従来、毛髪を整髪するために、ポマ−ド、ヘアスティック、ヘアクリ−ム、ヘアフォ−ム、ヘアスプレ−、ヘアジェル、ヘアロ−ション、ヘアワックス、ヘアクレイなどの整髪料が使用されている。整髪料は整髪成分の違いから、セットポリマ−による樹脂膜により整髪する整髪料と、油性成分により整髪する整髪料とに分類される。
樹脂膜により整髪を行う整髪料としては、例えば、ヘアフォ−ム、ヘアスプレ−、ヘアジェル、ヘアロ−ションなどが挙げることができる。また、油性成分により整髪を行う整髪料としては、例えば、ポマ−ド、ヘアスティック、ヘアクリ−ム、ヘアワックス、ヘアクレイなどを挙げることができる。
油性成分により整髪を行う整髪料は整髪効果を高めるために種々の油脂類等が高配合されており、以前から洗髪時の整髪料の除去性に関して洗い落ちにくいという課題がある。
近年、特にヘアワックスやヘアクレイにおいて、その整髪力を向上させるために高融点のロウ類や炭化水素が高配合されるようになり、洗髪時の整髪料の除去性に関しての課題が顕著となっている。
具体的には、高融点のロウ類や炭化水素が高配合された整髪料を使用した場合、洗浄料を毛髪に塗布した時、洗浄料の延展性が悪く、洗浄料と毛髪とのなじみが悪い。また、洗髪時には、指通りが悪く、ごわつき感が生じる。加えて、整髪料が洗髪後にも毛髪に残存するため、乾燥後は、毛髪にべたつき感やごわつき感が生じる。また、このように整髪料の除去性が悪いことから、整髪料を洗い流すには、複数回洗髪を行う必要がある。
一方、洗浄料は、洗浄メカニズムの違いから、界面活性剤型洗浄料と溶剤型洗浄料とに分類される。
界面活性剤型洗浄料とは、界面活性剤の乳化、分散、可溶化作用を利用することにより洗浄効果が得られる洗浄料である。界面活性剤型洗浄料の例としては、石けんやシャンプ−を挙げることができる。石けんやシャンプ−には、洗浄成分としてアニオン界面活性剤や両性界面活性剤が配合されている。また、石けんやシャンプ−には、増泡剤、コンディショニング成分および保湿成分などの添加剤を配合できることが知られている。増泡剤としては、ノニオン界面活性剤である脂肪酸モノエタノ−ルアミドなどが用いられる。コンディショニング成分としては、カチオン界面活性剤やカチオン性高分子などが用いられる。保湿成分としては、グリシンベタインなどが用いられる。
近年、起泡効果の増強やしっとり感の付与を目的として、石けんやシャンプ−に高級アルコ−ルやペ−スト状油剤などの油性成分を配合する方法が提案されている(特許文献1〜3)。しかしながら、皮脂や油汚れにより石けんやシャンプ−の洗浄力が低下するのと同様に、油性成分を配合すると洗浄力が低下する。また、油性成分は消泡成分であるため、油性成分により起泡力が低下する。加えて、油性成分の配合量が製剤の可溶化量を超えると乳化するため、この結果、透明性の喪失および安定性の悪化という課題が生じる。特に、乳化物が液状である場合、その性状から安定性を確保することは困難である。以上のことから、液状である界面活性剤型洗浄料への油性成分の配合は少量にとどまっている。
また、洗浄力の向上に関しては、界面活性剤の配合量を増やすことによって容易に向上できる。しかしながら、界面活性剤を多く配合した場合、増粘やゲル化が生じ、製剤の延展性、製剤と皮膚や毛髪とのなじみ、製剤と汚れとのなじみといった塗布時の使用感が低下することが知られている。加えて、洗髪中の指通りの悪さ、乾燥後のぱさつき感やごわつき感、指通りの悪さといった課題が生じ、洗浄料として好ましくない仕上がりとなることが知られている。
このことから、単なる界面活性剤の増量ではなく、種々の方法により、使用感の低下を抑制しながら洗浄力を向上する試みがなされている。
1つは、界面活性剤を増量して洗浄力を向上させると共に、使用感を向上させる成分を併用する方法である。例えば、コンディショニング剤としてカチオン性ポリマ−や高重合シリコ−ンを配合する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、優れた使用感をある程度維持可能ではあるが、連用によりカチオン性ポリマ−や高重合シリコ−ンが毛髪へ蓄積してしまうという新たな課題が生じる。
別の方法としては、界面活性剤を増量する以外の方法により洗浄力の向上を試みる方法が提案されている。例えば、シリコ−ン界面活性剤を配合する方法(特許文献4)、コハク酸ジエステルなどの水溶性油分を配合する方法(特許文献5)、界面活性剤の配合により生じる界面活性剤相を利用する方法(特許文献6)が提案されている。しかしながら、これらの方法を用いた場合には、優れた使用感をある程度は維持可能ではあるが、例えば、マスカラやヘアワックスに代表される、落ちにくい油汚れに対する洗浄性は十分ではない。従って、上記方法を採用した場合には、皮膚洗浄料によりマスカラなどを十分に洗い流すことは困難であり、毛髪洗浄料によりヘアワックスなどを十分に洗い流すことは困難である。
一方、溶剤型洗浄料とは、溶剤として油性成分を含有し、油性成分に油汚れなどを溶解することにより洗浄効果が得られる洗浄料である。溶剤型洗浄料の例としては、皮膚用の洗浄料であるクレンジング剤を挙げることができる。クレンジング剤としては、オイル一相(極少量の水を可溶化させる場合もある)である透明液状のクレンジングオイルや、W/OまたはO/Wの乳化型であるクレンジングクリ−ム(ミルク)や、ノニオン界面活性剤、ポリオ−ル、水、および油性成分を含む特殊な透明一相状態の構造体(相)を基剤とするクレンジングゲル(ジェル)およびクレンジングリキッドが知られている。これら溶剤型洗浄料は、油性成分を多量に含むため、前述したマスカラやヘアワックスに代表される、落ちにくい油汚れに対して高い洗浄性を示す。
これら4種のクレンジング剤では、洗浄機構(構造体)の違いから、発揮される効果も大きく異なる。具体的には、乳化型であるクレンジングクリ−ムでは、洗い流し性に優れる反面、洗浄力が最も低い。また、クレンジングクリ−ムを液状とした場合、その性状から安定性を確保することが困難である。オイル一相であるクレンジングオイルは、洗浄力に最も優れる反面、洗い流し性に優れない。クレンジングゲルおよびクレンジングリキッドは特殊な構造体を基剤としているため、乳化型であるクレンジングクリ−ムよりも高い洗浄力を有する。さらに、クレンジングゲルおよびクレンジングリキッドでは、洗い流す場面において、複数回の洗顔が不要であることなどから、クレンジングオイルよりもはるかに優れた機能性や使用感が得られる。また、液状であるクレンジングリキッドは、構造体が異なる固形状のクレンジングゲルよりも、製剤の延展性やメイクなじみなどの使用感に優れた性質を示す。またクレンジングリキッドは特殊な一相状態の液状構造体を基剤としているため、液状であっても安定性に優れるという性質を示す。
しかしながら、使用感に最も優れているとされるクレンジングリキッドにおいても、製剤特有の粘性があり、優れた洗浄力があるものの、使用感は十分に満足のいくものではない。特に、クレンジングリキッドを毛髪への塗布した場合、毛髪への塗布時における製剤の延展性および製剤と毛髪とのなじみの悪さ、塗布時および洗髪中の指通りの悪さ、乾燥後のぱさつき感やごわつき感、指通りの悪さといった課題が生じ、使用感として満足のいくものではない。
