JP5831787B2 - 地盤改良工法 - Google Patents

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本発明は、軟弱地盤などの地盤の改良を行う地盤改良工法に関する。
従来から、住宅などの構造物を構築する際には、構築場所となる地盤に対して、強度などの調査を行い、調査結果に応じて、地盤の改良が行われる場合がある。地盤の改良を行う方法としては、種々の方法が知られているが、例えば、構築物を支えることが困難な程度に軟弱な地盤に対しては、セメント系固化材と水と土壌とを混合した混合物を地盤に形成した孔内で硬化させて硬化体を形成することで、硬化体が形成された領域の地盤を堅強なものに改良する方法が知られている(特許文献1参照)。
地盤中に硬化体を形成する方法としては、例えば、以下のような方法が採用されている。まず始めに、地盤の表面から所定の深さ位置まで地盤を掘削して孔を形成すると共に、地盤の掘削によって発生した土壌を孔内から排出する。次に、前記所定の深さ位置よりも深い領域を掘削して孔を形成しつつ、セメント系固化材と水とを混練したセメントスラリーを孔内に供給する。そして、前記所定の深さ位置よりも深い領域を掘削することで発生した土壌とセメントスラリーとを孔内で混合して混合物を形成し、該混合物を孔内で硬化させて硬化体を形成する方法が知られている。
前記混合物は、前記所定の深さ位置よりも深い領域の地盤が掘削されて形成された土壌とセメントスラリーとを混合したものであるため、前記所定の深さ位置よりも深い領域の孔の体積よりも体積が大きくなる。つまり、孔内の混合物は、前記所定の深さ位置を越えて孔内を満たした状態となる。このため、このような混合物が硬化することで形成される硬化体は、地盤の所定の深さ位置から地盤表面側へ突出するように形成される。
上記のように形成された硬化体における前記所定の深さ位置よりも突出した部分(以下、硬化体突出部と記す)は、最終的に除去される場合がある。例えば、複数の硬化体を形成した際に、前記所定の深さ位置で硬化体の長さを揃える必要がある場合には、硬化体突出部が除去される。硬化体突出部を除去する方法としては、例えば、前記所定の深さ位置よりも表面側の地盤を除去し、硬化体突出部を地盤の表面に露出させる。そして、露出した硬化体突出部を粉砕等することによって除去する方法が採用されている。
特開平7−233522号公報
しかしながら、上記のような硬化体は、セメント系固化材によって土壌が固められたものであるため、堅強なものであり、硬化体突出部を粉砕等することによって除去する作業が大変手間のかかるものとなっている。
そこで、本発明は、地盤中に硬化体を形成して地盤の改良を行うに際し、地盤孔の深さ方向の所定位置を越えた領域の硬化体を容易に除去することができる地盤改良工法を提供することを課題とする。
本発明に係る地盤改良工法は、セメント系固化材と水と土壌とを混合して流動性を有する混合物を形成し、該混合物を地盤に形成した孔内で硬化させて硬化体を形成することで地盤の改良を行う地盤改良工法において、地盤に形成した孔の深さ方向の所定位置を越えるように孔内に前記混合物が満たされた状態で、該混合物における前記所定位置を越えた領域に、前記硬化体の強度を低下させる強度低下成分としてカルシアクリンカー又はカルシアクリンカー粉砕物の少なくとも一方を添加することを特徴とする。
斯かる構成によれば、地盤に形成された孔の深さ方向の所定位置を越えるように孔内に前記混合物が満された状態で、該混合物における前記所定位置を越えた領域に、強度低下成分を添加することで、混合物が硬化して硬化体が形成された際に、強度低下成分が添加されてなる部分(以下、強度低下部とも記す)の強度のみが脆弱になる。
これにより、強度低下部以外の強度を維持しつつ、強度低下部を自己崩壊させ易く、又は、粉砕し易くすることができる。このため、硬化体を形成した後、硬化体における地盤孔の深さ方向の所定位置を越えた領域(即ち、強度低下部)を除去する必要がある場合、強度低下部が自己崩壊するまで放置したり、強度低下部を粉砕したり、或いは、所定の状態まで自己崩壊させた後に粉砕したりすることによって強度低下部を容易に除去することができる。
また、前記強度低下成分の添加量は、セメント系固化材100重量部に対して重量部
