JP5836115B2 - 圧電デバイスおよび周波数調整方法 - Google Patents

圧電デバイスおよび周波数調整方法 Download PDF

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Description

開示の実施形態は、圧電デバイスおよび周波数調整方法に関する。
従来、基準信号源やクロック信号源などの信号源として用いられる圧電デバイスとして、圧電素子の共振周波数を外部電圧によって制御する電圧制御型の圧電デバイスが知られている。
特許文献1には、電圧制御型の圧電デバイスの一種であるVCTCXO(Voltage Controlled Temperature Compensated Crystal Oscillator:温度補償型電圧制御水晶発振器)に関する技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、電源投入直後における圧電素子の温度と温度センサの検出温度とのずれによって生じる周波数変動を抑えるために、電源電圧を微分回路へ通して得られる補正電圧を用いて温度補償電圧の補正を行う技術が開示されている。
すなわち、電源が投入されると、微分回路へ入力される電源電圧が変化することとなるため、かかる変化に応じた補正電圧が微分回路から出力される。特許文献1に記載の技術では、この補正電圧を用いて温度補償電圧を補正することで、起動時における周波数変動を抑えることとしている。
特開2008−271355号公報
しかしながら、上述した従来技術では、電源電圧の立ち上がり特性が考慮されていない。このため、上述した従来技術には、起動直後における周波数変動を抑えるという点で更なる改善の余地がある。
実施形態の一態様は、起動直後における周波数変動を抑えることのできる圧電デバイスおよび周波数調整方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る圧電デバイスは、圧電素子と、発振回路と、温度補償回路と、補正電圧生成回路と、制御電圧出力回路とを備える。発振回路は、制御電圧に従って圧電素子の共振周波数を調整する。温度補償回路は、圧電素子の共振周波数に対して温度補償を行う。補正電圧生成回路は、電源電圧が入力された場合に、入力された電源電圧の積分値の波形を反転させた補正電圧を生成する。制御電圧出力回路は、温度補償回路から入力される補償電圧と補正電圧との合成電圧を制御電圧として発振回路出力する。
実施形態の一態様によれば、起動直後における周波数変動を抑えることができる。
図1は、本実施形態に係る圧電デバイスの断面視による説明図である。 図2は、集積回路素子の構成を示す図である。 図3は、補正電圧生成回路の構成を示す図である。 図4Aは、可変抵抗へ入力される電源電圧の時間変化を例示する図である。 図4Bは、電源電圧の積分値の時間変化を例示する図である。 図4Cは、補正電圧の時間変化を例示する図である。 図5は、RC積分回路の係数値およびCR微分回路の係数値の時間変化を例示する図である。 図6は、電源電圧の立ち上がり特性を例示する図である。 図7は、図6に示す電源1、電源2および理想電源の各電源電圧をCR微分回路に通して得られる補正電圧の時間変化を例示する図である。 図8は、図6に示す電源1、電源2および理想電源の各電源電圧をRC積分回路に通して得られる補正電圧の時間変化を例示する図である。 図9は、電源1の補正電圧および電源2の補正電圧の電圧差の時間変化を例示する図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する圧電デバイスおよび周波数調整方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る圧電デバイスの断面視による説明図である。図1に示すように、本実施形態に係る圧電デバイス1は、パッケージ10と、圧電素子20と、蓋体30と、集積回路素子40とを備える。