また、クレンジングリキッドは特殊な構造体を基剤としているため、構成成分の種類および配合量によって安定性、機能性、使用感が制限および決定される。例えば、特殊な構造体が崩れると透明性の低下および安定性の悪化が生じて二相分離を起こる。このため、機能性および使用感の向上を目的として、任意成分の配合、構成および配合量の変更を行うことは困難である。また、液状であるクレンジングリキッドは、固形状であるクレンジングゲルと比較して構造体形成による安定性の影響をより受け易く、機能性および使用感を調整することは困難である。例えば、安定性や洗浄力を向上させるために界面活性剤の増量を行うと、製剤が増粘して使用感が低下する。使用感の向上や製剤の粘性を低減するために水の増量を行うと、安定性が失われる。また、毛髪への使用における仕上がりの向上を目的としてカチオン界面活性剤を用いると、透明性の喪失、安定性の悪化、製剤の増粘による使用感の低下が生じる。
以上のことから、洗浄料において、石けんやシャンプ−などの界面活性剤型洗浄料は使用感に優れているものの、マスカラやヘアワックスに代表される落ち難い油汚れに対する洗浄性は十分に満足のいくものではない。また、溶剤型洗浄料は、マスカラやヘアワックスに代表される落ち難い油汚れに対して優れた洗浄性を示すものの、溶剤型洗浄料の中では使用感に比較的優れているクレンジングリキッドであっても、使用感は十分に満足のいくものではない。特に毛髪に塗布した場合、毛髪への塗布時における製剤の延展性および製剤と毛髪とのなじみの悪さ、塗布時および洗髪中の指通りの悪さ、乾燥後のぱさつき感やごわつき感、指通りの悪さといった課題が生じ、使用感として満足のいくものではない。加えて、クレンジングリキッドは、機能性および使用感の向上を目的として、任意成分の配合、構成および配合量の変更を行うことは困難である。
本発明の毛髪用液状洗浄料は、ノニオン界面活性剤と、25℃で液状である油性成分と、ポリオ−ルおよびはエタノ−ルの内の少なくとも1種と、カチオン界面活性剤と、ベタイン化合物とを含有し、前記25℃で液状である油性成分の含有量は5〜40質量%である。
以下、本発明の毛髪用液状洗浄料に含まれている各成分の詳細を説明する。
(ノニオン界面活性剤)
上記ノニオン界面活性剤は特に限定されないが、例えば、アルキルグリセリルエ−テル、ポリオキシアルキレンアルキルエ−テル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、グリコ−ル脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエ−テル脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコ−ン界面活性剤、アミノ酸系ノニオン界面活性剤などを挙げることができる。上記ノニオン界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アルキルグリセリルエ−テルとしては、例えば、モノセチルグリセリルエ−テル、モノオレイルグリセリルエ−テル、モノイソステアリルグリセリルエ−テル、モノイソステアリルジグリセリルエ−テル、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエ−テルなどを挙げることができる。
上記アルキルグリセリルエ−テルは、市販品を用いてもよい。上記アルキルグリセリルエ−テルの市販品としては、例えば、モノセチルグリセリルエ−テル:NIKKOL キミルアルコ−ル 100(商品名、日光ケミカルズ社製)、モノオレイルグリセリルエ−テル:NIKKOL セラキルアルコ−ル(商品名、日光ケミカルズ社製)、モノイソステアリルグリセリルエ−テル:ペネト−ル GE−IS(商品名、花王社製)、モノラウリルテトラグリセリルエ−テル:PGLAL ML04(商品名、ダイセル化学工業社製)、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエ−テル:Sensiva SC 50(商品名、Schulke&Mayr社製)などを挙げることができる。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエ−テルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(10)オレイルエ−テル、ポリオキシエチレン(10)イソステアリルエ−テル、ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエ−テル、ポリオキシエチレン(20)デシルテトラデシルエ−テル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(2)デシルエ−テルなどを挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエ−テルは、市販品を用いてもよい。上記ポリオキシアルキレンアルキルエ−テルの市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエ−テル:EMALEX 510(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンイソステアリルエ−テル:EMALEX 1810(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエ−テル:EMALEX OD−10(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエ−テル:EMALX 2410(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエ−テル:EMALEX DAPE−0205(商品名、日本エマルジョン社製)などを挙げることができる。
上記ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油としては、例えば、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油を挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油は、市販品を用いてもよい。上記ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:EMALEX HC−60(商品名、日本エマルジョン社製)を挙げることができる。
