JP5832338B2 - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、XYテーブルの精密位置決め装置等に用いられる圧電アクチュエータに関するものである。
圧電アクチュエータとして、例えば、圧電体層および内部電極層が複数積層された積層体と、この積層体の側面に積層方向にそれぞれ被着されて内部電極層が一層おきに交互に電気的に接続された一対の外部電極とを含む圧電素子を、金属ケースの内部に封入したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この金属ケースは、筒体、蓋体等の部材をレーザー溶接や抵抗溶接で溶接してなる。
特開2002−58261号公報
ここで、図6に示すように、金属ケースにおける溶接部では、隣り合う溶接スポット71と溶接スポット71とが一部重なって重複部72を形成するようにして、複数の溶接スポット71が金属ケースの外周に連続して設けられる。
このような圧電アクチュエータでは、駆動による変位で溶接部に過大な引張り応力(図に示す矢印)が加わると、隣り合う溶接スポット71の周縁と溶接スポット71の周縁とが交わる部位(重複部の端部721)に亀裂が入るおそれがあった。さらに、この亀裂が隣の重複部の端部721の亀裂と繋がるように進展してしまうおそれもあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は引張り応力による溶接部の亀裂の発生を抑制することのできる圧電アクチュエータを得ることである。
本発明は、圧電素子と、該圧電素子を内部に収容する金属ケースとを備えた圧電アクチュエータにおいて、前記金属ケースは、少なくとも一方の端部が開口する筒状のケース本体と、該ケース本体の一方の端部を塞ぐように前記ケース本体に嵌合され、該嵌合された
部位で複数の円形状の接合部によって前記ケース本体に接合された蓋体とを有する有底筒状のケースであり、り合う前記円形状の接合部前記円形状の接合部とが一部重なって重複部を形成するようにして、複数の前記円形状の接合部が前記金属ケースの外周に直線状に連続して設けられてなり、隣接する前記円形状の接合部とは伸縮方向に対して異なる位置に配置された前記円形状の接合部が分散して設けられており、一の重複部と該一の重複部とは異なる面積の他の重複部とが一つの前記円形状の接合部内に分散して設けられており、一の重複部の一端および他端を結ぶ軸は、他の重複部の一端および他端を結ぶ軸と向きが異なっていることを特徴とするものである。
また本発明の圧電アクチュエータは、上記の構成において、伸縮方向に対してそれぞれが異なる位置かつ略直線上に配置された少なくとも3つの連続する前記円形状の接合部からなる接合部群が、分散して設けられていることを特徴とするものである。
また本発明の圧電アクチュエータは、上記の構成において、それぞれの前記円形状の接合部の中心を結ぶ線がジグザグ状となるように配置された少なくとも3つの連続する前記円形状の接合部からなる接合部群が、分散して設けられていることを特徴とするものである。
本発明の圧電アクチュエータによれば、重複部の端部同士(一端および他端)を結ぶ軸が圧電素子の伸縮方向に対して斜めになることで、重複部の端部にかかる応力は分散して弱くなる。したがって、重複部の端部に亀裂が発生するのを抑制するとともに、隣の重複部の端部にかけて亀裂が進展するのを抑制することができる。
(a)は本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の一例を示す概略断面図であり、(b)は図1に示す溶接部の一例の要部拡大図である。 図1に示す圧電素子の概略斜視図である。 図1に示す溶接部の他の例の要部拡大図である。 図1に示す溶接部の他の例の要部拡大図である。 図1に示す溶接部の他の例の要部拡大図である。 図1に示す溶接部の他の例の要部拡大図である。
以下、本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の例について図面を参照して説明する。
図1(a)は本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の一例を示す概略断面図であり、図1(b)は図1に示す溶接部の拡大図である。
図1に示す圧電アクチュエータ1は、圧電素子2と、圧電素子2を内部に収容する金属ケース3とを備えた圧電アクチュエータにおいて、金属ケース3は外周に溶接部を有する有底筒状のケースであり、溶接部4は、隣り合う溶接スポット41と溶接スポット41とが一部重なって重複部42を形成するようにして、複数の溶接スポット41が金属ケース3の外周に連続して設けられてなり、隣接する溶接スポット41とは伸縮方向に対して異なる位置に配置された溶接スポット41が分散して設けられていることを特徴とするものである。