なお、以下の説明では、パッケージ10からみて集積回路素子40が設けられる側の面を圧電デバイス1の「下面」と呼び、蓋体30が設けられる側の面を「上面」と呼ぶ。また、以下の説明では、「下面」または「上面」を「主面」と呼ぶ場合がある。
パッケージ10は、上面側および下面側にそれぞれ凹部(以下、「キャビティ」と呼ぶ)が形成されたH型構造の容器体である。パッケージ10の上面側キャビティには、圧電素子20が配置され、下面側キャビティには、集積回路素子40が配置される。
また、パッケージ10の最上面には、メタライズ層51が設けられる。メタライズ層51は、後述する蓋体30をパッケージ10と接合する際に用いられる。また、パッケージ10の最下面には、外部接続端子52が設けられる。外部接続端子52は、圧電デバイス1を携帯端末装置等の電子機器と接続する端子である。
圧電素子20は、導電性接着剤54を介して接続パッド53と接続される。接続パッド53は、圧電素子20を集積回路素子40と電気的に接続するパッドであり、上面側キャビティの底面に設けられる。この接続パッド53は、内部配線57を介して集積回路素子40側の接続パッド56と電気的に接続される。
なお、圧電素子20は、たとえば板状に形成された水晶片の両主面に励振電極を配した水晶素子である。励振電極には、水晶片の端部へ向けて引き出された一対の引き出し電極が設けられており、この引き出し電極と接続パッド53とが導電性接着剤54を介して接続されることで、圧電素子20は、接続パッド53と電気的に接続される。
ここでは、圧電素子20の水晶片が、ATカットとなるカットアングルで形成される場合について説明するが、水晶片のカットアングルは、ATカット以外のカットアングルであってもよい。また、圧電素子20は、板状以外の形状であってもよい。
蓋体30は、上面側キャビティを閉塞する部材である。具体的には、蓋体30は、蓋体30の下面に設けられた封止材層55と、パッケージ10の最上面に設けられたメタライズ層51とを重ね合わせるようにしてパッケージ10の最上面に載置される。その後、封止材層55とメタライズ層51とがシーム溶接等により接合されることにより、上面側キャビティは気密封止される。
集積回路素子40は、圧電素子20の発振動作を制御する。この集積回路素子40は、パッケージ10の下面側キャビティの上面に設けられた接続パッド56を介してパッケージ10へ接続される。
接続パッド56は、集積回路素子40を圧電素子20と電気的に接続するパッドである。具体的には、接続パッド56は、パッケージ10の内部に設けられた内部配線57を介して圧電素子20の接続パッド53と電気的に接続される。また、接続パッド56の一部は、パッケージ10の図示しない内部配線により、パッケージ10の最下面に設けられた外部接続端子52と接続される。
このように、圧電素子20と集積回路素子40とは、接続パッド53、導電性接着剤54、接続パッド56および内部配線57を介して電気的に接続される。
なお、ここでは、集積回路素子40が、アレイ状に設けられた接続パッド56を介してパッケージ10と接続されるものとするが(いわゆる、フリップチップ実装)、集積回路素子40は、他の手法(たとえば、ワイヤボンディング)によって実装されてもよい。
また、下面側キャビティ内の空間には、集積回路素子40を搭載した後、たとえば樹脂等の素材が充填されてもよい。充填材として用いられる樹脂には、たとえば、ポリイミドやエポキシ系樹脂などを用いることができる。また、このエポキシ系樹脂に硬化剤等の添加剤や添加物を混ぜて得られる組成物等を用いてもよい。
次に、集積回路素子40の構成について図2を用いて説明する。図2は、集積回路素子40の構成を示す図である。なお、図2では、説明をわかりやすくする観点から主な構成要素のみを示している。
なお、本実施形態では、圧電デバイス1のパッケージの構造が、上面側および下面側にそれぞれキャビティが形成されるいわゆるH型構造である場合の例について説明するが、圧電デバイス1のパッケージの構造は、H型構造に限定されない。
