JP5830866B2 - 制御装置、電気光学装置、電気光学装置の駆動方法および電子機器 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、このような残像を低減して高品位な表示が可能とする技術を提供することにある。
そこで、本発明に係る制御装置にあっては、各々が表示素子を有する画素を含む表示部の制御装置であって、前記表示部に表示させる画像を変更する場合に変更後の画像データが書き込まれる記憶領域にアクセスし、前記記憶領域に記憶されている画像データが表す画像のうちの所定の領域において異なる階調で画素が隣り合う箇所のうち、前回の単一階調への書き換えの後に初めて異なる階調で画素が隣り合った箇所を計数した積算値が所定値を超えたとき、少なくとも前記表示部に変更後の画像が表示される前に、前記所定の領域に含まれる画素のうち、少なくとも当該計数した箇所に対応する画素の単一階調への書き換えを実行する旨の指示を出力する構成としたものである。
本発明において、前記積算値が前記所定値以下であるとき、前記所定の領域において変更のある画素の書き換えを指示する構成が好ましい。この差分駆動の実行によって、無駄な電力消費が抑えられる。
なお、本発明は、制御装置のほか、電気光学装置や、当該電気光学装置の駆動方法、さらには、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る電気光学装置1の電気的な構成を示すブロック図である。この図に示されるように、電気光学装置1は、表示部10、第1VRAM51、第2VRAM52およびコントローラー60を含む構成となっている。
データ線駆動回路140は、選択された走査線112に位置する画素20の1行分の表示内容に応じて各列のデータ線114をそれぞれ駆動するものである。
一時記憶部64は、RAMであり、後述する動作時において用いる変数を一時的に記憶する。
リフレッシュ駆動制御部66は、表示部10で表示すべき画像が変更された場合に、後述する条件を満たしたとき、リフレッシュ駆動によって画素20のすべてを駆動するように走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140をそれぞれ制御するものである。
差分駆動制御部68は、表示部10で表示すべき画像が変更された場合に、後述する条件を満たしていないとき、変更があった画素20のみを駆動(差分駆動)するように走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140をそれぞれ制御するものである。
なお、コントローラー60には、図1において省略した上位装置(CPU)が接続され、表示部10で表示すべき画像を規定している。
各画素20については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素20において、TFT22のゲート電極はi行目の走査線112に接続される一方、そのソース電極はj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極は、表示素子30の一端である画素電極32と補助容量40の一端とにそれぞれ接続されている。
なお、補助容量40は、素子基板側に形成された一対の電極によって誘電体層を挟持した構成である。補助容量40の他端の電極は、各画素にわたって共通の容量線132に共通接続されている。
また、図示省略した外部回路によって、コモン電極36には電圧Comが印加され、容量線132には電圧Vssが印加されるが、ここでは説明簡略化のため、電圧Comも電圧Vssも電圧基準(0V)の接地電位であるとする。
電気泳動層34は、素子基板に形成された画素電極32と、対向基板に形成されたコモン電極36との間において、複数のマイクロカプセル35を固定した層である。マイクロカプセル35には、2種類の電気泳動粒子が分散媒34eにおいて移動可能に分散している。2種類の電気泳動粒子は、負に帯電した白色粒子34wと、正に帯電した黒色粒子34bである。
このような構成において、図3(a)に示されるように、コモン電極36に電圧Comとして例えば0Vを印加し、画素電極32に例えば−15Vの電圧を印加して、相対的にコモン電極36を画素電極32よりも高電位に保つと、白色粒子34wがコモン電極36側に、黒色粒子34bが画素電極32側にそれぞれ引き寄せられる。コモン電極36としてITO(Indium Tin Oxide)などの透明性を有する導電層を用いるとともに、対向基板に透明性を持たせた構成にしてコモン電極36側から観察したときに、当該画素20は、白色として視認されることになる。