上記グリコ−ル脂肪酸エステルとしては、例えば、モノイソステアリン酸プロピレングリコ−ル、ジイソステアリン酸プロピレングリコ−ル、モノラウリン酸ポリエチレングリコ−ル(12)、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコ−ル(12)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコ−ル(8)などを挙げることができる。尚、括弧内の数値は、エチレングリコ−ルの付加モル数を表す。
上記グリコ−ル脂肪酸エステルは、市販品を用いてもよい。上記グリコ−ル脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、ステアリン酸グリコ−ル:EMALEX EGS−A(商品名、日本エマルジョン社製)、モノイソステアリン酸プロピレングリコ−ル:プリソリン 2034(商品名、クロ−ダ社製)、ジイソステアリン酸プロピレングリコ−ル:EMALX PG−di−lS(商品名、日本エマルジョン社製)、モノラウリン酸ポリエチレングリコ−ル:EMALX PEL−12(商品名、日本エマルジョン社製)、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコ−ル:EMALX PEIS−12EX(商品名、日本エマルジョン社製)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコ−ル:EMALEX 600 di−lSEX(商品名、日本エマルジョン社製)などを挙げることができる。
上記グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリルなどを挙げることができる。
上記グリセリン脂肪酸エステルは、市販品を用いてもよい。上記グリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、モノイソステアリン酸グリセリル:EMALEX GWIS−100EX(商品名、日本エマルジョン社製)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル:EMALEX KTG(商品名、日本エマルジョン社製)、モノラウリン酸デカグリセリル:サンソフトQ−12Y、サンソフトA−12E、サンソフトQ−12S(何れも商品名、太陽化学社製)、モノイソステアリン酸ジグリセリル:NIKKOL DGMIS(商品名、日光ケミカル社製)、ジイソステアリン酸デカグリセリル:(商品名、日本エマルジョン社製)などを挙げることができる。
上記ポリオキシアルキレングリセリルエ−テル脂肪酸エステルとしては、例えば、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(8)グリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル、ポリオキシエチレン(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレン(8)(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどを挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記ポリオキシアルキレングリセリルエ−テル脂肪酸エステルは、市販品を用いてもよい。上記ポリオキシアルキレングリセリルエ−テル脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル:EMALEX GWIS−120(商品名、日本エマルジョン社製)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル:EMALEX GWIS−320(商品名、日本エマルジョン社製)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル:Mファインオイル COG−7M(商品名、ミヨシ油脂社製)、ポリオキシエチレン(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル:Mファインオイル MCG−8M(商品名、ミヨシ油脂社製)などを挙げることができる。
上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノイソステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどを挙げることができる。
上記ソルビタン脂肪酸エステルは、市販品を用いてもよい。上記ソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、モノイソステアリン酸ソルビタン:EMALEX SPIS−100(商品名、日本エマルジョン社製)、セスキイソステアリン酸ソルビタン:EMALEX SPIS−150(商品名、日本エマルジョン社製)などを挙げることができる。
上記ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(30)ソルビット、ポリオキシエチレン(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどを挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルは、市販品を用いてもよい。上記ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン:EMALEX ET−8020(商品名、日本エマルジョン社製)、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン:EMALEX ET−8040(商品名、日本エマルジョン社製)、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット:NIKKOL GO−430NV(商品名、日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン:EMLAX ET−2020(商品名、日本エマルジョン社製)などを挙げることができる。
上記脂肪酸アミドとしては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノ−ルアミド、ポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂肪酸モノエタノ−ルアミドなどを挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記脂肪酸アミドは、市販品を用いてもよい。上記脂肪酸アミドの市販品としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノ−ルアミド:アミゾ−ル CDE(商品名、川研ファインケミカル社製)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノ−ルアミド:アミゼット2C(商品名、川研ファインケミカル社製)などを挙げることができる。
