JP5837235B2 - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機の室外ユニットに関するものである。
従来の空気調和機の室外ユニットは、熱交換器、ファン及び圧縮機等の構成機器とそれらを内蔵する箱状のケーシングで構成される。この室外ユニットは、配管で接続された室内ユニットとの間で冷媒を循環させ、上記熱交換器に通風した空気との間で放熱又は吸熱させることにより、部屋を冷房又は暖房する。このような従来の空気調和機の室外ユニットとしては、放熱又は吸熱効率を上げることにより空気調和機の性能の向上を図ったものとして、箱状のケーシングの2面が利用できるように、当該2面に沿って熱交換器をL字状に配置した構造や、圧縮機の配置を工夫して3面が利用できるように、当該3面に沿って熱交換器をコの字状に配置にした構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−57864号公報([0012]、[0020]、図1、図3)
従来の空気調和機の室外ユニットにおいて、ユニットサイズを大きくすることなくさらに性能を向上させるための1つの方法としては、天板や底板面に沿って熱交換器を配置することが考えられる。しかしながら、このような方法では、天板や底板面近傍に十分な吸い込みスペースを設ける必要があるなど、室外ユニットの設置の際に制約を受けてしまう。また、組立が複雑になるなど製造性の低下を招いてしまう。また、上述の通り、熱交換器が配置可能なスペースは限られているため、熱交換器の実装体積の増加に限界がある。
また、従来の空気調和機の室外ユニットにおいて、ユニットサイズを大きくすることなくさらに性能を向上させるための別の方法としては、熱交換器を通風方向に厚く構成することも考えられる。しかしながら、このような方法では、空気の下流側ほど空気と冷媒との温度差は小さくなるため、厚さの増加とともに熱交換性能の向上は飽和する。さらに、通風抵抗つまりファン入力は熱交換器の厚さにほぼ比例して増加するため、熱交換器の厚さを増加して実装体積を増加してもそれに見合うだけの室外ユニットの性能向上は期待できない。また、風量を増加させると上記空気と冷媒との温度差の低下は抑制されほぼ風量に比例して熱交換性能は増加するが、熱交換器の通過風速増加に伴い通風抵抗つまりファン入力はそれ以上に増加するため、効率よく室外ユニットの性能を向上させることができない。
このように、従来の空気調和機の室外ユニットは、効率良く熱交換器を動作させて室外ユニットの性能を向上させるためには、ユニットサイズを大きくせざるを得ないという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ユニットサイズを大きくすることなく、熱交換器の実装体積を増加させて熱交換性能の向上と通風抵抗の増加の抑制とを両立させ、効率良く性能を向上させることができる室外ユニットを得ることを目的としている。
本発明に係る空気調和機の室外ユニットは、熱交換器、ファン、圧縮機、及び、これらを内蔵し、吸込み口及び吹出し口が形成され箱状のケーシングを備えた空気調和機の室外ユニットにおいて、前記熱交換器は複数の熱交換部で構成されて、前記吸込み口と前記吹出し口との間の風路に配置されており、前記熱交換器は、少なくとも3つ以上の折れ曲がり部を有するジグザグ形状となっており、前記ファンと前記熱交換器は互いに対向して水平方向に配置され、複数の前記熱交換部は、垂直方向に沿ってジグザグ形状に配置され、複数の前記熱交換部において、最上部及び最下部に配置される熱交換部は空気の吸い込み方向に対して垂直に配置されているものである。
本発明に係る室外ユニットは、ケーシング内に内蔵されている熱交換器を複数の熱交換部で構成し、これら熱交換部をジグザグ状に配置しているので、ユニットサイズを大きくすることなく熱交換器体積を増加させることができる。また、吸い込み面積が大きくなるようにケーシング内に熱交換器が実装されているので、熱交換性能の増加と通風抵抗の低下によるファン入力の低減の両立が図れ、また、風量を増加させても、通風抵抗の増加つまりはファン入力の増大を抑制しつつ熱交換性能の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室外ユニットを示す外観斜視図である。 