JP2013142256A - 地盤性状改良を伴う施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】先行して水掘削が行われた後の地盤に造成されるコラムの強度をさらに発現させることを可能とする。
【解決手段】掘削ロッド3を用いて水10を噴射させながら地盤Gを掘削し、掘削孔4から掘削ロッド3を引き上げ、掘削孔4に吸水性粉状体20を投入し、掘削孔4内の水10を吸収させて硬化させる地盤性状改良処理を実施し、該地盤性状改良処理後の地盤Gを掘削し、該掘削孔4内において掘削土等と硬化材とを混合してコラムを造成する。
【選択図】図1
【解決手段】掘削ロッド3を用いて水10を噴射させながら地盤Gを掘削し、掘削孔4から掘削ロッド3を引き上げ、掘削孔4に吸水性粉状体20を投入し、掘削孔4内の水10を吸収させて硬化させる地盤性状改良処理を実施し、該地盤性状改良処理後の地盤Gを掘削し、該掘削孔4内において掘削土等と硬化材とを混合してコラムを造成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、地盤性状改良を伴う施工方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、先行水掘削を伴う地盤施工技術の改良に関する。
ジャミング等締め込みが強い砂地盤や、周面の礫地盤が強固である地盤などにおいては、掘削ロッドから水を噴射させながら地盤を先行して掘削し(先行水掘削)、該掘削孔にコラムを造成するという工法が実施される場合がある。このような水掘削に関する技術として、例えば特許文献1には、水を噴射しながら掘削ビットを振動させながら回転させて地盤を所定の深さまで削工攪拌した後、掘削ビットを引き上げながらセメントミルクを掘削土内に噴射するとともに掘削ビットを回転させて掘削土とセメントミルクとを攪拌する例が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上述のごとき従来の工法によると、当該地盤に造成されるコラムの強度発現が管理値(ある基準をクリアするための目標値)を満足する程度であった。
そこで、本発明は、先行して水掘削が行われた後の地盤に造成されるコラムの強度をさらに発現させることを可能とする、地盤性状改良を伴う施工方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。水を噴射させて先行的に地盤を掘削した直後の掘削孔内は、余剰水が滞留した状態となっている。従来工法によると、このような状態の掘削孔にセメントミルクを投入してコラムを造成することになるが、この場合、地中の水分を確実に計測することができないこともあり、セメントミルクを多めに投入しているというのが実情である。ところが、この工法だと、掘削孔内で十分に撹拌するのに時間がかかり、時間がかかる分だけ排土量も増えてしまう。また、このように水分を含んだセメントミルクを追加投入してコラムを造成しても、水和反応に時間を要しかつ余剰水を十分に減少させることはできないため期待する高い強度が発現し難い状態が起こり得る。本発明者は、このような実情を鑑み、水掘削をした後でも原地盤に近い状態を作り出すという観点から種々の検討を行った結果、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
本発明にかかる地盤性状改良を伴う施工方法は当該知見に基づくものであり、掘削ロッドを用いて水を噴射させながら地盤を掘削し、掘削孔から掘削ロッドを引き上げ、掘削孔に吸水性粉状体を投入し、掘削孔内の水を吸収させて硬化させる地盤性状改良処理を実施し、該地盤性状改良処理後の地盤を掘削し、該掘削孔内において掘削土等と硬化材とを混合してコラムを造成するというものである。
水を噴射させて先行的に地盤を掘削した後、掘削孔内には水が溜まっている。本発明では、コラム造成工程の前、この掘削孔内へ吸水性粉状体(一例として水硬性材料が挙げられる。)を投入するという処理工程を組み入れることにより、吸水性粉状体に掘削孔内の水分を吸収させてある程度硬化させ、掘削直後の孔中水分を少なくし、水掘削前の原地盤に近い状態がつくりだされるようにする。また、かかる処理工程を経ることにより、当該地盤を改良する効果も得られる。このような地盤性状改良処理後の地盤においてコラムを造成した場合、十分なコラム強度を発現させることができる。さらに、この施工方法によれば、硬化させた地盤においてコラムを造成することができるので、コラム造成時に必要以上の硬化材を投入しなくて済み、コラム造成に要する時間を短くすることができる。また、硬化材投入量の減少とコラム造成時間の短縮に伴い、施工時の排土量を減少させることができる。
