JP5834153B1 - 電動モータ用ブラシばね及びそれを用いた電動モータ - Google Patents

電動モータ用ブラシばね及びそれを用いた電動モータ Download PDF

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Abstract

【課題】ブラシ摩耗可能領域におけるブラシ押圧力の差を小さくし得る電動モータ用ブラシばね及びそれを用いた電動モータを提供する。【解決手段】本発明の電動モータ用ブラシばね40は、片持ち梁状の可動アーム部42(アーム部)と、可動アーム部42の基端とコイル部42aを介して整流子15の軸線O1に対して平行な位置関係となるようにエンドキャップ20(キャップ部材)に取り付けられるばね本体41(ねじり棒ばね部)とを備える。可動アーム部42の押圧部42b(自由端)は、ばね本体41の軸線O2周りのねじりによる復元力に抗しつつブラシ30に係合され、ばね本体41のねじりによる復元力に基づいて、ブラシ30の摩耗量が0である初期位置からブラシ30の摩耗量が所定量に達した終期位置にわたり、ブラシ30の摩耗に応じてばね本体41の軸線O2周りに変位する。【選択図】図2

Description

本発明は、電動モータ用ブラシばね及びそれを用いた電動モータに関し、特にブラシを整流子に向けて押圧するタイプの電動モータ用ブラシばね及びそれを用いた電動モータに関する。
電動モータ用ブラシばねとして、例えば下記特許文献1に記載されているように、ねじりコイルばねによりブラシを整流子に向けて押圧するものが知られている。この電動モータ用ブラシばねによれば、コイル巻数を調整することにより、ばね定数を小さく設定することが可能である。なお、ばね定数が小さいと、ブラシ摩耗可能領域におけるブラシ押圧力の差、つまりブラシ摩耗量が0であるときばねからブラシへ付与される押圧力と、ブラシ摩耗量が所定量に達したときの押圧力との差を小さくすることができる。これにより、常にブラシを安定した押圧力で押すことが可能となって、ブラシの摩耗を抑制することが可能となる。
特許第4425375号公報
しかし、電動モータ用ブラシばねとしてねじりコイルばねを用いたものは、ブラシ摩耗可能領域におけるブラシ押圧力の差が大きくなりやすく、ブラシの摩耗が促進されやすいという問題があった。すなわち、ブラシ摩耗量が小さい領域では、コイルの有効直径が小さくなることに起因してばね定数が指数関数的に増大するばね特性を示すため、ブラシ押圧力が強くなる。これにより、整流子との摩擦によるブラシの摩耗が促進されやすかった。他方、ブラシ摩耗量が大きい領域では、アームの自由端がブラシを押圧する力の向きが整流子の軸線(中心線)からそれる傾向にあり、ブラシ押圧力が弱くなる。これにより、ブラシが断続的に整流子に接触するようになって電蝕によりブラシの摩耗が促進されやすかった。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、ブラシ摩耗可能領域におけるブラシ押圧力の差を小さくすることで、ブラシの摩耗を良好に抑制し得る電動モータ用ブラシばね及びそれを用いた電動モータを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するために本発明の電動モータ用ブラシばねは、
整流子の軸線に対してねじれの位置関係となるように電動モータのキャップ部材に取り付けられる片持ち梁状のアーム部と、アーム部の基端とは、直接接続され、又はコイル部を介して間接的に接続され、整流子の軸線に対して平行な位置関係となるようにキャップ部材に取り付けられるねじり棒ばね部と、アーム部の基端が接続された端部とは反対側のねじり棒ばね部の端部に接続された固定アーム部と、を備え、
キャップ部材の外壁面には、ねじり棒ばね部を収容する整流子の軸線と平行な側面側のスリットが形成され、
キャップ部材の後部の仕切壁の後面側には、固定アーム部を収容する後面側のスリットが形成され、
固定アーム部が仕切壁の後面側のスリットに収容にされて固定された状態で、アーム部の移動によるねじり力が、キャップ部材の外壁面側に位置するねじり棒ばね部の軸線周りに形成され、
アーム部の自由端は、ねじり棒ばね部の軸線周りのねじりによる復元力に抗しつつブラシに係合され、ねじり棒ばね部のねじりによる復元力に基づいて、ブラシの摩耗量が0である初期位置からブラシの磨耗量が所定量に達した終期位置にわたり、ブラシの摩耗に応じてねじり棒ばね部の軸線周りに変位することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、ねじり棒ばね部の軸線からアーム部の自由端までの距離が、初期位置から終期位置にわたるアーム部の自由端の変位距離に比べて長く設定されていることを特徴とする。