図1におけるA−A断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室外ユニットの別の一例を示す横断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室外ユニットの別の一例を示す横断面模式図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機の室外ユニットを示す外観斜視図である。 図5におけるB−B断面模式図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機の室外ユニットの別の一例を示す横断面模式図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和機の室外ユニットを示す外観斜視図である。 図8におけるC−C断面模式図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和機の室外ユニットの別の一例を示す横断面模式図である。 本発明の実施の形態4に係る空気調和機の室外ユニットを示す外観斜視図である。 図11におけるD−D断面模式図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室外ユニット50を示す外観斜視図である。また、図2は、図1におけるA−A断面模式図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室外ユニット50の別の一例を示す横断面模式図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室外ユニット50の別の一例を示す横断面模式図である。なお、図2に示す白抜き矢印は、室外ユニット50を流れる空気の流れを示すものである。
図1に示されるように、室外ユニット50は、吸込み口6及び吹出し口2が形成された箱状のケーシング1を備えている。
ケーシング1は、例えば、底面部となるベース板1aと、前面部を形成し、吹出し口2が形成されたフロントパネル1bと、側面部及び吸込み口6となる範囲以外の後面部を形成するサイドパネル1cと、天面部を形成する天板1dから構成される。このケーシング1内には、ベース板1a上に、熱交換器7及び圧縮機9が固定され、また、ステーを介してファン4が取り付けられている。このファン4は吹出し口2と対向するように配置されており、吹出し口2の外周部には、ファン4の外周部を取り囲むようにベルマウス3が設けられている。ここで、ケーシング1内には、ファン4が駆動することによって吸込み口6から流入した空気が熱交換器7及びファン4を通って吹出し口2へ流れる風路が形成される。圧縮機9は、この風路以外の箇所に固定されている。なお、本実施の形態1においては、ケーシング1内を、仕切り板8により、圧縮機9が内蔵される機械室10と、熱交換器7及びファン4が内蔵される風路とに仕切っている。
ファン4は軸流ファンであり、ボス4bと、このボス4bの外周部に設けられた複数の羽根4aと、ボス4bの中心を回転軸としてボス4b及び羽根4aを回転させるファンモータ5を備えている。本実施の形態1では、羽根幅を狭くまた羽根枚数を多くして、羽根4aの回転軸方向の厚みが薄くなるように構成している。また、図示しないが、ファンモータ5がボス4b内に内蔵されている。これにより、モータ音が遮蔽され(騒音低下)、室外ユニットの空間が確保(熱交換体積の増加による性能向上や、室外ユニットの薄型化による原価の低減)されることとなる。
次に、本実施の形態1に係る室外ユニット50の動作について説明する。
図2において白抜き矢印で空気の流れを示すように、ファン4により発生させる空気の流れは、吸込み口6から、ベース板1a、フロントパネル1b、サイドパネル1c及び天板1dで形成された風路に流入し、吹出し口2から排出される。つまり、ファン4が駆動することにより、室外ユニット50近傍の空気は、吸込み口6から風路内に流入し、風路内に配置された熱交換器7のフィン71間を通って、吹出し口2から排出される。熱交換器7のフィン71間を通る空気は、この間、熱交換器7と熱交換する。
ここで、熱交換器7は、図2に示すように、4つの熱交換部(熱交換部7a,7b,7c,7d)に分けられ、これら熱交換部7a〜7dは垂直方向に並べられて、ジグザグ状に配置されている。つまり、本実施の形態1に係る熱交換器7は、3つの折れ曲がり部(熱交換部の端部同士が接続されている箇所)が形成されている。なお、熱交換器7つまり熱交換部7a〜7dは、フィン71と伝熱管72で構成されている。フィン71は、空気が流れる隙間が形成されるように一定の間隔を介して水平方向に複数積層されている。
