JP5834624B2 - 熱交換器 - Google Patents

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この発明は、アルミニウム及びアルミニウム合金製の熱交換チューブとフィンとをろう付けしてなる熱交換器に関するものである。
一般に、対峙する一対のヘッダーパイプ間に、互いに平行な複数の扁平状のアルミニウム製押出形材からなる熱交換チューブを水平方向に配置し、これら熱交換チューブ間にコルゲートフィンをろう付けにより接合してなるアルミニウム製のパラレルフロー型の熱交換器が広く使用されている。ここで、アルミニウムとはアルミニウム及びアルミニウム合金を含む意味である。
この種の熱交換器においては、耐食性を高めるための一般的な方法として、熱交換チューブ表面にZn溶射を行うことによってろう付け時のZn拡散層を形成し、これが犠牲防食層となって腐食形態を面食傾向にして貫通する腐食を防ぐ方法が採られている。
しかし、Zn溶射は制御が難しいため、Zn量が過多になると、犠牲防食層の消耗を早めたり、フィン脱落を引き起こす問題があり、また、逆にZn量が過小になると、犠牲防食層が十分構成されず必要な耐食性が得られないという問題があった。
この問題を解決するために、熱交換チューブ表面に溶射するZnの量を制限し、各部間の電位差を適切なものとする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、Zn溶射ではなくZn置換フラックスを用いてZn拡散層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4431361号公報(特許請求の範囲) 国際公開第2010/150727号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、前者すなわち特許文献1に記載の技術においては、Zn溶射の制御が難しいため、均一なZn溶射層が得難く、Znの溶射量範囲を広いものとせざるを得ず、熱交換チューブ毎で耐食性にバラツキが生じる問題があった。
また、後者すなわち特許文献2に記載の技術においては、Zn置換フラックスを用いてZn拡散層を形成する方法であるため、特許文献1に比べてZnの塗布量を均一にすることができるが、Zn置換フラックスの塗布量範囲が広いために上限値と下限値では熱交換チューブ個体毎で耐食性にバラツキが生じる問題があった。
したがって、特許文献1,2に記載の技術においては、熱交換チューブ個体毎の耐食性バラツキが大きくなる他、Zn量過多となり易くフィンと熱交換チューブの接合部が優先して腐食しフィンが脱落してしまう懸念がある。
また、熱交換チューブの材質が1000系の場合、犠牲防食層がなくなると、深さ方向の腐食が急激に進行してしまう懸念もある。
また、熱交換チューブ芯部・表面及びフィンの各部間に適切な電位差を維持するために熱交換チューブ材の電位を指定する必要があり、更に、ろう付け時強度を維持する必要がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、熱交換チューブ個体毎の耐食性バラツキをなくし、耐食性の向上を図れるようにした熱交換器を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、請求項1記載の発明は、Cu,Mn,Zr等を含有するアルミニウム合金製の熱交換チューブと、ろう材をクラッドしないZn含有のフィンとを、上記熱交換チューブ表面に設けられた、Si粉末、非腐食性フラックス、Zn置換フラックスを介して接合された状態の熱交換器であって、上記熱交換チューブは、Cu含有量が0.35%〜0.43%、Mn含有量が0.02%以下、Zr含有量が0.02%〜0.06%であり、上記熱交換チューブ表面におけるZn濃度が0.3%〜1.0%であり、上記熱交換チューブ表面におけるZn拡散深さが80μm以下であり、上記フィン、熱交換チューブ表面及び熱交換チューブ芯部の電位が、(貴)熱交換チューブ芯部>熱交換チューブ表面>フィン(卑)の関係にあり、かつ、上記熱交換チューブ芯部と熱交換チューブ表面、及び上記熱交換チューブ表面とフィンの電位差が、それぞれ40mV〜60mVの範囲である、ことを特徴とする。