圧電素子2は、図2に示すように、例えば圧電体層21と内部電極層22とが交互に複数積層された活性部25と、活性部25の積層方向の両端に積層された圧電体層21からなる(内部電極層22を含まない)不活性部26とを有する積層体20を備えた積層型の圧電素子である。ここで、活性部25は駆動時に圧電体層21が積層方向に伸長または収縮する部位であり、不活性部26は駆動時に圧電体層21が積層方向に伸長または収縮しない部位である。
圧電素子2を構成する積層体20は、例えば縦4〜7mm、横4〜7mm、高さ20〜50mmの直方体状に形成されている。なお、図2に示す積層体20は四角柱形状であるが、例えば六角柱形状や八角柱形状などであってもよい。
積層体20を構成する複数の圧電体層21は、圧電特性を有する圧電磁器(圧電セラミックス)からなり、当該圧電磁器は平均結晶粒径が例えば1.6〜2.8μmに形成され
たものである。圧電磁器としては、例えばPbZrO−PbTiO(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなるペロブスカイト型酸化物、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などを用いることができる。
また、内部電極層22は、例えば銀、銀−パラジウム合金、銀−白金、銅などで形成されたものであり、正極と負極(もしくはグランド極)とがそれぞれ積層体20の対向する一対の側面に互い違いに導出されている。この構成により、活性部25において、積層方向に隣り合う内部電極層22同士の間に挟まれた圧電体層21に駆動電圧を印加するものである。
なお、積層体20には、応力を緩和するための層であって内部電極層22として機能しない金属層等が含まれていてもよい。
そして、内部電極層22の正極と負極(もしくはグランド極)とが互い違いに導出された積層体20の対向する一対の側面には、それぞれ外部電極23が被着され、導出された内部電極層22と接合されている。外部電極23は、例えば銀およびガラスの焼結体からなる導体層であり、内部電極層22との電気的に導通されている。なお、図1に示すように、外部電極23にはリード線13が例えばはんだ15によって取り付けられていて、リード線13を介して駆動電圧を印加するようになっている。
一方、積層体20の対向する他の一対の側面には、内部電極層22の正極および負極(もしくはグランド極)の両極が達しており、この側面には例えば酸化物からなる被覆層24が形成されている。被覆層24の形成により、駆動時に高電圧をかけた際に発生する両極間での沿面放電を防止することができる。この被覆層24を形成する酸化物としては、セラミック材料が挙げられ、特に、圧電アクチュエータを駆動した際の積層体2の駆動変形(伸縮)に追随でき、被覆層24が剥がれて沿面放電が生じるおそれのないように、応力によって変形可能な材料であることが好ましい。具体的には、応力が生じると局所的に相変態して体積変化して変形可能な部分安定化ジルコニア、Ln1−XSiAlO3+0.5X(Lnは、Sn,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,TmおよびYbのうちから選ばれるいずれか少なくとも一種を示す。x=0.01〜0.3)などのセラミック材料、あるいは、生じた応力を緩和するように結晶格子内のイオン間距離が変化するチタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料が挙げられる。この被覆層24は、例えばインク状にした後、ディッピングやスクリーン印刷によって積層体20の側面に塗布され、焼結することによって形成される。
そして、圧電アクチュエータ1は、図1に示すように、圧電素子2を内部に収容する金属ケース3を備えている。この金属ケース3は、SUS304やSUS316Lなどの金属材料で形成されたもので、外周に溶接部4を有する有底筒状のケースである。
図1に示す例では、金属ケース3は、少なくとも一方の端部が開口する筒状のケース本体31と、ケース本体31の一方の端部を塞ぐようにケース本体31に嵌合され、該嵌合された部位で複数の溶接スポット41からなる溶接部4によってケース本体と溶接された蓋体(上側蓋体)32とを含む構成になっている。この構成によれば、溶接部4を駆動部中心より引張り応力の比較的弱くなるケース本体31の端部にすることになるので、応力の緩和ができ、後述する亀裂の発生をより抑制することができる。