ここで、本実施の形態1で示す「垂直方向」は、重力の方向と厳密に一致する方向を示すものではなく、重力の方向から若干傾いていてもよいものである。つまり、本実施の形態1で示す「垂直方向」は、実質的に垂直方向であることを示していることを付言しておく。また、本実施の形態1で示す「水平方向」は、重力と直角に交わる方向と厳密に一致する方向を示すものではなく、重力と直角に交わる方向から若干傾いていてもよいものである。つまり、本実施の形態1で示す「水平方向」は、実質的に水平方向であることを示していることを付言しておく。
また、図2に示すように、本実施の形態1に係る熱交換器7の最上部に配置される熱交換部7aおよび最下部に配置される7dは図2中の白抜き矢印から分かるように、室外ユニット50において吸込み口6から吸い込まれた空気の吸い込み方向に対して垂直に配置されている。このため、熱交換部7aおよび熱交換部7dを空気が通過する際の抵抗が少なくなり、熱交換部7aおよび熱交換部7dに空気が流れやすくなることから、熱交換器7の風速分布を均一に保つことができる。
なお、本実施の形態1では熱交換器7の折れ曲がり数(つまり、熱交換器7を構成する熱交換部同士の接続部の数)を3箇所としたが、折れ曲がり数はこの数に限定されるものではない。例えば、図3に示すように熱交換器7の折れ曲がり数を4箇所以上としてもよい。また、熱交換器7の空気の吸い込み方向に対して斜めに配置されている熱交換部の数についてもこの限りではない。この場合、通風抵抗の増加も伴うため、熱交換器7を薄くするなど、熱交換器7の仕様を適宜選択するとなお良い。
以上、本実施の形態1に係る熱交換器7は、空気の吸い込み方向に対して垂直に配置された最上部の熱交換部7aおよび最下部の熱交換部7dと、空気の吸い込み方向に対して斜めに配置された2つの熱交換部7b,7cとで構成される。つまり,熱交換器7の折れ曲がり数を4箇所以上とし、全ての熱交換部を空気の吸い込み方向に対して斜めに配置した場合において、熱交換器7の最上部と最下部に構成される折れ曲がりをなくした構造である。本実施の形態1で構成された室外ユニット50においては、風速分布による熱交換器7の熱交換性能低下を抑制させたまま熱交換器7の実装体積を増加させることができる。また、熱交換器7を構成する各熱交換部をジグザグ状に配置しているため、熱交換器7の吸込み面積を十分大きく確保できる。このため、熱交換器7の通風速度を下げて熱交換器7の通風抵抗つまりはファン入力を低減させることができる。また、熱交換器7の実装体積増加に応じて風量を増加させても、通風面積も同時に増加させているため、熱交換器7の通風速度の増加が抑制され、通風抵抗の増大を招くことなく、効率よく熱交換器7の熱交換性能を向上させることができる。
また、図2中の白抜き矢印に示すように、本実施の形態1に係る室外ユニット50においては、吸込み口6から吸い込まれた空気は、ほぼ直線状に風路内を通過してファン4から排出される。このため、空気の曲がりや拡大・縮小などに起因する圧力損失、いわゆる形状損失が少なく、風路内での圧力損失の多くは熱交換器を通過する際に発生する圧力損失となるので、ファン入力低減を図ることができる。また、本実施の形態1に係る室外ユニット50においては、ファン4の回転軸にほぼ並行に空気が流入するという、軸流ファンに適した流入条件となるため、ファン効率が向上する。このため、ファン入力が低減するとともに、乱れの少ない流れがファン4に流入するので、騒音も低減することができる。
なお、本実施の形態1では1台のファン4を用いたが、熱交換器7の実装体積増加に応じて風量を増加させる場合、複数のファン4を用いてもよい。例えば、熱交換部7aと熱交換部7bとの接続部(熱交換部7aと熱交換部7bとの間の折れ曲がり部)付近と、熱交換部7cと熱交換部7dとの接続部(熱交換部7cと熱交換部7dとの間の折れ曲がり部)付近が中心位置となるように、2台のファン4を配置してもよい。