一方、図3(b)に示されるように、コモン電極36に例えば0Vの電圧を印加し、画素電極32に例えば+15Vの電圧を印加して、相対的にコモン電極36を画素電極32よりも低電位に保つと、黒色粒子34bがコモン電極36側に、白色粒子34wが画素電極32側にそれぞれ引き寄せられる。この結果、コモン電極36側から観察したときに、当該画素20は、黒色として視認されることになる。
まず、ステップSa1において、コントローラー60における全体制御部62は、第1VRAM51に記憶されていた画像データを読み出して、第2VRAM52に複写する。次に、ステップSa2において、全体制御部62は、供給された変更後の画像データを第1VRAM51に格納する。
この後、ステップSa5において、全体制御部62は、次回のリフレッシュ駆動に備えるために変数Countをゼロにリセットする。
まず、ステップSb1において、全体制御部62は、注目画素を1行1列にセットする。ここで、注目画素とは、輪郭を検出するために便宜的に注目する画素のことである。詳述すると、図6に示されるように、注目画素は、1行1列〜1行n列、2行1列〜2行n列、3行1列〜3行n列、…、(m−1)行1列〜(m−1)行n列、m行1列〜m行n列という順番で移動させている。ステップSb1では、注目画素を、初期値として1行1列にセットしているのである。
ステップSb2において、全体制御部62は、第1VRAM51のうち、セットされた注目画素の画素値と、当該注目画素に対して右隣に位置する画素の画素値とを読み出して、2つの画素値の排他的論理和(Xor)が「1」であるか否かを判別する。ここで画素値とは、対応する画素の階調を指定するものであり、本実施形態のように2値的であれば、白色を指定するのであれば「1」であり、黒色を指定するのであれば「0」である。
一方、ステップSb2において、2つの画素値の排他的論理和が「1」でない場合、すなわち「0」である場合も、次のように2通り存在する。すなわち、図7(c)に示されるように注目画素の画素値と右隣画素の画素値とがいずれも「1」である場合と、図7(d)に示されるように、いずれも「0」である場合とである。2通りのいずれかであれば、全体制御部62は、ステップSb3におけるインクリメント処理をスキップさせる。
詳細には、ステップSb4において、全体制御部62は、注目画素の画素値と、当該注目画素に対して下隣に位置する画素の画素値とを読み出して、2つの画素値の排他的論理和(Xor)が「1」であるか否かを判別する。
一方、ステップSb4において、2つの画素値の排他的論理和が「0」である場合も、次のように2通り存在する。すなわち、図7(g)に示されるように注目画素の画素値と下隣の画素の画素値とがいずれも「1」である場合と、図7(h)に示されるように、いずれも「0」である場合とである。この2通りのいずれかであれば、全体制御部62は、ステップSb5におけるインクリメント処理をスキップさせる。
一方、ステップSb6における判別結果が「Yes」であれば、白色画素と黒色画素とが横または縦方向に隣り合う箇所の分だけ、変数Countを計数したことになるので、この輪郭検出処理が終了する。
また、図5中のステップSb2およびSb4における判別処理によって輪郭を抽出する抽出機能が実現され、これらの判別結果が「Yes」である場合に、変数Countのインクリメント処理によって計数機能が実現される。また、図4中のステップSa3における変数Countの判別処理によって判別機能が実現される。
上述したように、表示部10による表示画像が変更される場合に、変数Countが閾値Th1を越えているとき、表示画像は、リフレッシュ駆動によって書き換えられる(ステップSa4)。
まず、変更前の画像は、図9(a)に示される通りであり、これは図8(a)と同一であって、第2VRAM52の記憶内容に反映されている。
次に、リフレッシュ駆動制御部66は、図9(b)に示されるように、書き換える前の画像、すなわち第2VRAM52に記憶された画像のうち、白色画素を黒色画素に反転するように、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140を制御する。詳細には、リフレッシュ駆動制御部66は、走査線駆動回路130に対して、走査線112を1行目、2行目、3行目、…、(m−1)行目、m行目という順番で選択するように制御する。さらに、リフレッシュ駆動制御部66は、データ線駆動回路140に対して、第2VRAM52の記憶内容を参照して、選択された走査線112に位置する画素のうち、画素値が「1」であるものについては、データ線114に+15Vの電圧を印加させ、画素値が「0」であるものについては、データ線114に0Vの電圧を印加させるように(すなわちコモン電極36と同電位となるように)制御する。なお、画素値が「0」であるものについて、データ線114を切り離して、電気的にどの部分にも接続されないハイ・インピーダンス状態(浮遊状態)にさせるように制御しても良い。