ここで、熱交換チューブ表面のZn濃度が0.3%〜1.0%である理由は、Zn濃度が0.3%より少ないと、熱交換チューブ芯部との電位差が十分得られず、1.0%よりも多いと、電位差が大きくなりすぎて防食効果が過多となりフィン脱落が発生するためである。また、Zn拡散深さが80μm以下とした理由は、Zn拡散深さが80μmを超えると、犠牲防食層が大きくなりすぎて腐食が進んだ際に残存する熱交換チューブの厚さが薄くなる。
また、ろう付け後のフィン、熱交換チューブ表面及び熱交換チューブ芯部の電位が、
(貴)熱交換チューブ芯部>熱交換チューブ表面>フィン(卑)の関係にあるとした理由は、熱交換チューブ表面が最も「卑」の場合、熱交換チューブ芯部より優先して腐食すると同時にフィンに対しても優先して腐食してしまい、結果として熱交換チューブ表面が集中して腐食してしまい、熱交換チューブ表面と熱交換チューブ芯部の電位差による防食効果のみとなり、フィンによる防食効果が得られない。これに対し、フィンを最も「卑」とすることによって、フィンと熱交換チューブ表面の電位差による防食、及び熱交換チューブ表面と熱交換チューブ芯部の電位差による防食という2段構えの防食効果が得られる。
ろう付け後の上記熱交換チューブ芯部と熱交換チューブ表面、及び上記熱交換チューブ表面とフィンの電位差が、それぞれ40mV〜60mVの範囲とした理由は、上記熱交換チューブ芯部と熱交換チューブ表面、及び上記熱交換チューブ表面とフィンの電位差が40mV未満の場合、防食効果が薄くなり、また、上記電位差が60mVを超えると防食効果が過剰となるからである。
この発明において、熱交換チューブ表面に最適なZn拡散犠牲防食層を生成するために、Zn置換フラックスとZn含有フィンにより必要最低限のZn量を確保する必要があり、そのために、上記熱交換チューブ表面に設けられたZn置換フラックスの塗布量は3g/m2〜5g/m2であり、上記フィンはZn含有量が1.5%〜2%である方が好ましい。
ここで、熱交換チューブ表面に設けられたZn置換フラックスの塗布量を3g/m2〜5g/m2以下とした理由は、Zn置換フラックスの量を5g/m2を超えて塗布しても反応が進まず期待するZn拡散層が得られないからである。また、Zn置換フラックスの量を3g/m2より少なく塗布すると、熱交換チューブ表面に供給されるZn量が不足して十分な犠牲防食層を確保できなくなる。
また、フィンのZn含有量が2%を超えると、熱交換チューブ表面との電位差が大きくなってフィン腐食が相対的に早まり、フィンの脱落を早めさせてしまうからである。また、フィンはZn含有量が1.5%より少ないと、電位を熱交換チューブ表面(犠牲防食層)よりも「卑」とすることが達成できなくなる。
また、請求項1記載の発明によれば、適切な電位差を保持して耐食性を確保し、併せて熱交換チューブの強度を維持することができる。
この発明によれば、上記のように構成されているので、熱交換チューブ個体毎の耐食性バラツキをなくし、耐食性の向上を図れるようにした熱交換器を提供することができる。
この発明に係る熱交換器の一例を示す正面図である。 この発明に係る熱交換器の一部を断面で示す斜視図である。 この発明における熱交換チューブとフィンとのろう付け状態を示す拡大断面図である。
以下に、この発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
この発明に係る熱交換器1は、図1に示すように、それぞれアルミニウム(アルミニウム合金を含む)製の左右に対峙する一対のヘッダーパイプ2a,2bと、これらヘッダーパイプ2a,2b間に互いに平行に水平方向に架設(連結)される複数の扁平状の熱交換チューブ3(以下にチューブ3という)及び隣接する熱交換チューブ3間に介在されるコルゲートフィン4(以下にフィン4という)をろう付けしてなる。なお、チューブ3には複数に区画された熱媒体流路3cが形成されている。また、上下端のフィン4の上部外方側及び下部開放側には、それぞれアルミニウム製のサイドプレート5がろう付けされている。また、ヘッダーパイプ2a,2bの上下開口端にはアルミニウム製のエンドキャップ6がろう付けされている。