しかしながら、本実施の形態1では、羽根径を大きくして1台のファン4で所定の風量を発生させるようにしている。羽根径を大きくして1台のファン4で所定の風量を発生させることにより、ファン4を比較的低回転数で効率良く運転でき、また騒音を抑制することができるからである。このように、1台のファン4と対向する範囲に多くの熱交換部をジグザグ状に配置することにより、つまり、1台のファン4と対向する範囲に多くの折れ曲がり部を配置することにより、1台のファン4に対する熱交換器の体積を増加させることができる。そのため、通風抵抗つまりはファン入力を増加させることなく熱交換性能を向上でき、さらにはファン4の効率向上及び低騒音化を図ることもできる。
また、本実施の形態1では、熱交換部7aと熱交換部7bとの接続部および熱交換部7cと熱交換部7dとの接続部が吸込み口6に近接するように各熱交換部を配置したが、これら熱交換部の配置はこの配置に限定されるものではない。例えば図4に示すように、熱交換器7を通風方向に沿って反転させ、熱交換部7bと熱交換部7cとの接続部が吸込み口6に近接するように各熱交換部を配置してもよい。
以上、本実施の形態1に係る室外ユニット50は、ケーシング1内に内蔵されている熱交換器7を複数の熱交換部で構成し、これら熱交換部をジグザグ状に配置しているので、ユニットサイズを大きくすることなく熱交換器7の実装体積を増加させることができる。また、熱交換器7の最上部に配置される熱交換部および最下部に配置される熱交換器を空気の流入方向に対して垂直に配置し、空気が通過する際の抵抗を少なくすることで、風速分布による熱交換器7の熱交換性能低下を抑制させることができる。また、通風面積が大きくなるように熱交換器7が実装されているので、熱交換性能の増加と通風抵抗(つまりはファン入力)の低減の両立が図れる。また、風量を増加させても、熱交換器7の風速分布を均一に保ったまま通風抵抗の増大を抑制しつつ熱交換性能の向上を図ることができる。
また、ケーシングの側面に沿って熱交換器を配置した従来の室外ユニットと、熱交換器7をジグザグ形状にした本実施の形態1に係る室外ユニット50と、を比較すると、次のような効果を奏する。なお、以下では、熱交換器の体積を、「積み幅長(フィンの積層方向において両端部に配置されたフィン間の距離)」×「フィンの長手方向長さ」×「フィンの短手方向長さ」と定義する。本実施の形態1に係る熱交換器7のように複数の熱交換部で構成されたものの場合、各熱交換部の体積の総和を熱交換器7の体積とする。
従来の室外ユニットと本実施の形態1に係る室外ユニット50のユニットサイズを同じとし、両室外ユニットに内蔵される熱交換器の体積も同一と仮定した場合、本実施の形態1に係る室外ユニット50は、熱交換器7の積み幅長(つまり、各熱交換部の積み幅長の総和)を従来の室外ユニットよりも長くできるので、フィン71の短手方向長さ(つまり、熱交換器7の厚み)を薄くすることが可能となる。また、フィンの短手方向の長さと、フィンの短手方向沿って配置される伝熱管の列数とは、対応関係がある。このため、従来の室外ユニットと本実施の形態1に係る室外ユニット50のユニットサイズを同じとし、両室外ユニットに内蔵される熱交換器の体積も同一と仮定した場合、本実施の形態1に係る室外ユニット50は、伝熱管72の列数を少なくすることも可能となる。
つまり、本実施の形態1に係る室外ユニット50は、従来の室外ユニットと比べ、熱交換器7を効率良く動作させることができるので、ユニットサイズを大きくすることなく室外ユニット50の性能を向上させることができる。換言すると、本実施の形態1に係る室外ユニット50は、従来の室外ユニットと同等の性能を得ようとした場合、性能向上分だけ熱交換器7の体積を削減できるためコストダウンを図ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1で示した室外ユニット50において、例えば次のように構成した熱交換器7をケーシング1に内蔵することで、風速分布による熱交換器7の熱交換性能低下を抑制させたまま、熱交換器7の実装体積をさらに増加させることができる。なお、本実施の形態2で特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図5は、本発明の実施の形態2に係る空気調和機の室外ユニット50を示す外観斜視図である。また、図6は、図5におけるB−B断面模式図である。図7は、本発明の実施の形態2に係る空気調和機の室外ユニット50の別の一例を示す横断面模式図である。