走査線112が選択されるとハイレベルになるので、当該走査線112にゲート電極が接続されたTFTがオン(導通状態)して、画素電極32がデータ線114と電気的に接続された状態になる。
これによって、元が白色であった画素は、電界方向の逆転によって黒色に反転する一方、元が黒色であった画素は、電界が生じないので、黒色を維持する。したがって、この制御によって図9(c)に示されるように、すべての画素が黒色となる。
また、ここでは走査線112を1行目から順番に選択したが、1行分のすべてに変更が生じていない走査線112については選択をスキップしても良い。
この制御によって、図9(e)に示されるように、今度はすべての画素が白色になる。
これによって、画素電極に+15Vの電圧が印加された画素は、電界方向の逆転によって黒色に反転する一方、選択されたときにデータ線114が0Vであった画素は、電界方向になんら変化が生じないので、白色を維持する。このため、図9(g)に示されるように、第1VRAM51の記憶内容を反映させた表示状態となる。
まず、変更前の画像は、図10(a)に示される通りであり、これは図8(a)と同一であって、第2VRAM52の記憶内容に反映されている。
差分駆動制御部68は、図10(b)に示されるように、書き換え前後の画像を比較して、変更のある画素のみについて、反転するように走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140を制御する。詳細には、差分駆動制御部68は、走査線駆動回路130に対して、走査線112を1行目、2行目、3行目、…、(m−1)行目、m行目という順番で選択するように制御する。さらに、差分駆動制御部68は、第1VRAM51および第2VRAM52を参照して、データ線駆動回路140に対し、選択された走査線112に位置する画素のうち、画素値が「0」から「1」に変化するものについては、データ線114に−15Vの電圧を印加させ、画素値が「1」から「0」に変化するものについては、データ線114に+15Vの電圧を印加させ、画素値に変更がないものについては、データ線114に0Vの電圧を印加させるように制御する。
これによって、画素電極に−15Vまたは+15Vの電圧が印加された画素は、電界方向の逆転によって反転する一方、画素電極に0Vの電圧が印加された画素では、なんら変化が生じないので、元の状態を維持する。このため、図10(c)に示されるように、第1VRAM51の記憶内容を反映させた表示状態となる。
上述した第1実施形態は、前回のリフレッシュ駆動から白色画素と黒色画素とが隣り合った箇所を計数した積算値が閾値Th1を越えたときに、リフレッシュ駆動を実行するものであった。このため、表示内容の変更が複数回生じたときに、当該積算値が閾値Th1以下であれば、リフレッシュ駆動は実行されない。このとき、同じ箇所で白色画素と黒色画素とが隣り合う状態が、表示内容の変更の都度毎回発生しても、残像が同じ箇所でとどまるだけであるから、その影響は小さいと考えられる。
しかしながら、第1実施形態では、同じ箇所で白色画素と黒色画素とが複数回隣り合ったとき、当該箇所が重複して計数されるので、リフレッシュ駆動が頻繁に実行される可能性がある点において改善の余地がある。
ここで、境界フラグとは、図12に示されるように、m行×n列でマトリクス状に配列する画素20同士の境界に対応して設けられるフラグであり、前回のリフレッシュ駆動から現時点に至るまでに、境界を挟む二つの画素が白色と黒色とになって、当該境界が画像の輪郭部分になったことがあったか否かを示すものである。
まず、ステップSc1において、全体制御部62は、注目画素を1行1列にセットする。次に、ステップSc2において、全体制御部62は、第1VRAM51のうち、注目画素の画素値と、当該注目画素に対して右隣に位置する画素の画素値とを読み出して、2つの画素値の排他的論理和(Xor)が「1」であるか否かを判別する。
この判別結果が「No」であれば、2つの画素のいずれもが白色または黒色で同色であり、輪郭を形成していない。このため、処理手順は後述するステップSc6にスキップする。
一方、判別結果が「Yes」であれば、2つの画素のうち、一方が白色であり、他方が黒色であり、輪郭を形成している。
一方、判別結果が「Yes」であれば、ステップSc4において、全体制御部62は、注目画素の右隣に相当する境界フラグを「1」にセットする。
ここで、注目画素の右隣に相当する境界フラグは、前回のリフレッシュ駆動(ステップSa4)の直後にゼロにリセットされ、ステップSc4以外において「1」にセットされることはない。このため、ステップSc2およびSc3における判別結果がともに「Yes」である場合とは、前回のリフレッシュ駆動から今回の判別に至るまでに、注目画素と右隣画素とが初めて画像の輪郭部分になったことを示している。したがって、この場合であれば、ステップSc5において、全体制御部62は変数Countを「1」だけインクリメントする。