上記シリコ−ン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(12)・メチルポリシロキサン共重合体を挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記シリコ−ン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。上記シリコ−ン界面活性剤の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体:DOW CORNING TORAY SH 3771 M(商品名、東レ・ダウコ−ニング社製)を挙げることができる。
上記アミノ酸系ノニオン界面活性剤としては、例えば、ピログルタミン酸イソステアリン酸ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ラウロイルグルタミン酸ポリオキシエチレン(2)オクチルドデシルエ−テルジエステル、ピログルタミン酸オレイン酸グリセリルなどを挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記アミノ酸系ノニオン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。上記アミノ酸系ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、ラウロイルグルタミン酸ポリオキシエチレンオクチルドデシルエ−テルジエステル:AMITER LGOD−2(H)(商品名、日本エマルジョン社製)を挙げることができる。
上記ノニオン界面活性剤は、安定性により一層優れる毛髪用液状洗浄料を得る観点から、脂肪酸型ノニオン界面活性剤を含むことが好ましい。加えて、上記ノニオン界面活性剤は、アルキルグリセリルエ−テル、グリコ−ル脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエ−テル脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドの群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、グリコ−ル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエ−テル脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
上記ノニオン界面活性剤の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することができる。上記ノニオン界面活性剤の含有量は、毛髪用液状洗浄料100質量%中、好ましくは8〜45質量%であり、より好ましくは10〜40質量%である。その理由は、上記ノニオン界面活性剤の含有量が8質量%以上であると、安定性により一層優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができるためである。また、上記ノニオン界面活性剤の含有量が45質量%以下であると、上記ノニオン界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の延展性や製剤と毛髪とのなじみの悪化をより一層抑えることができるためである。加えて、塗布時および洗髪中の指通りにより一層優れ、乾燥後のべたつき感、ごわつき感、ぱさつき感をより一層抑えることができるとともに、安定性により一層優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができるためである。
(25℃で液状である油性成分)
上記25℃で液状である油性成分は特に限定されないが、例えば、油脂、炭化水素油、高級アルコール、脂肪酸エステル油、シリコーン油などを挙げることができる。
上記油脂としては、例えば、ヒマワリ油、綿実油、大豆油、オリ−ブ油、ヤシ油、ヒマシ油、菜種油、椿油などを挙げることができる。
上記炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、スクワランなどを挙げることができる。
上記高級アルコールとしては、例えば、オレイルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ルなどを挙げることができる。
上記脂肪酸エステル油としては、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、オクタン酸イソセチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、コハク酸ジオクチルなどを挙げることができる。
上記シリコーン油としては、例えば、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサンなどを挙げることができる。
上記25℃で液状である油性成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記25℃で液状である油性成分は、使用感に優れ、より高い洗浄力を有する液状洗浄料を得る観点から、分岐型炭化水素油、分岐型脂肪酸エステル油、フェニル変性シリコーン、環状シリコーンから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記分岐型炭化水素油の好ましい例としては、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィンなどを挙げることができる。上記分岐型脂肪酸エステル油の好ましい例としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルへキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニルなどを挙げることができる。上記フェニル変性シリコーンの好ましい例としては、メチルフェニルポリシロキサンを挙げることができる。上記環状シリコーンの好ましい例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサンなどを挙げることができる。
上記25℃で液状である油性成分の含有量は、毛髪用液状洗浄料100質量%中、5〜40質量%であり、好ましくは5〜35質量%である。その理由は、上記25℃で液状である油性成分の含有量が5質量%未満であると、洗浄力に優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができないためである。また、上記25℃で液状である油性成分の含有量が40質量%を越えると、上記油性成分の配合による透明性の低下が生じ、安定性に優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができないためである。