図6に示すように、本実施の形態2に係る熱交換器7は、4つの熱交換部(熱交換部7a,7b,7c,7d)に分けられ、これら熱交換部7aから7dを垂直方向に並べて配置されている。熱交換器7は、3つの折れ曲がり部(熱交換部の端部同士が接続されている箇所)が形成されており、熱交換部7aから熱交換部7dはジグザグ状に配置されている。なお、熱交換器7つまり熱交換部7a〜7dは、フィン71と伝熱管72で構成されている。フィン71は、空気が流れる隙間が形成されるように一定の間隔を介して水平方向に複数積層されている。
本実施の形態2に係る熱交換器7は、実施の形態1において空気の流入方向に対して垂直に配置されている最上部の熱交換部7aおよび最下部の熱交換部7dがジグザグ状に配置された構造であり、空気の吸い込み方向に対して垂直に配置する場合と比較して、熱交換部7aおよび熱交換部7dの実装体積を増加させることができる。よって、本実施の形態2で構成された室外ユニット50においては、実施の形態1と同様に、ケーシングの側面に沿って熱交換器を配置した従来の室外ユニットに対して風速分布による熱交換器7の熱交換性能低下を抑制させたまま熱交換器7の実装体積を増加させることができる。また、実施の形態1と比較して熱交換器7の実装体積をさらに増加させることができる。また、熱交換器7の実装体積増加に応じて風量を増加させても、通風面積も同時に増加させているため、熱交換器7の通風速度の増加が抑制され、通風抵抗の増大を招くことなく、効率よく熱交換器7の熱交換性能を向上させることができる。
なお、本実施の形態2では熱交換器7の折れ曲がり数(つまり、熱交換器7を構成する熱交換部同士の接続部の数)を3箇所としたが、折れ曲がり数はこの数に限定されるものではない。例えば、熱交換器7の折れ曲がり数を4箇所以上としてもよい。また、熱交換器7のジグザグ状に配置されている熱交換部の数についてもこの限りではない。この場合、通風抵抗の増加も伴うため、熱交換器7を薄くするなど、熱交換器7の仕様を適宜選択するとなお良い。
また、本実施の形態2では、熱交換部7aと熱交換部7bとの接続部および熱交換部7cと7dとの接続部が吸込み口6に近接するように各熱交換部をジグザグ状に配置したが、これら熱交換部の配置はこの配置に限定されるものではない。例えば図7に示すように、熱交換器7を通風方向に沿って反転させ、熱交換部7bと熱交換部7cとの接続部が吸込み口6に近接するように各熱交換部をジグザグ状に配置してもよい。
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2で示した室外ユニット50において、例えば次のように構成した熱交換器7をケーシング1に内蔵することで、実施の形態1および実施の形態2で示した同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態3で特に記述しない項目については実施の形態1および実施の形態2と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図8は、本発明の実施の形態3に係る空気調和機の室外ユニット50を示す外観斜視図である。また、図9は、図8におけるC−C断面模式図である。図10は、本発明の実施の形態3に係る空気調和機の室外ユニット50の別の一例を示す横断面模式図である。
図9に示すように、本実施の形態3に係る熱交換器7は、4つの熱交換部(熱交換部7a,7b,7c,7d)に分けられ、これら熱交換部7a〜7dが垂直方向に並べて配置されている。熱交換器7は、3つの折れ曲がり部(熱交換部の端部同士が接続されている箇所)が形成されている。なお、熱交換器7つまり熱交換部7a〜7dは、フィン71と伝熱管72で構成されている。フィン71は、空気が流れる隙間が形成されるように一定の間隔を介して水平方向に複数積層されている。
本実施の形態3に係る熱交換器7は、実施の形態1において空気の流入方向に対して垂直に配置されている最上部の熱交換部7aおよび最下部の熱交換部7dが一方が鉛直方向に延びて他方が空気の吸い込み方向又は吹出し方向に屈曲した略L字状になるように折り曲げられて配置された構造であり、空気の吸い込み方向に対して垂直に配置する場合と比較して、熱交換部7aおよび熱交換部7dの実装体積を増加させることができる。よって、本実施の形態3で構成された室外ユニット50においては、実施の形態1および実施の形態2と同様に、従来の室外ユニットに対して風速分布による熱交換器7の熱交換性能低下を抑制させたまま熱交換器7の実装体積を増加させることができる。また、実施の形態1と比較して熱交換器7の実装体積をさらに増加させることができる。また、熱交換器7の実装体積増加に応じて風量を増加させても、通風面積も同時に増加させているため、熱交換器7の通風速度の増加が抑制され、通風抵抗の増大を招くことなく、効率よく熱交換器7の熱交換性能を向上させることができる。