また、注目画素の右隣に相当する境界フラグが「1」にセットされた後から次回リフレッシュ駆動が実行されるまでに、再び注目画素と右隣画素とが画像の輪郭部分になったとしても、ステップSc3における判別結果が「No」になるので、ステップSc5のインクリメント処理がスキップされる。このため、同じ箇所が輪郭を形成しても変数Countが重複して計数されることはない。
すなわち、ステップSc6において、全体制御部62は、第1VRAM51のうち、注目画素の画素値と、当該注目画素に対して下隣に位置する画素の画素値とを読み出して、2つの画素値の排他的論理和(Xor)が「1」であるか否かを判別する。
この判別結果が「No」であれば、処理手順は後述するステップSc10にスキップする。一方、判別結果が「Yes」であれば、ステップSc7において、全体制御部62は、注目画素の下隣に相当する境界フラグが「0」であるか否かを判別する。この判別結果が「No」であれば、処理手順はステップSc10にスキップする。
一方、判別結果が「Yes」であれば、ステップSc8において、全体制御部62は、注目画素の下隣に相当する境界フラグを「1」にセットする。
ステップSc6およびSc7における判別結果がともに「Yes」である場合とは、前回のリフレッシュ駆動から今回に至るまでに、注目画素と下隣画素とが初めて画像の輪郭部分になったことを示している。したがって、この場合であれば、ステップSc9において、全体制御部62は変数Countを「1」だけインクリメントする。
また、注目画素の下隣に相当する境界フラグが「1」にセットされた後から次回リフレッシュ駆動が実行されるまでに、再び注目画素と下隣画素とが画像の輪郭部分になったとしても、ステップSc7における判別結果が「No」になるので、ステップSc9のインクリメント処理がスキップされる。このため、同じ箇所で輪郭が発生しても、変数Countが重複して計数されることはない。
一方、ステップSc10における判別結果が「Yes」であれば、前回のリフレッシュ駆動から初めて輪郭となった箇所の分だけ、変数Countを計数したことになるので、この輪郭検出処理が終了する。
上述した残像の原因を今一度考えてみる。白色画素と黒色画素とが隣り合ったとき、一方の画素における電界が他方の画素に影響を及ぼすので、この時点において残像が発生しているはずである。ただし、白色画素と黒色画素とが隣り合っている状態が強調されて視認される余り、発生しているはずの残像は、実はそれほど目立たないと考えられる。
換言すれば、残像が目立つのは、白色画素と黒色画素とが隣り合っているときではなく、異なる色で隣り合っていた2つの画素がともに同色に移行したときに、移行後の色とは異なる色(残像)が存在しているために目立つ、と考えることができる。
上述した第1実施形態は、白色画素と黒色画素とが隣り合った回数を積算し、第2実施形態では、前回のリフレッシュ駆動から白色画素と黒色画素とが初めて隣り合った回数を積算して、当該積算値(変数Count)が閾値Th1を越えたときにリフレッシュ駆動を実行する、というものであった。このため、第1または第2実施形態では、残像がそれほど目立たない状態であるにも拘わらず、リフレッシュ駆動を実行してしまう可能性があり、この点において未だ改善の余地がある、といえる。
なお、第3実施形態は、第2実施形態と同様に、第1実施形態における輪郭検出処理の内容を変更したものである。また、メインフロー(図4参照)におけるステップSa5では、変数Countがゼロにリセットされるほか、すべての境界フラグについてもゼロにリセットされる点において第2実施形態と同様である。
まず、ステップSd1において、全体制御部62は、注目画素を1行1列にセットする。次に、ステップSd2において、全体制御部62は、第1VRAM51のうち、注目画素の画素値と、当該注目画素に対して右隣に位置する画素の画素値とを読み出して、2つの画素値の排他的論理和(Xor)が「0」であるか否かを判別する。
この判別結果が「No」であれば、2つの画素が互いに異なる色である、ということを示しているので、処理手順は後述するステップSd5にスキップする。
一方、判別結果が「Yes」であれば、2つの画素がともに白色または黒色で互いに同色である、ということを示している。このため、ステップSd3において、全体制御部62は、注目画素の右隣に相当する境界フラグが「1」であるか否かをさらに判別する。