たとえば、圧電デバイス1のパッケージとして、圧電素子20が気密封止される第1の容器体と、集積回路素子40が収納される第2の容器体とを別体で形成してもよい。この場合には、第1の容器体と第2の容器体とを接合することで圧電デバイス1とすることができる。また、圧電デバイス1のパッケージとして、1つのキャビティを有する容器体を用いてもよい。
また、圧電デバイス1は、集積回路素子40を蓋体の代わりに用いてパッケージのキャビティを気密封止する構造であってもよい。また、圧電デバイス1は、キャビティ内に集積回路素子40を搭載し、集積回路素子40の上方に圧電素子20を配置させた構造であってもよい。
図2に示すように、集積回路素子40は、端子Vddと、端子Outと、端子GNDと、端子TX1と、端子TX2とを備える。また、集積回路素子40は、発振回路41と、温度補償部42と、補正電圧生成回路43と、メモリ44と、合成回路45とを備える。また、集積回路素子40は、高周波阻止抵抗R1と、緩衝増幅器INV1とを備える。
端子Vdd、端子Outおよび端子GNDは、外部接続端子52に対してそれぞれ接続される。端子Vddには、外部接続端子52経由で外部の電源電圧が印加される。ここでは図示を省略するが、端子Vddに印加された電源電圧は、温度補償部42や補正電圧生成回路43などにも入力される。
端子Outからは、発振信号に基づく信号が外部接続端子52を介して外部へ出力される。また、端子GNDは、外部接続端子52経由で外部のグランドへ接続される。また、端子TX1および端子TX2は、圧電素子20における一対の引き出し電極へ接続される。
発振回路41は、圧電素子20を所定の周波数で発振させて圧電素子20の共振周波数に応じた信号を生成する。具体的には、発振回路41は、発振用増幅器INV2と、帰還抵抗R2と、コンデンサC1,C2と、可変容量ダイオードCv1,Cv2とを備える。
かかる発振回路41では、発振用増幅器INV2が、端子Vdd経由で入力された電源電圧を増幅させ、帰還抵抗R2が、増幅した電源電圧を発振用増幅器INV2へ帰還させることによって、圧電素子20を発振させる。また、発振回路41では、合成回路45から高周波阻止抵抗R1経由で入力される制御電圧が可変容量ダイオードCv1,Cv2へ供給されることによって、圧電素子20の共振周波数が調整される。
このように、発振回路41は、制御電圧に従って圧電素子20の共振周波数を調整する。なお、コンデンサC1,C2は、直流阻止用のコンデンサである。また、可変容量ダイオードCv1,Cv2のアノード側は、端子GNDを介してグランドへ接続される。
発振回路41によって生成された信号は、緩衝増幅器INV1へ入力される。緩衝増幅器INV1は、たとえばCMOSインバータであり、入力された信号を増幅して端子Outへ出力する。
温度補償部42は、温度センサ42aと、メモリ42bと、温度補償回路42cとを備える。温度センサ42aは、圧電素子20の温度を検出するために設けられるセンサであり、検出した温度情報を温度補償回路42cへ出力する。メモリ42bは、温度補償回路42cが温度補償を行う際に用いる温度補償用データを格納する。
ここで、圧電素子20は、周波数偏差が温度に対して三次関数的に変化する温度特性を有する。周波数偏差とは、基準周波数からのずれ量のことである。また、基準周波数とは、圧電デバイス1における所望の周波数のことである。メモリ42bには、たとえば、かかる圧電素子20の温度特性を打ち消す三次関数の係数が温度補償用データとして格納される。
温度補償回路42cは、三次関数発生回路であり、温度センサ42aから入力された温度情報とメモリ42bから読み出した温度補償用データとを用い、三次関数によって導き出される補償電圧を生成する。温度補償回路42cによって生成された補償電圧は、合成回路45へ入力される。このように、本実施形態に係る圧電デバイス1は、温度補償部42を備える温度補償型発振器である。