以上70重量部以下であることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、地盤中に硬化体を形成して地盤の改良を行うに際し、地盤孔の深さ方向の所定位置を越えた領域の硬化体を容易に除去することができる。
本実施形態の地盤改良工法を用いて地盤の改良を行う際の地盤の断面図であって、(a)は、掘削ロッドを用いて地盤孔および混合物を形成した状態を示す図、(b)は、混合物における地盤孔の深さ方向の所定位置を越えた領域に強度低下成分を添加して混合した状態を示す図。 同実施形態の地盤改良工法を用いて地盤の改良を行う際の地盤の断面図であって、(a)は、地盤孔内に硬化体が形成された状態を示す図、(b)は、地盤孔内に硬化体が形成された状態で、空堀領域の地盤を除去した状態を示す図、(c)は、地盤の表面に突出した強度低下部を除去した状態を示す図。 他の実施形態の地盤改良工法を用いて地盤の改良を行う際の地盤の断面図であって、地盤孔の開口部を越えた領域の混合物に強度低下成分を添加して混合した状態を示す図。
以下、本発明の実施形態について図1及び2を参照しながら説明する。
本実施形態に係る地盤改良工法は、図1に示すように、セメント系固化材と水と土壌とを混合して流動性を有する混合物Mを形成し、該混合物Mを地盤Gに形成された孔(以下、地盤孔とも記す)H内で硬化させて硬化体(即ち、ソイルセメントコラム)を形成することにより、地盤Gを堅強なものに改良する方法である。具体的には、地盤Gの表面から所定の深さ位置よりも深い領域(後述する改良領域G2)の地盤Gに硬化体を形成することで、斯かる領域の地盤Gを改良するものである。
地盤孔Hは、地盤Gを掘削することによって形成される。本実施形態では、まず始めに、地盤Gの表面から所定の深さ位置までの領域を掘削すると共に、斯かる掘削によって発生した土壌を孔内から排出し、次いで、前記所定の深さ位置よりも深い領域を掘削することによって地盤孔Hを形成する。つまり、地盤孔Hは、地盤Gの表面から所定の深さ位置までの領域(以下、空堀領域とも記す)G1に形成された地盤孔第1領域H1と、地盤Gの表面から所定の深さ位置よりも深い領域(以下、改良領域とも記す)G2に形成された地盤孔第2領域H2とから構成されている。なお、地盤Gの表面から所定の深さ位置よりも深い領域を掘削することで発生した土壌(以下、改良土壌とも記す)は、地盤孔H内に残存した状態となっており、上述したように、セメント系固化材及び水と混合されることで混合物Mを構成する。
本実施形態に係る地盤改良工法では、セメント系固化材と水とが混合されたセメントスラリーを前記改良土壌に添加することで混合物Mが形成される。具体的には、上記のように地盤孔H(具体的には、地盤孔第2領域H2)を形成しつつ、発生した改良土壌にセメントスラリーを添加して混合することで、地盤孔H内で混合物Mを形成する。地盤孔Hの形成と混合物Mの形成とを行う手段としては、特に限定されるものではなく、地盤Gの掘削を行いつつ、セメントスラリーを地盤孔H内に供給し、且つ、セメントスラリーと改良土壌との混合を行うように構成された一般的な地盤改良機を用いることができる。
該地盤改良機は、地盤Gを掘削して地盤孔Hを形成する掘削ロッドLを備えている。該掘削ロッドLは、掘削方向に沿って伸びる軸部L1と、該軸部L1から延出するように形成されて地盤の掘削を行う掘削翼L2と、軸部L1から延出ように形成されてセメントスラリーと土壌とを混合する混合翼L3とを備えている。また、本実施形態では、混合翼L3は、軸部L1の回転方向と同方向に回転する正回転翼L31と該正回転翼L31の回転方向に対して相対的に逆回転となるように構成された逆回転翼L32とから構成されている。また、掘削ロッドLは、地盤の掘削に伴ってセメントスラリーを地盤孔H内(具体的には、掘削翼L2の近傍)に供給可能に構成されている。さらに、掘削ロッドLは、後述する強度低下成分を地盤孔H内(具体的には、掘削翼L2の近傍)に供給可能に構成されている。
このような構成の地盤改良機を用いることで、軸部L1の回転に伴って掘削翼L2および混合翼L3を回転させ、掘削翼L2によって地盤G(具体的には、改良領域G2)を掘削して地盤孔H(具体的には、地盤孔第2領域H2)を形成しつつ地盤孔H内にセメントスラリーを供給し、改良土壌とセメントスラリーとを混合翼L3および掘削翼L2によって混合して混合物Mを形成することができる。