また、図9に示されるように、本実施の形態3に係る熱交換器7の最上部に配置される熱交換部7aおよび最下部に配置される熱交換部7dは、室外ユニット50において吸込み口6から吸い込まれた空気の吸い込み方向に対して垂直に配置されている。このため、熱交換部7aおよび熱交換部7dを空気が通過する際の抵抗が少なくなり、熱交換部7aおよび熱交換部7dに空気が流れやすくなることから、熱交換器7の風速分布を均一に保つことができる。
なお、本実施の形態3では熱交換器7の折れ曲がり数(つまり、熱交換器7を構成する熱交換部同士の接続部の数)を3箇所としたが、折れ曲がり数はこの数に限定されるものではない。例えば、熱交換器7の折れ曲がり数を4箇所以上としてもよい。また、熱交換器7のジグザグ状に配置されている熱交換部の数についてもこの限りではない。この場合、通風抵抗の増加も伴うため、熱交換器7を薄くするなど、熱交換器7の仕様を適宜選択するとなお良い。
また、本実施の形態3では、熱交換部7aと熱交換部7bとの接続部および熱交換部7cと熱交換部7dとの接続部が吸込み口6に近接するように各熱交換部を配置したが、これら熱交換部の配置はこの配置に限定されるものではない。例えば図10に示すように、熱交換器7を通風方向に沿って反転させ、熱交換部7bと熱交換部7cとの接続部が吸込み口6に近接するように各熱交換部を配置してもよい。
実施の形態4.
実施の形態1から実施の形態3で示した室外ユニット50に、例えば以下に示すようなファン4を採用してもよい。なお、本実施の形態4で特に記述しない項目については実施の形態1から実施の形態3と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図11は、本発明の実施の形態4に係る空気調和機の室外ユニット50を示す外観斜視図である。また、図12は、図11におけるD−D断面模式図である。
図11及び図12に示すように、本実施の形態4に係るファン4は、羽根4aの略中間部に、隣接する羽根4aを接続する中間リング100が形成されている。より詳しくは、羽根4aは、ボス4bと中間リング100との間の内周羽根101と、中間リング100の外周側に設けられた外周羽根102と、で構成されている。また、図12に示すように、熱交換部7aと熱交換部7bとの接続部(折れ曲がり部)及び熱交換部7cと熱交換部7dとの接続部(折れ曲がり部)の位置が、熱交換部の並び方向において、中間リング100の位置と略一致している。
以上、本実施の形態4のように構成された室外ユニット50においては、実施の形態1から実施の形態3で示した効果に加えて以下の効果を奏する。実施の形態1から実施の形態3で示したファン4は、羽根4aの幅を狭くし、羽根4aの枚数を多くして、回転軸方向の厚みが薄くなるように構成している。本実施の形態4では、外周羽根102の枚数を内周羽根101の枚数より多くして、ファン4の空力性能を確保している。また、本実施の形態4のファン4は、中間リング100で羽根4aを中継させることによって羽根4aの根元強度を向上させることができるため、より一層、羽根4aの幅を狭くし、羽根4aの枚数を多くできる。このため、本実施の形態4で示したファン4は、実施の形態1から実施の形態3で示したファン4よりも、回転軸方向の厚みの薄型化を図ることができる。
このように、ファン4の羽根4aの軸方向厚みがより小さくなるため、室外ユニット50内に熱交換器7を実装するスペースが増加するので、熱交換器7の実装体積を増加させることができる。また、熱交換器7の折れ曲がり部(隣接する熱交換部同士の接続部)付近では比較的空気が流れにくいが、羽根4aのない中間リング100の位置と略一致しているため、中間リング100を設けたことに起因するファン4の空力性能の低下を防止できる。さらに、中間リング100への空気流入がないため、吸い込み空気と中間リング100との干渉による乱れに起因する騒音増加も発生することがない。このように、ファン4の空力性能の低下、騒音の増加を招くことなくファン4の薄型化つまりは熱交換器7の実装体積を増加させることができる。
なお、上記の説明では、隣接する羽根4aを接続するリング(中間リング100)を羽根4aの略中間部に設けた例を示したが、隣接する羽根4aを接続するリング(外周リング100a)を羽根4aの外周部(外周羽根102の外周部)に設けても勿論よい。この場合、羽根4aの強度をさらに向上させることができる。