このため、ステップSd2およびSd3における判別結果がともに「Yes」である場合とは、注目画素と右隣画素とが、表示内容の変更によって互いに同色となる場合であって、かつ、その変更前の状態において一方が白色画素であり、他方が黒色画素である場合である。
したがって、この場合であれば、ステップSd4において、全体制御部62は変数Countを「1」だけインクリメントする。
上記4通りのいずれも、注目画素の右隣に相当する境界フラグが「1」である。
すなわち、図15のステップSd8において、全体制御部62は、第1VRAM51のうち、注目画素の画素値と、当該注目画素に対して下隣に位置する画素の画素値とを読み出して、2つの画素値の排他的論理和(Xor)が「0」であるか否かを判別する。
この判別結果が「No」であれば、処理手順はステップSd11にスキップする一方、判別結果が「Yes」であれば、ステップSd9において、全体制御部62は、注目画素の下隣に相当する境界フラグが「1」であるか否かをさらに判別する。
したがって、この場合であれば、ステップSd10において、全体制御部62は変数Countを「1」だけインクリメントする。
上記4通りのいずれも、注目画素の下隣に相当する境界フラグが「1」である。
一方、ステップSd14における判別結果が「Yes」であれば、この輪郭検出処理が終了する。
本発明は、上述した実施形態に限られず、次のような応用・変形が可能である。
図17に示されるように、表示領域100のうち、テキストボックスのような領域100aでは、文字や記号などが入力される毎に表示内容の変更が発生する。同様に、カーソル100bの移動が予定される領域100cでは、当該カーソル100bの移動が指示される毎に表示内容の変更が発生する。
輪郭残像は表示内容の変更を契機として発生するので、領域100aや領域100cのように、表示内容が頻繁に変更される領域に残像が集中して発生する可能性が高い。
そこで、表示領域100を複数に分割して、分割領域毎に抽出機能、計数機能および判別機能をそれぞれ実行するとともに、変数Countが閾値Th1を越えた分割領域に含まれる画素についてのみリフレッシュ駆動を実行する構成としても良い。このような構成によって、リフレッシュ駆動される画素が限定されるので、消費される電力が抑えられるとともに、集中して発生する残像を効率良く低減することが可能になる。
また、リフレッシュ駆動される領域を必要最小限に抑えることができるため、表示領域100全体をリフレッシュ駆動する場合と比較して、ちらつきを抑制することが可能になる。
なお、このときの閾値Th1については、分割した領域に含まれる画素の数に応じて設定すれば良い。また、表示内容が変更されない領域があれば、当該領域については、抽出機能、計数機能および判別機能をそれぞれ実行しない構成としても良い。
中間階調を表示する場合に、輪郭を形成する箇所として抽出する条件としては、2つの画素における画素値(階調値、階調レベル)の差で判別しても良い。例えば階調が、
黒色<暗い灰色<やや暗い灰色<やや明るい灰色<明るい灰色<白色、
という順番の明るさで規定される場合について検討してみる。
階調値の差が大きいとき、例えば黒色または暗い灰色の画素と、白色または明るい灰色の画素とが隣り合うときには、電界に及ぼされる影響が大きいので、変数Countをインクリメントすれば良い。一方、階調値の差が小さいとき、例えばやや暗い灰色の画素と、やや明るい灰色の画素とが隣り合うときには、影響が小さいので、変数Countをインクリメントしない、または、複数箇所に1回の割合で変数Countをインクリメントすれば良い。 一方、白を背景として黒色寄りの画素が出現する場合には、特に残像が視認されやすいので、この場合には、変数Countを優先的にインクリメントする構成(インクリメントの頻度を高くする構成)としても良い。
また、リフレッシュ駆動の他の態様としては、輪郭抽出においてカウントされた箇所に対応する画素(すなわち、異なる階調で隣り合った注目画素と対象画素)を少なくとも単一階調に書き換える工程を含む態様でもよい。この場合にも、リフレッシュ駆動により残像を消去することができる。
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置を適用した電子機器の例について説明する。図18(a)は、当該電気光学装置を用いた電子ブックリーダーの斜視図である。
電子ブックリーダー1000は、本の形状のフレーム1001と、このフレーム1001に対して開閉自在に設けられたカバー1002と、操作部1003と、実施形態に係る電気光学装置を備えている。ただし、図において、電気光学装置のうち、表示領域100のみが露出している。電子ブックリーダー1000においては、電子ブックの内容が表示領域100に表示され、操作部1003を操作することにより、電子ブックのページがめくられる。
