以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。「入力」は制御装置10側から見た各スイッチの操作である。「端子」には、ポート、電極、ピン、リード、バスバー等を適用してもよい。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は図1〜図4を参照しながら説明する。図1には、制御装置10、シールドケーブル20,40、エアバッグ30、スイッチ入力検出回路50を含む構成例を示す。本発明の「ステアリングスイッチ入力検出回路」は、制御装置10内の定電流源Ei(定電圧源Va)とCPU11、シールドケーブル20,40、スイッチ入力検出回路50などが該当する。なお一般的な車両はシールドケーブル20はエアバッグ30のスクイブ31用の2線(電線Ln1,Ln2)とホーン線Lnhとを搭載するが、図1に示すホーン線Lnhは電線Ln2とは同電位になるので省略してもよい。以下、各要素について簡単に説明する。
制御装置10は、本形態ではシールドケーブル20を標準接続し、かつ抵抗値測定回路を標準装備する「エアバッグECU」が用いられる。この制御装置10は、ステアリングに関する所要の制御を行うように構成されている。所要の制御は、例えばエアバッグ30のスクイブ31に点火電流(誤爆限界制限値(例えば50[mA])以上の電流)を流してエアバッグを展開する制御、スイッチ入力検出回路50に含まれる複数のスイッチの入力の検出制御、入力されたスイッチに対応する信号を車内通信網LANを介して他の制御装置100,110,120に伝達する制御などが該当する(図4を参照)。
上述した制御を行うため、制御装置10はCPU11、CANドライバ12、LINドライバ13、定電流源Ei、スイッチング素子Q1,Q2などを有する。CPU11は、制御装置10の動作(制御を含む)を司る。CANドライバ12およびLINドライバ13はいずれも必要に応じて備えられ、図4に示す制御装置100,110,120との間で信号伝達を行う。CANドライバ12は、CAN(Controller Area Network;コントローラ・エリア・ネットワーク)規格に基づく信号伝達を行う。LINドライバ13は、LIN(Local Interconnect Network)規格に基づく信号伝達を行う。
スイッチング素子Q1は、スクイブハイ(Squib High)側の点火スイッチに相当し、点火電流を通電するか否かの切り換えを行う。このスイッチング素子Q1は、定電圧源Vbと端子T1aとの間に接続される。具体的には入力端子(例えばドレイン端子等)に定電圧源Vbが接続され、出力端子(例えばソース端子等)に端子T1aが接続される。図示しないが、制御端子(例えばゲート端子等)はCPU11に接続され、SPI(Serial Peripheral Interface)などのECU内通信手段を介して信号が伝達される。CPU11からスイッチング素子Q1の制御端子に伝達される信号に応じて、シールドケーブル20(電線Ln1,Ln2)を介してスクイブ31にスクイブモニタ電流Is(以下では単に「電流」とも呼ぶ。)が流れたり流れなかったりする。
スイッチング素子Q2は、スクイブロー(Squib Low)側の点火スイッチに相当する。すなわち、スイッチング素子Q1からスクイブ31および電線Ln2を介して流れる点火電流をグラウンドG2に流すか、スイッチング素子Q1と並列に接続される定電流源Eiから出力される定電流Icを電線Ln2に流すかの切り換えを行う。このスイッチング素子Q2は、定電流源Eiと端子T1cとの間に接続される。具体的には入力端子(例えばドレイン端子等)に定電流源Eiが接続され、出力端子(例えばソース端子等)に端子T1cが接続される。図示しないが、制御端子(例えばゲート端子等)はCPU11に接続される。CPU11からスイッチング素子Q2の制御端子に伝達される信号に応じて、定電流源Eiから出力される定電流Icが電線Ln2(シールドケーブル20の一線)およびシールドケーブル40を介してスイッチ入力検出回路50に電流を通電するか否かが制御される。シールドケーブル40には、ホーン線Lnhや、端子T3cと端子T5aとを接続する線を含む。端子T3cと端子T5aとを接続する線は、省略してもよい。
CPU11は、スクイブ31に点火電流を流す場合はスイッチング素子Q1,Q2をオンにする信号を伝達する。これに対してスクイブ31には点火電流を流さず、スイッチの入力検出を行う場合はスイッチング素子Q1,Q2をオフにする信号を伝達する。
定電流源Eiとスイッチング素子Q2の入力端子との接続点は、CPU11のAD−IN端子、および、電線Ln2に接続される端子T1bの双方に接続される。端子T1cは、スイッチング素子Q2の出力端子に接続されるとともに、グラウンドG1およびCPU11のAD−GND端子に接続される。この接続において、CPU11はAD−IN端子とAD−GND端子との間に生じる抵抗値または電位差に基づいてAD変換を行い、AD変換値に基づいてスイッチ入力検出回路50に含まれるスイッチの入力を検出(判別)する。言い換えると、シールドケーブル20の一線(電線Ln2)と共通電位部(電線Ln4)との間の抵抗値または電位差に基づいて、入力されたスイッチを判別する。このように入力されたスイッチの判別できる点で、CPU11は「スイッチ判別部」を含む。AD変換値の一例については後述する(図2を参照)。
シールドケーブル20は、制御装置10とエアバッグ30との間を接続する部材である。本形態では、電線Ln1,Ln2とホーン線Lnhの3線で構成し、電話コードのようにカールされたスパイラルケーブルを用いる。スパイラルケーブルは、ステアリングハンドル81(図3を参照)の軸回りに巻き付けられる。電線Ln1は、制御装置10の端子T1aとエアバッグ30の端子T3aとの間に接続される。電線Ln2は、制御装置10の端子T1bとエアバッグ30の端子T3bとの間に接続される。ホーン線Lnhは、端子T1hとスイッチ入力検出回路50の端子T5aとの間に接続されるが、制御装置10へ信号伝達するために用いられる。よってバッテリー電圧を印加する必要がないので、上記誤爆限界制限値よりも小さい電流値に制限できる。定電流源EiとCPU11のAD−IN端子とは、ホーン線Lnhをスイッチ入力単独で用いる場合には、端子T1hに接続してもよい(図1の二点鎖線を参照)。