本発明の電動モータ用ブラシばねでは、ねじり棒ばね部が主要部として設けられている。ねじり棒ばね部が主要部であると、ばねの変位とばねからブラシに付与される押圧力との間に線形の関係がある(ばね定数がほぼ一定となる)ことが本発明者らの試験によって明らかとなった。したがって、アーム部の自由端がねじり棒ばね部のねじりによる復元力に基づいて変位する構成としつつ、ばね定数を小さく設定することで、ブラシ磨耗可能領域におけるブラシ押圧力の差を小さくすることができる。これにより、整流子との摩擦力が小さくなってブラシの摩耗を抑制することが可能である。
本発明の実施例1に係る電動モータ用ブラシばねを適用した電動モータの縦断面図。 図1の電動モータを構成するエンドキャップの平面図。 図2のIII−III断面図。 図2のIV矢視図。 図2の底面図。 (a)は図1の電動モータ用ブラシばねの平面図。(b)は(a)の正面図。(c)は(a)の側面図。 可動アーム部の押圧部が終期位置に達したときのブラシ押圧力の作用方向を示す説明図。 従来のねじりコイルばねにおける図7に対応した説明図。 本発明の実施例1に係るブラシばねに加えられる力と変位との関係を求めるための試験状況を示す説明図。 図9の試験結果を示すグラフ。 実施例1の変形例に係る電動モータ用ブラシばねを示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の電動モータ用ブラシばねを適用した電動モータ1の縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の左方を電動モータ1の前方、図1中の右方を電動モータ1の後方とし、図2中の上方を電動モータ1の上方、図2中の下方を電動モータ1の下方とし、図2中の左方を電動モータ1の左方、図2中の右方を電動モータ1の右方とする。
電動モータ1は、モータハウジングとしての電動モータ1の前方に配置されるモータケース10と、その後方に配置されるエンドキャップ20とを備え、エンドキャップ20に組み付けられる1対のブラシ30及びブラシばね40を含んで構成されている。
モータケース10は、平面視にて略小判形あるいはトラック形(一対の円弧状壁及び直線状壁で外形が規定される)をなす筒形状のものであり、例えばアルミニウム等の金属で形成され、前方が底壁10aにより閉じられる一方、エンドキャップ20が接続される後方が開口部10bとされており、側面には磁気シールドリング10cが外嵌されている。
モータケース10の各円弧部に対応した内周面には、円弧形状の永久磁石11が固定され、各永久磁石11の内側には、ロータ12が介装されている。ロータ12は、そのシャフト12aの前端部が軸受13を介してモータケース10に支持され、シャフト12aの後端部が軸受14を介してエンドキャップ20に支持されており、モータケース10及びエンドキャップ20に対してシャフト12aの軸線O1周りに回転可能とされている。シャフト12aの中間部には、ロータコア12b及び電機子巻線12cが固定され、シャフト12aの後端部には、電機子巻線12cに接続した軸線O1と同軸の整流子15が固定されている。
図1〜図3に示されるように、エンドキャップ20(キャップ部材)は、モータケース10の開口部10bに対応した、平面視にて略小判形あるいはトラック形の筒形状をなし、一対の円弧状壁20a及び直線状壁20bを有している。エンドキャップ20は、例えば硬質の合成樹脂材料により形成され、モータケース10の開口部10bの内側に嵌め合わされる。エンドキャップ20の内周部であって軸線O1方向の中間部には、軸受14を組み付けるためのボス部21を有し、軸線O1と直交する態様でエンドキャップ20の内部を前後に仕切る仕切壁22が一体形成されている。
各円弧状壁20aは、仕切壁22の前面側が矩形状に切り取られ、その切り取られた部位とボス部21の周辺近傍との間には、段付き形状の凸部23が一体形成されている。凸部23は、仕切壁22の前面から前方へ向けて突出するベース部24と、このベース部24の前面から更に前方へ向けて突出する枠状部25とを備えている。