ここで、圧電デバイス1に電源が投入され集積回路素子40が起動すると、集積回路素子40が発熱し、その後、集積回路素子40の発熱に伴って圧電素子20の温度が上昇する。温度センサ42aは、通常、集積回路素子40内あるいは集積回路素子40の近傍に設けられる。このため、電源投入直後においては、圧電素子20の実際の温度よりも高い温度が温度センサ42aによって検出され、その後、圧電素子20の実際の温度が温度センサ42aの検出温度に近づくこととなる。
この結果、温度補償部42からは、適切の補償電圧とは異なる補償電圧が出力されることとなる。このため、温度補償部42からの補償電圧をそのまま制御電圧として用いると、圧電素子20の温度と温度センサ42aの検出温度とが一致し発振回路41から出力される信号が安定するまでに多くの時間を要する。
近年、たとえばGPS(Global Positioning System)機能を搭載する電子機器等においては、起動から周波数が安定するまでの時間をより短くすることが要求されており、起動直後における周波数変動をいかに抑えるかが重要な課題となっている。
そこで、本実施形態に係る圧電デバイス1は、温度補償部42によって生成された補償電圧に対し、補正電圧生成回路43によって生成される補正電圧を合成することによって得られる制御電圧を発振回路41へ入力する。これにより、起動直後における周波数変動を抑えることができる。
また、本実施形態に係る圧電デバイス1は、補正電圧生成回路43として積分回路を用いることとした。これにより、微分回路を用いた場合と異なり、電源電圧の立ち上がり特性をさらに考慮した補正を行うことができ、起動直後における周波数変動をより一層抑えることが可能となる。以下では、これらの点について具体的に説明する。
補正電圧生成回路43は、温度補償部42によって生成される補償電圧を補正する補正電圧を生成する回路である。具体的には、補正電圧生成回路43は、積分回路を含んで構成され、入力される電源電圧の積分値に基づいて補正電圧を生成する。補正電圧生成回路43によって生成された補正電圧は、合成回路45へ入力される。
メモリ44は、補正電圧生成回路43が補正電圧を生成する際に用いる補正用データを格納する。ここでは、補正用データとして、振幅セレクトコードおよび時定数セレクトコードを記憶する。これら振幅セレクトコードおよび時定数セレクトコードは、起動から周波数が安定するまでにおける圧電素子20の周波数偏差の変動(ドリフト特性)を実際に測定した測定結果に基づいて決定される。
なお、メモリ42bおよびメモリ44としては、PROM(Programmable Read Only Memory)やEEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリを用いることができる。
合成回路45は、たとえばオペアンプであり、温度補償部42から入力される補償電圧と補正電圧生成回路43から入力される補正電圧とを合成することによって制御電圧を生成する。合成回路45によって生成された制御電圧は、高周波阻止抵抗R1を介して発振回路41へ入力される。このように、合成回路45は、補正電圧が合成された制御電圧を発振回路41に対して出力する制御電圧出力回路の一例である。
次に、補正電圧生成回路43の構成について図3を用いて説明する。図3は、補正電圧生成回路43の構成を示す図である。
図3に示すように、補正電圧生成回路43は、端子Vddと、端子Vhと、端子GNDとを備える。また、補正電圧生成回路43は、分圧回路43aと、バッファアンプ43bと、可変抵抗43cと、反転回路43dと、コンデンサC3とを備える。
端子Vddには、集積回路素子40の端子Vdd(図2参照)を介して外部の電源電圧が印加される。端子Vddに印加された電源電圧は、分圧回路43aへ入力される。
端子Vhからは、補正電圧が出力される。端子Vhから出力された補正電圧は、合成回路45へ入力される。また、端子GNDは、集積回路素子40の端子GNDを介して外部のグランドへ接続される。分圧回路43aおよびコンデンサC3は、かかる端子GNDに接続される。
