、左側は高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbに応じて制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*を設定する実施例の時間変化の様子を示し、右側は高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbに拘わらず電流制限Ibmax,出力制限Woutを制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*に設定する比較例の時間変化の様子を示す。なお、充放電電力Wbは、例えば、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbと充放電電流Ibとの積によって計算することができる。また、エンジン22の実パワーPeは、例えば、推定出力トルクTeestにエンジン22の回転数Neを乗じることによって計算することができる。
実施例も比較例も、同様に、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下に至る前(時刻t12,t22より前)は差分パワー(Pdrv*−Wout*)をエンジン22の要求パワーPe*に設定してエンジン22を制御し、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下に至って強制充電フラグFcが値0から値1に切り替わった以降(時刻t12,t22以降)は強制充電パワー(Pdrv*−Pc)をエンジン22の要求パワーPe*に設定してエンジン22を制御する。なお、図中、時刻t11,t21は、実施例,比較例で高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下となる時刻である。
図中右側に示すように、比較例では、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下に至ったときには(時刻t22)、制御用出力制限Wout*が比較的大きい(出力制限Woutに等しい)ことから、強制充電パワー(Pdrv*−Pc)と差分パワー(Pdrv*−Wout*)との差分が比較的大きく、要求パワーPe*が比較的大きく変化する。このため、エンジン22の応答遅れを賄うために、エンジン22からの実パワーPeが要求パワーPe*(=Pdrv*−Pc)にある程度近づくまでは(時刻t22〜t23)、高電圧バッテリ50から比較的大きな電流や電力(電流制限Ibmax,出力制限Woutに近い電流,電力)が出力されることになり、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminに対してある程度低くなる。そして、実パワーPe*が要求パワーPe*にある程度近づいた以降(時刻t23以降)は、高電圧バッテリ50からの電流や電力が小さくなって高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが上昇する。
図中左側に示すように、実施例では、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下に至ると(時刻t11)、高電圧バッテリ50の制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*を値(Ibmax−ΔIb1),(Wout−ΔW1)に小さくする。これにより、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを許容下限電圧Vbmin以下に至りくくすることができる。そして、その後に、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下に至ったときには(時刻t12)、比較例に比して制御用出力制限Wout*が小さいことから、強制充電パワー(Pdrv*−Pc)と差分パワー(Pdrv*−Wout*)との差分が小さくなり、要求パワーPe*の変化量が小さくなる。しかも、このときには、高電圧バッテリ50の制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*を値(Ibmax−ΔIb2),(Wout−ΔW2)により小さくする。これらより、エンジン22からの実パワーPeが要求パワーPe*に比較的迅速に近づき、且つ、高電圧バッテリ50からそれほど大きな電流や電力が出力されないから、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminを下回る程度を抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、浄化触媒134aの暖機要求がなされていて走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*より大きいときには、走行用パワーPdrv*から制御用出力制限Wout*を減じて得られる差分パワー(Pdrv*−Wout*)がエンジン22から出力されると共に走行用パワーPdrv*によって走行するようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものにおいて、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminより高い閾値電圧Vbref以下になったときには、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になる前に比して制御用電流制限Ibmax*と制御用出力制限Wout*とを小さくするから、走行用パワーPdrv*のうちエンジン22からの出力の割合を大きくすると共に高電圧バッテリ50からの出力の割合を小さくすることができ、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを許容下限電圧Vbmin以下に至りにくくする(許容下限電圧Vbmin以下に至るまでの時間)を長くすることができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下に至ったときには、走行用パワーPdrv*より大きな強制充電走行パワー(Pdrv*−Pc)がエンジン22から出力されると共に走行用パワーPdrv*によって走行するようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するから、高電圧バッテリ50を充電して高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbを上昇させることができる。しかも、上述したように、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminより高い閾値電圧Vbref以下になったときに、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になる前に比して走行用パワーPdrv*のうちエンジン22からの出力の割合を大きくすると共に高電圧バッテリ50からの出力の割合を小さくしているから、エンジン22からの出力を強制充電走行パワー(Pdr*−Pc)により迅速に近づけることができ、エンジン22の応答遅れによる出力不足を賄うための高電圧バッテリ50からの出力を抑制することができ、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminを下回る程度を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になったときには、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になる前に比して、制御用電流制限Ibmax*と制御用出力制限Wout*とを小さくするものとしたが、いずれか一方だけを小さくするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*は、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になる前は出力制限Woutを設定し、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になった以降で許容下限電圧Vbmin以下になる前は値(Wout−ΔW1)を設定し、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下になった以降は値(Wout−ΔW2)を設定するものとしたが、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になった以降は、許容下限電圧Vbmin以下になる前かなった以降かに拘わらず値(Wout−ΔW1)または値(Wout−ΔW2)を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、高電圧バッテリ50の制御用電流制限Ibmax*は、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になる前は電流制限Ibmaxを設定し、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になった以降で許容下限電圧Vbmin以下になる前は値(Ibmax−ΔIb1)を設定し、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下になった以降は値(Ibmax−ΔIb2)を制御用電流制限Ibmax*に設定するものとしたが、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になった以降は、許容下限電圧Vbmin以下になる前かなった以降かに拘わらず値(Ibmax−ΔIb1)または値(Ibmax−ΔIb2)を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、高電圧バッテリ50の制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*の設定において、履歴フラグFh1,Fh2(高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下,許容下限電圧Vbmin以下になった履歴があるか否かを示す情報)を用いるものとしたが、これらを用いないものとしてもよい。