ベース部24とエンドキャップ20の前端縁との間には、後述するブラシばね40における可動アーム部42のコイル部42aを収容するためのスペースSが形成されている。枠状部25は、ブラシ30の外形形状に対応させて、枠内がブラシ30をエンドキャップ20の半径方向へ挿通可能な長方形状に形成され、その内周面25aがブラシ30を半径方向外側から半径方向内側へ誘導するガイド壁として機能する。
枠状部25の前壁には、前方へ突出する突出片25bが設けられている。突出片25bに対しては、後述するブラシばね40における可動アーム部42の押圧部42bが係合可能とされている。また、枠状部25の上壁(下壁)には、円弧状壁20a側には開口するが、ボス部21側には開口しない切欠き25cが形成されている。
切欠き25cは、ブラシ30の摩耗に伴う、可動アーム部42の押圧部42bの移動が枠状部25の上壁(下壁)により規制されないように機能する。可動アーム部42の押圧部42bが切欠き25cの切欠き底25dに接触した後は、ブラシ30に対してブラシばね40による押圧力が付与されなくなる(図2の実線参照)。切欠き底25dは押圧部42bのストッパとして機能し、切欠き底25dに接触した押圧部42bの位置が、ブラシ摩耗量が所定量に達したときの終期位置とされている。
これに対して、未だブラシ摩耗量が0であるときの押圧部42bの位置が、初期位置(図2の二点鎖線参照)とされている。なお、押圧部42bが終期位置に達しても、ばね本体41のねじり力は極僅かではあるが残されている。また、押圧部42bが終期位置に達した状態では、押圧部42bにおいて最も突出した部位である円弧頂点部が枠状部25の内壁の端面からボス部21側へはみ出さないように設定されている。
図3及び図4に示されるように、エンドキャップ20の円弧状壁20aの外周部には、軸線O1と平行な位置関係をなし、かつ円弧状壁20aの前端から後端にわたって所定深さのスリット20cが形成されている。また、図6に示されるように、各円弧状壁20aは、仕切壁22の後面側が肉厚部20dとされ、肉厚部20dには、その後端面側及び側方に開口する止まり孔状のスリット20eが形成されている。
各ブラシ30は、略直方体状をなし、エンドキャップ20の枠状部25に挿通された状態で半径方向外側(図1中の上下方向)に位置する外側端部に、半径方向内方へ向かうに従って先細りとなるV字状の係合溝31が形成されている。係合溝31に対しては、後述するブラシばね40における可動アーム部42の押圧部42bが係合可能とされている。
各ブラシばね40は、図6(a)〜6(c)に示されるように、ばね本体41、可動アーム部42及び固定アーム部43を含んで構成されている。ばね本体41は、直線の棒状で円形断面(線径は例えば0.3〜0.5mm程度、本実施例1では約0.35mmに設定)を有し、エンドキャップ20のスリット20cに収容される。すなわち、ばね本体41は、整流子15の軸線O1に対して平行な位置関係となるようにエンドキャップ20に取り付けられる。ばね本体41が本発明のねじり棒ばね部に相当する。
可動アーム部42は、その基端が巻数1のコイル部42aを介してばね本体41の一端に接続される一方、その自由端がブラシ30の係合溝31に係合可能な中心角が約180°の円弧状の押圧部42bとされている。コイル部42aは、ばね定数を所定の大きさに下げるために設けられており、この実施例1では略小判形状あるいはトラック形状に形成されている。ただし、コイル部の形状は、これに限らず、例えば円形や三角形等のループ形状、あるいはループ形状ではない波状のものでもよい。可動アーム部42が本発明のアーム部に相当し、押圧部42bが本発明のアーム部の自由端に相当する。
固定アーム部43は、その基端部がばね本体41の他端に接続される一方、中間部が基端部に対して20〜40°の範囲内で水平に折り曲げられた水平曲げ部43aとされ、先端部がばね本体41と平行に延び出すように水平曲げ部43aに対して直角に折り曲げられた直角曲げ部43bとされている。水平曲げ部43aは、仕切壁22の後面側にて円弧状壁20aに沿うように配置され、水平曲げ部43a及び直角曲げ部43bは、肉厚部20dのスリット20e内に挿入される。
本実施例1のブラシばね40においては、図6(a)に示されるように、可動アーム部42と固定アーム部43とがねじれの位置関係をなすように、ばね本体41が予めねじられている。この場合、可動アーム部42と固定アーム部43とがなす角(ねじり角)θは、例えば平面視にて45〜90°、好ましくは60〜75°に設定されるとよい。本実施例1では、約65°に設定されている。