エアバッグ30は、ステアリングハンドル81(図3を参照)に備えられ、例えばスクイブ31を含むエアバッグが該当する。スクイブ31に点火電流が流れると、エアバッグが展開(膨張)するように構成されている。
スイッチ入力検出回路50は、並列接続されるステアリングスイッチ検出部61とホーンスイッチ検出部62とを含む。ステアリングスイッチ検出部61は、複数のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4と、相異なる抵抗値を有する複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4とを有する。ステアリングスイッチSW1と第1抵抗器R1とは直列接続される。ステアリングスイッチSW2と第1抵抗器R2とは直列接続される。ステアリングスイッチSW3と第1抵抗器R3とは直列接続される。ステアリングスイッチSW4と第1抵抗器R4とは直列接続される。ホーンスイッチ検出部62は、ホーンスイッチSWhと第2抵抗器Rhとが直列接続される。ただし、第2抵抗器Rhをシールドケーブル20の一線(電線Ln3)側に配置し、ホーンスイッチSWhを共通電位部(電線Ln4)側に配置する。ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4およびホーンスイッチSWhには、いずれも常開型スイッチを用いる。
上述したスイッチ(ステアリングスイッチやホーンスイッチ)と抵抗器とを直列接続した回路は、それぞれスイッチ入力検出回路50に備える電線Ln3と電線Ln4との間に並列接続される。電線Ln3は、端子T5aを通じて電線Ln2に接続される。電線Ln4は「共通電位部」に相当し、スイッチ入力検出回路50の共通電位であるグラウンドG2に接続され、筐体アースとしての端子T5bに接続される。
いずれかのスイッチが入力されると、定電流源Eiから出力される定電流Icが電線Ln2、端子T5a、電線Ln3、当該スイッチおよび当該スイッチに直列接続される抵抗器を流れる。結果として、定電流Icが流れる抵抗器の両端に電位差が生ずる。例えば、ステアリングスイッチSW1が入力されると第1抵抗器R1の両端に電位差が生じ、ステアリングスイッチSW2が入力されると第1抵抗器R2の両端に電位差が生じ、…、ホーンスイッチSWhが入力されると第2抵抗器Rhの両端に電位差が生じる。要するに、定電流Icがリーク電流として流れ、第1抵抗器R1,R2,R3,R4や第2抵抗器Rhにかかる抵抗値や電位差に基づいてスイッチの入力を検出する。
エアバッグ30とスイッチ入力検出回路50との間はシールドケーブル40で接続される。具体的には、端子T3b,T3cと端子T5aとの間、すなわちステアリング内に接続される。二点鎖線で示す端子T5bと端子T1cとは車両ボデーアースを示し、筐体同士の接触で構成されるがステアリングの直近コラムSWまではケーブル等で引き延ばし接続し電気グラウンド(GND)を専用線としてもよい。結果として、グラウンドG1,G2が同電位になればよい。
次に、CPU11がスイッチ入力検出回路50に含まれるスイッチの入力を検出する方法について図2を参照しながら説明する。図2はホーンスイッチSWhを除く4ビットの入力回路を示す。図2では、定電流Icを5[mA]とし、第1抵抗器R1が500[Ω]を有し、第1抵抗器R2が600[Ω]を有し、第1抵抗器R3が700[Ω]を有し、第1抵抗器R4が800[Ω]を有し、第2抵抗器Rhが400[Ω]を有することを前提とする。この前提にかかる電流値や抵抗値はあくまで一例に過ぎず、他の電流値や他の抵抗値を設定してもよい。複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4にかかる最大抵抗値(上記前提では800[Ω])は、第2抵抗器Rhの抵抗値(上記前提では400[Ω])の2倍を有するように設定するとよい。また第1抵抗器R1,R2,R3,R4は、一番小さい抵抗値を「R」と仮定するとき、順にR,2R,4R,8Rとなるように設定するとよい。
図2において、いずれのスイッチも入力されない未入力の場合は、電位差が5[V]または抵抗値が∞[Ω]になる。ホーンスイッチSWhが入力される場合は、電位差が2[V]または抵抗値が400[Ω]になる。ステアリングスイッチSW1が入力される場合は、電位差が2.5[V]または抵抗値が500[Ω]になる。ステアリングスイッチSW4が入力される場合は、電位差が4[V]または抵抗値が800[Ω]になる。
CPU11が検出可能な範囲は「検出可能範囲」で示すように、電位差が0〜4[V]または抵抗値が0〜800[Ω]である。ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のうちで1つのスイッチが入力される場合は、検出範囲Sa(例えば電位差が2.25〜4.5[V]または抵抗値が450〜900[Ω]で示す範囲)で検出できる。ホーンスイッチSWhが入力される場合は、検出範囲Sb(例えば電位差が1.75〜2.25[V]または抵抗値が350〜450[Ω]で示す範囲)で検出できる。ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のうちで2以上のスイッチが同時に入力されると、検出範囲Sc(例えば電位差が1〜1.75[V]または抵抗値が200〜350[Ω]で示す範囲)になり、無効とする。検出範囲Sd(例えば電位差が0〜1[V]または抵抗値が0〜200[Ω]で示す範囲)は、スクイブGNDショート検出範囲として使用する。4ビット以外のビット数、すなわち8ビット、16ビット、32ビット等の入力とするには検出範囲Saの範囲をビット数で分割すれば良い。
次に、ステアリングスイッチ検出部61とホーンスイッチ検出部62とについて図3を参照しながら説明する。図3に示すステアリング80は、ステアリングハンドル81やステアリングコラム82などを有する。ステアリングスイッチ検出部61として備えるステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4は、ステアリングハンドル81に備えるハンドルスイッチ61aと、ステアリングコラム82に備えるコラムスイッチ61bとのうちで一方または双方に設けられるスイッチを含む。