セメント系固化材としては、地盤の改良に用いられている一般的なものを用いることができる。例えば、ポルトランドセメント、エコセメント(JIS R 5214に規定されたもの)、高炉スラグからなる高炉スラグセメント等より選択される1つ又は複数から構成されるセメント材を母材とするものを用いることができる。セメント系固化材に対する水の割合(W/C)としては、特に限定されるものではなく、60%〜100%程度であることが好ましい。
ポルトランドセメントとしては、JIS R 5210に規定された普通ポルトランドセメントを好適に使用でき、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他のポルトランドセメントを使用することもできる。他のポルトランドセメントとしては、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント等が挙げられる。
上記のように形成された混合物Mは、地盤孔Hの深さ方向の所定位置を越えるように地盤孔H内を満たした状態となる。具体的には、混合物Mは、地盤孔第2領域H2を形成する際に発生した土壌に、セメントスラリーが混合されて形成されているため、地盤孔第2領域H2の体積よりもセメントスラリーの体積に略等しい体積分だけ体積が大きくなる。このため、地盤孔H内の混合物Mは、地盤孔第1領域H1と地盤孔第2領域H2との境界位置、即ち、空堀領域G1と改良領域G2との境界位置を越えるように地盤孔H内を満たした状態となる。
また、地盤孔H内の混合物Mには、混合物Mが硬化することで形成される硬化体の強度を低下させる強度低下成分を添加する。該強度低下成分は、混合物Mの所定の領域に添加されて混合されることで、混合物Mが硬化して硬化体が形成された際に、強度低下成分が混合されていない領域の強度よりも、混合された領域の強度を低下させるものである。
斯かる強度低下成分は、地盤孔Hの深さ方向の所定位置(具体的には、地盤孔第1領域H1と地盤孔第2領域H2との境界位置)を越えた領域の混合物Mに添加される。本実施形態では、地盤孔第1領域H1と地盤孔第2領域H2との境界位置を越えた領域(即ち、空堀領域G1および地盤孔第1領域H1)の混合物Mに強度低下成分を添加して混合する。
強度低下成分を混合物Mに添加して混合する方法としては、特に限定されるものではないが、本実施形態では、上述したように掘削ロッドLが用いられる。具体的には、図1(b)に示すように、地盤孔Hおよび混合物Mを形成した後、掘削ロッドLの先端部(即ち、掘削翼L2)を地盤孔第1領域H1に移動させる。そして、地盤孔第1領域H1の混合物Mを掘削翼L2と混合翼L3とで混合しつつ、地盤孔第1領域H1内に強度低下成分を供給し、強度低下成分と混合物Mとを混合する。この際、強度低下成分は、前記セメントスラリーに混合された状態で地盤孔第1領域H1内に供給される。これにより、地盤孔H内の混合物M(具体的には、混合物Mにおける改良領域G2よりも地盤Gの表面側の領域)には、強度低下成分が混合された領域M1が形成される。
強度低下成分としては、アルミナセメント、石膏、カルシアクリンカー、カルシアクリンカー粉砕物等より選択される1つ又は複数を用いることができる。
強度低下成分の添加量としては、混合物Mにおける強度低下成分を添加する領域中のセメント系固化材100重量部に対して、5重量部以上70重量部以下であることが好ましく、10重量部以上55重量部以下であることがより好ましい。
例えば、セメント系固化材として、ポルトランドセメント及び/又はエコセメントを用い、強度低下成分として、石膏を用いた場合には、石膏は、セメント系固化材100重量部に対して、無水換算で20重量部以上40重量部以下であることが好ましく、25重量部以上35重量部以下であることがより好ましい。
また、例えば、セメント系固化材として、高炉スラグセメントを用い、強度低下成分として、石膏およびアルミナセメントを用いた場合には、石膏は、セメント系固化材100重量部に対して、無水換算で35重量部以上45重量部以下であることが好ましく、40重量部程度であることがより好ましい。一方、アルミナセメントは、セメント系固化材100重量部に対して、5重量部以上40重量部以下であることが好ましく、10重量部以上35重量部以下であることがより好ましい。