固定アーム部43の水平曲げ部43a及び直角曲げ部43bがエンドキャップ20のスリット20e内に挿入されると、直角曲げ部43bの先端部はスリット20eからエンドキャップ20の後方へ向けて突出した状態となり(図1参照)、この状態でエンドキャップ20の後端部にはプリント基板50が取り付けられる。直角曲げ部43bは、半田付け等によりプリント基板50の配線に電気的に接続される。これにより、リード線51からブラシばね40、ブラシ30を経由して整流子15へと電流が流れるようになる。
次に、上記のように構成されたブラシばね40をエンドキャップ20に取り付ける方法について説明する。まず、ブラシばね40のばね本体41をエンドキャップ20のスリット20c内に挿入する。可動アーム部42のコイル部42aをスペースSに配置した状態では、ばね本体41の長さが円弧状壁20aの高さよりも短い設定となっているため、スリット20cに挿入されている部位を除き、固定アーム部43の大半がエンドキャップ20の円弧状壁20aの外方へ突出した状態にある。
この状態で、可動アーム部42のコイル部42aをベース部24により圧縮しつつ、コイル部42aの付勢力に抗してばね本体41をエンドキャップ20の後方へ引っ張ることで、固定アーム部43の基端部をエンドキャップ20の円弧状壁20aの後端縁よりも後方へ移動させ、固定アーム部43の全体を円弧状壁20aの内側へ配置することができる。
固定アーム部43の水平曲げ部43a及び直角曲げ部43bを肉厚部20dのスリット20e内に挿入すると、固定アーム部43の拘束に伴いばね本体41にねじり力が発生し、可動アーム部42の押圧部42bが枠状部25の切欠き25c内を移動して、切欠き底25dに接触するようになる(図2の実線参照)。すなわち、ブラシ30が枠状部25の枠内にセットされていない状態で、ブラシばね40がエンドキャップ20にセットされた状態では、ばね本体41のねじり力に基づいて可動アーム部42の押圧部42bが切欠き底25dに接触した状態にある。
ブラシ30を枠状部25の枠内に挿入する場合には、可動アーム部42の押圧部42bをばね本体41のねじり力に抗しつつ枠状部25の枠外へ引っ張り出し、突出片25bに係合させる。これにより、枠状部25内に何もない状態となって、ブラシ30を枠状部25の枠内に挿入することができる。
ブラシ30を枠状部25の枠内に挿入した後、可動アーム部42の押圧部42bをブラシ30の係合溝31に係合させると(押圧部42bを初期位置にセット)、押圧部42bの円弧先端が固定アーム部43の直角曲げ部43bの軸線O3近傍に達するまでばね本体41がねじられることとなり、このねじり力と可動アーム部42の曲げによる力がブラシ押圧力としてブラシ30に作用するようになる。なお、可動アーム部42の曲げによる力は、ばね本体41のねじり力に比べて小さく設定されている。
図7に示されるように、ばね本体41の軸線O2から押圧部42bの円弧頂点部までの距離L1(以下、アーム長L1ともいう)は、ブラシ摩耗量が所定量に達するまでの押圧部42bの変位、すなわち初期位置から終期位置にわたる押圧部42bの変位距離Dに比べて長く設定されている。可動アーム部42の回転角に換算すれば、θ1=30〜45°に設定されている。なお、図7ではブラシばね40の固定アーム部43を省略してある。
このように可動アーム部42のアーム長L1を押圧部42bの変位距離Dよりも長く設定できるのは、ブラシばね40をねじり棒ばね状のものとして、ねじり中心となる軸線O2の位置を押圧部42bから遠ざけ、アーム長L1を確保することでばね定数の大きさを調整(ばね定数を小さく設定)するようにしたからである。このような構成により、押圧部42bの終期位置において押圧部42bによるブラシ押圧方向を整流子15の軸線O1方向に接近させることができる。換言すれば、終期位置における押圧部42bによるブラシ押圧力Fの軸線O1方向に向かう力の成分F1を大きく設定することが可能となって、電蝕によるブラシ30の摩耗を効果的に抑制することができる。
これに対して、図8に示されるようなねじりコイルばね400は、コイル部420aの巻数によりばね定数の大きさを調整(ばね定数を小さく設定)するものである。ねじりコイルばね400(円形断面を有し、線径が約0.35mm)の初期位置におけるブラシ押圧力を本実施例1のブラシばね40のブラシ押圧力とほぼ同じ大きさとし、かつ変位距離Dもほぼ同じ大きさに設定した場合、エンドキャップ内におけるねじりコイルばね400の収容スペースとの関係上、コイル部420aの中心O2’から押圧部420bの円弧頂点部までの距離L2が押圧部420bの変位距離Dよりも短くなっていた。