このような施工方法においては、掘削ロッドの主軸に取り付けられた吸水性粉状体投入用施工治具を用い、該吸水性粉状体投入用施工治具から吸水性粉状体を吐出しながら、掘削孔内の水と該吸水性粉状体とを混合させることができる。
本発明によれば、先行して水掘削が行われた後の地盤に造成されるコラムの強度をさらに発現させることができる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に本発明にかかる地盤性状改良を伴う施工方法の実施形態を示す。以下においては、地盤G中のソイルセメントコラム40に鋼管杭5を埋設して複合杭(ソイルセメント鋼管複合杭)とする施工技術に本発明を適用した場合の一形態を示す。
図1、図2において、符号3は、杭打機(図示省略)により回転駆動され、鋼管杭5が埋設される掘削孔4を掘削する掘削ロッドである。掘削ロッド3の主軸31は中空構造であり、液体等を通じるための配管を兼ねている。また、掘削ロッド3の主軸31の先端部31aには、この掘削ロッド3が掘削する際にセメントミルク(地盤改良材としての硬化材の一例)、あるいは水を噴出するノズル35と、地盤Gを掘削し、セメントミルクと掘削土とを撹拌・混合する掘削ビット32が設けられている。この掘削ビット32の基端側には、共回り防止翼33、撹拌翼34が設けられている。
杭打機(図示省略)は、リーダー、オーガー、振れ止め装置などを有しており、掘削ロッド3を回転させて地盤Gを掘削し、掘削孔4に杭(例えば鋼管杭5)を沈設させる等する機械である。オーガー(杭回転装置)は、鉛直方向に立設するリーダーに沿って杭打時に移動可能に設けられており、当該リーダーの長手方向に沿って昇降する。オーガーには、鋼管杭5が直接またはヤットコ(図示省略)を介して連結され、該オーガーが回転駆動することによって当該鋼管杭5も回転させ、地盤Gに貫入させる。本実施形態では、螺旋状羽根5aが設けられた鋼管杭5を用い、該鋼管杭5を回転させることにより、螺旋状羽根5aが生じさせる地中への推進力を利用して当該鋼管杭5を掘削孔4内に貫入させる。鋼管杭5が地盤Gに貫入する際、オーガーもリーダーに沿って降下する。
続いて、上述の掘削ロッド3を用いて地盤Gを掘削し、地盤性状改良工程を経て、鋼管杭5を埋設するまでの一連の動作について順に説明する(図1等参照)。
まず、掘削ロッド3のノズル35から水10を噴射させながら地盤Gを先行して掘削する先行水掘削を実施する(図1(A)、(B)参照)。先行水掘削の際は、例えば地上に設置されたプラント(図示省略)等から掘削ロッド3の内部に設けられた配管に水10を供給し、その配管の先端に位置するノズル35から吐出させる。所定の深度まで掘削したら、掘削孔4から掘削ロッド3を引き抜く。掘削ロッド3を引き上げた後の掘削孔4は、内部に水10が滞留した状態となっている(図1(C)参照)。
次に、掘削孔4において、地盤性状改良処理を実施する。例えば本実施形態では、掘削孔4にドライモルタル(吸水性粉状体)20を投入し、掘削孔4内の水10を吸収させて硬化させる。ドライモルタル20の投入方法は特に限定されるものではなく、専用の治具を利用してももちろん構わないし、掘削ロッド3を利用しても構わない。例えば本実施形態では、掘削ロッド3の先端部31aから掘削ビット32を取り外し、代わりにモルタル投入用施工治具36を取り付け、該モルタル投入用施工治具36からドライモルタル20を吐出させるようにしている(図1(D)参照)。
モルタル投入用施工治具36としては、水10が滞留している掘削孔4への挿入や、ドライモルタル投入後に掘削孔4からの引き上げが行いやすいものが好適である。本実施形態では、リング部36aと、該リング部36aを支持する例えば4本のアーム部36bとで構成されるモルタル投入用施工治具36を用いている(図3、図4参照)。このようなモルタル投入用施工治具36は、各アーム部36b間に形成されている隙間により水10やドライモルタル20から受ける抵抗を軽減させることができ、さらには、掘削孔4内を上下動する際に水10とドライモルタル20とを撹拌して混ぜ合わせることができる。
このような地盤性状改良処理を実施すると、ドライモルタル(吸水性粉状体)20が掘削孔4内の水分を吸収して硬化し、掘削孔4中の水分を少なくさせる。この結果、先行水掘削が実施された箇所において、水掘削前の現地盤に近い状態がつくりだされる(図1(E)参照)。