また、上記ヘッダーパイプ2a,2bのうちの一方のヘッダーパイプ2a(図1において左側)の上部には熱媒体(以下に冷媒という)の流入管7aが接続され、該ヘッダーパイプ2aの上部側の約1/3の位置には第1の仕切板8aが配置されている。他方のヘッダーパイプ2b(図1における右側)の下部には冷媒の流出管7bが接続され、該ヘッダーパイプ2bの下部側の約1/3の位置には第2の仕切板8bが配置されている。
上記のように構成される熱交換器1において、冷媒は流入管7aを介して第1の仕切板8aによって区画されたヘッダーパイプ2a内の上部側に流入した後、チューブ3を介して第2の仕切板8bによって区画されたヘッダーパイプ2b内の上部側に流れ、次いで、チューブ3を介して第1の仕切板8aによって区画されたヘッダーパイプ2a内の下部側に流入し、その後流出管7bを介して外部に流れる。
この場合、熱交換器1のコア部を構成するチューブ3は、Cu,Mn,Zr等を含有するアルミニウム合金製押出形材によって、複数の熱媒体流路3cを有する扁平チューブにて形成され、フィン4はろう材をクラッドしないZn含有のアルミニウム製板材にて形成されている。チューブ3とフィン4とのろう付けは、ろう付け前にチューブ3にZn溶射を施さず、チューブ3の表面にろう付け効果を有するSi粉末、非腐食性フラックス(例えばKAlF4+K3AlF6)等のフッ化物系フラックス及び犠牲陽極効果を有するZn置換フラックス(具体的には、KZnF3フラックス)をアクリル系バインダーに混合して固着したものをろう付けする。
この場合、ろう付け後のチューブ3の表面3aにおけるZn濃度が0.3%〜1.0%であり、ろう付け後のチューブ3の表面3aにおけるZn拡散深さDが80μm以下であり、ろう付け後のフィン4、チューブ表面3a及びチューブ芯部3bの電位が、
(貴)チューブ芯部3b>チューブ表面3a>フィン4(卑)の関係にあり、かつ、ろう付け後のチューブ芯部3bとチューブ表面3a、及びチューブ表面3aとフィン4の電位差が、それぞれ40mV〜60mVの範囲である。
ここで、Zn濃度が0.3%〜1.0%である理由は、Zn濃度が0.3%より少ないと、チューブ芯部3bとの電位差が十分得られず、1.0%よりも多いと、電位が大きくなりすぎて防食効果が過多となりフィン4の脱落が発生するためである。
また、Zn拡散深さDが80μm以下とした理由は、Zn拡散深さDが80μmを超えると、犠牲防食層が大きくなりすぎて腐食が進んだ際に残存する熱交換チューブの厚さが薄くなる。
また、ろう付け後のフィン4、チューブ表面3a及びチューブ芯部3bの電位が、
(貴)チューブ芯部3b>チューブ表面3a>フィン4(卑)の関係にあるとした理由は、チューブ表面3aが最も「卑」の場合、チューブ芯部3bより優先して腐食すると同時にフィン4に対しても優先して腐食してしまい、結果としてチューブ表面3aが集中して腐食してしまい、チューブ表面3aとチューブ芯部3bの電位差による防食効果のみとなり、フィン4による防食効果が得られない。これに対し、フィン4を最も「卑」とすることによって、フィン4とチューブ表面3aの電位差による防食、及びチューブ表面3aとチューブ芯部3bの電位差による防食という2段構えの防食効果が得られる。
また、ろう付け後のチューブ芯部3bとチューブ表面3a、及びチューブ3とフィン4の電位差が、それぞれ40mV〜60mVの範囲とした理由は、チューブ芯部3bとチューブ表面3a、及びチューブ表面3aとフィン4の電位差が40mV未満の場合、防食効果が薄くなり、また、電位差が60mVを超えると防食効果が過剰となり腐食が進んだ際の残存する熱交換チューブの厚さが薄くなる。