これにより、押圧部420bによる終期位置でのブラシ押圧方向が整流子15の軸線O1方向から離れてしまい、ブラシ押圧力F’の軸線O1方向に向かう力の成分F1’を大きく設定することができなかった。このため、押圧部420bが終期位置に近づくに従ってブラシを強い力で押すことができなくなり、ブラシが断続的に整流子と接触することとなって、電蝕によるブラシ摩耗が促進されやすかった。
図9は、ブラシばね40の固定アーム部43を所定の治具JTに固定した状態で、可動アーム部42の押圧部42bをテンションゲージTGで引っ張り、押圧部42bの円弧先端が固定アーム部43の直角曲げ部43bの軸線O3近傍に達するまで、すなわち押圧部42bがその原位置(上記終期位置よりも更に回転を進めた押圧部42bが自由状態に復帰した位置)から上記初期位置を若干量だけ超えた最大引張位置に達するまでの押圧部42bの変位(ブラシ摩耗量に相当)とブラシばね40に加えられる力(ブラシ押圧力に相当)との関係を求めるための試験状況を示す。図示は省略するが、図8に示したねじりコイルばね400においても、図9と同様の試験を行った。なお、ブラシばね40とねじりコイルばね400は、最大引張位置に達するまでの力がほぼ同じ大きさとなるものを採用した。図10にその試験結果を示す。
図10中、変位B1からB2にわたる領域は、実機でのブラシ30の使用範囲を示し、押圧部42bによる初期位置から終期位置までのブラシ摩耗可能領域とほぼ対応している。以下、変位B1からB2にわたる領域をブラシ摩耗可能領域BAという。変位B2は、ブラシ摩耗量が0のときの押圧部42bの初期位置に対応し、変位B1は、押圧部42bの終期位置から少しだけ手前の位置(押圧部42bが切欠き底25dに接触していない、ブラシ押圧力が未だ0になっていない位置)に対応する。
図10から明らかなように、ねじりコイルばね400は、ブラシ摩耗量が小さいB2付近の領域では、コイル部420a(図8参照)の有効直径が小さくなることに起因して、ばね定数が線形的に大きくならず指数関数的に増大するばね特性を示す。
他方、ブラシ摩耗量が大きいB1付近の領域では、アーム部420の押圧部420bがブラシ30を押圧する力の向きが整流子の軸線O1からそれることに起因して、ブラシ押圧力が弱くなり過ぎる。これにより、ブラシ摩耗可能領域BAにおけるブラシ押圧力の差Δが大きくなりやすい(図10ではΔ=51gf)。
これに対し、ブラシばね40は、ばね定数がほぼ一定であり、その変位とブラシ30に作用する力とが線形の特性を示す。これにより、ブラシ摩耗可能領域BAにおけるブラシ押圧力の差Δがねじりコイルばね400の値に比べて小さくなることが分かる(図10ではΔ=45gf)。
以上の説明からも明らかなように、本実施例1のブラシばね40では、ねじり棒ばね部としてのばね本体41が主要部として設けられ、可動アーム部42の押圧部42bがばね本体41のねじりによる復元力に基づいて変位するように構成されている。このような構成により、ブラシ摩耗可能領域BAにおけるブラシ押圧力の差Δを小さくすることができる。その結果、整流子15との摩擦力が小さくなってブラシ30の摩耗を抑制することができる。
また、上記実施例1では、可動アーム部42のアーム長L1(ばね本体41の軸線O2から押圧部42bの円弧頂点部までの距離L1)が、初期位置から終期位置までの押圧部42bの変位距離Dに比べて長く設定されている。このような構成により、ブラシ摩耗量が大きい領域でも、可動アーム部42の押圧部42bがブラシ30を押圧する力の向きを整流子15の軸線O1に近づける設定が容易となり、整流子15の軸線O1に向かう力の成分F1を確保することができる。その結果、ブラシ30と整流子15との断続的な接触を回避することができ、ブラシ摩耗量が大きいB1付近の領域でもブラシ30と整流子15との連続した接触を維持することが可能となって、電蝕によるブラシ摩耗を抑制することができる。
また、上記実施例1の電動モータ1では、ブラシばね40によりブラシ30が整流子15に向けて押圧されるように構成されている。このような構成により、ブラシ摩耗可能領域BAにおけるブラシ押圧力の差Δを小さくしつつ、ブラシ摩耗量が大きいB1付近の領域においてブラシ30と整流子15との連続した接触が維持される。その結果、ロータ12の回転の安定化、ひいては電動モータ1の寿命向上を図ることができる。