(ポリオ−ルおよびエタノ−ルの内の少なくとも1種)
上記ポリオ−ルおよびエタノ−ルの内の少なくとも1種は特に限定されないが、例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、イソプレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,2−ペンタンジオ−ル、1,2−ヘキサンジオ−ル、1,2−オクタンジオ−ル、1,2−デカンジオ−ル、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどを挙げることができる。上記ポリオ−ルおよびエタノ−ルは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリオ−ルおよびエタノ−ルの内の少なくとも1種の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することができる。上記ポリオ−ルおよびエタノ−ルの内の少なくとも1種の含有量は、毛髪用液状洗浄料100質量%中、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは5〜35質量%である。その理由は、上記ポリオ−ルおよびエタノ−ルの内の少なくとも1種の含有量が5質量%以上であると、本発明の効果をより一層効果的に得ることができるためである。また、上記ポリオ−ルおよびエタノ−ルの内の少なくとも1種の含有量が40質量%以下であると、安定性により一層優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができるためである。
(カチオン界面活性剤)
上記カチオン界面活性剤は特に限定されないが、例えば、アミン塩型カチオン界面活性剤、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、アミノ酸系カチオン界面活性剤などを挙げることができる。
上記アミン塩型カチオン界面活性剤としては、例えば、ジメチルステアリルアミン、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどを挙げることができる。
上記アミン塩型カチオン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。上記アミン塩型カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、ジメチルステアリルアミン:ファ−ミン DM8680(商品名、花王社製)、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド:NIKKOL アミドアミン MPS(商品名、日光ケミカルズ社製)などを挙げることができる。
上記第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ポリオキシプロピレン(40)メチルジエチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(2)オレイルメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジヤシ油アルキルジメチルアンモニウム、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムなどを挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。上記第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム:アデカコ−ル CC−42(商品名、ADEKA社製)、塩化ジポリオキシエチレンオレイルメチルアンモニウム:エソカ−ド O−12E(商品名、ライオン社製)、塩化セチルトリメチルアンモニウム:DEHYQUART A(商品名、エメリ− オレオケミカズ社製)、塩化ジヤシ油アルキルジメチルアンモニウム:ア−カ−ド 2C−75(商品名、ライオン社製)、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム:コ−タミン E−80K(商品名、花王社製)、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム:CERAPHYL 60(商品名、ISP社製)、塩化ベンザルコニウム:カチオン M2−100(商品名、日油社製)などを挙げることができる。
上記アミノ酸系カチオン界面活性剤としては、例えば、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩を挙げることができる。
上記アミノ酸系カチオン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。上記アミノ酸系カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩:CAE(商品名、味の素社製)を挙げることができる。
上記カチオン界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カチオン界面活性剤は、使用感により一層優れる毛髪用液状洗浄を得る観点から、アミン塩型カチオン界面活性剤および第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の内の少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記カチオン界面活性剤の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することができる。上記カチオン界面活性剤の含有量は、毛髪用液状洗浄料100質量%中、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜15質量%である。その理由は、上記カチオン界面活性剤の含有量が0.01質量%以上であると、塗布時、洗髪中、および乾燥後の指通りがより一層優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができるためである。加えて、乾燥後のべたつき感、ごわつき感、ぱさつき感がより一層低減された毛髪用液状洗浄料を得ることができるためである。また、上記カチオン界面活性剤の含有量が20質量%以下であると、安定性により一層優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができるためである。
(ベタイン化合物)
上記ベタイン化合物は、ベタイン構造を有し、分子量が300以下であり、親水基部分であるベタイン構造の他に炭素数10以上の疎水基部分を有さない化合物である。