また、上記熱交換器1において、チューブ3に最適なZn拡散犠牲防食層を生成するために、Zn置換フラックスとZn含有フィン4により必要最低限のZn量を確保する必要がある。そのために、チューブ3に固着されるZn置換フラックスの量は3g/m2〜5g/m2以下とし、フィン4はZn含有量が1.5%〜2%とする。
ここで、チューブ3の表面3aに固着されるZn置換フラックスの量を3g/m2〜5g/m2以下とした理由は、Zn置換フラックスの量を5g/m2を超えて塗布しても反応が進まず期待するZn拡散層が得られないからである。また、Zn置換フラックスの量を3g/m2より少なく塗布すると、熱交換チューブ表面に供給されるZn量が不足して十分な犠牲防食層を確保できなくなる。
また、フィン4のZn含有量が2%を超えると、チューブ3との電位差が大きくなってフィン4の腐食が相対的に早まり、フィン4の脱落を早めさせてしまうからである。また、フィンはZn含有量が1.5%より少ないと、電位を熱交換チューブ表面(犠牲防食層)よりも「卑」とすることが達成できなくなる。
また、上記熱交換器1において、適切な電位差を保持して耐食性を確保し、併せてろう付け時の強度を維持するためには、チューブ3は、Cu含有量が0.35%〜0.43%、Mn含有量が0.02以下、Zr含有量が0.02%〜0.06%である方が好ましい。
ここで、Cu含有量を0.35%〜0.43%とした理由は、Cuは、押出形材に80N/mm2以上の強度を与えるために添加する。またZnと同様に孔食電位の保持に寄与する元素であって、好ましい孔食電位を確保するには0.35%以上含有させることが必要である。しかしこのCuが多量となるとSiと同様に金属間化合物を発生させ、押出圧力増加を必要として押出速度が低下することとなるので0.43%以下に制限することが必要である。
Mn含有量を0.02以下とした理由は、Mnを過度に投入すると、CuやZrと相俟って押出性を悪化させるため、これを避けるために含有量を0.02%以下とした。
Zr含有量を0.02%〜0.06%とした理由は、Zrは、高温条件下における有効な材料強度を得しめ、また押出中に微細な30μm以下のような微細再結晶粒を得しめるものであり、押出性特に高速での押出時における表面肌荒れ防止に効果を有するものであって、押出速度向上のために非常に大切な元素である。このためには0.02%以上が必要である。一方その上限を0.06%とすることによって他の元素との間における金属間化合物の発生を的確に制御し、押出力増大を回避して薄肉複雑な微小断面構造材としてピックアップ等の欠陥部の発生を防止し好ましい特性を得しめるもので、特に0.06%以下としたことにより熱交換器押出チューブとして適切な製品を得ることができる。
次に、チューブ3とフィン4のろう付けに最適な耐食性とろう付け性についての評価試験を行った結果について説明する。
<実験試料>
・熱交換器コア:約300mm×360mm
・フィン:コルゲートフィン
・チューブ間距離:約7mm
<評価試験1>
チューブ表面Zn濃度0.1%〜1.2%、チューブ表面Zn拡散深さ20μm〜100μm、チューブ芯,チューブ表面,フィンの電位関係及び電位差40mV〜60mVの範囲にある比較例I−1〜I−12と、実施例I−1〜I−7について、電位差40mV〜60mVの範囲内(○)、範囲外(×)と、熱交換器耐食性についての3評価(○,△,×)を調べたところ、表1に示すような結果が得られた。
Figure 0005834624
上記評価試験1の結果、チューブ表面Zn濃度が0.3%〜1.0%であり、チューブ表面Zn拡散深さが80μm以下であり、フィン,チューブ表面及びチューブ芯部の電位が、(貴)チューブ芯部>チューブ表面>フィン(卑)の関係にあり、かつ、ろう付け後のチューブ芯部とチューブ表面、及びチューブ表面とフィンの電位差が、40mV〜60mVの範囲である実施例I−1〜I−7においては、十分な耐食性が得られた。これに対して、上記範囲から外れた比較例I−1〜I−12においては、十分な耐食性は得られなかった。
<評価試験2>