ハンドルスイッチ61aは、例えばエアコンスイッチ、オーディオスイッチ、電話スイッチ、アクティブセーフシステム用スイッチなどが該当する。エアコンスイッチには、設定温度アップ,設定温度ダウン,オート,オフ等の各スイッチを含めてよい。オーディオスイッチには、モード,音量アップ,音量ダウン,送り,戻し等の各スイッチを含めてよい。電話スイッチには、トーク,通話開始,通話終了,表示等の各スイッチを含めてよい。アクティブセーフシステム用スイッチには、クルーズスイッチ、緊急ブレーキスイッチ、レーンキーピングアシストスイッチなどが該当する。クルーズスイッチには、クルーズコントロールスイッチやレーダークルーズコントロールスイッチの各スイッチを含めてよい。コラムスイッチ61bには、例えばヘッドランプスイッチ,ワイパースイッチ,ウインカースイッチなどが該当し、シールドケーブル20がスパイラル化する直前で接続される。ホーンスイッチ検出部62として備えるホーンスイッチSWhは、ステアリングハンドル81に設けられる。
アクティブセーフシステム用スイッチを備える場合には、CPU11はシールドケーブル20を介して入力されるステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4にかかるアクティブセーフティシステムの信号を取り込む。そして取り込んだ信号に対応して、CANドライバ12やLINドライバ13に信号を出力する。これらのドライバは、当該信号を車内通信網LANを介して対応する制御装置100,110,120に伝達する(図4を参照)。信号を受けた制御装置は、当該信号に対応する制御を行う。
制御装置10は、取り込んだアクティブセーフティシステムの信号に基づいて、スマートエアバッグの展開制御、ポール衝突の予測、ロールオーバー予測のうちで1以上を行うトリッガーレベル制御部を有する構成としてもよい。トリッガーレベル制御部は、他の制御装置100,110,120に備える構成としてもよい。
次に、車内通信網LANの接続例について図4を参照しながら説明する。制御装置10と制御装置100,110,120は、車内通信網LANを介して通信可能に接続されている。車内通信網LANは有線でもよく、少なくとも一部に無線を含んでもよい。本形態では、上述したようにCANやLINに基づく信号の伝達を含む。図4の例では、制御装置10にエアバッグECUを用いる。制御装置100には、クルーズスイッチの入力に基づく信号を受けて車両のクルーズ制御を行うクルーズECUを用いる。制御装置110には、緊急ブレーキスイッチの入力に基づく信号を受けて車間距離制御を行うブレーキECUを用いる。制御装置120にはレーンキーピングアシストスイッチの入力に基づく信号を受けて走行レーンの維持を制御するレーンECUを用いる。
上述した実施の形態1によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)ステアリングスイッチ入力検出回路において、ホーンスイッチSWhと接続するホーン線Lnhを含み制御装置10とスクイブ31とを電気的に接続するシールドケーブル20と、複数のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4と、相異なる抵抗値を有する複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4とを備えるステアリングスイッチ検出部61と、ホーンスイッチSWhと第2抵抗器Rhとを直列接続するホーンスイッチ検出部62と、複数のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4およびホーンスイッチSWhのうち、入力されたスイッチを判別するスイッチ判別部とを有し、ステアリングスイッチ検出部61とホーンスイッチ検出部62とは、シールドケーブル20の一線(電線Ln2)と共通電位部(電線Ln4)との間に並列接続され、複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4および第2抵抗器Rhは、対応するスイッチが入力されてもスクイブ31に流れるスクイブモニタ電流Isが点火電流よりも低くなる抵抗値を有する構成とした(図1,図2を参照)。
この構成によれば、制御装置10とステアリング80との間における電気的な接続は、スクイブ31に電流を流すための電線Ln1と、グラウンド線に対応する電線Ln2を含むシールドケーブル20で済む(図1を参照)。複数のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4およびホーンスイッチSWhは、シールドケーブル20の一線(電線Ln2)と共通電位部(電線Ln4)との間に並列接続され、点火電流よりも小さい電流が流れるように抵抗値が設定される(図2を参照)。よって、スイッチの入力検出においてエアバッグ30が誤作動することなく、どのスイッチが入力されたのかを的確に検出することができる。したがって、シールドケーブル20の線数を最少で2線に抑制し、シールドケーブル20の配置作業に要する時間を抑制することができる。
(2)ステアリングスイッチ検出部61は、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4と第1抵抗器R1,R2,R3,R4とが直列接続されるとともに、直列接続されるステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4および第1抵抗器R1,R2,R3,R4の組が複数並列接続される構成とした(図1,図2を参照)。この構成によれば、CPU11はAD−IN端子とAD−GND端子との間に生じる抵抗値または電位差に基づいてシールドケーブル20の一線(電線Ln2)と共通電位部(電線Ln4)との間の電位差に基づいて、入力されたスイッチを確実に判別できる。