金属ケース3を構成するケース本体31は、所定の形状でシームレス管を作製した後、圧延加工や静水圧プレスなどによりベロー(蛇腹)形状に形成されたものである。このケース本体31は、圧電素子2に電圧を印加した際に圧電素子2(積層体20)の伸縮に追従できるように、所定のバネ定数を有しており、厚み、溝形状および溝数によってそのバ
ネ定数を調整している。そして、ケース本体31の一端側開口は円筒状に形成されたものであるが、ケース本体31の他端側開口は径方向外側に向かって広がるいわゆるラッパ状に形成され、基体(下側蓋体)5に接合されている。
なお、基体(下側蓋体)5は、SUS304やSUS316Lなどの金属材料で円板状に形成されたもので、特に形状に限定はないが、図では周縁部が薄肉になっている。また、基体5にはリードピン17を挿通可能な貫通孔が2つ形成されており、リード線13と電気的に接続されたリードピン17を貫通孔に挿通させて外部電極23と外部とを電気的に導通させている。そして、貫通孔の隙間には軟質ガラス6を充填していて、このリードピン17を固定するとともに、外気の侵入を防いでいる。
また、ケース3を構成する蓋体32は、外径がケース本体31の内径と同じ程度に形成されたもので、ケース本体31の一端側開口に嵌め込まれて、一端側開口の近傍の内壁にその外周を溶接されている。そして、蓋体31には凹部が形成されていて、この凹部に圧電素子2の上端部が当接している。ここで、凹部の内周壁面を覆うように絶縁材33が設けられており、これにより、外部電極23同士の短絡等が防止されている。
そして、ケース本体31と蓋体32とは溶接部4によって溶接されて接合されている。この溶接部4は、隣り合う溶接スポット41と溶接スポット41とが一部重なって重複部42を形成するようにして、複数の溶接スポット41が金属ケース3の外周に連続して設けられてなるものである。
一つの溶接スポット41の直径は例えば0.5〜1.0mmに形成される。また、隣り合う溶接スポット41の中心と溶接スポット41の中心とは周方向に対して例えば0.2〜0.5mm離れた位置になるように形成され、重複部42は一つの溶接スポット41の面積に対して例えば30〜70%の大きさの面積となるように形成される。
そして、隣接する溶接スポット41とは伸縮方向に対して異なる位置に配置された溶接スポット41が分散して設けられている。
このことにより、隣り合う溶接スポット41の周縁と溶接スポット41の周縁とが交わる部位である重複部42の端部421の端部同士(一端および他端)を結ぶ軸(図1(b)に示す波線)が圧電素子2の伸縮方向(図1(b)に示す矢印の方向)に対して斜めになることで、重複部42の端部421にかかる応力は分散して弱くなる。したがって、この重複部42の端部421に亀裂が発生するのを抑制するとともに、隣の重複部42の端部421にかけて亀裂が進展するのを抑制することができる。よって、溶接部4が外れてしまうことはなくなる。
なお、伸縮方向に対して異なる位置に配置された溶接スポット41の中心とこれに隣接する溶接スポット41の中心とは、伸縮方向に対して例えば0.03〜0.5mm離れた位置になるようにするのが効果的である。また、伸縮方向に対して異なる位置に配置された溶接スポット41は、例えば2〜10個毎に1個の割合で周方向に分散して設けられているが、分散状態については等間隔であってもよく、必ずしも等間隔でなくてもよい。また、図に示す例では2個の溶接スポット41が重なるようにして重複部42が設けられているが、3個の溶接スポット41が重なるようにして重複部42が設けられてもよい。
ここで、図3に示すように、伸縮方向に対してそれぞれが異なる位置かつ略直線上に配置された少なくとも3つの連続する溶接スポット41からなる溶接スポット群40が、溶接部4に分散して設けられているのが好ましい。溶接部4に応力の分散を大きくした溶接スポット群40を複数作ることで、溶接スポット群40に含まれる重複部42の端部42
1同士(一端および他端)を結ぶ軸上にかかる応力を小さくすることができる。また、上記構成の溶接スポット群40とすることで、溶接スポット群40以外の領域で仮に亀裂が生じたとしても、図1(b)の構成よりも効果的に亀裂の進展を抑制することができる。なお、図3に示すように、通常は伸縮方向に対して頂点となるような溶接スポット41で折り返すような配置(ちょうど山を形成するような配置)となる。溶接スポット群40における隣接する溶接スポット41のずれ量は、例えば0.03〜0.5mmである。