上記ベタイン化合物に含まれないベタイン化合物としては、ラウリン酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤、メタクリロイルエチルジメチルアンモニウム・メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体などの両性高分子を挙げることがきる。
上記ベタイン化合物としては、例えば、グリシンベタイン、アラニンベタイン、バリンベタイン、リジンベタイン、グルタミン酸ベタイン、トリゴネリン、カルニチンなどを挙げることができる。上記ベタイン化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記ベタイン化合物は、グリシンベタインであることがより好ましい。
上記ベタイン化合物は、市販品を用いてもよい。グリシンベタインの市販品としては、例えば、アミノコート(商品名、旭化成ケミカルズ社製)を挙げることができる。また、グリシンベタインを含む混合原料の市販品としては、例えば、プロデュウ400(商品名、味の素社製)を挙げることができる。
上記ベタイン化合物の含有量は特に限定されず、他の成分の配合量に応じて適宜変更することができる。上記ベタイン化合物の含有量は、毛髪用液状洗浄料100質量%中、好ましくは0.5〜40質量%であり、より好ましくは0.5〜35質量%であり、更に好ましくは0.5〜30質量%である。その理由は、上記ベタイン化合物の含有量が0.5質量%以上であると、上記ノニオン界面活性剤と上記カチオン界面活性剤との配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の延展性の悪化や製剤と毛髪とのなじみの悪化をより一層抑えることができ、使用感により一層優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができるためである。また、上記ベタイン化合物の含有量が40質量%以下であると、安定性により一層優れる毛髪用液状洗浄料を得ることができるためである。
(他の成分)
本発明の毛髪用液状洗浄料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他に、通常化粧品に用いられる成分を目的に応じて適宜配合することができる。上記成分としては、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性増粘剤、ビタミン類、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、白濁化剤などを挙げることができる。
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カウリム、ミリスチン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、N−ミリストイルメチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
上記両性界面活剤としては、例えば、β‐ラウロイルアミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、レシチン、水素添加大豆リン脂質、N−ラウロイル−L−アルギニン、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩などを挙げることができる。
上記水溶性増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマ−、アクリル酸アルキルコポリマ−、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマ−、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマ−、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムメタクリル酸ポリオキシエチレン(25)べへニルエ−テル)クロスポリマ−、(アクリル酸/ビニルピロリドン)コポリマ−、(アクリレ−ツ/メタクリル酸ポリオキシエチレン(25)べへニルエ−テル)コポリマ−、(ジメチルアクリルアミド/エチルトリモニウムクロリドメタクリレ−ト)コポリマ−、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヘクトライト、ベントナイト、無水ケイ酸などを挙げることができる。尚、括弧内の数値は、アルキレンオキシドの付加モル数を表す。
上記ビタミン類としては、例えば、レチナ−ル、レチノ−ル、カロチノイド、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、シアノコバラミン、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、アスコルビン酸、エルゴカルシフェロール、トコフェロ−ル、ユビキノンなどを挙げることができる。これらの塩および誘導体を用いてもよい。
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸塩、ヒドロキシアニソールなどを挙げることができる。
上記防腐剤および上記抗菌剤としては、例えば、フェノキエタノ−ル、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、メチルイソチアゾリン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノ−ル、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン、感光素、抗菌性ゼオライト、銀イオンなどを挙げることができる。
上記金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸塩、ペンテト酸塩、エチドロン酸塩、ポリリン酸塩、フィチン酸、メタリン酸塩などを挙げることができる。
上記pH調整剤としては、例えば、クエン酸、乳酸、グリコ−ル酸、コハク酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、リン酸、塩酸、トリエタノ−ルアミン、イソプロパノ−ルアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、アルギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。
上記白濁化剤としては、例えば、タルク、酸化チタン、酢酸ビニルやスチレンなどの重合体ラテックスなどを挙げることができる。
(毛髪用液状洗浄料の他の詳細)