また、例えば、セメント系固化材として、高炉スラグセメントを用い、強度低下成分として、カルシアクリンカー及び/又はカルシアクリンカー粉砕物を用いた場合には、カルシアクリンカー及び/又はカルシアクリンカー粉砕物は、セメント系固化材100重量部に対して、5重量部以上40重量部以下であることが好ましく、10重量部以上30重量部以下であることがより好ましい。
上記のように強度低下成分が添加された混合物Mは、図2(a)に示すように、全体が硬化することによって硬化体Sを形成する。本実施形態では、空堀領域G1内から改良領域G2の全域に亘って硬化体Sが形成される。また、硬化体Sは、混合物Mにおける強度低下成分が混合された領域M1が硬化することで形成された強度低下部S1と、それ以外の部分(以下、改良地盤部S2とも記す)とから構成されている。具体的には、地盤孔Hの深さ方向の所定位置から地盤Gの表面側(即ち、空堀領域G1)に強度低下部S1が形成され、地盤孔Hの深さ方向の所定位置よりも深い領域(改良領域G2)に改良地盤部S2が形成される。言い換えれば、硬化体Sは、地盤孔Hの深さ方向の所定位置よりも強度低下部S1が突出するように形成されている。
本実施形態では、硬化体Sを形成した後、地盤Gの空堀領域G1を除去し、図2(b)に示すように、改良領域G2を露出させると共に、硬化体Sの強度低下部S1を改良領域G2の表面から突出させる。そして、該強度低下部(硬化体突出部)S1が自己崩壊するまで放置したり、粉砕したり、或いは、所定の状態まで自己崩壊させた後に粉砕したりすることで、強度低下部S1を除去する。これにより、図2(c)に示すように、改良領域G2の表面と硬化体Sの改良地盤部S2の表面とが略同一平面上に形成され、略平滑な改良地盤EGが形成される。
以上のように、本発明に係る地盤改良工法によれば、地盤中に硬化体を形成して地盤の改良を行うに際し、地盤孔の深さ方向の所定位置を越えた領域の硬化体を容易に除去することができる。
即ち、前記地盤改良工法は、地盤孔Hの深さ方向の所定位置を越えるように地盤孔H内に前記混合物Mが満された状態で、該混合物Mにおける前記所定位置を越えた領域に、強度低下成分を添加することで、混合物Mが硬化して硬化体Sが形成された際に、強度低下部S1の強度のみが脆弱になる。
これにより、強度低下部S1以外の強度を維持しつつ、強度低下部S1を自己崩壊させ易く、又は、粉砕し易くすることができる。このため、硬化体Sを形成した後、硬化体Sにおける地盤孔Hの深さ方向の所定位置を越えた領域(即ち、強度低下部S1)を除去する必要がある場合、強度低下部S1が自己崩壊するまで放置したり、強度低下部S1を粉砕したり、或いは、所定の状態まで自己崩壊させた後に粉砕したりすることによって強度低下部S1を容易に除去することができる。特に、強度低下成分を上記のような割合で添加することで、強度低下部S1を早期に自己崩壊させ易くすることができる。
なお、本発明に係る地盤改良工法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、空堀領域G1と改良領域G2との境界位置を越えるように混合物Mが地盤孔H内を満たしているが、これに限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、地盤孔Hの開口部を越えるように、即ち、地盤Gの表面位置を越えるように地盤孔H内を混合物Mで満し、該混合物Mにおける地盤Gの表面位置を越えた領域M1に強度低下成分を手作業で添加して混合してもよい。このような場合、混合物Mが硬化して硬化体が形成された際に、地盤孔Hの外側で強度低下部S1が形成されるため、強度低下部S1を除去する作業を効率的に行うことができる。
また、上記実施形態では、地盤Gを掘削しつつ(即ち、地盤孔Hを形成しつつ)、地盤孔H内で混合物Mが形成されているが、これに限定されるものではなく、地盤孔Hを形成した際に発生する土壌を地盤孔H内から排出し、地盤孔Hの外で斯かる土壌にセメントスラリーを添加して混合することで混合物Mを形成してもよい。そして、斯かる混合物Mを地盤孔H内に流し込むことで、地盤孔H内を混合物Mで満たしてもよい。
また、上記実施形態では、地盤Gの表面から掘削が行われているが、これに限定されるものではなく、例えば、地盤Gの表面上に盛り土をした後、盛り土の表面から掘削を行い、盛り土の領域に空堀領域G1を形成し、地盤Gの表面から改良領域G2が形成されるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
参考例1〜3>
