JP5835824B2 - 壁構造 - Google Patents
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Description
すなわち、誘発目地により壁に断面欠損部を設け、この断面欠損部にコンクリートの収縮応力を集中させている。
ここで、誘発目地にひび割れを集中させるためには、壁厚に対する断面欠損率を壁厚の20%〜25%程度とする必要がある。
このような壁厚の大きい壁に誘発目地を設ける場合、必要な断面欠損も大きくなるので、目地をかなり深くする必要がある。しかしながら、目地を深くすると遮蔽性能や耐力の低下を招くおそれがあり、要求される遮蔽性能や耐力を確保しながら、ひび割れの発生位置を制御することは難しい。
また、壁構造としては、鉄筋コンクリート造の躯体(構造体)のみで構成する場合だけではなく、鉄筋コンクリート造の躯体(構造体)と、この躯体の表面に設けられたふかし部分(非構造体)と、で構成する場合も含まれる。このふかし部分は、例えば、割れ止め筋入りのコンクリートである。
よって、特に壁厚の大きい鉄筋コンクリート造壁構造でも、乾燥により収縮し易い壁構造表面に断面欠損率を確保して、従来よりも確実にひび割れを目地部分に集中させることができる。
また、目地を深くしないので、遮蔽性能や耐力の低下を抑えることができる。
また、ひび割れ誘発材の防錆処置として、ひび割れ誘発材の表面に防錆塗料を塗布したり、目地にモルタルを詰めたりしてもよい。
また、アングル材をL字形状の固定ピースを介して床面に固定することで、アングル材を容易に壁構造に打ち込むことができる。
コンクリートのかぶり厚が大きくなると、断面欠損率が低下し、ひび割れが目地に集中しにくくなる。
そこで、この発明によれば、ひび割れ誘発材とアングル材との間に、ひび割れ誘発材に略平行に延びる鉄筋棒を設けた。よって、コンクリートのかぶり厚さが大きくても、断面欠損率を確保して、ひび割れを目地の近傍に確実に誘導できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る壁構造1の断面図である。図2は、壁構造1の目地20近傍の拡大断面図である。
壁構造1は、例えば2mの厚い鉄筋コンクリート造の躯体壁であり、壁筋10がダブル配筋された構造である。
壁構造1の一対の表面つまり互いに背中合わせとなる一対の側面には、略鉛直方向に延びる目地20が形成されている。この目地20は、例えば、幅25mm、深さ20mmである。
壁筋10は、略鉛直方向に延びる縦筋11および略水平方向に延びる横筋12が格子状に配筋されて構成される。この壁筋10は、例えば、縦筋11および横筋12共に、異形鉄筋D32@200で配筋されている。
目地20の近傍では、横筋12が一本おきに切断されており、これにより、横筋12のピッチは、目地20から離れた横筋12のピッチより広い2倍となっている。
ひび割れ誘発材30は、略直角に設けられた一対のアングル片31からなり、一方のアングル片31は、目地20に面して壁面に略平行に延びており、他方のアングル片31は、壁面に略直角つまり壁厚方向に延びている。ひび割れ誘発材30は、例えば、L−30×20×1.2の鋼材である。
まず、図2に示すように、壁型枠21の内側に目地棒22を固定し、この目地棒22にひび割れ誘発材30を釘23で固定する。
また、壁型枠21の内側に壁筋10を配筋し、この壁筋10の横筋12に鉄筋棒40を結束線で固定する。
また、L字形状の固定ピース52を介して、アングル材50を床面2に固定する。
(1)目地20を設けることにより、壁構造1の表面に溝が形成されて、目地部分の壁厚が薄くなる。この目地20に接してひび割れ誘発材30を壁構造に打ち込むことで、壁構造1の表面の目地20による溝と、この溝に隣接するコンクリートとは異なる材料からなるひび割れ誘発材30とで断面欠損部が構成される。
よって、特に壁厚の大きい鉄筋コンクリート造壁構造でも、乾燥により収縮し易い壁構造1の表面に断面欠損率を確保して、従来よりも確実にひび割れを目地部分に集中させることができる。
また、目地20を深くしないので、遮蔽性能や耐力の低下を抑えることができる。
また、アングル材50をL字形状の固定ピース52を介して床面2に固定することで、アングル材50を容易に壁構造1に打ち込むことができる。
なお、本実施形態では、各アングル片51が壁厚方向に対して略45度となるように配置したが、要するに、アングル片51の角度は、直進性のある放射線を遮蔽するため、直線状のひび割れを発生させない角度であればよい。
例えば、図4に示すように、アングル材を設けず、さらに、ひび割れ誘発材30Aのアングル片31Aを内側に向かって鉄筋棒40の近傍まで延長してもよい。
2…床面
10…壁筋
11…縦筋
12…横筋
20…目地
21…壁型枠
22…目地棒
23…釘
30、30A、30B、30C…ひび割れ誘発材
31、31A、31B、31C…アングル片
40、40B…鉄筋棒
50、50C…アングル材
51、51C…アングル片
52…固定ピース
Claims (1)
- 縦筋と横筋とからなる壁筋がダブル配筋された鉄筋コンクリート造の壁構造において、
当該壁構造の表面に設けられた溝と、当該溝に接して延在しかつコンクリートとは異なる材料からなるひび割れ誘発材と、を備え、
前記ひび割れ誘発材は、前記溝を形成する目地棒に固定して打ち込まれ、
前記壁筋の内側には、前記ひび割れ誘発材に略平行に延びるアングル材が設けられ、
当該アングル材の一片は、前記横筋に近接して配置され、
前記ひび割れ誘発材と前記アングル材との間には、前記ひび割れ誘発材に略平行に延びる鉄筋棒が設けられることを特徴とする壁構造。
Priority Applications (1)
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JP2014224772A JP5835824B2 (ja) | 2014-11-04 | 2014-11-04 | 壁構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014224772A JP5835824B2 (ja) | 2014-11-04 | 2014-11-04 | 壁構造 |
Related Parent Applications (1)
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JP2011251312A Division JP5718212B2 (ja) | 2011-11-17 | 2011-11-17 | 壁構造 |
Publications (2)
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JP2015057537A JP2015057537A (ja) | 2015-03-26 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP2014224772A Active JP5835824B2 (ja) | 2014-11-04 | 2014-11-04 | 壁構造 |
Country Status (1)
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2014
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