また、図4に示すように、それぞれの溶接スポットの中心を結ぶ線がジグザグ状となるように配置された少なくとも3つの連続する溶接スポット41からなる溶接スポット群40が、溶接部4に分散して設けられているのが好ましい。このような溶接スポット群40を設けることで、溶接スポット群40の上側および下側のそれぞれにおいて、重複部42の端部421から隣の重複部42の端部421までの溶接スポット41の周縁を経た距離の長い部位と短い部位とを交互に繰り返すような配置とすることができ、かつ溶接スポット群40に含まれる重複部42の端部421同士(一端および他端)を結ぶ軸の向きをばらばらにすることができる。したがって、より連鎖的な亀裂を抑制することができる。
また、図5に示すように、他の重複部42の面積とは異なる面積の重複部42が溶接部に分散して設けられていてもよい。これにより、それぞれの重複部42に集中する応力を分散することができ、隣り同士の重複部42の亀裂が繋がることを防止し、連続する亀裂の発生を防止することができる。
次に、本実施の形態にかかる圧電アクチュエータ1の製造方法について説明する。
まず、圧電体層となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、周知のドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーからセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては、圧電特性を有するものであればよく、例えば、PbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物などを用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオクチル(DOP)などを用いることができる。
次に、内部電極層となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウム合金の金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって、導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて印刷し、次に、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層するとともに積層方向の両端部に導電性ペーストが印刷されていないセラミックグリーンシートを複数枚積層して積層成形体を得る。この積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって積層体が得られる。次に、積層体の側面のうち両内部電極層(正極および負極)が導出された一対の側面に、酸化物のインクをスクリーン印刷によって印刷した後、900〜1200℃で焼成し、被覆層を形成する。酸化物のインクは、酸化物の粉体を溶剤、分散剤、可塑剤、及びバインダーの溶液に分散させた後、3本ロールを数回通すことにより、粉体の凝集を解砕するとともに、粉体を分散させて作製される。
次に、メタライズ層から成る外部電極を形成する。まず、銀粒子およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス含有導電性ペーストを作製し、内部電極層の正極または負極が導出された積層体の対向する一対の側面にスクリーン印刷法によって印刷し、500〜800℃程度の温度で焼き付け処理を行なう。これにより、メタライズ層から成る外部電極を形成して圧電素子2が完成する。
次に、外部電極とリード線をはんだ付けする。また、切削加工にて環状部を形成するとともにおよび穴加工にて貫通孔を形成するような形状の基体(下側蓋体)5を用意し、この基体5に形成された2つの貫通孔にそれぞれリードピンを挿通するとともに隙間に軟質ガラスを充填して固定し、さらに基体の上面に圧電素子の下端部を接着剤で接着する。そして、圧電素子の外部電極にはんだにてはんだ付けしたリード線と基体に取り付けられたリードピンとをはんだで接続する。
次に、SUS304製のシームレスの円筒状のケース本体31に圧延加工によりベロー形状を形成し、この筒体の一端側(上端側)の開口を塞ぐようにSUS304製の蓋体(上側蓋体)32をレーザー溶接によって溶接して、ケース3を作製する。ここで、溶接スポットの大きさおよび重複部の大きさはレーザー出力および照射位置を制御することで調整される。また、溶接時に溶接スポットの中心を伸縮方向にずらすことで、伸縮方向に対して異なる位置に配置された溶接スポットを分散して設けることができる。