(3)複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4は、いずれも第2抵抗器Rhの抵抗値よりも大きな抵抗値を有する構成とした(図1,図2を参照)。この構成によれば、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4が入力されたのか、ホーンスイッチSWhが入力されたのかの判別を的確に行える。具体的にはホーンスイッチSWhの動作を最優先し、他のスイッチ入力によるホーンの誤動作確立をもっとも小さくできる。
(4)4ビットの一般的なAD変換器の場合、複数入力を受け付けるのは一般的である。精度は落ちるが4ビット=16個の信号形態を受け付ける構成とするためR,2R,4R,8Rのように、2n(nは0以上の整数)の倍数値で抵抗値を構成した。
(5)スクイブ端子(端子T3a,T3b,T3c)にリーク抵抗値が付くのは好ましくないので、2接点1個のスイッチ(ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4およびホーンスイッチSWh)を用い各々の入力以外の接続状態を切断する構成とした(図1を参照)。
(6)複数のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4には、常開型スイッチを用いる構成とした(図1,図2を参照)。この構成によれば、常閉型スイッチに比べて、スクイブ31や抵抗器(R1,R2,R3,R4,Rh)に流れる電流の通電時間を抑制することができる。よって、スイッチの判別を確実に行いながら、消費電力を低く抑えることができる。また常閉型スイッチであれば、スイッチ入力の無いときは従来のスクイブ配線と同一になるため、誤爆確率は増加しない。
(7)CPU11(スイッチ判別部)は、シールドケーブル20の一線(電線Ln2)と共通電位部(電線Ln4)との間の抵抗値または電位差に基づいて、入力されたスイッチを判別する構成とした(図2を参照)。この構成によれば、抵抗値や電位差に基づいて、入力されたスイッチの判別を確実に行える。
(8)複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4にかかる最大抵抗値は、第2抵抗器Rhの抵抗値の2倍を有する構成とした(図2を参照)。この構成によれば、浸水(結露や湿度等)による抵抗値が低下しても入力されたスイッチの判別を確実に行え、かつ、簡単な設定(構成)で実現することができる。
(10)制御装置10は、シールドケーブル20を介して入力されるステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4にかかるアクティブセーフティシステムの信号を取り込む構成とした(図4を参照)。この構成によれば、シールドケーブル20の線数を抑制しながらも、アクティブセーフティシステムにかかるスイッチが入力されると、対応する制御(例えば緊急ブレーキ,クルーズ,レーンキーピング等)を行うことができる。
(11)アクティブセーフティシステムの信号は、緊急ブレーキシステムの信号、クルーズシステムの信号、レーンキーピングシステムの信号のうちで一以上の信号を含む構成とした(図4を参照)。この構成によれば、シールドケーブル20の線数を抑制しながらも入力されたスイッチの判別を確実に行え、かつ、アクティブセーフティシステムにかかる緊急ブレーキ,クルーズ,レーンキーピング等のうちで一以上を制御できる。
(12)複数のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4は、ステアリングハンドル81に備えるハンドルスイッチ61aと、ステアリングコラム82に備えるコラムスイッチ61bとのうちで一方または双方のスイッチを含む構成とした(図3を参照)。この構成によれば、ステアリング80の構成要素であるステアリングハンドル81やステアリングコラム82のいずれにもステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を用いることができ、かつ、シールドケーブル20の線数を抑制しながらも入力されたスイッチの判別を確実に行える。
(13)ホーンスイッチ検出部62は、第2抵抗器Rhをシールドケーブル20の電線Ln2(一線)側に配置し、ホーンスイッチSWhを電線Ln4(共通電位部)側に配置する構成とした(図1,図2を参照)。この構成によれば、第2抵抗器Rhに流れる電流で電圧降下させ、ホーンスイッチSWhに印加される電圧を低く抑えられる。すなわち、ホーンスイッチSWhの耐久性を高めることができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は図5と図6を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態2が実施の形態1と相違するのは、ステアリングスイッチ検出部61の構成である。すなわち、実施の形態1ではステアリングスイッチと第1抵抗器とからなる直列接続回路の複数組を並列接続する(図1を参照)。一方、実施の形態2ではステアリングスイッチと第1抵抗器とからなる並列接続回路の複数組を直列接続する。見方を変えると、複数の第1抵抗器を直列接続し、かつ、第1抵抗器ごとにステアリングスイッチを並列接続する。
すなわち図5に示すステアリングスイッチ検出部61では、複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4が直列接続される。そして、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4は順番に第1抵抗器R1,R2,R3,R4に対して並列接続される。本形態では、第1抵抗器R1,R2,R3,R4の各抵抗値を「R[Ω]」とする。抵抗値Rは、CPU11によって入力を検出できれば、任意の数値を設定することができる。よって、第2抵抗器RhにはR[Ω]よりも低い抵抗値(例えば0.5R[Ω]等)を設定する。
第1抵抗器R1およびステアリングスイッチSW1の一端側(図面上側)は、端子T5a(ひいては図1に示すシールドケーブル20の電線Ln2)に接続される。第1抵抗器R4およびステアリングスイッチSW4の他端側(図面下側)は、グラウンドG2および端子T5bに接続される。