分圧回路43aは、入力される電源電圧に比例した電圧を発生させる。分圧回路43aによる分圧は、メモリ44に格納された振幅セレクトコードによって決定される。分圧回路43aによって分圧された電源電圧は、ノイズを防止するためのバッファアンプ43bを介して可変抵抗43cへ入力される。
可変抵抗43cは、抵抗値が可変な抵抗器である。可変抵抗43cの抵抗値は、メモリ44に格納された時定数セレクトコードによって決定される。可変抵抗43cの後段にはコンデンサC3が接続される。
このように、補正電圧生成回路43は、可変抵抗43cとコンデンサC3とが直列接続されたRC積分回路を含む。このRC積分回路は、時定数セレクトコードによって時定数が決定され、入力される電源電圧の時間積分に等しい波形の電圧を生成する。
反転回路43dは、可変抵抗43cおよびコンデンサC3間の接続点から入力される電源電圧の積分値の波形を反転させ、これによって得られる補正電圧を端子Vh経由で合成回路45へ出力する。反転回路43dとしては、たとえば、オペアンプやCMOSインバータなどを用いることができる。
ここで、RC積分回路から出力される電源電圧の積分値の波形および反転回路43dから出力される補正電圧の波形について図4A〜図4Cを用いて説明する。図4Aは、可変抵抗43cへ入力される電源電圧の時間変化を例示する図であり、図4Bは、電源電圧の積分値の時間変化を例示する図であり、図4Cは、補正電圧の時間変化を例示する図である。
なお、図4Aには、電源電圧が電源投入直後において直ちに規定電圧V1へ立ち上がる理想的な例を示している。電源電圧は、実際には、規定電圧V1に到達するまでに所定の時間を要するが、かかる点については、後述する。
RC積分回路は、入力される電源電圧を時定数によって決定される時間だけ遅らせて出力する。このため、図4Bに示すように、RC積分回路からは、図4Aに示す電源電圧の立ち上がりをなまらせた波形が出力される。
また、反転回路43dは、RC積分回路からの出力波形を、電圧V1/2を基準に反転させる。これにより、図4Cに示すように、反転回路43dからは、電源投入直後に電圧V1となり、その後、電圧0に向かってなだらかに減衰する波形が出力される。
圧電デバイス1は、図4Cに示す補正電圧を温度補償部42から出力される補償電圧と合成した制御電圧を用いる。これにより、電源投入直後における圧電素子20の温度と温度センサ42aの検出温度とのずれによって生じる補償電圧のずれが補正電圧によって補正されるため、起動時における周波数変動を抑えることができる。
ここで、図4Cに示す補正電圧の波形は、メモリ44に格納される振幅セレクトコードおよび時定数セレクトコードによって決定される。すなわち、可変抵抗43cへ入力される電源電圧における規定電圧V1が振幅セレクトコードによって決定され、可変抵抗43cの抵抗値が時定数セレクトコードによって決定されることで、補正電圧の波形が決定される。
そして、これら振幅セレクトコードおよび時定数セレクトコードは、温度補償部42から出力される補償電圧を制御電圧として用いた場合における圧電素子20のドリフト特性を実際に測定した測定結果に基づいてそれぞれ決定される。
上述したように、電源電圧は、電源投入直後において直ちに規定電圧に到達することが理想的であるが、実際には、規定電圧に到達するまでに所定の時間を要する。
ここで、電源電圧の立ち上がり特性、すなわち、電源投入後において電源電圧が規定電圧に到達するまでの時間的な変化は、使用する電源によって異なる。このため、圧電素子20のドリフト特性を測定する際に用いられるテスト用電源と、製品出荷後において圧電デバイス1に接続される電源とでは、電源電圧の立ち上がり特性が異なる。したがって、テスト用電源を用いて決定された振幅セレクトコードおよび時定数セレクトコードは、製品出荷後において圧電デバイス1に接続される電源によっては適さない可能性がある。
しかし、本実施形態に係る圧電デバイス1は、RC積分回路を用いて補正電圧を生成することで、CR微分回路を用いて補正電圧を生成する場合と比較して、振幅セレクトコードおよび時定数セレクトコードのずれによる影響を小さくすることができる。