本発明の毛髪用液状洗浄料では、特殊な構造体が透明一相状態の構造体であることが好ましい。この場合には、構造体の形成および安定性の判断の目安として、製剤の透明性を利用することができる。例えば、不透明である毛髪用液状洗浄料は、特殊な構造体を形成しておらず乳化型であり、構造体を形成している場合と比較して低い洗浄力を示す。また、毛髪用液状洗浄料が不透明であれば、安定性に優れないことが簡易に判断できる。
本発明における「透明」とは、直径5cmの円環状の透明なガラス容器内に毛髪用液状洗浄料を入れたときに、ガラス容器を介してガラス容器の奥側の背景を目視できることをいう。「透明」には、半透明が含まれる。本発明の毛髪用液状洗浄料は、僅かに濁っていてもよい。また、本発明における「液状」とは、25℃で液状であることを示し、25℃で毛髪用液状洗浄料が流動性を有することを示す。
本発明の毛髪用液状洗浄料は種々の方法で製造することが可能である。本発明の構成成分を任意の順番で混合および撹拌することにより、本発明の毛髪用洗浄料を容易に得ることができる。例えば、ノニオン界面活性剤と、25℃で液状である油性成分と、ポリオ−ルおよびエタノ−ルの内の少なくとも1種とを混合および撹拌して透明な液状物を得る。次いで得られた透明液成物に精製水を加えて混合および撹拌した後、カチオン界面活性剤とベタイン化合物とを加えて溶解させ、本発明の毛髪用液状洗浄料を得ることができる。
本発明の毛髪用液状洗浄料は、界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の延展性の悪化や製剤と毛髪とのなじみの悪化を抑制しつつ、更に透明性を維持し、製剤安定性に優れるという効果を奏する。加えて、従来のシャンプ−では洗浄が困難であった落ちにくい油汚れに対する洗浄力に優れるという効果を奏する。加えて、塗布時および洗髪中の指通りに優れ、乾燥後にべたつき感、ごわつき感、ぱさつき感がなく、指通りに優れるという効果を奏する。落ちにくい油汚れとしては、整髪力を向上させるために高融点のロウ類や炭化水素が高配合されたヘアワックスやヘアクレイに代表される油汚れを挙げることができる。本発明の毛髪用液状洗浄料は、ヘアワックスやヘアクレイであっても、容易に洗い流すことができる。加えて、皮脂などの頭皮汚れについても、容易に洗い流すことができる。本発明の毛髪用液状洗浄料は、このような効果を奏することから、毛髪用に好適に用いることができ、クレンジングシャンプーやプレシャンプーとして好適に用いることができる。また、本発明の毛髪用液状洗浄料は、液状であることから不織布やコットンなどの担体に含浸させて用いてもよい。加えて、本発明の毛髪用液状洗浄料は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、白濁化剤を配合することにより外観を不透明化してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。尚、成分名横に記載の「%」および配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。また、表中、「POE」はポリオキシエチレンの略であり、括弧内の数値は、ポリオキシエチレンの付加モル数を表す。
(試料の調製1)
表2および表3に示した組成に従い各成分を配合し、実施例1〜9および比較例1〜6の各毛髪用液状洗浄料を調製した。得られた各毛髪用液状洗浄料を用いて、下記の評価項目について評価を行った。
(試験例1:外観と性状の評価)
各毛髪用液状洗浄料について、調製後、25℃条件下24時間静置した。24時間後の各毛髪用液状洗浄料の外観および性状の評価を25℃条件下にて行った。
(試験例2:粘度の測定)
各毛髪用液状洗浄料について、25℃条件下24時間静置後の粘度を測定した。粘度の測定は、音叉式粘度計(SV−10A:A&D社製)を用い、25℃条件下にて行った。
(試験例3:「毛髪上での延展性の良さ」、「塗布時の指通りの良さ」、「洗浄時における洗い流しの良さ」、「毛髪における使用感評価としての洗浄力」、「乾燥後のぱさつき感のなさ」、「乾燥後の指通りの良さ」の評価)
専門評価パネル10名により、得られた各毛髪用液状洗浄料の「毛髪上での延展性の良さ」、「塗布時の指通りの良さ」、「洗浄時における洗い流しの良さ」、「毛髪における使用感評価としての洗浄力」、「乾燥後のぱさつき感のなさ」、「乾燥後の指通りの良さ」について評価を行った。各項目の評価は、下記試験方法に従い評価を行った。
<試験方法>
下記の表1に示した組成に従い各成分を配合し、試験用整髪料(ワックス)を得た。
23℃、湿度60%の恒温恒湿下で24時間静置した毛束(長さ20cm、重量20g)に試験用整髪料2gを塗布し、40℃で6時間乾燥させた。次いで、得られた各毛髪用液状洗浄料5gを毛束に塗布し、馴染ませた。その後、水洗を行い、ドライヤ−にて毛束を十分に乾燥させることのより、以下の5段階の評価基準に従って官能評価を行った。二相分離している毛髪用液状洗浄料については、撹拌混合することにより、均一化溶液または懸濁液として試験に用いた。
「毛髪上での延展性の良さ」については、毛髪用液状洗浄料と毛束とのなじみが良く、製剤が延ばし易い場合を「良好」として評価した。「塗布時の指通りの良さ」については、毛束と指との引っかかり感が低い場合を「良好」として評価した。「洗浄時における洗い流しの良さ」については、水と毛束とのなじみが良く、洗髪中の指通りに優れ、毛髪用液状洗浄料の残存感および毛束のぬるつき感の消失が早い場合を「良好」として評価した。「毛髪における使用感評価としての洗浄力」については、乾燥後の毛束にべたつき感およびごわつき感が低い場合を「良好」として評価した。「乾燥後のぱさつき感のなさ」については、乾燥後の毛束のまとまりが良い(広がりが狭い)場合、および乾燥後の毛束のしっとり感が高い場合を「良好」として評価した。「乾燥後の指通りの良さ」については、乾燥後の毛束と指との引っかかり感が低い場合を「良好」として評価した。専門評価パネル10名の下記評価基準による点数から算出された平均点から、下記判定基準に従って、判定を行った。
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<判定基準>
○○:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
(試験例4:「ワックス乾燥残分に対する溶解洗浄力」の評価)
専門評価パネル10名により、得られた各毛髪用液状洗浄料の「ワックス乾燥残分に対する溶解洗浄力」について、下記試験方法に従い評価を行った。
<試験方法>
試験用整髪料1gをガラスシャ−レ上に薄く均一に伸ばし、40℃で8時間乾燥させた。次いで、得られた各毛髪用液状洗浄料2.5gをワックス乾燥残分に馴染ませた。その後、水洗を行うことにより、以下の5段階の評価基準に従って官能評価を行った。二相分離している毛髪用液状洗浄料については、撹拌混合することにより、均一化溶液または懸濁液として試験に用いた。