図5に示す構成のステアリングスイッチ検出部61において、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4がそれぞれ入力される場合における合成抵抗値Rsを図6に示す。当該合成抵抗値Rsは、電線Ln2(ひいてはCPU11のAD−IN端子)と、電線Ln4(ひいてはCPU11のAD−GND端子)との間に生じる抵抗値である。実施の形態1と同様に定電流源Eiから定電流Icが流れると、当該定電流Icと合成抵抗値Rsとを乗算した電位差(=Ic×Rs)が生じる。
ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のうちで、どのステアリングスイッチが入力されたかに応じて合成抵抗値Rsが異なる。複数のステアリングスイッチが同時に入力される場合を含めて、図6に示す。図6では見易くするために、各ステアリングスイッチのオンを「1」で示し、各ステアリングスイッチのオフを「0」で示す。
図6において、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4の全てが入力されなければ、15R[Ω]以上(∞[Ω]を含む)になる。ステアリングスイッチSW4のみが入力されると14R[Ω]になり、ステアリングスイッチSW3のみが入力されると13R[Ω]になる。以下同様であり、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3の全てが入力されるとR[Ω]になり、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4の全てが入力されると0[Ω]になる。
ホーンスイッチSWhおよび第2抵抗器Rhとは並列接続されるので(図1を参照)、当該ホーンスイッチSWhが同時に入力されると第2抵抗器Rhの抵抗値と合成抵抗値Rsとの合成抵抗値になる。ただし、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4の全てが入力されると、ホーンスイッチSWhの入力を検出することができない。
CPU11は、AD−IN端子とAD−GND端子との間に生じる合成抵抗値Rsまたは電位差に基づいてAD変換を行い、AD変換値に基づいてスイッチ入力検出回路50に含まれるステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4やホーンスイッチSWhの入力を検出(判別)する。
上述した実施の形態2によれば、以下に示す各効果を得ることができる。なお、ステアリングスイッチ検出部61を除くステアリングスイッチ入力検出回路の構成については実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
(4)ステアリングスイッチ検出部61は、複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4が直列接続され、かつ、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4が第1抵抗器R1,R2,R3,R4ごとに並列接続される構成とした(図1,図2を参照)。この構成によれば、複数のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のうちで2以上が同時に入力されても的確に判別することができる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は図7と図8を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、実施の形態3では実施の形態1,2と異なる点について説明する。よって、実施の形態1,2で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図7と図8に示すステアリングスイッチ検出部61は、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4に重み付けをし、かつ、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4よりもホーンスイッチSWhの入力を常に優先する構成例である。すなわち、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のいずれが入力されても、第1抵抗器R1,R2,R3,R4にかかる合成抵抗値Rsが第2抵抗器Rhの抵抗値以上となるように構成する。
図7に示すステアリングスイッチ検出部61は、第1抵抗器R2,R3,R4を並列接続とし、第1抵抗器R2,R3,R4と第1抵抗器R1が直列接続とする。例えば、第1抵抗器R1を500[Ω]に設定し、第1抵抗器R2を100[Ω]に設定し、第1抵抗器R3を200[Ω]に設定し、第1抵抗器R4を300[Ω]に設定する。
図8に示すステアリングスイッチ検出部61は、第1抵抗器R1,R2,R3,R4を直列接続するとともに、ステアリングスイッチSW1と第1抵抗器R1とを直列接続し、ステアリングスイッチSW2と第1抵抗器R2とを直列接続し、ステアリングスイッチSW3と第1抵抗器R3とを直列接続し、ステアリングスイッチSW4と第1抵抗器R4とを直列接続する。例えば、第1抵抗器R1を500[Ω]に設定し、第1抵抗器R2,R3,R4をそれぞれ100[Ω]に設定する。
図7と図8に示すいずれのステアリングスイッチ検出部61であっても、実施の形態1に示すステアリングスイッチ検出部61のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を入力する場合と同じ合成抵抗値Rsになる。したがって、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4をいくつ入力しても、電流値はホーンスイッチSWhの入力よりも大きくならず、常にホーンスイッチSWhの入力を優先することができる。また、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4の中のいかなる複数入力に対してもステアリングスイッチSW1が優先することになる。よって運転者がステアリングスイッチSW1を入力する場合を除いて、誤入力を確実に回避することができる。