次に、耐食性について良好な結果が得られた実施例I−3すなわち、チューブ表面Zn濃度が0.7%、チューブZn拡散深さが60μm、フィン,チューブ表面及びチューブ芯部の電位が、(貴)チューブ芯部>チューブ表面>フィン(卑)の関係にあり、かつ、ろう付け後のチューブ芯部とチューブ表面、及びチューブ表面とフィンの電位差が、40mV〜60mVの範囲にあるサンプルについて以下の評価試験2を行った。
すなわち、Zn置換フラックス塗布量1g/m2〜10g/m2、フィンZn含有量1.0%〜3.0%にある比較例II−1〜II−9と、実施例II−1〜II−5について、Zn置換フラックス反応{一般に、KZnF3+(Al)→KalF4+(Zn)の反応式で現される}と、フィン−チューブ表面電位差{40mV〜60mV}と、3段階の総合判定を調べたところ、表2に示すような結果が得られた。
Figure 0005834624
上記評価試験2の結果、Zn置換フラックス塗布量が3g/m2〜5g/m2、フィンZn含有量が1.5%〜2%の範囲である実施例II−1〜II−5においては、Zn置換フラックス反応、フィン-チューブ表面電位差及び総合評価において満足な結果が得られた。これに対して、上記範囲から外れた比較例II−1〜II−9においては、Zn置換フラックス反応、フィン-チューブ表面電位差及び総合評価において満足な結果が得られなかった。
<評価試験3>
次に、評価試験2において良好な結果が得られた実施例II−2すなわち、Zn置換フラックス塗布量4g/m2、フィンZn含有量1.8%の範囲にあるサンプルについて以下の評価試験3を行った。
すなわち、チューブ組成のCu含有量が0.30%〜0.45%、Mn含有量が0.02%〜0.05%、Zr含有量が0.01%〜0.10%の範囲にある比較例III−1〜III−7と、実施例III−1〜III−2について、電位差、チューブ耐食性、ろう付性、押出性及び総合判定を調べたところ、表3に示すような結果が得られた。
Figure 0005834624
上記評価試験3の結果、Cu含有量が0.35%〜0.43%、Mn含有量が0.02以下、Zr含有量が0.02%〜0.06%である実施例III−1〜III−2においては、電位差、チューブ耐食性、ろう付性、押出性及び総合判定において満足な結果が得られた。これに対して、上記範囲から外れた比較例III−1〜III−7においては、電位差、チューブ耐食性、ろう付性、押出性及び総合判定において満足な結果が得られなかった。
1 熱交換器
2a,2b ヘッダーパイプ
3 熱交換チューブ
3a チューブ表面
3b チューブ芯部
4 コルゲートフィン
D 拡散深さ

Claims (2)

  1. Cu,Mn,Zr等を含有するアルミニウム合金製の熱交換チューブと、ろう材をクラッドしないZn含有のフィンとを、上記熱交換チューブ表面に設けられた、Si粉末、非腐食性フラックス、Zn置換フラックスを介して接合された状態の熱交換器であって、
    上記熱交換チューブは、Cu含有量が0.35%〜0.43%、Mn含有量が0.02%以下、Zr含有量が0.02%〜0.06%であり、
    上記熱交換チューブ表面におけるZn濃度が0.3%〜1.0%であり、
    上記熱交換チューブ表面におけるZn拡散深さが80μm以下であり、
    上記フィン、熱交換チューブ表面及び熱交換チューブ芯部の電位が、
    (貴)熱交換チューブ芯部>熱交換チューブ表面>フィン(卑)の関係にあり、
    かつ、上記熱交換チューブ芯部と熱交換チューブ表面、及び上記熱交換チューブ表面とフィンの電位差が、それぞれ40mV〜60mVの範囲である、ことを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1記載の熱交換器において、
    上記熱交換チューブ表面に設けられたZn置換フラックスの塗布量は3g/m2〜5g/m2であり、上記フィンはZn含有量が1.5%〜2%である、ことを特徴とする熱交換器。
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