この場合、高電圧バッテリ50の制御用電流制限Ibmax*,制御用出力制限Wout*は、単に、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbrefより高いときには高電圧バッテリ50の電流制限Ibmax,出力制限Woutを設定し、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下で許容下限電圧Vbminより高いときには値(Ibmax−ΔIb1),(Wout−ΔW1)を設定し、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下のときには値(Ibmax−ΔIb2),(Wout−ΔW2)を設定すればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbmin以下になったときには、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbcstop以上になるまで強制充電走行パワー(Pdrv*−Pc)がエンジン22から出力されると共に走行用パワーPdrv*によって走行するよう(高電圧バッテリ50が充電されながら走行するよう)エンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとしたが、走行用パワーPdrv*がエンジン22から出力されると共に走行用パワーPdrv*によって走行するよう(高電圧バッテリ50が充放電されずに走行するよう)エンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、特に説明していないが、浄化触媒134aの暖機要求がなされているときには、浄化触媒134aの暖機要求がなされていないときの出力制限Woutより数kW程度大きな出力制限Woutを用いて制御用出力制限Wout*を設定するものとしてもよい。この場合、浄化触媒134aの暖機要求がなされていて高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下に至る前は、浄化触媒134aの暖機要求がなされていないときの出力制限Woutより数kW程度大きな出力制限Woutを制御用出力制限Wout*に設定することになる。
実施例のハイブリッド自動車20では、浄化装置134に取り付けられた温度センサ134bにより浄化触媒134aの温度を触媒温度Tcとして検出するものとしたが、温度センサ134bを備えず、吸入空気量Qaの積算値や吸気温Tin,冷却水温Twなどに基づいて浄化触媒134aの温度を推定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、充電器60を備えるものとしたが、これを備えないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪39a,39bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪38a,38bに動力を出力する駆動軸36に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン22からの動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に変速機330を介してモータMGを取り付けると共にモータMGの回転軸にクラッチ329を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機330とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機330を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。あるいは、図13の変形例のハイブリッド自動車420に例示するように、エンジン22からの動力を変速機430を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪38a,38bが接続された車軸とは異なる車軸(図13における車輪39a,39bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。即ち、エンジンと走行用の動力を入出力する電動機とを備えるものであれば如何なるタイプのハイブリッド自動車としてもよいのである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、高電圧バッテリ50が「バッテリ」に相当し、図3の触媒暖機要求時制御ルーチンを実行するHVECU70と、図4の制限値設定ルーチンを実行するバッテリECU52と、HVECU70からのデータに基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24と、HVECU70からのデータに基づいてモータMG2を制御するモータECU40と、が「触媒暖機要求時制御手段」に相当する。
ここで、「エンジン」としては、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、水素エンジンなど、排気を浄化する浄化触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられて走行用の動力を出力可能なものであれば如何なるタイプのエンジンであっても構わない。「モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、走行用の動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプのモータであっても構わない。「バッテリ」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、モータと電力のやりとりが可能なものであれば如何なるタイプのバッテリであっても構わない。「制御手段」としては、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とからなる組み合わせに限定されるものではなく、単一の電子制御ユニットによって構成されるものなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、浄化触媒134aの暖機要求がなされていて走行用パワーPdrv*が高電圧バッテリ50の制御用出力制限Wout*より大きいときには、走行用パワーPdrv*から制御用出力制限Wout*を減じて得られる差分パワー(Pdrv*−Wout*)がエンジン22から出力されると共に走行用パワーPdrv*によって走行するようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものにおいて、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが許容下限電圧Vbminより高い閾値電圧Vbref以下になったときには、高電圧バッテリ50の端子間電圧Vbが閾値電圧Vbref以下になる前に比して制御用電流制限Ibmax*と制御用出力制限Wout*とを小さくするものに限定されるものではなく、浄化触媒の暖機要求がなされていて走行に要求される走行用パワーがバッテリの制御用出力制限より大きいときには、走行用パワーから制御用出力制限を減じて得られる差分パワーがエンジンから出力され、バッテリからの出力電力が制御用出力制限以下となり、走行用パワーによって走行するようエンジンとモータとを制御するものにおいて、バッテリ電圧が制御用の許容下限電圧より高い閾値電圧以下になったときには、バッテリ電圧が閾値電圧以下になる前に比して制御用出力制限を小さくするものや、浄化触媒の暖機要求がなされていて走行に要求される走行用パワーがバッテリの制御用出力制限より大きいときには、走行用パワーから制御用出力制限を減じて得られる差分パワーがエンジンから出力され、バッテリからの出力電力が制御用出力制限以下となると共にバッテリからの出力電流がバッテリの制御用電流制限以下となり、走行用パワーによって走行するようエンジンとモータとを制御するものにおいて、バッテリ電圧が制御用の許容下限電圧より高い閾値電圧以下になったときには、バッテリ電圧が閾値電圧以下になる前に比して制御用電流制限を小さくするものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。