続いて、地盤性状改良処理後の当該地盤Gにおいて、地盤G中のソイルセメントコラム40を造成する。まずここでは、地盤性状改良処理された掘削孔4を、ノズル35からセメントミルク(硬化材)を吐出しながら掘削ロッド3で掘削する(図2(F)参照)。吐出されたセメントミルクは、掘削ビット32により撹拌され、地盤Gの余剰掘削土等(掘削土のほか、該掘削土とモルタルとの混合体も含まれる)と混合されてスラリー化し、ソイルセメントコラム40を築造する。その後、掘削孔4から掘削ロッド3を引き抜く(図2(G)参照)。
続いて、掘削孔4内に鋼管杭5を建て込む。鋼管杭5を建て込むには、まず杭打機により鋼管杭5の基端(杭頭)を吊り上げ、鋼管杭5の杭芯合わせをするとともに鉛直性を確認する。その後、鋼管杭5を回転させてソイルセメントコラム40中に埋設し(図2(H)参照)、埋設したら鋼管杭5の杭頭レベル(杭頭の鉛直方向位置)を確認する(図2(I)参照)。本実施形態では、当該鋼管杭5のソイルセメントとの摩擦力を増強させる螺旋状羽根5aをその周囲に有する鋼管杭5を回転させながら掘削孔4内のソイルセメントコラム40中に埋設するようにしている。
以上で、先行水掘削後に性状改良処理した地盤G中にソイルセメントコラム40を築造し、該ソイルセメントコラム40に鋼管杭5を埋設して複合杭(ソイルセメント鋼管複合杭)1を施工するという一連の工程が完了する。
上述のごとき施工方法によれば、先行水掘削が実施された地盤Gに対して性状改良処理(ドライモルタル等を用いたいわばセメント硬化処理)をし、水掘削前の現地盤に近い状態をつくりだしてからコラム造成工程に進むので、十分なコラム強度を発現させることが可能となっている。しかも、この施工方法によれば、コラム造成時にセメントミルクを必要以上に投入しなくて済み、コラム造成に要する時間を短くすることができ、尚かつ、セメントミルク投入量の減少とコラム造成時間の短縮に伴い、施工時の排土量を減少させることができる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態で説明したドライモルタルは、吸水性粉状体の好適な一例にすぎず、このほか、セメント硬化剤や混和材料として減水剤などを、吸水性を有する粉状体として用いることができ、要は、掘削孔4内に滞留した水10を吸収・減少させて硬化することによって水掘削前の現地盤に近い状態をつくりだしうる材料であれば足りる。
本発明は、先行水掘削を伴う地盤施工技術に適用して好適なものである。
3…掘削ロッド
4…掘削孔
10…水
20…ドライモルタル(吸水性粉状体)
31…掘削ロッドの主軸
36…モルタル投入用施工治具(吸水性粉状体投入用施工治具)
40…ソイルセメントコラム(コラム)
G…地盤
4…掘削孔
10…水
20…ドライモルタル(吸水性粉状体)
31…掘削ロッドの主軸
36…モルタル投入用施工治具(吸水性粉状体投入用施工治具)
40…ソイルセメントコラム(コラム)
G…地盤
Claims (2)
- 掘削ロッドを用いて水を噴射させながら地盤を掘削し、
掘削孔から前記掘削ロッドを引き上げ、
前記掘削孔に吸水性粉末体を投入し、前記掘削孔内の水を吸収させて硬化させる地盤性状改良処理を実施し、
該地盤性状改良処理後の地盤を掘削し、該掘削孔内において掘削土等と硬化材とを混合してコラムを造成する、地盤性状改良を伴う施工方法。 - 前記掘削ロッドの主軸に取り付けられた吸水性粉状体投入用施工治具を用い、該吸水性粉状体投入用施工治具から前記吸水性粉状体を吐出しながら、前記掘削孔内の水と該吸水性粉状体とを混合させる、請求項1に記載の地盤性状改良を伴う施工方法。
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JP2012003132A JP2013142256A (ja) | 2012-01-11 | 2012-01-11 | 地盤性状改良を伴う施工方法 |
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KR20150059553A (ko) * | 2013-11-22 | 2015-06-01 | 스키너스 주식회사 | 파일 시공 방법 |
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2012
- 2012-01-11 JP JP2012003132A patent/JP2013142256A/ja active Pending
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