なお、上記実施例1では、ブラシばね40がコイル部42aを備えていたが、設定するばね定数の大きさによっては、コイル部42aは適宜省略することができる。また、アーム部の自由端は、円弧状の押圧部42bとする場合に限らず、例えば二辺で形成される先細り(尖り)形状の他、直線形状などでもよい。直線形状の場合は、その先端をアーム部の自由端と定義することができる。また、図11のブラシばね140に示されるように、ねじり棒ばね部としてのばね本体141をエンドキャップ20に固定することにより、固定アーム部を省略し、ばね本体141と可動アーム部142のみの構成とすることも可能である。
また、上記実施例1では、本発明の電動モータ用ブラシばねを、ねじり棒ばね部としてのばね本体41を主要部とするブラシばね40に適用した場合について説明したが、可動アーム部のアーム長を初期位置から終期位置にわたるアーム部の自由端の変位距離に比べて長く設定するという構成に関しては、ねじりコイルばねに適用することも可能である。この場合、例えばねじりコイルばねにおけるコイル部の中心からアーム部の自由端までの距離を初期位置から終期位置にわたるアーム部の自由端の変位距離に比べて長く設定することができる。このような構成のねじりコイルばねにおいても、上記実施例1と同様、ブラシ摩耗量が大きい領域にてブラシ30と整流子15との連続した接触を維持することが可能となって、電蝕によるブラシ摩耗を抑制することができる。
その他、本発明は上記実施例1及びその変形例に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えた態様で実施することが可能である。
1 電動モータ
10 モータケース
12 ロータ
12a シャフト
15 整流子
20 エンドキャップ(キャップ部材)
20a 円弧状壁
20c,20e スリット
22 仕切壁
23 凸部
24 ベース部
25 枠状部
25c 切欠き
25d 切欠き底
30 ブラシ
31 係合溝
40 ブラシばね
41 ばね本体(ねじり棒ばね部)
42 可動アーム部(アーム部)
42a コイル部
42b 押圧部(自由端)
43 固定アーム部
43a 水平曲げ部
43b 直角曲げ部
50 プリント基板

Claims (5)

  1. 整流子の軸線に対してねじれの位置関係となるように電動モータのキャップ部材に取り付けられる片持ち梁状のアーム部と、
    前記アーム部の基端とは、直接接続され、又はコイル部を介して間接的に接続され、前記整流子の軸線に対して平行な位置関係となるように前記キャップ部材に取り付けられるねじり棒ばね部と、
    前記アーム部の基端が接続された端部とは反対側の前記ねじり棒ばね部の端部に接続された固定アーム部と、を備え、
    前記キャップ部材の外壁面には、前記ねじり棒ばね部を収容する前記整流子の軸線と平行な側面側のスリットが形成され、
    前記キャップ部材の後部の仕切壁の後面側には、前記固定アーム部を収容する後面側のスリットが形成され、
    前記固定アーム部が前記仕切壁の前記後面側のスリットに収容にされて固定された状態で、前記アーム部の移動によるねじり力が、前記キャップ部材の外壁面側に位置する前記ねじり棒ばね部の軸線周りに形成され、
    前記アーム部の自由端は、前記ねじり棒ばね部の軸線周りのねじりによる復元力に抗しつつブラシに係合され、前記ねじり棒ばね部のねじりによる復元力に基づいて、前記ブラシの摩耗量が0である初期位置から前記ブラシの摩耗量が所定量に達した終期位置にわたり、前記ブラシの摩耗に応じて前記ねじり棒ばね部の軸線周りに変位することを特徴とする電動モータ用ブラシばね。
  2. 前記ねじり棒ばね部の軸線から前記アーム部の自由端までの距離が、前記初期位置から前記終期位置にわたる前記アーム部の自由端の変位距離に比べて長く設定されている請求項1に記載の電動モータ用ブラシばね。
  3. 前記初期位置から前記終期位置にわたる前記アーム部の回転角が30〜45°の範囲内に設定されている請求項1に記載の電動モータ用ブラシばね。
  4. 前記アーム部は、その基端が巻数1の前記コイル部を介して前記ねじり棒ばね部に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電動モータ用ブラシばね。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電動モータ用ブラシばねの前記アーム部は、前記ブラシを誘導するガイド壁として機能する枠状部に形成した切欠きに挿入され、前記アーム部は前記切欠き内を移動して、前記枠状部で誘導される前記ブラシ前記整流子に向けて押圧ることを特徴とする電動モータ。
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