上述した実施の形態3によれば、以下に示す各効果を得ることができる。なお、ステアリングスイッチ検出部61の構成が相違するに過ぎない。しかも上述した抵抗値を設定すれば、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を入力する際の合成抵抗値Rsは実施の形態1と同様である。したがって、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
(3)複数の第1抵抗器R1,R2,R3,R4は、第2抵抗器Rhよりも大きな抵抗値を有する第1抵抗器R1(基準抵抗器)を含み、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のいずれが入力されても第1抵抗器R1を経由して電流が流れるように構成した(図7,図8を参照)。この構成によれば、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4をいくつ入力しても、電流値はホーンスイッチSWhの入力よりも大きくならない。よって、常にホーンスイッチSWhの入力を優先することができ、誤入力を確実に回避することができる。
〔実施の形態4〕
実施の形態4は図9を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、実施の形態4では実施の形態1〜3と異なる点について説明する。よって、実施の形態1〜3で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態4は、ステアリングスイッチ検出部61の構成について実施の形態1,2と相違する。実施の形態2と類似する構成であるが、実施の形態4では双断型(常開型スイッチによる同時接続型)で構成する。具体的には、実施の形態2の構成に加えて、第2スイッチSW1a,SW2a,SW3a,SW4aを備える。
ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4および第1抵抗器R1,R2,R3,R4の接続構成については実施の形態2と同一である。さらに、図9に示すように第2スイッチSW1a,SW2a,SW3a,SW4aを備える。
これらの第2スイッチSW1a,SW2a,SW3a,SW4aは並列接続される。第2スイッチSW1a,SW2a,SW3a,SW4aは順番にステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4の入力と連動して作動するように構成される。第2スイッチSW1a,SW2a,SW3a,SW4aの並列接続によって、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のうちで1以上のステアリングスイッチが入力されなければ電流が流れない。第1抵抗器R1,R2,R3,R4にかかる合成抵抗値Rsや、合成抵抗値Rsに生じる電位差は、実施の形態2と同じである(図8を参照)。
上述した実施の形態4によれば、以下に示す各効果を得ることができる。なお、ステアリングスイッチ検出部61を除くステアリングスイッチ入力検出回路の構成については実施の形態1と同様であり、第2スイッチSW1a,SW2a,SW3a,SW4aを除くステアリングスイッチ検出部61の構成については実施の形態2と同様である。よって、実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。
(6)複数のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4と同数の複数の第2スイッチSW1a,SW2a,SW3a,SW4aを有し、複数の第2スイッチSW1a,SW2a,SW3a,SW4aは、並列接続されるとともに、対応するステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4ごとに個別に連動する構成とした(図1,図2を参照)。この構成によれば、スクイブ端子(端子T3a,T3b,T3c)にGNDリーク抵抗値である第1抵抗器R1,R2,R3,R4が接続されることが無い。
〔実施の形態5〕
実施の形態5は図10を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、実施の形態5では実施の形態1と異なる点について説明する。よって、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。図10は、従来のホーンスイッチ構成に対して、制御装置10によるホーン信号の取り込み機能を追加したものである。
実施の形態5が実施の形態1と相違するのは、ホーン線をシールドケーブル20,40に加える点である。図10では、シールドケーブル20に備えるホーン線Lnhの一端側は、ホーン電力源70に接続する。ホーン電力源70にはホーン自体を含んでもよい。具体的な接続点は、ホーンリレーである。ホーン線Lnhの他端側は、シールドケーブル40および端子T5cを介して、第2抵抗器RhとホーンスイッチSWhとの接続点に接続する。この構成によれば、ホーンスイッチSWhの入力によりホーンを鳴動する場合には、鳴動に必要な電流がホーン電力源70から流れる。
上述した実施の形態5によれば、以下に示す各効果を得ることができる。なお、シールドケーブル20,40を除くステアリングスイッチ入力検出回路の構成については実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
(9)シールドケーブル20は、ホーン線Lnhを含む構成とした(図10を参照)。この構成によれば、鳴動に必要な電流がホーン電力源70から流れるので、ホーンスイッチSWhの入力に応じてホーンを確実に鳴動させることができる。
〔実施の形態6〕
実施の形態6は図11と図12を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、実施の形態6では実施の形態1と異なる点について説明する。よって、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。図12には、入力電圧範囲を定電圧源Va1,Va2,Va3,…,Vaxの各基準電圧に拡大する構成を示す。