また、図18(b)は、上述した実施形態に係る電気光学装置を用いた腕時計1100の斜視図である。この腕時計1100は、実施形態に係る電気光学装置を備えているが、表示領域100のみが露出している。この腕時計1100においては、時刻や年月日が表示領域100に表示される。
なお、このほかにも、上述した実施形態に係る電気光学装置が適用可能な電子機器としては、電子ペーパーや、電子手帳、電卓、携帯電話機等などが挙げられる。
Claims (11)
- 各々が表示素子を有する画素を含む表示部の制御装置であって、
前記表示部に表示させる画像を変更する場合に変更後の画像データが書き込まれる記憶領域にアクセスし、前記記憶領域に記憶されている画像データが表す画像のうちの所定の領域において異なる階調で画素が隣り合う箇所のうち、前回の単一階調への書き換えの後に初めて異なる階調で画素が隣り合った箇所を計数した積算値が所定値を超えたとき、少なくとも前記表示部に変更後の画像が表示される前に、前記所定の領域に含まれる画素のうち、少なくとも当該計数した箇所に対応する画素の単一階調への書き換えを実行する旨の指示を出力する
ことを特徴とする制御装置。 - 前記異なる階調で画素が隣り合う箇所の2つの画素における階調の差に応じて、前記隣り合う箇所を複数箇所に1回の割合で計数する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。 - 前記積算値が前記所定値を超えたときに、前記所定の領域に含まれる画素をすべて単一階調に書き換える旨を指示した後、
前記所定の領域に含まれる画素のうち前記単一階調とは異なる画素の書き換えを指示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。 - 前記積算値が前記所定値以下であるとき、前記所定の領域において変更のある画素の書き換えを指示する
ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。 - 前記所定の領域は、前記表示部における複数の画素のうち、全部または一部からなる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の制御装置。 - 前記積算値が前記所定値を超えたときに、前記所定の領域に含まれるすべての画素の前記単一階調への書き換えを指示する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の制御装置。 - 各々が表示素子を有する複数の画素を含む表示部と、
前記表示部に表示させる画像を変更する場合に変更後の画像データが書き込まれる記憶領域にアクセスし、前記記憶領域に記憶されている画像データが表す画像のうちの所定の領域において異なる階調で画素が隣り合う箇所のうち、前回の単一階調への書き換えの後に初めて異なる階調で画素が隣り合った箇所を計数した積算値が所定値を超えたときに、少なくとも前記表示部に変更後の画像が表示される前に、前記所定の領域に含まれる画素のうち、少なくとも当該計数した箇所に対応する画素の単一階調への書き換えを実行するように制御する制御装置と、
を具備することを特徴とする電気光学装置。 - 前記積算値が前記所定値を超えたときに、前記所定の領域に含まれるすべての画素を前記単一階調に書き換える
ことを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置。 - 各々が表示素子を有する複数の画素を含む表示部を備える電気光学装置の駆動方法であって、
前記表示部に表示させる画像を変更する場合に変更後の画像データが書き込まれる記憶領域にアクセスし、前記記憶領域に記憶されている画像データが表す画像のうちの所定の領域において異なる階調で画素が隣り合う箇所のうち、前回の単一階調への書き換えの後に初めて異なる階調で画素が隣り合った箇所を計数し、
当該計数した積算値が所定値を超えたか否かを判別し、
前記積算値が前記所定値を超えたと判別したときに、少なくとも前記表示部に変更後の画像が表示される前に、前記所定の領域に含まれる画素のうち、少なくとも当該計数した箇所に対応する画素の単一階調への書き換えを実行するように制御する
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 前記積算値が前記所定値を超えたときに、前記所定の領域に含まれるすべての画素を前記単一階調に書き換える
ことを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 請求項7に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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