1.使用材料
・セメント系固化材として、ポルトランドセメント、石膏、高炉スラグからなる高炉スラグセメント(製品名:タフロック3E型「TL−3E」 住友大阪セメント社製)を用いた。
・強度低下成分として、無水石膏(製品名:ノンクレーブ 住友大阪セメント社製)及びアルミナセメント(ケルネオス社製)を用いた。
・土壌として、湿潤密度が1.962g/cm3 含水比が20%の成田産砂質土を用いた。
2.供試体の作成
(1)上記のセメント系固化材を水と混練してセメントスラリー(水材料比:60%)を作成した。そして、下記表1に記載の割合で、該セメントスラリーに上記の強度低下成分を添加して結合材スラリーを作成した。
(2)得られた結合材スラリーをφ5cm×5cmの型枠内で成型し、24時間経過後に脱型して供試体を得た。その後、得られた供試体を上記の土壌中で下記表2に示す期間養生した。
3.崩壊状態の評価
下記表2に示す各養生期間毎に、供試体の崩壊状態を観察した。観察結果については下記表2に示す。なお、崩壊したものには「○」、概ね崩壊したものには「△」、崩壊しなかったものには「×」を記載した。
<実施例1〜3
強度低下成分として、カルシアクリンカーを用いたこと以外は、参考例1と同一条件で供試体を作製して養生し、崩壊状態の評価を行った。崩壊状況の観察結果については下記表2に示す。
<比較例1>
強度低下成分を用いなかったこと以外は、実施例1と同一条件で供試体を作製して養生し、崩壊状態の評価を行った。崩壊状況の観察結果については下記表2に示す。
Figure 0005831787
Figure 0005831787
<まとめ>
各実施例と比較例1とを比較すると、各実施例の供試体は、養生期間7日目までに崩壊しているのに対し、比較例1の供試体は、養生期間7日目でも崩壊していないことが認められる。つまり、セメント系固化材と共に強度低下成分を使用することで、供試体(硬化体)が脆弱なものとなることが認められる。
このため、上記実施形態のように、地盤孔Hの深さ方向の所定位置を超えるように地盤孔H内に混合物Mを満たした状態で、該混合物Mにおける前記所定位置を超えた領域に強度低下成分を添加することで、硬化体Sにおける強度低下成分が添加された部分に強度低下部S1を形成することができる。これにより、地盤Gの改良を行う際に、地盤孔Hの深さ方向の所定位置を超える領域の硬化体Sを除去する必要がある場合、除去する領域に強度低下部S1が形成されるため、強度低下部S1を自己崩壊させたり、粉砕したりすることで、容易に除去することができる。
また、実施例1〜3および参考例1〜3のセメント系固化材100重量部に対する強度低下成分の割合を見ると、強度低下成分の割合が大きい方が養生期間の早い時期に崩壊が生じていることが認められる。つまり、セメント系固化材100重量部に対する強度低下成分の割合を高めることにより、強度低下部S1を早期に自己崩壊させて除去することができる。
また、参考例1〜3を比較すると、参考例1から順に供試体の崩壊する養生期間が早くなることが認められる。つまり、強度低下成分中のアルミナセメントの含有量が多い方が強度低下部S1を早期に自己崩壊させて除去することができる。
また、実施例1〜3と参考例1〜3とを比較すると、実施例1〜3の方が養生期間の早い時期に崩壊が生じていることが認められる。つまり、強度低下成分としてカルシアクリンカーを用いることで、強度低下部S1を早期に自己崩壊させて除去することができる。
EG…改良地盤、G…地盤、G1…空堀領域、G2…改良領域、H…地盤孔、H1…地盤孔第1領域、H2…地盤孔第2領域、L…掘削ロッド、L1…軸部、L2…掘削翼、L3…混合翼、M…混合物、S…硬化体、S1…強度低下部、S2…改良地盤部

Claims (1)

  1. セメント系固化材と水と土壌とを混合して流動性を有する混合物を形成し、該混合物を地盤に形成した孔内で硬化させて硬化体を形成することで地盤の改良を行う地盤改良工法において、
    地盤に形成した孔の深さ方向の所定位置を越えるように孔内に前記混合物が満たされた状態で、該混合物における前記所定位置を越えた領域に、前記硬化体の強度を低下させる強度低下成分としてカルシアクリンカー又はカルシアクリンカー粉砕物の少なくとも一方を添加することを特徴とする地盤改良工法。
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