次に、基体5に接着した圧電素子2にケース3を被せ、所定の荷重でケース3を引張り、圧電素子2に荷重を加えながら、ケース3と基体5とを抵抗溶接にて溶接する。
次に、ケース3の所定の位置にドリルで不活性ガス注入用の穴を開け、真空チャンバーにて真空引きしてケース3内(収納空間)の酸素を抜いた後、真空チャンバーへ窒素ガスを注入し、ケース3内(収納空間)の窒素パージを行なう。その後、不活性ガス注入用の穴をレーザー溶接で溶接することにより、穴を塞ぐ。
最後に、基体5に取り付けられたリードピンに0.1〜3kV/mmの直流電界を印加し、積層体を分極することによって、本実施の形態の圧電アクチュエータが完成する。そして、リードピンと外部電源とを接続して、圧電体層に電圧を印加することにより、各圧電体層を逆圧電効果によって大きく変位させることができる。
本実施の形態の積層型圧電素子は、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置の精密位置決め装置等として用いられる。
本発明の実施例の一例としての圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。
まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダー及び可塑剤を混合したセラミックスラリーを作製し、ドクターブレード法で厚み150μmの圧電体層となるセラミックグリーンシートを作製した。
このセラミックグリーンシートの片面に、銀−パラジウム合金(銀95質量%−パラジウム5質量%)にバインダーを加えて作製した内部電極となる導電性ペーストを、スクリーン印刷法により印刷したセラミックグリーンシートを300枚積層し、また内部電極となる導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシート300枚を中心にして、その上下に内部電極層となる導電性ペーストが印刷されていないセラミックグリーンシート合計15枚を積層して、積層成形体を作製した。
次に、所定の大きさとなるようにダイシングソーマシンで積層成形体を切断した後、積層成形体を乾燥させ、焼成して積層体を作製した。焼成は、800℃の温度を90分保持した後、1000℃で200分間焼成した。積層体は直方体状であり、その大きさは、端面が縦5mm横5mmであり、高さが35mmであった。
次に、チタン酸ジルコン酸鉛を材料とするインクを作製し、焼成後の厚みが20μmとなるようにスクリーン印刷にて内部電極層の両極が露出している積層体の側面に印刷し、その後1000℃で焼成して積層体の側面に被覆層を形成した。
次に、銀粒子およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス含有導電性ペーストを作製し、これを積層体の側面にスクリーン印刷法によって印刷し、500〜800℃程度の温度で焼き付け処理して外部電極を形成した後、はんだ付けにて外部電極にリード線を接続した。
また、SUS304で円板状の基体を作製した。具体的には、切削にて抵抗溶接される部位となる環状部を設けるとともに、2箇所に貫通孔を形成して、図1に示す形状の基体を作製した。そして、基体に形成された貫通孔に軟質ガラスでリードピンを取り付けた。なお、環状部の厚みは50μmとした。
次に、基体の上面に積層体を接着剤で固定し、外部電極にはんだ付けしたリード線と基体に取り付けられたリードピンとをはんだ付けで接続した。
次に、SUS304で円板状の上側蓋体を作製した。また、SUS316L製のシームレスの円筒に圧延加工によりベロー形状およびラッパ状に広がった鍔部を有する図1(a)に示すようなケース本体と上側蓋体とをレーザー溶接してケースを作製した。
なお、レーザー溶接では、レーザーを射出すると同時に、レーザー射出ユニットの位置を伸縮方向に対して平行移動させることで、異なる位置に配置された溶接スポットを分散して設け、後述するいくつかのパターンの溶接部(試料1〜5)を作製した。
具体的には、試料1の溶接部は、図1(b)に示すように、一つの溶接スポットの直径を0.9mmで周方向に110個設け、伸縮方向に対して異なる位置となる溶接スポットは伸縮方向に0.05mmずらして、周方向に22個ほぼ均等な間隔で設けた。
また、試料2の溶接部は、図3に示すように、一つの溶接スポットの直径を0.9mmで周方向に110個設け、溶接スポット群を構成するそれぞれの溶接スポットを0.05mmずつずらして5個の溶接スポットで山を形成するような配置とし、このような溶接スポット群を周方向に10個ほぼ均等な間隔で設けた。