また、本実施の形態4では、ファン4に近接する熱交換器7の折れ曲がり部(熱交換部同士の接続部)の全てを、熱交換部の並び方向において中間リング100の位置と略一致させたが、これら折れ曲がり部のうちの少なくとも1つを中間リング100の位置と略一致させることにより、上記の効果を得ることができる。
以上、上記の実施の形態1から実施の形態4では、ファン4の風上側に熱交換器7を配置した場合を示したが、ファン4の風下側に熱交換器7を配置してもよい。例えば、実施の形態1で示した室外ユニット50の場合、フロントパネル1b側から空気を吸い込み、風下側となる熱交換器7にこの吸込み空気を供給し、室外ユニット50の上面又は下面から空気を吹き出してもよい。この場合、風速の大きいファン4の吹出し気流が熱交換器7に衝突することによる伝熱促進効果も得られるため、熱交換器7の熱交換性能がさらに向上する効果がある。
また、上記の実施の形態1から実施の形態4では、ファンモータ5をボス4bに内蔵したファン4を例に本発明の一例を示したが、これに限るものではなく、回転軸方向にボス4bから突出して取り付けられた外付けモータをファンモータとしてもよい。
1 ケーシング、1a ベース板、1b フロントパネル、1c サイドパネル、1d 天板、2 吹出し口、3 ベルマウス、4 ファン、4a 羽根、4b ボス、5 ファンモータ、6 吸込み口、7 熱交換器、7a〜7f 熱交換部、8 仕切り板、9 圧縮機、10 機械室、50 室外ユニット、71 フィン、72 伝熱管、100 中間リング、100a 外周リング、101 内周羽根、102 外周羽根。

Claims (8)

  1. 熱交換器、ファン、圧縮機、及び、これらを内蔵し、吸込み口及び吹出し口が形成され箱状のケーシングを備えた空気調和機の室外ユニットにおいて、
    前記熱交換器は複数の熱交換部で構成されて、前記吸込み口と前記吹出し口との間の風路に配置されており、
    前記熱交換器は、少なくとも3つ以上の折れ曲がり部を有するジグザグ形状となっており、
    前記ファンと前記熱交換器は互いに対向して水平方向に配置され、
    複数の前記熱交換部は、垂直方向に沿ってジグザグ形状に配置され、
    複数の前記熱交換部において、最上部及び最下部に配置される熱交換部は空気の吸い込み方向に対して垂直に配置されている
    空気調和機の室外ユニット。
  2. 前記ファンと対向する部位に前記ジグザグ形状の凸部が位置している
    請求項1に記載の空気調和機の室外ユニット。
  3. 最上部及び最下部に配置される熱交換部は、
    一方が鉛直方向に延びて他方が空気の吸込み方向又は空気の吹出し方向に屈曲した略L字状に形成されている
    請求項1又は請求項2に記載の空気調和機の室外ユニット。
  4. 複数の前記熱交換部において、最上部に配置される熱交換部の最上端部及び最下部に配置される熱交換部の最下端部が空気の流れ方向に対して該熱交換部の他の部位より下流側に配置される
    請求項1又は請求項2に記載の空気調和機の室外ユニット。
  5. 前記ファンは、複数の羽根、ボス及びモータを備え、
    前記モータが前記ボスに内蔵されている
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の空気調和機の室外ユニット。
  6. 前記ファンは、複数の羽根、ボス及びモータを備え、
    前記羽根の外周部に、隣接する前記羽根を接続する外周リングが形成されてい
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の空気調和機の室外ユニット。
  7. 前記ファンは、複数の羽根、ボス及びモータを備え、
    前記羽根の外周部と前記ボスとの間に、隣接する前記羽根を接続する中間リングが形成されている
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の空気調和機の室外ユニット。
  8. 前記中間リングの高さ位置と、前記熱交換器の折れ曲がり部の高さ位置は、略一致している
    請求項に記載の空気調和機の室外ユニット。
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