以下では、かかる点について図5を用いて説明する。図5は、RC積分回路の係数値およびCR微分回路の係数値の時間変化を例示する図である。なお、図5には、CR微分回路の係数値を実線で、RC積分回路の係数値を点線で示している。
電源電圧(V)をV0、補正電圧(V)をVxとすると、電源電圧をCR微分回路へ通して補正電圧を生成する場合における電源電圧V0と補正電圧Vxとの関係は、Vx=V0×exp(−T/RC)で表される。ここで、Tは、時間(s)であり、Rは、抵抗値(Ω)であり、Cは、容量値(F)である。なお、RCが時定数となる。
したがって、CR微分回路の係数値である「exp(−T/RC)」は、図5に示すように、電源投入直後において1であり、その後、時定数RCに応じた減少率で減少していく。
一方、電源電圧をRC積分回路へ通して補正電圧を生成する場合における電源電圧V0と補正電圧Vxとの関係は、Vx=V0×{1−exp(−T/RC)}で表される。したがって、RC積分回路の係数値「1−exp(−T/RC)」の時間変化は、図5に示すように、電源投入直後において0であり、その後、時定数RCに応じた増加率で増加していく。
このように、電源投入直後を含む所定の時間帯においては、CR微分回路の係数値よりもRC積分回路の係数値のほうが小さくなる。かかる係数値が小さいほど、電源電圧の立ち上がり特性のバラつきが補正電圧に与える影響は小さくなるため、時定数RCの値が適切でない場合に補正電圧に生じる誤差は、CR微分回路よりもRC積分回路のほうが小さい。
すなわち、圧電デバイス1は、テスト用電源の立ち上がり特性と製品出荷後に圧電デバイス1に接続される電源の立ち上がり特性とが異なっていたとしても、かかる立ち上がり特性のバラつきが補正電圧に与える影響を小さくすることができる。したがって、圧電デバイス1によれば、CR微分回路を用いて補正電圧を生成する場合と比較して、起動直後における周波数変動をさらに抑えることができる。
次に、CR微分回路を用いて補正電圧を生成する場合とRC積分回路を用いて補正電圧を生成する場合との比較について図6〜図9を用いてより具体的に説明する。図6は、電源電圧の立ち上がり特性を例示する図である。
ここで、図6では、電源投入直後において電源電圧が直ちに規定電圧まで立ち上がる電源(以下、「理想電源」と記載する)の立ち上がり特性を太い実線で示している。また、図6では、規定電圧への立ち上がりが比較的早い電源1の立ち上がり特性を細い実線で示し、電源1よりも規定電圧への立ち上がりが遅い電源2の立ち上がり特性を一点鎖線でそれぞれ示している。
図6に示すように、電源電圧は、規定電圧に到達するまでに所定の時間を要する。また、電源電圧が規定電圧に到達するまでの時間的な変化、すなわち、電源電圧の立ち上がり特性は、電源ごとに異なる。
図7は、図6に示す電源1、電源2および理想電源の各電源電圧をCR微分回路に通して得られる補正電圧の時間変化を例示する図である。なお、以下では、RC積分回路から出力される電圧、すなわち、反転回路43dによって反転される前の補正電圧を便宜上「補正電圧」と呼ぶ。
図7に示すように、たとえば電源投入から所定時間後の時間Tにおいて、電源1の補正電圧と電源2の補正電圧とには、大きな差が生じる。周波数調整量は補正電圧によって左右される。このため、CR微分回路を用いて補正電圧を生成した場合、電源電圧の立ち上がり特性の違いによって周波数調整量に大きな差が生じることとなる。
図8は、図6に示す電源1、電源2および理想電源の各電源電圧をRC積分回路に通して得られる補正電圧の時間変化を例示する図である。
図8に示すように、RC積分回路を用いた場合、電源1の補正電圧と電源2の補正電圧との差は、CR微分回路を用いた場合と比較して小さい。すなわち、RC積分回路を用いた場合には、電源電圧の立ち上がり特性に差があったとしても周波数調整量には大きな差が生じないことがわかる。
図9は、電源1の補正電圧および電源2の補正電圧の電圧差(電源2の補正電圧−電源1の補正電圧)の時間変化を例示する図である。なお、図9では、CR微分回路を用いた場合における電圧差を実線で、RC積分回路を用いた場合における電圧差を点線で示している。