また、試料3の溶接部は、図4に示すように、一つの溶接スポットの直径を0.9mmで周方向に110個設け、溶接スポット群を構成するそれぞれの溶接スポットを0.05mmずつずらして5個の溶接スポットでW字状の配置とし、このような溶接スポット群を周方向に10個ほぼ均等な間隔で設けた。
また、試料4の溶接部は、図5に示すように、一つの溶接スポットの直径を周方向に110個設け、伸縮方向に対して異なる位置となる溶接スポットを2個ずつずらして、このような2個ずつずらした配置を周方向に20個ほぼ均等な間隔で設けた。なお、ずらした溶接スポットの径は1.0mmで、それ以外の溶接スポットの径は0.9mmであり、他の重複部の面積とは異なる面積の重複部が溶接部に分散して設けられた構成とした。
さらに、試料5(比較例)として、図6に示すように、隣接する溶接スポットとは伸縮方向に対して異なる位置に配置された溶接スポットが設けられていない溶接部のものも作製した。
このケースを基体(下側蓋体)に接着した圧電素子に被せ、所定の荷重でケースを引張り、圧電素子に荷重を印加した後、ケースと基体の環状部との当接部を抵抗溶接で溶接し、圧電素子の封止を行なった。
次に、ケースの所定の位置にドリルで不活性ガス注入用の穴を開け、真空チャンバーにて真空引きしてケース内(収納空間)の酸素を抜いた後、真空チャンバーへ窒素ガスを注入し、ケース内(収納空間)の窒素パージを行なった後、窒素パージ用の穴をレーザー溶接で溶接して穴を塞ぎ、窒素パージを完了させた。
最後に、これらの試料の2本のリードピンに3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行ない、圧電アクチュエータを作製した。
得られた圧電アクチュエータの積層体に170Vの直流電圧を印加したところ、すべての圧電アクチュエータにおいて、積層方向に変位量が得られることを確認した。さらに、これらの圧電アクチュエータについて、50℃の環境下で電圧200V、周波数10Hz、Duty50の矩形波で駆動し続ける連続駆動試験を500時間かけて行なった。
その結果、試料1〜試料4の圧電アクチュエータについては500時間駆動し続け、溶接部に亀裂が生じていないことが確認された。
これに対し、比較例の試料5は、138時間後に駆動が停止し、溶接部の界面での外れが見られた。また、接合部の外れに伴う荷重の片当りにより、圧電素子に割れが見られた。
1・・・圧電アクチュエータ
13・・・リード線
15・・・はんだ
17・・・リードピン
2・・・圧電素子
20・・・積層体
21・・・圧電体層
22・・・内部電極層
23・・・外部電極
24・・・被覆層
25・・・活性部
26・・・不活性部
3・・・ケース
31・・・ケース本体
32・・・蓋体
33・・・絶縁材
4・・・溶接部
41・・・溶接スポット
42・・・重複部
5・・・基体
6・・・軟質ガラス

Claims (3)

  1. 圧電素子と、該圧電素子を内部に収容する金属ケースとを備えた圧電アクチュエータにおいて、
    前記金属ケースは
    少なくとも一方の端部が開口する筒状のケース本体と、
    該ケース本体の一方の端部を塞ぐように前記ケース本体に嵌合され、該嵌合された部位で複数の円形状の接合部によって前記ケース本体に接合された蓋体とを有する有底筒状のケースであり、
    り合う前記円形状の接合部前記円形状の接合部とが一部重なって重複部を形成するようにして、複数の前記円形状の接合部が前記金属ケースの外周に直線状に連続して設けられてなり、
    隣接する前記円形状の接合部とは伸縮方向に対して異なる位置に配置された前記円形状の接合部が分散して設けられており、一の重複部と該一の重複部とは異なる面積の他の重複部とが一つの前記円形状の接合部内に分散して設けられており、一の重複部の一端および他端を結ぶ軸は、他の重複部の一端および他端を結ぶ軸と向きが異なっていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 伸縮方向に対してそれぞれが異なる位置かつ略直線上に配置された少なくとも3つの連続する前記円形状の接合部からなる接合部群が、分散して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. それぞれの前記円形状の接合部の中心を結ぶ線がジグザグ状となるように配置された少なくとも3つの連続する前記円形状の接合部からなる接合部群が、分散して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
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