「ワックス乾燥残分に対する溶解洗浄力」については、ワックス乾燥残分の溶解力が高い場合を「良好」として評価した。専門評価パネル10名の下記評価基準による点数から算出された平均点から、下記判定基準に従って、判定を行った。
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<判定基準>
○○:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
組成およびその結果を下記の表2および表3に示す。
表2および表3に示された結果から、各実施例の毛髪用液状洗浄料は、毛髪上での延展性、並びに塗布時の指通りに優れ、従来のシャンプ−では洗浄が困難であった落ちにくい油汚れ(ワックス)を容易に洗い流すことができるという優れた洗浄力を有していることがわかる。加えて、優れた洗浄力を有しているにもかかわらず、塗布時および洗髪中の指通りに優れ、乾燥後にべたつき感、ごわつき感、ぱさつき感がなく、指通りに優れるという優れた使用感を有していることがわかる。これに対し、比較例1〜6の本発明の構成を充足しない毛髪用液状洗浄料では、洗浄力や使用感に関して十分に満足させる結果が得られていないことが分かる。加えて、本発明の構成を満たすことにより、界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇を抑制し、製剤の延展性の悪化や製剤と毛髪とのなじみの悪化を抑制していることがわかる。
(試料の調製2)
表4および表5に示した組成に従い各成分を配合し、実施例10〜16および比較例7〜11の各毛髪用液状洗浄料を調製した。尚、実施例10〜14は実施例3、4、6、7および8と同一組成であり、比較例7は比較例6と同一組成である。
実施例10〜16および比較例7〜11について、実施例1〜9および比較例1〜6で評価した試験例1〜4の評価項目について評価を行った。さらに、実施例10〜16および比較例7〜11について、下記の評価項目についても評価を行った。
(試験例4:安定性の評価)
得られた各毛髪用液状洗浄料を、5℃および40℃の各条件下で1.5ヶ月間保管した。次いで、25℃条件下で24時間静置し、各温度条件保管後の液状洗浄料を25℃条件下で目視により観察することにより、安定性を下記の基準で判定した。
<安定性の判定基準>
○:全体が均一
×:一部または全体が分離
組成およびその結果を下記の表4および表5に示す。
表4および表5に示された結果から、各実施例の毛髪用液状洗浄料は、界面活性剤の配合によって生じる粘度上昇がもたらす製剤の延展性の悪化や製剤と毛髪とのなじみの悪化を抑制しつつ、更に透明性を維持し、製剤安定性に優れていることがわかる。加えて、従来のシャンプ−では洗浄が困難であった落ちにくい油汚れ(ワックス)を容易に洗い流すことができるという優れた洗浄力を有していることがわかる。更には、優れた洗浄力を有しているにもかかわらず、塗布時および洗髪中の指通りに優れ、乾燥後にべたつき感、ごわつき感、ぱさつき感がなく、指通りに優れるという優れた使用感を有していることがわかる。これに対し、比較例7〜11の本発明の構成を充足しない毛髪用液状洗浄料では、洗浄力、使用感、および安定性に優れないことがわかる。
(実施例17 毛髪用透明液状洗浄料)
モノイソステアリン酸POE(8)グルセリル 20.0
モノラウリン酸ポリエチレンレングリコール 1.0
モノイソステアリン酸プロピレングリコ−ル 1.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノ−ルアミド 0.5
モノイソステアリルジグリセリルエ−テル 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(25%) 4.0
軽質流動イソパラフィン 8.0
パルミチン酸イソプロピル 4.0
メチルフェニルポリシロキサン 1.0
1,3−ブチレングリコ−ル 12.0
エタノ−ル 2.0
グリシンベタイン 15.0
精製水 残 部
合計 100.0
実施例17に示した組成に従い各成分を配合し、毛髪用透明液状洗浄料を調製した。得られた毛髪用透明液状洗浄料は、製剤の延展性および製剤と毛髪とのなじみに優れ、毛髪に塗布したワックス整髪料を容易に洗い流すことができた。また、製剤の塗布時および毛髪の洗髪中の指通りに優れており、乾燥後の毛髪にべたつき感、ごわつき感、ぱさつき感がなく、指通りに優れていた。また、毛髪用透明液状洗浄料は、安定性に優れるものであった。
(実施例18 毛髪用透明液状洗浄料)
モノイソステアリン酸POE(8)グルセリル 20.0
モノラウリン酸ポリエチレングリコール 0.8
モノイソステアリン酸プロピレングリコ−ル 0.8
ポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂肪酸モノエタノ−ルアミド 0.2
モノラウリン酸テトラグリセリル 4.0
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 4.0
流動イソパラフィン 2.0
2−エチルヘキサン酸セチル 4.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 4.0
ジプロピレングリコ−ル 16.0
L−カルニチン 6.0
乳酸 適 量
精製水 残 部
合計 100.0
実施例18に示した組成に従い各成分を配合し、毛髪用透明液状洗浄料を調製した。得られた毛髪用透明液状洗浄料は、製剤の延展性および製剤と毛髪とのなじみに優れ、毛髪に塗布したワックス整髪料を容易に洗い流すことができた。また、製剤の塗布時および毛髪の洗髪中の指通りに優れており、乾燥後の毛髪にべたつき感、ごわつき感、ぱさつき感がなく、指通りに優れていた。また、毛髪用透明液状洗浄料は、安定性に優れるものであった。
(実施例19 毛髪用透明液状洗浄料)
モノイソステアリン酸POE(8)グルセリル 10.0
モノラウリン酸ポリエチレングリコール 0.4
モノイソステアリン酸プロピレングリコ−ル 0.4
ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノ−ルアミド 0.2
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 14.0
軽質流動イソパラフィン 2.0
イソノナン酸イソノニル 2.0
パルミチン酸2−エチルヘキシル 2.0
イソプレングリコール 8.0
グリシンベタイン 20.0
L−カルニチン 8.0
乳酸 適 量
精製水 残 部
合計 100.0
実施例19に示した組成に従い各成分を配合し、毛髪用透明液状洗浄料を調製した。得られた毛髪用透明液状洗浄料は、製剤の延展性および製剤と毛髪とのなじみに優れ、毛髪に塗布したワックス整髪料を容易に洗い流すことができた。また、製剤の塗布時および毛髪の洗髪中の指通りに優れており、乾燥後の毛髪にべたつき感、ごわつき感、ぱさつき感がなく、指通りに優れていた。また、毛髪用透明液状洗浄料は、安定性に優れるものであった。