図9に示すように、CR微分回路を用いて補正電圧を生成した場合、電源電圧の立ち上がり特性の違いによって補正電圧が大きくバラつくことがわかる。これに対し、RC積分回路を用いて補正電圧を生成した場合には、CR微分回路を用いた場合と比較して、電源電圧の立ち上がり特性の違いによる補正電圧のバラつきが小さいことがわかる。
このように、圧電デバイス1では、RC積分回路を用いることで、電源電圧の立ち上がり特性を考慮した温度補償を行うことができ、CR微分回路を用いた場合と比較して、起動直後における周波数変動をより一層抑えることが可能となる。
上述したように、本実施形態に係る圧電デバイス1は、圧電素子20と、発振回路41と、補正電圧生成回路43と、合成回路45とを備える。発振回路41は、制御電圧に従って圧電素子20の共振周波数を調整する。また、補正電圧生成回路43は、入力される電源電圧の積分値に基づいて補正電圧を生成する。また、合成回路45は、補正電圧が合成された制御電圧を発振回路41に対して出力する。したがって、起動直後における周波数変動を抑えることができる。
なお、上述した実施形態では、RC積分回路が抵抗とコンデンサとを直列に接続して形成される直列RC回路である場合の例について説明したが、RC積分回路は、抵抗とコンデンサとを並列に接続して形成される並列RC回路であってもよい。また、より安定した積分波形を得るために、オペアンプをさらに含んだ積分回路を用いてもよい。
また、図2に示す集積回路素子40および図3に示す補正電圧生成回路43は、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、集積回路素子40および補正電圧生成回路43における各構成要素の分散・統合の具体的態様は、図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 圧電デバイス
10 パッケージ
20 圧電素子
30 蓋体
40 集積回路素子
41 発振回路
42 温度補償部
42a 温度センサ
42b メモリ
42c 温度補償回路
43 補正電圧生成回路
43a 分圧回路
43b バッファアンプ
43c 可変抵抗
43d 反転回路
44 メモリ
45 合成回路
51 メタライズ層
52 外部接続端子
53 接続パッド
54 導電性接着剤
55 封止材層
56 接続パッド
57 内部配線

Claims (4)

  1. 圧電素子と、
    制御電圧に従って前記圧電素子の共振周波数を調整する発振回路と、
    前記圧電素子の共振周波数に対して温度補償を行う温度補償回路と、
    電源電圧が入力された場合に、入力された電源電圧の積分値の波形を反転させた補正電圧を生成する補正電圧生成回路と、
    前記温度補償回路から入力される補償電圧と前記補正電圧との合成電圧を前記制御電圧として前記発振回路出力する制御電圧出力回路と
    を備えることを特徴とする圧電デバイス。
  2. 前記補正電圧生成回路は、
    抵抗とコンデンサとが接続されたRC積分回路
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記補正電圧生成回路は、
    前記電源電圧の積分値の波形を反転させる反転回路
    を含ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電デバイス。
  4. 電源電圧が入力された場合に、入力される電源電圧の積分値の波形を反転させた補正電圧を生成する補正電圧生成工程と、
    圧電素子の共振周波数に対して温度補償を行う温度補償回路から出力される補償電圧と前記補正電圧との合成電圧を制御電圧として発振回路出力する出力工程と、
    前記発振回路が、前記制御電圧に従って圧電素子の共振周波数を調整する調整工程と
    を含むことを特徴とする周波数調整方法。
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