実施の形態6が実施の形態1と相違するのは、電圧変換器14を制御装置10に備える点である。すなわち実施の形態1ではCPU11がAD変換機能を備えるのに対して、実施の形態6では電圧変換を行う電圧変換器14をさらに備える。
図11には全体の構成例を示し、図12には電圧変換器14の具体的な構成例を示す。電圧変換器14は、定電圧源Vaの基準電圧と、定電流源Eiから流れる定電流Icによって第1抵抗器R1,R2,R3,R4や第2抵抗器Rhで生じる電位差とに基づいて、入力されたスイッチの判別を行う。判別結果は、複数線(例えば4線や8線等)からなる信号線を介して信号情報をCPU11に伝達する。
図12に示す電圧変換器14は、複数(例えば4や8等)の電圧変換部VC1,VC2,VC3,…,VCx(xは2以上の整数)を有する。各電圧変換部の構成は、基準電圧値や抵抗値を除いて同一であるので、以下では電圧変換部VC1を代表して説明する。
電圧変換部VC1は、演算増幅器OPa1,OPb1や抵抗器Ra1,Rb1,Rc1などを有する。演算増幅器OPb1は、出力端子とマイナス側入力端子とを接続するとともに、プラス側入力端子に定電圧源Vaを接続する。よってボルテージフォロアとして作動し、定電圧源Vaの基準電圧を維持する。演算増幅器OPa1は、出力端子とマイナス側入力端子との間に抵抗器Ra1を接続し、マイナス側入力端子と定電圧源Vaとの間に抵抗器Rb1を接続し、プラス側入力端子と演算増幅器OPb1の出力端子との間に抵抗器Rc1を接続し、マイナス側入力端子とグラウンドG1との間に抵抗器Rd1を接続する。抵抗器Ra1と抵抗器Rd1の抵抗値が同じであり、抵抗器Rb1と抵抗器Rc1の抵抗値が同じであれば、演算増幅器OPa1は差動増幅器として作動する。すなわち、スイッチ入力検出回路50で生じる電位差と、定電圧源Vaの基準電圧との差分値(以下では「差分電圧」と呼ぶ。)を信号線B1に出力する。
電圧変換部VC1,VC2,VC3,…,VCxの相違は、次の2点である。第1に、定電圧源Va1,Va2,Va3,…,Vaxについて、それぞれの基準電圧が異なる点である。第2に、差動増幅器として作用する演算増幅器OPa1,OPa2,OPa3,…,OPaxに接続される抵抗器の抵抗値が異なる点である。各抵抗値は、差分電圧とスイッチとの関係を特定できるように設定される。
具体的な設定例として、4つの電圧変換部VC1,VC2,VC3,VC4で構成する場合を仮定する。この場合、演算増幅器OPa1の入力電圧範囲を15〜20[V]とし、演算増幅器OPa2の入力電圧範囲を10〜15[V]とし、演算増幅器OPa3の入力電圧範囲を5〜10[V]とし、演算増幅器OPa4の入力電圧範囲を0〜5[V]とする。電圧変換部VC1,VC2,VC3,VC4は、AD変換が可能な電圧範囲(例えば0〜5[V])に変換し、信号線B1,B2,B3,B4を介してCPU11に出力する。CPU11は信号線B1,B2,B3,…,Bxの信号情報に基づいて制御を行う。
また実施の形態1の図2に示すように、スイッチ入力検出回路50で生じる電位差が2[V]であればホーンスイッチSWhの入力と判別できるように設定してもよい。ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4についても同様に各スイッチの入力が個別に判別できるように設定する。
上述した実施の形態6によれば、電圧変換器14によって入力電圧をAD変換が可能な電圧範囲に変換する点を除けば、他の要素は実施の形態1と同様である。したがって、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
〔実施の形態7〕
実施の形態7は図13を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、実施の形態7では実施の形態1と異なる点について説明する。よって、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態1ではAD−IN端子とAD−GND端子との間に生じる抵抗値または電位差に基づいてCPU11がAD変換を行う。これに対して、実施の形態7では入力されるステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4に対応するシリアル信号をCPU11に伝達する点で相違する。
図13に示すステアリングスイッチ検出部61は、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4のほかに、電源回路61c、P/S変換器61d、抵抗器Rg、スイッチング素子Qgなどを有する。ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4はそれぞれP/S変換器61dに並列接続される。P/S変換器61dは、ステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4の入力をパラレル信号として入力し、シリアル信号に変換してスイッチング素子Qgの制御端子(例えばゲート端子等)に伝達する。図示しないが、ホーンスイッチSWhの入力もパラレル信号として入力してもよい。
抵抗器Rgとスイッチング素子Qgは直列接続され、電線Ln3とグラウンドG2との間に接続される。スイッチング素子QgはP/S変換器61dから伝達されるシリアル信号に基づいてオン/オフするので、抵抗器Rgの両端に生ずる電位差も変化する。この電位差は、CPU11におけるSPI−IN端子とSPI−GND端子との間に生じる抵抗値または電位差になる。CPU11は、SPI−IN端子とSPI−GND端子との間に生じる合成抵抗値Rsまたは電位差に基づいてスイッチ入力検出回路50に含まれるステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4の入力を検出(判別)する。
CPU11のSPI−IN端子は、端子T1bとスイッチング素子Q2の入力端子(例えばドレイン端子等)とに接続される。CPU11のSPI−GND端子は、端子T1cとグラウンドG1とに接続される。
図13に示すシールドケーブル20は、制御装置10の端子T1gとスイッチ入力検出回路50の端子T5gとを接続する電線Lngを有する。制御装置10の端子T1gには定電圧源Vigが接続される。電源回路61cは端子T5gとP/S変換器61dとの間に接続され、定電圧源Vigから電線Lngを経て供給される電圧をP/S変換器61dに必要な電力として供給する。
上述した実施の形態7によれば、シールドケーブル20とステアリングスイッチ検出部61の構成を除けば、他の要素は実施の形態1と同様である。したがって、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
〔実施の形態8〕
実施の形態8は図14を参照しながら説明する。実施の形態8は実施の形態7の変形例であるので、図示および説明を簡単にするため、実施の形態7で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図14に示すステアリングスイッチ検出部61は、3端子のステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4や、第1抵抗器R1,R2,R3,R4、抵抗器R5,R6,R7,R8などを有する。抵抗器R5,R6,R7,R8は直列接続され、端子T5aとグラウンドG2との間に接続される。
ステアリングスイッチSW1と第1抵抗器R1は直列接続され、端子T5aと端子T5gとの間に接続される。ステアリングスイッチSW2と第1抵抗器R2とは直列接続され、端子T5aと、抵抗器R5と抵抗器R6との接続点との間に接続される。ステアリングスイッチSW3と第1抵抗器R3とは直列接続され、端子T5aと、抵抗器R6と抵抗器R7との接続点との間に接続される。ステアリングスイッチSW4と第1抵抗器R4とは直列接続され、端子T5aと、抵抗器R7と抵抗器R8との接続点との間に接続される。各抵抗器の抵抗値は任意に設定可能である。4ビット=16個の信号形態とするには、第1抵抗器R1,R2,R3,R4および抵抗器R8の抵抗値を2R[Ω]とし、抵抗器R5,R6,R7の抵抗値をR[Ω]とするのがよい。
上述した実施の形態8によれば、ステアリングスイッチ検出部61の構成を除けば、他の要素は実施の形態7と同様である。したがって、実施の形態7と同様の作用効果を得ることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜8に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態1〜8では、端子T1aに流す電流をスイッチング素子Q1で制御し、端子T1bに流す電流をスイッチング素子Q2で制御する構成とした(図1,図10,図11,図13を参照)。この形態に代えて、図15に示すように、直列接続されるスイッチング素子Q1aと抵抗器R10aとをスイッチング素子Q1に並列接続してもよい。同様に、直列接続されるスイッチング素子Q2aと抵抗器R10bとをスイッチング素子Q2に並列接続してもよい。スイッチング素子Q1a,Q1bのオン/オフに従って、端子T1a,T1bに流す電流を制御できる。この構成でも、供給する電流を制御できるので、実施の形態1〜8と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜8では、ステアリングスイッチ検出部61に備えるステアリングスイッチとして、4つのステアリングスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を備える構成とした(図1,図8,図9,図10,図11を参照)。この形態に代えて、4つ以外の数でステアリングスイッチを備える構成としてもよい。単にステアリングスイッチの数が相違するに過ぎないので、実施の形態1〜8と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜8では、スイッチの入力検出を行う場合はスイッチング素子Q1,Q2をオフにする信号を伝達し、スクイブ31には電流を流さない構成とした(図1,図8,図9,図10,図11を参照)。この形態に代えて、スイッチの入力検出を行う場合でもスクイブ31に電流を流す構成としてもよい。この場合には、定電圧源Vbと端子T1aとの間に定電流源Eiを接続する。定電流源Eiが出力する定電流Icは点火電流よりも小さくする。スイッチの入力検出時に定電流Icがスクイブ31を流れるものの、点火電流よりも小さいのでエアバッグが展開することはない。なお「シールドケーブル20の一線」は電線Ln1になる。このように定電流Icが流れる経路が異なるに過ぎないので、実施の形態1〜8と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜8では、スイッチング素子Q1,Q2を用いてオン/オフを行う構成とした(図1,図8,図9,図10,図11を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、リレー(半導体リレーを含む)や開閉器などを用いてオン/オフを行う構成としてもよい。オン/オフが行える素子の相違に過ぎないので、実施の形態1〜8と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜8では、エアバッグ30はステアリングハンドル81に備える構成とした(図3を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、ステアリングコラム82,インパネ(ダッシュボード),ドア,ルーフサイド,シート(外側部分や座面下等)などに備える構成としてもよい。またエアバッグに代えて(あるいは加えて)、シートベルトを適用してもよい。乗員保護の形態が相違するに過ぎないので、実施の形態1〜8と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜8では、電位差を生じさせる素子として第1抵抗器R1,R2,R3,R4や第2抵抗器Rhを用いる構成とした(図1,図8,図9,図10,図11を参照)。この形態に代えて、抵抗器と同様の抵抗値を示す回路部品(コイル,コンデンサ,ダイオード等)を代用してもよい。回路部品の両端に電位差が生じればスイッチの入力を検出できるので、実施の形態1〜8と同様の作用効果が得られる。